説明

開封確認機構及びそれを利用した宅配用保冷箱等

【課題】 解決しようとする問題点は、牛乳受けのように容易に容器の上面にある上蓋を開閉できる保冷容器において、容器内に置かれた牛乳等への異物混入等が行われた場合でも該受取人が事前に開封確認や安全確認ができない問題、また開封確認テープによって生じていたテープ剥がしの手間やゴミ処理の問題を解決することである。
【解決手段】 本発明は、スプリングの間を差込針を押圧することでスプリングの間を押し広げるスプリング押し広げ手段と、押し広げたスプリングに前記差込針を通しタグ取付機でスプリングの間にタグの封止ピンを差し込むタグ差込手段とからなる開封確認機構を容器の鍔部に備えた宅配用保冷箱と、前記宅配用保冷箱を載置する脚とからなることを特徴とする開封確認機構及びそれを利用した宅配用保冷箱等の構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛乳等の要冷蔵食品等からなる宅配等を宅配する際、配達先の箱又は箱を構成する容器、前記容器の蓋部のいずれかに開封確認機構を備えた開封確認機構及びそれを利用した宅配用保冷箱等に関する改良発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、配送用の箱又は容器としては、軽量で断熱性に富む発泡スチロール製や樹脂製の容器などが多数存在していた。例えば容器の一例である保冷容器は、宅配品である牛乳等の要冷蔵食品を所定の低温に保冷するドライアイス等の保冷剤と一緒に収納し、前記配達先の玄関先まで配達を行っていた。
【0003】
ところが、配達先の玄関等に該保冷容器又は食品等を容器ごと置いたままの状態にした場合や、鍵や保冷機能等を持たない牛乳受け等に前記牛乳等の要冷蔵食品等の宅配品を置いた場合には、比較的容易に上蓋を開けることができるため、宅配品への異物混入等が行われた場合でも該受取人が事前に開封確認や安全確認等ができない問題がある。
【0004】
また箱又は容器の蓋部分の外周にかけて開封確認テープを貼付する場合もあるが、開封確認テープを貼付すること、前記開封確認テープを剥がすことのそれぞれに手間がかかりかつ、剥がしたテープはかさばるゴミとなるため、後のゴミ処理の問題もある。
【0005】
更に特許文献1に記載した「保冷式宅配受け」のように、開口部を有する断熱箱と、断熱箱の開口部を開閉可能に覆う開閉部材と、断熱箱の内部を区画する着脱自在な仕切りと、区画された各室に冷却量に応じて出し入れ可能に配置された蓄冷材とから成る保冷式宅配受けがあるが前記「保冷式宅配受け」は、容量も大きく、蓄冷材を逆コ字状に屈曲し、断熱箱内部に設けているため設置スペースを確保できないという問題もある。
【特許文献1】特開平2−101365号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、牛乳受けのように容易に容器の上面にある上蓋を開閉できる保冷容器において、容器内に置かれた牛乳等への異物混入等が行われた場合でも該受取人が事前に開封確認や安全確認ができない問題、また開封確認テープによって生じていたテープ剥がしの手間やゴミ処理の問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明である開封確認機構及びそれを利用した宅配用保冷箱等は、スプリングの間を差込針を押圧することでスプリングの間を押し広げるスプリング押し広げ手段と、押し広げたスプリングに前記差込針を通しタグ取付機でスプリングの間にタグの封止ピンを差し込むタグ差込手段とからなる開封確認機構を容器の鍔部に備えた宅配用保冷箱と、前記宅配用保冷箱を載置する脚とからなることを主な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、以下の効果を得ることができる。
第1に、配達先の玄関等に当該保冷容器又は食品等を容器ごと置いたままの状態にした場合や牛乳受けに要冷蔵食品の宅配品を置いた場合でも、前記宅配品に対して異物混入等があったかどうかの開封確認を当該荷物の受取人が容易に行うことができる。
【0009】
第2に、第三者が悪意でタグを引き抜いた場合、開封確認機構を構成するスプリングが戻り圧によって元の大きさに縮み、タグを再度スプリングの間に差込できないため当該荷物の受取人だけが宅配用保冷箱の開封確認を容易に行うことができる。
【0010】
第3に別のタグ取付機を使用して再度同一のタグを打ち込もうとしてもタグの札が宅配業者等の専用の商号等を付すことが可能であり、更にタグの形状を個々の宅配用業者用等に変更することができるので、タグそのものが識別機能を有することができる。
【0011】
第4に開封確認機構及びそれを利用した宅配用保冷箱等では、長さ4cm足らずのタグを使用し、ハサミ等を使用してタグの封止ピン等を切断しないため、外したタグがかさばることなく後のゴミ処理の問題も容易に解決することができる。
【0012】
第5に、前脚の高さを70cm前後とすることで、宅配用保冷箱の上蓋をかがんで開閉する必要がないため、足腰の弱い老人でもかがむことなく楽に本発明である宅配用保冷箱を開けて要冷蔵食品の取り出しを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
受取人が容易に容器の開封確認ができるようにする目的を、タグを引っ張りバネ等からなるスプリングを備えた宅配用保冷箱と、前記タグの開封を容易に行うと共に前記宅配用保冷箱を載置する脚とすることで、当該荷物の受取人だけがタグを抜き取り宅配用保冷箱の開封確認を容易に可能とした。
【実施例1】
【0014】
以下、添付図面に基づき本発明である開封確認機構及びそれを利用した宅配用保冷箱等について詳細を説明する。図1は本発明である開封確認機構及びそれを利用した宅配用保冷箱等と脚の正面図、図2は本発明を構成する開口後の宅配用保冷箱と脚の正面図、図3は本発明を構成する宅配用保冷箱と封印前のタグ取付機の正面図、図4は本発明を構成する宅配用保冷箱と封印中のタグ取付機の正面図、図5は本発明である開封確認機構及びそれを利用した宅配用保冷箱等の拡大正面図、図6は本発明を構成する宅配用保冷箱と封印後のタグ取付機の正面図である。
【0015】
また、図7は本発明を構成する宅配用保冷箱と封印後の正面図、
図8は本発明を構成する宅配用保冷箱に取り付けたタグを手で外した後の左側面図、
図9は本発明を構成する宅配用保冷箱に取り付けたタグを宅配用保冷箱の上蓋で直接 外す場合の左側面図、図10は本発明を構成する宅配用保冷箱から、要冷蔵食品を取り出す左側面図である。
【0016】
図11は本発明を構成する宅配用保冷箱にタグを取り付ける場合からタグを取り外す場合までの流れを示したフローチャートに基づいた図面である。以下、各図面毎に詳細を記載する。
【0017】
図1から図6に示したように本発明を構成する宅配用保冷箱1は、要冷蔵食品の開封確認を行うことができるタグ13を上蓋2から容器3の上部にタグ取付機11で挿通し、タグ13を手等で外した後は再度タグ13を再び挿入できないようにした引っ張りバネ等からなるスプリング5f等からなる開封確認機構5を前記容器3の鍔部3bと留め板3cとの間に備えた宅配用保冷箱1と、前記宅配用保冷箱1のタグ13の開封を容易に行うと共に宅配用保冷箱1を載置する脚9と、宅配用保冷箱1にタグ13を取り付けるタグ取付・取外手段1aからなることを特徴とする。
【0018】
宅配用保冷箱1は、市販の容器を加工したもので上蓋2と、前記上蓋2が密着し、中の冷気が逃げないようにした容器3とからなり、宅配を行う配達員が要冷蔵食品(図示せず)を入れる前の状態を示したものである。
【0019】
上蓋2は、タグ13を挿通するための挿通孔2gを、上蓋2の嵌合部2aの鍔部2bに設けている。また前記鍔部2bには鍵穴2fを予め設けており、状況に応じて南京錠等を取り付けることができる。
【0020】
容器3は、上蓋2を挿通したタグ13を係止するスプリング5fを備えた開封確認機構5を容器3上部の鍔部3bの正面の位置の留め板3cに内設していることを特徴とする。
前記スプリング5fは、引っ張りバネ等からなり、材質はステンレス鋼材、右巻、左巻問わず、外経となる短手方向の長さは、2.0cmから4.0cm、好ましくは3.0cm
自由長となる長手方向の長さは、2.0cmから4.0cm、好ましくは2.4cm
とからなることを特徴とする。
【0021】
なお、スプリング5fの広がり若しくは、スプリング5fの間の隙間となるバネピッチは、0.1mmから2.0mmとし、タグ13のストッパー13cの厚みにより異なるバネピッチのスプリング5fに変更することができる。
【0022】
また鍔部3bは、正面に前記留め孔2eと嵌合する凸部3eを設けた留め板3c、前記鍵穴2fと挿通する鍵穴3f、そして本発明の特徴であるタグ13を挿通する挿通孔2gと挿通する挿通孔3g、そして底面に略L字状の脚3aを有していることを特徴とする。
【0023】
なお、容器3内部には、牛乳等の要冷蔵食品を所定の低温に保冷するドライアイス等の保冷剤を収納する若しくは、駆動電源を確保して、容器3内部に冷気を発生する市販品のプレート型の冷却器を備えてもよい。
【0024】
脚9は、正面形状が略凹状の前脚9cと、前記前脚9cの頂点で前記宅配用保冷箱1を載置する箱受9bと、前記箱受9bと連結し脚全体を支持し、略三角フラスコ状となる後脚9dと、前記後脚9dから垂直方向に伸び、前記宅配用保冷箱1の背面を支えるフレーム9aとからなることを特徴とする。
【0025】
図2に示したのは、配達員が要冷蔵食品14を入れる前の段階を示した状態である。
図2に示したように上蓋2は、容器3と蝶番状になった接続部4で開閉可能に接続され、上蓋2及び容器3の内部に発泡スチロール等からなる断熱材をそれぞれ有している。よって、要冷蔵食品14の保冷効果を上げることが可能である。
【0026】
そして図3に示したように配達員が要冷蔵食品14を容器3内部に入れ終えた後、前記上蓋2を閉め、上蓋2の上部からタグ取付機11でタグ13を取り付ける仕組みである。タグ取付機11は、本体11aと、前記本体11aに一体化しタグ13を打ち込む時に握る操作レバー11bと、本体11aの先端に取り付けた差込針12とからなり、タグ13を本体11aの上部に装填し、操作レバー11bを握ることで送り部11cからタグ13が送られ、差込針12の先端までタグ13を送ることができる。
【0027】
図4は本発明を構成する宅配用保冷箱と封印中のタグ取付機の正面図、図5はタグ取付機11でタグ13を宅配用保冷箱1に取り付ける時の拡大正面図である。配達員は挿通孔2gの上部からタグ取付機11の差込針12が挿通孔2g、3g及び開封確認機構5を構成するスプリング5fに対して垂直になるように押圧しながら差し込み、タグ取付機11でタグ13を打ち込む仕組みである。
【0028】
図5に示したのは、本発明を構成する宅配用保冷箱の蓋の開封確認機構である開封確認機構5であり、箱状の容器5aの内壁に密着するように収納した引っ張りバネからなるスプリング5fと、前記スプリング5fの間を挿通するタグ取付機11の差込針12と、タグ取付機11によって前記スプリング5fの間に起立して設けたタグ13とからなる。
【0029】
また図5の下部に示したように前記開封確認機構5は、スプリング5fにタグ13を差込むための手段を有しており、宅配用保冷箱1のように上蓋2と容器3とからなる箱体の開封確認手段を構成する開封確認機構5は、スプリング5f(1)の間となるバネの隙間5eにタグ取付機11の差込針12を押圧することでスプリング5fの間を押し広げる(2)スプリング押し広げ手段と、押し広げたスプリング5fの隙間5eに前記差込針12を通しタグ取付機11の操作レバー11bを握ることでスプリング5fの間にタグ13の封止ピン13bが挿通するように差し込む(3)タグ差込手段と、前記タグ差込手段によってタグ13を差し込んだ後に差込針12を抜く(4)差込針抜き手段と、差込針抜き手段の後にスプリング5fの間をタグ13を構成するストッパー13cが挿通すると共に前記スプリング5fの戻し圧でスプリング5fを縮め、一度抜いたタグ13が再度スプリング5fのバネの隙間5eに差し込むことができないようにし、前記タグを構成する封止ピン13bが起立するように設けた(5)タグ係止手段とからなることを特徴とする。
【0030】
そして図6に示したように、宅配用保冷箱1の上部の上蓋2から容器3のスプリング5fにタグ取付機11によってタグ13の取り付けを完了し、前記タグ取付機11の差込針12を前記挿通孔2gから取り外すことで配達員の作業が終了となる。次に図7から図10まで本発明である宅配用保冷箱から、要冷蔵食品を取りだすまでの各工程について詳細を説明する。
【0031】
図7に示したように、配達を受けた先の住人は要冷蔵食品を取り出す前に、タグ13を取り出す作業から開始する。タグ13を取り出す前に、先ず、取出人は、宅配用保冷容器1を載置した脚9の前脚9cの底軸の部分に対し足先8a若しくは土踏まずで前脚9cを押さえ前記前脚9cを固定する。
【0032】
そして、図8に示したように、住人は要冷蔵食品を取り出すために、足先8aで前脚9cを押さえながら上蓋2上部のタグ13を手8でつまんで取り外すことができる。タグ13をスプリング5fから一旦取り外した後は、スプリング5fの縮み圧により、隙間5eを有していない元の形状に戻り、タグ13を構成するストッパー13cが戻り圧によって元の大きさに縮み、再度スプリング5fにタグ13を押し込むことができない仕組みである。タグ13の詳細な構造は図12で説明する。
【0033】
なお図9に示したように、上蓋2の上部からタグ13をつまんで取り外す以外の方法として、タグ13が前記上蓋2に付いたまま上蓋2を直接、手で持ち上げ、タグ13を取り外すことも可能である。この場合も前記スプリング5fに対し、再度タグ13を差し込むことができない仕組みである。
【0034】
図9及び図10に示したようにタグ13の取り外しが終了した後は、要冷蔵食品14を取り出すことができる。よって、タグ13は配達先の受取人にとって、開封確認の手段と、異物混入等を防止することができる。次に図11では本発明である宅配用保冷箱1にタグ13を取り付けから取り外すまでの各工程について詳細を説明する。
【0035】
図11に示したように本発明である宅配用保冷容器1はタグ取付・取外手段1aでタグ13の取付・取外を行うができ、、前記タグ取付・取外手段1aは、容器に要冷蔵食品の収納S1手段と、上蓋閉めS2手段と、タグピン打ち込みS3手段と、タグピンの確認S4手段と、脚へ足先をかけるS5手段と、タグピン抜き取りS6手段と、上蓋開けS7手段と容器から要冷蔵食品の取出S8手段とからなることを特徴とする。
【0036】
次に、図12で本発明を構成する宅配用保冷箱の蓋部分に設けた開封確認機構と、図13で本発明を構成する宅配用保冷箱の蓋部分に設けた開封確認機構にタグを打ち込むタグ取付機について詳細を説明する。
【0037】
図12に示したのは、容器3等の内部に設けた開封確認機構5及び本発明で使用するタグの拡大図で、上から順に、縦断面図、平面図(A)、右側面図(B)の順番に示したものである。
【0038】
図12に示したように本発明を構成する開封確認機構5は、コイルバネ、引っ張りスプリング5f等からなり、タグ13を係止するスプリング5fと、前記スプリング5fにタグ13を挿入したことでスプリング5fの間に隙間5eを設け内壁に押し広がったスプリング5fを支える箱状の容器5aと、前記タグ13をスプリング5fの間に打ち込むタグ取付機(図示せず)とからなることを特徴とする。
【0039】
スプリング5fが収縮すると隙間5eを有していない元のスプリング5fだけの形状に戻り、タグ取付機11等を使用しなければタグ13を構成するストッパー13cを再度スプリング5fに押し込むことができない仕組となる。
【0040】
また容器5a内部のスプリング5fは平面図(A)に示したように、スプリング5fの収縮時にスプリング5fの左右端部の長手方向に2から5mmの隙間と、スプリング5fの上下の短手方向に0.1から1.0mmの隙間をそれぞれ設けた。スプリング5fの上下左右端に隙間を設けることで差込針12をスプリング5fに差込むと容器5aの内壁にスプリング5fが密着するように広がり、容器5a内部でズレを生じることがない。
【0041】
タグ13は、宅配業者等の商号等13fを印刷等によって記載できる札13aと、スプリング5fの間に挿通する封止ピン13bと、前記封止ピン13bの先端に取り付けるストッパー13cとからなり、前記札13aと封止ピン13bは一体成型によって設けられている。
【0042】
また前記タグ13は、スプリング5fの間から一旦取り外すとプラスチック樹脂性のストッパー13c若しくは前記封止ピン13bも折れ曲がるため、タグ13そのものも本発明である開封確認機構を構成することができる。
【0043】
よって第三者は、悪意で前記タグ13を引きぬくことができず、仮に前記タグ13を引き抜き別のタグ取付機を使用して再度同一のタグ13を打ち込んだとしても、タグ13の札13aが宅配業者専用の商号等が付されたタグ13となっているため、当該荷物の受取人だけがタグを抜き取り開封確認を容易に行うことができる仕組みである。
【0044】
なお、本発明を構成する開封確認機構5は、前記宅配用保冷箱1のみならず、郵便物や書類等を入れる郵便受け、宅配便等の書類等の仕分け時にプラスチック製のコンテナ等に使用する結束バンド等又は、金属製のジュラルミンケースの鍵部や海上貨物等のコンテナの封印部分にも応用することができる。
【0045】
タグ13を構成する封止ピン13bの長手方向の長さは、1.5cmから2.5cm、好ましくは1.8cmあればよく、ストッパーの長さは、0.5cmから、1.5cm、好ましくは0.9cmあればよい。なお、札13aの縦の長さ及び横の長さはそれぞれ2cm、1cmとするが縦・横の長さを限定しない。
【0046】
スプリング5fを収納した容器5aの壁面には貫通孔5bを設け、ここからネジやボルト等(図示せず)を通し、容器3の留め板3cの背面と容器の鍔部3bに囲まれたL字状の窪み部分にネジ止めすることで取り付けることができる。また、前記ネジやボルト等は、スプリング5fを収納した容器5aに固定する部材となる。なおスプリング5f及び容器5aの取り付け位置は、前記留め板3cの背面に限定しない。
【0047】
なお、図12に示したようにタグ13の封止ピン13bを通す上蓋2の挿通孔2g、容器3の挿通孔3g共に、スプリング5fを収納した容器5aに設けた挿通孔5c、5dよりやや狭く孔を設けている。即ち、挿通孔2g、3g、5c、5dは略八の字階段状の段差で孔を設けていることを特徴とする。
【0048】
これは、挿通孔2g、3gにタグ取付機11の差込針12を差し込む際、差込針12の先端が多少傾斜して挿通した場合でも、スプリング5fの隙間5eに必ず挿通するように容器5aの挿通孔5c、5dがガイドし、タグ13をスプリング5fに挿入する。
【0049】
図13に示したのは、本発明である宅配用保冷箱1の開封確認に使用するタグ取付機11である。タグ取付機11は市販品を使用する。タグ取付機11の構造は、本体11aと、操作レバー11bと、前記本体11aの先端に取り付けた差込針12とからなり、操作レバー11bを握ることで、本体11aの上部にセットしたタグ13を本体内部に設けた歯車等(図示せず)からなる送り部11cで、差込針12の先端まで送る仕組みである。
【0050】
タグ取付機11を使用しない場合には、本体11aの底部に設けた針カバー16で前記差込針12を覆い、ストラップ15部分を持つことで持ち運び時の安全を確保することができる。次に、宅配用保冷箱1の詳細を説明する。
【0051】
図14は本発明を構成する宅配用保冷箱の正面図、図15は本発明を構成する宅配用保冷箱の左側面図、図16は本発明を構成する宅配用保冷箱の平面図、図17は本発明を構成する宅配用保冷箱の底面図、図18は本発明を構成する宅配用保冷箱の背面図である。
【0052】
図14から図18に示したように本発明で使用する宅配用保冷箱1の全体図である。
図14に示したように、本発明を構成するスプリング5fを設けた開封確認機構5は、上蓋2と容器3との間にある取っ手2dと一体化した留め板2cの内側に取り付けている。なお、留め孔2eから突出した凸部3eは留め板3cの上に設けている。
【0053】
図15から図18に示したように、宅配用保冷箱1は、上蓋2と容器3との間を接続部4で連結すると共に、接続部4の下部に図1に示した脚9の先端に取り付けるための支え板3h及び、脚9の先端を挿通できる取付孔3dを設けている。
【0054】
図19は本発明を構成する宅配用保冷箱の上蓋を開口した斜視図、図20は本発明を構成する宅配用保冷箱の容器を外した分解斜視図である。
【0055】
図19に示したように本発明である宅配用保冷箱1は、配達員が要冷蔵食品14を予め配達先の設置した宅配用保冷箱1に要冷蔵食品を入れる前の空箱の状態を示した状態であり、図19に示したように上蓋2の内部に押止リング7で係止した発泡スチロール等からなる中箱蓋6と、容器3の内部に前記中箱蓋6と同様の材質の発泡スチロール等からなる中箱6aを有している。
【0056】
図20に示したように発泡スチロール等の断熱材である中箱蓋6、中箱6a共に着脱が可能である。よって、前記中箱6aの内部に汚れが生じた場合でも中箱を6a取りだし、洗浄を行うこともできるため衛生面にも優れている。次に図21から図26で、本発明の宅配用保冷箱1に使用する脚の第1実施例、第2実施例に分けて詳細を説明する。
【0057】
図21は本発明を構成する宅配用保冷箱を載置する脚の正面図、図22は本発明を構成する宅配用保冷箱を載置する脚の左側面図、図23は本発明を構成する宅配用保冷箱を載置した脚の背面図である。
【0058】
図21に示したのは宅配用保冷箱1を1段だけを載置する脚9であり、前脚9cと、前記前脚9cの頂点で前記宅配用保冷箱1を載置する箱受9bと、前記箱受9bと連結した略三角フラスコ状となるする後脚9dと、前記後脚9dから垂直方向に伸び、宅配用保冷箱1の背面をボルトナット等9gで固定できる挿通孔9fを備えたフレーム先端9eとからなることを特徴とする。
【0059】
図21から図23に示した前脚9c及び後脚9c共に、足をかける地面等への接地部分は管状になったフレームが窄んで平坦な板状になっており、脚9の安定性を図ると共に、前脚9cから箱受9bまでの高さを成人男性、女性問わず、60cmから70cmの間に設定したことを特徴とする。なお、前脚9cの高さは60cmから70cmと限定せず、老若男女問わず膝から足先+10cm程の高さとすればよい。
【0060】
前脚9cの高さを70cm前後とすることで、宅配用保冷箱1の上蓋2をかがんで開閉する必要がないため、足腰の弱い老人でもかがむことなく楽に本発明である宅配用保冷箱1を開けて要冷蔵食品の取り出しを行うことができる。
【0061】
また、後脚9dから垂直方向に伸びた2本のフレームのフレーム先端9e部分には、宅配用保冷箱1の背面に設けた支え板3hの外方からボルトナット等9gを前記支え板3hの取付孔3dまで挿通できる挿通孔9fを備えている。次に脚9の第2実施例について図24から図26で詳細を説明する。
【0062】
図24は本発明を構成する宅配用保冷箱を載置する第2実施例の脚の正面図、図25は本発明を構成する宅配用保冷箱を載置する第2実施例の脚の左側面図、図26は本発明を構成する宅配用保冷箱を2段に載置した第2実施例の脚の背面図である。
【0063】
図24から図26に示したのは、前記図21から図23に示した第1実施例の脚9の第2実施例であり、本発明である宅配用保冷箱1を縦2段に重ねる様にして載置できることを特徴とする。
【0064】
脚10は、前記脚9と構造を同一とし、足先8a若しくは土踏まずで前脚10cと、前記前脚10cの頂点で前記宅配用保冷箱1を載置する下箱受10fと、前記前脚10cと一体形成し、上箱受10bと連結した略三角フラスコ状となる後脚10dと、前記後脚10dから垂直方向に伸びたフレーム10aと、フレーム先端10eとからなることを特徴とする。
【0065】
またフレーム10aは、フレーム先端10eを宅配用保冷箱1の背面に設けた支え板3hの取付孔3dに差し込めるよう上箱受10bの方向に対し、内向している。そして下箱受10fは、上箱受10bのフレーム先端10eのように固定されていないことを特徴とする。下箱受10fに載置した宅配用保冷箱1の取りだしを容易にするためである。
【0066】
よって、脚10は、上箱受10bに載置した場合、前脚10cを足先等で固定しながら
宅配用保冷箱1のタグを取り外すことができると共に、下箱受10fに宅配用保冷箱1を載置した場合には、前記上箱受10b同様に、前脚10cを足先で固定しつつ、宅配用保冷箱1を手前にたぐり寄せ、上蓋2を開閉し、中の要冷蔵食品14を簡単に取り出すことができる。
【0067】
なお図27は本発明を構成する宅配用保冷箱の蓋部分に設けた第2実施例のタグの正面図、図28は本発明を構成する宅配用保冷箱を構成する第2実施例のタグの右側面図、図29は本発明を構成する宅配用保冷箱の蓋部分に設けた第3実施例のタグの正面図である。
【0068】
図27から図28に示したタグ13dの特徴は、タグ13dの札13e部分が切り込みを有したリング状になったことを特徴とするものである。この切り込みには、予めパンチ等(図示せず)で孔を開けたメモ等13hを挟むことができる仕組みである。
【0069】
メモ等13hの記載内容は、通常の要件等を記載するメモのみならず、前記図12に示したタグ13の札13a同様に宅配業者専用の商号等を付し、識別力を有することができる。なお、札13eと一体成型した封止ピン13g及びストッパー13cは、前記タグ13と同一の材料とし、前記封止ピン13gの形状は自由変更できるものとする。
【0070】
また図29に示したタグ13iのように札13jを中空のリング状にし、札13jのリングを中指と親指でつまむようにひっかけて持ち上げることで、本発明である宅配用保冷箱1からタグ13iを容易に取り外すことができると共に、宅配用保冷箱1の上蓋2の開閉をより簡単に行うことができる。
【0071】
なお、前記タグ13d、13i共に、図12に示したタグ13と異なり、タグ13その物がねじれやよれを発生することことがないため、タグ13d、13iは全体の強度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明である開封確認機構及びそれを利用した宅配用保冷箱等と脚の正面図で ある。
【図2】本発明を構成する開口後の宅配用保冷箱と脚の正面図である。
【図3】本発明を構成する宅配用保冷箱と封印前のタグ取付機の正面図である。
【図4】本発明を構成する宅配用保冷箱と封印中のタグ取付機の正面図である。
【図5】本発明である開封確認機構及びそれを利用した宅配用保冷箱等の拡大正面図で ある。
【図6】本発明を構成する宅配用保冷箱と封印後のタグ取付機の正面図である。
【図7】本発明を構成する宅配用保冷箱と封印後の正面図である。
【図8】本発明を構成する宅配用保冷箱に取り付けたタグを手で外した後の左側面図で ある。
【図9】本発明を構成する宅配用保冷箱に取り付けたタグを宅配用保冷箱の上蓋で直接 外す場合の左側面図である。
【図10】本発明を構成する宅配用保冷箱から、要冷蔵食品を取り出す左側面図である。
【図11】本発明を構成する宅配用保冷箱にタグを取り付ける場合からタグを取り外す 場合までの流れを示したフローチャートである。
【図12】本発明を構成する宅配用保冷箱の蓋部分に設けた開封確認機構である。
【図13】本発明を構成する宅配用保冷箱の蓋部分に設けた開封確認機構にタグを打ち込 むタグ取付機である。
【図14】本発明を構成する宅配用保冷箱の正面図である。
【図15】本発明を構成する宅配用保冷箱の左側面図である。
【図16】本発明を構成する宅配用保冷箱の平面図である。
【図17】本発明を構成する宅配用保冷箱の底面図である。
【図18】本発明を構成する宅配用保冷箱の背面図である。
【図19】本発明を構成する宅配用保冷箱の上蓋を開口した斜視図ある。
【図20】本発明を構成する宅配用保冷箱の容器を外した分解斜視図である。
【図21】本発明を構成する宅配用保冷箱を載置する脚の正面図である。
【図22】本発明を構成する宅配用保冷箱を載置する脚の左側面図である。
【図23】本発明を構成する宅配用保冷箱を載置した脚の背面図である。
【図24】本発明を構成する宅配用保冷箱を載置する第2実施例の脚の正面図である。
【図25】本発明を構成する宅配用保冷箱を載置する第2実施例の脚の左側面図である。
【図26】本発明を構成する宅配用保冷箱を2段に載置した第2実施例の脚の背面図 である。
【図27】本発明を構成する宅配用保冷箱の蓋部分に設けた第2実施例のタグの正面図で ある。
【図28】本発明を構成する宅配用保冷箱を構成する第2実施例のタグの右側面図 である。
【図29】本発明を構成する宅配用保冷箱の蓋部分に設けた第3実施例のタグの正面図で ある。
【符号の説明】
【0073】
1 宅配用保冷箱
1a タグ取付・取外手段
2 上蓋
2a 嵌合部
2b 鍔部
2c 留め板
2d 取っ手
2e 留め孔
2f 鍵穴
2g 挿通孔
3 容器
3a 脚
3b 鍔部
3c 留め板
3d 取付孔
3e 凸部
3f 鍵穴
3g 挿通孔
3h 支え板
4 接続部
5 開封確認機構
5a 容器
5b 貫通孔
5c 挿通孔
5d 挿通孔
5e 隙間
5f スプリング
6 中箱蓋
6a 中箱
7 押止リング
8 手
8a 足先
9 脚
9a フレーム
9b 箱受
9c 前脚
9d 後脚
9e フレーム先端
9f 挿通孔
9g ボルトナット等
10 脚
10a フレーム
10b 上箱受
10c 前脚
10d 後脚
10e フレーム先端
10f 下箱受
11 タグ取付機
11a 本体
11b 操作レバー
11c 送り部
12 差込針
13 タグ
13a 札
13b 封止ピン
13c ストッパー
13d タグ
13e 札
13f 商号等
13g 封止ピン
13h メモ等
13i タグ
13j 札
14 要冷蔵食品
15 ストラップ
16 針カバー
S1 容器に要冷蔵食品の収納
S2 上蓋閉め
S3 タグピン打ち込み
S4 タグピンの確認
S5 脚へ足先をかける
S6 タグピン抜き取り
S7 上蓋開け
S8 容器から要冷蔵食品の取出

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプリングの間を差込針を押圧することでスプリングの間を押し広げるスプリング押し広げ手段と、押し広げたスプリングに前記差込針を通しタグ取付機でスプリングの間にタグの封止ピンを差し込むタグ差込手段とからなることを特徴とする開封確認機構。
【請求項2】
前記開封確認機構は、タグ差込手段によってタグを差し込んだ後に差込針を抜く差込針抜き手段と、差込針抜き手段の後に前記スプリングの戻し圧でスプリングを縮め、一度抜いたタグが再度スプリングのバネの隙間に差し込むことができないタグ係止手段とからなることを特徴とする請求項1項に記載の開封確認機構。
【請求項3】
引っ張りバネ等からなるスプリングからなる前記開封確認機構を容器の鍔部に備えた宅配用保冷箱と、前記宅配用保冷箱を載置する脚とからなることを特徴とする請求項1項又は請求項2項に記載の宅配用保冷箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2006−143311(P2006−143311A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−339243(P2004−339243)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(597002036)
【Fターム(参考)】