説明

開口枠の躯体への取付構造

【目的】 開口部内周に先に躯体固定具を埋め込む工法では躯体固定具が開口枠を入れるときに障害になる。
【構成】 サッシアンカー3にねじ部材4をねじ込んで取付部材Aとする。開口枠2に先付け又は後付けで取付部材Aを取り付ける。開口枠2のリップ2eをサッシアンカー3の曲げ片3d2、平板片3d3で挟み込み、開口枠2に取付部材Aを取り付ける。先付けの場合は開口枠2に取付部材Aを取り付けてから開口部1aの内に持ち込む。後付けの場合は開口部1a内に開口枠2を挿入した後の開口枠2に取付部材Aを取り付ける。ねじ部材4を回転し、穴1cに挿入し、穴1cに接着材を施工する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明はコンクリートの躯体の開口部にアルミサッシ又はスチールサッシの開口枠を仮固定した後に取り付ける開口枠の躯体への取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】

コンクリートの躯体(以下、単に躯体という)に窓を構成する場合に躯体には予め窓とする位置に開口部を設ける。この開口部はアルミサッシの窓又はスチールサッシの扉等の開口枠が挿入されると開口枠の外周と開口部の間が数センチメートル離れる大きさとなっている。
【0003】
躯体の開口部への開口枠の取り付けは開口部内へ人力又は簡単な荷役機械で開口枠を持ち上げる、又は吊り下げる等して開口部に合せ、見込方向へ移動して開口枠を開口部内へ入れ、下枠と開口部内周の下部間にくさびアセンブリを挿入してこのくさびアセンブリで開口部における開口枠の所定位置を調整して開口枠の上下位置を調整する。開口枠の見込方向の位置及び左右位置は開口枠をくさびアセンブリ上で移動して定めてある。同時に開口枠のたわみも修正する。次に開口枠の上枠の外周とこの外周と対向する開口部の内周との間にくさびアセンブリを挿入する。これによって開口枠の壁面に沿う方向及び見込方向の納まりを定める。そして開口枠の下枠、上枠と開口部内周との間に挿入したくさびアセンブリで開口枠を開口部に位置決めして仮の固定とする。
【0004】
次に開口枠の躯体への固定を行う。この固定には溶接によるもの、溶接によらないもの等種々の提案がなされている。
【0005】
溶接による固定方法は躯体のコンクリート打設時又は打設後型枠を外した後に開口部内周に凹部又は穴を設け、開口部内に向って突出する躯体固定具を該凹部又は穴に挿入しモルタルで埋め込み固定する。一方開口枠の外周にはサッシアンカーを取り付ける。そして躯体固定具に対してサッシアンカーを合せて躯体固定具とサッシアンカーを溶接する。
【0006】
開口枠を溶接によらないで機械的に開口部に固定するものとしては上記において躯体固定具とサッシアンカーをボルト結合する提案がある。
【0007】
溶接によらないで開口部内周に凹部を設け、この凹部に躯体固定具の一端を挿入すると共にその他端をサッシアンカーに設けた凹穴に挿入して、該凹部、凹穴に合成樹脂接着剤を充填する提案がある。
【0008】
上述のようにして、開口部内において開口枠が躯体に固定された後は、最初の工程で開口枠を位置決めしていたくさびを取り除く。すると開口枠はサッシアンカー、躯体固定具を介して躯体に固定される。その後、開口枠と開口部間の隙間をモルタルで埋める。
【特許文献1】特公昭48−34951号公報
【特許文献2】実開昭56−74176号公報
【特許文献3】実開昭63−12584号公報
【特許文献4】特公平4−26392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
開口部に開口枠を挿入して開口枠と開口部間にくさびアセンブリを入れて開口枠の位置決めを行う方法は多く使われている方法であり、くさびアセンブリによらないで位置決めを行うと共に固定もできる提案もされている。
【0010】
開口枠の躯体への固定に上述したように開口枠に固定した躯体固体具とサッシアンカーを溶接により結合する方法として種々の提案があるが、溶接によるときは開口枠を開口部に取り付ける作業の大部分の時間が溶接している時間ということになってしまう。そこで溶接時間を如何にして短縮するか、溶接以外の固定方法はないのかどうかが課題となる。
【0011】
開口部内周に設けた躯体固定具とサッシアンカーを機械的に連結する場合、従来は躯体固定具を躯体に埋め込んでいる。この場合躯体固定具とサッシアンカーはボルト結合している。躯体固定具を躯体に予め埋め込む工程として上述と同様に工数が長くなる。また、工程として躯体固定具が先に躯体に埋め込まれており、躯体固定具のねじの位置は必ずしも正確でなく、サッシアンカーの穴と合せ難い。また、躯体固定具とサッシアンカーとを固定する固定位置は開口枠外周と開口部内周との間の狭い空間であり作業性がよくない。
【0012】
そこで、合成樹脂接着剤で躯体固定具を躯体に固定すると共に躯体固定具とサッシアンカーを同接着剤で固定すると、作業時間は短いものの接着剤を充填する時間が必要である。そして、接着剤が固化するまでの養生期間は開口枠についての次の作業に進めないということになる。ただし、近時は固化時間の短い合成樹脂接着剤が開発されており、施工上次工程への影響は小さくなりつつある。
【0013】
どのような場合も、開口枠に躯体固定具を先に固定してしまうと、躯体固定具が躯体の開口部の内周から出張るのでサッシアンカーを取り付けた開口枠を開口部へ挿入する作業が阻害されたり、躯体固定具とサッシアンカーの位置合せが困難となる。
【0014】
また、躯体固定具を予め開口部内周に設けるのは、建物の各開口部へ移動して夫々の場所で行うので、開口枠の開口部への取り付け時を除いて予めの作業外の移動が伴ってしまう。
【0015】
本発明はコンクリートの躯体の開口部に開口枠を取り付けるに当って開口枠が位置決めされた後に開口枠外周と開口部内周間の距離の不同にかかわらず躯体固定具を簡単確実に躯体に固定できる開口枠の躯体への取付構造を提供することを目的とする。
【0016】
本発明は躯体固定具を速やかに開口部内周に固定できる開口枠の躯体への取付構造を提供することを目的とする。
【0017】
本発明は躯体固定具とサッシアンカーの相対位置の変動にかかわらずサッシアンカーと躯体固定具を速やかに固定できる取付部材を有する開口枠の躯体への取付構造を提供することを目的とする。
【0018】
本発明は開口枠取付前における開口枠取付のための躯体に対する躯体固定具の取付作業をなくすることにより全体として作業性の向上した開口枠の躯体への取付構造を提供とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本出願に係る第1発明はコンクリートの躯体1の開口部1aにの開口枠2を取り付ける構造であって、
a.内周1bに有底の穴1cを設けた開口部1aを有するコンクリートの躯体1と、
b.躯体1の開口部1aに外周2aが間をおいて挿入される開口枠2と、
c.開口枠2の外周2aの見込方向の両端側に夫々係合する取付部3dと、取付部3d間において躯体1の有底の穴1cに挿入可能な躯体固定具のねじ込まれるめねじ3bを有し、めねじ3bを設ける位置において開口部1aの内周1bと開口枠2の外周2aとの間に位置するねじ部材支持部3cと、を有するサッシアンカー3と、
d.サッシアンカー3のめねじ3bにねじ込まれるねじ部材4である躯体固定具と、を有し、
躯体固定具をサッシアンカー3のめねじ3bにねじ込んで取付部材Aとし、開口部1a内で取付部材Aが取り付けられた開口枠2が躯体1に対して仮固定された状態において、躯体固定具を回転して前進させて躯体1の有底の穴1cに挿入し、接着剤を躯体1の有底の穴1cに充填することを特徴とする開口枠の躯体への取付構造である。
【0020】
本出願に係る第2の発明は開口枠2の外周2aにはサッシ枠材の押出し方向に長い条溝として広幅のT溝が設けられ、サッシアンカー3の両側の取付部3dは、該T溝を構成するリップ2eを挟持して係脱可能な二股を有し、サッシアンカー3は、両側の取付部3dをサッシ枠材の長手方向に従ってT溝の口部に合せ、開口枠2の外周2aに直交する中心線を回動の中心としてほぼ90度だけ回動し、T溝の両側のリップ2eに両側の取付部3dの二股を係止することによりサッシアンカー3を開口枠2に取り付けることを特徴とする請求項1に記載の開口枠の躯体への取付構造である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、開口枠にはその内周に有底の穴を設けるだけで現場での躯体に対する工事は穴だけである。そのため、必ずしも予め躯体の各開口部にこの穴を穿孔して回る必要は無く、開口枠を開口部に取り付ける際にこの穴を穿孔することによることもできる。
【0022】
開口枠の開口部への取付部材は開口枠に総て取り付けられるので、作業が工場等で行われることもできるので作業性がよい。
【0023】
本発明によれば、開口部の内周から開口部内へ出張るものがないので取付部材を先付けした開口枠を開口部へ挿入するのが容易である。開口枠のみを開口部へ挿入位置決めした後において取付部材を開口枠に取り付ける方法を採用した際も、開口枠内周側に出張る物がないので取り付けが容易に行われる。また、開口枠の内周に出張る物がないので取付部材の位置調整が容易に行われる。
【0024】
本発明によればねじ部材は開口枠の有底の穴の方を向いており、開口部と開口枠間のせまい場所においてねじ部材を回転し易いので数の多いねじ部材を有底の穴へ前進させる工数も少なくてすむ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本出願に係る第1の発明はコンクリートの躯体1の開口部1aにアルミサッシ又はスチールサッシの開口枠2を取り付ける構造であって、
a.内周1bに有底の穴1cを設けた開口部1aを有するコンクリートの躯体1と、
b.躯体1の開口部1aに外周2aが間をおいて挿入されるアルミサッシの開口枠2と、
c.開口枠2の外周2aの見込方向の両端側に夫々係合する取付部3dと、取付部3d間において躯体1の有底の穴1cに挿入可能なねじ部材4である躯体固定具のねじ込まれるめねじ3bを有し、めねじ3bを設ける位置において開口部1aの内周1bと開口枠2の外周2aとの間に位置するねじ部材支持部3cと、を有するサッシアンカー3と、
d.サッシアンカー3のめねじ3bにねじ込まれたねじ部材4である躯体固定具と、を有し、
躯体固定具をサッシアンカー3のめねじ3bにねじ込んで取付部材Aとし、開口部1a内で取付部材Aを取り付けられた開口枠2が躯体1に対して仮固定された状態において、躯体固定具を回転して前進させて躯体1の有底の穴1cに挿入し、接着剤を躯体1の有底の穴1cに充填することを特徴とするアルミサッシの躯体への取付構造である。
【実施例1】
【0026】
(全体構成)
図6は躯体1の開口部1a内に開口枠2を取り付けた状態を示している。開口枠2は上枠と下枠夫々において外周2aと開口部1aの内周1b間にくさびアセンブリ11を挿入されることにより位置決めされている。くさりアセブリ11は同じ2片のくさびの大端と小端を重ねて重ねた面と反対側の両側の面をライナで挟んであり、周知である(例えば特公平4−26392号公報第2頁左欄第27行から第32行参照)。
【0027】
開口枠2は開口部1a内に取付部材Aで固定されている。この取付部材Aは開口枠2の上枠、下枠、竪枠の夫々に複数個設けられている。これらの取付部材Aは協動して開口枠2を不動としている。
【0028】
図1は取付部材Aの後付工法の場合の見込方向の縦断面図である。図2、図3は開口枠2の上枠側における取付部材Aによる開口枠2を開口部1aへの取り付けを示す見込方向の縦断面図である。開口枠2へ取付部材Aを先付工法、又は後付工程の何れで取り付ける場合も、図2,図3に示すように同一に表わされる。
【0029】
ここで、取付部材Aの先付工法とは、取付部材Aを開口枠2に取り付けた後に開口枠2を開口部1a内に挿入する工程である。取付部材Aの後付工法とは開口枠2を開口部1aに挿入し位置決めして仮固定した後に、取付部材Aを開口枠に取り付ける工法である。
【0030】
開口部1aを有するコンクリートの躯体1と、躯体1の開口部1aに外周2aが間をおいて挿入されるアルミサッシの開口枠2と、取付部材Aと、を有するものにおいて各部は次の構成を有する。
【0031】
躯体1は鉄筋コンクリート造りの建物の躯体のことであり、窓等のための開口部1aを有する。開口部1aの内周1bは外部側に回り縁1dが躯体1の打設時に躯体1の一部として一体に設けてある。
【0032】
内周1bは躯体1の内壁面1hに対して直角である。開口部1aは見込方向から見て方形であり、内周1bと開口枠2の外周2aとは数センチメートルの間をおいている。
【0033】
図1を参照して、開口枠2は上枠、下枠、竪枠がアルミサッシの押出し形材で形成されており、詳細な説明は省略するが内側に嵌め殺し、引き違い、開き等の障子が設けられる。開口枠2を躯体1に取り付ける際、通常は障子は取り外しておく。開口枠2の外周2aには条溝2bが設けてある。本例ではサッシ枠材の押出し方向に長い条溝2bとして広幅のT溝である。開口枠2の外周2aのT溝は、上枠、下枠、竪枠においては開口部1aの内周1bとほぼ平行な見込方向の平らな面上に外周2aの外面2a1(図1参照)があるため、条溝2bの開口(口部)2b1は開口部1aの内周1bを正面に見て開口している。ただし、開口部1aの下縁の内周は外下りで回り縁のない場合もある。
【0034】
開口枠2の下枠の内周(図示されない)は内外部方向で見て外下りとなるので、条溝2bの開口2b1は開口部1aの内周1bに対してくい違い斜めに向って対向する(図には示されない)場合もあり、又は、内部側、外部側の外周2aを水平方向の内周1bと平行とする場合もある。ただし、下枠の内外部分間の傾斜は小さい。本例では、下枠においても見込方向の外部側と内部側の外周2aの最も外側の面は開口部1aの内周1bと平行な平面(水平面)上にある。従って、見込方向の外部側と内部側の外周2aのリップ2eに係合する取付部3dは開口部1aの内周1bに平行であるので下枠側に取り付けるサッシアンカー3のねじ部材支持部3cは開口部1aの内周1bとほぼ並行する。また、開口枠2の下枠の条溝2bをなすT溝は底が凹凸である。これは下枠は少くとも水返しを設けることによる。なお、開口枠2の内部側と外部側の外周2aの外面が開口部1aの内周1bに対して傾いているときは両腕部3f(図4参照)の長さを異なる長さとしてねじ部材支持部3cを水平方向の内周1bに平行とする。
【0035】
また、開口部1aの下縁の内周1bが外部側が内部側よりも下るような斜面である場合、ねじ部材支持部3dは内周1bと平行とし、穴1cは内周1bに直交させる。
【0036】
(取付部材)
取付部材Aはサッシアンカー3とねじ部材4とを有する。
【0037】
(サッシアンカー)
図1から図3では開口枠2の上枠が示されている。上枠にあっては条溝2bの底は全体としては平らであるが中間部が中高面2b2となっていて、左右の平面2b3との段部にタッピング穴2b4が設けてある。
【0038】
サッシアンカー3は取付部3d、両腕部3f、ねじ部材支持部3cを有する。
【0039】
取付部3dは図4に示すように平板状のフランジを切り起こしたものである。両側のフランジ部分ではこの切り起し部分は切り目3d1を境に両側のフランジ部分で互に反対側を曲げ片3d2としている。切り目3d1を境にして隣る平板片3d3は両側のフランジ部分で一平面上にある。平板片3d3とねじ部材支持部3cは平行平面である。切り目3d1はねじ部材4の中心線を含む平面上にある。
【0040】
曲げ片3d2、平板片3d3は先端の位置が揃っている。サッシアンカー3の長さLは条溝2bの開口2b1の対向間隔よりも大きく、条溝2bの溝幅より小さい。曲げ片3d2と平板片3d3は切り目3d1を境にして図2に示すように上下に分かれており隙間hが設けてある。この隙間hに開口枠2のリップ2eが入る形となる。隙間hはサッシアンカー3の中央(めねじ3bのある部分)から見て端部へ行く程拡がっている。隙間hのあることにより、図2に示すように、曲げ片3d2と平板片3d3は二股を構成する。
【0041】
隙間hの最大となる端部での値は開口枠2の外周2aのリップ2eの厚さよりも大である。一方、条溝2bの開口2b1の対向間隔に一致する位置よりも開口2b1内においては取付部3dはリップ2eの厚さよりも隙間hの方が小さい。
【0042】
ねじ部材支持部3cは開口部1aの内周1bに平行している。ねじ部材支持部3cは取付部3dから内周1b側へ両腕部3fでもって突出している。
【0043】
ねじ部材支持部3cにはその板面に直角にめねじ3bが設けてある。めねじ3bは躯体1の内周1bに対して直角方向となる。サッシアンカー3はめねじ3bを中心として対称形状である。取付部3dはサッシアンカー3の板面を直角に見るとき、めねじ3bの中心を中心として点対称形である。めねじ3bはねじ部材支持部3cに溶接にて固定されたナット12のめねじと連続している。又は、めねじ3bはナット12のみとし、ねじ部材支持部3cには後述のねじ部材4の嵌合する丸穴を設けるようにしてもよい。以下、めねじ3bに関しては同様である。
【0044】
ここでサッシアンカー3は板金で作られている。サッシアンカー3の図2において見込方向長さは、例えばほぼ75ミリメートルである。幅は開口枠2の条溝2bの開口2b1の対向部の幅以内である。
【0045】
(ねじ部材)
サッシアンカー3のめねじ3bにはねじ部材4がねじ込まれている。ねじ部材4は長ねじを切断したものである。ねじ部材4としては図2、図3に示す丸棒の外周にねじを備える場合が通常であるが図5に示す角棒の角にねじを設けた形状としてもよい。角棒の角にねじを設けたねじ部材4によれば特に工具柄を設けなくてもスパナで回転できるため、めねじ3bとねじ部材4のねじ嵌合がタイトであってもねじ部材4を回転し得る。ねじ部材4は躯体1に固定される躯体固定具である。この駆体固定具は開口枠躯体への取付工程の最後に駆体に固体される。
【0046】
(開口枠の躯体への取付工程)
上述のような構成のアルミサッシの躯体への取付構造についての取付作業について説明する。
【0047】
図6に示すように躯体1の開口部1a内に開口枠2が収容されて、開口枠外周2aと開口部内周1bとの間に設けたくさびアセンブリ11でもって開口枠2が位置決めされて支持される。このくさびアセンブリ11でもって開口枠2を支持する前に開口部1aの内周1bに穴1cを穿孔する(図1から図3参照)。穴1cとしては例えばねじ部材4が直径8ミリメートルの場合に直径15ミリメートル程度が必要である。これは開口枠2の見込方向の位置決め調整を行うためと、穴1cの見込方向位置の穿孔位置の誤差を吸収するため、及び接着剤施工の作業性等を考慮して定める。穴1cの深さは本例では25ミリメートルである。穴1cの穿孔はコンクリートドリルを用いる。
【0048】
穴1cを穿孔した後は、開口枠2に予め取付部材Aを取り付けておいてから、取付部材A付の開口枠2を開口部1aに挿入してくさびアセンブリ11で位置決め支持する取付部材先付け工法を先ず説明する。
【0049】
取付部材Aを図6に示す位置に開口枠2の外周2aに取り付ける。本例では上枠、下枠に夫々2個所、各竪枠に夫々4個所において取付部材Aを開口枠2の外周2aに取り付ける。
【0050】
開口枠2の外周2aへの取付部材Aの取り付けは図2に示すねじ部材4を中心にして取付部材Aを90度回動した位置で行われる。サッシアンカー3の長手方向を開口枠2の条溝2bの溝方向に合せる。次にサッシアンカー3を外周2aに直交する方向に移動して、サッシアンカー3の両端の曲げ片3d2と平板片3d3間の二股を構成している隙間hを開口枠2の条溝2bを構成するためのリップ2eに合わす。
【0051】
次に、開口枠2の外側から外周2aに直角方向から見て取付部材Aを反時計回りに回動して行くと、サッシアンカー3の上記隙間hは開口枠2の外周2aの条溝2bの開口2b1(口部)を構成するリップ2eに嵌合する。そこで更に回動すると切り目3d1において曲げ片3d2と平板片3d3間の隙間hは奥へ行く程幅が次第にせまくなり、最奥では0(ゼロ)となるので、リップ2eを切り目3d1において曲げ片3d2と平板片3d3で挟持する。この隙間hの曲げ片3d2と平板片3d3の夫々の切り目3d1がなす角度(図2,図3で示される曲げ片3d2の下面と平板片3d3の上面とのなす角)は小さいのでリップ2eはくさび作用で曲げ片3d2と平板片3d3とで強く加圧される。そこで、サッシアンカー3は強固に開口枠2の外周2aに取り付け得る。このとき、サッシアンカー3の最初から回動角は90度近くである。回動角は90度を越えることがないようにサッシアンカー3における取付部3dの位置は定められている。
【0052】
図6に示す位置において図2に示すように取付部材Aを取り付けられた開口枠2が開口部1a内に挿入されている。
【0053】
その後、くさびアセンブリ11で開口枠2は開口部1aに対して位置決め後、仮固定されている。
【0054】
取付部材Aを開口枠2に取り付ける際は、開口枠2が開口部1a内でくさびアセンブリ11で位置決めされた時にねじ部材4が穴1cと一致する所定位置へ取り付けてあるので、ねじ部材4は開口部内周1bの穴1cに一致する。取付部材Aの開口枠2への取付位置によってねじ部材4と穴1cが一致しないときは開口枠2の周方向(サッシ枠材の長手方向)に取付部材Aを移動できる。取付部材Aを移動するときは、サッシアンカー3の曲げ片3d2、平板片3d3のある側を軽くハンマーでたたいて取付部材Aを開口枠2に取り付けたときとは逆にねじ部材4を中心にして回動して、取付部材Aの開口枠2への固定を弛めてサッシ枠材の長手方向に移動する。そして、ねじ部材4が穴1cに一致する位置で取付部材Aを開口枠2に固定する。
【0055】
次に図2においてねじ部材4(この場合右ねじ)を回転して穴1cに向けて移動させ、図3に示すようにねじ部材4を穴1c内に進入させる。このとき、室内側から、サッシアンカー3と開口部1aの内周1b間の空間を通じて、ねじ部材4を回転させる。この回転は指先でつまんで回転する、プライヤー又はラジオペンチ等のつかみ工具でつかんで回転させる、等があるが開口部1aの内周1b面に沿った平面内で指先、つかみ工具が動き、指先、つかみ工具の動きを邪げる物がないので作業性がよい。なお、ねじ部材4が図5に示す角形断面の場合は、指先で回し易く、スパナを用いることもできる。
【0056】
ねじ部材4の後端4aがサッシアンカー3のめねじ3bから外れない状態の限界位置まで、ねじ部材4が穴1cに挿入された後に穴1cに接着剤を充填する。接着剤が硬化することにより、開口枠2は取付部材Aを介して躯体1に固定される。
【0057】
ここで接着剤としては例えばアンカー用の接着剤HIT−HY150又はRE−500(日本ヒルテイ株式会社、商品型式名)を用いる。
【0058】
図3に示すように、開口枠2が躯体1に固定された後に、開口枠2の外側材2dと躯体1の回り縁1dの内側面1eとの間にシール材5を嵌合する。ただし、シール材5は図2に示すように開口枠2を開口部1aに挿入した際に施工してもよい。シール材5としては例えばポリサルファイド系シーリング材、変成シリコーン系シーリング材が用いられる。
【0059】
かくして開口枠2が開口部1a内において躯体1に対して固定された後は、内壁面1h、開口部内周1bにわたり湿式又は乾式の内装材の施工をする。湿式の場合は、先ず、モルタルを開口部内周1bと開口枠2の外周2a間に施工して固めた上で内装が施工される。そしてその後開口枠2の室内側において開口枠2の内側面に内装材の取り合いの施工がなされる。
【0060】
次に図1に示すように開口枠2を開口部1aに挿入した後に取付部材Aを開口枠2に取り付ける取付部材後付け工法について説明する。
【0061】
くさびアセンブリ11で位置決めし、図1に示すように開口枠2のみを開口部1aに挿入すると開口枠2の外周2aの室内側の外周面2a1と開口部1aの内周1bとの間には数センチメートルの間Sがあいている。
【0062】
この間Sから取付部材Aを挿入する。取付部材Aのねじ部材4は全長が間Sを通過し得るように、間Sよりもわずかに小さい長さとしておく。ねじ部材4の長さはサッシアンカー3の高さである平板片3d3とねじ部材支持部3c間のねじ部材4に平行な距離よりも大であるとしても間Sよりも小であるから、図2に示すようにねじ部材4の後端4aを平板片3d3の下面よりも下方へ突出しておくことにより、サッシアンカー3は間Sから開口枠2の外周2aと開口部内周1bとの間に挿入し得る。
【0063】
その後予め取付部材Aを取り付けた開口枠2を開口部1a内へ挿入した取付部材先付け工法の開口枠2への取付部材Aの取り付けと同様にして取付部材Aを開口部1aに取り付ける。その後の工程は既にのべた処と同様である。
【実施例2】
【0064】
図7は実施例2の縦断面図である。この実施例2では取付部3dが図示のようにリップ2eに滑合する条溝3eを備えている。
【0065】
サッシアンカー3は上記を除くと実施例1と同様である。本例でのサッシアンカー3はアルミ押出型材が用いられている。
【0066】
取付部材先付工法、後付工法共にサッシアンカー3の開口枠2へ固定は取付部3dの条溝3eの幅をせばめるように取付部3d両側をラジオペンチ等で加圧してかしめる。サッシ枠材の長手方向において取付部3dの両側のリップ2eを局所的に曲げカシメによる。
【0067】
取付部材先付工法では上枠、下枠の長手方向の端部のリップ2eをサッシアンカー3が入り得るだけ切り欠いておく。
【0068】
開口枠2への取付部材Aの取り付けは、リップ2eに対して取付部材先付工法では竪枠には端部から条溝3eを嵌合し条溝3eをリップ2e上に滑動させて取付部材Aを開口枠2の所定装置に位置させる。上枠下枠へは端部の切り欠部分からリップ2eに条溝3eを嵌合させてリップ2e上を滑動させて取付部材Aを開口枠2の所定位置に位置させる。
【0069】
取付部材Aの開口枠2に対する所定位置が図6に示すように定まると、上述した曲げかしめ等でサッシアンカー3を開口枠2に固定する。
【0070】
その後の躯体1への取付部材Aを介した開口枠2の取付け作業は実施例1に示したとおりである。
【0071】
取付部材後付工法では竪枠では端部からサッシアンカー3を入れ得るように竪枠端部のリップ2eを切り欠いておく。上枠下枠は長手方向の中央部でリップ2eを切り欠いておく。この切り欠きから取付部材Aの条溝3eをリップ2eに嵌合して、リップ2e上に条溝3eを滑動してねじ部材4が穴1cと一致する位置に夫々配置して上述したかしめ等でサッシアンカー3を開口枠2に固定する。
【0072】
かくして図2と同様に穴1cにねじ部材4がほぼ一致した後は、実施例1同様、ねじ部材4を回して前進して穴1cに挿入し、穴1cに接着剤を充填する。
【実施例3】
【0073】
この実施例3は図8に示すように実施例1における取付部3dが条溝2bを構成するリップ2eの下側へ入るガイド片3d4となっているものである。ガイド片3d4はリップ2eと平面2d3との間に丁度嵌合する。
【0074】
その他の点は実施例2と同様である。
【実施例4】
【0075】
この実施例4は各実施例1から3の何れか1つにおいて躯体固定具であるねじ部材4の構成を変えたものである。図9は実施例1において本実施例のねじ部材4を用いている。
ねじ部材4は外側ねじ部材6と内側ねじ部材7を有する。
外側ねじ部材6はねじ部材支持部3cのめねじ3bにねじ込まれるおねじ部6aを有する。おねじ部6aの長さはねじ部材支持部3c上面から開口枠2の中高面2b2までの距離に等しい。図において外側ねじ部材6はおねじ6aの上端よりも上方へ突出して工具柄6bを設けてある。工具柄6bの外周は例えば六角形となっている。外側ねじ部材6の上端は端板6cとなっている。端板6cの中心部には円筒形の穴6dがあいている。外側ねじ部材6には円筒形の穴6dよりも内径の大きなめねじ6eが端板6cに続いて長手方向の残りの部分に設けてある。
外側ねじ部材6のめねじ6eに内側ねじ部材7のおねじ部7aがねじ込まれている。図9に示すようにめねじ6eの長さよりも短いおねじ部7aがめねじ6eの口部にねじ込まれている。このとき、内側ねじ部材7の上端は外側ねじ部材6の端板6cよりも上方に突出している。
内側ねじ部材7の上方への突出部は断面六角形の工具柄7bである。工具柄7bとおねじ部7aとの間は円筒部7cとなっている。円筒部7cは外側ねじ部材6の穴6dに滑合している。
各おねじ部6a,7aのねじ勝手は同方向である。本例では右ねじである。
【0076】
本例も図9の形で取付部材Aを開口枠2に取り付けるが取付部材先付け、後付けにおいて図のとおりとなるまでの作用は実施例1と同じである。図9において開口部1aの内周1bとサッシアンカー3との間から、内側ねじ部材7の工具柄7bを指先又は工具で回転するとおねじ部7aは外側ねじ部材6のめねじ6eにねじ込まれているので内側ねじ部材7は穴1cに向かって前進する。このとき、外側ねじ部材6は通常回らない。即ち、外側ねじ部材6のおねじ部6aのねじ径は内側ねじ部材7のおねじ部7aのねじ径よりも大きく、外側ねじ部材6のおねじ部6aとサッシアンカー3のめねじ3bとからなるねじ対偶と、内側ねじ部材7のおねじ部7aと外側ねじ部材6のめねじ6eとからなるねじ対偶では、前者を回すトルクの方が後者を回すトルクよりも大きいからである。
内側ねじ部材7の上記前進により、おねじ部7aが端板6cに衝接する。この後は、内側ねじ部材7を回してもよいし、外側ねじ部材6の工具柄6bを指先又は工具で回してもよい。これによって、外側ねじ部材6と内側ねじ部材7は一体となって回転する。
外側ねじ部材6は回されると外側ねじ部材6から限度いっぱいに突出した内側ねじ部材7を随伴して穴1cに向かって前進する。穴1cには外側ねじ部材6から突出した内側ねじ部材7が挿入される。なお、穴1cを大きくして外側ねじ部材6の先端部分まで穴1cに挿入するようにすることも可能である。
その後、穴1cに接着剤を充填する。
本例によれば、サッシアンカーから外側ねじ部材6と内側ねじ部材7からなる躯体固定具の突出量を大きく取れるので、取付部材Aの開口枠からの高さを小さくできる。それ故、取付部材Aの先付け工法の場合は取付部材Aを取り付けた開口枠を開口部に挿入し易い。取付部材Aの後付け工法の場合も、開口部と開口枠間を通じて、取付部材Aを開口枠に取り付け易く、作業性が向上する。また、躯体固定具は穴1cに長く挿入されるので躯体に躯体固定具が強固に固定される。
【実施例5】
【0077】
次にスチールサッシについての実施例について図10を用いて説明する。この実施例5は開口枠2が鋼板製の場合である。図は上枠の断面が示されている。本例では上枠、下枠、竪枠は断面が同形状である。この実施例5は開口枠2内に玄関ドア8を設ける場合である。
【0078】
図10には開口枠2の上枠が示されている。開口枠2の上枠は図10の紙面に直交する方向に延在している。開口枠2の内周は段形となっていて外側内周2f、内側内周2gが段部2hでつらなっている。開口枠2の内側材2iは内側内周2gから上方へ折曲し内部側に面しており、上端は板材を切断した縁2i1となっている。外側材2jは外側内周2fから上方へ折曲している。外側材2j上端は内部側へ折曲して外周2kとなっている。外周2kの縁は板材を切断した縁2k1となっている。
【0079】
サッシアンカー3は全体としてアングル形状の板材であり、板金製である。サッシアンカー3はねじ部材支持部3cにめねじ3bが設けてある。サッシアンカー3を開口枠2に取り付けた状態では、平板状のねじ部材支持部3cは各内周2f,2g、外周2kと平行している。
【0080】
ねじ部材支持部3cの外部側端部には取付部3gが設けてある。ねじ部材支持部3cの内部側端部は折曲して、折曲した部分に取付部3gが設けてある。
【0081】
図11に示すように取付部3gは内外部方向に切り目3g1を平行して設けて、両切り目間を曲げ起こして曲げ片3g3としてある。切り目3g1を境にして曲げ片3g3に隣接して平板片3g2が夫々設けてある。平板片3g2と曲げ片3g3は切り目3g1位置において板面に直角方向の隙間iが設けてある。
【0082】
取付部3hはねじ部材支持部3cとは直角な平板片3h2を切り目3h1で切断して曲げ起こして曲げ片3h3としてある。平板片3h2と曲げ片3h3は切り目位置において板面に直角方向の隙間jが設けてある。平板片3h2には穴3iが設けられている。
【0083】
ねじ部材支持部3cのめねじ3bには躯体固定具であるねじ部材4がねじ込まれている。
【0084】
本例ではサッシアンカー3とねじ部材4とからなる取付部材Aを先付けした開口枠2を開口部1aに取り付ける。
【0085】
開口枠2は開口部1a外において外周が開放された状態で取付部材Aを取り付ける作業を行う。
【0086】
図10において説明すると、ねじ部材4は取り外しておくか、ねじ戻して上の方へ移動しておく。取付部3hの曲げ片3h3を内側材2iの縁2i1よりもわずかに上になるようにサッシアンカー3を持ち、開口枠2の外周2kの縁2k1にサッシアンカー3の隙間iを一致させて、サッシアンカー3を押し付けると平板片3g2と曲げ片3g3が縁2k1を挟持する。そして、曲げ片3h3が開口枠2の内側材2iの縁2i1を越えて平板片3h2は内側材2iに当るので、取付部3hを下方へ向かって押すと、縁2i1は平板片2h2、曲げ片3h3で挟持される。ここで、穴3iを挿通して予め内側材2iに設けてあるめねじに小ねじ9をねじ込み、サッシアンカー3を開口枠2に固定する。
【0087】
上記によって取付部材Aは開口枠2に固定される。ただし、サッシアンカー3の取付部3g,3hを開口枠2の縁2k1,2i1に夫々溶接してもよい。この場合、開口枠2にサッシアンカー3を先付けするので内側材2iとサッシアンカー3を溶接するのも容易である。
【0088】
かくして開口枠2の周囲に取付部材Aを取り付けた後は、ねじ部材4をねじ込んで後端4aを内側内周材2gに近づけて、ねじ部材4のねじ部材支持部3cからの突出量を小さくする。
【0089】
かくして取付部材Aを周囲に配設された開口枠2を開口部1aに挿入して、くさびアセンブリ11で位置決めし仮固定した後は、ねじ部材4をねじって穴1cに進入させ、穴1cに接着剤を充填する点は前実施例と同様である。
なお、内側材2iの縁2i1を縁2k1に向って折曲した開口枠2とした場合には、リップ2eを用いてサッシアンカー3を取り付ける前実施例を採用できる。
【実施例6】
【0090】
図12に実施例6の斜視図を示す。この実施例6は開口枠2の竪枠について示してある。既にのべた実施例とは異なる点のみを説明する。
【0091】
サッシアンカー3は既にのべた実施例と同様であるが、ねじ部材支持部3cの背部に補強板3jを当ててある。ねじ部材4にはナット13がねじ込まれている。
【0092】
取付部材Aに取り付けられた状態でねじ部材4を躯体1の穴1aに挿入して接着剤を穴1aに充填すると共に同接着剤をねじ部材支持部3cのめねじ3b回りに塗布する。そしてナット13を回転してねじ部材4b上を移動してねじ部材支持部3cに当てる。接着剤の固化によりナット13はサッシアンカー3に固着される。
【0093】
図13は開口枠2の下枠についての実施例である。上記と同様のほかにサッシアンカー3が下枠の条溝2mにねじ支持部材3cの端部が嵌合している。また、取付部3dはリップ2eを挟持している。
【0094】
この実施例6によればねじ部材4とサッシアンカー3が強固に固定される。
【産業上の利用可能性】
【0095】
サッシアンカーは薄板鋼板のブランクを、打ちぬきと、切り起しと、ねじ切りで製作できるので、大量に用いられるサッシアンカーに好適である。又は、サッシアンカーはアルミ押出型材を切断してもよいので、同効がある。
【0096】
そして取付部材はサッシアンカーにねじ部材をねじ込むだけであり、組立性がよい。
【0097】
開口部内周には突出物がないので開口枠を開口部へ挿入する作業性にすぐれている。
【0098】
開口枠2を開口部1a内に挿入後の作業では、特にねじ部材の回し勝手がよく、ねじ部材を容易且つ迅速に開口部の内周の穴に挿入できる。また、開口部の内周の穴へ充填する接着剤も間Sからノズル部分を挿入して容易にノズル先端を開口部の内周の穴に一致させることができる。故に、このコンクリート躯体の開口部にアルミサッシの開口枠を取り付ける構造は施工性にすぐれる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】取付部材後付けの場合の実施例の縦断面図である。
【図2】取付部材が開口枠に取付けられた状態での縦断面図である。
【図3】取付部材により開口枠を躯体へ取り付ける過程を示す縦断面図である。
【図4】取付部材の斜視図である。
【図5】ねじ部材の他の実施例の斜視図である。
【図6】躯体の開口部への開口枠の取り付けを示す正面図である。
【図7】実施例2の縦断面図である。
【図8】実施例3の縦断面図である。
【図9】実施例4の縦断面図である。
【図10】実施例5の縦断面図である。
【図11】実施例5の取付部材の斜視図である。
【図12】実施例6の斜視図である。
【図13】実施例6の斜視図である。
【符号の説明】
【0100】
A…取付部材 h,i,j…隙間 L…サッシアンカーの長さ
S…間
1…躯体 1a…開口部 1b…内周 1c…穴 1d…回り縁 1e…内側面 1h…内壁面
2…開口枠 2a…外周 2a1…外周面 2b…条溝 2b1…開口 2b2…中高面 2b3…平面 2b4…タッピング穴 2d…外側材 2e…リップ 2f…外側内周 2g…内側内周 2h…段部 2i…内側材 2i1…縁 2j…外側材 2k…外周 2k1…縁 2m…条溝
3…サッシアンカー 3b…めねじ 3c…ねじ部材支持部 3d…取付部 3d1…切り目 3d2…曲げ片 3d3…平板片 3d4…ガイド片 3e…条溝 3f…両腕部 3g…取付部 3g1…切り目 3g2…平板片 3g3…曲げ片 3h…取付部 3h1…切り目 3h2…平板片 3h3…曲げ片 3i…穴 3j…補強板
4…ねじ部材 4a…後端
5…シール材
6…外側ねじ部材 6a…おねじ部 6b…工具柄 6c…端板 6d…穴 6e…めねじ
7…内側ねじ部材 7a…おねじ部 7b…工具柄 7c…円筒部
8…玄関ドア
9…小ねじ
11…くさびアセンブリ
12…ナット
13…ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートの躯体1の開口部1aに開口枠2を仮固定してその後に取り付ける構造であって、
a.内周1bに有底の穴1cを設けた開口部1aを有するコンクリートの躯体1と、
b.躯体1の開口部1aに外周2aが間をおいて挿入される開口枠2と、
c.開口枠2の外周2aの見込方向の両端側に夫々係合する取付部3dと、取付部3d間において躯体1の有底の穴1cに挿入可能な躯体固定具のねじ込まれるめねじ3bを有し、めねじ3bを設ける位置において開口部1aの内周1bと開口枠2の外周2aとの間に位置するねじ部材支持部3cと、を有するサッシアンカー3と、
d.サッシアンカー3のめねじ3bにねじ込まれるねじ部材4である躯体固定具と、を有し、
躯体固定具をサッシアンカー3のめねじ3bにねじ込んで取付部材Aとし、開口部1a内で取付部材Aが取り付けられた開口枠2が躯体1に対して仮固定された状態において、躯体固定具を回転して前進させて躯体1の有底の穴1cに挿入し、接着剤を躯体1の有底の穴1cに充填することを特徴とする開口枠の躯体への取付構造。
【請求項2】
開口枠2の外周2aにはサッシ枠材の押出し方向に長い条溝として広幅のT溝が設けられ、サッシアンカー3の両側の取付部3dは、該T溝を構成するリップ2eを挟持して係脱可能な二股を有し、サッシアンカー3は、両側の取付部3dをサッシ枠材の長手方向に従ってT溝の口部に合せ、開口枠2の外周2aに直交する中心線を回動の中心としてほぼ90度だけ回動し、T溝の両側のリップ2eに両側の取付部3dの二股を係止することによりサッシアンカー3を開口枠2に取り付けることを特徴とする請求項1に記載の開口枠の躯体への取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−231542(P2007−231542A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51906(P2006−51906)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000005005)不二サッシ株式会社 (118)
【Fターム(参考)】