説明

閉鎖プラグを注射器にねじ込むためのねじ込み組立体

【課題】先行技術による欠点が無く、単純で導入に対する費用効果の高い、閉鎖プラグを注射器にねじ込むためのねじ込み組立体を提供する。
【解決手段】閉鎖プラグ2を注射器3のねじ山の形成された開放端部6にねじ込むためのねじ込み組立体が、複数の閉鎖プラグを内側に収容するホッパー9から閉鎖プラグを受け取るようにされたポケット31と、注射器の支持装置29と、閉鎖プラグを開放端部にねじ込むように、前記ポケットと前記支持装置とを、注射器の縦軸線4周りの且つ縦軸線に沿う回転並進移動運動により互いに対して移動させるための作動装置35とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉鎖プラグを注射器にねじ込むためのねじ込み組立体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
注射可能な医薬品を準備する際に、複数の容器(好適例ではバッグ、注射器、及び瓶)のための少なくとも一つの貯蔵部と、ボトルから引き出された医薬品及びバッグから引き出された希釈液を注射器内へ送給することによって得られる医薬品を準備するための少なくとも一つの調薬ステーションと、容器を貯蔵部と調薬ステーションとの間で移送するための把持運搬装置とを具備する機械装置を作ることが知られている。
【0003】
注射器は、閉じ込めシリンダと、この閉じ込めシリンダ内に滑動様態で係合するプランジャと、閉じ込めシリンダそれ自身の開放端部にスナップ係止される針とを具備する。
【0004】
注射器内に医薬品を準備した後に、針は注射器から取り外されて、開放端部は、医療関係者が注射器それ自身を安全に取り扱えるようにするために、閉鎖プラグを使って密封される。
【0005】
閉鎖プラグは通常は注射器の開放端部にスナップ係止されるので、上述したタイプの、医薬品の準備のための公知の機械装置はいくつかの欠点を有しており、前記欠点は、閉鎖プラグ及び注射器が、閉鎖プラグと閉じ込めシリンダの開放端部の両方に損傷を与える可能性のある比較的大きな結合力を伴って互いに対して移動させられ、その結果新しい針の次に続く組立を妨げるという事実に主に由来する。
【0006】
さらに、上述したタイプの、医薬品の準備のための公知の機械装置は、ねじ山の形成された閉鎖プラグの使用を可能にしないので、用途の柔軟性が比較的低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述した欠点が無く、単純で導入に対する費用効果の高い、閉鎖プラグを注射器にねじ込むためのねじ込み組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による、閉鎖プラグを注射器にねじ込むためのねじ込み組立体は、添付された特許請求の範囲に開示されたものとして提供される。
【0009】
本発明は、その非限定的な実施形態を示す添付図面を参照してここで説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のねじ込み組立体の好適な実施形態の斜視図であって、明瞭にするために部品が取り除かれた、斜視図である。
【図2】図1における細部の平面図である。
【図3】図2における細部の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1,2,及び3を参照して説明すると、参照符号1は、略四角形の閉鎖プラグ2を公知のタイプの注射器3にねじ込むためのねじ込み組立体を全体として指し示しており、前記注射器3の各々は、定められた縦軸線4を有するとともに閉じ込めシリンダ5を具備しており、前記閉じ込めシリンダ5は、雄ねじの形成された開放端部6を備え、またプランジャ7によって滑動可能に係合される。
【0012】
好適例では、プラグ2は、患者に投与されるべき医薬品を収容する注射器3の取扱中に、完全な不正開封防止機能を発揮するように構成されている。
【0013】
ねじ込み組立体1は、複数のプラグ2のための格納ホッパー9によって頂部を閉じられた箱状フレーム8を具備しており、前記複数のプラグ2はそれらの凹みを上に向けた状態でホッパー9内に配置されている。
【0014】
ホッパー9は、略矩形状の振動板10を具備しており、前記振動板10は、プラグ2のための支持平面Pであって、実質的に水平な基準平面に対して所定の角度で傾けられた支持平面Pを形成している。ホッパー9は、前記板10の下端部を貫通して設けられた出口穴11を有しており、前記出口穴11は支持平面Pそれ自身に対してほぼ垂直の縦軸線12を有する。
【0015】
前記板10は、軸線12にほぼ平行な方向14でフレーム8に対して直線運動を行うようにフレーム8に滑動可能に、緩衝器装置13を介して結合されている。前記板10は、さらに、作動装置15のバイアス力を受けて、方向14を横切る略水平な方向16での往復直線運動によりフレーム8に対して移動するように、滑動様態でフレーム8に結合されている。
【0016】
緩衝器装置13は、好適例では、板10それ自身の端部でフレーム8と板10との間に装着された四つの弾性要素17を具備している。作動装置15は、電磁気的アクチュエータ18を具備しており、前記電磁気的アクチュエータ18は、方向16に平行にフレーム8内に固定されており、また板10から下方に突出する連結ブラケット20に接続される出力ロッド19を有する。
【0017】
ホッパー9は、凹み板21によって側面で範囲を定められており、前記凹み板21は、フォーク状に形成されていて、板10の上に固定されて、平面Pに沿い且つ穴11の方へ向かう、プラグ2の前進チャネル22を形成し、及びチャネル22を、出口穴11に接続された下側の略直線状出口区域22aと、前記出口区域22aの方へ収束する上側の入口区域22bとに分割するように形作られている。
【0018】
チャネル22は、凹み板21の内側で方向16に平行に取り付けられた作動シリンダ24を具備する第1停止装置23と協働する。作動シリンダ24は、休止位置と作動位置との間で移動可能な出力ロッド25を有しており、前記休止位置において、出力ロッド25は凹み板21内に実質的に収容され、前記作動位置において、出力ロッド25は、プラグ2が出口区域22aそれ自身の内側に達するのを阻止するために前記区域22a内に突出する。
【0019】
チャネル22は、作動シリンダ27を具備する第2停止装置26とさらに協働する。作動シリンダ27は、凹み板21の内側で方向16に平行に取り付けられており、また休止位置と作動位置との間で移動可能な出力ロッド28を有しており、前記休止位置において出力ロッド28は凹み板21内に実質的に収容され、前記作動位置において出力ロッド28は、プラグ2が出口穴11に達するのを阻止するようにロッド25の下流側の出口区域22a内に突出する。
【0020】
これに関して、ロッド25及びロッド28の運動が、それらの作動位置において、単一のプラグ2を中に収容するようにされた区画を形成することは明記するに値する。
【0021】
ねじ込み組立体1は、注射器3を縦軸線12に同軸の所定位置に保持するようにされた注射器3の支持装置29、例えばロボット化されたアームと、出口穴11をとおしてその都度供給されるプラグ2を受け取るようにされた支持装置30とをさらに具備している。
【0022】
支持装置30はポケット31を具備しており、前記ポケット31は、板10の下のフレーム8の内側の、出口穴11に向き合う位置に取り付けられていて、方向14に対して垂直な方向に延びる底壁32であって、プラグ2の形状にほぼ一致する四角形の底壁32によって範囲を定められている。またポケット31は、四角形の側壁33によってさらに範囲を定められており、前記側壁33は、縦軸線12の周りに延びていて、底壁32それ自身に対して90°以外の角度で傾けられている。
【0023】
ポケット31は、電動モータ35の出力シャフト34の自由端に取り付けられている。電動モータ35は、方向14に平行にフレーム8内に取り付けられて、板10の下側でホッパー9に固定されており、またポケット31を縦軸線12周りに板10それ自身に対して移動させるようにされており、またそれぞれの注射器3に対するプラグ2の適正なねじ込みを可能にするようにトルクが制御される。
【0024】
ポケット31の形状及びチャネル22の下側出口区域22aの形状は、縦軸線12周りの回転中に、プラグ2がポケット31に整列して正確にポケット31内に挿入されるように出口穴11をとおって落下することを可能にする。
【0025】
ねじ込み組立体1の作動が、以下の瞬間即ち:
注射器3が、軸線12に同軸の位置へ支持装置29によって移動せしめられていて;
停止装置23及び26がそれらの作動位置に配置されていて;及び
チャネル22の出口区域22aが空である;瞬間から始まって、図1、2,及び3を参照してここで説明される。
【0026】
停止装置23は、プラグ2が出口区域22a内へ落下することを可能にするようにその休止位置へ最初に移動させられ、次いで別のプラグ2が出口区域22aそれ自身の中に落下することを阻止するためにその作動位置に再び移動させられる。
【0027】
停止装置26は、検討中のプラグ2が出口穴11に達してポケット31内に落下することを可能にするように、その休止位置へ移動させられる。
【0028】
この時点で、注射器3の開放端部6がプラグ2に係合して、ホッパー9及びポケット31によって形成された組立体を緩衝器装置13の弾性要素17のバイアス力に抗して移動させることを可能にするように、注射器3は支持装置29によって下降させられる。
【0029】
最後に、ポケット31及び従ってプラグ2が、電動モータ35の作動によって軸線12周りに且つ緩衝器装置13の弾性要素17のバイアス力によって軸線12に沿って移動させられる。換言すると、ポケット31及びプラグ2は、プラグ2を注射器3の開放端部6にねじ込むために、前述の軸線12周りの且つ軸線12に沿う回転並進移動運動により移動させられる。
【0030】
上述の説明に関して、表面張力及び開放端部6それ自身におけるシリンダ5の毛細管現象に起因して、注射器3内に収容された医薬品が開放端部6から出て行かないことは注目に値する。
【符号の説明】
【0031】
2 閉鎖プラグ
3 注射器
4 縦軸線
5 シリンダ
6 閉鎖端部
9 ホッパー
11 出口穴
29 支持装置
31 ポケット
35 作動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器(3)に閉鎖プラグ(2)をねじ込むためのねじ込み組立体であって、各注射器(3)は、縦軸線(4)を有すると共に、ねじ山を形成された開放端部(6)を備えるシリンダ(5)と、前記シリンダ(5)それ自身の中に滑動様態で係合されるプランジャ(7)とを備える、ねじ込み組立体において、
複数の閉鎖プラグ(2)を内側に収容するホッパー(9)であって、前記閉鎖プラグ(2)の、該ホッパー(9)それ自身からの出口(11)を有するホッパー(9)と、
前記出口(11)をとおしてその都度供給される閉鎖プラグ(2)を受け取って保持するようにされたポケット(31)と、
前記注射器(3)を支持するための支持装置(29)と、
前記閉鎖プラグ(2)を前記開放端部(6)にねじ込むように、前記ポケット(31)と前記支持装置(29)とを、前記縦軸線(4)周りの且つ前記縦軸線(4)に沿う回転並進移動運動により互いに対して移動させるための作動装置(35)と、を具備することを特徴とする、ねじ込み組立体。
【請求項2】
第1停止装置(26)をさらに具備し、
前記第1停止装置(26)が、前記ホッパー(9)の内側で作動位置から及び作動位置へ移動可能であり、前記作動位置において前記第1停止装置(26)は、第1の閉鎖プラグ(2)が前記出口(11)に達するのを阻止する、請求項1に記載のねじ込み組立体。
【請求項3】
第2停止装置(23)をさらに具備し、
前記第2停止装置(23)は、前記第1停止装置(26)の後側に配置されていて、前記ホッパー(9)の内側で作動位置から及び作動位置へ移動可能であり、前記作動位置において前記第2停止装置(23)は、前記第1の閉鎖プラグ(2)を、前記ホッパー(9)に収容されている残りの閉鎖プラグ(2)から分離するように配置されている、請求項2に記載のねじ込み組立体。
【請求項4】
前記ホッパー(9)が、略水平の基準平面に対して傾けられた支持平面(P)を形成する振動板(10)を具備する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のねじ込み組立体。
【請求項5】
前記ホッパー(9)が、前記閉鎖プラグ(2)の、前記振動板(10)に沿う運搬チャネル(22)を形成する側方壁(21)によって範囲を定められており、
前記運搬チャネル(22)が、前記出口(11)に接続された出口区域(22a)と、前記出口区域(22a)それ自身の方へ向かって収束している入口区域(22b)とを具備する、請求項4に記載のねじ込み組立体。
【請求項6】
第1停止装置(26)と第2停止装置(23)とをさらに具備し、
前記第1停止装置(26)は、前記ホッパー(9)の内側で作動位置から及び作動位置へ移動可能であり、前記作動位置において前記第1停止装置(26)は、前記閉鎖プラグ(2)が前記出口区域(22a)から前記出口(11)へ移送されるのを阻止し、
前記第2停止装置(23)は、前記ホッパー(9)の内側で作動位置から及び作動位置へ移動可能であり、前記作動位置において前記第2停止装置(23)は、前記閉鎖プラグ(2)が前記入口区域(22b)から前記出口区域(22a)へ移送されるのを阻止する、請求項5に記載のねじ込み組立体。
【請求項7】
前記閉鎖プラグ(2)が前記注射器(3)それ自身の前記開放端部(6)にねじ込まれる間に、前記ポケット(31)が、前記縦軸線(4)に平行に前記注射器(3)に対して移動することを可能にするように、固定の支持フレーム(8)と、前記ポケット(31)及び前記支持フレーム(13)の間に配置された緩衝器装置(13)とをさらに具備する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のねじ込み組立体。
【請求項8】
前記ポケット(31)を前記縦軸線(4)周りで運動させるための電動モータ(35)をさらに具備する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のねじ込み組立体。
【請求項9】
前記ポケット(31)が、前記縦軸線(4)に対して略垂直な底壁(32)と、前記底壁(32)それ自身に対して90°以外の角度で傾けられた側壁(33)とによって範囲を定められている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のねじ込み組立体。
【請求項10】
前記ポケット(31)の前記側壁(33)が略四角形を示す、請求項9に記載のねじ込み組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−6032(P2013−6032A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−141365(P2012−141365)
【出願日】平成24年6月22日(2012.6.22)
【出願人】(512132642)ヘルス ロボティクス ソチエタ レスポンサビリタ リミテ (3)
【Fターム(参考)】