説明

鏡台

【課題】理想的なメイクアップを容易に行い得る鏡台を提供する。
【解決手段】鏡11と、表示面としてのスクリーン23が鏡11の一部の部位を構成する
ハーフミラー11bに重なり合うように配設される表示部13と、表示部13を制御して
再生装置15によって再生された映像を表示させる制御部とを備えている。この場合、鏡
11におけるハーフミラー11bに隣接する部位に自らの顔を映すことで、例えば、手本
となる映像と鏡11に映った顔とを容易に見比べることが可能となり、理想的なメイクア
ップを容易に行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部を備えた鏡台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な鏡台や手鏡では困難な後頭部の頭髪のチェックを容易とするため、出願人は、
特開平6−38220号公報において、頭部の映像を受像装置に表示する頭髪描写装置を
開示している。この頭髪描写装置では、ユーザーの後方に配設された撮像装置がユーザー
の後頭部を撮像し、受像装置が撮像装置によって撮像された後頭部の映像を表示する。し
たがって、後頭部の頭髪のチェックや整髪を容易に行うことが可能となっている。
【特許文献1】特開平6−38220号公報(第2−3頁、第1−2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、出願人が開示している頭髪描写装置には、以下の改善すべき点がある。すな
わち、この頭髪描写装置では、撮像装置によって撮像した映像だけを再生している。一方
、近年、美容室や化粧品店では、顧客に対して行ったメイクアップの様子をビデオカメラ
等で撮影し、その映像を記録したビデオテープなどの記録媒体をその顧客に提供するサー
ビスが行われている。この場合、このようなビデオテープに記録された映像を手本として
自宅でメイクアップを行う際には、ビデオテープに記録された映像と鏡に映った自らの顔
とを見比べながらメイクアップを行うのが好ましい。しかしながら、従来の頭髪描写装置
には、撮像した後頭部の映像を映し出す機能しか有していないため、このような使用方法
に対応することができないという改善すべき課題が存在する。
【0004】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、理想的なメイクアップ
を容易に行い得る鏡台を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成すべく本発明に係る鏡台は、鏡と、前記鏡の一部の部位に表示面が重な
り合うように配設される表示部と、前記表示部に映像を表示させる制御部とを備えている

【0006】
この鏡台では、鏡の一部の部位に表示面が重なり合うように配設した表示部に映像が表
示される。このため、鏡における表示部に隣接する部位に自らの顔を映すことで、手本と
なる映像と鏡に映った顔とを容易に見比べることができる。したがって、ユーザーは、理
想的なメイクアップを容易に行うことができる。
【0007】
また、本発明に係る鏡台は、上記の鏡台において、前記鏡は、その一部がハーフミラー
で構成され、前記表示部は、前記ハーフミラーの背面側に表示面が配設され、前記制御部
の制御に従って映像を表示する。
【0008】
この鏡台では、鏡の一部を構成するハーフミラーの背面側に表示面が配設された表示部
に映像が表示される。この場合、映像が表示されていない状態では、ハーフミラーが表面
側から入射した光を全反射するため、表示部の非使用時には、鏡全体を1枚の鏡として機
能させることができる。したがって、ユーザーは、映像表示が不要のときには、鏡の全域
に亘って自らの姿を映すことができる。
【0009】
また、本発明に係る鏡台は、上記の鏡台において、前記表示部は、前記ハーフミラーの
背面側に表示面として配設された透過型スクリーンと、前記スクリーンの背面側に前記映像を表示するプロジェクタとを備えて構成されている。
【0010】
この鏡台では、ハーフミラーの背面側に配設したスクリーンにプロジェクタからの投射
光を背面側から投射して映像が表示される。このため、投射光を投射させる面積を変える
ことで、表示させる映像の大きさをスクリーンの大きさの範囲内で任意に変更することが
できる。
【0011】
また、本発明に係る鏡台は、上記の鏡台において、前記表示部は、前記鏡の表面側に配
設されて前記制御部の制御に従って前記映像を表示すると共に当該映像の非表示状態にお
いて光を透過させる液晶パネルを備えて構成されている。
【0012】
この鏡台では、鏡の表面側に配設された液晶パネルが映像を表示すると共に映像の非表
示状態において光を透過させる。したがって、ユーザーは、鏡における液晶パネルに隣接
する部位に自らの顔を映すことで、手本となる映像と鏡に映った顔とを容易に見比べるこ
とができるため、理想的なメイクアップを容易に行うことができる。また、映像の非表示
状態において液晶パネルが光を透過させるため、表示部の非使用時には、鏡全体を1枚の
鏡として機能させることができる。したがって、ユーザーは、映像表示が不要のときには
、鏡の全域に亘って自らの姿を映すことができる。
【0013】
さらに、本発明に係る鏡台は、上記の鏡台において、前記鏡は、当該鏡の一部の部位に
開口部および切欠部のいずれかが形成された第1の鏡と、移動機構によって移動させられ
る第2の鏡とを備えて構成され、前記制御部は、前記移動機構を制御して、前記映像の非表示状態において前記第1の鏡に形成された開口部および切欠部のいずれかを閉塞するように前記第2の鏡を移動させると共に、前記映像の表示状態においては前記第1の鏡に形成された開口部および切欠部のいずれかを閉塞するように前記表示部を移動させる。
【0014】
この鏡台では、移動機構によって移動させられて第1の鏡に形成された開口部および切
欠部のいずれかを閉塞した表示部に映像が表示される。このため、第1の鏡に自らの顔を
映すことで、手本となる映像と第1の鏡に映った顔とを容易に見比べることができる。し
たがって、ユーザーは、理想的なメイクアップを容易に行うことができる。また、映像の
非表示状態においては第2の鏡が移動機構によって移動させられて第1の鏡に形成された
開口部および切欠部のいずれかを閉塞する。したがって、ユーザーは、映像表示が不要の
ときには、第1の鏡および第2の鏡の両方、つまり鏡の全域に亘って自らの姿を映すこと
ができる。
【0015】
また、本発明に係る鏡台は、上記の鏡台において、前記鏡は、当該鏡の一部の部位に開
口部および切欠部のいずれかが形成された第1の鏡と、回転機構によって回転させられる
第2の鏡とを備えて構成され、前記表示部は、前記第2の鏡の背面にその背
面が固定されて当該第2の鏡と共に回転体を構成し、前記制御部は、前記回転機構を制御
して、前記映像の非表示状態において前記第2の鏡の表面と前記第1の鏡の表面とが同じ
向きの状態で前記第1の鏡に形成された開口部および切欠部のいずれかを閉塞するように
前記回転体を回転させると共に、前記映像の表示状態においては前記表示部の前記表示面
と前記第1の鏡の表面とが同じ向きの状態で前記第1の鏡に形成された開口部および切欠
部のいずれかを閉塞するように前記回転体を回転させる。
【0016】
この鏡台では、回転機構によって回転させられて第1の鏡に形成された開口部および切
欠部のいずれかを閉塞した表示部に映像が表示される。このため、第1の鏡に自らの顔を
映すことで、手本となる映像と第1の鏡に映った顔とを容易に見比べることができる。し
たがって、ユーザーは、理想的なメイクアップを容易に行うことができる。また、映像の
非表示状態においては第2の鏡が回転機構によって回転させられて第1の鏡に形成された
開口部および切欠部のいずれかを閉塞する。したがって、ユーザーは、映像表示が不要の
ときには、第1の鏡および第2の鏡の両方、つまり鏡の全域に亘って自らの姿を映すこと
ができる。
【0017】
また、本発明に係る鏡台は、上記の鏡台において、前記映像は、記録媒体に記録され、
当該記録媒体を再生可能な再生装置を備えている。
【0018】
この鏡台では、映像が記録媒体に記録され、その映像を再生可能な再生装置が備えられ
ている。このため、例えば、別体に構成された再生装置を用いる構成とは異なり、その再
生装置との接続作業を不要にできると共にその再生装置の置き場所を予め確実に確保する
ことができる。
【0019】
また、本発明に係る鏡台は、上記の鏡台において、前記記録媒体に記録されて前記再生
装置によって再生された音声を出力する音声出力部を備えている。
【0020】
この鏡台では、記録媒体に記録されて再生装置によって再生された音声を音声出力部が
出力する。このため、ユーザーは、例えば、ビデオテープに記録されているメイクアップ
に関する音声を聞きながらメイクアップを行うことができるため、理想的なメイクアップ
を一層容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る鏡台の最良の形態について説明する。最初に
、図1に示す鏡台1の構成について説明する。鏡台1は、本発明に係る鏡台の一例であっ
て、図3に示すように、鏡11、コントローラ12、表示部13、音声出力部14、再生
装置15および制御部16を備えている。鏡11は、図1に示すように、本体部2の上部
に取り付けられている。また、鏡11は、同図および図2に示すように、鏡11aとハー
フミラー11bとを一体形成して構成されている。この場合、ハーフミラー11bの背面
には、後述する表示部13のスクリーン23が配設されている。なお、ハーフミラー11
bの形成位置は、図1に示す端部に限定されず、鏡11a内における任意の位置に規定す
ることができる。コントローラ12は、本体部2における鏡11の下方に位置する正面パ
ネルに取り付けられて、表示部13および再生装置15の電源スイッチや、再生装置15
用のコントロールスイッチ(再生スイッチおよび停止スイッチ等)などの各種スイッチが
配設されて構成されると共に操作されたスイッチに対応する操作信号Soを制御部16に
出力する。
【0022】
表示部13は、図2に示すように、プロジェクタ21、反射ミラー22およびスクリー
ン23を備えている。プロジェクタ21は、同図に示すように、本体部2の内部に配設さ
れている。また、プロジェクタ21は、例えば、光源と、光変調手段(一例として、DM
D(Digital Micro Mirror Device )や液晶ライトバルブ)と、投射レンズとを備え、制
御部16の制御に従い、再生装置15から出力された映像信号Spに基づいて光変調した
画像を投射レンズにより拡大投射する。反射ミラー22は、本体部2の内部におけるスク
リーン23の背面側に配設されて、プロジェクタ21からの投射光Lをスクリーン23に
向けて反射する。スクリーン23は、本発明における表示面に相当し、透過型のスクリー
ンで構成されて、鏡11におけるハーフミラー11bの背面に配設されている。つまり、
スクリーン23は、鏡11の一部の部位に重なり合うように配設されている。
【0023】
音声出力部14は、図3に示すように、アンプ31およびスピーカ32を備えている。
アンプ31は、制御部16の制御に従い、再生装置15から出力された音声信号Ssを増
幅する。スピーカ32は、図1に示すように、正面パネルに取り付けられて、アンプ31
によって増幅された音声信号Ssに基づく音声を出力する。再生装置15は、正面パネル
に取り付けられて、制御部16の制御に従い、例えば、DVDやビデオテープ等の記録媒
体に記録されている映像および音声を再生して映像信号Spおよび音声信号Ssを出力す
る。
【0024】
制御部16は、コントローラ12の操作によって出力された操作信号Soに従って制御
信号Scを出力することにより、表示部13、音声出力部14および再生装置15を制御
する。この場合、制御部16は、コントローラ12における再生装置15用の再生スイッ
チが操作されたときには、再生装置15を制御して、記録媒体に記録されている映像およ
び音声を再生させて映像信号Spおよび音声信号Ssを出力させる。また、制御部16は
、再生装置15から出力された映像信号Spを表示部13に転送することにより、映像信
号Spに基づく映像を表示させる。さらに、制御部16は、再生装置15から出力された
音声信号Ssを音声出力部14に転送することにより、音声信号Ssに基づく音声を出力
させる。
【0025】
次に、鏡台1の使用方法について、図面を参照して説明する。この鏡台1では、電源の
非投入時には、プロジェクタ21から投射光Lが射出されていないため、ハーフミラー1
1bの背面側が表面側よりも暗い状態となっている。このため、ハーフミラー11bは、
表面側から入射した光を全反射する。したがって、電源の非投入時には、鏡11が1枚の
鏡として機能するため、ユーザーは、表示部を備えていない一般的な鏡台と同様にして鏡
台1を使用することができる。
【0026】
一方、例えば、美容室で行ったメイクアップの様子を記録したビデオテープの映像を手
本として、自らメイクアップを行う際には、コントローラ12の電源スイッチを操作する
。次に、図1に示す再生装置15にビデオテープをセットした後に、コントローラ12の
再生スイッチを操作する。この際に、コントローラ12が、再生スイッチに対応する操作
信号Soを出力する。次いで、制御部16は、操作信号Soに従い、再生を指示する制御
信号Scを再生装置15に出力する。続いて、再生装置15が、制御信号Scに従い、ビ
デオテープに記録されている映像および音声を再生して映像信号Spおよび音声信号Ss
を制御部16に出力する。次に、制御部16は、映像信号Spを表示部13に転送すると
共に、映像の表示を指示する制御信号Scを表示部13に出力する。また、制御部16は
、音声信号Ssを音声出力部14に転送すると共に、音声の出力を指示する制御信号Sc
を音声出力部14に出力する。
【0027】
次いで、音声出力部14のアンプ31が音声信号Ssを増幅し、スピーカ32がアンプ
31によって増幅された音声信号Ssに基づく音声(ビデオテープに記録されている音声
)を出力する。一方、表示部13では、電源スイッチが操作されたときに、プロジェクタ
21に電源が供給されて、制御部16から出力された制御信号Scに従い、光源からの光
を映像信号Spに基く投射光Lに光変調して投射する。この際に、投射光Lが反射ミラー
22によって反射されてスクリーン23に投射される。これにより、ビデオテープに記録
されている映像がスクリーン23に表示される。この場合、投射光Lの投射によってハー
フミラー11bの背面側が表面側よりも明るい状態となる。このため、スクリーン23に
表示された映像がハーフミラー11bを透過してハーフミラー11bの表面側(鏡台1の
正面側)から視認される。したがって、ユーザーは、例えば、ハーフミラー11bに隣接
する鏡11aに自らの顔を映すことで、スクリーン23に表示された手本となる映像と鏡
11aに映った顔とを容易に見比べることができるため、理想的なメイクアップを容易に
行うことができる。また、ユーザーは、ビデオテープに記録されている音声を聞きながら
メイクアップを行うことできるため、理想的なメイクアップの方法を音声でも認識するこ
とができる。なお、プロジェクタ21の投射レンズを調整して投射光Lを投射させる面積
を変更することで、表示させる映像の大きさをスクリーン23の大きさの範囲内で任意に
変更することができる。
【0028】
次に、メイクアップを終了して、映像の表示を停止する際には、コントローラ12にお
ける再生装置15用の停止スイッチを操作する。この際に、制御部16は、コントローラ
12からの操作信号Soに従い、再生の停止を指示する制御信号Scを再生装置15に出
力する。これに応じて、再生装置15が映像および音声の再生を停止する。次いで、コン
トローラ12の電源スイッチを操作する。これにより、プロジェクタ21に対する電源供
給が停止して、プロジェクタ21からの投射光Lの投射が停止する。この場合、投射光L
の投射停止により、上記したように、ハーフミラー11bが表面側から入射した光を全反
射するため、鏡11は、1枚の鏡として機能する。
【0029】
このように、この鏡台1によれば、鏡11の一部を構成するハーフミラー11bに重な
り合うように配設したスクリーン23に再生装置15によって再生された映像を表示させ
ることにより、ハーフミラー11bに隣接する鏡11aに自らの顔を映すことで、手本と
なる映像と鏡11aに映った顔とを容易に見比べることができる。したがって、ユーザー
は、理想的なメイクアップを容易に行うことができる。
【0030】
また、鏡11の一部をハーフミラー11bで構成し、ハーフミラー11bの背面側に配
設したスクリーン23と、スクリーン23の背面側から投射光Lを投射して映像を表示す
るプロジェクタ21とを備えて表示部13を構成したことにより、投射光Lが投射されて
いない状態では、ハーフミラー11bが表面側から入射した光を全反射するため、表示部
13の非使用時には、鏡11を1枚の鏡として機能させることができる。したがって、ユ
ーザーは、映像表示が不要のときには、鏡11の全域に亘って自らの姿を映すことができ
る。また、投射光Lを投射させる面積を変えることで、表示させる映像の大きさをスクリ
ーン23の大きさの範囲内で任意に変更することができる。
【0031】
また、記録媒体に記録されている映像を再生可能な再生装置15を備えたことにより、
例えば、別体に構成された再生装置を用いる構成とは異なり、その再生装置との接続作業
を不要にできると共にその再生装置の置き場所を予め確実に確保することができる。
【0032】
また、再生装置15によって再生された音声を出力する音声出力部14を備えたことに
より、ユーザーは、例えば、ビデオテープに記録されているメイクアップに関する音声を
聞きながらメイクアップを行うことができるため、理想的なメイクアップを一層容易に行
うことができる。
【0033】
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、プロジェクタ21を用いてスク
リーン23に映像を表示する表示部13を備えた鏡台1を例に挙げて説明したが、図4に
示す鏡台1Aにも適用することもできる。なお、以下の説明において、鏡台1と同じ構成
要素については同一の符号を用いて重複した説明を省略する。この鏡台1Aは、同図に示
すように、鏡台1の鏡11に代えて、1枚の鏡のみによって構成された鏡111を備えて
いる。また、鏡台1Aは、鏡台1の表示部13に代えて、液晶パネル41を備えている。
この場合、液晶パネル41は、鏡111よりも小形に形成されて、鏡111の表面側(反
射面側)に配設されている。つまり、液晶パネル41は、鏡111の一部の部位に重なり
合うように配設されている。また、液晶パネル41は、制御部16の制御に従って再生装
置15からの映像信号Spに基づく映像を表示する。さらに、液晶パネル41は、映像の
非表示時(電源の非投入時)には光を透過させる。
【0034】
この鏡台1Aでは、電源の非投入時に、鏡111(鏡台1A)の表面側から入射した光
、および鏡111によって反射されたその光の反射光を液晶パネル41が透過させる。し
たがって、電源の非投入時には、鏡111における液晶パネル41が配設された一部の部
位においても、他の部位と同様にして光が反射するため、ユーザーは、表示部を備えてい
ない一般的な鏡台と同様にして鏡台1Aを使用することができる。一方、上記したように
、ビデオテープを再生装置15にセットして、コントローラ12の再生スイッチを操作し
た際には、制御部16が、再生を指示する制御信号Scを再生装置15に出力し、再生装
置15が、映像信号Spおよび音声信号Ssを出力する。次に、制御部16からの制御信
号Scに従い、液晶パネル41が映像信号Spに基づく映像を表示し、音声出力部14が
音声信号Ssに基づく音声を出力する。この場合、上記の鏡台1と同様にして、鏡111
に自らの顔を映すことで、ユーザーは、手本となる映像と鏡111に映った顔とを容易に
見比べることができる。したがって、この鏡台1Aにおいても、ユーザーは、理想的なメ
イクアップを容易に行うことができる。
【0035】
また、図5に示す鏡台1Bに本発明を適用することもできる。この鏡台1Bは、同図に
示すように、鏡台1の鏡11に代えて、鏡121を備えている。この場合、鏡121は、
本発明における一部の部位に相当する端部に切欠部122が形成された鏡121a(本発
明における第1の鏡に相当する。図6参照)と、切欠部122とほぼ同じ大きさに形成さ
れて鏡121aの背面側に配設された鏡121b(本発明における第2の鏡に相当する。
図7参照)とを備えている。また、鏡台1Bは、鏡121bの上部に連結された液晶パネ
ル51と、鏡121bおよび液晶パネル51を移動(この例では上下動)させる移動機構
61(同図参照)とを備えている。この場合、液晶パネル51は、図7に示すように、鏡
121bとほぼ同じ大きさに形成されると共に表示状態において鏡121aの切欠部12
2の部位に重なり合うように鏡121aの背面側に配設される。また、鏡121bおよび
液晶パネル51は、図5,8に示すように、鏡121aの背面側において移動機構61に
よって上下動させられることにより、いずれか一方が切欠部122を閉塞する。なお、切
欠部122に代えて鏡121aの中央部に開口部を形成する構成を採用することもできる

【0036】
この鏡台1Bでは、電源の非投入時(初期状態)において、図5に示すように、鏡12
1bが鏡121aの切欠部122を閉塞する。したがって、この鏡台1Bでは、電源の非
投入時には、切欠部122が形成された部位においても顔や姿を映すことが可能となって
いる。一方、上記したように、ビデオテープを再生装置15にセットして、コントローラ
12の再生スイッチを操作した際には、制御部16が、移動機構61を制御して、図8に
示すように、鏡121bおよび液晶パネル51を下方に向けて移動(下動)させる。これ
により、鏡121aの切欠部122が液晶パネル51によって閉塞されて、液晶パネル5
1の画面が鏡121aの表面側(鏡台1Bの正面側)から視認可能となる。次に、制御部
16が再生を指示する制御信号Scを出力することにより、液晶パネル51が映像信号S
pに基づく映像を表示し、音声出力部14が音声信号Ssに基づく音声を出力する。この
場合、上記の鏡台1,1Aと同様にして、鏡121aに自らの顔を映すことで、ユーザー
は、手本となる映像と鏡121aに映った顔とを容易に見比べることができる。したがっ
て、この鏡台1Bにおいても、ユーザーは、理想的なメイクアップを容易に行うことがで
きる。次に、メイクアップを終了して、コントローラ12における再生装置15用の停止
スイッチを操作した際には、制御部16が操作信号Soに従って再生の停止を指示する制
御信号Scを再生装置15に出力することにより、液晶パネル51による映像表示、およ
び音声出力部14による音声出力が停止する。また、制御部16は、移動機構61を制御
して、液晶パネル51および鏡121bを上方に向けて移動させる。これにより、鏡12
1aの切欠部122が鏡121bによって閉塞された初期状態となる。
【0037】
また、図9に示す鏡台1Cに本発明を適用することもできる。この鏡台1Cは、同図に
示すように、鏡台1の鏡11に代えて、鏡131を備えている。この場合、鏡131は、
本発明における一部の部位に相当する端部に切欠部132が形成された鏡131a(本発
明における第1の鏡に相当する。図10参照)と、切欠部132とほぼ同じ大きさに形成
された鏡131b(本発明における第2の鏡に相当する。図11参照)とを備えている。
また、鏡台1Cは、鏡131bとほぼ同じ大きさに形成されて、鏡131bの背面にその
背面が固定された液晶パネル71(図11参照)を備えている。この場合、鏡131bお
よび液晶パネル71は、図9,12に示すように、回転機構81によって回転(回動)さ
せられることにより、いずれか一方が切欠部132を閉塞する。なお、鏡131bおよび
液晶パネル71によって本発明における回転体が構成される。
【0038】
この鏡台1Cでは、電源の非投入時(初期状態)において、図9に示すように、鏡13
1bの表面と鏡131aの表面とが同じ向きの状態で鏡131bが切欠部132を閉塞す
る。したがって、この鏡台1Cでは、電源の非投入時には、切欠部132が形成された部
位においても顔や姿を映すことが可能となっている。一方、上記したように、ビデオテー
プを再生装置15にセットして、コントローラ12の再生スイッチを操作した際には、制
御部16が、回転機構81を制御して、液晶パネル71の表示面と鏡131aの表面とが
同じ向きの状態で液晶パネル71によって切欠部132を閉塞するように、鏡131bお
よび液晶パネル71を回転させる。これにより、図12に示すように、鏡131bと液晶
パネル71とが反転して、液晶パネル71の画面が鏡台1Cの正面側から視認可能となる
。次に、制御部16が再生を指示する制御信号Scを出力することにより、液晶パネル7
1が映像信号Spに基づく映像を表示し、音声出力部14が音声信号Ssに基づく音声を
出力する。この場合、上記の鏡台1,1A,1Bと同様にして、鏡131aに自らの顔を
映すことで、ユーザーは、手本となる映像と鏡131aに映った顔とを容易に見比べるこ
とができる。したがって、この鏡台1Cにおいても、ユーザーは、理想的なメイクアップ
を容易に行うことができる。次に、メイクアップを終了して、コントローラ12における
再生装置15用の停止スイッチを操作した際には、制御部16が操作信号Soに従って再
生の停止を指示する制御信号Scを再生装置15に出力することにより、液晶パネル71
による映像表示、および音声出力部14による音声出力が停止する。また、制御部16は
、回転機構81を制御して、液晶パネル71および鏡131bを回転させる。これにより
、鏡131bの表面と鏡131aの表面とが同じ向きの状態で切欠部132が鏡131b
によって閉塞された初期状態となる。
【0039】
また、上記の鏡台1B(または鏡台1C)において、鏡121b(または鏡131b)
および移動機構61(または回転機構81)を備えることなく、鏡121a(または鏡1
31a)の切欠部122(または切欠部132)に液晶パネル51(または液晶パネル7
1)を嵌め込んで、切欠部122(または切欠部132)が形成された鏡121(または
鏡131)の一部の部位を映像表示専用のエリアとする構成を採用することもできる。ま
た、液晶パネル51(または液晶パネル71)に代えてプラズマディスプレイやCRT等
の各種の表示装置を用いることもできる。
【0040】
また、図13に示す鏡台1Dに本発明を適用することもできる。この鏡台1Dは、同図
に示すように、上記の鏡台1における表示部13に代えて、液晶パネル91を備えている
。この場合、液晶パネル91は、鏡11におけるハーフミラー11bの背面に配設されて
いる。つまり、液晶パネル91は、鏡11の一部の部位に重なり合うように配設されてい
る。また、液晶パネル91は、制御部16の制御に従って再生装置15からの映像信号S
pに基づく映像を表示する。この鏡台1Dでは、電源の非投入時には、液晶パネル91に
映像が表示されていないため、ハーフミラー11bが表面側から入射した光を全反射する
。したがって、液晶パネル91の非使用時には、鏡台1と同様にして、鏡11を1枚の鏡
として機能させることができる。一方、液晶パネル91に映像を表示させたときには、映
像がハーフミラー11bを透過して鏡台1Dの正面側から視認される。したがって、ユー
ザーは、例えば、ハーフミラー11bに隣接する鏡11aに自らの顔を映すことで、鏡台
1と同様にして、理想的なメイクアップを容易に行うことができる。なお、液晶パネル9
1に代えて、プラズマディスプレイやCRT等の各種の表示装置を用いることもできる。
【0041】
また、上記の鏡台1,1A〜1Dは、再生装置15によって再生された映像を表示させ
るように構成されているが、本発明はこれには限定されず、例えばテレビジョンチューナ
ーを備えてテレビ放送を受信しても良いし、CS放送等を受信して表示装置に表示するこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】鏡台1の斜視図である。
【図2】鏡台1の一部を切り欠いた状態の側面図である。
【図3】鏡台1の構成を示すブロック図である。
【図4】鏡台1Aの一部を切り欠いた状態の側面図である。
【図5】映像の非表示時における鏡台1Bの一部を切り欠いた状態の側面図である。
【図6】鏡121aの斜視図である。
【図7】液晶パネル51、鏡121bおよび移動機構61の斜視図である。
【図8】映像の表示時における鏡台1Bの一部を切り欠いた状態の側面図である。
【図9】映像の非表示時における鏡台1Cの一部を切り欠いた状態の側面図である。
【図10】鏡131aの斜視図である。
【図11】液晶パネル71、鏡131bおよび回転機構81の斜視図である。
【図12】映像の表示時における鏡台1Cの一部を切り欠いた状態の側面図である。
【図13】鏡台1Dの一部を切り欠いた状態の側面図である。
【符号の説明】
【0043】
1,1A〜1D 鏡台、11,11a,111,121,121a,121b,131
,131a,131b 鏡、11b ハーフミラー、13 表示部、14 音声出力部、
15 再生装置、16 制御部、21 プロジェクタ、23 スクリーン、41,51,
71,91 液晶パネル、61 移動機構、81 回転機構、122,132 切欠部、
L 投射光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡と、前記鏡の一部の部位に表示面が重なり合うように配設される表示部と、前記表示
部に映像を表示させる制御部とを備えている鏡台。
【請求項2】
前記鏡は、その一部がハーフミラーで構成され、
前記表示部は、前記ハーフミラーの背面側に表示面が配設され、前記制御部の制御に従
って映像を表示する請求項1記載の鏡台。
【請求項3】
前記表示部は、前記ハーフミラーの背面側に表示面として配設された透過型スクリーンと、前記スクリーンに前記映像を表示するプロジェクタとを備えて構成されている請求項2記載の鏡台。
【請求項4】
前記表示部は、前記鏡の表面側に配設されて前記制御部の制御に従って前記映像を表示
すると共に当該映像の非表示状態において光を透過させる液晶パネルを備えて構成されて
いる請求項1記載の鏡台。
【請求項5】
前記鏡は、当該鏡の一部の部位に開口部および切欠部のいずれかが形成された第1の鏡
と、移動機構によって移動させられる第2の鏡とを備えて構成され、
前記制御部は、前記移動機構を制御して、前記映像の非表示状態において前記第1の鏡
に形成された開口部および切欠部のいずれかを閉塞するように前記第2の鏡を移動させる
と共に、前記映像の表示状態においては前記第1の鏡に形成された開口部および切欠部の
いずれかを閉塞するように前記表示部を移動させる請求項1記載の鏡台。
【請求項6】
前記鏡は、当該鏡の一部の部位に開口部および切欠部のいずれかが形成された第1の鏡
と、回転機構によって回転させられる第2の鏡とを備えて構成され、
前記表示部は、前記第2の鏡の背面に背中合わせに固定されて当該第2の鏡と共に回転体を構成し、
前記制御部は、前記回転機構を制御して、前記映像の非表示状態において前記第2の鏡
の表面と前記第1の鏡の表面とが同じ向きの状態で前記第1の鏡に形成された開口部およ
び切欠部のいずれかを閉塞するように前記回転体を回転させると共に、前記映像の表示状
態においては前記表示部の前記表示面と前記第1の鏡の表面とが同じ向きの状態で前記第
1の鏡に形成された開口部および切欠部のいずれかを閉塞するように前記回転体を回転さ
せる請求項1記載の鏡台。
【請求項7】
前記映像は、記録媒体に記録され、
当該記録媒体を再生可能な再生装置を備えている請求項1から6のいずれかに記載の鏡
台。
【請求項8】
前記記録媒体に記録されて前記再生装置によって再生された音声を出力する音声出力部
を備えている請求項7記載の鏡台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−122388(P2006−122388A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−315338(P2004−315338)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】