説明

防振台装置

【課題】長尺状の防振台1をポンプユニットP等、機器の幅方向に2つ並べて梁部材8により連結してなる防振台装置Aにおいて、ポンプの起動時の反力による横揺れを十分に抑制できるようにする。
【解決手段】2つの防振台1,1の各架台2には、それぞれの幅方向外側に可動ブラケット6が配設され、その上板部62の上面が架台2の上面と略同じ高さに位置している。この上板部62の外側縁から垂下する垂下板部63には、架台2の長手方向に延びる長穴状の挿通穴63aが形成され、架台2の下方をくぐって幅方向外側に延びる梁部材8の端側が挿通される。挿通穴63aの下側周縁部には、上方から挟むように断面コ字状のアタッチメント65が取り付けられ、梁部材8の外周面に下方から少なくとも2箇所で当接して支持している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えばポンプユニット等、振動の大きな設備機器を設置するための防振台装置に関し、特にその機器の長手方向に延びる長尺状の防振台を幅方向に2つ並べて連結した構造のものに係る。
【背景技術】
【0002】
従来より一般にポンプユニット等を設置する防振台装置としては、概略矩形厚板状の上部架台の上面に複数の凹部を開口させ、この各凹部内にそれぞれ移動可能にアンカーボルトを配置したものが用いられている。そして、そのアンカーボルトの位置をポンプユニット等の取付穴に合わせて調整した後に、凹部内にコンクリートを充填して固定するようにしている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
そのような防振台装置では現場でのコンクリート打ち作業が必要であり、手間がかかるとともに、廃棄するときには環境に負荷をかけ易いという問題もある。また、設置するポンプユニット等によってアンカーボルトの位置を調整できるものの、上部架台の外形寸法は変わらないので、これを或る程度大きなポンプユニット等に合わせて設定すると、小型のポンプユニット等の場合は無駄な設置面積を占めることになる。
【0004】
これらの不具合に着目して本願の発明者は、ポンプユニットの長手方向に延びる長尺の防振台(所謂レール式防振台)を該ポンプユニットの幅方向に並べて、それぞれの上部架台同士を梁部材によって連結する構造を提案し、既に特許出願をしている(特許文献2)。すなわち、各防振台の上部の架台にはポンプユニットのベース部が直接、載置されるので、その剛性を確保するために架台同士の間に梁部材を架け渡して連結するのである。
【0005】
また、そうして防振台の架台と梁部材とを連結するためのブラケット部材を利用して、前記提案例のものでは架台と梁部材とをポンプユニットのベース部に締結するようにしている。すなわち、ブラケット部材には架台の幅方向外側に延びる延出部が設けられるとともに、梁部材の両端部はそれぞれ架台の下をくぐって外側に突出しており、この突出部位において梁部材は、前記ブラケット部材の延出部と共締めでポンプユニットのベース部に結合される。
【0006】
より詳しくは、前記ブラケットの延出部には貫通溝が形成されていて、取付ボルトの位置を架台の幅方向に調整できるようになっている。そして、ポンプユニットを設置するときには、まず、相対的に幅の狭いモータ側の取付穴の間隔(取付ピッチ)に合わせて2つの防振台の間隔を決めた後に、相対的に幅の広いポンプ側の取付ピッチに合うように、前記の貫通溝に沿って取付ボルトを移動させるのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭54−22873号公報
【特許文献2】特開2008−267524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、一般にポンプユニットは、その長手方向にポンプとモータとが同軸に連結されていて、ポンプ側の幅が相対的に広くなっているとともに、起動時にはそのポンプ側のインぺラを駆動する反力によって、回転軸の周りに大きなローリング・モーメントが発生することになる。
【0009】
これに対し前記提案例のものでは、ポンプユニットの幅方向に並ぶ2つの防振台の間隔が相対的に幅の狭いモータ側の取付ピッチによって決まってしまうため、相対的に幅の広いポンプ側においてはポンプユニットの全幅に対して防振台が内側に入り込んだような状態になり、前記のように起動時に発生する大きなローリング・モーメントによって、ポンプユニットには大きな横揺れが生じるという不具合があった。
【0010】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、長尺状の防振台をポンプユニット等、機器の幅方向に2つ並べて連結してなる防振台装置において、ポンプの起動時の反力による横揺れを十分に抑制できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成すべく本発明は、架台と梁部材とを連結するブラケットの構造に工夫を凝らして、ポンプユニットのように機器の長手方向一側の幅寸法が他側に比べて大きい場合に、その一側の幅が広いハの字状にして架台を設置できるようにしたものである。
【0012】
すなわち、請求項1の発明は、各々長尺状の架台及び基台の間に防振体を介在させてなる防振台が、その架台上に載置する機器の幅方向に2つ並んで、それぞれ当該機器の長手方向に延びるように配置され、且つ前記2つの架台同士が、前記機器の幅方向に延びる梁部材によって連結された防振台装置が対象である。
【0013】
そして、前記2つの防振台の各架台が各々角パイプからなる一方、前記梁部材は丸パイプからなり、その両端側がそれぞれ前記各架台の下方を通過して外側に突出している場合に、前記各架台にはそれぞれの長手方向にスライド移動可能に前記梁部材との連結のためのブラケット部材を装着し、このブラケット部材には、上面が前記架台の上面と略同じ高さに位置づけられる上板部と、この上板部の一側縁から垂下する垂下板部とを形成する。
【0014】
その上で、前記ブラケット部材の上板部には前記機器への取付ボルトを配設する一方、垂下板部には前記梁部材の両端側がそれぞれ挿通される挿通穴を、架台の長手方向に延びる長穴状に形成するとともに、この挿通穴の長手方向に沿って移動可能に、且つ前記梁部材の外周面に下方から少なくとも2箇所で当接して支持するように、可動支持部材を配設したものである。
【0015】
斯かる構成により、まず、2つの防振台の各架台に沿ってそれぞれ装着されているブラケット部材をスライド移動させることにより、その位置を、機器のベース部のボルト取付穴の長手方向の間隔に合わせて調整することができる。また、前記ブラケット部材に形成された長穴状の挿通穴の範囲内で梁部材の位置を調整することで、この梁部材をブラケット部材ひいては架台に対し斜めにし、2つの防振台が上方から見てハの字状になるように設置することができる。
【0016】
よって、例えばポンプユニットのようにポンプ側が相対的に幅の広い機器を載置する場合にも、前記のように2つの防振台をハの字状に配置し、ブラケット部材をポンプ側のボルト取付穴の幅方向の間隔に合わせることができる。そして、そのブラケット部材を取付ボルトによって機器のベース部に締結すれば、このベース部と梁部材との間に架台を挟み込んで締め付けることができ、上述した提案例(特許文献2)のものと同様に架台と梁部材とが機器のベース部に共締めでしっかりと固定される。
【0017】
そして、前記ポンプユニットのように相対的に幅の広いポンプ側において起動時に大きな反力を受けるものでは、そのポンプ側の幅が広くなるように2つの架台をハの字状に設置することにより、概ねポンプユニットの全幅に近い間隔でその荷重を受け止めることができる。こうすれば、起動時の反力によって大きなローリング・モーメントが発生しても、これによるポンプユニットの横揺れを十分に抑制できる。
【0018】
また、そうして大きな反力を受けるポンプ側に梁部材が配設されていて、これにより防振台の架台同士が連結されて幅方向の剛性が高められていることも、ポンプユニットの横揺れを抑える上で有利に働く。
【0019】
さらに前記の構成では、前記ブラケット部材に形成する梁部材の挿通穴に、その長手方向に移動可能な可動支持部材を配設するとともに、これにより前記梁部材の外周面を下方から少なくとも2箇所で当接支持するようにしている。このことで、丸パイプからなる梁部材の外周に応力集中によって局所的な変形の起きることを回避し、安定的に支持することができ、前記のようにブラケットを介して梁部材を架台や機器にしっかりと取り付ける上で有利になる。
【0020】
そのような可動支持部材として好ましいのは、例えば概略矩形状の板材を2つ折りにして断面コ字状とし、前記ブラケット部材の挿通穴の下側周縁部を上方から挟むように取り付けるとともに、その上部には、前記梁部材の外周面に少なくとも2箇所で当接するように窪みを形成することである(請求項2)。こうすれば、板材の曲げ加工によって比較的安価に可動支持部材が得られ、その上部に形成した窪みによって梁部材の外周面を安定的に支持することができる。
【0021】
より好ましいのは前記可動支持部材を、前記挿通穴の下側周縁部に対して上下方向の軸周りに所定角度以上、回動可能となるように遊嵌状態で取り付けることであり(請求項3)、こうすれば、ブラケット部材に対して梁部材が斜めになっても、これが可動支持部材の回動によって吸収され、当該可動支持部材による梁部材の当接支持状態が安定的に維持される。
【0022】
さらに、前記窪みを挟んで前記可動支持部材の上部の両端部からそれぞれ上方に突出する一対の突部を設けて、これにより梁部材を把持するようにすれば、可動支持部材による梁部材の支持状態が一層、安定する。しかも、挿通穴内で梁部材を移動させるときに、これと一体に可動支持部材もスムーズに移動するようになるから、作業性の向上も図られる(請求項4)。
【0023】
一方、前記ブラケット部材の具体的構造として、前記防振台において防振体が架台及び基台の長手方向に移動可能に配設されている場合に好ましいのは、前記ブラケット部材の上板部の他側縁から折れ曲がり架台の側面に沿って延びる側板部と、この側板部の下縁の少なくとも一部から折れ曲がり架台の下面に沿って延びる基板部と、を形成して、この基板部を前記防振体の上部に取り付けることである(請求項5)。
【0024】
こうすれば、ブラケット部材の基板部及び側板部がそれぞれ架台(角パイプ)の下面及び側面に重ね合わされて、ガイド面として機能することになり、当該ブラケット部材が架台の長手方向にスムーズにスライド移動するようになる。
【0025】
より好ましいのは、前記ブラケット部材の一側の垂下板部と相対するように、その他側の側板部の下縁の一部から下方に延びる延出板部を形成し、この延出板部において前記垂下板部の挿通穴に相対する位置に、前記梁部材の嵌入される嵌入穴を形成することである(請求項6)。こうすれば、相対する延出板部及び垂下板部にそれぞれ設けられた嵌入穴及び挿通穴によって梁部材が、その長手方向に離れた2箇所で支持されることになり、該梁部材とブラケット部材との連結状態がより安定する。
【0026】
特に好ましいのは、丸パイプである梁部材が嵌入される前記嵌入穴の少なくとも下半分の形状を、当該梁部材の外形状に相当する円の内接するような多角形状とすることであり(請求項7)、こうすれば、梁部材の外周が嵌入穴の内周と2箇所以上で当接するようになって、ここにおいても応力集中による局所的な変形を回避することができる。
【発明の効果】
【0027】
以上、説明したように本発明の防振台装置は、長尺状の2つの防振台を機器の幅方向に並べて梁部材により連結した簡易な構造でありながら、その梁部材と架台との連結構造に工夫を凝らして、2つの防振台の間隔が一端側で広くなるようハの字状に設置できるようにしたから、例えばポンプユニットのように相対的に幅広のポンプ側において起動時に大きな反力を受けるものであれば、このポンプ側の間隔を広げることによって起動時のポンプユニットの横揺れを効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施形態に係る防振台装置の平面図(a)、正面図(b)及び側面図(c)である。
【図2】防振台装置を斜め上方から見た斜視図である。
【図3】架台と梁部材とを連結する可動ブラケットを拡大して示す斜視図である。
【図4】図3とは視点を変えて可動ブラケットを見た斜視図である。
【図5】可動ブラケットの平面図(a)及び側面図(b)である。
【図6】アタッチメントの正面図(a)、側面図(b)及び平面図(c)である。
【図7】2つの防振台をポンプ側の広いハの字に配置したときの図1(a)相当図である。
【図8】同逆ハの字に設置したときの図7相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0030】
−全体構成−
図1、2には本発明に係る防振台装置をポンプ防振台に適用した実施形態を示し、図1(a)は平面図で同(b)、(c)はそれぞれ正面図、側面図である。また、図2は、防振台装置Aを斜め上から見た斜視図である。この防振台装置Aは、一例としてポンプ及び電動モータからなるポンプユニット(機器:図7、8にのみ外形を仮想線Pで示す)を設置するためのもので、そのポンプユニットPの長手方向に延びる長尺状の所謂レール式防振台1を当該ポンプユニットPの幅方向に2つ並べて、それらを連結した構造である。
【0031】
この例では2つの防振台1,1は略同じものであり、各々断面矩形状の角パイプ(例えば構造用角形鋼管等)からなる長尺状の架台2及び基台3が、互いに上下方向に所定の間隔を空けて配置され、その間には架台2及び基台3の長手方向に離れて2つのアイソレータ4,4が介設されている。アイソレータ4は、架台2及び基台3の間の振動伝達を軽減する防振体で、この例ではゴム筒の内部にコイルばねが埋設されて一体化されたものであり、上下にそれぞれ配設されたコ字状の板部材4a,4aが架台2及び基台3に嵌着されて、その長手方向にスライド移動可能になっている。
【0032】
また、各架台2には、その長手方向に離れた2箇所においてそれぞれ防振台装置Aの幅方向外側、即ち相対する防振台1のある側とは反対の側に飛び出すようにして、ポンプユニットPへの取付ボルト5,5,…(図2にのみ示す)が配設されるブラケット6,7が設けられている。架台2の長手方向一側(図1(a)の下側、図2の左奥側)のブラケット6は、架台2の長手方向にスライド移動可能な可動ブラケットであり、詳しくは後述するが、架台2を梁部材8と連結するとともに、それらをポンプユニットPのベース部(以下、ポンプベースともいう)に取り付けるためのブラケット部材である。
【0033】
一方、架台2の長手方向他側(図1(a)の上側、図2の右手前側)に位置するブラケット7は、溶接等によって架台2に固定された固定ブラケットであり、ボルト5の軸部が遊嵌される貫通穴7a(図1(a)にのみ符号を付して示す)が形成されている。この貫通穴7aの大きさはボルト5の軸部よりも大きめに設定されていて、その遊びの分だけボルト5の位置を微調整することができる。
【0034】
尚、図の例では防振台1の架台2よりも基台3が長く、その両端部がそれぞれ架台2の端部よりも外方まで突出しており、そうして突出する基台3の端部付近から幅方向外側に飛び出すようにして、基礎への締結ボルト(図示せず)が貫通する丸穴を備えたフランジ31が形成されている。
【0035】
また、前記基台3の端部から上方に延びるように配設された耐震ボルト9aと、これに対応して上架台2の端部に配設されているブラケット9bとによって、周知の耐震ストッパ機構9が構成されている。すなわち、図3にも示すように耐震ボルト9aは、貴台3の上面にロックナット9cにより締結されていて、その軸部が耐震ブラケット9bの底部の貫通穴に遊嵌状態で挿通されている。
【0036】
前記ボルト9aの軸部には、耐震ブラケット9bの底部よりも上方にゴムブッシュ9dと平座金9eとが外挿され、さらにナット9f(図2にのみ符号を付す)が螺合されている。図では耐震ブラケット9bの床部の上面にゴムブッシュ9dが接触しているが、防振台装置Aを使用するときにはナット9fの位置を調整して、両者の間に適当な隙間を形成することによって、例えば地震等により基礎が大きく揺れたときでも、耐震ブラケット9bとボルト9aとの変位を適切に規制することができる。
【0037】
−防振台の連結構造−
以下に、この実施形態の特徴である防振台1,1の連結構造について詳細に説明する。この例ではポンプユニットPの幅方向に並んだ2つの防振台1,1の間に1本の丸パイプ(例えばガス管)からなる梁部材8を架け渡し、その長手方向の両端側を各々前記した可動ブラケット6,6によって各架台2,2に結合している。すなわち、梁部材8の両端側はそれぞれ架台2,2の下をくぐって当該架台2,2の幅方向外側に突出しており、この各突出部位において各々可動ブラケット6に取り付けられている。尚、梁部材8の先端にはゴムキャップ8aが被せられている。
【0038】
より詳しくは拡大して図3〜5にも示すように、可動ブラケット6は例えば鉄板等の金属製板材を曲げ加工したもので、相対的に架台2の端寄り(図3,4の左寄り)に位置する部位には、角パイプである架台2に下方から重ね合わされてその下面に沿って延びる概略矩形状の基板部60と、この基板部60の両側縁からそれぞれ折り曲げられて上方に延び、架台2の両側面に重ね合わされる側板部61,61とが形成されている。
【0039】
それら両側板部61,61のうちの一側(図3、4の手前側)の側板部61は、架台2の長手方向に可動ブラケット6の全長に亘って延びるとともに、その上縁には基板部60とは反対側に折れ曲がって延びる上板部62が連繋している。図の例では上板部62は、架台2の長手方向に延びる長方形状であり、図5(a)に示すように上方から見ると、前記基板部60と共にL字状をなしている。
【0040】
前記の基板部60には、図5にのみ示すが長方形状の開口60aが形成されるとともに、一つの長辺から下方に折り曲げられた係合片60bが設けられていて、この係合片60bがアイソレータ4のゴム筒の上端開口(図示せず)に係合するようになっている。つまり、可動ブラケット6の基板部60は、その上面が前記のように架台2(角パイプ)に下方から接合されるとともに、下面はアイソレータ4の上面に接合されている。
【0041】
そうして可動ブラケット6が取り付けられるアイソレータ4は、上部の板部材4aが取り除かれ、その代わりに前記のように可動ブラケット6の基板部60が取り付けられて、この基板部60及び側板部61,61が板部材4aと同様に架台2に下方から嵌着されている。このことでアイソレータ4は、前記のように係合する可動ブラケット6と共に、架台2及び基台3に対してその長手方向にスライド移動可能になっている。こうしてスライド移動させるときには、前記のように可動ブラケット6の基板部60及び両側板部61,61がそれぞれ架台2の底面及び両側面に摺接して、ガイド面として機能する。
【0042】
また、そうして基板部60及び両側板部61,61によって可動ブラケット6が架台2に対しスライド移動可能に取り付けられている一方で、当該可動ブラケット6の上板部62には、ポンプユニットPへの取付ボルト5が配設されるようになっており、また、その上板部62の両側縁から下方に延びる板部板部には、架台2の下をくぐった梁部材8の端側が幅方向に貫通する状態でその長手方向にスライド移動可能に取り付けられるようになっている。
【0043】
すなわち、図5(a)に示すように上板部62は、基板部60に隣り合う部分が台形状とされる一方、反対寄りの部分は長方形状であり、ここには架台2に近接する側に寄せられて取付ボルト5の貫通穴62aが形成されている。このボルト貫通穴62aには、図3に示すように取付ボルト5の軸部が下方から挿通され、さらに図外のポンプベースのボルト取付穴も貫通して上方に突出し、ナット10が螺合されるようになる。
【0044】
また、前記上板部62の長方形状の部分においては幅方向外側(一側)の側縁から折れ曲がって垂下するように垂下板部63が形成されている一方、反対側の幅方向内側(他側)に連繋する側板部61の下縁には、基板部60に連繋する部位を除いて下方に延びる延出板部64が形成されている。前記垂下板部63は、その上部が概略矩形状であって下部は半円状とされ、一方、延出板部64は全体として下方に窄まる台形状であって、その下端部が円弧状とされている。
【0045】
それら垂下板部63及び延出板部64は互いに略平行に可動ブラケット6の幅方向に相対しており、そのうち幅方向外側、即ち架台2の反対側に位置する前記垂下板部63には、梁部材8の端側が挿通される挿通穴63aが、架台2の長手方向に延びる長穴状に形成されている。一方、幅方向内側、即ち架台2に近い側の延出板部64には、前記垂下板部63の挿通穴63aに相対する部位に梁部材8の嵌入穴64aが形成されている。
【0046】
この嵌入穴64aは、図5(b)のように側方から見ると、長穴である挿通穴63aの中央付近に含まれるように位置しており、この嵌入穴64aに嵌め込んだ部位を支点として梁部材8を挿通穴63aの長手方向に移動させることによって、当該梁部材8は架台2の長手方向に傾き、上方から見ると可動ブラケット6や架台2に対して斜めにすることができる。よって、この梁部材8により連結する2つの架台2,2、ひいては防振台1,1を所謂ハの字状、逆ハの字状に配置することができる(図2、7、8を参照)。
【0047】
そうして2つの防振台1,1をハの字或いは逆ハの字状に配置することによって、2つの可動ブラケット6,6の取付ボルト5,5同士の間隔を固定ブラケット7側とは異ならせ、例えばポンプベースにおいて相対的に間隔の広いポンプ側のボルト取付穴に位置合わせすることができる。そして、その取付ボルト5によって可動ブラケット6の上板部62をポンプベースに締結すれば、当該可動ブラケット6の垂下板部63及び延出板部64に取り付けられている梁部材8が、上方に対向するポンプベースとの間に架台2を強く挟み込んで、締め付けるようになる。
【0048】
加えて、この実施形態では前記の長穴状の挿通穴63aに、その長手方向に沿って移動可能にアタッチメント65(可動支持部材)が装着され、当該挿通穴63aに挿通される梁部材8を下方から支持するようになっている。図6に拡大して示すようにアタッチメント65は、例えば鉄板のような金属製板材を2つ折りにして下方に開口する断面コ字状とし、前記挿通穴63aの下側周縁部を上方から挟むように取り付けたものである。
【0049】
同図(b)から分かるように、アタッチメント65の上半部は概ね一定の厚みを有する一方、下半部は、その上端から下方に向かって徐々に厚みが減少するように、相対する一対の板同士が接近し、最挟部65aにおいて折れ曲がった後は互いに離遠するように、即ち下方に向かってアタッチメント65の厚みが大きくなるように形成されている。その上半部における板同士の間隔は、可動ブラケット6の垂下板部63における挿通穴63aの下側周縁部よりも大きく、一方、最挟部65aにおける間隔は前記挿通穴63aの下側周縁部よりも小さい。
【0050】
そのため、前記挿通穴63aの下側周縁部に上方から取り付けるときには、前記アタッチメント65の下端部を挿通穴63aの下縁に押し当てて、下方に移動させることにより、当該アタッチメント65の相対する板同士が弾性変形して最挟部65aの間隔が広がり、挿通穴63aの下側周縁部を通過するようになる。そうして下側周縁部を通過すれば、最挟部65aの間隔は再び元の大きさに戻り、アタッチメント65の脱落を防止する。
【0051】
こうして垂下板部63の挿通穴63aにアタッチメント65を取り付けると、図3、4に示されているようにアタッチメント65の上半部が挿通穴63aの下側周縁部を、所定の隙間を空けて遊嵌状態で挟むようになって、その隙間の大きさに対応する所定角度だけ上下方向の軸周りに回動可能になっている。
【0052】
また、そうして遊嵌状態で挿通穴63aに装着されているアタッチメント65の上部には、図6(a)のようにアタッチメント65の厚み方向に見て、緩やかなV字状の窪み65bが形成されており、図3に示すように梁部材8を下方から支持するようになっている。詳しくは、図6(c)に明らかなようにアタッチメント65の上面には上方から見て矩形状に切り欠かれており、この切り欠きの深さがアタッチメント65の中央寄りで深くなることによって、前記の窪み65bが形成されている。
【0053】
つまり、前記図6(c)に示すように、前記の切り欠きによってアタッチメント65の上面には矩形状の開口が貫通形成されており、この開口に沿ってアタッチメント65の厚み方向両側にそれぞれ形成されるV字状の傾斜面が、実質的に窪み65bを形成する。そして、それらのV字状傾斜面のそれぞれが梁部材8(丸パイプ)の外周面に下方から各々2箇所ずつ、合計4箇所で当接することで、上述したように可動ブラケット6をポンプベースに締結し、このポンプベースと梁部材8との間に架台2を強く挟み込んだときにも、応力集中による弊害の生じることを回避できる。
【0054】
すなわち、前記のように可動ブラケット6を取付ボルト5によってポンプベースに締結し、該ポンプベースと梁部材8との間に架台2を強く挟み込むと、その梁部材8の挿通されている可動ブラケット6の(垂下板部63の)挿通穴63aにおいて アタッチメント65の上部と梁部材8の下部外周との間には大きな力が作用し合うことになり、仮に1箇所での当接であると、丸パイプである梁部材8の当接部位が応力集中によって局所的に凹陥(塑性変形)する虞れがあった。
【0055】
そうして丸パイプである梁部材8の周面が局所的に凹陥してしまえば、いくら取付ボルト5を締め付けても梁部材8を架台2に下方から十分に強く押し付けることができなくなり、その梁部材8、架台2及びポンプベースの取り付けに緩みを生じることになる。この点について、前記のようにアタッチメント65の上部の窪み65bにおいて梁部材8の外周を4箇所で当接支持させることにより応力集中を回避し、前記のような梁部材8の局所的な変形を防止することができる。
【0056】
しかも、前記したようにアタッチメント65が挿通穴63aの下側周縁部を遊嵌状態で挟むように取り付けられているため、上述したように架台2,2ひいては防振台1,1をハの字、逆ハの字に配置するべく梁部材8を可動ブラケット6や架台2に対して斜めにしても、これがアタッチメント65の回動によって吸収されるようになり、当該アタッチメント65の上部における梁部材8の4箇所での支持状態が安定的に維持される。
【0057】
さらに、この実施形態のアタッチメント65の上部には、前記図6(a)に明らかなように、窪み65bを挟むアタッチメント65の幅方向(挿入口63の長手方向)両端部からそれぞれ折り曲げられて上方に突出するように、一対の突部65c,65cが設けられていて、これらが梁部材8を把持するようになっている(図3を参照)。このことでアタッチメント65による梁部材8の支持状態が一層、安定するとともに、この梁部材8を挿通穴63aに沿って移動させるときには、これと一体にアタッチメント65もスムーズに移動するようになる。
【0058】
さらにまた、前記のようにアタッチメント65を介在させて、垂下板部63の挿通穴63a内に梁部材8を移動可能に支持しながら、当該梁部材8の外周面において応力集中が起きないようにするのみならず、その垂下板部63に相対する延出板部64の嵌入穴64aにおいてはその形状に工夫を凝らして、梁部材8の外周に応力集中が起きないようにしている。
【0059】
すなわち、図5(b)に明らかなように嵌入穴64aの形状は、その上半分が概ね梁部材8の外周に相当する半円形状であり、下半分は、当該梁部材8の外周に相当する半円の内接するような多角形状(図の例では八角形の半分の形状)であって、丸パイプである梁部材8の外周面と2箇所、或いは3箇所にて当接するようになっているから、前記したアタッチメント65と同様に梁部材8の外周面に応力集中によって局所的な凹陥が生じることを防止できる。
【0060】
尚、可動ブラケット6の上板部62の上面から挿通穴63a及び嵌入穴64aの上縁までの上下の間隔は、角パイプである架台2の上下寸法よりも僅かに(例えば0.5〜1mm程度)短くなっており、取付ボルト5を締め付けない状態では図3、4に示すように、可動ブラケット6の上板部62の上面が架台2の上面よりも僅かに低くなっている。そして、取付ボルト5を締め付けると前記のように梁部材8が架台2に対して強く押し付けられ、このときに上板部62の上面は架台2の上面と略同じ高さに位置づけられる。
【0061】
−ポンプユニットの設置手順−
上述の如き構造の防振台装置AによってポンプユニットPを設置するときには、まず、前記図1(a)のように2つの防振台1,1同士を概ね平行として、可動ブラケット6,6のボルト貫通穴62a,62aがポンプベースのポンプ側の(即ち相対的に幅の広い方の)取付ピッチに合うように、2つの防振台1、1の間隔を調整する。また、ポンプベースのボルト取付穴の長手方向の間隔に合わせて、アイソレータ4,4と可動ブラケット6,6と梁部材8とを架台2,2の長手方向にスライド移動させる。
【0062】
次いで、前記可動ブラケット6,6同士の間隔を保ったまま、即ちポンプ側の取付ピッチを固定したまま、図7に矢印で示すように防振台1、1のモータ側をそれぞれ内側に回動させて、固定ブラケット7,7のボルト貫通穴7a,7aが、相対的に幅の狭いモータ側の取付ピッチに合うようにする。こうすると2つの防振台1,1は、図示のように上方から見て、モータ側の間隔が狭い(ポンプ側の間隔が広い)ハの字状になる。
【0063】
そうして防振台1,1のモータ側をそれぞれ内側に回動させるときには、それらの各架台2を梁部材8と連結する可動ブラケット6が、延出板部64の嵌入穴64a、即ち梁部材8の嵌入部位を中心に当該梁部材8に対して回動することになる。この際、当該梁部材8の端部が相対的には可動ブラケット6の垂下板部63の挿通穴63aに沿って、アタッチメント65と一体にスムーズに移動するようになる。
【0064】
そして、そのように2つの防振台1,1をモータ側よりもポンプ側で広いハの字状に配置しておいて、その架台2,2の上にポンプユニットPを載置すれば、この上にポンプベース全体が載るようになり、相対的に幅の広いポンプ側においてもその全幅に対して架台2,2が内側に入り込んだような状態にはならない。この状態で可動ブラケット6,6のボルト貫通穴62a,62aに下方からボルト5を挿入し、ポンプユニットPのベース部のボルト取付穴も貫通させて、そこから上方に突出するボルト5の軸部に上方からナット10を螺合させて仮留めする。
【0065】
それから固定ブラケット7のボルト挿通孔7aにも前記の可動ブラケット6側と同様に下方からボルト5を挿入し、ポンプベースの取付穴を貫通して上方に延びるボルト5の軸部にナット10を螺合させる。そして、仮留めしてある可動ブラケット6側も含めた4つのナット10,10,…を本締めする。これにより可動ブラケット6においては梁部材8とポンプベースとの間に架台2が強く挟み込まれて、しっかりと結合される。
【0066】
したがって、この実施形態に係る防振台装置Aによると、2つの長尺状の防振台1,1(所謂レール式防振台)をポンプユニットPの幅方向に並べて梁部材8によって連結するとともに、その連結のための可動ブラケット6,6を利用して、架台2及び梁部材8をボルト5により共締めでポンプベースに締結するようにしたから、防振台装置AへのポンプユニットPの載置とともに防振台1,1の各架台2,2をしっかりと連結することができ、設置作業が容易に行える。
【0067】
しかも、全体として部品点数が少なく梱包サイズも小さくなることから、設置現場への運搬性も高い。勿論、現場でのコンクリート打ち作業が不要であることも作業性の向上に寄与するし、コンクリートを用いないことから、廃棄するときにはリサイクルが可能であり、環境にも優しい。
【0068】
また、この実施形態では相対的に幅の広いポンプ側で起動時に大きな反力を受けることになるが、可動ブラケット6の垂下板部63に形成する梁部材8の挿通穴63aを長穴状にすることで、この梁部材8に対し可動ブラケット6及び架台2、ひいては防振台1を斜めにし、上方から見るとポンプ側で間隔の広いハの字状に配置することができる。このことで、起動反力によるローリング・モーメントを受けたときのポンプユニットPの横揺れを効果的に抑制できる。
【0069】
さらに、そうして2つの防振台1,1をハの字状に配置するために長穴状とした挿通穴63aには、その下縁に沿って移動可能なアタッチメント65を配設しており、その上部に設けた窪み65bにおいて前記梁部材8の外周を4箇所で当接支持することによって、丸パイプからなる梁部材8の外周に応力集中により局所的な変形の起きることを回避し、梁部材8とポンプベースとの間に架台2を挟み込んで、しっかりと結合できる。
【0070】
さらにまた、この実施形態の前記可動ブラケット6には、前記のように梁部材8の挿通される垂下板部63に相対するように延出板部64が設けられ、その嵌入穴64aにも梁部材8を嵌入することで、よりしっかりと結合することができる。しかもその嵌入穴64aの形状にも工夫をして、前記アタッチメント65と同じく応力集中によって梁部材8に局所的な変形の起きることを回避できる。
【0071】
尚、前記したようにポンプ側の幅が広いポンプユニットPを載置する場合に限らず、この実施形態の防振台装置Aには、図8に示すように可動ブラケット6の側が狭い逆ハの字状に防振台1,1,を配置して、ポンプ側の幅が狭いポンプユニットPを設置することもできる。
【0072】
また、前記の実施形態においてアタッチメント65の垂下板部63には長穴状の挿通穴63aを形成し、これに相対する延出板部64には長穴状でない嵌入穴64aを形成しているが、その反対に延出板部64の穴を長穴状としてもよいし、両方の板部63,64の穴を長穴状としてもよい。或いは延出板部64はなくしてもよい。
【0073】
さらに、本発明に係る防振台装置はポンプユニットPを設置するものに限らず、例えばチラーやボイラー等の空調設備を始めとした種々の設備機器の防振台装置として適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
以上、説明したように本発明は、2つのレール式防振台を横並びに設けた簡易な構造であり、低コスト化が図られるとともに運搬性、設置作業性にも優れ、環境にも優しいものであるから例えばポンプ防振台として極めて有用である。
【符号の説明】
【0075】
A 防振台装置
P ポンプユニット(機器)
1 レール式防振台(長尺状の防振台)
2 架台
3 基台
4 アイソレータ(防振体)
5 機器への取付ボルト
6 可動ブラケット(ブラケット部材)
60 基板部
61 側板部
62 上板部
63 垂下板部
63a 長穴状の挿通穴
64 延出板部
64a 嵌入穴
65 アタッチメント(可動支持部材)
65b 窪み
65c 一対の突部
8 梁部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々長尺状の架台及び基台の間に防振体を介在させてなる防振台が、その架台上に載置する機器の幅方向に2つ並んで、それぞれ当該機器の長手方向に延びるように配置され、且つ前記2つの架台同士が、前記機器の幅方向に延びる梁部材によって連結された防振台装置であって、
前記2つの防振台の各架台が各々角パイプからなる一方、前記梁部材は丸パイプからなり、その両端側がそれぞれ前記各架台の下方を通過して外側に突出しており、
前記各架台にはそれぞれの長手方向にスライド移動可能に、前記梁部材との連結のためのブラケット部材が装着され、このブラケット部材には、上面が前記架台の上面と略同じ高さに位置づけられる上板部と、この上板部の一側縁から垂下する垂下板部とが形成され、
前記ブラケット部材の上板部には前記機器への取付ボルトが配設される一方、垂下板部には前記梁部材の両端側がそれぞれ挿通される挿通穴が、架台の長手方向に延びる長穴状に形成されていて、
前記挿通穴の長手方向に沿って移動可能に、且つ前記梁部材の外周面に下方から少なくとも2箇所で当接して支持するように可動支持部材が配設されている、ことを特徴とする防振台装置。
【請求項2】
前記可動支持部材は、板材を断面コ字状に折り曲げて、前記ブラケット部材の挿通穴の下側周縁部を上方から挟むように取り付けたもので、その上部には、前記梁部材の外周面に少なくとも2箇所で当接するように窪みが形成されている、請求項1の防振台装置。
【請求項3】
前記可動支持部材は、前記挿通穴の下側周縁部に対して上下方向の軸周りに所定角度以上、回動可能となるように遊嵌状態で取り付けられている、請求項2の防振台装置。
【請求項4】
前記可動支持部材の上部には、前記窪みを挟んだ両端部からそれぞれ上方に突出して、前記梁部材を把持するように一対の突部が設けられている、請求項2又は3のいずれかの防振台装置。
【請求項5】
前記防振台において防振体は、架台及び基台の長手方向に移動可能に配設され、
前記ブラケット部材には、その上板部の他側縁から折れ曲がり架台の側面に沿って延びる側板部と、この側板部の下縁の少なくとも一部から折れ曲がり架台の下面に沿って延びる基板部と、が形成され、
前記ブラケット部材の基板部が前記防振体の上部に取り付けられている、請求項1〜4のいずれか1つの防振台装置。
【請求項6】
前記ブラケット部材には、その一側の垂下板部と相対するように他側の側板部の下縁の一部から下方に延びる延出板部が形成され、この延出板部には前記垂下板部の挿通穴に相対する位置に、前記梁部材の嵌入される嵌入穴が形成されている、請求項5の防振台装置。
【請求項7】
前記ブラケット部材の延出板部の嵌入穴は、その少なくとも下半分の形状が、前記梁部材の外形状に相当する円の内接する多角形状とされている、請求項6の防振台装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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