説明

閉空間内で用いる遠隔操作装置

【課題】 閉空間内の外部から遠隔操作して閉空間内で所望の作業を行うのに適し、しかも外部から閉空間内に通じる通り道よりも大きな寸法形状を持つ遠隔操作装置であって、その組立を閉空間内で行い得るように構成された遠隔操作装置を提供する。
【解決手段】 遠隔操作装置は指操作桿(11)と、この指操作桿により屈曲運動させられるように該指操作桿に予め連結させられた第1の指部(12)と、指操作桿により屈曲運動させられるように該指操作桿に着脱自在に連結させられた第2の指部(21)とを具備して成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は閉空間内の外部から遠隔操作して閉空間内で所望の作業を行うのに適した遠隔操作装置に関し、例えば内視鏡を用いる体腔内手術を支援するのに適した医療用遠隔操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人が直接アクセスすることのできない閉空間、例えば古墳等の内部空間や原子力発電施設内の放射能で汚染された空間で遠隔操作で行う場合、遠隔操作装置を閉空間内に持ち込むためには、その閉空間の壁部に遠隔操作装置が通り抜け得るような開口部を形成することが必要となるが、そのような開口部の大きさについてはできるだけ小さくすることが望まれる。
【0003】
一方、人体の内患部を手術する際には人体を切開或いは開腹することが必要であり、このような切開状態或いは開腹状態は手術完了時まで続き、このため患者に大きなストレスを与え、その結果、手術後の回復が遅れることになる。患者にできるだけストレスを与えることなく手術を行う方法として、内視鏡下手術が開発されている。
【0004】
例えば、内視鏡として腹腔鏡を用いる手術では、腹部に幾つかの孔を穿ち、各孔にトロッカー或いはトロカールと呼ばれる環状形の金具が装着され、次いで腹部内に適当なガス例えば炭酸ガスが導入され、これにより腹部が膨らまされる。なお、各トロカールには逆止弁が内蔵され、そこからガスが流出することが阻止される。
【0005】
このような状態でトロカールの1つに腹腔鏡が挿入され、その他のトロカールからは鉗子、切除具等が挿入され、これにより内患部の手術が行われ、その手術個所から内患部の一部が摘出される。次いで、腹部に小切開が施され、その小切開部から摘出物が体外に取り出され、その後小切開部が縫合される。このような腹腔鏡下手術によれば、腹部に小切開が施されても摘出物の取出し後に該小切開部は直ちに縫合されるので、患者に与えるストレスは小さく、手術後の回復も早いことが知られている。
【0006】
ところで、腹腔内の手術個所が臓器によって覆われているような場合には、鉗子、切除具等が手術個所にアクセスできるように臓器を圧排(一時的に押し退かすこと)することが必要である。従来では、トロカールに挿通し得るようになった棒状圧排装置が使用され、棒状圧排装置として、例えば、扇形リトラクタ、スネークリトラクタ及びダイヤモンド把持鉗子等が知られている。
【0007】
扇形リトラクタの先端側には扇状に開閉自在となった複数の細長のブレードが設けられ、これらブレードは閉じられている際にはトロカールを挿通し得るような寸法形状とされる。ブレードが腹腔内中に挿入させられると、ブレードは外部からの操作により扇状に展開させられ、この展開部を臓器に押し当てることにより臓器の圧排作業が行われることになる。扇形リトラクタの問題点としては、ブレードの開閉時に臓器の一部を挟み込んで臓器が傷付けられる点が挙げられる。
【0008】
スネークリトラクタの先端側には変形自在部が設けられ、この変形自在部は互いに回転自在に枢着された複数の細長部材から成り、これら細長部材はトロカールに挿通させられるとき直線状の形態を呈している。変形部が腹腔内中に挿入されると、変形部は外部からの操作によりループ状に変形させられ、このループ状変形部を臓器に押し当てることにより臓器の圧排作業が行われることになる。スネークリトラクタの問題点としては、ループ状変形部は種々の臓器に適合した形状を得ることはできず、圧排作業を的確に行うことが難しい点が挙げられる。
【0009】
ダイヤモンド把持鉗子は大型の臓器の圧排作業用に開発されたものであり、その先端には一対の変形自在部が設けられ、各変形自在部は4本の細長部材から成り、これら細長部材は互いに菱形を成すように互いに枢着させられる。一対の変形自在部はトロカールに挿通させられるとき直線状の形態とされ、一対の変形自在部が腹腔内中に挿入されられると、各変形自在部材は外部からの操作により菱形に変形させられる。また、一対の変形自在部は臓器に挟み込むように開閉自在とされ、開状態で臓器に押し当てることにより臓器の圧排作業が行われることになる。ダイヤモンド把持鉗子の問題点としては、大型臓器の圧排のために変形自在部にトロカールに挿通させ得るという条件下で比較的大きな寸法形状を与えなければならず、このため一対の変形自在部に十分な剛性を与えることができないために大型臓器の圧排作業を的確に行うことが難しいという点が挙げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
いずれにしても、従来の棒状圧排装置はトロカール内を挿通させて腹腔中に挿入しなければならないという寸法形状上の制限を受け、このため特に大型臓器の圧排作業には不向きなものとなる。
【0011】
このため従来の棒状圧排装置を用いて圧排を行うことが難しい場合には、ハンドアシスト法が採用される。ハンドアシスト法では、人体腹部に7乃至8cmの長さの切開を行い、その切開部から術者の手を挿入して大型臓器の圧排が行われる。しかしながら、既に述べたように、このような大きな切開部を人体腹部に開けることは患者に大きなストレスを与えることになる。
【0012】
従って、本発明の目的は、閉空間内の外部から遠隔操作して閉空間内で所望の作業を行うのに適し、しかも外部から閉空間内に通じる通り道よりも大きな寸法形状を持つ遠隔操作装置であって、その組立を閉空間内で行い得るように構成された遠隔操作装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の局面によれば、遠隔操作装置は、指操作桿と、この指操作桿により屈曲運動させられるように該指操作桿に予め連結させられた第1の指部、前記指操作桿により屈曲運動させられるように該指操作桿に着脱自在に連結させられた第2の指部とを具備する。
【0014】
遠隔操作装置が内視鏡手術を支援するための圧排装置として使用される場合には、第1の指部が指操作桿に対して一直線状に延ばされたとき、指操作桿と第1の指部とはトロカールに挿通され得るような寸法形状を備え、第2の指部が一直線状に延ばされたとき、第2の指部はトロカールに挿通され得るような寸法形状を備える。
【0015】
好ましくは、第2の指部にはその中心軸線の回りで回転自在となるように第3の指部が接続され、この場合には、第2の指部が指操作桿に連結させられたとき、第3の指部が指操作桿により屈曲運動させられる。
【0016】
好ましくは、第1の指部の屈曲運動時の回転軸線に対して直角な回転軸線の回りで第1の指部が回転自在とされる。
【0017】
本発明の第2の局面によれば、遠隔操作装置は、指操作桿と、この指操作桿により屈曲運動させられるように該指操作桿に着脱自在に連結される少なくとも2つの指部とを具備する。
【0018】
本発明の第2の局面において、遠隔操作装置が内視鏡手術を支援するための圧排装置として使用される場合には、指操作桿はトロカールに挿通され得るような寸法形状を備え、指部の各々もトロカールに挿通され得るような寸法形状を備える。
【0019】
本発明の第2の局面においては、指操作桿に対する指部の着脱自在の連結については、指操作桿の中心軸線に対して直角な方向で行われてもよく、或いは指操作桿の中心軸線に対して平行な方向で行われてもよい。
【0020】
本発明の第際3の局面によれば、遠隔操作装置は、指操作桿と、指部とを具備し、指操作桿の先端部には指部が収容される通路が形成される。遠隔操作装置は、更に、指部が通路内に収容された際に該指部を所定位置で指操作桿に対して着脱自在に連結させる連結手段と、指操作桿に対する指部の連結時に該指部に屈曲運動を行わせるための屈曲運動手段とを具備する。
【0021】
本発明の第3の局面において、遠隔操作装置が内視鏡手術を支援するための圧排装置として使用される場合には、指操作桿はトロカールに挿通され得るような寸法形状を備え、指部もトロカールに挿通され得るような寸法形状を備える。
【0022】
本発明の第3の局面において、好ましくは、上述の通路は指操作桿の中心軸線に対して直角方向に延在させられる。
【0023】
本発明の第4の局面によれば、遠隔操作装置は、指操作桿と、この指操作桿の先端部に着脱自在に連結された第1の指部と、指操作桿の先端部にその中心軸線に沿う延長部として形成された第2の指部とを具備し、第1及び第2の指部の少なくとも一方が屈曲運動可能とされる。
【0024】
本発明の第4の局面において、第1の指部はトロカールに挿通され得るような寸法形状を備え、指操作桿及び第2の指部もトロカールに挿通され得るような寸法形状を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、図1、図2を参照して、本発明による遠隔操作装置の第1の実施形態を説明する。なお、この第1の実施形態は内視鏡を用いる体腔内手術を支援するための圧排装置として使用され得るものである。
【0026】
先ず、遠隔操作装置を分解状態で示す斜視図である図1を参照すると、遠隔操作装置は構成部材1及び2から構成され、これら構成部材1及び2は例えば腹腔内で後述するように互いに着脱自在に連結されて組み立てられることになる。
【0027】
構成部材1は指操作桿11及び指部12から成り、指部12は回転軸線Aの回りで回転自在となるように指操作桿11の先端に軸着される。一方、構成部材2は指部21及び指部22から成り、図1に示す分解状態では、指部21及び指部22は中心軸線Xに沿って整列された状態を呈し、しかも中心軸線Xの回りで互いに相対的に回転自在とされる。後述するように、指部12、21及び22のそれぞれについては、人の中指、人差し指及び親指に対応したものとして機能することになるので、以下の記載では、中指部、人差し指部及び親指部として言及される。
【0028】
なお、図1では、図示の便宜上、指操作桿11は実寸法よりも短く図示されているが、実際には、中指部12、人差し指部21及び親指部22を遠隔操作するために指操作桿11には十分な長さ寸法が与えられる。
【0029】
指操作桿11は管状部11aから成り、この管状部11a内には中空管11bが回転自在に挿通させられ、この中空管11bにはロッド11cが回転自在に挿通させられる。指操作桿11の管状部11a内には歯車11d及び11eが設けられ、これら歯車11d及び11eの一部は管状部11aの側壁から外部に露出させられる。歯車11dはその回転軸線が中空管11bの中心軸線と一致するようにその先端面に固着され、このため中空管11bをその中心軸線の回りで回転させることにより歯車11dが回転させられることになる。また、歯車11eはその回転軸線がロッド11cの中心軸線と一致するようにその先端面に固着され、このためロッド11cをその中心軸線の回りで回転させることにより歯車11eが回転させられることになる。なお、歯車11d及び11eは後述するように構成部材2の親指部22を駆動するために使用される。
【0030】
指操作桿11はその先端側に軸着された歯車11fを備え、この歯車11fは回転軸線Aと平行な回転軸線Aの回りで回転自在とされ、しかもその一部は管状部11aの側壁から外部に露出させられる。歯車11fの両側面にはプーリ11f及び11fが一体的に形成され、プーリ11f及び11fのそれぞれには駆動ワイヤW及びWの一端部側が巻き付けられ、駆動ワイヤW及びWの他端部側は管状部11a中を挿通させられてその外部に引き出される。プーリ11f及び11fへの駆動ワイヤW及びWの一端部の巻き付けは反対方向とされ、駆動ワイヤW及びWの他端部を交互に引張り操作することにより、歯車11fは回転軸線Aの回りで双方向に回転駆動させられる。なお、歯車11fは後述するように構成部材2側の人差し指部21を駆動するために使用される。
【0031】
指操作桿11の管状部11aの側壁には、回転軸線Aに対して直角方向に延びる螺子孔11gが形成され、また螺子孔11gに隣接して位置決め孔11hが形成される。なお、後述するように、螺子孔11g及び位置決め孔11hは構成部材1及び2を互いに連結する際に使用される。
【0032】
中指部12は、管状部11aの先端に回転軸線Aの回りで回転自在に軸着された指片12aと、この指片12aの先端側に回転軸線Aに対して直角な回転軸線Aの回りで回転自在に軸着された指片12bと、この指片12bの先端側に回転軸線Aに対して直角な回転軸線Aの回りで回転自在に軸着された指片12cとから成る。中指部12内には指駆動機構が組み込まれ、この指駆動機構は中指部12を回転軸線Aの回りで回転運動させるだけでなく中指部12を回転軸線A及びAの回りで屈曲運動させるように構成される。このような指駆動機構については、メイソン エム.ティー.(Manson M.T.)及びサリスベリー ジェイ.ケイ.(Salisbury J.K.)の両氏による1992年発行のロボットハンド及びマニュピレーション機構(Robot Hands and the Mechanics of Manipulation)、エムアイティ プレス(MIT Press)、ケンブリッジ、エムエー.(Cambridge, MA.)に、また1999年にジョンウィレイ&サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)より発行されたロボット解析(ROBOT ANALYSIS)に開示されている。
【0033】
図2の(A)に示すように、上述の指駆動機構には、回転軸線Aの回りで回転自在となるように指片12aに固定されたプーリ組立体12d並びに指片12aと指片12bとの回転軸線Aの回りで回転自在とされたプーリ12e等が含まれる。プーリ組立体12dには3つの同径のプーリが同軸に設けられ、これら同径プーリのそれぞれには駆動ワイヤW、W及びWの一端部が巻き付けられ、駆動ワイヤW、W及びWの他端部側は管状部11a中を挿通させられてその外部に引き出される(図1参照)。また、プーリ組立体12dには3つの同径プーリよりも小さい径を持つ小径プーリが含まれ、この小径プーリには駆動ワイヤWが巻き付けられ、この駆動ワイヤWを通して小径プーリがプーリ12eと協働するようになっている。
【0034】
要するに、上述の指駆動機構によれば、管状部11aの外部に引き出された3本の駆動ワイヤW、W及びWの他端部を選択的に引張り操作することにより、回転軸線A及びAの回りで正逆回転が行われ、回転軸線Aの回りでの回転運動は回転軸線Aの回りでの回転運動に連動させられる。要するに、3本の駆動ワイヤW、W及びWの操作より、中指部12は回転軸線Aのまわりで独立して回転させられるだけでなく回転軸線A及びAのまわりで屈曲運動をも行うことでできる。
【0035】
再び図1を参照すると、人差し指部21は、親指部22に対して中心軸線Xの回りで回転自在に結合させられた指片21aと、この指片21aの先端側に中心軸線Xに対して直角な回転軸線Aの回りで回転自在に軸着された指片21bと、この指片21bの先端側に中心軸線Xに対して直角な回転軸線Aの回りで回転自在に軸着された指片21cとから成る。なお、構成部材1及び2が後述するように互いに連結されたとき、指片21aと指片21bとの回転軸線A及び指片21bと指片21cとの回転軸線Aは共に回転軸線Aに対して直角を成すことになる。
【0036】
人差し指部21の指片21a内には、回転軸線A及びAと中心軸線Xとに対して直角となった回転軸線Aの回りで回転自在となった歯車21eが設けられ、この歯車21eは人差し指部21内に組み込まれた指屈曲機構の駆動歯車として機能する。この指屈曲機構自体はプーリと駆動ワイヤとから成る従来のタイプのものとして構成され、これにより駆動歯車21eの回転運動が人差し指部21の屈曲運動に変換される。構成部材1及び2が後述するように互いに連結されたとき、駆動歯車21eは歯車11fと係合させられる。即ち、管状部11aから外部に引き出された駆動ワイヤW及びWの他端部を交互に操作することにより、駆動歯車21eが回転させられ、これにより人差し指部21は回転軸線A及びAの回りで屈曲動作させられることになる。なお、図1には、人差し指部21内に組み込まれた指屈曲機構の一部を構成するものとして、指片21aと指片21bとの回転軸線の回りで回転自在とされたプーリ21fが示されている。
【0037】
人差し指部21の指片21aには、中心軸線Xに対して直角方向に延びる貫通螺子孔21gが形成され、また図1では見ることができないが、指片21aの側壁には管状部11aの位置決め孔11hに嵌合するようになった突起部が貫通螺子孔21gに隣接して形成される。なお、これら螺子孔21g及び位置決め孔(図示されない)は構成部材1及び2を互いに連結する際に使用される。
【0038】
また、人差し指部21の指片21aの側壁には、貫通螺子孔21gの直上及び直下のそれぞれには位置決め凹部21hが形成されるが、図1では、貫通螺子孔21gの直上側の位置決め凹部21hだけを見ることができる。
【0039】
親指部22は、人差し指部21の指片21aに対して中心軸線Xの回りで回転自在とされた親指支持体22aと、この親指支持体22aの先端側に中心軸線Xに対して直角な回転軸線Aの回りで回転自在に軸着された指片22bと、この指片22bの先端側に中心軸線Xに対して直角な回転軸線Aの回りで回転自在に軸着された指片22cと、この指片22cの先端側に中心軸線Xに対して直角な回転軸線A10の回りで回転自在に軸着された指片22dとから成る。なお、構成部材1及び2が後述するように互いに連結されたとき、親指支持体22aと指片22bとの回転軸線A、指片22bと指片22cとの回転軸線A及び指片22cと指片22dとの回転軸線A10は共に回転軸線Aに対して直角を成すことになる。
【0040】
親指支持体22aには人差し指部21の指片21a側に接近した端部に歯車22eが回転自在に設けられ、この歯車22eは親指部22内に組み込まれた指屈曲機構の駆動歯車として機能し、この指屈曲機構自体もプーリと駆動ワイヤとから成る従来のタイプのものとして構成される。なお、図1には、親指部22内に組み込まれた指屈曲機構の一部を構成するものとして、親指支持体22aと指片22bとの回転軸線Aの回りで回転自在とされたプーリ22f及び指片22bと指片22cとの回転軸線Aの回りで回転自在とされたプーリ22gが示されている。
【0041】
図2の(B)に示すように、駆動歯車22eはそこに同軸に固着された同軸プーリ22eと、この同軸プーリ22eに協働する一対の側方プーリ22eとを備え、一対の側方プーリ22eは駆動歯車22eの回転軸線(中心軸線Xに一致)に対して直角となった回転軸線の回りで回転自在となるように親指支持体22aの側壁に軸着される。なお、図1では、一対の側方プーリ22eの一方だけを見ることができる。
【0042】
また、図2の(B)に示すように、親指部22内に組み込まれた指屈曲機構の一部を構成するプーリ22fは二重プーリとして構成され、この二重プーリ22fの一方の溝と、同軸プーリ22eと、一対の側方プーリ22eと、プーリ22fとの間には閉ループの駆動ワイヤWが掛け渡され、このとき一対の側方プーリ22eは駆動ワイヤWの方向転換プーリとして機能する。即ち、駆動ワイヤWは同軸プーリ22eに一巻き半だけ巻き付けられ、次いで一対の側方プーリ22eによって方向転換された後にプーリ22fに掛け渡される。なお、図2の(B)には図示されないが、二重プーリ22fの他方の溝とプーリ22g(図1)とには別の駆動ワイヤが掛け渡される。
【0043】
再び図1を参照して説明すると、構成部材1及び2が後述するように互いに連結されたとき、駆動歯車22eは指操作桿11側の歯車11eと係合させられる。従って、構成部材1側のロッド11cの回転操作により歯車11eが回転させられると、駆動歯車22eも回転させられる。この駆動歯車22eの回転運動が二重プーリ22fに伝えられると(図2の(B))、二重プーリ22fの回転運動が親指部22の屈曲運動に変換される。即ち、ロッド11cが回転操作されると、親指部22は回転軸線A、A及びA10の回りで屈曲動作させられることになる。
【0044】
親指部22の親指支持体22aの一方の側壁部、即ち指操作桿11側に向けられた側壁部には、半円形歯車22hが形成され(図1では、半円形歯車の一部だけが僅かに見ることができる)、この半円形歯車22hは構成部材1及び2の連結時に指操作桿11側の歯車11dと係合させられる。従って、中空管11bの回転操作により、歯車11dが回転させられると、親指部22は人差し指部21に対して中心軸線Xの回りで回転運動を行うことになる。
【0045】
なお、中指部12の指片12a、12b及び12cの軸着部のそれぞれには適当な弾性力を持つばね手段例えばトーションばねが組み込まれ、これらトーションばねの働きにより、中指部12に何等外力が加わらないとき、中指部12は図1に示すように指操作桿11に対して一直線上に伸びた形態を呈するようになっている。同様に、人差し指部21及び親指部22の軸着部のそれぞれにも適当な弾性力を持つばね手段例えばトーションばねが組み込まれ、これらトーションばねの働きにより、人差し指部21及び親指部22に何等外力が加わらないとき、人差し指部21及び親指部22は図1に示すように互いに対して一直線上に伸びた形態を呈するようになっている。
【0046】
図3は図1に示した構成部材1及び2を互いに連結するための連結具3を示している。なお、図3の(A)は連結具3の部分斜視図であり、図3の(B)は図3の(A)の連結具3の部分側面図であり、図3の(C)は図3の(B)と同様な部分側面図である。
【0047】
図3に示すように、連結具3は、長尺の連結操作桿31と、この連結操作桿31の先端に開閉自在に設けられた一対の嘴部32及び33とから成る。なお、図3では、図示の便宜上、連結操作桿31は実寸法よりも短く図示されているが、実際には、連結操作桿31には十分な長さ寸法が与えられる。
【0048】
図3の(A)に示すように、連結操作桿31は、管状体31aと、この管状体31aの中心貫通孔に摺動自在にかつ回転自在に挿通させられた中空管31bと、この中空管31b内に回転自在に挿通させられかつ保持された回転ロッド31cと、管状体31a中に中空管31bの両側で摺動自在に挿通させられた一対の摺動ロッド31d及び31eとから成る。中空管31bの先端には肉厚部31bが形成され、この肉厚部31bには管状フランジ部31bが固着される。
【0049】
図3の(B)及び図3の(C)に示すように、回転ロッド31cの先端には横断面六角形状の突起部31cが固着され、この突起部31cには連結ボルト31cが着脱自在に装着される。即ち、図3の(B)及び図3の(C)では見ることができないが、連結ボルト31cのヘッド部には横断面六角形状の凹部が形成され、この凹部内に突起部31cが着脱自在に嵌合させられる。要するに、突起部31cに連結ボルト31cを装着された状態で回転ロッド31cが回転させられると、連結ボルト31cは回転ロッド31cと共に回転させられることになる。
【0050】
管状体31aの先端部からは一対の取付部31a及び31aが一体的に突出させられ、取付部31a及び31aは中空管31bに対して直径方向に位置させられる。また、取付部31a及び31aの内側面は中空管31bと回転自在にかつ摺動自在に接触するように湾曲面とされる。
【0051】
嘴部32からは一対の取付片32a及び32bが一体的に延び、この一対の取付片32a及び32bは取付部31aに枢着ピン32cによって枢着される。即ち、一対の取付片32a及び32bの間隔は取付部31aの厚みに対応し、取付片32a及び32bの枢着はその間に取付部31aを挟み込むような態様で行われる。なお、図3の(A)では、取付片32bの一部だけを僅かに見ることができる。
【0052】
取付片32aは取付片32bよりも長く延長させられ、そこには細長スロット32dが形成され、図3では見ることができないが、細長スロット32d内には摺動ロッド31dの先端に形成された突起が摺動自在に係合させられ、摺動ロッド31dを前方に押し込むことにより、嘴部32は図3の(A)に示す閉位置から図3の(B)及び図3の(C)に示す開位置まで回転させられる。
【0053】
同様に、嘴部33からは一対の取付片33a及び33bが一体的に延び、この一対の取付片33a及び33bは取付部31aに枢着ピン33cによって枢着される。即ち、一対の取付片33a及び33bの間隔は取付部31aの厚みに対応し、取付片33a及び33bの枢着はその間に取付部31aを挟み込むような態様で行われる。なお、図3の(B)及び図3の(C)では、取付片33aの一部だけを僅かに見ることができる。
【0054】
図3では見ることができないが、取付片32aと同様に、取付片33aも取付片33bよりも長く延長させられ、そこには細長スロット32dと同様な細長スロットが形成され、この細長スロットには摺動ロッド31eの先端に形成された突起が摺動自在に係合させられ、摺動ロッド31eを前方に押し込むことにより、嘴部33は図3の(A)に示す閉位置から図3の(B)及び図3の(C)に示す開位置まで回転させられる。
【0055】
図3の(B)及び図3の(C)に示されるように、嘴部32及び33のそれぞれの先端部の内側には位置決め突起32e及び33eが固着させられ、これら位置決め突起部32e及び33eは人差し指部21の指片21aの側壁に形成された2つの位置決め凹部21h(図1)のそれぞれに係合するようになっている。
【0056】
次に、図4乃至図7を参照して、図1に示す遠隔操作装置の組立方法について説明する。なお、図4乃至図7において、(A)は斜視図であり、(B)は1部断面側面図である。
【0057】
先ず、図4に示すように、連結操作桿3の一対の嘴部32及び33が摺動ロッド31d及び31eを前方に押し込むことにより閉位置から開位置まで回転させられ、次いでその一対の嘴部32及び33が構成部材2の中央部にアクセスさせる。
【0058】
次に、図5に示すように、一対の嘴部32及び33の位置決め突起部32e及び33eのそれぞれが人差し指部21の指片21aの側壁に形成された2つの位置決め凹部21h内に嵌合させられ、次いで回転ロッド31cを回転させることにより、連結ボルト31cが貫通螺子孔21gにねじ込まれる。
【0059】
次に、図6に示すように、構成部材2が構成部材1に対して所定位置で接触させられ、このとき構成部材1側の管状部11aの位置決め孔11h(図1参照)には構成部材2側の指片21aの突起部(図1及び図6では見えない)が嵌合させられると共に構成部材1側の歯車11d及び11eのそれぞれが構成部材2側の歯車22h及び22eに係合させられる。この状態で回転ロッド31cが更に回転させられると、連結ボルト31cは貫通螺子孔21gを貫通した後に構成部材1側の管状部11aの螺子孔11gにねじ込まれる。
【0060】
図7に示すように、連結ボルト31cが貫通螺子孔21g及び螺子孔11gに完全にねじ込まれた後、連結操作桿3は構成部材2から取り外され、これにより構成部材1及び2が互いに連結されて、遠隔操作装置の組立が完了する。なお、図7の(B)では、連結ボルト31cのヘッドに形成された横断面六角形状の凹部が参照符号31cによって示され、この凹部31cには回転ロッド31cの先端の突起部31cが着脱自在に嵌合させられる。
【0061】
組立完了後の図1の遠隔操作装置の斜視図であるとして図8を参照すると、指操作桿11の中空管11bが回転させられると、歯車22hが歯車11dを介して回転させられ、これにより親指部22が人差し指部21に対してその中心軸線X(図1参照)の回りで回転させられる。また、指操作桿11のロッド11cが回転させられると、歯車22eが歯車11eを介して回転させられ、この回転運動が親指部22の屈曲運動に変換される。
【0062】
一方、駆動ワイヤW及びWが交互に引張り操作されると、歯車11fが回転させられ、この回転運動が人差し指部21の屈曲運動に変換される。更に、駆動ワイヤW、W及びWが選択的に適宜引張り操作されると、中指部12に組み込まれた指駆動機構が駆動され、これにより中指部12は回転軸線A(図1参照)の回りで回転させられるだけでなく、中指部12の屈曲運動も行われることになる。
【0063】
なお、図示されないが、実際には、中指部12、人差し指部21及び親指部22の操作のために、指操作桿11の操作者側端部には中空管11b及びロッド11cを回転させるためのハンドルや駆動ワイヤW、W、W、W及びWを引張り操作するためのレバー等が設けられ、これらハンドルやレバー等を適宜操作することにより、中指部12、人差し指部21及び親指部22の動きがコントロールされることになる。
【0064】
図1に示す遠隔操作装置が圧排装置として例えば人体の腹腔内で組み立てられる際には、その組立作業は腹腔鏡で観察しながら行われることになるが、この場合には組立作業の習熟のために人体模型を用いて圧排装置の組立作業が行われる。
【0065】
次に、図9及び図10を参照して、図1に示す遠隔操作装置を圧排装置として人体模型の腹腔内で組み立てる際の組立手順について説明する。なお、図9の(A)、図9の(B)及び図9の(C)並びに図10の(A)、図10の(B)及び図10の(C)は人体模型の腹部の概略部分横断面図である。
【0066】
先ず、図9の(A)を参照すると、人体模型の腹部が参照符号Bで示され、この腹部BにはトロカールT及びTが設けられる。なお、図9の(A)には図示されないが、腹部Bには別のトロカールも設けられ、このトロカールは腹腔鏡のCCD(Charge Coupled Device)カメラ部を挿入するために用いられる。腹腔鏡はTVモニタに接続され、TVモニタには腹腔内の画像が動画として映し出され、その画像を見ながら圧排装置の組立作業が行われることになる。なお、トロカールは直径10mm強の挿入口を持つ環状形の金具であって、腹腔内に導入された炭酸ガスが該トロカールから流出しないように逆止弁を内蔵したものである。
【0067】
トロカールTには連結操作桿3が挿入され、一方トロカールTには構成部材2が部分的に挿入され、連結操作桿3の連結ボルト31cが構成部材2の貫通螺子孔(21g)にねじ込まれる(図5参照)。なお、図示の簡略化のために、構成部材2及び連結操作桿3はその概略形状だけが図示されている。
【0068】
次に、図9の(B)に示すように、連結操作桿3の連結ボルト31cが構成部材2の貫通螺子孔(21g)にねじ込まれた後、構成部材2はトロカールTから腹腔内に完全に引き込まれる。
【0069】
続いて、図9の(C)に示すように、構成部材1がトロカールTに部分的に挿入され、次いで構成部材2は構成部材1に対して所定位置で接触させられる(図6参照)。なお、図示の簡略化のために、構成部材1もその概略形状だけが図示されている。
【0070】
続いて、図10の(A)に示すように、連結ボルト31cは貫通螺子孔21gを貫通させられて構成部材1側の螺子孔(11g)にねじ込まれ(図7参照)、これにより構成部材1及び2は互いに連結させられる。
【0071】
続いて、図10の(B)に示すように、構成部材1及び2の連結作業が終了して圧排装置が組み立てられると、連結操作桿3はトロカールTを通して外部に引き出される。
【0072】
続いて、図10の(C)に示すように、指操作桿11の中空管(11b)及びロッド(11c)或いは駆動ワイヤ(W、W、W、W及びW)を上述したように適宜操作することにより、圧排装置の中指部12、人差し指部21及び親指部22の動きがコントロールされ、これにより腹腔内で圧排作業を行うことが可能となる。要するに、圧排装置は中指部12、人差し指部21及び親指部22とから成る比較的大きなハンド装置として構成されるので、大型の臓器の圧排も的確に行うことが可能である。なお、圧排装置の中指部12、人差し指部21及び親指部22についてはシリコンゴム等の柔軟な樹脂材料で形成された保護シートで適宜覆うことが好ましく、これにより歯車等が臓器に直接接触しないようにされる。
【0073】
腹腔内からの圧排装置の取出しについては、図9及び図10に示した手順を逆に行うことにより達成される。即ち、圧排装置を構成部材1及び2に分解した後にそれら構成部材1及び2がトロカールTを通して外部に取り出されることになる。
【0074】
次に、図11及び図12を参照して、本発明による遠隔操作装置の第2の実施形態を説明する。なお、この第2の実施形態も内視鏡を用いる体腔内手術を支援するための圧排装置として使用され得るものである。
【0075】
先ず、遠隔操作装置を分解状態で示す図11の(A)を参照すると、遠隔操作装置は、指操作桿4と、この指操作桿4に対して着脱自在に連結されるようになった指部5及び6とから成る。指操作桿4は管状体41から成り、図11の(A)では見ることができないが、この管状体41の先端部には指部5及び6を着脱自在に連結するために2つの開口部が直径方向に形成される。
【0076】
指部5は互いに軸着された3つの指片51、52及び53から成り、この指部5内には指片51、52及び53に屈曲運動を行わせるための指屈曲機構が組み込まれ、この指屈曲機構自体はプーリと駆動ワイヤとから成る従来のタイプのものとして構成される。指片51には鉤爪51aが取り付けられ、この鉤爪51aを管状体41の先端部の開口部の一方に装着することにより、指部5は図11の(B)に示すように着脱自在に管状体41に連結させられる。
【0077】
同様に、指部6は互いに軸着された3つの指片61、62及び63から成り、この指部6内にも指片61、62及び63に屈曲運動を行わせるための指屈曲機構が組み込まれ、この指屈曲機構は指部5の指屈曲機構と同様なものである。指片61には鉤爪61aが取り付けられ、この鉤爪61aを管状体41の先端部の開口部の他方に装着することにより、指部6は図11の(B)に示すように着脱自在に管状体41に連結させられる。
【0078】
図11の指操作桿4の縦断面図である図12を参照すると、管状体41の先端部に形成された開口部が参照符号41a及び41bで示される。管状体41の先端部の内側には一対の摺動片42及び43が開口部41a及び41bの個所に管状体41の中心軸線に沿って摺動自在に設けられる。摺動片42及び43のそれぞれには後述するように鉤爪51a及び61aを受け入れるようになった凹部42a及び43aが形成される。
【0079】
また、管状体41内にはその中心軸線に沿って移動自在となったロッド44が挿通させられ、このロッド44の先端面にはフランジ44aが一体的に固着され、このフランジ44aと摺動片42及び43との間には圧縮コイルばね45及び46が設けられ、これにより摺動片42及び43は管状体41の先端側底壁に対して弾性的に押圧させられる。
【0080】
一方、ロッド44の操作者側端部にはフランジ44bが一体的に形成され、また管状体41の操作者側端部には環状フランジ41cが一体的に固着され、フランジ44bと環状フランジ41cとの間には複数の圧縮コイルばね47が等間隔に適宜設けられて拘束される。また、フランジ44bと環状フランジ41cとには複数の締付けボルト48が等間隔に螺着される。
【0081】
次に、指操作桿4への指部5及び6の連結操作について、図13を参照して説明する。
【0082】
先ず、図13の(A)を参照すると、指部5側の指片51の鉤爪51aが開口部41aを通して摺動片42の凹部42aに侵入するとき、凹部42aを形成する縁部が鉤爪51aの傾斜面に当接し、このため摺動片42は圧縮コイルばね45の弾性力に抗してフランジ44a側に向かって押し上げられる。
【0083】
次に、図13(のB)に示すように、鉤爪51aが凹部42a内に完全に入り込むと、上述の縁部が鉤爪51aを乗り越えて、摺動片42は元の位置に戻り、このとき鉤爪51aは摺動片42に対して仮止めされる。
【0084】
同様な態様で指部6側の指片61の鉤爪61aが摺動片43に対して仮止めされた後に、図13の(C)に示すように、締付けボルト48の締付けが行われると、ロッド44は圧縮コイルばね45、46及び47の弾性力に抗して管状体41の先端側に向かって押し込められ、鉤爪51a及び61aは摺動片42及び43によって確実に錠止され、これにより指操作桿4に対する指部5及び6の連結が完了する。
【0085】
図12には指部5及び6のそれぞれに組み込まれた指屈曲機構に駆動力を伝達させて指部5及び6に屈曲運動を行わせるための駆動力伝達手段については図示されていないが、そのような駆動力伝達手段は指操作桿4に適宜設けることができる。
【0086】
例えば、管状体41の先端部内には、摺動片42及び43のそれぞれに隣接した個所で歯車が設けられ、各歯車には一対の駆動ワイヤによって回転させられるようになったプーリが同軸に取り付けられる。また、一対の駆動ワイヤは管状体41内を挿通させられ、管状体41の操作者側端部から外部に引き出される。一方、指部5及び6内のそれぞれに組み込まれた指屈曲機構の動力入力側には駆動歯車が設けれ、この駆動歯車は指操作桿4への指部5及び6のそれぞれへの連結時に上述の歯車と係合させられる。かくして、一対の駆動ワイヤにより上述の歯車が回転させられると、その回転運動は駆動歯車を介して該当指部5又は6の指屈曲機構に伝達させられて指部5又は6の屈曲運動に変換される。
【0087】
指部5及び6内のそれぞれに組み込まれた指屈曲機構に動力を伝達する別の駆動力伝達手段として、その指屈曲機構の駆動力用駆動ワイヤの一端部にボール状端子が取り付けられてもよい。この場合には、指操作桿4の管状体41中には操作ロッドが挿通させられ、指操作桿4への指部5又は6の連結時に上述のボール状端子が操作ロッドの先端部に接続されるようにされる。このような駆動力伝達手段によれば、操作ロッドを引張り操作することにって、該当指部5又は6に屈曲運動を行わせることができる。
【0088】
次に、図14及び図15を参照して、図11の第2の実施形態を圧排装置として人体模型の腹腔内で組み立てる際の組立手順について説明する。
【0089】
先ず、図14の(A)を参照すると、上述の第1の実施形態で説明した場合と同様に、人体模型の腹部BにはトロカールT及びTが設けられる。トロカールTには指操作桿4が挿入され、この指操作桿4はその先端部がトロカールTの内側端に接近するように操作される。
【0090】
次に、図14の(B)に示すように、指部5がその鉤爪51aからトロカールTに部分的に挿入され、次いで指部5はその鉤爪51aでもって指操作桿4の先端に仮止めされる(図6参照)。
【0091】
続いて、図14の(C)に示すように、指操作桿4が操作されて指部5が腹腔内に完全に引き込まれる。
【0092】
続いて、図15の(A)に示すように、指操作桿4はその中心軸線の回りで半回転させられ、次いでその先端がトロカールTの内側端に接近するように操作される。次に、指部6がその鉤爪61aからトロカールTに部分的に挿入されて、指部6はその鉤爪61aでもって指操作桿4の先端に仮止めされる。その後、指操作桿4側で締付けボルト48の締付けが行われ、指部5及び6が指操作桿4に対して確実に錠止される(図13の(C)参照)、これにより指操作桿4に対する指部5及び6の連結が終了して、圧排装置の組立が完了する。
【0093】
続いて、図15の(B)に示すように、指部6が腹腔内に完全に引き込まれ、その後指部5及び6の屈曲運動が適宜コントロールされ、これにより腹腔内で圧排作業を行うことが可能となる。
【0094】
腹腔内からの圧排装置の取出しについては、図14及び図15に示した手順を逆に行うことにより達成される。
【0095】
なお、図11に示す第3の実施形態においては、指部5及び6は指操作桿4にその中心軸線に対して直角方向に延びるように連結されるが、指部5及び6のいずれか一方若しくは双方が指操作桿4から斜めに延びるように管状体41に連結されてもよい。
【0096】
次に、図16及び図17を参照して、本発明による遠隔操作装置の第3の実施形態を説明する。なお、この第3の実施形態も内視鏡を用いる体腔内手術を支援するための圧排装置として使用され得るものである。
【0097】
先ず、遠隔操作装置を分解状態で示す斜視図である図16を参照すると、遠隔操作装置は、指操作桿7と、この指操作桿7に対して着脱自在に連結されるようになった指部8とから成る。なお、後述するように、指操作桿7には3つの指部8が連結されるようになっているが、図16では、そのうちの1つだけが代表的に図示されている。
【0098】
指操作桿7は管状体71から成り、この管状体71の先端面からは3つの横断面T字形の取付部72が突出させられ、これら取付部72の中心部は一体化されている。また、管状体71の先端部の周囲側壁面には3つの取付部72に対応した個所に開口部が設けられ、この開口部は可動板73によって通常は塞がれている。
【0099】
指部8は互いに軸着された3つの指片81、82及び83から成り、この指部8内には指片81、82及び83に屈曲運動を行わせるための指屈曲機構が組み込まれ、この指屈曲機構自体はプーリと駆動ワイヤとから成る従来のタイプのものとして構成される。
【0100】
指片81にはその端面から内側に延びる横断面T字形の溝部81aが形成され、この溝部81aには指操作桿7側の取付部72の1つが摺動自在に収容されるようになっている。また、指片81の内部には鉤爪付きレバー81bが設けられ、その先端部は指片の端面壁から突出させられ、指操作桿7側の取付部72の1つが溝部81a内に完全に収容されたとき、鉤爪付きレバー81bの鉤爪部がその取付部72に対応した開口部、即ち通常は可動板73で塞がれた開口部に係止されるようになっている。
【0101】
図17の(A)を参照すると、指操作桿7がその取付部72の1つを指部8の溝部81aに部分的に収容された状態で図示されている。同図において、参照符号81cは指片81内に形成された空所を示し、この空所81c内で鉤爪付きレバー81bの一端部、即ちその鉤爪部の反対側の端部が回転自在に軸着される。鉤爪付きレバーの軸着部にはトーションばね81dが装着される。即ち、トーションばね81dの一方のアーム部が空所81cの壁面上に横たわり、その他方のアーム部は鉤爪付きレバー81dの突起81eに止め掛けられ、これにより鉤爪付きレバー81dは溝部81a側に向かって弾性的に偏倚される。
【0102】
また、図17の(A)に示すように、指操作桿7側の可動板73は管状体71の中心軸線に対して直角な回転軸線を持つピボット軸73aに軸着され、また可動板73にはそこから直角に一体的に延びる短軸73bが設けられる。一方、管状体71内には可動ロッド74が挿通させられ、この可動ロッド74は管状体71内でその中心軸線に沿って移動し得ると共にロッド74の先端部には短軸73bを受け入れる孔74aが形成される。
【0103】
図17の(B)を参照すると、指操作桿7がその取付部72の1つを指部8の溝部81aに完全に収容された状態で図示される。同図に示すように、取付部72が指部8の溝部81aに完全に収容されたとき、鉤爪付きレバー81bの鉤爪部は管状体71の先端部の縁を乗り越えて可動板73に係合させられ、これにより可動板73がその開口部に押し込められて、鉤爪付きレバー81bの鉤爪部が開口部に係止される。即ち、指操作桿7に対する指部8の連結が完了する。
【0104】
指操作桿7に対する指部8の連結を解除するとき、可動ロッド74が管状体の先端側に向かって移動させられる。即ち、このように可動ロッド74が移動させられると、可動ロッド72の先端が可動板73を押し上げ、これにより鉤爪付きレバー81bの鉤爪部の係止が外されて、指部8を取付部72から取り外すことが可能となる。
【0105】
図17には指部8に組み込まれた指屈曲機構に駆動力を伝達させて指部8に屈曲運動を行わせるための駆動力伝達手段については図示されていないが、上述した第2の実施形態の場合と同様、そのような駆動力伝達手段は指操作桿7に適宜設けることができる。
【0106】
次に、図18及び図19を参照して、図16の第3の実施形態を圧排装置として人体模型の腹腔内で組み立てる際の組立手順について説明する。
【0107】
先ず、図18の(A)を参照すると、上述の第1の実施形態で説明した場合と同様に、人体模型の腹部BにはトロカールT及びTが設けられる。指部8は適当な挿入具9に一直線上を成すように適宜接続され、この棒状挿入具9により指部8がトロカールTを通して腹腔内に挿入される。一方、指操作桿7はトロカールTを通して腹腔内に挿入される。指部8が指操作桿7側の3つの取付部72のうちの1つ目に連結させられ(図17の(A)参照)、次いで鉤爪付きレバー81bが係止される(図17の(B)参照)。その後、指部8に対する棒状挿入具9の接続が解除される。
【0108】
次に、図18の(B)に示すように、棒状挿入具9はトロカールTを通して腹腔内から取り出され、次いで棒状挿入具9には別の指部8が接続される。
【0109】
続いて、図18の(C)に示すように、棒状挿入具9により指部8がトロカールTを通して腹腔内に挿入される。
【0110】
続いて、図19の(A)に示すように、指部8が指操作桿7側の3つの取付部72のうちの2つ目に連結させられ、次いで鉤爪付きレバー81bが係止され、指部8に対する棒状挿入具9の接続が解除される。その後、以上の操作をもう一度繰り返すことにより、指部8が指操作桿7側の最後の取付部72に連結させられ、次いで鉤爪付きレバー81bが係止され、かくして、指操作桿7に対する3つの指部8の連結が終了して、圧排装置の組立が完了する。
【0111】
続いて、図19の(B)に示すように、棒状挿入具9がトロカールTを介して腹腔内からに完全に引き出される。その後、3つの指部8の屈曲運動が適宜コントロールされ、これにより腹腔内で圧排作業を行うことが可能となる。
【0112】
腹腔内からの圧排装置の取出しについては、図18及び図19に示した手順を逆に行うことにより達成される。
【0113】
次に、図20を参照して、本発明による遠隔操作装置の第4の実施形態を説明する。同図において、(A)は遠隔操作装置を分解状態で示す縦断面図であり、(B)は遠隔操作装置を組立状態で示す縦断面図である。なお、この第4の実施形態も内視鏡を用いる体腔内手術を支援するための圧排装置として使用され得るものである。
【0114】
先ず、図20の(A)を参照すると、遠隔操作装置は、指操作桿110と、この指操作桿110に対して着脱自在に連結されるようになった指部120とから成る。
【0115】
指操作桿110は棒状体111から成り、この棒状体111の先端部には指部120が挿通し得るようになった通路112が形成され、この通路112は棒状体111の端部に接近して形成された中央空所113に連通させられる。棒状体111には中心ロッド114及び偏心ロッド115が摺動自在にかつ回転自在に挿通させられ、両ロッド114及び115は互いに並行に延在させられる。中心ロッド114の先端部は螺子切り部114aとして形成され、この螺子切り部114aは通常は中央空所113内に位置させられる。偏心ロッド115の先端部は必要に応じて通路112内に突出させられるようになっている。
【0116】
指部120は中央支持体121と、この中央支持体121の両端側で軸着された指片122及び123とから成り、指片122及び123のそれぞれの軸着部にはプーリ124及び125が回転自在に設けられる。中央支持体121の中間には中央孔121aが形成され、この中央孔121a内にはブロック片126が摺動自在に収容される。ブロック片126には螺子孔126aが形成され、この螺子孔126aには後述するように中心ロッド114の螺子切り部114aが螺着されるようになっている。また、中央支持体121には中央孔121aに隣接して窪み121bが形成され、この窪み121bには偏心ロッド115の先端が嵌合するようになっている。ブロック片126の両側にはプーリ127及び128が設けられ、これらプーリ127及び128は中央支持体121に対して回転自在に軸着される。
【0117】
指片122に屈曲運動を行わせるために、プーリ124及び127は駆動ワイヤW20と協働させられる。駆動ワイヤW20はその一端で指片122に固着され、次いでプーリ124に巻き付けられ、続いてプーリ127を通過させられた後にその他端でブロック片126に固着される。
【0118】
なお、図20の(A)には図示されないが、プーリ124及び125の軸着部のそれぞれにはトーションばねが組み込まれ、これらトーションばねの弾性作用により指片122及び123は通常は中心支持体121に対して一直線状となる位置に弾性的に保持される。
【0119】
一方、指片123に屈曲運動を行わせるために、プーリ125及び128は駆動ワイヤW30と協働させられる。駆動ワイヤW30はその一端で指片123に固着され、次いでプーリ125に巻き付けられ、続いてプーリ128を通過させられた後にその他端でブロック片126に固着される。
【0120】
図20の(B)を参照すると、図20(A)に示す遠隔操作装置が組み立てられた状態で図示され、このような組立状態は、指部120を指操作桿110の通路112に通した後に偏心ロッド115の先端部を窪み121bに嵌合させると共に中心ロッド114の螺子切り部114aを螺子孔126aに螺着させることにより得られる。
【0121】
図21を参照すると、組立後の遠隔操作装置の動作が示されている。中心ロッド114が引張り操作されると、プーリ124及び125の軸着部に組み込まれたトーションばねの弾性力に抗してブロック片126が引き上げられ、これにより指片122及び123は屈曲運動を行うことになる。
【0122】
図22を参照すると、上述した第4の実施形態の変形例が示される。この変形例では、指片122には追加の指片122´が軸着され、その軸着部にはプーリ129が回転自在に設けられる。駆動ワイヤW20の一端部側はプーリ129に巻き付けられ、次いでその一端で指片122´に固着される。なお、このような追加の指片は指片123側にも必要に応じて設けることができる。
【0123】
次に、図23を参照して、図20の第4の実施形態を圧排装置として人体模型の腹腔内で組み立てる際の組立手順について説明する。
【0124】
先ず、図23の(A)を参照すると、上述の第1の実施形態で説明した場合と同様に、人体模型の腹部BにはトロカールT及びTが設けられる。指操作桿120はトロカールTを通して腹腔内に挿入され、一方指部120はトロカールTを通して部分的に腹腔内に挿入される。指操作桿110はその先端部がトロカールTの内側端に接近するように操作される。
【0125】
次に、図23の(B)に示すように、指部120は指操作桿110の先端部の通路112(図20の(A)参照)に通され、偏心ロッド115の先端部が窪み121bに嵌合させられる(図20の(B)参照)。続いて、中心ロッド114の螺子切り部114aが螺子孔126aに螺着させられ、これにより圧排装置の組立が完了される。
【0126】
続いて、図23の(C)に示すように、指部120はトロカールTを通して腹腔内に挿入される。その後、指部120の屈曲運動が中心ロッド114の引張り操作により適宜コントロールされ、これにより腹腔内で圧排作業を行うことが可能となる。
【0127】
腹腔内からの圧排装置の取出しについては、図22に示した手順を逆に行うことにより達成される。
【0128】
次に、図24を参照して、本発明による遠隔操作装置の第5の実施形態を説明する。なお、この第5の実施形態も内視鏡を用いる体腔内手術を支援するための圧排装置として使用され得るものである。
第4実施形態
【0129】
遠隔操作装置を分解状態で示す図22を参照すると、遠隔操作装置は、指操作桿130と、この指操作桿130の先端部にその中心軸線に対して直角方向に着脱自在に連結されるようになった指部140と、指操作桿130の先端部にその中心軸線に沿う延長部として形成された指部150とから成る。指操作桿130は管状体131から成り、図24では見ることができないが、この管状体131の先端部の側方には指部140を着脱自在に連結するために開口部が形成される。なお、管状体131に対する指部140の着脱自在な連結については、図11に示す第2の実施形態の場合と同様な態様で行うことができる。
【0130】
指部140は互いに軸着された3つの指片141、142及び143から成り、この指部140内には指片141、142及び143に屈曲運動を行わせるための指屈曲機構が組み込まれ、この指屈曲機構自体はプーリと駆動ワイヤとから成る従来のタイプのものとして構成される。指片141には鉤爪141aが取り付けられ、この鉤爪141aは図11に示す第2の実施形態の場合と同様に管状体131の先端部の側方の開口部を通して着脱自在に連結するために用いられる。
【0131】
指部150も互いに軸着された3つの指片151、152及び153から成り、この指部150内にも指片151、152及び153に屈曲運動を行わせるための指屈曲機構が組み込まれ、この指屈曲機構は指部140の指屈曲機構と同様なものである。
【0132】
第5の実施形態での遠隔操作装置を圧排装置として腹腔内で組み立てる手順については、図11に示す第2の実施形態と同様な態様で行うことができる(図14参照)。即ち、指操作桿130が一方のトロカールを通して腹腔中に挿入されると共に指部140が他方のトロカールを通して腹腔中に挿入される。次いで、指部140が指操作桿130の管状体131の先端部に着脱自在に連結することにより、圧排装置の組立が完了する。その後、指部140及び150の屈曲運動が指操作桿130を通して適宜コントロールされ、これにより腹腔内で圧排作業を行うことが可能となる。
【0133】
なお、図24では、指部140は指操作桿130にその中心軸線に対して直角方向に延びるように連結されるが、指部140が指操作桿130から斜めに延びるように管状体131に連結されてもよい。
【0134】
図25を参照すると、第5の実施形態の変形実施形態が示され、この変形実施形態では、図24の屈曲可能な指部150が単なる棒状指部150´によって置き換えられる。棒状指部150´は屈曲運動を行うことはできないが、しかし屈曲可能な指部140と協働することにより、腹腔内での圧排作業は支障無く行うことが可能である。
【0135】
図26を参照すると、第5の実施形態の別の変形実施形態が示され、この変形実施形態では、図24の屈曲可能な指部140が単なる棒状指部140´によって置き換えられる。棒状指部140´は屈曲運動を行うことはできないが、しかし屈曲可能な指部150と協働することにより、腹腔内での圧排作業は支障無く行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明による遠隔操作装置の第1の実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1の部分拡大斜視図であって、(A)は図1に示す中指部の部分拡大斜視図であり、(B)は図1の親指部内に組み込まれた指屈曲機構の部分拡大斜視図である。
【図3】は図1の遠隔操作装置の2つの構成部材を互いに連結させるための連結具を示し、(A)は部分斜視図であり、(B)は(A)の連結具の部側面図であり、(C)は(B)と同様な部分側面図である。
【図4】図1の遠隔操作装置の組立方法を説明するための説明図であって、(A)は斜視図であり、(B)は一部断面側面図である。
【図5】図1の遠隔操作装置の組立方法を説明するための説明図であって、(A)は斜視図であり、(B)は一部断面側面図である。
【図6】図1の遠隔操作装置の組立方法を説明するための説明図であって、(A)は斜視図であり、(B)は一部断面側面図である。
【図7】図1の遠隔操作装置の組立方法を説明するための説明図であって、(A)は斜視図であり、(B)は一部断面側面図である。
【図8】組立完了後の図1の遠隔操作装置の動作を説明するための斜視図である。
【図9】図1の遠隔操作装置を圧排装置として人体模型の腹腔内で組み立てるための手順を説明するための概略部分横断面図である。
【図10】図1の遠隔操作装置を圧排装置として人体模型の腹腔内で組み立てるための手順を説明するための概略部分横断面図である。
【図11】本発明による遠隔操作装置の第2の実施形態を示し、(A)は遠隔操作装置を分解状態で示す側面図であり、(B)は(A)の遠隔操作装置を組立状態で示す側面図である。
【図12】図11に示す指操作桿の縦断面図である。
【図13】図12の指操作桿に指部を連結するための方法を説明する縦断面図である。
【図14】図11の(A)に示す遠隔操作装置を圧排装置として人体模型の腹腔内で組み立てる手順を説明するための概略部分横断面図である。
【図15】図11の(A)に示す遠隔操作装置を圧排装置として人体模型の腹腔内で組み立てる手順を説明するための概略部分横断面図である。
【図16】本発明による遠隔操作装置の第3の実施形態を分解状態で示す斜視図である。
【図17】図16の指操作桿に指部を連結する際の連結方法を説明するための部分縦断面図である。
【図18】図16の遠隔操作装置を圧排装置として人体模型の腹腔内で組み立てる手順を説明するための概略部分横断面図である。
【図19】図16の遠隔操作装置を圧排装置として人体模型の腹腔内で組み立てる手順を説明するための概略部分横断面図である。
【図20】本発明による遠隔操作装置の第4の実施形態を示し、(A)は遠隔操作装置を分解状態で示す縦断面図であり、(B)は遠隔操作装置を組立状態で示す縦断面図である。
【図21】図20の第4の実施形態の動作を説明するための縦断面図である。
【図22】図20の第4の実施形態の変形実施形態を示す部分縦断面図である。
【図23】図20の(A)に示す遠隔操作装置を圧排装置として人体模型の腹腔内で組み立てる手順を説明するための概略部分横断面図である。
【図24】本発明による遠隔操作装置の第5の実施形態を示す側面図である。
【図25】図24の第5の実施形態の変形実施形態を示す側面図である。
【図26】図24の第5の実施形態の別の変形実施形態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0137】
1:構成部材
11:指操作桿
11a:管状部
11b:中空管
11c:ロッド
11d・11e・11f:歯車
11f・11f:プーリ
11g:螺子孔
11h:位置決め孔
12:中指部
12a・12b・12c:指片
12d:プーリ組立体
12e:プーリ
2:構成部材
21:人差し指部
21a・21b・21c:指片
21e:歯車
21f:プーリ
21g:貫通螺子孔
21h:位置決め凹部
22:親指部
22a:親指支持体
22b・22c・22d:指片
22e:歯車
22g:プーリ
22e:同軸プーリ
22e:側方プーリ
22f:二重プーリ
22g:プーリ
22h:半円形歯車
3:連結具
31:連結操作桿
31a:管状体
31a・31a:取付部
31b:中空管
31b:肉厚部
31b:管状フランジ部
31c:回転ロッド
31c:突起部
31c:連結ボルト
31d・31e:摺動ロッド
32:嘴部
32a・32b:取付片
32c:枢着ピン
32d:細長スロット
32e:位置決め突起
33:嘴部
33a・33b:取付片
33c:枢着ピン
33e:位置決め突起
・A・A・A・A・A・A・A・A・A10:回転軸線
・W・W・W・W・W・W・W20・W30:駆動ワイヤ
X:中心軸線
B:腹部
・T:トロカール
4:指操作桿
41:管状体
41a・41b:開口部
41c:環状フランジ
42・43:摺動片
42a・43a:凹部
44:ロッド
44a・44b:フランジ
45・46・47:圧縮コイルばね
5:指部
51・52・53:指片
51a:鉤爪
6:指部
61・62・63:指片
61a:鉤爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指操作桿(11)と、この指操作桿により屈曲運動させられるように該指操作桿に予め連結させられた第1の指部(12)と、前記指操作桿により屈曲運動させられるように該指操作桿に着脱自在に連結させられた第2の指部(21)とを具備する遠隔操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遠隔操作装置であって、前記第1の指部(12)が前記指操作桿(11)に対して一直線状に延ばされたとき、前記指操作桿と前記第1の指部とがトロカール(T、T)に挿通され得るような寸法形状を備え、前記第2の指部(21)が一直線状に延ばされたとき、前記第2の指部がトロカールに挿通され得るような寸法形状を備えている遠隔操作装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の遠隔操作装置であって、前記第2の指部(21)にはその中心軸線の回りで回転自在となるように第3の指部(22)が接続され、前記第2の指部(21)が前記指操作桿(11)に連結させられたとき、前記第3の指部が前記指操作桿により屈曲運動させられる遠隔操作装置。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の遠隔操作装置であって、前記第1の指部(12)の屈曲運動時の回転軸線(A、A)に対して直角な回転軸線(A)の回りで前記第1の指部が回転自在とされる遠隔操作装置。
【請求項5】
指操作桿(4;7)と、この指操作桿により屈曲運動させられるように該指操作桿に着脱自在に連結される少なくとも2つの指部(5、6;8)とを具備する遠隔操作装置。
【請求項6】
請求項5に記載の遠隔操作装置であって、前記指操作桿(4;7)がトロカール(T、T)に挿通され得るような寸法形状を備え、前記指部(5、6;8)の各々がトロカール(T、T)に挿通され得るような寸法形状を備えている遠隔操作装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の遠隔操作装置であって、前記指操作桿(4)に対する前記指部(5、6)の着脱自在の連結が該指操作桿の中心軸線に対して直角な方向で行われる遠隔操作装置。
【請求項8】
請求項5又は6に記載の遠隔操作装置であって、前記指操作桿(7)に対する前記指部(8)の着脱自在の連結が該指操作桿の中心軸線に対して平行な方向で行われる遠隔操作装置。
【請求項9】
指操作桿(110)と、指部(120)とを具備し、前記指操作桿の先端部には前記指部が収容される通路(112)が形成され、更に、前記指部が前記通路内に収容された際に該指部を所定位置で前記指操作桿に対して着脱自在に連結させる連結手段(115、121b)と、前記指操作桿に対する前記指部の連結時に該指部に屈曲運動を行わせるための屈曲運動手段(114、126、124、125、127、128、W20、W30)とを具備する遠隔操作装置。
【請求項10】
請求項9に記載の遠隔操作装置であって、前記指操作桿(110)がトロカール(T、T)に挿通され得るような寸法形状を備え、前記指部(120)がトロカール(T、T)に挿通され得るような寸法形状を備えている遠隔操作装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の遠隔操作装置であって、前記通路(112)が前記指操作桿(110)の中心軸線に対して直角方向に延在させられる遠隔操作装置。
【請求項12】
指操作桿(130)と、この指操作桿の先端部に着脱自在に連結された第1の指部(140)と、前記指操作桿の先端部にその中心軸線に沿う延長部として形成された第2の指部(150)とを具備し、前記第1及び第2の指部の少なくとも一方が屈曲運動可能とされる遠隔操作装置。
【請求項13】
請求項12に記載の遠隔操作装置であって、前記第1の指部(140)がトロカールに挿通され得るような寸法形状を備え、前記指操作桿及び第2の指部がトロカールに挿通され得るような寸法形状を備えている遠隔操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2007−307184(P2007−307184A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−139773(P2006−139773)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【出願人】(504179255)国立大学法人 東京医科歯科大学 (228)
【Fターム(参考)】