長物農産物の向き揃え装置
【課題】この発明は、長物農産物を搬送方向に対して横方向に向けるだけでなく、例えばへたを基準にする等してその向きも一定の方向に向けることができ、かつその際に、長物農産物を傷めることのない長物農産物の向き揃え装置の提供をその目的とする。
【解決手段】この発明は、コンベア上を縦向きに規制されて搬送される長物農産物の前後の向き(へたの向き)を判定する向き判定手段を該コンベアの上方に設けるとともに、該コンベアの搬送路に長物農産物が落ちない程度の隙間を設け、上記判定手段の判定結果に応じて長物農産物の一端部側に向けて圧縮流体を噴出しその長物農産物を反転させるエアノズルを上記隙間の下方に設けている。
【解決手段】この発明は、コンベア上を縦向きに規制されて搬送される長物農産物の前後の向き(へたの向き)を判定する向き判定手段を該コンベアの上方に設けるとともに、該コンベアの搬送路に長物農産物が落ちない程度の隙間を設け、上記判定手段の判定結果に応じて長物農産物の一端部側に向けて圧縮流体を噴出しその長物農産物を反転させるエアノズルを上記隙間の下方に設けている。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、なすや人参のような長物農産物の向きを揃える長物農産物の向き揃え装置に関するもので、農産物の選別包装施設において、選別装置の前段または箱詰装置の前段に併設することが好ましいものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、農産物を選別して箱詰め包装出荷する選別包装施設において、なすや人参等の長物農産物の箱詰め作業は、選別装置によって、等級(色や傷等外観上のグレードで区分),階級(大きさ,重さで区分)別に区分けされた長物農産物を、段ボール箱内に、長物農産物の向きを一定の方向に向けて無駄なスペースが生じないように詰めて行われている。
【0003】また、外観上の見栄えをよくするために、長物農産物のへたをすべて一方向に揃える等して長物農産物を一定の向きに整列させている。
【0004】このような目的で、箱詰め装置までの搬送工程において、長物農産物の向きを一定の方向に揃える装置として、特公平7−76016号公報や実公平7−41689号公報に開示されている装置がある。
【0005】上記特公平7−76016号公報に開示されている装置は、搬送面における搬送方向に沿った中央側が高く両縁部側が低くなった略山形状のコンベアの上に、搬送方向に直交する桟を一定間隔(長物農産物が間に収まる幅)で設けている。そして、そのコンベアの両縁部側に、傾斜面を有する変向板を、桟間に収まって搬送される長物農産物には接触せず、桟の上側で搬送される長物農産物には当接するような高さでコンベアの中央側に向けて突設している。
【0006】したがって、長物農産物が上記コンベアに載せられると、長手方向が搬送方向に直交(以下、横向きとする)する向きになった一部の長物農産物は桟の間に収まり、長手方向が搬送方向に沿う(以下、縦向きとする)向きになった他の長物農産物はコンベアの両縁部側に移動して桟の上側に位置した状態で搬送される。そして、変向板が突設された位置で変向板の傾斜面に当接して、その向きを横方向に矯正され2個の桟の間に落ち込むというものである。
【0007】また、実公平7−41689号公報に開示されている装置は、コンベアがローラコンベアで構成されており、搬送面を構成するローラ全体が上流側から下流側に搬送しながら、その個々のローラが交互に逆方向に回転するようになっている。したがって、搬送される間に、長物農産物は自然に横方向を向くようになるというものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の装置はともに、長物農産物を単に横に向けるというだけで、へた側を一定の方向に向ける等して、その向きを揃えることまではできない。このため、後の工程で、人手や他の方法により並べ変えを行わなければならず、作業が煩雑であるという問題がある。
【0009】また、特公平7−76016号公報の装置では、変向板によって擦られた状態で向きを変えられるため、長物農産物の表皮が傷みやすいという問題があり、同様に、実公平7−41689号公報の装置では、回転するローラとの接触摩擦によって長物農産物の表皮が傷みやすいという問題がある。特に、なすのように表皮がやわらかい長物農産物の場合には、この問題が大きくなる。
【0010】この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、長物農産物を横方向に向けるだけでなく、例えばへたを基準にする等して、その向きを一定の方向に向けることができ、かつその際に、長物農産物を傷めることのない長物農産物の向き揃え装置の提供をその目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明では、長物農産物を縦向きに規制しつつ搬送するコンベアの近傍に、長物農産物の向きを判定する向き判定手段を設けて、コンベア上を搬送される長物農産物の向き(例えば、へたが前側になっているか後側になっているか等)を判定できるようになっている。
【0012】そして、上記コンベアの搬送路に、長物農産物が落ちない程度の隙間を設け、この隙間の下方に、上記向き判定手段の判定結果に応じて該隙間の下方から長物農産物の一端部に該長物農産物が搬送方向に沿って反転可能な力を与える反転力付与手段を設けている。
【0013】したがって、コンベア上を縦向きに順次搬送されてくる長物農産物の中に、その向きが適正な状態でないもの(例えば、へたが前側になるように揃えようとする場合に、へたが後側になっているもの)があった場合、向き判定手段がそれを判定し、その判定結果に応じて反転力付与手段が作動して反転可能な力をその不適正な状態の長物農産物の後端部または前端部に向けて付与することにより、その長物農産物を搬送方向に沿って反転させてその向きを適正な状態にすることができる。
【0014】その結果、長物農産物はすべて縦方向における同一方向を向くようになるため、すべての長物農産物を縦向きで、かつその方向を一定にした状態にすることができるようになる。これによって、後の箱詰め作業の前に、人手によって向きを変えるといった作業が省けるようになる。
【0015】また、上記コンベアは、上流側の第1のコンベアと下流側の第2のコンベアとの2個のコンベアで構成し、その2個のコンベアの間に長物農産物が落下しない程度の隙間を設けて、この隙間の下方に圧縮流体を上方に向けて噴出する反転力付与手段を配設するとこともできる。この場合、下流側の第2のコンベアの始端部を第1のコンベアの終端部より低い位置になるようにすることにより、乗り継ぎ時に、長物農産物が前方向に転動姿勢となり少ない力で確実に反転することができる。
【0016】さらに、上記コンベアを、僅かな間隔を保って左右に並設された平面状の2個の小巾コンベアで構成し、その互いに接近した側部側が下側になるように傾斜させて搬送方向に直交する縦断面形状が略V形になるようにするとともに、上記2個のコンベア間の隙間から長物農産物が反転可能な力を与えるようにすることもできる。
【0017】また、この発明の他の例として、横向きにされた状態の長物農産物を横向きに規制して搬送するコンベアの近傍に、向き判定手段を設けて、コンベア上を搬送されてくる長物農産物の向きを判定できるようにし、上記コンベアの搬送路の一側部側に、長物農産物が落ちない程度の隙間を設け、該隙間の下方に、前記向き判定手段の判定結果に応じて該隙間の下方から長物農産物の一端部に該長物農産物が搬送方向と直交する方向に反転可能な力を与える反転力付与手段を設けることもできる。
【0018】上記の場合、さらに、コンベアの搬送面を一側部側が下方になるように傾斜させ、長物農産物をコンベアの一側部側に常に付勢した状態にしておくことが好ましい。これによって、長物農産物がコンベアの幅方向でランダムに散らばることを防止できる。また、上記隙間としては、コンベアの搬送面を網状にしたり、コンベアの一側部側に孔を設けたりして構成することができる。
【0019】また、上記反転力付与手段が噴出する圧縮流体としては、エア等の気体や水等の液体が使用でき、これによって、長物農産物を傷付けることなく反転させることができるが、より好ましいのはエアの使用である。さらに、この発明にかかる装置は、例えばなすのように前端部と後端部の太さが異なり反転しやすい長物農産物のへたの向き揃えに使用するとより効果的である。
【0020】なお、コンベアにおける略V形は、厳密なV形だけでなく、U形等、搬送方向に延びる断面形状が凹形の溝状のものや、平らな搬送面の両側にガイドレールを設けて長物農産物を縦一列に搬送するようにしたものでもよく、要は、長物農産物が縦方向に規制されて搬送できるものであればよい。つぎに、図を用いて、この発明を詳細に説明する。
【0021】
【発明の実施の形態】図1および図2は、この発明にかかる長物農産物の向き揃え装置を含んだ搬送装置を示している。図において、1は、この装置の最も上流側に配設された幅広コンベアであり、ダンパー(図示せず)から供給されたなす2をランダムな状態で搬送するようになっている。
【0022】そして、この幅広コンベア1の終端部には、先端側が幅広コンベア1の上流側に延び、その先端側が左右(幅広コンベア1の幅方向)に揺動自在になったスクレーパ3が一定間隔を保って3個設けられている。このスクレーパ3は、左右に揺動することによって、幅広コンベア1の終端側に送られてくるなす2を縦方向に整列させるようになっている。
【0023】4は、幅広コンベア1の下流側に、平行に設けられた4個の第1のV形ベルトコンベアであり、それぞれの始端部が、幅広コンベア1の終端部の下部側における幅広コンベア1の縁部とスクレーパ3の間、または隣合った2個のスクレーパ3の間に位置決めされている。
【0024】5は、それぞれの第1のV形ベルトコンベア4の下流側に設けられ第1のV形ベルトコンベア4と同様の構成(長さはそれぞれ異なる)からなる第2のV形ベルトコンベアであり、その始端部と上記第1のV形ベルトコンベア4の終端部の間に、図3に示すような隙間Xが設けられ、かつ、第2のV形ベルトコンベア5が第1のV形ベルトコンベア4よりも低い位置に設置されている。
【0025】上記第1のV形ベルトコンベア4および第2のV形ベルトコンベア5は、それぞれ2個の平面状の小幅コンベアを近接状態で並列させ、その向き合う側部側がそれぞれ下側になるように傾斜させて構成されている。したがって、この第1のV形ベルトコンベア4上および第2のV形ベルトコンベア5上をなす2が搬送される際、なす2はその姿勢を縦方向に向けた状態になる。
【0026】6は、それぞれ第1のV形ベルトコンベア4の上方に設けられた向き判定カメラであり、画像処理によって、なす2のへた2a側がどちらを向いているかを判定するようになっている。この判定は、図4に示すように、写し出されたなす2の外郭接線で囲われる長方形の画面を小さく区分し、その前部側と後部側における同面積の一定領域A,B内において、なす2が含まれる区分a,bの数がどちらが多いかでなす2の向きを判定する。すなわち、上記一定領域A,B内における小さな区分a,bにおいて、なす2の部分が含まれる区分の数が少ない方がへた2a側で、多い方がへた2aと反対側であると判定することができる。
【0027】7は、第1のV形ベルトコンベア4と第2のV形ベルトコンベア5の間に、噴出口を上方かつ下流に向けて配設されたエアノズルであり、第1のV形ベルトコンベア4の終端部と第2のV形ベルトコンベア5の始端部の間の隙間Xに向けてエアを噴出することにより、第1のV形ベルトコンベア4から第2のV形ベルトコンベア5に移送されるなす2を反転することができるようになっている。
【0028】8は、第1のV形ベルトコンベア4の上流側に設けられた光電センサであり、発光部と受光部の上下一対の装置からなっている。9は第1のV形ベルトコンベア4の側部に設けられたクロック発生装置であり、第1のV形ベルトコンベア4上を搬送されるなす2を光電センサ8が検知し、その検知した信号からなす2がエアノズル7の位置に達するまでの時間を、クロック発生装置9が信号としてエアノズル7に発信し、その信号によってエアノズル7が作動するようになっている。
【0029】また、その際、エアノズル7は、向き判定カメラ6の判定結果によって、作動したり、作動しなかったりする。すなわち、なす2のへた2aが前側に位置していればエアノズル7は作動せずに、なす2をそのままの状態で搬送させ、なす2のへた2aが後側に位置していれば作動してエアを噴出し、その圧力によって、なす2のへた2a側を上方から前方に向けて反転(図3において反時計方向に回転)させる。これによって、搬送されるなす2はすべて、そのへた2a側を前方に向けた状態になる。
【0030】図1および図2において、10は、始端部と終端部の方向が90度異なる中継用のカーブコンベアであり、始端部が上記第2のV形ベルトコンベア5の終端部に連結され、終端部が上記第1のV形ベルトコンベア4および第2のV形ベルトコンベア5と同様の構成(長さはそれぞれ異なる)からなるV形ベルトコンベア11の始端部に連結されている。
【0031】そして、このV形ベルトコンベア11の終端部は、その下流側に配設された桟付きコンベア12の始端部側側部に連結されている。上記桟付きコンベア12は、搬送面に、複数の桟13がなす2が収まる程度の間隔を保って搬送方向に直交した状態で突設されている。したがって、上記第1のV形ベルトコンベア4からV形ベルトコンベア11まで、ずっと縦向きに搬送されてくるなす2は、V形ベルトコンベア11から桟付コンベア12に移送される際、2個の桟13間にスライドするようにして乗り移り、桟付きコンベア12上を、横向きの状態で搬送されるようになる。
【0032】14は、上記桟付きコンベア12の下流側に配設された合流コンベアである。この合流コンベア14は、横方向に移動可能な複数のスライダ14aを連結して構成されており、その各スライダ14aに1個づつなす2を横向きの状態で載置できるようになっている。
【0033】上記合流コンベア14は2組で構成され、その上流側がそれぞれ2つの搬送路に分岐して4個の桟付きコンベア12の終端部に連結され、それぞれの下流側が1つに合流して2つの搬送路を形成している。したがって、この合流コンベア14の搬送速度は、桟付きコンベア12の搬送速度の略2倍の速さになっている。
【0034】15は、合流コンベア14の下流側に設けられた、桟付きコンベア12と同様の2個の乗り継ぎコンベアであり、その下流には2個の選別コンベア16が配設されている。上記合流コンベア14から搬送されてくるなす2は、その乗り継ぎコンベア15からさらにその下流に設けられた2個の選別コンベア16に移送される。
【0035】この選別コンベア16は、向き揃え装置によってへたの向きが揃えられて供給されたなす2を、等級別階級別に区分けしたのち、所定の排出位置から図示しない引出コンベア上へ仕分けするものであるが、排出の際に、バケット(図示せず)を除々に傾動させてなす2のへた2aの向きが変わらないようにしている。こうすることにより、引出コンベア上に排出されるなす2は、へた2aの向きが揃えられたまま排出されて、そのまま図示しない箱詰め装置まで搬送されることになる。
【0036】また、この実施例のように、向き揃え装置を、選別コンベア16の前段(上流側)に設けることにより、人手によりなす2の向きを揃えて供給する作業を省力化できるとともに、箱詰装置(図示しない)に対してもへた2aを向きを揃えて供給することができるという利点が生じる。
【0037】なお、上記実施例の選別コンベア16は、なす2を横向きにして搬送するものを採用したが、これに限定するものではなく、縦方向に搬送して選別する方式のものであってもよい。その場合は、なす2を横向きにさせる手段(カーブコンベア10,V形ベルトコンベア11,桟付きコンベア12)を外すことにより縦方向に搬送することができる。
【0038】図1において、14b,15a,16aは、それぞれブラシまたはスポンジからなる乗り継ぎ用の渡りローラであり、移送されるなす2の上部側に当接した状態で回転しなす2の移送がスムーズに行われるように補助する。
【0039】このように、この発明にかかる装置によると、幅広コンベア1にランダムな状態で供給されるなす2は、第1のV形ベルトコンベア4で縦向きになる。そして、第1のV形ベルトコンベア4から第2のV形ベルトコンベア5に移送される際に、へた2aが後方を向いているなす2はエアノズル7が噴出するエアによって反転され、すべてのなす2がへた2aを前方に向けた状態になる。
【0040】この場合、第1のV形ベルトコンベア4と第2のV形ベルトコンベア5との間には、第1のV形ベルトコンベア4が第2のV形ベルトコンベア5よりも高くなるような段差が設けられているため、なす2の反転がよりスムーズに行われる。そして、V形ベルトコンベア11から桟付きコンベア12に移送された際に、その方向は縦向きから横向きに変えられる。
【0041】このため、搬送されるすべてのなす2は、桟付きコンベア12に移送された際に、へた2aを同一方向に揃えた状態で横向きになる。その結果、箱詰めの前に、人手によって向きを変える必要がなくなる。また、そのなす2の向きを変える操作が、エアノズル7でなす2の後部(へた2a)側にエアを吹き付けることによってなされるため、なす2の表皮を傷つけることがない。
【0042】なお、上記例においては、搬送装置の上流側から下流側までのラインを一方向に向けるため、便宜上、カーブコンベア10を使用しているが、装置の設置スペースに余裕がある場合等には、このカーブコンベア10を使用せず、第2のV形ベルトコンベア5と桟付きコンベア12を直交するように直接連結することもできる。
【0043】また、図5は、この発明の他の例を示している。すなわち、この例においては、幅広コンベア1の下流側に配設された、第1のV形ベルトコンベア4aと第2のV形ベルトコンベア5aの終端部側が互いの間隔を徐々に広げて扇型に延びている。そして、第2のV形ベルトコンベア5aの下流側に、扇型に広がった4個の第2のV形ベルトコンベア5aの搬送方向を互いに平行になるように軌道修正するV形ベルトコンベア17が設けられている。
【0044】18は、V形ベルトコンベア17の下流側に設けられた桟付きコンベアであり、V形ベルトコンベア17から移送されるなす2を縦向きにした状態で桟19上に載せ搬送する。そして、この桟付きコンベア18両側部には、図6および図7に示すように、エアノズル20が、搬送方向に沿った間隔をなす2の長さよりもやや短い程度の距離に保った状態で配設されている。また、このエアノズル20の吐出面は、図8に示すように、縦方向に複数の孔が穿設され、その複数の孔から吐出されるエアが、桟付きコンベア18の上面に搬送面を遮る薄い壁を作るような状態で吐出されるようになっている。
【0045】そして、そのエアノズル20の下流側近傍には、一対の光電センサ21が対向して設けられ、この光電センサ21がなす2の前端部を検出すると、エアノズル20が作動してエアを噴出し、上記なす2を一定方向に90度回転させるようになっている。その結果、なす2は、2個の桟19間に落下して横向きの状態で、桟付きコンベア18の下流側に搬送されていく。
【0046】また、22は、桟付きコンベア18の下流側に連結された桟付きコンベア18と同様の構成で長さがやや短くなった速度調整コンベアである。この速度調整コンベア22は、桟付きコンベア18よりも搬送速度が遅くなるように設定されており、桟付きコンベア18でその向きを縦向きから横向きに方向を変えたため各桟19間にとびとびの状態で載置されたなす2を、各桟19間に1個づつつまった状態で載置されるようにする。
【0047】それ以外の部分の構成については、前記の例と同様である。したがって、同一部分に同一符号を記している。また、この場合、なす2はへた2aを前方に向けて縦向きの状態で桟付きコンベア18に搬送され、エアノズル20によるエアの吹き付けで、すべてへた2aを同一方向に向けて横向きになる。
【0048】なお、上記2つの例においては、エアノズル7を、第1のV形ベルトコンベア4,(4a)と第2のV形ベルトコンベア5,(5a)の間の下方に配設しているが、このエアノズル7は、第1のV形ベルトコンベア4,(4a)または第2のV形ベルトコンベア5,(5a)の搬送方向に沿った中央部の隙間の下方に設けてその隙間に向けてエアを噴出できるようにしてもよい。この場合、上記2個のV形ベルトコンベア4,(4a)と5,(5a)は1個にしてもよい。
【0049】また、上記例におけるエアノズル20に変えて、図9および図10に示したような回転平ブラシ23を備えた反転装置24を用いることもできる。この反転装置24は、桟付きコンベア18の搬送面を跨ぐようにして設けられた門形支持枠25の中央上部に、サーボモータ26を取付けその回転軸26aを回転自在の状態で支持枠25を貫通させ、その下端部にナイロン製の回転平ブラシ23を連結している。
【0050】上記回転平ブラシ23には、トンネル状の凹部23aが設けられ、この凹部23a内を、縦向きのなす2が挿通できるようになっている。したがって、なす2が回転平ブラシ23の凹部23a内を通過しようとするとき、サーボモータ26を作動させて回転ブラシ23を90度回転させることにより、そのなす2を横向きにして、2個の桟19間に落下させることができる。
【0051】27は、上記支持枠25内における桟付きコンベア18の両側に対応する部分に固定されたガイド部であり、回転平ブラシ23の回転によって、なす2が向きを変える際、回転力の勢いによって、なす2が搬送面の中央側から大きくそれることを防止する。
【0052】それ以外の部分の構成については、上記のエアノズル20を用いた例と同様である。また、作用効果については、回転平ブラシ23が柔らかいナイロン製であるため、なす2を回転する際、上記の例におけるエアノズル20と同様、なす2を傷つけることがない。
【0053】なお、上記のエアノズル20や回転平ブラシ23を用いてなす2を反転させる例において、桟付きコンベア18の桟19を薄い板状のもので構成すると、その上で搬送されるなす2に傷が付きやすいため、桟19をある程度厚みのあるもので構成したり、桟19の上端角部にはアールをつける等することが好ましい。
【0054】また、桟付きコンベア18に変えて、ローラコンベアを用いることもできる。この場合、ローラコンベアの搬送面を構成する各ローラの周面を滑らかな面に形成して、なす2の表皮が傷つかないようにするとともに、各ローラは回転しないようにして(自然に回転することは除く)、なす2によけいな力が加わらないようにしておくことが好ましい。
【0055】図11は、この発明のさらに他の例における向き揃え装置を示している。この向き揃え装置では、なす2を搬送するコンベア28の搬送面が、搬送方向に直交する方向に延びる(なす2の長さの略2倍の長さ)横長の凹部29が連設されて構成されている。この凹部29は、搬送方向に沿った縦断面形状が略V形になるようにして構成され、なす2が横向きの状態で1個づつ載置されるようになっている。
【0056】また、このコンベア28の搬送面は一側部側が低くなった傾斜面に形成されている。この傾斜面には、例えば、図示しないが算盤状にコロを多数配設して、なす2がコンベア28の一側部側に付勢されるようにすることができる。そして、その凹部29における一側部側には、それぞれ隙間(図では隠れて見えない)が設けられている。
【0057】そして、その隙間の下側には、エアノズル30が噴出口を上方に向けた状態で配設されている。また、このコンベア28の上流側には、前記の例と同様、向き判定カメラ,光電センサ,クロック発生装置(図示せず)が配設され、適宜、必要に応じてエアノズル30を作動させるようになっている。
【0058】この構成において、搬送されるすべてのなす2のへた2aを、コンベア28の他側部側に向けようとする場合に、へた2aをコンベア28の一側部側に向けたなす2が搬送されてくると、向き判定カメラがそれを判定し、エアノズル30を作動させる。その結果、エアノズル30から噴出されたエアが、勢いよくなす2のへた2a側を上方に押圧し、へた2a側を上方からコンベア28の他側部側に反転させる。
【0059】これによって、そのなす2は、コンベア28の他側部側の位置で、へた2aをコンベア28の他側部側に向けた状態になるが、コンベア28の搬送面が傾斜しているため、なす2はコンベア28の下流側に搬送される間に、コンベア28の一側部側に移動し、すべてのなす2が、コンベア28の一側部側でその向きを同一方向にした状態になる。
【0060】この向き揃え装置は、V形コンベアから縦向きの状態のままなす2を桟付コンベアに移送し、桟付コンベア上で、エアノズル20や回転平ブラシ23のような反転装置を用いて横向きにしたのち、その向きを一定にするために用いたり、カーブコンベア10等を用いて、縦向きから横向きにしたのち、その向きを一定にするために用いたりすることができる。
【0061】例えば、図1および図2に示した搬送装置において、向き判定カメラ6やエアノズル7等を取り除き、桟付きコンベア12と合流コンベア14の間に、この向き揃え装置を配設したり、図5に示した搬送装置において、同様に、向き判定カメラ6等を取り除き、速度調整コンベア22に変えてこの向き揃え装置を配設することができる。
【0062】なお、上記の例においては、長物農産物をなす2としているが、これに限定するものではなく、人参,大根等、長い農産物で、その両端部に差(へたの有無,太い細い等)のあるものであればなんにでも利用することができる。また、その際に、エアを吹き付けて上方から他方側に反転させるのは、へた2a側等の細い端部側に限らず、太い端部側にエアを吹き付けてその長物農産物を反転させるようにしてもよい。
【0063】さらに、噴出するエアノズル20に変えて、水等の液体を吐出するノズルを用いることもできる。また、エアや水等の圧縮流体が通過するコンベアの隙間は、コンベア間の隙間やコンベアの搬送面に形成した孔の外、コンベアの搬送面を網状のもので構成することもできる。
【0064】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る長物農産物の向き揃え装置は、従来例のように、単に長物農産物を横向きにするだけでなく、その方向を、例えばへたを基準にしてその向きを一定に揃えた状態で搬送できるように構成されている。したがって、後で人手によって、向きを変えるといった手間が省けるようになる。また、長物農産物の反転を、すべて圧縮流体を噴出できる噴出装置や柔らかいブラシ等で行うため、長物農産物に傷が付くことを防止できるようになる。したがって、実用的効果が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる長物農産物の向き揃え装置を備えた搬送装置を示す正面図である。
【図2】図1に示した搬送装置の平面図である。
【図3】この発明にかかる長物農産物の向き揃え装置の要部を示す斜視図である。
【図4】向き判定の方法を説明する説明図である。
【図5】この発明にかかる長物農産物の向き揃え装置を備えた搬送装置の他の例を示す平面図である。
【図6】エアノズルがなすを回転させる状態を説明する平面図である。
【図7】図6に示した装置の側面図である。
【図8】エアノズルが噴出するエアの状態を説明する説明図である。
【図9】回転平ブラシがなすを回転させる状態を説明する平面図である。
【図10】回転平ブラシがなすを回転させる状態を説明する側面図である。
【図11】この発明にかかる長物農産物の向き揃え装置の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 なす
2a へた
4,4a 第1のV形ベルトコンベア
5,5a 第2のV形ベルトコンベア
6 向き判定カメラ
7,20,30 エアノズル
8,21 光電センサ
9 クロック発生装置
10 カーブコンベア
12,18 桟付コンベア
13,19 桟
23 回転平ブラシ
23a 凹部
24 反転装置
28 コンベア
29 凹部
X 隙間
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、なすや人参のような長物農産物の向きを揃える長物農産物の向き揃え装置に関するもので、農産物の選別包装施設において、選別装置の前段または箱詰装置の前段に併設することが好ましいものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、農産物を選別して箱詰め包装出荷する選別包装施設において、なすや人参等の長物農産物の箱詰め作業は、選別装置によって、等級(色や傷等外観上のグレードで区分),階級(大きさ,重さで区分)別に区分けされた長物農産物を、段ボール箱内に、長物農産物の向きを一定の方向に向けて無駄なスペースが生じないように詰めて行われている。
【0003】また、外観上の見栄えをよくするために、長物農産物のへたをすべて一方向に揃える等して長物農産物を一定の向きに整列させている。
【0004】このような目的で、箱詰め装置までの搬送工程において、長物農産物の向きを一定の方向に揃える装置として、特公平7−76016号公報や実公平7−41689号公報に開示されている装置がある。
【0005】上記特公平7−76016号公報に開示されている装置は、搬送面における搬送方向に沿った中央側が高く両縁部側が低くなった略山形状のコンベアの上に、搬送方向に直交する桟を一定間隔(長物農産物が間に収まる幅)で設けている。そして、そのコンベアの両縁部側に、傾斜面を有する変向板を、桟間に収まって搬送される長物農産物には接触せず、桟の上側で搬送される長物農産物には当接するような高さでコンベアの中央側に向けて突設している。
【0006】したがって、長物農産物が上記コンベアに載せられると、長手方向が搬送方向に直交(以下、横向きとする)する向きになった一部の長物農産物は桟の間に収まり、長手方向が搬送方向に沿う(以下、縦向きとする)向きになった他の長物農産物はコンベアの両縁部側に移動して桟の上側に位置した状態で搬送される。そして、変向板が突設された位置で変向板の傾斜面に当接して、その向きを横方向に矯正され2個の桟の間に落ち込むというものである。
【0007】また、実公平7−41689号公報に開示されている装置は、コンベアがローラコンベアで構成されており、搬送面を構成するローラ全体が上流側から下流側に搬送しながら、その個々のローラが交互に逆方向に回転するようになっている。したがって、搬送される間に、長物農産物は自然に横方向を向くようになるというものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の装置はともに、長物農産物を単に横に向けるというだけで、へた側を一定の方向に向ける等して、その向きを揃えることまではできない。このため、後の工程で、人手や他の方法により並べ変えを行わなければならず、作業が煩雑であるという問題がある。
【0009】また、特公平7−76016号公報の装置では、変向板によって擦られた状態で向きを変えられるため、長物農産物の表皮が傷みやすいという問題があり、同様に、実公平7−41689号公報の装置では、回転するローラとの接触摩擦によって長物農産物の表皮が傷みやすいという問題がある。特に、なすのように表皮がやわらかい長物農産物の場合には、この問題が大きくなる。
【0010】この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、長物農産物を横方向に向けるだけでなく、例えばへたを基準にする等して、その向きを一定の方向に向けることができ、かつその際に、長物農産物を傷めることのない長物農産物の向き揃え装置の提供をその目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明では、長物農産物を縦向きに規制しつつ搬送するコンベアの近傍に、長物農産物の向きを判定する向き判定手段を設けて、コンベア上を搬送される長物農産物の向き(例えば、へたが前側になっているか後側になっているか等)を判定できるようになっている。
【0012】そして、上記コンベアの搬送路に、長物農産物が落ちない程度の隙間を設け、この隙間の下方に、上記向き判定手段の判定結果に応じて該隙間の下方から長物農産物の一端部に該長物農産物が搬送方向に沿って反転可能な力を与える反転力付与手段を設けている。
【0013】したがって、コンベア上を縦向きに順次搬送されてくる長物農産物の中に、その向きが適正な状態でないもの(例えば、へたが前側になるように揃えようとする場合に、へたが後側になっているもの)があった場合、向き判定手段がそれを判定し、その判定結果に応じて反転力付与手段が作動して反転可能な力をその不適正な状態の長物農産物の後端部または前端部に向けて付与することにより、その長物農産物を搬送方向に沿って反転させてその向きを適正な状態にすることができる。
【0014】その結果、長物農産物はすべて縦方向における同一方向を向くようになるため、すべての長物農産物を縦向きで、かつその方向を一定にした状態にすることができるようになる。これによって、後の箱詰め作業の前に、人手によって向きを変えるといった作業が省けるようになる。
【0015】また、上記コンベアは、上流側の第1のコンベアと下流側の第2のコンベアとの2個のコンベアで構成し、その2個のコンベアの間に長物農産物が落下しない程度の隙間を設けて、この隙間の下方に圧縮流体を上方に向けて噴出する反転力付与手段を配設するとこともできる。この場合、下流側の第2のコンベアの始端部を第1のコンベアの終端部より低い位置になるようにすることにより、乗り継ぎ時に、長物農産物が前方向に転動姿勢となり少ない力で確実に反転することができる。
【0016】さらに、上記コンベアを、僅かな間隔を保って左右に並設された平面状の2個の小巾コンベアで構成し、その互いに接近した側部側が下側になるように傾斜させて搬送方向に直交する縦断面形状が略V形になるようにするとともに、上記2個のコンベア間の隙間から長物農産物が反転可能な力を与えるようにすることもできる。
【0017】また、この発明の他の例として、横向きにされた状態の長物農産物を横向きに規制して搬送するコンベアの近傍に、向き判定手段を設けて、コンベア上を搬送されてくる長物農産物の向きを判定できるようにし、上記コンベアの搬送路の一側部側に、長物農産物が落ちない程度の隙間を設け、該隙間の下方に、前記向き判定手段の判定結果に応じて該隙間の下方から長物農産物の一端部に該長物農産物が搬送方向と直交する方向に反転可能な力を与える反転力付与手段を設けることもできる。
【0018】上記の場合、さらに、コンベアの搬送面を一側部側が下方になるように傾斜させ、長物農産物をコンベアの一側部側に常に付勢した状態にしておくことが好ましい。これによって、長物農産物がコンベアの幅方向でランダムに散らばることを防止できる。また、上記隙間としては、コンベアの搬送面を網状にしたり、コンベアの一側部側に孔を設けたりして構成することができる。
【0019】また、上記反転力付与手段が噴出する圧縮流体としては、エア等の気体や水等の液体が使用でき、これによって、長物農産物を傷付けることなく反転させることができるが、より好ましいのはエアの使用である。さらに、この発明にかかる装置は、例えばなすのように前端部と後端部の太さが異なり反転しやすい長物農産物のへたの向き揃えに使用するとより効果的である。
【0020】なお、コンベアにおける略V形は、厳密なV形だけでなく、U形等、搬送方向に延びる断面形状が凹形の溝状のものや、平らな搬送面の両側にガイドレールを設けて長物農産物を縦一列に搬送するようにしたものでもよく、要は、長物農産物が縦方向に規制されて搬送できるものであればよい。つぎに、図を用いて、この発明を詳細に説明する。
【0021】
【発明の実施の形態】図1および図2は、この発明にかかる長物農産物の向き揃え装置を含んだ搬送装置を示している。図において、1は、この装置の最も上流側に配設された幅広コンベアであり、ダンパー(図示せず)から供給されたなす2をランダムな状態で搬送するようになっている。
【0022】そして、この幅広コンベア1の終端部には、先端側が幅広コンベア1の上流側に延び、その先端側が左右(幅広コンベア1の幅方向)に揺動自在になったスクレーパ3が一定間隔を保って3個設けられている。このスクレーパ3は、左右に揺動することによって、幅広コンベア1の終端側に送られてくるなす2を縦方向に整列させるようになっている。
【0023】4は、幅広コンベア1の下流側に、平行に設けられた4個の第1のV形ベルトコンベアであり、それぞれの始端部が、幅広コンベア1の終端部の下部側における幅広コンベア1の縁部とスクレーパ3の間、または隣合った2個のスクレーパ3の間に位置決めされている。
【0024】5は、それぞれの第1のV形ベルトコンベア4の下流側に設けられ第1のV形ベルトコンベア4と同様の構成(長さはそれぞれ異なる)からなる第2のV形ベルトコンベアであり、その始端部と上記第1のV形ベルトコンベア4の終端部の間に、図3に示すような隙間Xが設けられ、かつ、第2のV形ベルトコンベア5が第1のV形ベルトコンベア4よりも低い位置に設置されている。
【0025】上記第1のV形ベルトコンベア4および第2のV形ベルトコンベア5は、それぞれ2個の平面状の小幅コンベアを近接状態で並列させ、その向き合う側部側がそれぞれ下側になるように傾斜させて構成されている。したがって、この第1のV形ベルトコンベア4上および第2のV形ベルトコンベア5上をなす2が搬送される際、なす2はその姿勢を縦方向に向けた状態になる。
【0026】6は、それぞれ第1のV形ベルトコンベア4の上方に設けられた向き判定カメラであり、画像処理によって、なす2のへた2a側がどちらを向いているかを判定するようになっている。この判定は、図4に示すように、写し出されたなす2の外郭接線で囲われる長方形の画面を小さく区分し、その前部側と後部側における同面積の一定領域A,B内において、なす2が含まれる区分a,bの数がどちらが多いかでなす2の向きを判定する。すなわち、上記一定領域A,B内における小さな区分a,bにおいて、なす2の部分が含まれる区分の数が少ない方がへた2a側で、多い方がへた2aと反対側であると判定することができる。
【0027】7は、第1のV形ベルトコンベア4と第2のV形ベルトコンベア5の間に、噴出口を上方かつ下流に向けて配設されたエアノズルであり、第1のV形ベルトコンベア4の終端部と第2のV形ベルトコンベア5の始端部の間の隙間Xに向けてエアを噴出することにより、第1のV形ベルトコンベア4から第2のV形ベルトコンベア5に移送されるなす2を反転することができるようになっている。
【0028】8は、第1のV形ベルトコンベア4の上流側に設けられた光電センサであり、発光部と受光部の上下一対の装置からなっている。9は第1のV形ベルトコンベア4の側部に設けられたクロック発生装置であり、第1のV形ベルトコンベア4上を搬送されるなす2を光電センサ8が検知し、その検知した信号からなす2がエアノズル7の位置に達するまでの時間を、クロック発生装置9が信号としてエアノズル7に発信し、その信号によってエアノズル7が作動するようになっている。
【0029】また、その際、エアノズル7は、向き判定カメラ6の判定結果によって、作動したり、作動しなかったりする。すなわち、なす2のへた2aが前側に位置していればエアノズル7は作動せずに、なす2をそのままの状態で搬送させ、なす2のへた2aが後側に位置していれば作動してエアを噴出し、その圧力によって、なす2のへた2a側を上方から前方に向けて反転(図3において反時計方向に回転)させる。これによって、搬送されるなす2はすべて、そのへた2a側を前方に向けた状態になる。
【0030】図1および図2において、10は、始端部と終端部の方向が90度異なる中継用のカーブコンベアであり、始端部が上記第2のV形ベルトコンベア5の終端部に連結され、終端部が上記第1のV形ベルトコンベア4および第2のV形ベルトコンベア5と同様の構成(長さはそれぞれ異なる)からなるV形ベルトコンベア11の始端部に連結されている。
【0031】そして、このV形ベルトコンベア11の終端部は、その下流側に配設された桟付きコンベア12の始端部側側部に連結されている。上記桟付きコンベア12は、搬送面に、複数の桟13がなす2が収まる程度の間隔を保って搬送方向に直交した状態で突設されている。したがって、上記第1のV形ベルトコンベア4からV形ベルトコンベア11まで、ずっと縦向きに搬送されてくるなす2は、V形ベルトコンベア11から桟付コンベア12に移送される際、2個の桟13間にスライドするようにして乗り移り、桟付きコンベア12上を、横向きの状態で搬送されるようになる。
【0032】14は、上記桟付きコンベア12の下流側に配設された合流コンベアである。この合流コンベア14は、横方向に移動可能な複数のスライダ14aを連結して構成されており、その各スライダ14aに1個づつなす2を横向きの状態で載置できるようになっている。
【0033】上記合流コンベア14は2組で構成され、その上流側がそれぞれ2つの搬送路に分岐して4個の桟付きコンベア12の終端部に連結され、それぞれの下流側が1つに合流して2つの搬送路を形成している。したがって、この合流コンベア14の搬送速度は、桟付きコンベア12の搬送速度の略2倍の速さになっている。
【0034】15は、合流コンベア14の下流側に設けられた、桟付きコンベア12と同様の2個の乗り継ぎコンベアであり、その下流には2個の選別コンベア16が配設されている。上記合流コンベア14から搬送されてくるなす2は、その乗り継ぎコンベア15からさらにその下流に設けられた2個の選別コンベア16に移送される。
【0035】この選別コンベア16は、向き揃え装置によってへたの向きが揃えられて供給されたなす2を、等級別階級別に区分けしたのち、所定の排出位置から図示しない引出コンベア上へ仕分けするものであるが、排出の際に、バケット(図示せず)を除々に傾動させてなす2のへた2aの向きが変わらないようにしている。こうすることにより、引出コンベア上に排出されるなす2は、へた2aの向きが揃えられたまま排出されて、そのまま図示しない箱詰め装置まで搬送されることになる。
【0036】また、この実施例のように、向き揃え装置を、選別コンベア16の前段(上流側)に設けることにより、人手によりなす2の向きを揃えて供給する作業を省力化できるとともに、箱詰装置(図示しない)に対してもへた2aを向きを揃えて供給することができるという利点が生じる。
【0037】なお、上記実施例の選別コンベア16は、なす2を横向きにして搬送するものを採用したが、これに限定するものではなく、縦方向に搬送して選別する方式のものであってもよい。その場合は、なす2を横向きにさせる手段(カーブコンベア10,V形ベルトコンベア11,桟付きコンベア12)を外すことにより縦方向に搬送することができる。
【0038】図1において、14b,15a,16aは、それぞれブラシまたはスポンジからなる乗り継ぎ用の渡りローラであり、移送されるなす2の上部側に当接した状態で回転しなす2の移送がスムーズに行われるように補助する。
【0039】このように、この発明にかかる装置によると、幅広コンベア1にランダムな状態で供給されるなす2は、第1のV形ベルトコンベア4で縦向きになる。そして、第1のV形ベルトコンベア4から第2のV形ベルトコンベア5に移送される際に、へた2aが後方を向いているなす2はエアノズル7が噴出するエアによって反転され、すべてのなす2がへた2aを前方に向けた状態になる。
【0040】この場合、第1のV形ベルトコンベア4と第2のV形ベルトコンベア5との間には、第1のV形ベルトコンベア4が第2のV形ベルトコンベア5よりも高くなるような段差が設けられているため、なす2の反転がよりスムーズに行われる。そして、V形ベルトコンベア11から桟付きコンベア12に移送された際に、その方向は縦向きから横向きに変えられる。
【0041】このため、搬送されるすべてのなす2は、桟付きコンベア12に移送された際に、へた2aを同一方向に揃えた状態で横向きになる。その結果、箱詰めの前に、人手によって向きを変える必要がなくなる。また、そのなす2の向きを変える操作が、エアノズル7でなす2の後部(へた2a)側にエアを吹き付けることによってなされるため、なす2の表皮を傷つけることがない。
【0042】なお、上記例においては、搬送装置の上流側から下流側までのラインを一方向に向けるため、便宜上、カーブコンベア10を使用しているが、装置の設置スペースに余裕がある場合等には、このカーブコンベア10を使用せず、第2のV形ベルトコンベア5と桟付きコンベア12を直交するように直接連結することもできる。
【0043】また、図5は、この発明の他の例を示している。すなわち、この例においては、幅広コンベア1の下流側に配設された、第1のV形ベルトコンベア4aと第2のV形ベルトコンベア5aの終端部側が互いの間隔を徐々に広げて扇型に延びている。そして、第2のV形ベルトコンベア5aの下流側に、扇型に広がった4個の第2のV形ベルトコンベア5aの搬送方向を互いに平行になるように軌道修正するV形ベルトコンベア17が設けられている。
【0044】18は、V形ベルトコンベア17の下流側に設けられた桟付きコンベアであり、V形ベルトコンベア17から移送されるなす2を縦向きにした状態で桟19上に載せ搬送する。そして、この桟付きコンベア18両側部には、図6および図7に示すように、エアノズル20が、搬送方向に沿った間隔をなす2の長さよりもやや短い程度の距離に保った状態で配設されている。また、このエアノズル20の吐出面は、図8に示すように、縦方向に複数の孔が穿設され、その複数の孔から吐出されるエアが、桟付きコンベア18の上面に搬送面を遮る薄い壁を作るような状態で吐出されるようになっている。
【0045】そして、そのエアノズル20の下流側近傍には、一対の光電センサ21が対向して設けられ、この光電センサ21がなす2の前端部を検出すると、エアノズル20が作動してエアを噴出し、上記なす2を一定方向に90度回転させるようになっている。その結果、なす2は、2個の桟19間に落下して横向きの状態で、桟付きコンベア18の下流側に搬送されていく。
【0046】また、22は、桟付きコンベア18の下流側に連結された桟付きコンベア18と同様の構成で長さがやや短くなった速度調整コンベアである。この速度調整コンベア22は、桟付きコンベア18よりも搬送速度が遅くなるように設定されており、桟付きコンベア18でその向きを縦向きから横向きに方向を変えたため各桟19間にとびとびの状態で載置されたなす2を、各桟19間に1個づつつまった状態で載置されるようにする。
【0047】それ以外の部分の構成については、前記の例と同様である。したがって、同一部分に同一符号を記している。また、この場合、なす2はへた2aを前方に向けて縦向きの状態で桟付きコンベア18に搬送され、エアノズル20によるエアの吹き付けで、すべてへた2aを同一方向に向けて横向きになる。
【0048】なお、上記2つの例においては、エアノズル7を、第1のV形ベルトコンベア4,(4a)と第2のV形ベルトコンベア5,(5a)の間の下方に配設しているが、このエアノズル7は、第1のV形ベルトコンベア4,(4a)または第2のV形ベルトコンベア5,(5a)の搬送方向に沿った中央部の隙間の下方に設けてその隙間に向けてエアを噴出できるようにしてもよい。この場合、上記2個のV形ベルトコンベア4,(4a)と5,(5a)は1個にしてもよい。
【0049】また、上記例におけるエアノズル20に変えて、図9および図10に示したような回転平ブラシ23を備えた反転装置24を用いることもできる。この反転装置24は、桟付きコンベア18の搬送面を跨ぐようにして設けられた門形支持枠25の中央上部に、サーボモータ26を取付けその回転軸26aを回転自在の状態で支持枠25を貫通させ、その下端部にナイロン製の回転平ブラシ23を連結している。
【0050】上記回転平ブラシ23には、トンネル状の凹部23aが設けられ、この凹部23a内を、縦向きのなす2が挿通できるようになっている。したがって、なす2が回転平ブラシ23の凹部23a内を通過しようとするとき、サーボモータ26を作動させて回転ブラシ23を90度回転させることにより、そのなす2を横向きにして、2個の桟19間に落下させることができる。
【0051】27は、上記支持枠25内における桟付きコンベア18の両側に対応する部分に固定されたガイド部であり、回転平ブラシ23の回転によって、なす2が向きを変える際、回転力の勢いによって、なす2が搬送面の中央側から大きくそれることを防止する。
【0052】それ以外の部分の構成については、上記のエアノズル20を用いた例と同様である。また、作用効果については、回転平ブラシ23が柔らかいナイロン製であるため、なす2を回転する際、上記の例におけるエアノズル20と同様、なす2を傷つけることがない。
【0053】なお、上記のエアノズル20や回転平ブラシ23を用いてなす2を反転させる例において、桟付きコンベア18の桟19を薄い板状のもので構成すると、その上で搬送されるなす2に傷が付きやすいため、桟19をある程度厚みのあるもので構成したり、桟19の上端角部にはアールをつける等することが好ましい。
【0054】また、桟付きコンベア18に変えて、ローラコンベアを用いることもできる。この場合、ローラコンベアの搬送面を構成する各ローラの周面を滑らかな面に形成して、なす2の表皮が傷つかないようにするとともに、各ローラは回転しないようにして(自然に回転することは除く)、なす2によけいな力が加わらないようにしておくことが好ましい。
【0055】図11は、この発明のさらに他の例における向き揃え装置を示している。この向き揃え装置では、なす2を搬送するコンベア28の搬送面が、搬送方向に直交する方向に延びる(なす2の長さの略2倍の長さ)横長の凹部29が連設されて構成されている。この凹部29は、搬送方向に沿った縦断面形状が略V形になるようにして構成され、なす2が横向きの状態で1個づつ載置されるようになっている。
【0056】また、このコンベア28の搬送面は一側部側が低くなった傾斜面に形成されている。この傾斜面には、例えば、図示しないが算盤状にコロを多数配設して、なす2がコンベア28の一側部側に付勢されるようにすることができる。そして、その凹部29における一側部側には、それぞれ隙間(図では隠れて見えない)が設けられている。
【0057】そして、その隙間の下側には、エアノズル30が噴出口を上方に向けた状態で配設されている。また、このコンベア28の上流側には、前記の例と同様、向き判定カメラ,光電センサ,クロック発生装置(図示せず)が配設され、適宜、必要に応じてエアノズル30を作動させるようになっている。
【0058】この構成において、搬送されるすべてのなす2のへた2aを、コンベア28の他側部側に向けようとする場合に、へた2aをコンベア28の一側部側に向けたなす2が搬送されてくると、向き判定カメラがそれを判定し、エアノズル30を作動させる。その結果、エアノズル30から噴出されたエアが、勢いよくなす2のへた2a側を上方に押圧し、へた2a側を上方からコンベア28の他側部側に反転させる。
【0059】これによって、そのなす2は、コンベア28の他側部側の位置で、へた2aをコンベア28の他側部側に向けた状態になるが、コンベア28の搬送面が傾斜しているため、なす2はコンベア28の下流側に搬送される間に、コンベア28の一側部側に移動し、すべてのなす2が、コンベア28の一側部側でその向きを同一方向にした状態になる。
【0060】この向き揃え装置は、V形コンベアから縦向きの状態のままなす2を桟付コンベアに移送し、桟付コンベア上で、エアノズル20や回転平ブラシ23のような反転装置を用いて横向きにしたのち、その向きを一定にするために用いたり、カーブコンベア10等を用いて、縦向きから横向きにしたのち、その向きを一定にするために用いたりすることができる。
【0061】例えば、図1および図2に示した搬送装置において、向き判定カメラ6やエアノズル7等を取り除き、桟付きコンベア12と合流コンベア14の間に、この向き揃え装置を配設したり、図5に示した搬送装置において、同様に、向き判定カメラ6等を取り除き、速度調整コンベア22に変えてこの向き揃え装置を配設することができる。
【0062】なお、上記の例においては、長物農産物をなす2としているが、これに限定するものではなく、人参,大根等、長い農産物で、その両端部に差(へたの有無,太い細い等)のあるものであればなんにでも利用することができる。また、その際に、エアを吹き付けて上方から他方側に反転させるのは、へた2a側等の細い端部側に限らず、太い端部側にエアを吹き付けてその長物農産物を反転させるようにしてもよい。
【0063】さらに、噴出するエアノズル20に変えて、水等の液体を吐出するノズルを用いることもできる。また、エアや水等の圧縮流体が通過するコンベアの隙間は、コンベア間の隙間やコンベアの搬送面に形成した孔の外、コンベアの搬送面を網状のもので構成することもできる。
【0064】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る長物農産物の向き揃え装置は、従来例のように、単に長物農産物を横向きにするだけでなく、その方向を、例えばへたを基準にしてその向きを一定に揃えた状態で搬送できるように構成されている。したがって、後で人手によって、向きを変えるといった手間が省けるようになる。また、長物農産物の反転を、すべて圧縮流体を噴出できる噴出装置や柔らかいブラシ等で行うため、長物農産物に傷が付くことを防止できるようになる。したがって、実用的効果が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる長物農産物の向き揃え装置を備えた搬送装置を示す正面図である。
【図2】図1に示した搬送装置の平面図である。
【図3】この発明にかかる長物農産物の向き揃え装置の要部を示す斜視図である。
【図4】向き判定の方法を説明する説明図である。
【図5】この発明にかかる長物農産物の向き揃え装置を備えた搬送装置の他の例を示す平面図である。
【図6】エアノズルがなすを回転させる状態を説明する平面図である。
【図7】図6に示した装置の側面図である。
【図8】エアノズルが噴出するエアの状態を説明する説明図である。
【図9】回転平ブラシがなすを回転させる状態を説明する平面図である。
【図10】回転平ブラシがなすを回転させる状態を説明する側面図である。
【図11】この発明にかかる長物農産物の向き揃え装置の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 なす
2a へた
4,4a 第1のV形ベルトコンベア
5,5a 第2のV形ベルトコンベア
6 向き判定カメラ
7,20,30 エアノズル
8,21 光電センサ
9 クロック発生装置
10 カーブコンベア
12,18 桟付コンベア
13,19 桟
23 回転平ブラシ
23a 凹部
24 反転装置
28 コンベア
29 凹部
X 隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】長物農産物をその長手方向を搬送方向に向くよう規制しつつ搬送するコンベアの搬送路に、長物農産物が落ちない程度の隙間を設け、上記コンベアの近傍に、このコンベア上で搬送される長物農産物の向きを判定する向き判定手段を設け、上記隙間の下方に、上記向き判定手段の判定結果に応じて上記隙間の下方から長物農産物の一端部に上記長物農産物が搬送方向に沿って反転可能な力を与える反転力付与手段を設けたことを特徴とする長物農産物の向き揃え装置。
【請求項2】コンベアを、搬送面における搬送方向に直交する縦断面形状が略V形になるように構成した請求項1に記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項3】コンベアを第1のコンベアとその下流側に配設された第2のコンベアとで構成し、上記第1のコンベアの終端部と第2のコンベアの始端部との間に、長物農産物が落下しない程度の隙間を設け、この隙間の下方に圧縮流体を上方に向けて噴出する反転付与手段を配設した請求項1または2に記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項4】第2のコンベアの始端部が第1のコンベアの終端部より低い位置に位置する請求項3に記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項5】コンベアを、搬送面が平面状の2個の小巾コンベアで構成し、その2個の小巾コンベアを、僅かな間隔を保ち、かつ互いに接近した側部側が下側になるように傾斜させて並設し搬送方向に直交する縦断面形状が略V形になるようにするとともに、上記2個の小巾コンベア間の隙間から長物農産物が反転可能な力を与えるようにした請求項1に記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項6】コンベアの下流側を、その搬送面に搬送方向に直交する複数の桟が所定間隔で連設された桟付きコンベアの始端部側部に直交するように連設した請求項1ないし5のいずれかに記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項7】コンベアの下流側に、その搬送面に搬送方向に直交する複数の桟が所定間隔で連設された桟付きコンベアを設け、この桟付きコンベアに、桟付きコンベア上で長手方向を搬送方向に向けて搬送されてくる長物農産物を左または右のいずれか所定の一方に1/4回転させて桟の間に載置させる姿勢変更手段を設けた請求項1ないし5のいずれかに記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項8】長物農産物を、その長手方向を搬送方向に対して直交する方向に向くよう規制して搬送するコンベアの搬送路の一側部側に、長物農産物が落ちない程度の隙間を設け、上記コンベアの近傍にこのコンベア上で搬送される長物農産物の向きを判定する向き判定手段を設け、上記隙間の下方に、上記向き判定手段の判定結果に応じて上記隙間の下方から長物農産物の一端部に該長物農産物が搬送方向と直交する方向に反転可能な力を与える反転力付与手段を設けたことを特徴とする長物農産物の向き揃え装置。
【請求項9】コンベアの搬送面を一側部側が下方になるように傾斜させ、搬送される長物農産物がコンベアの一側部側に付勢されるようにした請求項8に記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項10】反転力付与手段がエアノズルである請求項1ないし9のいずれかに記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項11】長物農産物がへたを備えており、そのへたを一方向に揃えるようにした請求項1ないし10のいずれかに記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項1】長物農産物をその長手方向を搬送方向に向くよう規制しつつ搬送するコンベアの搬送路に、長物農産物が落ちない程度の隙間を設け、上記コンベアの近傍に、このコンベア上で搬送される長物農産物の向きを判定する向き判定手段を設け、上記隙間の下方に、上記向き判定手段の判定結果に応じて上記隙間の下方から長物農産物の一端部に上記長物農産物が搬送方向に沿って反転可能な力を与える反転力付与手段を設けたことを特徴とする長物農産物の向き揃え装置。
【請求項2】コンベアを、搬送面における搬送方向に直交する縦断面形状が略V形になるように構成した請求項1に記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項3】コンベアを第1のコンベアとその下流側に配設された第2のコンベアとで構成し、上記第1のコンベアの終端部と第2のコンベアの始端部との間に、長物農産物が落下しない程度の隙間を設け、この隙間の下方に圧縮流体を上方に向けて噴出する反転付与手段を配設した請求項1または2に記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項4】第2のコンベアの始端部が第1のコンベアの終端部より低い位置に位置する請求項3に記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項5】コンベアを、搬送面が平面状の2個の小巾コンベアで構成し、その2個の小巾コンベアを、僅かな間隔を保ち、かつ互いに接近した側部側が下側になるように傾斜させて並設し搬送方向に直交する縦断面形状が略V形になるようにするとともに、上記2個の小巾コンベア間の隙間から長物農産物が反転可能な力を与えるようにした請求項1に記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項6】コンベアの下流側を、その搬送面に搬送方向に直交する複数の桟が所定間隔で連設された桟付きコンベアの始端部側部に直交するように連設した請求項1ないし5のいずれかに記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項7】コンベアの下流側に、その搬送面に搬送方向に直交する複数の桟が所定間隔で連設された桟付きコンベアを設け、この桟付きコンベアに、桟付きコンベア上で長手方向を搬送方向に向けて搬送されてくる長物農産物を左または右のいずれか所定の一方に1/4回転させて桟の間に載置させる姿勢変更手段を設けた請求項1ないし5のいずれかに記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項8】長物農産物を、その長手方向を搬送方向に対して直交する方向に向くよう規制して搬送するコンベアの搬送路の一側部側に、長物農産物が落ちない程度の隙間を設け、上記コンベアの近傍にこのコンベア上で搬送される長物農産物の向きを判定する向き判定手段を設け、上記隙間の下方に、上記向き判定手段の判定結果に応じて上記隙間の下方から長物農産物の一端部に該長物農産物が搬送方向と直交する方向に反転可能な力を与える反転力付与手段を設けたことを特徴とする長物農産物の向き揃え装置。
【請求項9】コンベアの搬送面を一側部側が下方になるように傾斜させ、搬送される長物農産物がコンベアの一側部側に付勢されるようにした請求項8に記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項10】反転力付与手段がエアノズルである請求項1ないし9のいずれかに記載の長物農産物の向き揃え装置。
【請求項11】長物農産物がへたを備えており、そのへたを一方向に揃えるようにした請求項1ないし10のいずれかに記載の長物農産物の向き揃え装置。
【図4】
【図8】
【図1】
【図2】
【図3】
【図10】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図11】
【図8】
【図1】
【図2】
【図3】
【図10】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図11】
【公開番号】特開平10−67422
【公開日】平成10年(1998)3月10日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−244204
【出願日】平成8年(1996)8月26日
【出願人】(000137328)株式会社マキ製作所 (48)
【公開日】平成10年(1998)3月10日
【国際特許分類】
【出願日】平成8年(1996)8月26日
【出願人】(000137328)株式会社マキ製作所 (48)
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