説明

鍋の保温具

【課題】加熱中の寸胴鍋を保温することが可能な鍋の保温具を提供する。
【解決手段】鍋の保温具1は、胴長の寸胴鍋2の側面2dの少なくとも一部を覆うように寸胴鍋2の側面2dに巻回される帯状の側面覆部5を備えている。側面覆部5は、耐熱性および耐炎性を有し帯状に形成される耐火部材と、断熱性を有し耐火部材の中に収容される断熱部材とを備えている。この鍋の保温具1では、ガスコンロ3によって寸胴鍋2が加熱されているときに寸胴鍋2に側面覆部5が巻回されていても、耐火部材の作用で、側面覆部5が燃えたり、溶けたりするのを防止することが可能になる。また、この鍋の保温具1では、断熱部材の作用で、ガスコンロ3によって加熱されているときの寸胴鍋2を保温することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱中の寸胴鍋を保温するための鍋の保温具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスコンロ等の加熱源から下ろした鍋を保温するための鍋用保温容器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の鍋用保温容器は、有底円筒状に形成される本体と蓋体とから構成されており、本体および蓋体は、断熱性に優れた発砲スチロール等によって形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3007085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、特許文献1に記載の鍋用保温容器は、加熱源から下ろした加熱後の鍋を保温することが可能である。しかしながら、この鍋用保温容器では、加熱中の鍋を保温することができない。
【0005】
そこで、本発明の課題は、加熱中の寸胴鍋を保温することが可能な鍋の保温具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の鍋の保温具は、胴長の寸胴鍋の側面の少なくとも一部を覆うように寸胴鍋の側面に巻回される帯状の側面覆部を備え、側面覆部は、耐熱性、耐炎性および断熱性を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の鍋の保温具では、寸胴鍋の側面に巻回される帯状の側面覆部が耐熱性および耐炎性を有している。そのため、たとえば、ガスコンロ等の火を使用する加熱源によって寸胴鍋の底面が加熱されているときに、寸胴鍋の側面に側面覆部が巻回されていても、側面覆部が燃えたり、溶けたりするのを防止することが可能になる。また、本発明の鍋の保温具では、側面覆部が断熱性を有しているため、寸胴鍋の側面に側面覆部が巻回されていれば、寸胴鍋を保温することが可能になる。したがって、本発明では、加熱中の寸胴鍋を保温することが可能になる。その結果、本発明では、加熱源の熱量を減らしても、加熱中の寸胴鍋の中の材料を効率的に煮沸等させることが可能になり、省エネルギー化を図ることが可能になる。
【0008】
本発明において、側面覆部は、たとえば、耐熱性および耐炎性を有し帯状に形成される耐火部材と、断熱性を有し耐火部材の中に収容される断熱部材とを備えている。この場合には、耐火部材によって、側面覆部の燃焼や溶解を防止しつつ、断熱部材によって、寸胴鍋を保温することが可能になる。
【0009】
本発明において、鍋の保温具は、寸胴鍋の蓋を覆う蓋覆部を備えることが好ましい。このように構成すると、寸胴鍋の側面に加え、蓋を覆うことができるため、寸胴鍋の保温効果を高めることが可能になる。
【0010】
本発明において、帯状に形成される側面覆部の長さは、寸胴鍋の外周よりも長くなっていることが好ましい。このように構成すると、寸胴鍋の周方向において、寸胴鍋の側面を側面覆部によって確実に覆うことが可能になる。また、この場合には、側面覆部には、寸胴鍋の側面に側面覆部を巻き付けて固定するための面ファスナが取り付けられていることが好ましい。このように構成すると、寸胴鍋の側面に側面覆部を容易に着脱することが可能になる。
【0011】
本発明において、側面覆部には、寸胴鍋の取手に引っ掛かる引掛け部が取り付けられていることが好ましい。このように構成すると、寸胴鍋の側面から側面覆部がずり落ちるのを防止することが可能になる。したがって、たとえば、ガスコンロの炎の上に鍋の保温具が落下するのを防止することが可能になり、その結果、側面覆部が燃えてしまうのを確実に防止することが可能になるとともに、ガスコンロの不完全燃焼を防止することが可能になる。
【0012】
本発明において、帯状に形成される側面覆部の幅は、寸胴鍋の高さよりも狭くなっていることが好ましい。このように構成すると、たとえば、ガスコンロの炎に側面覆部の下端が接触するのを防止することが可能になる。したがって、側面覆部が燃えてしまうのを確実に防止することが可能になる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明では、加熱中の寸胴鍋を保温することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態にかかる鍋の保温具が寸胴鍋に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す寸胴鍋の斜視図である。
【図3】(A)は、図1に示す側面覆部の表面を示す図、(B)は、図1に示す側面覆部の裏面を示す図である。
【図4】図1に示す側面覆部の拡大断面図である。
【図5】図1に示す蓋覆部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
(鍋の保温具の構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる鍋の保温具1が寸胴鍋2に取り付けられた状態を示す斜視図である。図2は、図1に示す寸胴鍋2の斜視図である。図3(A)は、図1に示す側面覆部5の表面5aを示す図、図3(B)は、図1に示す側面覆部5の裏面5bを示す図である。図4は、図1に示す側面覆部5の拡大断面図である。図5は、図1に示す蓋覆部6の斜視図である。
【0017】
本形態の鍋の保温具1(以下、「保温具1」とする)は、胴長の寸胴鍋2を加熱中に保温するためのものである。寸胴鍋2は、たとえば、ラーメン店等で使用される業務用の大型の鍋であり、鍋本体2aと、鍋蓋(蓋)2bとを備えている。図2に示すように、鍋本体2aは、有底円筒状に形成されている。鍋本体2aの上端側には、2個の取手2cが180°ピッチで取り付けられている。鍋蓋2bは、円板状に形成されている。寸胴鍋2は、たとえば、図1に示すように、ガスコンロ3にかけられて使用され、寸胴鍋2の中身は、ガスコンロ3によって加熱される。
【0018】
保温具1は、図1に示すように、鍋本体2aの側面2dの一部を覆うように鍋本体2aの側面2dに巻回される側面覆部5と、鍋蓋2bを覆う蓋覆部6とを備えている。
【0019】
側面覆部5は、耐熱性、耐炎性および断熱性を有している。具体的には、側面覆部5は、耐熱性および耐炎性を有する耐火部材7と、断熱性を有し耐火部材7の中に収容される断熱部材8とによって構成されている(図4参照)。
【0020】
耐火部材7は、帯状に形成されている。また、耐火部材7は、たとえば、消防服の表地に使用される布地7aによって形成されている。具体的には、耐火部材7は、たとえば、耐熱性および耐炎性を有するアラミド繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維、ポリアミドイミド繊維、PBI(ポリベンツイミダゾール)繊維、あるいは、ザプロ加工ウール等を混紡して作られた布地7aによって形成されている。また、耐火部材7は、2枚の布地7aを縫い合わせる、あるいは、貼り合わせることによって形成されている。耐火部材7の表面には、熱反射層が形成されている。この熱反射層は、たとえば、アルミニウム箔を耐熱性接着剤でローラ圧着する、または、アルミニウムを真空蒸着することによって、耐火部材7の表面に形成されている。
【0021】
断熱部材8は、帯状に形成されており、2枚の布地7aの間に収容されている。この断熱部材8は、耐熱性および可撓性を有する材料によって形成されている。たとえば、断熱部材8は、ガラスやセラミックス等の無機材料で構成される繊維の織物(セラミックスファイバー)や、耐熱性のフェルト(不織布)等によって形成されている。あるいは、断熱部材8は、フッ素系樹脂等の耐熱性を有する有機材料によって形成されている。
【0022】
上述のように、耐火部材7および断熱部材8は、帯状に形成されているため、側面覆部5も、帯状に形成されている。帯状に形成される側面覆部5の長さL(図3(A)参照)は、鍋本体2aの外周よりも長くなっている。そのため、鍋本体2aの側面2dに側面覆部5が巻回された状態では、側面覆部5の一部分が重なっている。また、帯状に形成される側面覆部5の幅W(図3(A)参照)は、鍋本体2aの高さH(図2参照)よりも狭くなっている。
【0023】
側面覆部5の表面5aには、鍋本体2aの側面2dに側面覆部5を巻き付けて固定するための面ファスナ10のフック側(以下、「フック部10a」とする)が取り付けられている。また、側面覆部5の裏面5bには、面ファスナ10のループ側(以下、「ループ部10b」とする)が取り付けられている。フック部10aおよびループ部10bは、耐火部材7と同様に、耐熱性および耐炎性を有する材料によって形成されている。また、フック部10aおよびループ部10bは、側面覆部5に縫い付けられるか、あるいは、貼り付けられている。なお、ループ部10bが表面5aに取り付けられ、フック部10aが裏面5bに取り付けられても良い。
【0024】
フック部10aは、図3(A)に示すように、帯状に形成される側面覆部5の長さ方向の一端部分に取り付けられている。本形態では、たとえば、3個のフック部10aが側面覆部5の幅方向に所定の間隔で取り付けられている。ループ部10bは、図3(B)に示すように、側面覆部5の長さ方向の他端部分に取り付けられている。本形態では、たとえば、側面覆部5の、幅方向における一端側(図3(B)の下端側)の一部分を除いた部分に1個のループ部10bが取り付けられている。側面覆部5は、図3における上端側が鍋蓋2b側に配置されるように、寸胴鍋2に巻回されて固定される。本形態では、寸胴鍋2に巻回されて固定されたときのフック部10aおよびループ部10bの下端(図3の下端)は、側面覆部5の下端よりも上側に配置されている。
【0025】
また、側面覆部5の表面5aには、側面覆部5に蓋覆部6を固定するための面ファスナ11のループ側(以下、「ループ部11b」とする)が取り付けられている。ループ部11bは、側面覆部5に縫い付けられるか、あるいは、貼り付けられている。このループ部11bは、側面覆部5の幅方向の一端側に取り付けられている。本形態では、2個のループ部11bが側面覆部5に取り付けられている。また、本形態では、側面覆部5が寸胴鍋2に巻回されて固定されると、ループ部11bは、鍋本体2aの上端側に配置される。また、側面覆部5が寸胴鍋2に巻回されて固定されると、2個のループ部11bは、上下方向から見たときに略180°ピッチで配置される。なお、ループ部11bは、側面覆部5の裏面5bに取り付けられても良い。
【0026】
側面覆部5には、寸胴鍋2の取手2cに引っ掛かる引掛け部12が取り付けられている。引掛け部12は、ひも状に形成されており、側面覆部5の幅方向の一端側に取り付けられている。また、本形態では、3個の引掛け部12が側面覆部5に取り付けられている。具体的には、側面覆部5の長さ方向の両端側のそれぞれと、側面覆部5の長さ方向の略中心位置との3箇所に引掛け部12が取り付けられている。本形態では、側面覆部5が寸胴鍋2に巻回されて固定されると、引掛け部12は、鍋本体2aの上端側に配置される。
【0027】
上述のように、側面覆部5の長さLは鍋本体2aの外周よりも長くなっており、鍋本体2aの側面2dに側面覆部5が巻回された状態では、側面覆部5の一部分が重なっている。本形態では、側面覆部5の長さ方向の略中心位置に取り付けられる1個の引掛け部12が2個の取手2cの一方に引っ掛けられ、側面覆部5の長さ方向の両端側のそれぞれに取り付けられる2個の引掛け部12が2個の取手2cの他方に一緒に引っ掛けられている。
【0028】
蓋覆部6は、扁平な有底円筒状に形成されている。また、蓋覆部6は、側面覆部5と同様に、耐熱性および耐炎性を有する耐火部材と、断熱性を有し耐火部材の中に収容される断熱部材とによって構成されている。蓋覆部6を構成する耐火部材は、耐火部材7と同様に、耐熱性および耐炎性を有するアラミド繊維等を混紡して作られた2枚の布地を縫い合わせること等によって形成されている。蓋覆部6を構成する断熱部材は、断熱部材8と同様に、耐熱性のフェルト等によって形成され、蓋覆部6を構成する耐火部材の2枚の布地の間に収容されている。
【0029】
蓋覆部6には、寸胴鍋2の外径に応じて蓋覆部6の大きさの調整が可能となるように、切れ目6aが形成されている。切れ目6aは、蓋覆部6の中心から蓋覆部6の径方向外側に向かって1箇所に形成されており、蓋覆部6の中心から、扁平な有底円筒状に形成される蓋覆部6の筒部分の端部まで繋がっている。切れ目6aを境とする蓋覆部6の円周方向の一方側では、蓋覆部6の裏面に面ファスナ13のフック側(以下、「フック部13a」とする)が取り付けられ、切れ目6aを境とする蓋覆部6の円周方向の他方側では、蓋覆部6の表面に面ファスナ13のループ側(以下、「ループ部13b」とする)が取り付けられている。
【0030】
フック部13aは、切れ目6aから、蓋覆部6の円周方向の一方側へ向かう所定の範囲内に取り付けられている。ループ部13bは、切れ目6aから、蓋覆部6の円周方向の他方側へ向かう所定の範囲内に取り付けられている。フック部13aおよびループ部13bは、蓋覆部6に縫い付けられるか、あるいは、貼り付けられている。切れ目6aを境とする蓋覆部6の円周方向の一方側の蓋覆部6の裏面は、切れ目6aを境とする蓋覆部6の円周方向の他方側の蓋覆部6の表面に重なっており、この重なった部分の重なり量を変えることで、蓋覆部6の大きさの調整が可能となる。
【0031】
また、蓋覆部6には、面ファスナ11のフック側(以下、「フック部11a」とする)が取り付けられている。具体的には、フック部11aは、蓋覆部6の筒部分の端部に形成される突出部6cに縫い付けられるか、あるいは、貼り付けられている。本形態では、3箇所に突出部6cが形成されており、3個のフック部11aが蓋覆部6に取り付けられている。具体的には、蓋覆部6の円周方向における切れ目6aの両側のそれぞれに2個のフック部11aが隣り合うように取り付けられ、蓋覆部6の円周方向におけるこの2個のフック部11aの中間位置に残りの1個のフック部11aが取り付けられている。
【0032】
蓋覆部6の円周方向における切れ目6aの両側のそれぞれに取り付けられる2個のフック部11aは、側面覆部5の2個のループ部11bの一方に係合し、残りの1個のフック部11aは、側面覆部5の2個のループ部11bの他方に係合する。なお、ループ部11bが蓋覆部6に取り付けられ、フック部11aが側面覆部5に取り付けられても良い。
【0033】
蓋覆部6の筒部分の端部には、蓋覆部6が鍋蓋2bを覆っているときの、蓋覆部6と取手2cとの干渉を防止するための切欠部6bが形成されている。また、蓋覆部6には、蓋覆部6が鍋蓋2bを覆っているときに、鍋蓋2bの取手2eが配置される開口部6dが形成されている。
【0034】
以上のように構成された保温具1によって、図1に示すように、寸胴鍋2を覆う場合には、まず、1個の引掛け部12を取手2cに引っ掛けた状態で、側面覆部5を鍋本体2aの側面2dに巻回して、残りの引掛け部12を取手2cに引っ掛けるとともに、面ファスナ10のフック部10aとループ部10bとを係合させて、鍋本体2aの側面2dの、上端側部分と下端側部分とを除く部分を側面覆部5によって覆う。また、面ファスナ13によって適当な大きさに調整された蓋覆部6のフック部11aを側面覆部5のループ部11bに係合させて、鍋蓋2bおよび鍋本体2aの上端側部分を蓋覆部6によって覆う。
【0035】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、寸胴鍋2の側面2dに巻回される側面覆部5は、耐熱性および耐炎性を有する耐火部材7と、断熱性を有し耐火部材7の中に収容される断熱部材8とによって構成されている。そのため、ガスコンロ3によって寸胴鍋2の底面が加熱されているときに、寸胴鍋2の側面2dに側面覆部5が巻回されていても、耐火部材7の作用で、側面覆部5が燃えたり、溶けたりするのを防止することができる。また、寸胴鍋2の側面2dに側面覆部5が巻回されていれば、断熱部材8の作用で、寸胴鍋2を保温することができる。したがって、本形態では、加熱中の寸胴鍋2を保温することができる。その結果、本形態では、ガスコンロ3の火の大きさを小さくしても、寸胴鍋2の中の材料を効率的に煮沸等させることが可能になり、省エネルギー化を図ることが可能になる。
【0036】
本形態では、保温具1は、鍋蓋2bを覆う蓋覆部6を備えている。そのため、寸胴鍋2の保温効果を高めることができる。また、本形態では、側面覆部5の長さLが寸胴鍋2の外周よりも長くなっているため、寸胴鍋2の周方向において、寸胴鍋2の側面2dを側面覆部5によって確実に覆って、寸胴鍋2の保温効果を高めることができる。また、本形態では、側面覆部5に面ファスナ10が取り付けられているため、寸胴鍋2の側面2dに側面覆部5を容易に着脱することが可能になる。
【0037】
本形態では、寸胴鍋2の取手2cに引っ掛かる引掛け部12が側面覆部5に取り付けられている。そのため、寸胴鍋2の側面2dから側面覆部5がずり落ちるのを防止することが可能になり、ガスコンロ3の炎の上に側面覆部5が落下するのを防止することが可能になる。また、本形態では、側面覆部5の幅Wは、寸胴鍋2の高さHよりも狭くなっており、図1に示すように、側面覆部5は、寸胴鍋2の側面2dの下端側部分を覆っていない。たとえば、側面覆部5の下端は、寸胴鍋2の底面よりも2〜3cm程度上側に配置されている。そのため、ガスコンロ3の炎に側面覆部5の下端が接触するのを防止することが可能になる。したがって、本形態では、ガスコンロ3の火で側面覆部5が燃えるのを確実に防止することが可能になる。
【0038】
(他の実施の形態)
上述した形態では、鍋本体2aの側面2dの、上端側部分および下端側部分を除く部分が側面覆部5によって覆われているが、側面覆部5によって鍋本体2aの側面2dの全部が覆われても良い。すなわち、側面覆部5の幅Wは、鍋本体2aの高さH以上であっても良い。また、上述した形態では、側面覆部5の長さLは、寸胴鍋2の外周よりも長くなっているが、側面覆部5の長さLは、寸胴鍋2の外周より短くても良い。この場合には、寸胴鍋2の側面2dの周方向の全体を覆うように、たとえば、2枚以上の側面覆部5が寸胴鍋2の側面2dに巻回されても良い。また、上述した形態では、側面覆部5は、耐火部材7と断熱部材8とによって構成されているが、耐熱性、耐炎性および断熱性を有する材料によって側面覆部5が形成されても良い。
【0039】
上述した形態では、蓋覆部6は、耐熱性および耐炎性を有する耐火部材と、断熱性を有し耐火部材の中に収容される断熱部材とによって構成されているが、蓋覆部6は、ガスコンロ3の炎から離れた位置で寸胴鍋2を覆うため、耐炎性を有しない断熱部材によって構成されても良い。また、上述した形態では、保温具1は、蓋覆部6を備えているが、保温具1は、蓋覆部6を備えていなくても良い。また、側面覆部5は、引掛け部12を備えていなくても良い。
【符号の説明】
【0040】
1 保温具(鍋の保温具)
2 寸胴鍋
2b 鍋蓋(蓋)
2c 取手
2d 側面
5 側面覆部
6 蓋覆部
7 耐火部材
8 断熱部材
10 面ファスナ
12 引掛け部
H 寸胴鍋の高さ
L 側面覆部の長さ
W 側面覆部の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴長の寸胴鍋の側面の少なくとも一部を覆うように前記寸胴鍋の側面に巻回される帯状の側面覆部を備え、
前記側面覆部は、耐熱性、耐炎性および断熱性を有することを特徴とする鍋の保温具。
【請求項2】
前記側面覆部は、耐熱性および耐炎性を有し帯状に形成される耐火部材と、断熱性を有し前記耐火部材の中に収容される断熱部材とを備えることを特徴とする請求項1記載の鍋の保温具。
【請求項3】
前記寸胴鍋の蓋を覆う蓋覆部を備えることを特徴とする請求項1または2記載の鍋の保温具。
【請求項4】
帯状に形成される前記側面覆部の長さは、前記寸胴鍋の外周よりも長くなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鍋の保温具。
【請求項5】
前記側面覆部には、前記寸胴鍋の側面に前記側面覆部を巻き付けて固定するための面ファスナが取り付けられていることを特徴とする請求項4記載の鍋の保温具。
【請求項6】
前記側面覆部には、前記寸胴鍋の取手に引っ掛かる引掛け部が取り付けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の鍋の保温具。
【請求項7】
帯状に形成される前記側面覆部の幅は、前記寸胴鍋の高さよりも狭くなっていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の鍋の保温具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−213553(P2012−213553A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81788(P2011−81788)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(511084496)
【Fターム(参考)】