説明

開口部入隅下地材、開口部下地構造および壁面開口部構造

【課題】容易に縦出隅と横出隅を湾曲した面取形状にすることができ、かつ、建築施工から時間が経過した場合であっても壁面開口部の入隅において良好な意匠を維持することができる開口部入隅下地材を提供する。
【解決手段】開口部入隅下地材200は、L字型に形成され、建物の壁面開口部を形成するための柱基材10と梁基材20との入隅に配置される。開口部入隅下地材200のL字型の一端側を形成する縦下地本体部210は、柱基材10の角部のうち入隅側部位に沿って配置され、壁面開口部の縦出隅を湾曲した面取形状に形成し、直線状縦出隅下地材110に対して連続して配置される。開口部入隅下地材200のL字型の他端側を形成する横下地本体部220は、梁基材20の角部のうち入隅側部位に沿って配置され、壁面開口部の横出隅を湾曲した面取形状に形成し、縦下地本体部210に一体的に形成され、直線状横出隅下地材120に対して連続して配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の壁面開口部を形成するための柱基材と梁基材との入隅に配置される開口部入隅下地材、その開口部入隅下地材を用いた開口部下地構造、および、その開口部下地構造を用いた壁面開口部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の壁面開口部の出隅を湾曲した面取形状、例えばR面取りが施された形状に形成するために、非特許文献1に記載されている直線状の出隅下地材が用いられる。この直線状の出隅下地材は以下のように建物に施工する。柱基材の角部に直線状の出隅下地材を位置決めし、出隅を形成する2つの石膏ボードを取り付け、その後に内装クロスを貼り付けることで、壁面開口部の出隅を湾曲した面取形状にすることができるというものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】フクビ化学工業株式会社、“内装建材−内装下地材−エココーナーライン(登録商標)先付けタイプ”、[online]、[平成22年3月16日検索]、インターネット< http://www.fukuvi.co.jp/product/218.php>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この直線状の出隅下地材は、建物の壁面開口部の縦出隅と横出隅のうち、例えば縦出隅のみに使用されていた。ところで、建物の壁面開口部のうち縦出隅のみならず、縦出隅に連続して横出隅も湾曲した面取形状にしたいという要請がある。このような場合に、非特許文献1に記載の直線状の出隅下地材をそのまま用いることはできない。柱基材と梁基材との入隅において、縦出隅を形成するための直線状の出隅下地材と横出隅を形成するための直線状の出隅下地材とが段差のないように連続的となるように出隅下地材を切断し、切断した面を突き合わせて施工する必要がある。
【0005】
つまり、直線状の出隅下地材の端部の切断形状は、直線状の出隅下地材の延びる方向に対して傾斜した面としなければならない。しかしながら、建築施工現場にて直線状の出隅下地材の端部を所望の傾斜した面状に切断することは容易ではない。従って、建築施工現場にて切断した場合、縦出隅を形成するための直線状の出隅下地材と横出隅を形成するための直線状の出隅下地材とを綺麗に段差のないように設置することができない。これでは、内装クロスを貼り付けたときに、出隅下地材の切断面を突き合わせた部位である入隅の部分に隙間ができてしまい、しわのないように施工することができない。
【0006】
ここで、直線状の出隅下地材の端部を建築施工現場ではなく工場において予め切断することが考えられる。この場合には、直線状の出隅下地材の端部を所望の角度に切断することができる。しかしながら、この直線状の出隅下地材は、建築施工現場において長さの調整が必要となることが多いため、結局のところ建築施工現場において傾斜した角度に切断することが求められる。
【0007】
仮に、長さの調整が不要であるとして、予め工場において直線状の出隅下地材を傾斜した形状に切断しておくとしても、以下の問題が生じる。建築の柱梁架構体は、建築施工時から時間が経過すると、僅かながら変形することがある。そのため、建築施工時において縦出隅を形成するための直線状の出隅下地材と横出隅を形成するための直線状の出隅下地材とが当接する入隅部分にずれや隙間がないとしても、その後の時間経過に伴って、縦出隅を形成するための直線状の出隅下地材と横出隅を形成するための直線状の出隅下地材との突き合わせ部分にずれや隙間が生じるおそれがある。そうすると、その直線状の出隅下地材の表面側に貼り付けている内装クロスにしわや亀裂が形成されるおそれがある。このように、直線状の出隅下地材を用いたのでは、壁面開口部の入隅において良好な意匠を維持できない。なお、上記においては、建物の内装について記載したが、建物の外装においても同様の問題が生じる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、建物の壁面開口部の縦出隅と横出隅とを容易に湾曲した面取形状にすることができ、かつ、建築施工から時間が経過した場合であっても壁面開口部の入隅において良好な意匠を維持することができる開口部入隅下地材を提供することを目的とする。また、当該開口部入隅下地材を用いた開口部下地構造、さらには当該開口部下地構造を用いた壁面開口部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、建物の壁面開口部を形成するための柱基材と梁基材との入隅に取り付けることができるL字型の開口部入隅下地材を思いついた。つまり、下地材を予めL字型に形成しておくことで、建築施工から時間が経過した後であっても入隅に貼り付けている内装クロスなどにしわや亀裂ができることを防止できる。また、この開口部入隅下地材は、L字型の両端部で、非特許文献1に記載の直線状の出隅下地材に連続して配置することができる。その際、直線状の出隅下地材を傾斜した角度に切断する必要がない。また、非特許文献1に記載の直線状の出隅下地材を垂直に切断して、これの長さを調整することができる。さらに、傾斜した角度に切断した面を突き合わせて施工する必要がなくなる。従って、建物の壁面開口部の縦出隅と横出隅とを容易に湾曲した面取形状にすることができ、かつ、建築施工から時間が経過した場合であっても壁面開口部の入隅において良好な意匠を維持することができる。
【0010】
(請求項1)開口部入隅下地材に係る発明は、
建物の壁面開口部を形成するための柱基材と梁基材との入隅に配置され、直線状に形成され前記柱基材の角部のうち中央部位に沿って取り付けられ前記壁面開口部の縦出隅を湾曲した面取形状に形成するための直線状縦出隅下地材と直線状に形成され前記梁基材の角部のうち中央部位に沿って取り付けられ前記壁面開口部の横出隅を湾曲した面取形状に形成するための直線状横出隅下地材とにそれぞれ連続して設けられる開口部入隅下地材であって、
前記開口部入隅下地材は、L字型に形成されるとともに、さらに、
前記L字型の一端側を形成し、前記柱基材の角部のうち入隅側部位に沿って配置され、前記壁面開口部の前記縦出隅を湾曲した面取形状に形成すると共に、前記直線状縦出隅下地材に対して連続して配置される縦下地本体部と、
前記L字型の他端側を形成し、前記梁基材の角部のうち入隅側部位に沿って配置され、前記壁面開口部の前記横出隅を湾曲した面取形状に形成すると共に、前記縦下地本体部に一体的に形成され、前記直線状横出隅下地材に対して連続して配置される横下地本体部と、を備える。
【0011】
本発明の開口部入隅下地材は、縦下地本体部と横下地本体部とによりL字型に形成されている。従って、従来のような傾斜した角度に切断した面の突き合わせ部分自体が存在しない。これにより、建築施工から時間が経過して建物の柱基材と梁基材とが変形したとしても、一体的な部材である本発明の開口部入隅下地材の一部分がずれることはない。従って、本発明の開口部入隅下地材を柱基材と梁基材との入隅に配置することで、開口部入隅下地材の表面に内装クロスや外装モルタルなどを敷設した後において、内装クロスや外装モルタルなどの表面にしわや亀裂が入ることを防止できる。
【0012】
なお、縦下地本体部が直線状縦出隅下地材に対して連続して配置されるとは、縦下地本体部が直線状縦出隅下地材に当接した状態で、縦下地本体部と直線状縦出隅下地材とが連続性を確保していることを意味する。また、横下地本体部が直線状横出隅下地材に対して連続して配置されることについても同様の意味である。また、L字型とは、直角に交わるL字型の他に、L字型の角部が円弧により繋がれた形状や、多角形の1つ以上の辺により形成された形状を含む意味である。
【0013】
(請求項2)また、本発明の開口部入隅下地材は、前記L字型の一端である前記縦下地本体部の端部から前記入隅に対して遠ざかる方向に向かって突出し、前記縦下地本体部に一体的に形成され、前記直線状縦出隅下地材に嵌合される縦爪と、前記L字型の他端である前記横下地本体部の端部から前記入隅に対して遠ざかる方向に向かって突出し、前記横下地本体部に一体的に形成され、前記直線状横出隅下地材に嵌合される横爪と、を備えるようにしてもよい。
【0014】
縦爪を直線状縦出隅下地材に嵌合し、かつ、横爪を直線状横出隅下地材に嵌合することで、縦下地本体部と直線状縦出隅下地材との連続性、および、横下地本体部と直線状横出隅下地材との連続性を容易に確保できる。
【0015】
(請求項3)また、本発明の開口部入隅下地材は、前記縦下地本体部に一体的に形成され、前記縦出隅を形成するための2つの下地面材のそれぞれと前記柱基材との間に挟まれる縦フランジ部と、前記横下地本体部に一体的に形成され、前記横出隅を形成するための2つの下地面材のそれぞれと前記梁基材との間に挟まれる横フランジ部と、を備えるようにしてもよい。
【0016】
縦フランジ部および横フランジ部を下地面材と柱基材または梁基材とで挟むことで、開口部入隅下地材を柱基材または梁基材に対して、安定して取り付けることができる。これにより、開口部入隅下地材が柱基材または梁基材に対してずれることによって、内装クロスや外装モルタルなどに悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0017】
(請求項4)上記においては、本発明を開口部入隅下地材として捉えたが、本発明は、開口部入隅下地材を用いた開口部下地構造としても把握することができる。
すなわち、開口部下地構造に係る発明は、
建物の壁面開口部を形成するための柱基材と梁基材とを備える柱梁架構体と、
直線状に形成され、前記柱基材の角部のうち中央部位に沿って取り付けられ、前記壁面開口部の縦出隅を湾曲した面取形状に形成するための直線状縦出隅下地材と、
直線状に形成され、前記梁基材の角部のうち中央部位に沿って取り付けられ、前記壁面開口部の横出隅を湾曲した面取形状に形成するための直線状横出隅下地材と、
L字型に形成され、前記柱基材と前記梁基材との入隅に配置され、前記直線状縦出隅下地材と前記直線状横出隅下地材とにそれぞれ連続して設けられる開口部入隅下地材と、
を備える開口部下地構造であって、
前記開口部入隅下地材は、前記L字型の一端側を形成し、前記柱基材の角部のうち入隅側部位に沿って配置され、前記壁面開口部の前記縦出隅を湾曲した面取形状に形成すると共に、前記直線状縦出隅下地材に対して連続して配置される縦下地本体部と、前記L字型の他端側を形成し、前記梁基材の角部のうち入隅側部位に沿って配置され、前記壁面開口部の前記横出隅を湾曲した面取形状に形成すると共に、前記縦下地本体部に一体的に形成され、前記直線状横出隅下地材に対して連続して配置される横下地本体部と、を備える。
【0018】
(請求項5)また、本発明は、開口部下地構造を用いた壁面開口部構造としても把握することができる。すなわち、壁面開口部構造に係る発明は、建物の内装に適用された請求項4に記載の開口部下地構造と、前記開口部下地構造の表面を被覆する被覆材と、を備える。
【0019】
つまり、開口部下地構造および壁面開口部構造に係る本発明によれば、上述した開口部入隅下地材による効果と同様に、建物の壁面開口部の縦出隅と横出隅とを容易に湾曲した面取形状にすることができ、かつ、建築施工から時間が経過した場合であっても壁面開口部の入隅において良好な意匠を維持することができる。特に、壁面開口部構造に係る本発明によれば、内装の壁面開口部の入隅において上記効果を奏する。
また、開口部下地構造および壁面開口部構造に係る発明において、上述した開口部入隅下地材における爪に関する特徴およびフランジ部に関する特徴をそれぞれ適用することができる。この場合、当該開口部入隅下地材による効果と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】壁面開口部構造の各部材の組み付け位置を示す斜視図である。
【図2】直線状縦出隅下地材110および直線状横出隅下地材120を構成する直線状出隅下地材100を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は底面図である。
【図3】開口部入隅下地材200の斜視図である。
【図4】開口部入隅下地材200を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は右側面図であり、(c)は背面図であり、(d)は底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の開口部入隅下地材200、当該開口部入隅下地材200を用いた開口部下地構造、および、当該開口部下地構造を用いた壁面開口部構造を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0022】
(壁面開口部構造の概要)
図1を参照して、壁面開口部構造の概要について説明する。柱基材10と梁基材20とを備える柱梁架構体により、建物の壁面開口部を形成している。本実施形態の対象となる壁面開口部は、建物の内装であってもよいし、外装であってもよい。内装における壁面開口部は、例えば、キッチンとダイニングなどの隣り合う部屋を一部区画するための開口部や、掃き出し窓や腰窓などが設置される壁面開口部や、内装のニッチ(厚みのある壁をえぐって作ったくぼみ部分)の開口部などである。また、外装における壁面開口部は、例えば、玄関ポーチやテラスの開口部などである。つまり、壁面開口部は、左右両側に縦出隅(縦に延びる出隅)が形成され、左右両側の縦出隅の上端を繋ぐ横出隅(横に延びる出隅)が形成されている。また、壁面開口部は、左右両側の一方に縦出隅が形成され、この縦出隅の例えば上端に連続して横出隅が形成されている。さらに、腰窓における壁面開口部では、さらに、左右両側の縦出隅の下端を繋ぐ横出隅が形成されているものもある。
【0023】
そして、壁面開口部の入隅付近における各部材の組み付けは、図1のようになされている。ここで、以下の説明においては、説明の容易化のため一箇所の入隅について説明する。壁面開口部の入隅を形成するための柱基材10と梁基材20の入隅に開口部入隅下地材200が配置され、柱基材10の角部のうち中央部位に沿って直線状縦出隅下地材110が配置され、梁基材20の角部のうち中央部位に沿って直線状横出隅下地材120が配置される。そして、壁面開口部を形成するための壁面ボード30が柱基材10および梁基材20の正面に配置され、側壁面ボード40が柱基材10の内側側面に配置され、天面ボード50が梁基材20の天面に配置される。
【0024】
そして、直線状縦出隅下地材110および開口部入隅下地材200の一部により壁面ボード30と側壁面ボード40との突き合わせ部分、つまり壁面開口部の縦出隅の部分を湾曲した面取形状に形成する。さらに、直線状横出隅下地材120および開口部入隅下地材200の一部により壁面ボード30と天面ボード50との突き合わせ部分、つまり壁面開口部の横出隅の部分を湾曲した面取形状に形成する。このようにして開口部下地構造を形成する。このように形成された開口部下地構造の表面を内装クロスまたは外装モルタルなどにより被覆して、壁面開口部構造を形成する。
【0025】
(直線状出隅下地材)
次に、直線状出隅下地材100について、図2(a)(b)を参照して説明する。この直線状出隅下地材100は、非特許文献1に記載の部材に相当する。そして、この直線状出隅下地材100を、上述の壁面開口部構造における直線状縦出隅下地材110および直線状横出隅下地材120に用いている。つまり、直線状縦出隅下地材110と直線状横出隅下地材120は、直線状出隅下地材100を長さ調整して用いている。
【0026】
直線状出隅下地材100は、直線状に形成され、壁面開口部のうち出隅を湾曲した面取形状に形成するための下地材である。具体的には、直線状出隅下地材100は、出隅下地本体部101とフランジ部102とが一体的に樹脂成形されて構成されている。以下、各部について説明する。
【0027】
出隅下地本体部101は、90°の扇形の中空断面形状に形成されている。出隅下地本体部101のうち弧状部分が、出隅を湾曲した面取形状に形成する部分となる。さらに、出隅下地本体部101の扇形の中心部分には、図2(b)に示すようにL字断面状の切欠101aが形成されている。このL字断面状の切欠101aは、柱基材10または梁基材20の角部に当接する。
【0028】
フランジ部102は、出隅下地本体部101のL字断面状の切欠101aの両縁からそれぞれ張り出すように形成されている。フランジ部102とL字断面状の切欠101aとにより形成される形状は、柱基材10または梁基材20の角部に対応するように直角に形成されている。このフランジ部102は、柱基材10または梁基材20の角部に続く2つの面の各一部に当接する。
【0029】
この直線状出隅下地材100は、長手方向(図2(a)を正面視したときの上下方向)に直交するように切断することで、長手方向の長さを調整することができる。ここで、直線状出隅下地材100を当該長手方向に直交するように切断することは、傾斜した角度に切断する場合とは異なり、建築施工現場において容易に行うことができる。従って、直線状出隅下地材100の長手方向の調整が必要な場合、この調整のための切断は、建築施工現場において容易に行うことができる。
【0030】
(開口部入隅下地材)
次に、開口部入隅下地材200について、図3および図4を参照して説明する。開口部入隅下地材200は、L字型に一体的に樹脂形成され、建物の壁面開口部を形成するための柱基材10と梁基材20との入隅に配置される。つまり、開口部入隅下地材200のL字型の角部が、柱基材10と梁基材20との入隅に位置する。この開口部入隅下地材200は、縦下地本体部210と、横下地本体部220と、第一〜第三の縦爪231,232,233と、第一〜第三の横爪241,242,243と、縦フランジ部250と、横フランジ部260とが一体的に樹脂成形されて構成されている。以下、各部について説明する。
【0031】
縦下地本体部210は、L字型の一端側を形成し、直線状出隅下地材100の出隅下地本体部101と同様の90°の扇形の中空断面形状に形成されている。ただし、縦下地本体部210の扇形の一方の半径線分(第三の縦爪233が形成される側。後述する横下地本体部220においては、第三の横爪243が形成される側)が直線状出隅下地材100によって構成される直線状縦出隅下地材110の扇形の一方の半径線分に対して、僅かに扇形の中空部の内側に位置している。つまり、縦下地本体部210の扇形形状は、直線状出隅下地材100の出隅下地本体部101の扇形形状よりも僅かに小さな形状をなしている。ただし、縦下地本体部210の扇形の弧状部分は、直線状縦出隅下地材110の扇形の弧状部分と同一形状となるように形成されている。
【0032】
この縦下地本体部210のうち弧状部分が、出隅を湾曲した面取形状に形成する部分となる。さらに、縦下地本体部210の扇形の中心部分には、図3および図4(d)に示すようにL字断面状の切欠210aが形成されている。このL字断面状の切欠210aは、柱基材10または梁基材20の角部に当接する。なお、本実施形態においては、縦下地本体部210は直線形状のものを例示している。
【0033】
横下地本体部220は、L字型の他端側を形成し、縦下地本体部210と実質的に同一の断面形状に形成されている。すなわち、横下地本体部220の断面形状は、扇形形状をなし、その中心部分には図3および図4(b)に示すようにL字断面状の切欠220aが形成されている。そして、横下地本体部220と縦下地本体部210とが一体的に形成されて、一体的なL字型形状をなしている。
【0034】
第一〜第三の縦爪231,232,233は、板状で細長形状に形成され、縦下地本体部210の扇形の中空部の内周面に一体的に形成され、かつ、L字型の一端である縦下地本体部210の端部から入隅(L字型のコーナー部)に対して遠ざかる方向に向かってそれぞれ突出する。さらに、これら第一〜第三の縦爪231,232,233は、図1に示すように、直線状縦出隅下地材110の出隅下地本体部101に嵌合される。
【0035】
詳細には、第一の縦爪231の一部が、縦下地本体部210の扇形の弧状部分の内面に一体的に形成され、第一の縦爪231の残りの一部が、当該弧状部分から突出する。第二,第三の縦爪232,233の一部が、縦下地本体部210の扇形の半径線分のそれぞれの内面に一体的に形成され、第二,第三の縦爪232,233の残りの一部が、当該半径線分のそれぞれから突出する。このように第一〜第三の縦爪231,232,233は、縦下地本体部210に対して、金型を用いた樹脂成形によって一体的に形成されている。そして、第一〜第三の縦爪231,232,233それぞれの一部が縦下地本体部210の扇形の中空部の内周面を横下地本体部220側に連続して形成(図4の各図において、第一〜第三の縦爪231,232,233を示す実線に連続する破線参照)されることで、第一〜第三の縦爪231,232,233が縦下地本体部210を補強する役割を併せ持つことになる。
【0036】
さらに、第一〜第三の縦爪231,232,233は、直線状縦出隅下地材110の出隅下地本体部101の扇形の中空部に挿入しやくするために、先端ほど幅小に形成されている。さらに、第三の縦爪233の外側には、二個の畝状部233a,233bが形成されている。ここで、畝状とは、線状に幾筋もの高低がある状態を含む。つまり、畝状部233a,233bは、リブ状に形成されている。この畝状部233a,233bは、直線状縦出隅下地材110の出隅下地本体部101の扇形の中空部の内周面に対して押圧する。そうすると、第三の縦爪233は、畝状部233a,233bによる押圧に対する出隅下地本体部101の扇形の中空部の内周面からの反力によって変形する。これによって、第一および第二の縦爪231,232の外面が、出隅下地本体部101の扇形の中空部の内周面に押圧される。従って、第一〜第三の縦爪231,232,233と、出隅下地本体部101の扇形の中空部の内周面とが確実に嵌合される。
【0037】
第一〜第三の横爪241,242,243は、板状で細長形状に形成され、横下地本体部220の扇形の中空部の内周面に一体的に形成され、かつ、L字型の他端である横下地本体部220の端部から入隅(L字型のコーナー部)に対して遠ざかる方向に向かってそれぞれ突出する。さらに、これら第一〜第三の横爪241,242,243は、図1に示すように、直線状横出隅下地材120の出隅下地本体部101に嵌合される。
【0038】
詳細には、第一の横爪241の一部が、横下地本体部220の扇形の弧状部分の内面に一体的に形成され、第一の横爪241の残りの一部が、当該弧状部分から突出する。第二,第三の横爪242,243の一部が、横下地本体部220の扇形の半径線分のそれぞれの内面に一体的に形成され、第二,第三の横爪242,243の残りの一部が、当該半径線分のそれぞれから突出する。このように第一〜第三の横爪241,242,243は、横下地本体部220に対して、金型を用いた樹脂成形によって一体的に形成されている。そして、第一〜第三の横爪241,242,243それぞれの一部が横下地本体部220の扇形の中空部の内周面を縦下地本体部210側に連続して形成(図4の各図において、第一〜第三の横爪241,242,243を示す実線に連続する破線参照)されることで、第一〜第三の横爪241,242,243が横下地本体部220を補強する役割を併せ持つことになる。
【0039】
さらに、第一〜第三の横爪241,242,243は、直線状横出隅下地材120の出隅下地本体部101の扇形の中空部に挿入しやくするために、先端ほど幅小に形成されている。さらに、第三の横爪243の外側には、二個の畝状部243a,243bが形成されている。ここで、畝状とは、線状に幾筋もの高低がある状態を含む。つまり、畝状部243a,243bは、リブ状に形成されている。この畝状部243a,243bは、直線状横出隅下地材120の出隅下地本体部101の扇形の中空部の内周面を押圧する。そうすると、第三の横爪243は、畝状部243a,243bによる押圧に対する出隅下地本体部101の扇形の中空部の内周面からの反力によって変形する。これによって、第一および第二の横爪241,242の外面が、出隅下地本体部101の扇形の中空部の内周面に押圧される。従って、第一〜第三の横爪241,242,243と、出隅下地本体部101の扇形の中空部の内周面とが確実に嵌合される。
【0040】
縦フランジ部250は、縦下地本体部210のL字断面状の切欠210aの両縁からそれぞれ張り出すように形成されている。縦フランジ部250と縦下地本体部210のL字断面状の切欠210aとにより形成される形状は、柱基材10の角部に対応するように直角に形成されている。この縦フランジ部250は、柱基材10の角部に続く2つの面の各一部に当接する。
【0041】
横フランジ部260は、横下地本体部220のL字断面状の切欠220aの両縁からそれぞれ張り出すように形成されている。横フランジ部260と横下地本体部220のL字断面状の切欠220aとにより形成される形状は、梁基材20の角部に対応するように直角に形成されている。この横フランジ部260は、梁基材20の角部に続く2つの面の各一部に当接する。さらに、横フランジ部260は、縦フランジ部250に一体的に形成される。
【0042】
(壁面開口部構造の詳細)
次に、壁面開口部構造の詳細について、図1を再度参照して壁面開口部構造を構成する各部品の組み付け手順の一例を示しながら説明する。
【0043】
まず、開口部入隅下地材200の縦下地本体部210を、予め長さ調整された直線状縦出隅下地材110に連続して配置する。このとき、開口部入隅下地材200の第一〜第三の縦爪231,232,233を直線状縦出隅下地材110の出隅下地本体部101の扇形の中空部(図2(b)参照)に挿入する。つまり、第一〜第三の縦爪231,232,233を出隅下地本体部101の扇形の中空部の内周面に嵌合する。開口部入隅下地材200の縦下地本体部210が直線状縦出隅下地材110の出隅下地本体部101に当接する状態とする。そうすると、開口部入隅下地材200の縦下地本体部210と直線状縦出隅下地材110の出隅下地本体部101が連続した下地材となる。さらに、このとき、開口部入隅下地材200の縦フランジ部250と直線状縦出隅下地材110のフランジ部102とが、柱基材10の角部に沿って延びる連続したL字型の板状を形成する。
【0044】
続いて、開口部入隅下地材200の横下地本体部220を、予め長さ調整された直線状横出隅下地材120に連続して配置する。このとき、開口部入隅下地材200の第一〜第三の横爪241,242,243を直線状横出隅下地材120の出隅下地本体部101の扇形の中空部に挿入する。つまり、第一〜第三の横爪241,242,243を出隅下地本体部101の扇形の中空部の内周面に嵌合する。開口部入隅下地材200の横下地本体部220が直線状横出隅下地材120の出隅下地本体部101に当接する状態とする。そうすると、開口部入隅下地材200の横下地本体部220と直線状横出隅下地材120の出隅下地本体部101が連続した下地材となる。さらに、このとき、開口部入隅下地材200の横フランジ部260と直線状横出隅下地材120のフランジ部102とが、梁基材20の角部に沿って延びる連続したL字型の板状を形成する。
【0045】
つまり、開口部入隅下地材200、直線状縦出隅下地材110および直線状横出隅下地材120を結合することで、全体として、大きなL字型の入隅下地材を形成する。なお、例えば、左右両側の縦出隅とその上端を繋ぐ横出隅を対象とした場合には、コの字型を90°左回転させた形状となるように下地材を形成する。この場合、二個の開口部入隅下地材200と、二個の直線状縦出隅下地材110と、一個の直線状横出隅下地材120を結合させることになる。
【0046】
上記のように、第一〜第三の縦爪231,232,233を直線状縦出隅下地材110の扇形の中空部(図2(b)参照)に嵌合し、かつ、第一〜第三の横爪241,242,243を直線状横出隅下地材120の扇形の中空部(図2(b)参照)に嵌合することで、縦下地本体部210と直線状縦出隅下地材110との連続性、および、横下地本体部220と直線状横出隅下地材120との連続性を容易に確保できる。
【0047】
開口部入隅下地材200、直線状縦出隅下地材110および直線状横出隅下地材120は、柱基材10および梁基材20の角部に当接させる。詳細には、柱基材10の角部のうち入隅側部位に沿って、開口部入隅下地材200の縦下地本体部210を取り付ける。つまり、開口部入隅下地材200の縦下地本体部210のL字断面状の切欠210aおよび縦フランジ部250によって形成されるL字型の板状が柱基材10の角部のうち入隅側部位に当接する。柱基材10の角部のうち中央部位に沿って、直線状縦出隅下地材110を取り付ける。つまり、直線状縦出隅下地材110のL字断面状の切欠101aおよびフランジ部102によって形成されるL字型の板状が柱基材10の角部のうち中央部位に当接する。
【0048】
また、梁基材20の角部のうち入隅側部位に沿って、開口部入隅下地材200の横下地本体部220を取り付ける。つまり、開口部入隅下地材200の横下地本体部220のL字断面状の切欠220aおよび横フランジ部260によって形成されるL字型の板状が梁基材20の角部のうち入隅側部位に当接する。梁基材20の角部のうち中央部位に沿って、直線状横出隅下地材120を取り付ける。つまり、直線状横出隅下地材120のL字断面状の切欠101aおよびフランジ部102によって形成されるL字型の板状が梁基材20の角部のうち中央部位に当接する。
【0049】
下地材110,120,200を柱基材10および梁基材20に当接させた後には、壁面ボード30を、柱基材10および梁基材20の正面に配置する。このとき、壁面ボード30の開口縁の裏面側と柱基材10とにより、開口部入隅下地材200の一方側の縦フランジ部250および直線状縦出隅下地材110の一方側のフランジ部102が挟まれて保持される。さらに、壁面ボード30の開口縁の裏面側と梁基材20とにより、開口部入隅下地材200の一方側の横フランジ部260および直線状横出隅下地材120の一方側のフランジ部102が挟まれて保持される。
【0050】
さらに、側壁面ボード40を、柱基材10の側面に配置する。このとき、側壁面ボード40の縦縁の裏面側と柱基材10とにより、開口部入隅下地材200の他方側の縦フランジ部250および直線状縦出隅下地材110の他方側のフランジ部102が挟まれて保持される。さらに、天面ボード50を、梁基材20の天面に配置する。このとき、天面ボード50の横縁の裏面側と梁基材20とにより、開口部入隅下地材200の他方側の横フランジ部260および直線状横出隅下地材120の他方側のフランジ部102が挟まれて保持される。
【0051】
ここまでが、壁面開口部構造のうち開口部下地構造についての説明である。その後、下地材110,120,200の扇形の半径線分の外面と下地ボード30,40,50との間の隙間にパテを必要に応じて塗布することにより、当該隙間をなくすようにする。そして、下地材110,120,200および下地ボード30,40,50の表面には内装クロスを貼り付ける。なお、外装の場合には、各ボードおよび内装クロスを例えば外装モルタルに置換されることになる。
【0052】
このように、パテが必要に応じて塗布された開口部下地構造の表面に内装クロスを貼り付けて、壁面開口部構造が完成する。なお、外装の場合には、開口部下地構造の表面に外装モルタルなどにより被覆することにより、外装の壁面開口部構造が完成する。
【0053】
以上説明した壁面開口部構造によれば、開口部入隅下地材200、直線状縦出隅下地材110および直線状横出隅下地材120を設置することにより、直線状縦出隅下地材110および直線状横出隅下地材120を傾斜した角度に切断することなく、壁面開口部の縦出隅および横出隅が湾曲した面取形状に形成できる。
【0054】
仮に、直線状縦出隅下地材110および直線状横出隅下地材120を傾斜した角度に切断して、切断した面を突き合わせて施工する場合には、建築施工から時間が経過すると、切断した面を突き合わせた部分に貼り付けた内装クロスや外装モルタルにしわや亀裂が入るおそれがある。
【0055】
しかしながら、本実施形態における開口部入隅下地材200を用いることにより、そもそも従来のような傾斜した角度に切断した面の突き合わせ部分自体が存在しない。そして、建築施工から時間が経過して建物の柱基材10と梁基材20とが変形したとしても、一体的な部材である開口部入隅下地材200の一部分が、ずれることはない。従って、開口部入隅下地材200を柱基材10と梁基材20との入隅に配置することで、開口部入隅下地材200の表面に内装クロスや外装モルタルなどを敷設した後において、内装クロスや外装モルタルなどの表面のうち湾曲した面取部分にしわや亀裂が入ることを防止できる。つまり、壁面開口部の縦出隅と横出隅とを容易に湾曲した面取形状にすることができ、かつ、建築施工から時間が経過した場合であっても壁面開口部の入隅において良好な意匠を維持することができる。
【0056】
また、各フランジ部102,250,260を各下地ボード30,40,50と柱基材10または梁基材20とで挟むことで、開口部入隅下地材200、直線状縦出隅下地材110および直線状横出隅下地材120を柱基材10および梁基材20に対して、安定して取り付けることができる。これにより、開口部入隅下地材200が柱基材10または梁基材20に対してずれることを防止でき、結果として、内装クロスや外装モルタルなどに悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0057】
なお、上記実施形態において、開口部入隅下地材200は第一〜第三の縦爪231,232,233および第一〜第三の横爪241,242,243を備える構成としたが、第一〜第三の縦爪231,232,233および第一〜第三の横爪241,242,243を備えない構成とすることもできる。この場合でも、開口部入隅下地材200の縦下地本体部210と直線状縦出隅下地材110とを当接した状態で連続して配置し、横下地本体部220と直線状横出隅下地材120とを当接した状態で連続して配置すればよい。
【0058】
また、上記実施形態において、開口部入隅下地材200は縦フランジ部250および横フランジ部260を備える構成としたが、縦フランジ部250および横フランジ部260を備えない構成とすることもできる。この場合、例えば、縦下地本体部210および横下地本体部220を柱基材10または梁基材20に対して接着剤やねじなどにより固定すればよい。
【0059】
また、上記実施形態において、開口部入隅下地材200は、角部が90°となるL字型形状を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えば、開口部入隅下地材200のL字型の角部は、円弧状に滑らかに繋ぐ形状としてもよい。また、開口部入隅下地材200のL字型の角部は、多角形の1つ以上の辺により形成してもよい。
【符号の説明】
【0060】
10:柱基材、 20:梁基材
30:壁面ボード、 40:側壁面ボード、 50:天面ボード
100:直線状出隅下地材、 101:出隅下地本体部、 102:フランジ部
110:直線状縦出隅下地材、 120:直線状横出隅下地材
200:開口部入隅下地材、 210:縦下地本体部、 220:横下地本体部
231,232,233:第一〜第三の縦爪、 233a,233b:畝状部
241,242,243:第一〜第三の横爪、 243a,243b:畝状部
250:縦フランジ部、 260:横フランジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の壁面開口部を形成するための柱基材と梁基材との入隅に配置され、直線状に形成され前記柱基材の角部のうち中央部位に沿って取り付けられ前記壁面開口部の縦出隅を湾曲した面取形状に形成するための直線状縦出隅下地材と直線状に形成され前記梁基材の角部のうち中央部位に沿って取り付けられ前記壁面開口部の横出隅を湾曲した面取形状に形成するための直線状横出隅下地材とにそれぞれ連続して設けられる開口部入隅下地材であって、
前記開口部入隅下地材は、L字型に形成されるとともに、さらに、
前記L字型の一端側を形成し、前記柱基材の角部のうち入隅側部位に沿って配置され、前記壁面開口部の前記縦出隅を湾曲した面取形状に形成すると共に、前記直線状縦出隅下地材に対して連続して配置される縦下地本体部と、
前記L字型の他端側を形成し、前記梁基材の角部のうち入隅側部位に沿って配置され、前記壁面開口部の前記横出隅を湾曲した面取形状に形成すると共に、前記縦下地本体部に一体的に形成され、前記直線状横出隅下地材に対して連続して配置される横下地本体部と、
を備えることを特徴とする開口部入隅下地材。
【請求項2】
前記L字型の一端である前記縦下地本体部の端部から前記入隅に対して遠ざかる方向に向かって突出し、前記縦下地本体部に一体的に形成され、前記直線状縦出隅下地材に嵌合される縦爪と、
前記L字型の他端である前記横下地本体部の端部から前記入隅に対して遠ざかる方向に向かって突出し、前記横下地本体部に一体的に形成され、前記直線状横出隅下地材に嵌合される横爪と、
を備える請求項1に記載の開口部入隅下地材。
【請求項3】
前記縦下地本体部に一体的に形成され、前記縦出隅を形成するための2つの下地面材のそれぞれと前記柱基材との間に挟まれる縦フランジ部と、
前記横下地本体部に一体的に形成され、前記横出隅を形成するための2つの下地面材のそれぞれと前記梁基材との間に挟まれる横フランジ部と、
を備える請求項1または2に記載の開口部入隅下地材。
【請求項4】
建物の壁面開口部を形成するための柱基材と梁基材とを備える柱梁架構体と、
直線状に形成され、前記柱基材の角部のうち中央部位に沿って取り付けられ、前記壁面開口部の縦出隅を湾曲した面取形状に形成するための直線状縦出隅下地材と、
直線状に形成され、前記梁基材の角部のうち中央部位に沿って取り付けられ、前記壁面開口部の横出隅を湾曲した面取形状に形成するための直線状横出隅下地材と、
L字型に形成され、前記柱基材と前記梁基材との入隅に配置され、前記直線状縦出隅下地材と前記直線状横出隅下地材とにそれぞれ連続して設けられる開口部入隅下地材と、
を備える開口部下地構造であって、
前記開口部入隅下地材は、
前記L字型の一端側を形成し、前記柱基材の角部のうち入隅側部位に沿って配置され、前記壁面開口部の前記縦出隅を湾曲した面取形状に形成すると共に、前記直線状縦出隅下地材に対して連続して配置される縦下地本体部と、
前記L字型の他端側を形成し、前記梁基材の角部のうち入隅側部位に沿って配置され、前記壁面開口部の前記横出隅を湾曲した面取形状に形成すると共に、前記縦下地本体部に一体的に形成され、前記直線状横出隅下地材に対して連続して配置される横下地本体部と、
を備えることを特徴とする開口部下地構造。
【請求項5】
建物の内装に適用された請求項4に記載の開口部下地構造と、
前記開口部下地構造の表面を被覆する被覆材と、
を備えることを特徴とする壁面開口部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−220055(P2011−220055A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92691(P2010−92691)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(509306959)株式会社エルテクト (2)
【Fターム(参考)】