説明

防汚フィルムの常圧蒸着法

【課題】防汚フィルムの常圧蒸着法を提案する。
【解決手段】この防汚フィルムの常圧蒸着法は、基材を提供するステップと、複数の防汚蒸気分子を形成するように、防汚塗料溶液を気化させる気化ステップと、防汚フィルムを形成するように、これらの防汚蒸気分子を基材の一表面に堆積させるステップと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防汚フィルムの製造方法に関し、特に、常圧蒸着(atmospheric evaporation)による防汚フィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポータブル電子装置の普及に伴い、その外観を維持するために、このようなポータブル電子装置の外層表面の保護に対する要求も日々高まっている。現在、これらの電子装置の外層表面を保護するために、例えば、防指紋フィルムなどの防汚フィルムを電子装置の外層表面に塗布することは、一般的である。例えば、利用者に繰り返しタッチされたり、こすられても、パネルの表面が良い表示品質及び操作感度を保持可能にするように、現在ブームになっているタッチ式電子装置のタッチパネルの表面に、通常、防指紋フィルムが設けられている。
【0003】
通常、防汚フィルムの表面は、殆ど防汚性が良く、指紋跡の汚れが防止可能で、手触りが滑らかで、防水・耐油及び透明等の特性を有する。また、使用寿命が長くなるように、防汚フィルムは、カバーしている装置の外層表面に対して高い付着力を持つ必要がある。
【0004】
現在、防汚フィルムを塗布するには、主に4種類の方式がある。第1は、真空雰囲気において、基材の下方で防汚塗料を加熱し、それを気化させ、上昇させて基材の下表面に付着させることにより、基材の下表面に防汚フィルムを形成する真空蒸着方式である。このような方式の利点は、片面塗布が可能で、塗料の無駄遣いを避けることができることにある。しかしながら、このような塗布方式は、蒸着反応室を真空化する必要があるため、設備の建造費が高くなり、工程の時間が増え、生産性が良くないだけでなく、連続した被蒸着表面にも不適当である。
【0005】
第2は、被処理基材を塗料溶液に浸漬して取り出すことによって、塗料を被処理基材の表面に塗装する浸漬塗布(dipping coating)方式である。しかしながら、このような塗布方式の欠点は、被処理基材に対して多面塗布を行い、塗料の無駄遣いとなることにある。また、連続した被処理基材の塗布に対して、このような方式の必要設備の体積が、相当巨大であるため、連続した被処理基材への適用にも不適当である。
【0006】
第3は、被処理基材の表面に防汚フィルムを形成するように、噴霧装置によって直接、被処理基材の表面へ噴射し、塗料を被処理基材の表面に吹き付ける噴霧塗布(spray coating)方式である。しかしながら、噴霧装置の吹き付けた塗料は、殆ど、まだ気化していないうちに、被処理基材の表面に接触してしまうため、噴霧装置の吹き付けた霧滴が、基材の被塗布の表面に垂れてしまう。その結果、形成した防汚フィルムの均一性が悪くなってしまう。
【0007】
第4は、防汚塗料をブラシで直接、被処理基材の表面に塗る刷毛塗り(brush coating)法である。しかしながら、このような塗布方式は、常に、隣接する2つの塗り領域の隣接する箇所を重複塗布することとなり、形成した防汚フィルムが不均一になってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の一態様は、常圧蒸着によって防汚フィルムの塗布を行うため、防汚フィルムの大幅な生産性向上を実現可能な防汚フィルムの常圧蒸着法を提供する。
【0009】
本発明の他の態様は、連続した被処理基材への防汚フィルムの塗布を効率的に行うことが可能となる防汚フィルムの常圧蒸着法を提供する。
【0010】
本発明のさらにその他の態様は、防汚塗料を、大量に、迅速且つ効果的に被処理基材の表面に均一に塗布可能な防汚フィルムの常圧蒸着法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の前記目的を達成するため、基材を提供するステップと、複数の防汚蒸気分子を形成するように、防汚塗料溶液を気化させる気化ステップと、防汚フィルムを形成するように、これらの防汚蒸気分子を前記基材の一表面に堆積させるステップと、を備える防汚フィルムの常圧蒸着法が提案される。
【0012】
本発明の一実施例によると、前記防汚塗料溶液は、防汚塗料と、高揮発性液体及び/又は水を包含する溶剤と、を含む。
【0013】
本発明の他の実施例によると、前記防汚塗料の材料は、フルオロカーボンシリコン炭化水素系化合物、パーフルオロカーボンシリコン炭化水素系化合物、フルオロカーボンシリコンアルカン系化合物、パーフルオロシリコンアルカン系化合物、又はパーフルオロシリコンアルカンエーテル系化合物を含む。
【0014】
本発明のさらに一つの実施例によると、前記高揮発性液体は、常温における蒸気圧が水の蒸気圧と比べて大きく、且つアルコール類、エーテル類、アルカン類、ケトン類、ベンゼン類、フルオロ基含有アルコール類、フルオロ基含有エーテル類、フルオロ基含有アルカン類、フルオロ基含有ケトン類、フルオロ基含有ベンゼン類からなる群から選ばれるものである。
【0015】
本発明のさらに一つの実施例によると、前記気化ステップは、超音波霧化素子、加熱蒸着霧化素子、高圧気体ジェット素子、又はノズル霧化素子を包含してもよい霧化素子を用いることを含む。
【0016】
本発明のさらに一つの実施例によると、前記防汚フィルムの常圧蒸着法は、気化ステップの前に、基材の表面に、複数の酸素水素官能基、複数の窒素水素官能基、及び/又は複数のダングリングボンドを含有してもよい複数の官能基を形成するように、プラズマを用いて前記基材の表面に洗浄及び処理を行うステップを更に備える。
【0017】
本発明のさらに一つの実施例によると、前記防汚フィルムの常圧蒸着法は、気化ステップの前に、保護カバーを用いて基材を覆うステップを更に備え、気化ステップは、この保護カバー内で行われる。
【0018】
本発明のさらに一つの実施例によると、前記防汚フィルムの常圧蒸着法は、防汚蒸気分子を堆積させるステップの前に、これらの防汚蒸気分子を保護カバー内で対流させるステップを更に備える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
下記図面の簡単な説明は、本発明の前記または他の目的、特徴、メリット及び実施例をより分かりやすくするためのものである。
【0020】
【図1】本発明の一実施形態による防汚フィルムの常圧蒸着法を示すフロー図である。
【図2A】本発明の一実施形態による防汚フィルムの常圧蒸着法を示す工程断面図である。
【図2B】本発明の一実施形態による防汚フィルムの常圧蒸着法を示す工程断面図である。
【図2C】本発明の一実施形態による防汚フィルムの常圧蒸着法を示す工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施形態による防汚フィルムの常圧蒸着法を示すフロー図である図1、及び本発明の一実施形態による防汚フィルムの常圧蒸着法を示す工程断面図である図2A〜図2Cを参照する。図1に示すように、本実施形態の防汚フィルムの常圧蒸着法100において、まず、ステップ102の通り、基材200を提供する。基材200は、例えば、保護ガラス、プラスチック基材、強化ガラス又は金属基材であってもよい。
【0022】
一実施例において、ステップ102により基材200を提供する場合、1つ又は複数の基材200を給送装置202に設けてもよい。図2Aに示した実施例において、給送装置202は、コンベアベルト204とロール206により構成され、基材200はコンベアベルト204に配列される。また他の実施例において、基材は、連続した基材であってもよく、給送装置は、例えば、塗布装置の前後両側で連続した基材を支持して移動させ、前へ進行させる2つのロールのような、この連続した基材を移動させる給送装置であってもよく、また、この場合、基材はコンベアベルトに搭載されない。
【0023】
本実施形態において、防汚フィルム228(図2Cを参照)の塗布を行う場合、工程の必要に応じて、図1に示したステップ104の通り、選択的にプラズマ装置208を用いてプラズマ210を発生させ、基材200の表面220を活性化させるように、プラズマ210を用いて基材200の表面220に対して洗浄及び表面変性処理を行うことができる。一実施例において、基材200の表面220をプラズマ210により活性化した後、基材200の表面220に複数の官能基を形成することができる。一例において、窒素、アルゴン、酸素又は空気等の作動ガスを用いて、プラズマ210を発生させることができる。ただし、プラズマ210により表面処理された後、基材200の表面220に発生した官能基が、例えば、酸素水素官能基及び/又は窒素水素官能基を含むような、防汚蒸気分子226と結合可能な官能基であることが好ましい。一実施例において、基材200の表面220に発生した官能基は、防汚蒸気分子226と結合可能なダングリングボンドを更に含む。
【0024】
一実施例において、大気プラズマ又は低圧プラズマを用いて、基材200の表面220に対して表面変性処理を行ってもよい。ただし、大気プラズマは、例えば、常圧ジェットプラズマ(plasma jet又はplasma torch)又は広域常圧プラズマ(dielectric barrier discharge;DBD、又はatmospheric glow discharge)等であってもよく、低圧プラズマは、例えば、真空プラズマであってもよい。また、プラズマ装置208は、例えば、大気プラズマ装置、低圧プラズマ装置又は電磁結合プラズマ装置等であってもよい。ただし、後の常圧蒸着の作業の一貫性に合わせて、工程の時間を短縮させるために、本実施形態において好ましくは、大気プラズマを用いて基材200の表面220の洗浄及び活性化処理を行うことが、注意すべき点である。
【0025】
基材200の表面処理のステップ104を完了した後、すぐにステップ106を行う。一実施例において、ステップ106を行う場合、まず、霧化装置218を基材200の表面220の上方に設けて、保護カバー212を用いて基材200を覆うことで、保護カバー212と給送装置202のコンベアベルト204より反応室234を定義することができる。そして、図2Bに示すように、基材200の表面220の上方で防汚塗料霧224を形成するように、大気雰囲気中で、霧化装置218を用いて反応室234内の基材200の表面220の上方で防汚塗料溶液232を霧化する。
【0026】
防汚塗料溶液232を霧化する場合、例えば、超音波霧化素子、加熱蒸着霧化素子、高圧気体ジェット素子、又はノズル霧化素子などの霧化素子を用いてもよい。図2Bに示した実施例において、霧化装置218は、塗料受止装置216と、超音波霧化振動片214と、塗料搬送部材222と、を含んでもよい。即ち、図2Bの実施例に用いる霧化素子は、超音波霧化振動片214である。
【0027】
霧化装置218において、防汚塗料溶液232は、塗料受止装置216に積み込まれる。超音波霧化振動片214は、塗料受止装置216の片側の上部に設けられる。塗料搬送部材222は、塗料受止装置216の防汚塗料溶液232と超音波霧化振動片214との間に接続され、防汚塗料溶液232を塗料受止装置216から超音波霧化振動片214まで送ることができる。超音波霧化振動片214により超音波振動した後、防汚塗料溶液232は、霧化されて、防汚塗料霧224になることができ、その後、霧化溶液における溶剤の急速な揮発により、防汚塗料蒸気分子226となる。
【0028】
いくつかの実施例において、超音波霧化振動片214を防汚塗料溶液232の液面に置いてもよく、この場合、霧化装置218は、塗料搬送部材222は無くてもよい。塗料搬送部材222は、例えば、スライバー又は搬送管であってよい。
【0029】
防汚塗料溶液232は、防汚塗料及び溶剤を含んでもよい。一実施例において、防汚塗料の材料は、フルオロカーボンシリコン炭化水素系化合物、パーフルオロカーボンシリコン炭化水素系化合物、フルオロカーボンシリコンアルカン系化合物、パーフルオロシリコンアルカン系化合物、又はパーフルオロシリコンアルカンエーテル系化合物を含んでもよい。また、防汚塗料溶液232の溶剤は、例えば、高揮発性液体、水、又は高揮発性液体と水を混合した液体を含んでもよい。高揮発性溶剤の性質は、常温で液体状態となり、安定した化学構造及び高揮発性を持ち、低沸点、無色透明、且つ生物に対する明確な有害性を持たない液体である。好ましい実施例において、高揮発性液体は、常温における蒸気圧が水の蒸気圧と比べて大きく、且つこの高揮発性液体は、アルコール類、エーテル類、アルカン類、ケトン類、ベンゼン類、フルオロ基含有アルコール類、フルオロ基含有エーテル類、フルオロ基含有アルカン類、フルオロ基含有ケトン類、フルオロ基含有ベンゼン類からなる群から選ばれることができる。
【0030】
超音波霧化振動片214等の霧化素子を用いて防汚塗料溶液232を霧化する場合、高揮発性溶剤により比較的分子の大きい防汚塗料を移動することができるため、防汚塗料溶液232を霧化して防汚塗料霧224に転化することに役立つものである。
【0031】
また他のいくつかの実施例において、防汚塗料蒸気分子226への防汚塗料霧224の転化を速めるために、更に、ヒーターを用いて、霧化装置218の形成した防汚塗料霧224を加熱することができる。例としては、防汚塗料溶液232の溶剤が水等の高揮発性ではない液体である場合、ヒーターを用いて、防汚塗料蒸気分子226への防汚塗料霧224の転化を助けることができる。
【0032】
防汚塗料溶液232が反応室234内で霧化したり、気化した後、形成した防汚塗料霧224を反応室234に散布する。図1に示したステップ108の通り、防汚塗料霧224における溶剤は揮発しやすく、防汚塗料の分子が重いので、図2Cに示すように、溶剤が揮発した後、反応室234内に散布した防汚塗料霧224は、防汚塗料蒸気分子226に気化され、且つ下方へ降下して基材200の表面220に堆積し、更に、基材200の表面220に防汚フィルム228を形成する。
【0033】
本発明の好ましい実施例において、基材200の表面220が活性化された後、官能基が発生するため、防汚塗料霧224における防汚塗料分子は、異方的に基材200の表面220に付着して、基材200の表面220における官能基と縮合反応(Condensation Reaction)を起こす。その結果、形成した防汚フィルム228は、基材200の表面220に対して極めて強い付着力を有する。
【0034】
本発明のまた他の一実施形態において、更に、工程の必要に応じて、防汚塗料蒸気分子226が堆積する前に、例えば、ファン等の対流装置を選択的に反応室234に予め設けて、対流装置により防汚塗料蒸気分子226を反応室234内に更に均一に散布させてもよい。この時、基材200の表面236及び/又は側面238がコンベアベルト204に完全に貼り付けられていない場合、防汚塗料蒸気分子226は、基材200の表面220、表面236及び/又は側面238に同時に堆積し、防汚フィルム228を基材200の表面220、表面236及び/又は側面238に塗布することができる。防汚フィルム228を塗布することで、基材200の表面220、表面236及び/又は側面238に、疎水性、疎油性及び油汚れ防止機能を持たせることができる。また、図2Cに示すように、反応室234内に、霧化装置218を支持するための支持装置230を設けてもよい。
【0035】
本実施形態において、複数の霧化装置218からなる蒸着設備を用いて、例えば、行、列又はアレイに配列された複数の基材200に対して、防汚フィルムの蒸着を同時に行うことができる。また、本発明は、常圧で防汚フィルム228の塗布を行うため、防汚塗料を、大量に、迅速且つ効果的に基材200の表面に均一に塗布することができる。
【0036】
また、本発明の実施形態の一特徴は、防汚塗料溶液の霧化を被処理基材の上方で行うため、防汚塗料溶液が霧化された後、その噴霧方向は、被処理基材に直接向かう方向ではない。このようにして、防汚塗料溶液は、気化が更に明確となった後で、被処理基材の表面に接触することができる。従って、基材の表面での霧滴の発生を避けられ、更に、防汚フィルムの塗布均一性を向上させることができる。
【0037】
本発明のまた他の実施形態において、防汚塗料溶液の霧化が、被処理基材の上方ではなく、他の領域で行ってもよい。例としては、被処理基材の下方で防汚塗料溶液の霧化を行ってから、導管を用いて防汚塗料霧を引き出すことができる。導管によって、搬送過程で防汚塗料霧から転化した防汚塗料蒸気分子を、基材の防汚フィルムを塗布する必要のある領域に導入し、更に、基材の塗布を要する領域に防汚フィルムを形成することができる。
【0038】
前記本発明の実施形態より、本発明の利点の一つは、常圧蒸着によって防汚フィルムを塗布するため、減圧・真空化プロセスが省略でき、更に、設備コストの大幅な削減及び生産性の向上が可能になることであることがわかる。
【0039】
前記本発明の実施形態より、本発明のまた他の利点は、常圧蒸着によって防汚フィルムを塗布するため、連続した被処理基材に対して防汚フィルムを極効率的に塗布し得ることにあることがわかる。
【0040】
前記本発明の実施形態より、本発明のまた一つの利点は、大気雰囲気中で、防汚塗料溶液を霧化したり、気化するため、防汚塗料を大量に、迅速且つ効果的に被処理基材の単一又は複数の表面に均一に塗布し得ることであることがわかる。
【0041】
本発明では実施例を前述の通り開示したが、これは本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神と領域から逸脱しない限り、多様の変更や修正を加えることができる。従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0042】
100 方法、102、104、106、108 ステップ、200 基材、202 給送装置、204 コンベアベルト、206 ロール、208 プラズマ装置、210 プラズマ、212 保護カバー、214 超音波霧化振動片、216 塗料受止装置、218 霧化装置、220、236 表面、222 塗料搬送部材、224 防汚塗料霧、226 防汚塗料蒸気分子、228 防汚フィルム、230 支持装置、232 防汚塗料溶液、234 反応室、238 側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材を提供するステップと、
複数の防汚蒸気分子を形成するように、防汚塗料溶液を気化させる気化ステップと、
前記防汚フィルムを形成するように、前記防汚蒸気分子を前記基材の一表面に堆積させるステップと、
を備える防汚フィルムの常圧蒸着法。
【請求項2】
前記防汚塗料溶液は、防汚塗料と、高揮発性液体及び/又は水を包含する溶剤と、を含む請求項1に記載の防汚フィルムの常圧蒸着法。
【請求項3】
前記防汚塗料の材料は、フルオロカーボンシリコン炭化水素系化合物、パーフルオロカーボンシリコン炭化水素系化合物、フルオロカーボンシリコンアルカン系化合物、パーフルオロシリコンアルカン系化合物、又はパーフルオロシリコンアルカンエーテル系化合物を含む請求項2に記載の防汚フィルムの常圧蒸着法。
【請求項4】
前記高揮発性液体は、常温における蒸気圧が水の蒸気圧と比べて大きく、且つ、アルコール類、エーテル類、アルカン類、ケトン類、ベンゼン類、フルオロ基含有アルコール類、フルオロ基含有エーテル類、フルオロ基含有アルカン類、フルオロ基含有ケトン類、フルオロ基含有ベンゼン類からなる群から選ばれるものである請求項2または3に記載の防汚フィルムの常圧蒸着法。
【請求項5】
前記基材は、保護ガラス、プラスチック基材、強化ガラス又は金属基材を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の防汚フィルムの常圧蒸着法。
【請求項6】
前記気化ステップは、超音波霧化素子、加熱蒸着霧化素子、高圧気体ジェット素子、又はノズル霧化素子を包含する霧化素子を用いることを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の防汚フィルムの常圧蒸着法。
【請求項7】
前記気化ステップの前に、前記基材の前記表面に、複数の酸素水素官能基、複数の窒素水素官能基、及び/又は複数のダングリングボンドを含有する複数の官能基を形成するように、プラズマを用いて前記基材の前記表面に洗浄及び処理を行うステップを更に備える請求項1〜6のいずれか1項に記載の防汚フィルムの常圧蒸着法。
【請求項8】
前記プラズマは、大気プラズマ又は低圧プラズマである請求項7に記載の防汚フィルムの常圧蒸着法。
【請求項9】
前記気化ステップの前に、保護カバーを用いて前記基材を覆うステップを更に備え、前記気化ステップは、前記保護カバー内で行われる請求項1〜8のいずれか1項に記載の防汚フィルムの常圧蒸着法。
【請求項10】
前記防汚蒸気分子を堆積させるステップの前に、前記防汚蒸気分子を前記保護カバー内で対流させるステップを更に備える請求項9に記載の防汚フィルムの常圧蒸着法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【公開番号】特開2012−223757(P2012−223757A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−90094(P2012−90094)
【出願日】平成24年4月11日(2012.4.11)
【出願人】(512095381)馗鼎奈米科技股▲分▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】