説明

鍵盤楽器

【課題】鍵盤蓋をスタンドとして兼用し、楽器全体をコンパクトに梱包できる鍵盤楽器を提供する。
【解決手段】楽器本体1に複数の白鍵4および複数の黒鍵5が配列された状態で組み込まれた鍵盤部3上に着脱可能に配置されて鍵盤部3を覆う鍵盤蓋2を、鍵盤部3の鍵配列方向における中間部において、第1、第2の各蓋部2a、2bに2分割し、この2分割された第1、第2の各蓋部2a、2bに、鍵盤部3の複数の黒鍵5がそれぞれ挿入する複数の鍵挿入孔10を複数の黒鍵5に対応させて設けた。従って、搬送する際に、鍵盤蓋2を鍵盤部3上に配置して、複数の白鍵4および黒鍵5を覆って保護することができ、また使用する際には、2分割された鍵盤蓋2を楽器本体1の両側部に取り付けて、スタンドとして使用することができる。このため、鍵盤蓋2をスタンドして兼用することができるので、梱包作業および搬送作業が簡単で容易にできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子ピアノや電子オルガンなどの鍵盤楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鍵盤楽器においては、特許文献1に記載されているように、楽器本体にスタンドを取付金具によって取り付けて使用するように構成されているものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−221962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の鍵盤楽器では、搬送する際に、楽器本体とスタンドとを分解して、楽器本体とスタンドとをそれぞれ梱包する必要があるため、梱包作業が煩雑で面倒であるばかりか、梱包された楽器全体がかさばり、搬送作業も面倒であるなどの問題がある。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、鍵盤蓋をスタンドとして兼用し、楽器全体をコンパクトに梱包することができる鍵盤楽器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、楽器本体と、この楽器本体に複数の白鍵および複数の黒鍵が配列された状態で組み込まれた鍵盤部と、少なくとも前記鍵盤部上に着脱可能に配置されて前記鍵盤部を覆う鍵盤蓋とを備えた鍵盤楽器において、前記鍵盤蓋は、前記鍵盤部の鍵配列方向における中間部において、第1、第2の各蓋部に2分割されており、この2分割された前記第1、第2の各蓋部には、前記鍵盤部の前記複数の黒鍵がそれぞれ挿入する複数の鍵挿入部が前記複数の黒鍵に対応して設けられていることを特徴とする鍵盤楽器である。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、搬送する際に、鍵盤蓋を鍵盤部上に配置することにより、複数の白鍵および黒鍵を覆って保護することができ、また使用する際には、2分割された鍵盤蓋を鍵盤部上から取り外してそれぞれ楽器本体の両側部に取り付けることにより、スタンドとして使用することができる。このため、鍵盤蓋をスタンドして兼用することができるので、楽器全体をコンパクトに梱包することができ、これにより搬送時における梱包作業が簡単で容易にできると共に、搬送作業も容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明を鍵盤楽器に適用した実施形態1を示した平面図である。
【図2】図1に示された鍵盤楽器の正面図である。
【図3】図1に示された鍵盤楽器において、鍵盤蓋を取り外した状態を示した平面図である。
【図4】図3に示された鍵盤楽器の正面図である。
【図5】図3に示された鍵盤楽器のA−A矢視におけるスピーカ部の拡大断面図である。
【図6】図3に示された鍵盤楽器のB−B矢視におけるスイッチ部の拡大断面図である。
【図7】図4に示された鍵盤楽器において、楽器本体の両側部における右側面を示した拡大側面図である。
【図8】図7に示された取付突起部のねじ穴に螺着するねじ部材を示した拡大斜視図である。
【図9】図2に示された鍵盤楽器の鍵盤蓋をスタンドとして楽器本体の両側部に起立させて取り付けた状態を示した正面図である。
【図10】図9に示された鍵盤楽器を右側方から見た拡大側面図である。
【図11】図9に示された鍵盤楽器において、鍵盤蓋の第1、第2の各蓋部に対する楽器本体の取付高さを調整した状態を示した正面図である。
【図12】図11に示された鍵盤楽器を右側方から見た拡大側面図である。
【図13】この発明を鍵盤楽器に適用した実施形態2を示した平面図である。
【図14】図13に示された鍵盤楽器の正面図である。
【図15】図13に示された鍵盤楽器において、鍵盤蓋を取り外した状態を示した平面図である。
【図16】図15に示された鍵盤楽器の正面図である。
【図17】図14に示された鍵盤楽器の鍵盤蓋をスタンドとして楽器本体の両側部に起立させて取り付けた状態を示した正面図である。
【図18】図17に示された鍵盤楽器を右側方から見た拡大側面図である。
【図19】この発明を鍵盤楽器に適用した実施形態3を示した平面図である。
【図20】図19に示された鍵盤楽器の正面図である。
【図21】図19に示された鍵盤楽器の鍵盤蓋を示し、(a)は図19のC−C矢視における鍵盤蓋を示した拡大断面図、(b)は図19のD−D矢視における鍵盤蓋を示した拡大断面図である。
【図22】図20に示された楽器本体の両側部における右側面に設けられた取付突起部のフック部を示し、(a)はその要部を示した拡大断面図、(b)はその取付突起部を第2蓋部の鍵挿入穴に挿入させて、楽器本体の側部に鍵盤蓋の第2蓋部を取り付けた状態を示した要部の拡大断面図である。
【図23】図20に示された鍵盤楽器の鍵盤蓋をスタンドとして楽器本体の両側部に起立させた取り付けた状態を示した正面図である。
【図24】図23に示された鍵盤楽器を右側方から見た拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態1)
以下、図1〜図12を参照して、この発明を適用した鍵盤楽器の実施形態1について説明する。
この鍵盤楽器は、図1および図2に示すように、楽器本体1と鍵盤蓋2とを備えている。楽器本体1は、図2〜図4に示すように、横方向(図3では左右方向)に長いほぼ箱形状に形成されており、この楽器本体1の手前側(図3では下辺側)には、鍵盤部3が上方に露出した状態で組み込まれている。
【0010】
鍵盤部3は、図3および図4に示すように、複数の白鍵4と複数の黒鍵5とが音階順に配列されている。この場合、複数の黒鍵5は、図4に示すように、その各上部が複数の白鍵4の上面よりも上方に突出するように、複数の白鍵4よりも高く形成されている。また、この複数の黒鍵5は、図3に示すように、その長さが複数の白鍵4よりも短く形成されている。これにより、複数の黒鍵5は、その先端部(図3では下辺側に位置する前端部)が複数の白鍵4の先端部よりも後方(図3では上辺側)に位置した状態で配列されている。
【0011】
また、この楽器本体1における鍵盤部3の後方に位置する箇所には、図3に示すように、スピーカ部6およびスイッチ部7が設けられている。スピーカ部6は、図5に示すように、スピーカ本体6aを備え、図3に示すように、楽器本体1の左右方向における両側に位置する内部に配置されている。この場合、スピーカ部6が位置する楽器本体1の箇所には、図5に示すように、一段低く窪んだ取付凹部8が形成されており、この一段低く窪んだ取付凹部8には、多数の放音孔8aが形成されている。この一段低く窪んだ取付凹部8の下面には、スピーカ本体6aが取り付けられている。
【0012】
スイッチ部7は、図3に示すように、電源スイッチ、音量スイッチ、音色スイッチなどの鍵盤楽器に必要な各種のスイッチ7aを備え、鍵盤部3の後方に位置する楽器本体1の中間部内に配置されている。このスイッチ部7は、図6に示すように、複数のスイッチ7aがスイッチ基板7b上に設けられた構成になっている。この場合にも、スイッチ部7が位置する楽器本体1の箇所には、一段低く窪んだ取付凹部9が形成されており、この一段低く窪んだ取付凹部9には、複数のスイッチ7aがそれぞれ挿入する複数のスイッチ挿入孔9aが形成されている。
【0013】
これにより、スイッチ部7は、図6に示すように、一段低く窪んだ取付凹部9の下面にスイッチ基板7bがビス7cによって取り付けられ、この状態でスイッチ基板7b上に設けられた各種のスイッチ7aの上部が取付凹部9の各スイッチ挿入孔9a内に下側から挿入して取付凹部9内に突出して配置され、この状態で楽器本体1の上方から操作されるように構成されている。この場合、各種のスイッチ7aは、その各上端部が、楽器本体1の上面から上方に突出しないように、楽器本体1の上面よりも低く配置されている。
【0014】
一方、鍵盤蓋2は、図1および図2に示すように、楽器本体1上および鍵盤部3上に着脱可能に配置されて鍵盤部3を覆って保護するためのものであり、鍵盤部3の鍵配列方向における中間部において、第1、第2の各蓋部2a、2bに2分割された構成になっている。この2分割された第1、第2の各蓋部2a、2bには、図1に示すように、鍵盤部3の複数の黒鍵5がそれぞれ挿入する複数の鍵挿入孔10が、複数の黒鍵5にそれぞれ対応して設けられている。この複数の鍵挿入孔10は、鍵盤蓋2の表裏面にそれぞれ貫通する複数の貫通孔である。
【0015】
この場合、楽器本体1は、図4に示すように、その上面が鍵盤部3における複数の白鍵4の各上面と同一平面に形成されている。これにより、複数の黒鍵5は、楽器本体1の上面よりも上方に突出した状態で配列されている。このため、鍵盤蓋2は、図1および図2に示すように、複数の黒鍵5がそれぞれ鍵盤蓋2の各鍵挿入孔10に挿入した状態で、楽器本体1の上面と鍵盤部3における複数の白鍵4の各上面との両方に跨って載置されるように構成されている。
【0016】
また、この鍵盤蓋2は、図1に示すように、その複数個所が複数のビス11によって楽器本体1に着脱可能に取り付けられるように構成されている。すなわち、この鍵盤蓋2の第1蓋部2aは、その左奥側の隅部と右前側の隅部とにそれぞれ設けられたビス挿入孔12a(図10参照)を通して各ビス11が楽器本体1に螺入することにより、楽器本体1に取り付けられるように構成されている。
【0017】
また、第2蓋部2bは、図1に示すように、その右奥側の隅部と左前側の隅部とにそれぞれ設けられたビス挿入孔12a(図10参照)を通して各ビス11が楽器本体1に螺入することにより、楽器本体1に取り付けられるように構成されている。この場合、楽器本体1には、図3に示すように、複数のビス11がそれぞれ螺入する複数のねじ穴12bが、第1、第2の各蓋部2a、2bの各ビス挿入孔12aにそれぞれ対応して設けられている。
【0018】
ところで、楽器本体1における鍵配列方向(図3では左右方向)に位置する両側部には、図1および図3に示すように、鍵盤蓋2の第1、第2の各蓋部2a、2bにそれぞれ設けられた複数の鍵挿入孔10のいずれかに挿入して、第1、第2の各蓋部2a、2bをスタンドとして起立させた状態で楽器本体1に取り付けるための取付突起部13がそれぞれ設けられている。すなわち、この取付突起部13は、図7に示すように、白鍵4の上方に突出する部分の黒鍵5とほぼ同じ大きさで、楽器本体1の両側面において黒鍵5に対応する位置に水平方向に細長い形状で設けられている。
【0019】
これにより、この取付突起部13は、図9〜図12に示すように、第1、第2の各蓋部2a、2bにそれぞれ形成された複数の鍵挿入孔10のいずれかに挿入した際に、取付突起部13の先端面が第1、第2の各蓋部2a、2bのいずれかの外側面と同一平面になるか、それよりも少し窪んだ状態で配置されるように形成されている。また、この取付突起部13には、図7に示すように、ねじ穴14が設けられている。このねじ穴14は、取付突起部13内に埋め込まれたナットのねじ孔であり、図8に示すねじ部材15が螺着するように構成されている。
【0020】
このねじ部材15は、図8に示すように、ねじ部15aと頭部15bとを有している。ねじ部15aは、取付突起部13のねじ穴14に螺入するように形成されている。頭部15bは、その外径が鍵盤蓋2の鍵挿入孔10の長手方向と直交する幅方向の長さよりも大きく形成されている。この頭部15bには、ねじ部材15を手で回転操作するための回転操作部15cが設けられている。
【0021】
これにより、ねじ部材15は、図9〜図12に示すように、楽器本体1の取付突起部13が、第1、第2の各蓋部2a、2bにおける複数の鍵挿入孔10のいずれかに挿入して、第1、第2の各蓋部2a、2bがスタンドとして起立した状態で、第1、第2の各蓋部2a、2bの各鍵挿入孔10を通して露出した取付突起部13のねじ穴14に、ねじ部材15のねじ部15aを螺入させた上、頭部15bの回転操作部15cを手で回して締め付けることにより、第1、第2の各蓋部2a、2bを楽器本体1の両側部に固定するように構成されている。
【0022】
すなわち、このねじ部材15は、楽器本体1の取付突起部13が、第1、第2の各蓋部2a、2bのいずれかの鍵挿入孔10に挿入した状態で、ねじ部15aを取付突起部13のねじ穴14に螺入させて、頭部15bの回転操作部15cを手で回して締め付けると、頭部15bが第1、第2の各蓋部2a、2bの各外側面に押し付けられ、これに伴って第1、第2の各蓋部2a、2bの各内側面が楽器本体1の両側面に押し付けられることにより、第1、第2の各蓋部2a、2bを楽器本体1の両側部に固定するように構成されている。
【0023】
次に、このような鍵盤楽器の作用について説明する。
この鍵盤楽器を搬送する際には、楽器本体1上および鍵盤部3上に鍵盤蓋2を配置する。このときには、鍵盤蓋2の第1蓋部2aを楽器本体1の左側半分の上面および鍵盤部3の左側半分に位置する複数の白鍵4の上面に配置すると共に、この第1蓋部2aに設けられた複数の鍵挿入孔10に鍵盤部3の左側半分に位置する複数の黒鍵5を挿入する。
【0024】
同様に、鍵盤蓋2の第2蓋部2bを楽器本体1の右側半分の上面および鍵盤部3の右側半分に位置する複数の白鍵4の上面に配置すると共に、この第2蓋部2bに設けられた複数の鍵挿入孔10に鍵盤部3の右側半分に位置する複数の黒鍵5を挿入する。この状態で、第1、第2の各蓋部2a、2bを楽器本体1上に複数のビス11によって固定する。
【0025】
このときには、第1、第2の各蓋部2a、2bの上方から複数のビス11を、第1、第2の各蓋部2a、2bの各ビス挿入孔12a(図10参照)にそれぞれ挿入させて、楽器本体1に設けられた複数のねじ穴12b(図3参照)にそれぞれ螺入させて締め付けることにより、第1蓋部2aの左奥側の隅部と右前側の隅部とが楽器本体1に取り付けられると共に、第2蓋部2bの右奥側の隅部と左前側の隅部とが楽器本体1に取り付けられる。
【0026】
これにより、鍵盤部3の複数の白鍵4および複数の黒鍵5が第1、第2の各蓋部2a、2bからなる鍵盤蓋2によって覆われて保護される。この状態で、楽器全体を梱包することにより、楽器全体をコンパクトに梱包することができる。このため、搬送時における梱包作業が簡単で容易にできると共に、搬送作業も容易にできる。
【0027】
また、この鍵盤楽器を使用する際には、まず、鍵盤蓋2の第1、第2の各蓋部2a、2bを楽器本体1から取り外す。このときには、複数のビス11を緩めて取り外すだけで、簡単に鍵盤蓋2を楽器本体1から取り外すことができる。そして、この取り外した第1、第2の各蓋部2a、2bを、図9〜図12に示すように、楽器本体1の両側部にスタンドとして取り付ける。
【0028】
このときには、2分割された鍵盤蓋2のうち、第1蓋部2aを楽器本体1の左側に起立させると共に、第2蓋部2bを楽器本体1の右側に起立させる。この状態で、例えば図9および図10に示すように、第1蓋部2aの上端部を楽器本体1の上面とほぼ同一平面になるように、第1蓋部2aに設けられた鍵挿入孔10に、楽器本体1の左側に位置する側面の取付突起部13を挿入させると共に、第2蓋部2bに設けられた鍵挿入孔10に、楽器本体1の右側に位置する側面の取付突起部13を挿入させる。
【0029】
すると、図9および図10に示すように、楽器本体1が第1、第2の各蓋部2a、2bによってスタンドとして起立した状態で支持される。この状態で、第1、第2の各蓋部2a、2bをねじ部材15によって楽器本体1に固定する。このときには、楽器本体1の両側面に設けられた各取付突起部13が、第1、第2の各蓋部2a、2bの各鍵挿入孔10を通してそれぞれ露出し、この露出した各取付突起部13の各ねじ穴14に、各ねじ部材15のねじ部15aをそれぞれ螺入させる。
【0030】
この状態で、各頭部15bの回転操作部15cを手で回して締め付けると、ねじ部15aが取付突起部13のねじ穴14に螺着すると共に、頭部15bが第1、第2の各蓋部2a、2bの各外側面に押し付けられ、これに伴って第1、第2の各蓋部2a、2bの各内側面が楽器本体1の両側面に押し付けられる。これにより、第1、第2の各蓋部2a、2bがスタンドとして楽器本体1の両側部に固定される。この状態では、鍵盤部3を操作して良好に演奏することができる。
【0031】
ところで、第1、第2の各蓋部2a、2bによって支持された楽器本体1の高さが高過ぎる場合には、図11および図12に示すように、第1、第2の各蓋部2a、2bにそれぞれ設けられた複数の鍵挿入孔10のうち、楽器本体1の取付突起部13が挿入する鍵挿入孔10の位置を変更することにより、第1、第2の各蓋部2a、2bによって支持される楽器本体1の高さを調整することができる。
【0032】
このときには、第1、第2の各蓋部2a、2bにそれぞれ設けられた複数の鍵挿入孔10のうち、所望する位置の各鍵挿入孔10、例えば図12において第1、第2の各蓋部2a、2bの上端部から7番目付近に位置する各鍵挿入孔10に、楽器本体1の両側に位置する各側面の取付突起部13をそれぞれ挿入させ、この状態で上述した場合と同様に、ねじ部材15によって第1、第2の各蓋部2a、2bをスタンドとして楽器本体1の両側部に固定すれば良い。この場合にも、鍵盤部3を操作して良好に演奏することができる。
【0033】
このように、この鍵盤楽器によれば、楽器本体1に複数の白鍵4および複数の黒鍵5が配列された状態で組み込まれた鍵盤部3上に着脱可能に配置されて鍵盤部3を覆う鍵盤蓋2を、鍵盤部3の鍵配列方向における中間部において、第1、第2の各蓋部2a、2bに2分割し、この2分割された第1、第2の各蓋部2a、2bに、鍵盤部3の複数の黒鍵5がそれぞれ挿入する複数の鍵挿入孔10を複数の黒鍵5に対応させて設けた構成であるから、鍵盤蓋2をスタンドとして兼用して、楽器全体をコンパクトに梱包することができる。
【0034】
すなわち、この鍵盤楽器によれば、搬送する際に、鍵盤蓋2を鍵盤部3上に配置することにより、複数の白鍵4および複数の黒鍵5を覆って保護することができ、また使用する際には、2分割された鍵盤蓋2を鍵盤部3上から取り外してそれぞれ楽器本体1の両側部に取り付けることにより、スタンドとして使用することができる。このため、鍵盤蓋2をスタンドして兼用することができるので、楽器全体をコンパクトに梱包することができ、これにより搬送時における梱包作業が簡単で容易にできると共に、搬送作業も容易にできる。
【0035】
この場合、楽器本体1は、その上面が鍵盤部3における複数の白鍵4の各上面と同一平面に形成されており、鍵盤蓋2は、楽器本体1の上面と鍵盤部3における複数の白鍵4の各上面との両方に着脱可能に配置されているので、鍵盤部3の複数の黒鍵5が楽器本体1の上面から上方に突出していても、鍵盤蓋2を楽器本体1の上面および複数の白鍵4の各上面に配置する際に、鍵盤蓋2の第1、第2の各蓋部2a、2bにそれぞれ設けられた各鍵挿入孔10に複数の黒鍵5を挿入させることができる。
【0036】
このため、鍵盤蓋2の第1、第2の各蓋部2a、2bによって、複数の黒鍵5を確実に且つ良好に保護することができる。このときには、第1、第2の各蓋部2a、2bを楽器本体1の上面と複数の白鍵4の各上面とに密着させて配置することができ、これにより複数の白鍵4および複数の黒鍵5を鍵盤蓋2によって確実に且つ良好に保護することができる。
【0037】
また、この鍵盤楽器では、鍵盤部3の鍵配列方向における楽器本体1の両側部に、鍵盤蓋2の第1、第2の各蓋部2a、2bにそれぞれ形成された複数の鍵挿入孔10のいずれかに挿入して第1、第2の各蓋部2a、2bをスタンドとして起立させた状態で、楽器本体1に取り付けるための取付突起部13がそれぞれ設けられているので、楽器本体1の両側部の各取付突起部13を第1、第2の各蓋部2a、2bにそれぞれ形成された複数の鍵挿入孔10のいずれかに挿入するだけで、第1、第2の各蓋部2a、2bをスタンドとして楽器本体1の両側部に簡単に取り付けることができる。
【0038】
例えば、第1、第2の各蓋部2a、2bの各上端部を楽器本体1の上面とほぼ同一平面になるように、第1、第2の各蓋部2a、2bにそれぞれ設けられた鍵挿入孔10に、楽器本体1の両側面の取付突起部13を挿入させることにより、楽器本体1を第1、第2の各蓋部2a、2bによって支持することができる。
【0039】
また、第1、第2の各蓋部2a、2bによって支持された楽器本体1の高さを調整する場合には、第1、第2の各蓋部2a、2bにそれぞれ設けられた複数の鍵挿入孔10のうち、所望する位置の各鍵挿入孔10に、楽器本体1の両側に位置する各側面の取付突起部13をそれぞれ挿入させることにより、楽器本体1の高さを調整することができる。
【0040】
さらに、この鍵盤楽器では、複数の鍵挿入孔10が鍵盤蓋2の表裏面にそれぞれ貫通する複数の貫通孔であることにより、第1、第2の各蓋部2a、2bにそれぞれ設けられた各鍵挿入孔10に楽器本体1の各取付突起部13をそれぞれ挿入させた際に、各取付突起部13を第1、第2の各蓋部2a、2bの外部に露出させることができる。
【0041】
このため、楽器本体1の各取付突起部13にそれぞれ各ねじ穴14を設けても、この各ねじ穴14を第1、第2の各蓋部2a、2bの外部に露出させることができるので、この各ねじ穴14に各ねじ部材15をそれぞれ螺入させて第1、第2の各蓋部2a、2bを楽器本体1の両側部に確実に且つ強固に固定することができる。
【0042】
(実施形態2)
次に、図13〜図18を参照して、この発明を適用した鍵盤楽器の実施形態2について説明する。なお、図1〜図12に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この鍵盤楽器は、図13〜図16に示すように、楽器本体20と鍵盤蓋21とが実施形態1と異なる構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
【0043】
この楽器本体20は、図15および図16に示すように、その上面が鍵盤部3における複数の黒鍵5の上面とほぼ同じ高さに形成されている。すなわち、楽器本体20は、その上面が鍵盤部3における複数の白鍵4の上面よりも高く形成されている。この場合、鍵盤部3の周囲に対応する楽器本体20の縁部には、図15および図16に示すように、一段低い段差部20aが形成されている。この段差部20aの上面は、複数の白鍵4の各上面とほぼ同じ高さに形成されている。
【0044】
また、鍵盤蓋21は、図13および図14に示すように、鍵盤部3上に着脱可能に配置されて鍵盤部3を覆って保護するためのものであり、鍵盤部3の鍵配列方向における中間部において、第1、第2の各蓋部21a、21bに2分割された構成になっている。この2分割された第1、第2の各蓋部21a、21bには、図13に示すように、鍵盤部3の複数の黒鍵5がそれぞれ挿入する複数の鍵挿入孔10が、複数の黒鍵5にそれぞれ対応して設けられている。この複数の鍵挿入孔10は、実施形態1と同様、鍵盤蓋21の表裏面にそれぞれ貫通する複数の貫通孔である。
【0045】
この場合、鍵盤蓋21は、図13に示すように、鍵盤部3上と楽器本体20に形成された段差部20a上とに配置されるように構成されている。また、この鍵盤蓋21は、図14に示すように、鍵盤部3上と楽器本体20に形成された段差部20a上とに配置された際に、鍵盤蓋21の上面が楽器本体20の上面とほぼ同じ高さになるように構成されている。さらに、この鍵盤蓋21は、図13および図15に示すように、その複数個所が複数のビス11によって楽器本体20の段差部20aに着脱可能に取り付けられるように構成されている。
【0046】
すなわち、この鍵盤蓋21の第1蓋部21aは、図13および図14に示すように、その左手前側部と右奥側部とがそれぞれ各ビス11によって楽器本体20の段差部20aに取り付けられるように構成されている。また、第2蓋部2bは、その右手前側部と左奥側部とがそれぞれ各ビス11によって楽器本体120の段差部20aに取り付けられるように構成されている。この場合、楽器本体20の段差部20aには、図15に示すように、複数のビス11が螺入する複数のねじ穴12bが、第1、第2の各蓋部21a、21bの各ビス挿入孔12a(図18参照)にそれぞれ対応して設けられている。
【0047】
ところで、この楽器本体20の両側部にも、実施形態1と同様、鍵盤蓋21の第1、第2の各蓋部21a、21bにそれぞれ設けられた複数の鍵挿入孔10のいずれかに挿入して、第1、第2の各蓋部21a、21bをスタンドとして起立させた状態で、楽器本体20に取り付けるための取付突起部13がそれぞれ設けられている。
【0048】
この取付突起部13も、実施形態1と同様、白鍵4の上方に突出する部分の黒鍵5とほぼ同じ大きさで、楽器本体20の両側面において黒鍵5に対応する位置に水平方向に細長い形状で設けられている。また、この取付突起部13にも、実施形態1と同様、ねじ穴14が設けられている。このねじ穴14は、取付突起部13内に埋め込まれたナットのねじ孔であり、ねじ部材15が螺着するように構成されている。
【0049】
このような鍵盤楽器においても、実施形態1と同様、搬送する際に、鍵盤蓋21を鍵盤部3上に配置することにより、複数の白鍵4および黒鍵5を覆って保護することができ、また使用する際には、2分割された鍵盤蓋21を鍵盤部3上から取り外してそれぞれ楽器本体20の両側部に取り付けることにより、スタンドとして使用することができる。このため、鍵盤蓋21をスタンドして兼用することができるので、楽器全体をコンパクトに梱包することができ、これにより搬送時における梱包作業が簡単で容易にできると共に、搬送作業も容易にできる。
【0050】
この場合、楽器本体20は、その上面が鍵盤部3のおける複数の黒鍵5の上面とほぼ同じ高さに形成されているので、鍵盤部3の複数の黒鍵5が複数の白鍵4の上面から上方に突出していても、鍵盤蓋21を鍵盤部3上に配置する際に、鍵盤蓋21の第1、第2の各蓋部21a、21bにそれぞれ設けられた各鍵挿入孔10に複数の黒鍵5を挿入させることにより、鍵盤蓋21の第1、第2の各蓋部21a、21bによって、複数の黒鍵5を確実に且つ良好に保護することができる。
【0051】
また、この鍵盤蓋21は、鍵盤部3上とこれに隣接する楽器本体20の縁部に形成された段差部20a上とに配置される大きさに形成されているので、鍵盤蓋21の長手方向と直交する幅方向の長さを実施形態1の鍵盤蓋2よりも短くすることができ、これにより実施形態1の鍵盤蓋2よりも重さを軽くすることができるので、実施形態1よりも楽器全体の重量を軽くすることができ、より一層、搬送作業を容易にすることができる。
【0052】
さらに、この鍵盤蓋21は、鍵盤部3上とこれに隣接する楽器本体20の縁部に形成された段差部20a上とに配置された際に、鍵盤蓋21の上面が楽器本体20の上面とほぼ同じ高さになるように構成されているので、楽器全体を梱包する際に、実施形態1の場合よりも、より一層、コンパクトに梱包することができる。
【0053】
なお、上述した実施形態1、2では、楽器本体1、20の両側部にそれぞれ取付突起部13を設けた場合について述べたが、必ずしも楽器本体1、20の両側部に取付突起部13を設ける必要はなく、楽器本体1、20の両側面にそれぞれ複数のねじ穴14のみを設け、鍵盤蓋2、21にそれぞれ設けられた各鍵挿入孔10を通して、複数のねじ穴14にそれぞれ複数のねじ部材15の各ねじ部15aを螺着させることにより、楽器本体1、20の両側部に第1、第2の各蓋部2a、2b、21a、21bを取り付けるように構成しても良い。
【0054】
また、上述した実施形態2では、鍵盤部3の周囲に対応する楽器本体20の縁部に、一段低い段差部20aを形成して、この段差部20a上に鍵盤蓋21の縁部を配置するように構成した場合について述べたが、必ずしも楽器本体20の縁部に段差部20aを形成する必要はなく、鍵盤蓋を鍵盤部3上のみに配置させるように構成しても良い。
【0055】
(実施形態3)
次に、図19〜図24を参照して、この発明を適用した鍵盤楽器の実施形態3について説明する。この場合にも、図1〜図12に示された実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明する。
この鍵盤楽器は、図19〜図21に示すように、鍵盤蓋30の鍵挿入穴31が実施形態1と異なる構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
【0056】
すなわち、この鍵盤蓋30は、実施形態1と同様、楽器本体1上と鍵盤部3上とに着脱可能に配置されて鍵盤部3を覆って保護するためのものであり、図19および図20に示すように、鍵盤部3の鍵配列方向における中間部において、第1、第2の各蓋部30a、30bに2分割された構成になっている。
【0057】
この2分割された第1、第2の各蓋部30a、30bには、図21(a)および図21(b)に示すように、鍵盤部3の複数の黒鍵5がそれぞれ挿入する複数の鍵挿入穴31が、複数の黒鍵5にそれぞれ対応して設けられている。この複数の鍵挿入穴31は、複数の白鍵4の各上面よりも上方に突出した部分の各黒鍵5が、それぞれ挿入して各黒鍵5の上部をそれぞれ覆い隠すための非貫通の複数の溝状穴である。
【0058】
また、この楽器本体1の両側部にも、実施形態1と同様、鍵盤蓋30の第1、第2の各蓋部30a、30bにそれぞれ形成された複数の鍵挿入穴31のいずれかに挿入して、第1、第2の各蓋部30a、30bをスタンドとして起立させた状態で楽器本体1に取り付けるための取付突起部13がそれぞれ設けられている。この取付突起部13も、実施形態1と同様、白鍵4の上方に突出する部分の黒鍵5とほぼ同じ大きさで、楽器本体1の両側面において黒鍵5に対応する位置に水平方向に細長い形状で設けられている。
【0059】
この場合、取付突起部13には、図22(a)および図22(b)に示すように、弾性を有するフック部32が設けられている。このフック部32は、取付突起部13に設けられた取付凹部13a内にばね部材32aを介して押圧部32bが上方に出没するように構成されている。
【0060】
これにより、フック部32は、楽器本体1の両側部の各取付突起部13が第1、第2の各蓋部30a、30bの各鍵挿入穴31に挿入する際に、図22(b)に示すように、ばね部材32aのばね力によって押圧部32bが鍵挿入穴31の内面に押し付けられることにより、楽器本体1の両側部の各取付突起部13が第1、第2の各蓋部30a、30bの各鍵挿入穴31内から勝手に抜け出さないように構成されている。
【0061】
また、このフック部32は、楽器本体1の両側部の各取付突起部13が第1、第2の各蓋部30a、30bの各鍵挿入穴31に挿入して、ばね部材32aのばね力によって押圧部32bが鍵挿入穴31の内面に押し付けられた状態で、そのばね部材32aのばね力に抗して抜き出すことにより、楽器本体1の両側部の各取付突起部13を第1、第2の各蓋部30a、30bの各鍵挿入穴31内から抜き出せるように構成されている。
【0062】
このような鍵盤楽器においても、実施形態1と同様、搬送する際に、鍵盤蓋30を鍵盤部3上に配置することにより、複数の白鍵4および黒鍵5を覆って保護することができ、また使用する際には、2分割された鍵盤蓋30を鍵盤部3上から取り外してそれぞれ楽器本体1の両側部に取り付けることにより、スタンドとして使用することができる。このため、鍵盤蓋30をスタンドして兼用することができるので、楽器全体をコンパクトに梱包することができ、これにより搬送時における梱包作業が簡単で容易にできると共に、搬送作業も容易にできる。
【0063】
この場合、鍵盤蓋30の第1、第2の各蓋部30a、30bにそれぞれ設けられた複数の鍵挿入穴31は、鍵盤部3における複数の黒鍵5の各上部が挿入した際に、複数の黒鍵5の各上部をそれぞれ覆い隠すための非貫通の複数の溝状穴であるから、鍵盤蓋30を鍵盤部3上に配置した際に、複数の黒鍵5をそれぞれ覆い隠すことができる。このため、複数の黒鍵5を鍵盤蓋30によって、実施形態1の鍵盤蓋2よりも、確実に且つ良好に保護することができると共に、この鍵盤蓋30によって鍵盤部3全体を良好に保護することができる。
【0064】
また、楽器本体1の両側部にそれぞれ設けられた各取付突起部13の各上面には、弾性を有するフック部32が設けられているので、第1、第2の各蓋部30a、30bにそれぞれ設けられた複数の鍵挿入穴31が複数の黒鍵5をそれぞれ覆い隠すための非貫通の複数の溝状穴であっても、第1、第2の各蓋部30a、30bを楽器本体1の取付突起部13にワンタッチで簡単に且つ確実に固定することができる。
【0065】
なお、上述した実施形態3では、鍵盤蓋30が楽器本体1の上面および鍵盤部3における複数の白鍵4の各上面に配置されるように構成した場合について述べたが、これに限らず、実施形態2で述べたように、楽器本体20の上面が複数の黒鍵5の上面とほぼ同じ高さに形成され、この状態で鍵盤蓋が複数の白鍵4の各上面および楽器本体20の縁部に一段低く形成された段差部20aの上面に配置される構成である場合においても、その鍵盤蓋に複数の黒鍵5がそれぞれ挿入する複数の鍵挿入穴31を非貫通の複数の溝状穴で設けた構成であっても良い。
【0066】
また、上述した実施形態1〜3およびその各変形例では、2つに分割された第1、第2の各蓋部2a、2b、21a、21b、30a、30bを楽器本体2、20の両側部にスタンドとして取り付ける際に、ねじ部材15やフック部32によって固定するように構成した場合について述べたが、これに限らず、クランプ機構を用いて、2つに分割された第1、第2の各蓋部2a、2b、21a、21b、30a、30bを楽器本体2、20の両側部にスタンドとして固定するように構成して良い。
【0067】
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は、これらに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0068】
(付記)
請求項1に記載の発明は、楽器本体と、この楽器本体に複数の白鍵および複数の黒鍵が配列された状態で組み込まれた鍵盤部と、少なくとも前記鍵盤部上に着脱可能に配置されて前記鍵盤部を覆う鍵盤蓋とを備えた鍵盤楽器において、
前記鍵盤蓋は、前記鍵盤部の鍵配列方向における中間部において、第1、第2の各蓋部に2分割されており、この2分割された前記第1、第2の各蓋部には、前記鍵盤部の前記複数の黒鍵がそれぞれ挿入する複数の鍵挿入部が前記複数の黒鍵に対応して設けられていることを特徴とする鍵盤楽器である。
【0069】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の鍵盤楽器において、前記楽器本体は、その上面が前記鍵盤部における前記複数の白鍵の各上面と同一平面に形成されており、前記鍵盤蓋は、前記楽器本体の上面と前記鍵盤部における前記複数の白鍵の各上面との両方に着脱可能に配置されていることを特徴とする鍵盤楽器である。
【0070】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の鍵盤楽器において、前記楽器本体は、その上面が前記鍵盤部における前記複数の白鍵の各上面よりも高く形成されており、前記鍵盤蓋は、前記鍵盤部における前記複数の白鍵の各上面上に着脱可能に配置されていることを特徴とする鍵盤楽器である。
【0071】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれに記載の鍵盤楽器において、前記鍵盤部の鍵配列方向における前記楽器本体の両側部には、前記鍵盤蓋の前記第1、第2の各蓋部にそれぞれ設けられた前記複数の鍵挿入部のいずれかに挿入して前記第1、第2の各蓋部をスタンドとして起立させた状態で、前記楽器本体に取り付けるための取付突起部がそれぞれ設けられていることを特徴とする鍵盤楽器である。
【0072】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれに記載の鍵盤楽器において、前記複数の鍵挿入部は、前記鍵盤蓋の表裏面にそれぞれ貫通する複数の貫通孔であることを特徴とする鍵盤楽器である。
【0073】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれに記載の鍵盤楽器において、前記複数の鍵挿入部は、前記鍵盤部における前記複数の黒鍵がそれぞれ挿入して前記複数の黒鍵をそれぞれ覆い隠すための非貫通の複数の溝状穴であることを特徴とする鍵盤楽器である。
【符号の説明】
【0074】
1、20 楽器本体
2、21、30 鍵盤蓋
2a、21a、30a 第1蓋部
2b、21b、30b 第2蓋部
3 鍵盤部
4 複数の白鍵
5 複数の黒鍵
10 鍵挿入孔
13 取付突起部
14 ねじ穴
15 ねじ部材
31 鍵挿入穴
32 フック部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽器本体と、この楽器本体に複数の白鍵および複数の黒鍵が配列された状態で組み込まれた鍵盤部と、少なくとも前記鍵盤部上に着脱可能に配置されて前記鍵盤部を覆う鍵盤蓋とを備えた鍵盤楽器において、
前記鍵盤蓋は、前記鍵盤部の鍵配列方向における中間部において、第1、第2の各蓋部に2分割されており、この2分割された前記第1、第2の各蓋部には、前記鍵盤部の前記複数の黒鍵がそれぞれ挿入する複数の鍵挿入部が前記複数の黒鍵に対応して設けられていることを特徴とする鍵盤楽器。
【請求項2】
請求項1に記載の鍵盤楽器において、前記楽器本体は、その上面が前記鍵盤部における前記複数の白鍵の各上面と同一平面に形成されており、前記鍵盤蓋は、前記楽器本体の上面と前記鍵盤部における前記複数の白鍵の各上面との両方に着脱可能に配置されていることを特徴とする鍵盤楽器。
【請求項3】
請求項1に記載の鍵盤楽器において、前記楽器本体は、その上面が前記鍵盤部における前記複数の白鍵の各上面よりも高く形成されており、前記鍵盤蓋は、前記鍵盤部における前記複数の白鍵の各上面上に着脱可能に配置されていることを特徴とする鍵盤楽器。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれに記載の鍵盤楽器において、前記鍵盤部の鍵配列方向における前記楽器本体の両側部には、前記鍵盤蓋の前記第1、第2の各蓋部にそれぞれ設けられた前記複数の鍵挿入部のいずれかに挿入して前記第1、第2の各蓋部をスタンドとして起立させた状態で、前記楽器本体に取り付けるための取付突起部がそれぞれ設けられていることを特徴とする鍵盤楽器。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれに記載の鍵盤楽器において、前記複数の鍵挿入部は、前記鍵盤蓋の表裏面にそれぞれ貫通する複数の貫通孔であることを特徴とする鍵盤楽器。
【請求項6】
請求項1〜請求項4のいずれに記載の鍵盤楽器において、前記複数の鍵挿入部は、前記鍵盤部における前記複数の黒鍵がそれぞれ挿入して前記複数の黒鍵をそれぞれ覆い隠すための非貫通の複数の溝状穴であることを特徴とする鍵盤楽器。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−150326(P2012−150326A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9573(P2011−9573)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】