説明

間欠塗工方法及び間欠塗工装置

【課題】塗工域の始端縁及び終端縁について大きく湾曲させることなく直線状に近づけることができる間欠塗工方法及び間欠塗工装置。
【解決手段】塗工操作における塗工ロール6の外周面上の塗工液に対する基材Wの塗工面Waの接触を始めさせる時の前後に設定した設定時間T1、及び非塗工操作おける塗工ロール6の外周面上の塗工液に対する基材Wの塗工面Waの離反を始めさせる時の前後に設定した設定時間T2の各時間内おける基材Wの張力値が、これら設定時間以外における張力値よりも増大するように、塗工切替用ロール3の進退移動に追従して張力調整用ロール4の進退位置を制御すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転する塗工ロールの外周面上に担持されている塗工液に対して長尺シート状の基材の塗工面を接触させ又は離反させることで、基材の塗工面に塗工域と非塗工域とを交互に形成する間欠塗工方法及び間欠塗工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、間欠塗工装置は、基材走行路の非塗工面側を形成するように走行方向へ向かって順番に設けられた定位置の上流側の基準ロール、進退自在な作動ロール、進退自在なテンションロール及び定位置の下流側のガイドロールと、基準ロールと作動ロールとの間であって基材走行路の塗工面側の定位置に設けられた塗工ロールと、作動ロールを基材走行路の非塗工面側から塗工面側へ向かう方向に沿って進退させるサーボモータと、テンションロールを基材走行路の非塗工面側から塗工面側へ向かって押圧するエアーシリンダとを備え、作動ロールをサーボモータの回転力で進退させると共にテンションロールにエアーシリンダの押圧力をかけるようにしてある(特許文献1)。
【0003】
上記間欠塗工装置による間欠塗工方法は、基準ロール及び作動ロールに巻き掛けて基材を走行させると共に、基準ロールと作動ロールの中間に位置する基材箇所に塗工剤を担持した塗布ロールを接触させて、基材の表面に塗布剤を転写して塗工膜を形成し、作動ロールを所定のタイミングで基材の表面(塗工面)から裏面(非塗工面)へ向かう方向へ後退させて基材を塗布ロールから離反させ、これに追従してテンションロールを基材の裏面から表面へ向かう方向へ前進させて基材に張力を付与し、その後に、作動ロールを所定のタイミングで基材の裏面から表面へ向かう方向へ前進させて基材を塗布ロールに接触させ、これに追従してテンションロールを基材の表面から裏面へ向かう方向へ後退させ、基材の表面に塗工膜を間欠的な配置で形成すると共に、基材に負荷される張力が常に一定となるように、作動ロールの前進・後退に連動してテンションロールを後退・前進させるように制御している。
【0004】
テンションロールに押圧力をかけるエアーシリンダを制御するコントロールは、作動ロール用サーボモータを回転制御するタイミングでシリンダ作動部を介してエアーシリンダを作動させて、テンションロールを基材の表面から裏面へ向かう後退方向又は基材の裏面から表面へ向かう前進方向へ移動ないし変位させる制御を開始すると共に、基材に負荷されている張力による反力に対応したエアーシリンダのエアー圧力を検出する圧力検出部の検出値が常に一定値になるようにシリンダ作動部を介しエアーシリンダをフィードバック制御するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−117973
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
水平成分を含む進行方向へ走行する基材は、走行方向に沿う長手方向及び長手方向に直交する幅方向について、走行方向の張力の大きさに応じた撓み変形が生じている。幅方向の撓み変形については、基材の両端側から中央部へ向かって行く程に基材自重による撓み量が次第に大きくなると共に、低張力状態における中央部の撓み量が高張力状態に比べて大きくなる。走行中の基材は、幅方向の中央部が撓んだ状態で塗工ロール上の塗工液に対する接近を進行させると、塗工液への接触が幅方向の撓み量の大きな中央部から始まって両端側へ移行するのに伴い、図7(A)に示す如く、塗工域の始端縁が走行方向へ突出する湾曲状態となる。逆に、走行中の基材は、塗工ロール上の塗工液からの離反を進行させると、塗工液からの離反が撓み量の小さな両側から始まって中央部へ移行することになり、塗工域の終端縁が走行方向と逆方向へ突出する湾曲状態となる。
【0007】
ところで、基材は、塗工中のおける走行方向の張力について、基材表面(塗工面)に塗工ロールの外周面による擦り傷を生じさせることなく且つ最適塗工状態の維持のために、高い値に設定することができない。従来の間欠塗工装置による間欠塗工方法は、テンションロールの制御により基材に負荷される走行方向の張力を常に一定に保持させるようにしているため、高い値に設定することなく最適塗工状態の維持のための低い値に設定しなければならないので、塗工域の始端縁及び終端縁を大きく湾曲させることがある。塗工域の始端縁及び終端縁については、大きな湾曲により後行程等で不都合を招くことがあるため、大きく湾曲させることなく直線状に近づけたい要請がある。
【0008】
本発明は、上記要請に応えるために、塗工域の始端縁及び終端縁について大きく湾曲させることなく直線状に近づけることができる間欠塗工方法及び間欠塗工装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
塗工域の始端縁及び終端縁について大きく湾曲させることなく直線状に近づけることができるようにするために請求項1記載の本発明が採用した手段は、図4に示す如く、基材走行方向(矢符S方向)へ向かって順番に設けられた定位置の上流側基準ロール2、進退自在な塗工切替用ロール3、進退自在な張力調整用ロール4及び定位置の下流側基準ロール5で基材Wの非塗工面Wbを支持案内しつつ張力を負荷した状態で基材Wを走行させ、基材走行中に、塗工切替用ロール3を基材Wの非塗工面Wb側から塗工面Wa側へ向かって非塗工操作位置Dから塗工操作位置Eまで前進させると共に張力調整用ロール4を基材Wの塗工面Wa側から非塗工面Wb側へ向かって非塗工操作位置Fから塗工操作位置Gまで後退させて、上流側基準ロール2と塗工切替用ロール3との間であって基材Wの塗工面Wa側の定位置に設けられた回転する塗工ロール6の外周面6a上の塗工液に基材Wの塗工面Waを接触させて塗工域K(図7(B)参照)を形成する塗工操作と、基材走行中に、塗工切替用ロール3を塗工操作位置Eから非塗工操作位置Dまで後退させると共に張力調整用ロール4を塗工操作位置Gから非塗工操作位置Fまで前進させて、塗工ロール6の外周面上の塗工液から基材Wの塗工面Waを離反させて非塗工域J(図7(B)参照)を形成する非塗工操作とを交互に繰返す間欠塗工方法において、塗工操作における塗工ロール6の外周面上の塗工液に対する基材Wの塗工面Waの接触を始めさせる時の前後に設定した設定時間T1(図6参照)、及び非塗工操作おける塗工ロール6の外周面上の塗工液に対する基材Wの塗工面Waの離反を始めさせる時の前後に設定した設定時間T2(図6参照)の各時間内おける基材Wの張力値が、これら設定時間以外における張力値よりも増大するように、塗工切替用ロール3の進退移動に追従して張力調整用ロール4の進退位置を制御することを特徴とする間欠塗工方法である。
【0010】
塗工域の始端縁及び終端縁について大きく湾曲させることなく直線状に近づけることができるようにするために請求項2記載の本発明が採用した手段は、図4に示す如く、基材走行路Rの非塗工面Rb側を形成するように基材走行方向(矢符S方向)へ向かって順番に設けられた定位置の上流側基準ロール2、進退自在な塗工切替用ロール3、進退自在な張力調整用ロール4及び定位置の下流側基準ロール5と、上流側基準ロール2と塗工切替用ロール3との間であって基材走行路Rの塗工面Ra側の定位置に設けられた塗工ロール6と、塗工切替用ロール3を基材走行路Rの非塗工面Rb側から塗工面Rb側へ向かって非塗工操作位置Dから塗工操作位置Eまで進退させると共にこの間を逆方向へ向かって前進させる塗工切替用ロール用操作装置7と、張力調整用ロール4を基材走行路Rの塗工面Ra側から非塗工面Rb側へ向かって非塗工操作位置Fから塗工操作位置Gまで後退させると共にこの間を逆方向へ向かって前進させる張力調整用ロール用操作装置8と、塗工切替用ロール用操作装置7及び張力調整用ロール用操作装置8を制御して、塗工ロール6の外周面6aに基材走行路Rの塗工面Ra側を接触又は塗工接近せさる塗工操作と塗工ロール6の外周面6aから基材走行路Rの塗工面Ra側を離反させる非塗工操作とを繰り返させる制御装置9と、を備えた間欠塗工装置1であって、前記制御装置9は、基材走行路Rの上流側基準ロール2から下流側基準ロール5へ至る基材パスラインPL(図6参照)の寸法値について、塗工操作における塗工ロール6の外周面6aに対する基材走行路Rの塗工面側の接触又は塗工接近を始めさせる時の前後に設定した設定時間T1、及び非塗工操作おける塗工ロール6の外周面6aから基材走行路Rの塗工面Ra側の離反を始めさせる時の前後に設定した設定時間T2の各時間内におけ寸法値が、これら設定時間以外における寸法値よりも増大するように、塗工切替用ロール3の進退移動に追従して張力調整用ロール4の進退位置の制御を行なうことを特徴とする間欠塗工装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の本発明に係る間欠塗工方法は、塗工ロールの外周面上の塗工液に対する基材の塗工面の接触を始めさせる時の前後の設定時間及び塗工ロールの外周面上の塗工液から基材の塗工面を離反させ始める時の前後の設定時間の各時間内において、基材の張力についてこれら設定時間以外における張力値よりも増大させて、基材の幅方向の撓み量を小さくすることで、塗工ロール上の塗工液に対する基材の幅方向の両端側と中央部との接触を始める時間差又は離反を始める時間差の各々を小さくして、従来の基材に負荷される張力が常時一定となる場合に比べて、塗工域の始端及び終端について大きく湾曲させることなく直線状に近づけることができる。
【0012】
請求項2記載の本発明に係る間欠塗工装置は、塗工ロールの外周面に塗工液を担持させて基材走行路を走行する基材に間欠塗工を行なうときに、塗工ロールの外周面上の塗工液に対する基材の塗工面の接触を始めさせる時の前後の設定時間及び塗工ロールの外周面上の塗工液から基材の塗工面を離反させ始める時の前後の設定時間の各時間内において、基材パスラインの寸法についてこれら設定時間以外における寸法値よりも増大させるのに伴い、基材の張力をこれら設定時間以外における張力値よりも増大させて、基材の幅方向の撓み量を小さくすることで、塗工ロール上の塗工液に対する基材の幅方向の両端側と中央部との接触を始める時間差又は離反を始める時間差の各々を小さくして、従来の基材に負荷される張力が常に一定となる場合に比べて、塗工域の始端及び終端について大きく湾曲させることなく直線状に近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る間欠塗工方法及び間欠塗工装置(以下、「本発明塗工方法」及び「本発明塗工装置」と言う。)の実施の形態を示すものであって、本発明塗工装置1の待機状態を示す正面図である。
【図2】図1のII−II線における右側断面図であって、昇降フレーム13が待機位置Mに位置している状態を示している。
【図3】本発明塗工装置1の非塗工操作の状態(基材Wが塗工ロール6の外周面6a上の塗工液(図示略)から離反している状態)を示す右側断面図である。
【図4】本発明塗工装置1の要部を拡大したものであって、図(A)は非塗工操作の状態を実線で示すと共に塗工操作の状態(基材Wが塗工ロール6の外周面6a上の塗工液(図示略)に接触している状態)を二点鎖線で示す右側断面図、図(B)及び図(C)はロール用操作装置7(8)を概略的に示す側面図である。
【図5】本発明塗工装置1の要部を拡大したものであって、塗工操作の状態を示す右側断面図である。
【図6】図(A)は塗工切替用ロール3及び張力調整用ロール4の進退方向の位置(縦軸)と操作の経過時間(横軸)との関係を示すグラフ、図(B)は基材パスラインPLの寸法(縦軸)と操作の経過時間(横軸)との関係を示すグラフ、図(C)は基材Wの張力(縦軸)と操作の経過時間(横軸)との関係を示すグラフ、図(D)は塗工ロール6の外周面6aの周速度(縦軸)と操作の経過時間(横軸)との関係を示すグラフ、図(E)は塗工ロール6の外周面6aに対する基材Wの状態と操作の経過時間(横軸)との関係を示すもの、図(F)は各時間帯と操作の経過時間(横軸)との関係を示すものである。
【図7】図(A)は従来の塗工状態を示す平面図、図(B)は本発明に係る間欠塗工方法及び間欠塗工装置による塗工状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明塗工装置1は、図1乃至図3に示す如く、フレーム構造として、左右方向(後述する各ローラの長手方向)へ延びる連結フレーム10,10…と、連結フレーム10,10…で連結した左右の固定フレーム11,11と、左右の固定フレーム11,11の各々に昇降案内装置12を介して昇降自在に設けた左右の昇降フレーム13,13とで構成してある。昇降案内装置12は、固定フレーム11に取付けた案内レール17と、昇降フレーム13に取付けて案内レール17に案内させたスライダー18と、昇降フレーム13を上方の待機位置M(図2参照)と下方の塗工操作位置N(図3参照)の間で移動させるエアーシリンダー等からなる移動操作具19とからなる。
【0015】
本発明塗工装置1は、上記フレーム構造に配設したロール群で、基材Wを走行させるための基材走行路Rを形成するようにしてある。ロール群は、図3に示す如く、基材走行路Rの非塗工面Rb側を形成するように、走行方向(矢符S方向)へ向かって(すなわち、基材走行路Rの上流側から下流側へ向かって)順番に設けた定位置の上流側基準ロール2、進退自在な塗工切替用ロール3、進退自在な張力調整用ロール4及び定位置の下流側基準ロール5と、上流側基準ロール2と塗工切替用ロール3の間であって基材走行路Rの塗工面Ra側を形成する定位置の塗工ロール6と、上流側基準ロール2より更に上流側の基材走行路Rを形成する定位置のガイドロール21,21と、下流側基準ロール5より更に下流側の基材走行路Rの非塗工面Rb側を形成する定位置のガイドロール22とを備えている。ガイドロール21,21より更に上流側には、基材走行路Rを形成するフイードロール(図示略)を設けてある。
【0016】
前記左右の固定フレーム11,11は、図3に示す如く、前記上流側のガイドロール21,21及び下流側のガイドロール22と、塗工ロール6とを所定の定位置に架設してある。また、前記左右の昇降フレーム13,13は、前記上流側基準ロール2及び下流側基準ロール5を架設し、下方の塗工操作位置Nに停止させることで、上流側基準ロール2及び下流側基準ロール5を所定の定位置に停止させ、また、上方の待機位置M(図2参照)に停止させることで、上流側基準ロール2及び下流側基準ロール5を待機位置に停止させるようにしてある。更に、左右の昇降フレーム13,13は、左右の塗工切替用ロール用操作装置7,7及び左右の張力調整用ロール用操作装置8,8が取付けられ、塗工切替用ロール用操作装置7,7を介して塗工切替用ロール3を進退自在に設けると共に、張力調整用ロール用操作装置8,8を介して張力調整用ロール4を進退自在に設けてある。
【0017】
図3に示す如く、前記基材走行路Rの非塗工面Rb側を形成する上流側基準ロール2、塗工切替用ロール3、張力調整用ロール4及び下流側基準ロール5は、基材走行路Rを走行する基材Wの非塗工面Wbを案内するものであって、回転自在なフリーロールとしてある。上流側基準ロール2、塗工切替用ロール3及び張力調整用ロール4は、ロール外周面の直径が40mm〜80mm(好ましくは、45〜60mm)の範囲内であるものを用いる。上流側のガイドロール21,21及び下流側のガイドロール22は、ロール外周面の直径が100mm〜150mmの範囲内であるものを用いを、上流側のガイドロール21,21を回転自在なフリーロールにすると共に、下流側のガイドロール22を駆動装置(図示略)で強制駆動する駆動ロールにしてある。ガイドロール21,21より更に上流側に設けたフイードロール(図示略)は、駆動装置(図示略)で強制駆動する駆動ロールにしてあり、駆動ロールである下流側のガイドロール22と共に、基材Wを駆動して設定速度で走行させるようにしてある。なお、下流側のガイドロール22は、ロール外周面と巻掛け角度の小さな基材Wとの間の滑りを排除して基材Wを設定速度で確実に駆動させるために、ロール外周面に吸引口を開設した吸引式とすることもある。駆動ロールである上流側のフイードロール(図示略)及び下流側のガイドロール22は、各ロールを中心として基材Wの上流側の張力と下流側の張力が影響し合わないようにするテンションカット機能を有するため、基材Wの上流側基準ロール2から下流側基準ロール5へ至る間の基材Wの走行方向の張力を一時的に高めることができるようにすることができる。
【0018】
前記塗工ロール6は、ロール外周面の直径が40mm〜80mm(好ましくは、45〜55mm)の範囲内であるものを用い、駆動装置34(図1参照)で強制駆動することで、ロール外周面6aに担持させてある塗工液(図示略)を、基材走行路Rを走行する基材Wの塗工面Waに転写して塗布するようにしてある。また、塗工ロール6は、可変速できるように駆動され、ロール外周面6aから基材Wが離反を始める瞬間の前後に設定した設定時間T3(図6参照)だけ減速(図6(D)参照)させ、ロール外周面6aから塗工液の飛び跳ねを抑制しつつ基材Wを円滑に離反させるようにしてある。
【0019】
前記塗工ロール6を有する塗工手段39は、図1乃至図3に示す如く、外周面6aに凹部を設けたグラビア形式の塗工ロール6の他に、塗工ロール6の外周面6aに塗工液を付着させる塗工液付着槽35と、塗工ロール6の外周面6aに付着した余分な塗工液を掻取るドクター37と、塗工液付着槽35を待機位置(図2に示す位置)から付着位置(図3に示す位置)まで昇降せさる槽昇降装置36と、ドクター37を待機位置(図2に示す位置)から掻取位置(図3に示す位置)まで進退せさるドクター移動装置38とを備えている。槽昇降装置36及びドクター移動装置38は、左右の固定フレーム11,11に取付けてある。塗工ロール6は、基材Wの走行方向と逆方向へ外周面6aを回転させ、外周面6aの凹部内に担持させた塗工液を基材Wの塗工面Waに転写するリバースのキス塗工方式となるようにしてある。塗工ロール6は、グラビア形式以外に、棒状材の外周面に細い線材を巻き付け、線材の間に形成される螺旋溝に塗工液を担持させるワイヤーバー方式を選択することも可能である。
【0020】
前記左右の塗工切替用ロール用操作装置7,7の各々は、図4に示す如く、塗工切替用ロール3を回転自在に支持すると共に昇降フレーム13(図1〜図3参照)に取付けた案内レール24に進退自在に案内させるスライダー25を取付けたロール支持部26と、昇降フレーム13に取付けた位置決め制御及び速度制御可能な電動サーボモータからなる駆動源27と、ロール支持部26と駆動源27の間に設けられ、電動サーボモータの回転出力をロール支持部26に伝達して塗工切替用ロール3を進退移動させる動力伝達機構28とを備えている。駆動源27は、プログラムテーブルを採用して、このテーブルに塗工切替用ロール3の停止位置及び通過位置、並びに、塗工切替用ロール3の進退移動時の速度及び加減時間等を設定するたけで、塗工切替用ロール3の後述する位置決めを簡単に実現できるようにしてある。動力伝達機構28は、駆動源27の出力軸27aに取着したクランク31と、クランク31及びロール支持部26に両端側を回り対偶(軸及び軸受けの組合せ)で連結した連結棒32とを備え、案内レール24、スライダー25及びクランク31との組合せでガタ付きの少なく応答性の良い四節連鎖からなる滑子クランク機構を構成している。左右の塗工切替用ロール用操作装置7,7は、左右の駆動源27,27を同期状態で運転することで、塗工切替用ロール3を基材走行路Rの非塗工面Rb側から塗工面Ra側へ向かって非塗工操作位置Dから塗工操作位置Eまでの間を平行状態を維持しつつ円滑且つ迅速に進退するようになっている。
【0021】
また、前記左右の張力調整用ロール用操作装置8,8の各々は、図4に示す如く、前記記塗工切替用ロール用操作装置7と同様に構成され、張力調整用ロール用ロール4を回転自在に支持すると共に昇降フレーム13(図1〜図3参照)に取付けた案内レール24に進退自在に案内させるスライダー25を取付けたロール支持部26と、昇降フレーム13に取付けた位置決め制御及び速度制御可能な電動サーボモータからなる駆動源27と、ロール支持部26と駆動源27の間に設けられ、電動サーボモータの回転出力をロール支持部26に伝達して張力調整用ロール用ロール4を進退移動させる動力伝達機構28とを備えている。駆動源27は、プログラムテーブルを採用して、このテーブルに張力調整用ロール用ロール4の停止位置及び通過位置、並びに、塗工切替用ロール3の進退移動時の速度及び加減時間等を設定するたけで、張力調整用ロール用ロール4の後述する位置決めを簡単に実現できるようにしてある。動力伝達機構28は、駆動源27の出力軸27aに取着したクランク31と、クランク31及びロール支持部26に両端側を回り対偶(軸及び軸受けの組合せ)で連結した連結棒32とを備え、案内レール24、スライダー25及びクランク31との組合せでガタ付きの少なく応答性の良い四節連鎖からなる滑子クランク機構を構成している。左右の張力調整用ロール用操作装置8,8は、左右の駆動源27,27を同期状態で運転させることで、張力調整用ロール用ロール4を基材走行路Rの塗工面Ra側から非塗工面Rb側へ向かって非塗工操作位置Fから塗工操作位置Gまでの間を平行状態を維持しつつ円滑且つ迅速に進退するようになっている。
【0022】
前記塗工切替用ロール用操作装置7,7及び張力調整用ロール用操作装置8,8を制御する制御装置9(図1参照)は、図4(A)に示す如く、塗工ロール6の外周面6aに基材走行路Rの塗工面Ra側を接触又は塗工接近(接触はさせないが塗工する状態まで接近)せさる塗工操作(図中に二点鎖線で示す状態)と塗工ロール6の外周面6aから基材走行路Rの塗工面Ra側を離反させる非塗工操作(図中に実線で示す状態)とを交互に繰り返すように、塗工切替用ロール用操作装置7,7及び張力調整用ロール用操作装置8,8の各駆動源27へ起動停止の信号を発信するものである。制御部9は、例えば図6に示す如く、移動する塗工切替用ロール3及び張力調整用ロール4の進退方向に沿った各位置(図(A)参照)、基材走行路Rの上流側基準ロール2から下流側基準ロール5へ至る基材パスラインPLの寸法値(図(B)参照)及び塗工ロール6の外周面6aに対する基材Wの状態(図(E)参照)の関係のデータを記憶する記憶部と、塗工切替用ロール3の移動の経過に伴って予め設定した基材パスラインPLの変化する寸法値を得るための張力調整用ロール4の移動させるべき位置を求める演算部、演算部の結果に基づいてロール用操作装置7,7及び8,8の各駆動源27のドライバー部に起動停止の信号を発信する指令部とを備えている。
【0023】
前記制御装置9の指令を受けた塗工切替用ロール用操作装置7,7及び張力調整用ロール用操作装置8,8は、例えば図6に示す如く、塗布切替用ロール3を非塗工装置位置Dから塗工操作位置Eへ向かって等速度(図(A)参照)で移動させるときに、張力調整用ロール4を非塗工装置位置Fから塗工操作位置Gへ向かって可変速度で移動(図(A)参照)させることで、塗工ロール6の外周面6aに対する基材Wの状態の変化(図(E)参照)に応じた基材パスラインPLの変化する寸法値(図6(B)参照)に設定することができると共に、塗布切替用ロール3を塗工操作位置Eから非塗工装置位置Dへ向かって等速度(図(A)参照)で移動させるときに、張力調整用ロール4を塗工操作位置Gから非塗工装置位置Fへ向かって可変速度で移動(図(A)参照)させることで、塗工ロール6の外周面6aに対する基材Wの状態の変化(図(E)参照)に応じた基材パスラインPLの変化する寸法値(図6(B)参照)に設定することができる。また、ロール用操作装置7,7及び8,8は、塗布切替用ロール3を塗工装置位置Eに停止させると共に張力調整用ロール4を塗工操作位置Gに停止させることで、基材パスラインPLの寸法を基準寸法に維持させ、更に、塗布切替用ロール3を非塗工装置位置Dにさせると共に張力調整用ロール4を非塗工操作位置Fに停止させることで、基材パスラインPLの寸法を基準寸法に維持させるようにしてある。
【0024】
塗工のために基材走行路Rを走行する基材Wは、上流側のガイドロール21,21及び下流側のガイドロール22の外周面上を滑らないように案内されることで、走行方向の張力について、上流側基準ロール2から下流側基準ロール5へ至る間の部分と、ガイドロール21,21より更に上流側部分及びガイドロール22より更に下流側部分との間でテンションカットされることになる。そのため、基材Wは、上流側基準ロール2から下流側基準ロール5へ至る基材パスラインPLの寸法値の変化に応じて、基材パスラインPLの部分で弾性変形が生じて張力も変化することになる(図6(B)(C)参照)。
【0025】
本出願の発明者は、図7(B)に示すように塗工域Kの始端縁及び終端縁について大きく湾曲させることなく直線状に近づけるために多くの実験を繰り返し、塗工ロール6に対する基材Wの接触を始める瞬間の前後、並びに、塗工ロール6に対する基材Wの離反を始める瞬間の前後の各々について、基材Wの走行方向の張力を一時的に高めて基材Wの幅方向(走行方向と直交す方向)の撓み量を小さくすることで達成できることを見出し、本発明に至った。本発明塗工装置1は、前記制御装置9から前記ロール用操作装置7,7及び8,8の各駆動源27に起動停止の指令を行い、基材走行路Rの上流側基準ロール2から下流側基準ロール5へ至る基材パスラインPLの寸法値について、塗工操作における塗工ロール6の外周面6aに対する基材走行路Rの塗工面Ra側(すなわち、基材Wの塗工面Wa側)の接触又は塗工接近を始めさせる時の前後に設定した設定時間T1(図6参照)、及び非塗工操作おける塗工ロール6の外周面6aから基材走行路Rの塗工面Ra側(すなわち、基材Wの塗工面Wa側)の離反を始めさせる時の前後に設定した設定時間T2の各時間内におけ寸法値が、これら設定時間T1,T2以外における寸法値(基準寸法値)よりも増大(図6(B)参照)するように、塗工切替用ロール3の進退移動に追従して張力調整用ロール4の進退位置の制御を行なうようにしてある。これら設定時間T1,T2は、この設定時間T1,T2内の基材Wの走行方向の移動寸法が5〜50mmの範囲内で設定できるように、基材Wの走行速度が5〜15m/mimのとき、2/100秒〜20/100秒の範囲内で選択される。基材パスラインPLの設定時間T1,T2以外における寸法値(基準寸法値)は、基材パスラインPLに位置する基材Wに対する塗工ロール6による塗工又は非塗工状態の基材Wの走行が円滑にできる基材Wの基準張力状態が得られる値に設定される。また、基材パスラインPLの設定時間T1,T2おける寸法値(基準寸法値)は、基材パスラインPLに位置する基材Wの塗工面Waが塗工ロール6の外周面6aに対して接触又は塗工接近(接触はさせないが塗工する状態まで接近)を始めるとき又は離反を始めるときに、基材Wの基材幅方向の撓み量を一時的に小さくして塗工域Kの始端及び終端を直線状に近づける(図7(B)参照)ことができる基材Wの高張力状態が得られる値に設定される。
【0026】
本発明塗工装置1は、図1乃至図3に示す如く、昇降フレーム13を待機位置M(図2参照)まで昇降案内装置12で上昇させることで、最初に基材Wを基材走行路Rへ通す作業をし易くしてあるが、これに限定するものではなく図示は省略したが、昇降フレーム13に取付ける上流側基準ロール2、左右の塗工切替用ロール用操作装置7,7、左右の張力調整用ロール用操作装置8,8及び下流側基準ロール5を固定フレーム11,11に取付けると共に、塗工ロール6を有する塗工手段39を昇降フレームに取付け、最初に基材Wを基材走行路Rへ通すときに、塗工手段39を降下させて待機させるように構成することもある。
【0027】
本発明塗工装置1の基材走行路Rに基材W(例えば、厚みが10〜30μmの基材)を走行させて間欠塗工を行なう本発明塗工方法は、図3に示す定位置の上流側基準ロール2、進退自在な塗工切替用ロール3、進退自在な張力調整用ロール4及び定位置の下流側基準ロール5で基材Wの非塗工面Wbを支持案内しつつ設定した張力を負荷させた基準張力状態で基材Wを走行させ、基材走行中に、図4(A)に示す塗工切替用ロール用操作装置7,7で塗工切替用ロール3を基材Wの非塗工面Wb側から塗工面Wa側へ向かって非塗工操作位置Dから塗工操作位置Eまで前進させると共に張力調整用ロール用操作装置8,8で張力調整用ロール4を基材Wの塗工面Wa側から非塗工面Wb側へ向かって非塗工操作位置Fから塗工操作位置Gまで後退させて、上流側基準ロール2と塗工切替用ロール3との間であって基材Wの塗工面Wa側の定位置に設けられた回転する塗工ロール6の外周面6a上の塗工液に基材Wの塗工面Waを接触させて塗工域K(図7(B)参照)を形成する塗工操作を行なう塗工時間帯(図6参照)と、基材走行中に、図4(A)に示す塗工切替用ロール3を塗工操作位置Eから非塗工操作位置Dまで後退させると共に張力調整用ロール4を塗工操作位置Gから非塗工操作位置Fまで前進させて、塗工ロール6の外周面上の塗工液から基材Wの塗工面Waを離反させて非塗工域J(図7(B)参照)を形成する非塗工操作を行なう非塗工時間帯(図6参照)とを交互に繰返すことで、基材Wの塗工面Waに図7(B)に示す塗工域Kと非塗工域Jを交互に形成する。
【0028】
本発明塗工方法は、本発明塗工装置1の塗工切替用ロール用操作装置7,7及び張力調整用ロール用操作装置8,8に対する制御装置9の前述した特有の制御により、図6に示す如く、塗工ロール6の外周面6a上の塗工液に対する基材Wの塗工面Waの接触を始めさせる時の前後の設定時間T1及び塗工ロール6の外周面6a上の塗工液から基材Wの塗工面Waを離反させ始める時の前後の設定時間T2の各時間内において、基材Wの張力についてこれら設定時間T1,T2以外における基準張力値よりも増大させて、基材Wの幅方向(走行方向と直交す方向)の撓み量を小さくすることで、塗工ロール6上の塗工液に対する基材Wの幅方向の両端側と中央部との接触を始める時間差又は離反を始める時間差の各々を小さくして、塗工域Kの始端及び終端について大きく湾曲させることなく直線状に近づけることができる。本発明塗工方法は、塗工時間帯における設定時間T1,T2を除く時間帯では基材Wの張力を基準張力値にした状態で塗工ロール6の外周面6a上の塗工液に基材Wの塗工面Waの左右幅全域を接触させて、基材Wの幅方向(走行方向と直交す方向)の撓み量をゼロにして塗工操作を行なう。
【0029】
本発明塗工装置1及び本発明塗工方法は、塗工操作における塗工ロール6の外周面上の塗工液に対する基材Wの塗工面Waの接触を始めさせる時の前後に設定した設定時間T1(図6参照)、及び非塗工操作おける塗工ロール6の外周面上の塗工液に対する基材Wの塗工面Waの離反を始めさせる時の前後に設定した設定時間T2の各時間内おける基材Wの張力値を、これら設定時間以外における張力値よりも増大させることで、従来の基材に負荷される張力が常時一定となる場合に比べて、塗工域Kの始端及び終端について大きく湾曲させることなく直線状に近づけることができる。
【0030】
従来の間欠塗工装置は、作動ロールの移動制御にエアーシリンダを用いるので、作動ロールの移動開始時から基材に負荷されていく張力に対応したエアーシリンダのエアー圧力の検出時までに時間を要すると共に、圧縮空気を用いるエアーシリンダの応答速度を速めることに限界がある。そのため、従来の間欠塗工装置は、生産性の向上を目的として基材の走行及び作動ロールの前進・後退の周期を早めようとしても、エアーシリンダの制御が追従できず、目的を達成できない。これに対して、本発明塗工装置1は、塗工切替用ロール用操作装置7,7及び張力調整用ロール用操作装置8,8に駆動源27として位置決め制御及び速度制御可能な電動サーボモータを用いることで、塗工切替用ロール3及び張力調整用ロール4を可及的に進退させて正確な塗工操作位置に停止させることが可能となり、基材の走行及び塗工切替用ロール3及び張力調整用ロール4の前進・後退の周期を早めて生産性の向上を従来に比べて飛躍的に向上させることができる。
【0031】
更に、本発明塗工装置1及び本発明塗工方法は、基材Wの張力値を高めることで塗工域K(図7(B)参照)の始端及び終端について大きく湾曲させることなく直線状に近づけることができるので、幅方向に撓み易い幅寸法の大きな幅寸法が1000mm程度の基材Wに間欠塗工を施すことが可能となり、基材幅寸法を500mm以上とすることができない従来に比べて生産性を飛躍的に向上させることができる。
【符号の説明】
【0032】
2…上流側基準ロール、3…塗工切替用ロール、4…張力調整用ロール、5…下流側基準ロール、6…塗工ロール、7…塗工切替用ロール用操作装置、8…張力調整用ロール用操作装置、9…制御装置、10…連結フレーム、11…固定フレーム、12…昇降案内装置、13…昇降フレーム、17…案内レール、18…スライダー、19…移動操作具、21…ガイドロール、22…ガイドロール、24…案内レール、25…スライダー、26…ロール支持部、27…駆動源、27a…出力軸、28…動力伝達機構、31…クランク、32…連結棒、34…駆動装置、35…塗工液付着槽、36…昇降装置、37…ドクター、38…ドクター移動装置、39…塗工手段、D…非塗工操作位置(塗工切替用ロール3)、E…塗工操作位置(塗工切替用ロール3)、F…非塗工操作位置(張力調整用ロール4)、G…塗工操作位置(張力調整用ロール4)、K…塗工域、J…非塗工域、M…待機位置、N…塗工操作位置、PL…基材パスライン、R…基材走行路、Ra…塗工面、Rb…非塗工面、S…基材走行方向、T1…設定時間(塗工面Waの接触又は塗工接近を始める瞬間の前後)、T2…設定時間(塗工面Waの離反を始め瞬間の前後)、W…基材、Wa…塗工面、Wb…非塗工面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材走行方向へ向かって順番に設けられた定位置の上流側基準ロール、進退自在な塗工切替用ロール、進退自在な張力調整用ロール及び定位置の下流側基準ロールで基材の非塗工面を支持案内しつつ張力を負荷した状態で基材を走行させ、
基材走行中に、塗工切替用ロールを基材の非塗工面側から塗工面側へ向かって非塗工操作位置から塗工操作位置まで前進させると共に張力調整用ロールを基材の塗工面側から非塗工面側へ向かって非塗工操作位置から塗工操作位置まで後退させて、上流側基準ロールと塗工切替用ロールとの間であって基材の塗工面側の定位置に設けられた回転する塗工ロールの外周面上の塗工液に基材の塗工面を接触させて塗工域を形成する塗工操作と、基材走行中に、塗工切替用ロールを塗工操作位置から非塗工操作位置まで後退させると共に張力調整用ロールを塗工操作位置から非塗工操作位置まで前進させて、塗工ロールの外周面上の塗工液から基材の塗工面を離反させて非塗工域を形成する非塗工操作とを交互に繰返す間欠塗工方法において、
塗工操作における塗工ロールの外周面上の塗工液に対する基材の塗工面の接触を始めさせる時の前後に設定した設定時間、及び非塗工操作おける塗工ロールの外周面上の塗工液に対する基材の塗工面の離反を始めさせる時の前後に設定した設定時間の各時間内おける基材の張力値が、これら設定時間以外における張力値よりも増大するように、塗工切替用ロールの進退移動に追従して張力調整用ロールの進退位置を制御することを特徴とする間欠塗工方法。
【請求項2】
基材走行路の非塗工面側を形成するように基材走行方向へ向かって順番に設けられた定位置の上流側基準ロール、進退自在な塗工切替用ロール、進退自在な張力調整用ロール及び定位置の下流側基準ロールと、
上流側基準ロールと塗工切替用ロールとの間であって基材走行路の塗工面側の定位置に設けられた塗工ロールと、
塗工切替用ロールを基材走行路の非塗工面側から塗工面側へ向かって非塗工操作位置から塗工操作位置まで進退させると共にこの間を逆方向へ向かって前進させる塗工切替用ロール用操作装置と、
張力調整用ロールを基材走行路の塗工面側から非塗工面側へ向かって非塗工操作位置から塗工操作位置まで後退させると共にこの間を逆方向へ向かって前進させる張力調整用ロール用操作装置と、
塗工切替用ロール用操作装置及び張力調整用ロール用操作装置を制御して、塗工ロールの外周面に基材走行路の塗工面側を接触又は塗工接近せさる塗工操作と塗工ロールの外周面から基材走行路の塗工面側を離反させる非塗工操作とを繰り返させる制御装置と、を備えた間欠塗工装置であって、
前記制御装置は、基材走行路の上流側基準ロールから下流側基準ロールへ至る基材パスラインの寸法値について、塗工操作における塗工ロールの外周面に対する基材走行路の塗工面側の接触又は塗工接近を始めさせる時の前後に設定した設定時間、及び非塗工操作おける塗工ロールの外周面から基材走行路の塗工面側の離反を始めさせる時の前後に設定した設定時間の各時間内におけ寸法値が、これら設定時間以外における寸法値よりも増大するように、塗工切替用ロールの進退移動に追従して張力調整用ロールの進退位置の制御を行なうことを特徴とする間欠塗工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−156447(P2011−156447A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17730(P2010−17730)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000119254)井上金属工業株式会社 (18)
【Fターム(参考)】