説明

防汚膜を有する光学物品

主表面および、それ自体その少なくとも一部が仮のトップコートで被覆された前記主表面を被覆する防汚膜を有する光透過性基板を含む光学物品であって、該防汚膜は下記を含む重合性組成物の硬化反応により得られる:その主鎖の一端のみに少なくとも1つのシラノール基またはシラノール前駆体を含むフッ素化合物およびそれらの混合物のうちから選ばれる第1成分Aの55重量%〜80重量%、およびその主鎖の両端に少なくとも1つのシラノール基またはシラノール前駆体を含む線状フッ素化合物、好ましくはパーフルオロ化合物およびそれらの混合物のうちから選ばれる第2成分Bの45重量%〜20重量%、ただし、第1成分Aと第2成分Bとで100重量とする。上記第1成分Aおよび第2成分Bは合計で、上記膜の全重量の少なくとも50重量%を占める。眼科用レンズへの適用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防汚膜上に予め堆積した仮のトップコートが除去されても維持される防汚性の改善された防汚膜(トップコート)を有する光学物品、具体的には眼科用レンズ、より具体的にはメガネ類用眼科用レンズに広く関する。
【背景技術】
【0002】
このような防汚膜は、“疎水性および/または疎油性膜”とも称され、当技術分野において周知であり、通常、従来の真空蒸着技術によって形成される。それらは、フルオロシランまたはフルオロシラザン、すなわち、フッ素原子を含有のシランおよびシラザンから作製される。
【0003】
防汚膜生成に特に適したフルオロシランは、特許文献1に記載されたフルオロポリエーテル基を含むものである。このようなフルオロシランは下記式で示される:
【化1】


式中、Rは1価または2価のポリフルオロポリエーテル基であり、Rは2価のアルキレン、アリーレンまたはこれら2種の組合わせであり、任意に1または複数の複素原子または官能基を含み、任意に1または複数のハロゲン置換されており、好ましくは2〜16炭素原子を含む;Rは低級アルキル基(すなわちC−Cアルキル基)であり;Yはハロゲン原子、低級アルコキシ基(すなわちC−Cアルコキシ基、好ましくはメトキシまたはエトキシ)、または低級アシロキシ基(すなわち−OC(O)R、ここでのRはC−Cアルキル基である)であり;xは0または1であり;yはどれも1(Rは1価)または2(Rは2価)である。適切な化合物は、通常、数平均分子量が少なくとも1000である。好ましくは、Yは低級アルコキシ基であり、Rはパーフロオロポリエーテル基である。
【0004】
他の推奨されるフルオロシランは下式で示されるものである:
【化2】


式中、n=5、7、9または11であり、Rはアルキル基、好ましくは−CH、−Cおよび−CなどのC−C10のもの;
CF(CFCHCHSi(OC((トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロ)オクチル−トリエトキシシラン);
【化3】


式中、n=7または9であり、Rは上記に定義されるとおり。
【0005】
疎水性および/または疎油性トップコートの調製にも推奨されるフルオロシラン含有組成物は、特許文献2に記載されている。それらは、ケイ素系基を携えている下記一般式で示される有機基を有し、5.10〜1.10の分子量を有するフッ素ポリマーを含有する:
【化4】

【0006】
式中、Rはパーフルオロアルキル基を示す;Zは、フルオロまたはトリフルオロメチル基を示す;a、b、c、dおよびeは、互いに独立に、0または1もしくはそれ以上の整数をそれぞれ示し、ただし、a+b+c+d+eの合計は1未満ではなく、a、b、c、dおよびeのインデックスの付いたカッコ内の繰り返し単位の順序は、この順序に限定されず;YはHまたは炭素原子1〜4を含むアルキル基を示す;Xは水素、臭素またはヨウ素原子を示す;
は水酸基または加水分解性基を示す;Rは水素または1価の炭化水素基を示し;mは0、1または2を示す;nは1、2または3を示す;pは少なくとも1、好ましくは少なくとも2の整数を示す。
【0007】
上記式(1)で示されるフルオロシランを含有する製剤は、OPTOOL DSX(登録商標)の商品名でダイキン工業から上市されている。
【0008】
特許文献3は、レンズ表面が研磨できる充分な滑り止めをするため、シラン化合物の少なくとも1つまたは複数の化学種をシランのフッ素化合物とする処理をした後、レンズ表面においてそれぞれ独立に異なる動摩擦係数を与えるように選択される2種以上の上記シラン化合物から形成される防汚膜を開示する。
好ましい態様において、化学種の少なくとも1つが、上記式(1)で示されるシランのフッ素化合物を含む。
【0009】
特許文献4は、防汚膜の形成に好適なシランのフッ素化合物、具体的には下記式で示される化合物を記載する:
【化5】


式中、
−RFは、線状鎖の2価のパーフロオロポリエーテル基であり、
−Rは、C−Cのアルキル基またはフェニル基であり、
−Xは、加水分解性基であり、
−aは、0〜2の整数であり、
−bは、1〜5の整数であり、および
−mおよびnは、整数2または3である。
【0010】
上記式(2)で示されるフルオロシラン化合物は、KY−130(登録商標)の商品名で信越化学工業(株)より上市されている。
式(2)で示されるフルオロシラン化合物およびそれらの調製方法は、特許文献5中にも記載されている。
【0011】
眼科用レンズは、レンズの凸および凹2つの光学表面の幾何形状を決定し、その後、適当な表面処理をする一連の成型および/または表面処理/研磨加工により得られる。
【0012】
眼科用レンズの仕上げ処理における最終工程は、レンズを取り付けるメガネフレームにフィットさせるために必要なサイズのレンズ形状となるように、レンズの角または周縁を機械加工することからなる縁取り加工である。
【0013】
上記縁取り加工は、通常、ダイアモンド砥石ディスクを含む回転砥石上で行われ、上記に定義するような機械加工が実施される。
この加工の間、レンズを転び止め装置により軸方向にレンズを保持する。
所望形状とするために、砥石車に対するレンズの相対運動を、通常数値的に制御する。
【0014】
明白なことだが、この運動の間レンズをしっかり保持することが絶対必須である。
このために、縁取り加工の前に、固定する加工がレンズに施される、すなわち、チャックとして知られているレンズ保持手段をレンズの凸表面上に置く。
粘着性パッチなどの、好ましくは両面粘着性の粘着性保持パッドをチャックと凸レンズ表面との間に置く。
【0015】
このように準備されたレンズを、上記の軸転び止め装置の一方の上に置いた後、第2の軸転び止め装置を近づけ、通常エラストマー製の制止材を介して、凹表面を保持する。
機械加工の間、レンズ保持用システムが充分に機能していなければ、チャックに対してレンズの回転を生起させ得る正接トルクがレンズに発生する。
レンズをその位置にしっかり固定するための主要因は、保持パッド/凸レンズ表面界面の密着性が良好であることである。
縁取り加工をうまく実施すると、レンズはそのレンズ用に予め作製されたフレームに嵌合しうるサイズとなる。より具体的に、これは、レンズのずれが最大2°で縁取り加工を実施すれば得られる結果である。
【0016】
新世代の眼科用レンズは、通常、反射防止膜に関連する疎水性および/または疎油性の防汚膜をもつ。
この種の表面膜で発生する一つの問題は、粘着性パッド/凸表面の界面において粘着性が機能しないことである。
【0017】
そのため、縁取り加工をうまく行うことは極めて困難になる、具体的に、ポリカーボナートレンズでは、縁取り加工は他の作業よりも多大な労力を要す。縁取り加工がうまくいかないと、まさにレンズ全体の損失である。
【0018】
この問題を解決するため、具体的に、特許文献6では、防汚膜を仮のトップコートで被覆することが提案がされている。レンズの縁取り加工後、防汚膜を露出させるためトップコートを除去しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許第6,277,485号明細書
【特許文献2】米国特許第6,183,872号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0168685号明細書
【特許文献4】日本特開2005−187936号公報
【特許文献5】欧州特許出願公開第1300433号明細書
【特許文献6】欧州特許第1392613号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
従来技術のフルオロシラン系防汚膜は申し分ないが、それにもかかわらず防汚膜の特性改善、具体的には水との静的接触角および被清浄性について、縁取り加工用仮のトップコートを適用し除去した後にこれら改善された特性を保持していることが望ましい。
【0021】
したがって本発明の目的は、特性改善された防汚膜、具体的には、少なくとも従来技術の防汚膜のそれと同程度に向上された水との静的接触角および被清浄性を有し、縁取り加工用仮のトップコートを適用し除去した後も、これら改善された特性を保持している防汚膜を有する光学物品、具体的には特にメガネ類のための眼科用レンズである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明に係る光学物品は、主表面をもつ光透過性基板および、該主表面を被覆し、それ自体が仮のトップコートによって被覆された防汚膜を含み、該防汚膜が下記を含む重合性組成物の硬化物であることで特徴づけられる:
−その主鎖の一端のみに少なくとも1つのシラノール基またはシラノール前駆体を含む好ましくはパーフルオロ化合物であるフッ素化合物およびそれらの混合物のうちから選ばれる第1成分Aを55重量%〜80重量%、好ましくは60〜70重量%と、
−その主鎖の両端に少なくとも1つのシラノール基またはシラノール前駆体を含む、好ましくはパーフルオロ化合物である線状フッ素化合物およびそれらの混合物のうちから選ばれる第2成分Bを45重量%〜20重量%、好ましくは40重量%〜30重量%含み、ただし、第1成分Aと第2成分Bとで100重量%とする、
−上記第1成分Aおよび第2成分Bは合計で、上記膜の全重量の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%を占める。
【0023】
本発明は、上記に定義するとおり仮のトップコートが除去された光学物品にも関する。
【0024】
本発明は、少なくとも主表面が防汚膜で被覆された光透過性基板を含み、該防汚膜が下記を含む重合性組成物の硬化物であることで特徴づけられる光学物品にも関する:
−その主鎖の一端のみに少なくとも1つのシラノール基またはシラノール前駆体を含む好ましくはパーフルオロ化合物であるフッ素化合物およびそれらの混合物のうちから選ばれる第1成分Aを55重量%〜80重量%、好ましくは60〜70重量%、および
−その主鎖の両端に少なくとも1つのシラノール基またはシラノール前駆体を含む、好ましくはパーフルオロ化合物である線状フッ素化合物およびそれらの混合物のうちから選ばれる第2成分Bを45重量%〜20重量%、好ましくは40重量%〜30重量%含み、ただし、第1成分Aと第2成分Bとで100重量%とする、
−上記第1成分Aおよび第2成分Bは合計で、上記膜の全重量の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは70重量%、さらに好ましくは80重量%を占める。
【0025】
本発明の好ましい態様において、光学物品は、主表面と防汚膜との間に配置された反射防止膜を含み、該防汚膜は反射防止膜の外表面に直接堆積されている。好ましくは、反射防止膜の外表面は、SiO層またはSiO含有層からなる外表面である。
【0026】
他の好ましい態様において、光学物品は、反射防止膜の下層の耐摩耗性および/または傷付き防止膜および任意に耐摩耗性および/または傷付き防止膜と基板との間の耐ショック性プライマーコートを含む。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本願では、光透過性基板の語は、眼科光学を含む光学分野で汎用されている、剥き出しの基板または防汚膜以外の1または複数の慣用の機能性膜で被覆された基板のすべての基板を包含する。
【0028】
本明細書における膜または層の外表面の語は、主基板からもっとも遠い膜または層の表面を意味すると理解される。
【0029】
第1成分Aは、フッ素化合物またはフッ素化合物の混合物であり、好ましくは線状で、その鎖の一端のみが少なくとも1つのシラノール基またはシラノール前駆体を含み、好ましくは、鎖の単一端において、シラノールまたはシラノール前駆基または該基群以外には、それ自体が基板または基板と防汚層との間に介在させた機能性膜の表面に結合するような反応基をもたない。
【0030】
防汚膜の第1成分Aは、好ましくはパーフロオロポリエーテル、より好ましくは下記式で示される化合物のうちから選ばれる:
【化6】


式中、
−Rは、1〜16の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のパーフルオロアルキル基を示し、
−Xは、ヨウ素または水素原子であり、
−Yは、水素原子または1〜6の炭素原子を有する直鎖または分岐状のアルキル基であり、
−Zは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、
−Rは、加水分解性基であり、
−Rは、水素原子または不活性な1価基であり、
−a、b、cおよびdは、0〜200の整数であり、
−eは、0または1であり、
−mおよびnは、0〜2の整数であり、かつ
−pは、1〜10の整数である。
【0031】
好ましいR基のうち、CF−、C−およびC−を挙げることができる。
【0032】
は、加水分解性基、好ましくはハロゲン原子、具体的には塩素原子、−OR、−OCOR、−OC(R)=C(R、−ON=C(Rまたは−ON=CR基であり、ここでのRは脂肪族また芳香族炭化水素基であり、Rは水素原子またはC−Cの脂肪族炭化水素基であり、RはC−Cの2価の脂肪族炭化水素基である。
特に好ましいR加水分解性基は、Cl、−OCHおよびOCである。
【0033】
は、水素原子または不活性な1価有機基であり、好ましくはC−Cの1価有機基である。
a、b、cおよびdは、各々好ましくは1〜50の整数である。
mおよびnは、好ましくは0である。
【0034】
一般に、式(1)のパーフロオロポリエーテルは、数平均分子量が、5×10〜1×10g/モル、好ましくは5×10〜1×10g/モルである。
【0035】
成分Aのパーフロオロポリエーテルは好ましくは下記式で示される:
【化7】


式中、Y、R、mおよびpは上記に定義するとおりであり、aは1〜50の整数である。
【0036】
上記のとおり、防汚膜の第2成分Bは、その主鎖の両端に少なくとも1つのシラノール基またはシラノール前駆体を含む線状フッ素化合物、好ましくは線状パーフルオロ化合物のうちから選ばれる化合物またはそれら化合物の混合物である。
【0037】
好ましくは、成分Bの化合物は、パーフロオロポリエーテルのうちから選ばれる。
成分Bとして好ましい化合物のうち、下記式で示されるパーフロオロポリエーテルを挙げることができる:
【化8】


式中、
−R’は、2価の線状パーフロオロポリエーテル基であり、
−R’は、C−Cの炭化水素基またはフェニル基であり、
−X’は、加水分解性基であり、
−a’は、0〜2の整数であり、好ましくは1であり、
−b’は、1〜5の整数であり、好ましくは3であり、かつ
−m’およびn’は、整数2または3、好ましくは3である。
【0038】
2価のパーフロオロポリエーテル基R’は、好ましくは2価の線状パーフルオロポリアルキレンエーテルであり、具体的には下式で示される。
【化9】


式中、kは1〜6の整数である。
【0039】
R’は、好ましくはC−Cのアルキル基である。加水分解性基X’は、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびブトキシなどのアルコキシ基、メトキシメトキシおよびメトキシエトキシなどのアルコキシアルコキシ基、アセトキシなどのアシロキシ基、イソプロペノキシなどのアルセニロキシ基、および塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲンを含有する。
【0040】
加水分解性基X’は、式(1)の化合物の加水分解性基Rについて説明したものと同じであってもよい。
好ましい加水分解性基X’は、メトキシ、エトキシおよびイソプロペノキシ基などのアルコキシおよびアルキレノキシ基およびクロロ基である。
【0041】
好ましいR’は、C−Cアルキル基またはフェニル、好ましくはメチル、エチルまたはフェニル基、より好ましくはメチル基である。
【0042】
式(2)のパーフロオロポリエーテルシラン化合物は、通常、数平均分子量が500〜20,000g/モル、好ましくは1000〜10,000g/モルである。
【0043】
式(2)の化合物の例としては、下記を挙げることができる:
【化10】


式中、lは1〜50の整数であり、lは1〜50の整数であり、lは1〜50の整数であり、かつl+lは10〜100であり、単位要素の配列はランダムである。
【0044】
本発明に係る成分Bに適切な他のタイプの化合物は、欧州特許第0797111号明細書に記載され、下記式で示される:
−R''[CO−R''−R'''−Si(ORiv
式中、
−R''は、R’として上記に定義される2価のパーフロオロポリエーテル基、
−R''は、2価の原子または基、好ましくはO、NH、Sなどの炭素原子以外の原子または基、
−R'''は、炭化水素基、好ましくはメチレン、エチレン、プロピレンおよびフェニレンなどの2〜10の炭素原子をもつ炭化水素基、
−Rivは、アルキル基、好ましくはC〜Cである。
【0045】
フルオロ−好ましくはパーフロオロシランで修飾された成分Bのポリエーテルは、好ましくは、従来の加水分解手順にしたがい、白金族触媒の存在下、鎖の各末端にα不飽和をもつフルオロ−、好ましくはパーフロオロポリエーテルへの加水分解性基をもつヒドロシランの付加反応により調製される。
【0046】
鎖の各末端にα不飽和をもつフルオロ−好ましくはパーフロオロポリエーテル試薬は、鎖の両端がアルコールで修飾されたフルオロ−好ましくはパーフロオロポリエーテル鎖の両端を、K、NaもしくはLiなどのアルカリ金属またはKOH、NaOHもしくはLiOHなどのアルカリ金属の水酸化物と反応させ、鎖の両端にアルコラート基をもつフルオロ好ましくはパーフロオロポリエーテルを生成させ、それをα位に不飽和を含有するハロゲン化合物と反応させることによって合成することができる。
【0047】
本発明に係る防汚膜は、成分AおよびB以外にも、膜の不可欠成分ではあるが基板または介在させた機能性膜の表面とは化学結合を形成しないケイ素原子を含まない付加成分を含有することができる。このような付加成分は、成分AおよびBと付加成分との総重量に対し、30重量%以下の量で存在することができる。このような付加成分は、具体的には、ケイ素原子を含まないパーフロオロポリエーテルである。
【0048】
上記ケイ素原子を含まないパーフロオロポリエーテルは、好ましくは下記の構造式で示されるケイ素原子を含まない単位を優するものである:
【化11】


式中、Rは、1〜3の炭素原子を有するパーフルオロアルキレン基を示す。このようなパーフロオロポリエーテルは、好ましくは平均分子量が1,000〜10,000、好ましくは2,000〜10,000である。Rは、C−Cのアルキル基パーフルオロアルキレン基、具体的には−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−および−CF(CF)CF−を示す.このようなパーフロオロポリエーテルは、常温で液状であり、通常、フッ化炭素油と称される。このようなパーフロオロポリエーテルの例は、ダイキン工業(株)からDEMNUM(登録商標)、NOK(株)(NOK KIWBER CO LFD)からBARRIERT A(登録商標)、旭硝子(株)からFOMBLIN(登録商標)、エルデュポンデヌムール&カンパニー(株)(El DUPOT DE NEMOURSおよびCOMPANY)からKRYTOX(登録商標)およびダウコーニング社からMOLYKOTE(登録商標)の商品名で上市されている。
【0049】
防汚膜は、成分AおよびBの化合物の合成反応副生物を含有していてもよい。
一般的に、防汚膜は、厚みが0.1nm〜5μm、好ましくは1〜100nm、より好ましくは10nm未満、さらに好ましくは5nm未満である。
防汚膜は、刷毛塗り、ディップコーティング、遠心、スプレーコーティングおよび蒸着などのどのような周知技術を用いてもよい。好ましくは、防汚膜は蒸着による堆積により形成される。
【0050】
このような堆積処理において、成分AおよびBは、そのままでまたは適当な溶媒に希釈して用いることができる。
成分AおよびBの希釈に適切な溶媒のうち、フッ化脂肪族炭化水素(たとえば:パーフルオロヘプタンおよびパーフルオロオクタン)、フッ化芳香族炭化水素(たとえば:キシレンヘキサフルオリドおよびベンゼントリフルオリド)、フッ化エーテル(たとえば:メチルパーフルオロブチルエーテルおよびパーフルオロ(ブチル)−2−テトラヒドロフラン)、フッ化アルキルアミン(たとえば:パーフルオロトリブチルアミンおよびパーフルオロトリペンチルアミン)、炭化水素(たとえば石油ベンジン(benzene)、ミネラルスピリッツ、トルエンおよびキシレン)、ケトン(たとえばアセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン)を挙げることができる。
【0051】
成分AおよびBの希釈に適切な溶媒のうち、フッ化脂肪族炭化水素(たとえば:パーフルオロヘプタンおよびパーフルオロオクタン)、フッ化芳香族炭化水素(たとえば:キシレンヘキサフルオリドおよびベンゼントリフルオリド)、フッ化エーテル(たとえば:メチルパーフルオロブチルエーテルおよびパーフルオロ(ブチル)−2−テトラヒドロフラン)、フッ化アルキルアミン(たとえばパーフルオロトリブチルアミンおよびパーフルオロトリペンチルアミン)、炭化水素(たとえば石油ベンジン、ミネラルスピリッツ、トルエンおよびキシレン)、ケトン(たとえば:アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン)を挙げることができる。
【0052】
必要に応じて、フッ素化シラン加水分解のための縮合触媒を加えることができる。このような触媒のうち、有機スズ化合物(たとえば:ジメトキシジブチルスズおよびジブチルチンジラウラート)、チタンの有機化合物(たとえば:チタン酸テトラ−n−ブチル)、有機酸(たとえば:酢酸およびスルホニックメタン酸)および無機酸(たとえば塩酸および硫酸)を挙げることができる。触媒は、通常、成分AおよびB100重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜1重量部の割合で添加される。
【0053】
本発明の防汚層は、表面エネルギーが、14mJ/m以下、好ましくは13mJ/m以下、より好ましくは12mJ/m以下である。
【0054】
表面エネルギーは、文献:“Estimation of the surface force energy of polymers”OWENS D. K、 WENDT R.G.(1969) J. APPL-POLYM-SCI,13,1741−1747に記載されたOWENS-WENDT法に準じて算出される。
【0055】
仮のトップコートは無機でも有機でもよい。
好ましい態様において、仮のトップコートは無機層であり、具体的には、金属フッ化物または金属フッ化物の混合物、金属酸化物または金属酸化物の混合物である。
【0056】
上記フッ化物の例としては、フッ化マグネシウムMgF、フッ化ランタンLaF、フッ化アルミニウムAlFまたはフッ化セシウムCeFを挙げることができる。好ましくは、フッ化マグネシウムが用いられる。
【0057】
使用可能な酸化物は、チタン、アルミニウム、ジルコニウムまたはプラセオジム酸化物である。
アルミナおよびプラセオジム酸化物の混合物は推奨される。
特に推奨される市販材料はLEYBOLD製PASO2である。
無機フッ化物および酸化物の混合物も使用することができる。
【0058】
仮のトップコートは、有機、具体的にはポリマー系材料であってもよい。
仮のトップコートに適切なポリマー材料の例としては、焦点漸進型眼科用レンズ用のマーキングインクおよび/またはインクのバインダーを含む樹脂およびアルキッド樹脂が挙げられる。
【0059】
ハロゲン化ポリマーとしては、特に塩素化および/またはフッ素化ポリマー、特に塩素化ポリオレフィン樹脂(たとえば:塩素化ポリプロピレン樹脂)、ポリアルキレンテレフタラート(たとえば:ポリエチレンテレフタラート)およびそれらの混合物を挙げることができる。このような材料は、国際出願WO2005/015270に記載されている。
【0060】
仮のトップコートおよびその堆積および除去手順は欧州特許EP1392613に記載されている。
【0061】
仮のトップコートは、単層でも多層でもよい。
特に、仮のトップコートは、その上に非フッ素化金属酸化物または水酸化物、好ましくはMgOまたはMg(OH)より好ましくはMgOの層が堆積された金属フッ化物、好ましくはMgFを挙げることができる。このような酸化物または水酸化物層を堆積することができる方法としては、蒸着または静電膜からの転写が挙げられる。
仮のトップコート、特に多層膜および仮のトップコート処理は、仏国特許出願FR2856056に記載されている。
【0062】
仮のトップコートは、好ましくは物品の表面エネルギーを少なくとも15mJ/m、好ましくは少なくとも25mJ/mの値まで高める。典型的に、トップコートの表面エネルギーは、15〜70mJ/m、好ましくは25〜70mJ/mである。
【0063】
仮のトップコートは、適切であればどのような従来の手順によっても堆積することができる。通常、反射防止および防汚膜は、真空ドーム中で堆積されるため、仮のトップコートを、各段階間で余分にレンズを移動することなくすべての操作を順次実施可能とする同一技術により堆積することが望ましい。
【0064】
仮のトップコートの厚みは、1nm〜150μmであり得る。
それが無機材料からなる場合、仮のトップコートの厚みは、好ましくは50nm以下、通常1〜50nm、より好ましくは5〜50nmである。一般的に、仮のトップコートの厚みが不充分であると、おそらく表面エネルギーを充分に変化させられない。
【0065】
もし、反対に、仮のトップコートが厚すぎると、特に主として無機トップコートについてであるが、所望特性に不利益となり得る機械的拘束がトップコート内で見られるようになるという知見を本発明者は得ている。
好ましくは、特に保護の仮のトップコートがレンズ面の片面全面上に堆積される場合、上記材料は、焦点計を用いる従来のレンズ度数測定の実施が可能なある一定の透明度を示す。
したがって、本発明に係るトップコートで被覆されたレンズは、好ましくはISO8980/3基準で、少なくとも18%、好ましくは少なくとも40%の透明性を示す。
【0066】
有機材料、特にポリマー材料の場合、単純に無機コートの場合よりも厚い厚みで堆積することが望ましい。
必要な厚みは、5〜150μmとすることができる。
一般的に、本発明に係る光学物品の基板は、どのような基板でもよく、好ましくは有機ガラス基板、たとえば熱可塑性または熱硬化性プラスチック材料であればよい。
【0067】
基板に好適なプラスチック材料のうち、(メタ)アクリル(共重合)ポリマー、特にポリ(メチルメタクリラート)(PMMA)、チオ(メタ)アクリル(共重合)ポリマー、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリカーボナート(PC)、ポリウレタン(PU)、ポリ(チオウレタン)、ポリオールアリルカーボナート(共重合)ポリマー、熱可塑性ビニルエチレン/酢酸共重合体、ポリ(エチレンテレフタラート)(PET)またはポリ(ブチレンテレフタラート)(PBT)などのポリエステル、ポリエピスルフィド、ポリエポキシド、ポリカーボナート/ポリエステル共重合体、エチレン/ノルボルネン共重合体またはエチレン/シクロペンタジエン共重合体などのシクロオレフィン共重合体およびこれらの組合せを挙げることができる。
【0068】
本明細書において、(共重合)ポリマーの語は、共重合体または重合体を意味すると理解される。本明細書において、(メタ)アクリラートの語は、アクリラートまたはメタクリラートを意味すると理解される。
【0069】
本発明に係る好ましい基板としては、アルキル(メタ)アクリラート、具体的にはメチル(メタ)アクリラートおよびエチル(メタ)アクリラートなどのC−Cのアルキル(メタ)アクリラート、ポリエトキシ化ビスフェノールジ(メタ)アクリラートなどのポリエトキシ化芳香族(メタ)アクリラート、線状または分岐状脂肪族または芳香族ポリオールアリルカーボナートなどのアリル化合物、チオ(メタ)アクリラート、エピスルフィドおよびポリチオール/ポリイソシアナート前駆混合物(ポリチオウレタン取得用)の重合により得られる基板が挙げられる。
【0070】
本発明で使用されるポリカーボナート(PC)の語はホモポリカーボナート、共重合ポリカーボナートおよびシーケンス共重合ポリカーボナートなどを含むことが理解される。ポリカーボナートは、商業的に入手可能であり、たとえばゼネラルエレクトリック社から商品名LEXAN(登録商標)で、テイジンから商品名PANLITE(登録商標)で、バイエルから商品名BAYBLEND(登録商標)で、モーベイケミカル社から商品名MAKROLON(登録商標)で、ダウケミカル社から商品名CALIBRE(登録商標)で入手可能である。
【0071】
ポリオールアリルカーボナート(共重合)ポリマーの例としては、エチレングリコールビス(アリルカーボナート)、ジエチレングリコールビス2−メチルカーボナート、ジエチレングリコールビス(アリルカーボナート)、エチレングリコールビス(2−クロロアリルカーボナート)、トリエチレングリコールビス(アリルカーボナート)、1,3−プロパンジオールビス(アリルカーボナート)、プロピレングリコールビス(2−エチルアリルカーボナート)、1,3−ブタンジオールビス(アリルカーボナート)、1,4−ブタンジオールビス(2−ブロモアリルカーボナート)、ジプロピレングリコールビス(アリルカーボナート)、トリメチレングリコールビス(2−エチルアリルカーボナート)、ペンタメチレングリコールビス(アリルカーボナート)、イソプロピレンビスフェノールAビス(アリルカーボナート)の(共重合)ポリマーが挙げられる。
【0072】
特に推奨される基板は、ジエチレングリコールビスアリルカーボナートの共重合で得られる基板であり、たとえば、商品名CR−39(登録商標)でPPGインダストリーズから販売される(ORMA(登録商標)エシロールレンズ)。
特に推奨される基板としては、仏国特許出願FR2734827に記載されるものなどのチオ(メタ)アクリルポリマーの重合により得られる基板が挙げられる。
基板は、上記モノマーの混合物の重合により得ることができ、またこのようなポリマーおよび(共重合)ポリマーの混合物を含有してもよいことは明らかである。
【0073】
眼科用レンズの分野において、基板の表面を1または複数の機能性膜で被覆することは従来公知である。
光学で従来用いられるこのような機能性膜は、特に制限されず、耐ショック性プライマーコート、耐摩耗性および/または傷付き防止膜、多孔膜、フォトクロミック膜、帯電防止膜または着色膜、または反射防止膜であればよい。
従来、眼科用レンズは、基板に始まり、任意に耐ショック性プライマーコート、耐摩耗性および/または傷付き防止性ハード膜、および該ハード膜上の反射防止膜を含む。
【0074】
防汚膜は基板の主表面上に直接またはいずれかの機能性膜、具体的に耐摩耗性および/または傷付き防止膜の外表面上に形成することができるが、好ましくは反射防止膜の外表面上に形成される。
【0075】
耐摩耗性および/または傷付き防止膜は、眼科用レンズの分野で耐摩耗性および/または傷付き防止膜として汎用されているどのような層でもよい。
【0076】
耐摩耗性および/または傷付き防止膜は、好ましくは、通常、硬化時に膜の硬さおよび/または屈折率を向上させることを意図した1または複数の無機質を含むポリ(メタ)アクリラート−またはシラン−系のハードコートである。
【0077】
耐摩耗性および/または傷付き防止の硬質膜は、好ましくは少なくとも1つのアルコキシシランおよび/または、たとえば塩酸溶液での加水分解により得られる後者の加水分解物を含む調製物から生成される。加水分解工程の後、通常1時間〜24時間の時間、好ましくは2時間〜6時間の保持の間、縮合および/または硬化反応触媒を任意に添加することができる。張力活性化合物を堆積物の光学品質を高めるために添加することも好ましい。
【0078】
本発明において推奨される膜の例としては、仏国特許発明第2702486号(欧州特許第0614957号)明細書、米国特許第4,211,823号および米国特許第5,015,523号明細書に記載されるものなどのエポキシシラン加水分解物系膜が挙げられる。
【0079】
縮合および/または硬化反応触媒に使用しうる多くの例は、“Chemistry and Technology of the Epoxy Resins”,B. Ellis (Ed.) Chapman Hall,New York,1993および“Epoxy Resins Chemistry and Technology”,2eme edition、 C. A. May (Ed.)、 Marcel Dekker、 New York、 1988に示されている。
【0080】
好ましい耐摩耗性および/または傷付き防止膜の調製物は、本出願人による仏国特許発明第2702486号明細書に記載されている。それは、エポキシトリアルコキシシランとジアルキルジアルコキシシランの加水分解物、コロイダルケイ素および触媒量のアルミニウム系硬化反応触媒たとえばアルミニウムアセチルアセトナトを含み、残余は本質的にそのような調製物に汎用されている溶媒である。好ましくは、使用される該加水分解物は、γ−グリシドキシトリメトキシシラン(GLYMO)とジメチルジエトキシシラン(DMDES)の加水分解物である。
【0081】
上記耐摩耗性および/または傷付き防止膜の調製物は、ディップコーティングまたは遠心法により基板の主表面に堆積することができる。その後、適当な方法(好ましくは熱的にまたはUVを用いて)により硬化する。
【0082】
耐摩耗性および/または傷付き防止膜の厚みは、通常、2〜10μm、好ましくは3〜5μmの範囲にある。
【0083】
耐摩耗性および/または傷付き防止膜を堆積する前に、最終製品における衝撃抵抗性および/または隣接層との密着性を改善するプライマーコートを基板上に堆積することができる。
この膜は、眼科用レンズなどの透明ポリマー材料の物品に汎用されているどのような耐ショック性プライマー層でもよい。
【0084】
好ましいプライマー調製物としては、日本特許第63−141001号および第63−87223号に記載されるものなどの熱可塑性ポリウレタン系調製物、米国特許第5,015,523号に記載されるものなどのポリ(メタ)アクリルプライマー調製物、欧州特許第0404111号に記載されるものなどの熱硬化性ポリウレタン系調製物および米国特許第5,316,791号および欧州特許第0680492号に記載されるものなどのポリ(メタ)アクリルラテックス系調製物またはポリウレタン型ラテックス系調製物を挙げることができる。
【0085】
好ましいプライマー調製物は、ポリウレタン系調製物およびラテックス系調製物、特にはポリウレタンラテックスである。
【0086】
ポリ(メタ)アクリルラテックスは、主として、たとえばエチル、ブチル、メトキシエチルまたはエトキシエチル(メタ)アクリラートなどの(メタ)アクリラートと、通常、少量割合の少なくとも1つのスチレンなどの他の共重合モノマーとの共重合ラテックスである。
好ましいポリ(メタ)アクリルラテックスは、アクリラート−スチレン共重合体ラテックスである。このようなアクリラート−スチレン共重合体ラテックスは、Zeneca RESINSから商品名NEOCRYL(登録商標)の市販品を入手できる。
【0087】
ポリウレタンラテックスは、公知でもあり、商業的にも入手可能である。一例として、ポリエステル単位を含むポリウレタンラテックスを挙げることができる。そのようなラテックスは、ZENECA RESINSからNEOREZ(登録商標)の商品名で、BAXENDEN CHEMICALSからWITCOBOND(登録商標)の商品名で市販されている。
【0088】
本発明に適切な市販のプライマー調製物としては、Witcobond(登録商標)232、Witcobond(登録商標)234、Witcobond(登録商標)240、Witcobond(登録商標)242、Neorez(登録商標)R−962、Neorez(登録商標)R−972、Neorez(登録商標)R−986およびNeorez(登録商標)R−9603が挙げられる。
【0089】
このようなラテックスの混合物、特にポリウレタンラテックスおよびポリ(メタ)アクリルラテックスの混合物は、上記プライマー調製物に用いることができる。
【0090】
上記プライマー調製物は、プライマー層が、焼結後に0.2〜2.5μm、好ましくは0.5〜1.5μmの厚みとなるように、ディップコーティングまたは遠心法により物品の表面に堆積した後、少なくとも70℃および任意に100℃以下、好ましくは約90℃で、2分間ないし2時間、通常15分程度乾燥することができる。
【0091】
通常、耐摩耗性および傷付き防止膜上に堆積される反射防止膜は、光学物品の表面に堆積される該物品の反射防止性を改善する膜として定義される。可視スペクトルの比較的広い範囲にわたる物品/空気界面での光反射を低減することができる。
【0092】
反射防止膜は、通常、下記の方法の1つにしたがい、真空中堆積により設けられる:i)蒸着により、任意にイオンビームにより補助して;ii)イオンビームによるスプレーにより;iii)陰極スパッタリングにより;iv)気相プラズマ化学蒸着により。
【0093】
このような真空堆積法と同様、湿潤条件で、具体的には、シラン加水分解物およびコロイダル材料を含有する高または低屈折率をもつ液状調製物を遠心堆積により、多層反射防止膜を堆積することもできる。この多層タイプの膜は、シラン系有機/無機ハイブリッドマトリックスからなり、コロイダル材料が分散されて各層の屈折率を調整可能にするが、その例が仏国特許発明第2858420号に記載されている。
【0094】
しかしながら、無機誘電層のみからなる積層の反射防止膜が好ましい。好ましくは、交互にHIおよびLI層である少なくとも3つの誘電層の積層である。
【0095】
反射防止膜は、周知であり、従来、SiO、SiO、Al、MgF、LiF、Si、TiO、ZrO、Nb、Y、HfO、Sc、Ta、Prまたはそれらの混合物などの誘電材料の単層または多層積層からなる。
【0096】
また周知のとおり、反射防止膜は、好ましくは高屈折率(HI)層および低屈折率(LI)層を交互に含む多層膜からなる。反射防止膜のLI層は、SiOおよびAlの混合物を含むものが有利である。本願において、反射防止積層膜は、その屈折率が1.55より高い、好ましくは1.6以上、より好ましくは1.8以上、さらに好ましくは2.0以上であるときに、高屈折率層として知られている。反射防止積層膜層は、その屈折率が1.5より低い、好ましくは1.50以下、より好ましくは1.45以下のとき、低屈折率層として知られている。
特にことわらない限り、本発明において、屈折率とは、25℃、波長550nmでの値を意味する。
【0097】
好ましくは、反射防止膜全体の物理的厚みは、1マイクロメータ未満、より好ましくは500nm以下、より好ましくは250nm以下である。反射防止膜全体の物理的厚みは、通常、100nm以上、好ましくは150nm以上である。
【0098】
LI層もまた周知であり、制限されないが、SiO、MgF、ZrF、AlF、チオライト(NaAl14])、氷晶石(Na[AlF])、およびそれらの混合物、好ましくは反射防止膜の耐熱性を向上させるSiOまたはアルミナドープSiOである。このような化合物と、任意に本明細書で前述した誘電材料のうちから選ばれる1または複数の他の材料との混合物は、明らかに、得られる層の屈折率が上記に定義するとおり(≦1.55)である。
【0099】
SiOおよびAlの混合物を含むLI層が使用される場合、該層中のSiO+Alの全重量に対し、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは1〜8重量%、さらに好ましくは1〜5重量%のAlを含む。アルミナの割合が多すぎると、反射防止膜の密着性およびその光学特性に不利益となることがある。
【0100】
たとえば、4重量%以下のAlをドープしたSiO、または8重量%のAlをドープしたSiOを用いることができる。ユミコアマテリアルズ社(Umicore Materials AG)から上市されているLIMA(登録商標)(550nmでの屈折率n=1.48−1.50)、またはメルク(MERCK)KGaAから上市されている物質L5(登録商標)(500nmでの屈折率n=1.48)などの商業的に入手可能なSiO/Al混合物を用いることもできる。
【0101】
好ましい態様によれば、多層積層の少なくとも1つのLI層は、SiOとAlの混合物を含有し、好ましくはSiOとAlの混合物のみからなる。
他の好ましい態様によれば、多層積層のすべてのLI層は、SiOとAlの混合物を含有し、好ましくはSiOとAlの混合物のみからなる。
【0102】
HI層の物理的厚みは、通常、10〜120nmの範囲であり、LI層の物理的厚みは、10〜100nmの範囲である。
【0103】
また好ましくは、多層積層は、少なくとも2層の低屈折率層(LI)と、少なくとも2層の高屈折率層(HI)を含有する。好ましくは、多層積層における全層数は、8以下、好ましくは6以下である。
【0104】
HIおよびLI層は交互に積層する必要はないが、本発明の一態様にしたがって行うことができる。2層(またはそれ以上)のHI層は、1層を他層の上に積層することができ、同様に2層(またはそれ以上)のLI層は、1層を他層の上に積層することができる。したがって、このような2つの隣接するHI層の代わりにTiO層を用いるよりもむしろ他層の上に1層を積層すること、たとえば、ZrOのHI層およびTiOのHI層が耐摩耗性の点において有利である。
【0105】
HI層は、当技術分野で周知の従来の高屈折率層である。それらは、制限するものではないが、通常、ジルコニア(ZrO)、チタン酸化物(TiO)、タンタル五酸化物(Ta)、ネオジム酸化物(Nd)、プラセオジム酸化物(Pr)、プラセオジムチタン酸塩(PrTiO)、La、Dy、Nb、Yなどの1または複数の無機酸化物を含む。高屈折率層は、任意に、それらの屈折率が1.55より高い、好ましくは1.6以上、より好ましくは1.7以上およびさらに好ましくは1.9以上である限り、シリカおよびアルミナを含むこともできる。好ましい材料は、TiO、PrTiO、ZrOおよびこれらの混合物である。
【0106】
本発明の一つの好ましい態様において、防汚膜は、反射防止積層の外層上に堆積され、この外層は、SiOまたはSiO+Alの混合物を含み、好ましくはSiOまたはSiO+Alの混合物、より好ましくはSiOからなる。
【0107】
以下の実施例は、本発明を説明する。これら実施例において、パーセントおよび量は、特にことわらない限り、すべて重量による表記である。
【実施例】
【0108】
予め耐摩耗性および/または傷付き防止膜(HC)および反射防止膜が設けられたORMA(登録商標)レンズの反射防止膜の上に、本発明に係る防汚膜および比較例として市販品OPTOOL DSX(登録商標)のみから形成される防汚膜および市販品KY−130(登録商標)のみから形成される防汚膜を堆積した。この方法で得られたレンズの水との静的接触角を測定し、洗浄容易性(洗浄性)を分析した。
次に、上記レンズに、仮のトップコートを形成し、縁取り加工および仮のトップコートを除去後、レンズの水との静的接触角を測定し、洗浄容易性(洗浄性)を再び測定した。
各種層を堆積するための操作パラメータを以下に記載する。結果を下記表1に示す。
【0109】
<耐摩耗性および/または傷付き防止膜の形成>
80.5部の0.1N塩酸を、224部のGLYMO(γ−グリシドキシトリメチロキシシラン)および120部のDMDES(ジメチルジエトキシシラン)を含む溶液中に滴下する。
上記加水分解溶液を環境温度で24時間撹拌した後、718部の30%コロイダルシリカメタノール溶液、15部のアルミニウムアセチルアセトナトおよび44部のエチルセロソルブを加える。
少量の張力活性剤を添加する。
上記調製物の理論乾燥抽出物は、約13%の上記加水分解DMDES由来の固形物である。
【0110】
上記調製物を、ジエチレングリコールジ(アリルカーボナート)ポリマーからなる有機ガラス製で、その中心厚み2mmのORMA(登録商標)レンズ上に、ディップコーティングにより適用する。次に、該レンズを60℃で15分間予備加熱した後、100℃のオーブン中に3時間置く。
【0111】
<反射防止および防汚膜の形成>
耐摩耗性および/または傷付き防止膜でコートされた上記レンズを、次に、END HALL MARK2コモンウェルス(COMMONWEALTH)電子銃およびジュール熱蒸発源を有する真空処理用SATIS1200装置内に置く。
【0112】
2次的真空は、それらを加熱することなく基板をポンプ吸引することで発生する。
電子銃を用いて、4つの高屈折率(Hl)/低屈折率(LI)/HI/LI反射防止光学層を連続的に蒸着する:ZrO、SiO、ZrO、SiO
【0113】
次に、本発明に係る成分Aおよび成分B(2/3のOPTOOLDSX(登録商標)+1/3のKY−130(登録商標))を含む混合物か、または成分A単独(OPTOOLDSX(登録商標))、または成分B単独(KY130(登録商標))を、下記の操作パラメータにしたがって蒸着することにより防汚膜を堆積する。
【0114】
液状の生成物を銅製小皿(カプセル)中に注ぎ、該液体を90℃、環境圧で乾燥する。
その後、銅製小皿をジュール熱硬化可能に置く。
生成物を2次真空において蒸着する。
堆積された層の厚みは10nm未満である。
この堆積された層の厚みは、クオーツバランスを用いて観察される。
【0115】
<仮のトップコートの堆積>
堆積される材料は、メルク社より上市されている粒度分布が1−2.5nmの式MgFで示される化合物である。
蒸着は電子銃を用いて行われる。
堆積される物理的厚みは、堆積速度0.8nm/sで、20nmである。
堆積された層の厚みは、クオーツバランスを用いて観察される。
次に、MgOを、MgF層上に直接蒸着することにより堆積する。
真空中、電子銃を使用して、MgF層上に直接MgO層(原料MgO粒子(リファレンス700428),UMICORE社製)を厚み2nmまで蒸着する。
処理室を環境圧まで戻した後、その所定位置に仮のトップコートをもつレンズを回収する。
【0116】
<仮のトップコートの除去>
上記トップコートは、ワイパール(WYPALL)型化学雑巾を用いて、湿らせずに手作業で除去する。
【表1】

【0117】
驚くことに、本発明に係る防汚膜は、仮のトップコート堆積および除去後、水との接触角が、OPTOOL DSX(登録商標)製品単独またはKY130(登録商標)製品単独のいずれにより形成される膜の場合のそれよりも高いことが表からわかる。さらに、清浄性は高いままで、トップコートの堆積前およびその堆積および除去後の純品OPTOOL DSX(登録商標)のみを用いて得られるものと実質的に同じである。
【0118】
<清浄性試験>
試験は、仮のトップコート堆積前のレンズと、仮のトップコートを除去したレンズについて実施した。使用されるレンズは、80〜180mmの範囲からなる曲率半径と、65〜70mmの直径をもつ。
【0119】
清浄性試験は、眼科用レンズ(またはレンズ)の凸表面上に20mm染み(これは、ほぼオレイン酸からなる人工的染みである)としての50μgの汚れを堆積し、木綿布(Berkshire製)を用いて、750gの負荷下、後退および前進運動(1回の往復運動を2回拭き取りと定義)の繰り返し拭き取りを実施することからなる。
布がレンズ上を移動するときの全幅は40mm、すなわち染みの中心点の両側に20mmずつである。
各拭き取りサイクルの後、レンズの散乱値を測定する。散乱測定は、ヘイズガード(Hazeguard)XL211 Plus装置を用いて行う。
【0120】
その後、0.5%以下のレンズの散乱値を生じるのに必要な拭き取り回数を決定する。
拭き取りサイクルは以下のとおりである:
【表2】

【0121】
次のサイクルを再開するために、散乱測定後、最初と同じ手順で、同じ布を用い処理した。
散乱値を得るための拭き取り回数は、0.5%前後の値の拭き取り回数と取得した拡散の実価とを用いる計算により求めた。
H0:レンズの初期散乱値
NS1:0.5%超の散乱となるまでの最大拭き取り回数
H1:NS1に対応する散乱値
NS2:0.5%未満の散乱となるまでの最大拭き取り回数
H2:NS2に対応する散乱値
拭き取り回数=NS1+[[(H1−H0)−0.5]×[(NS2−NS1)/(H1−H0)−(H2−H0))]
清浄度スコアは拭き取り回数の自然対数:Ln(拭き取り回数)である。
スコアが低いほど清浄性が良好である。
【0122】
<水との静的接触角の測定>
この測定は、処理後の疎水性能を評価する目的で、平坦または曲面レンズの表面上に堆積された液滴の接触角の自動取得とイメージ解析により行われる。
測定は、ウィンドウズPCに接続したDSA100(液滴形状分析システム)Kruss装置で行う。
形成される液滴の容量は4マイクロリットルである。
25℃における水の伝導率は、0.3μSないし1μSである。
室温を23+/−5℃に保持する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主表面を有する光透過性基板と、該主表面を被覆し、それ自体の少なくとも一部が仮のトップコートで被覆された防汚膜とを含み、該防汚膜は下記成分を含む重合性組成物の硬化物であることを特徴とする光学物品:
55重量%〜80重量%、好ましくは60〜70重量%の、その主鎖の一端のみに少なくとも1つのシラノール基またはシラノール前駆体を含む好ましくはパーフルオロ化合物であるフッ素化合物およびそれらの混合物のうちから選ばれる第1成分A、および
45重量%〜20重量%、好ましくは40〜30重量%の、その主鎖の両端に少なくとも1つのシラノール基またはシラノール前駆体を含む、好ましくはパーフルオロ化合物である線状フッ素化合物およびそれらの混合物のうちから選ばれる第2成分B、ただし、第1成分Aと第2成分Bとで100重量%とする、
前記第1成分Aおよび第2成分Bは合計で、上記膜の全重量の少なくとも50重量%、好ましくは60重量%を占める。
【請求項2】
前記第1および第2成分のAおよびBがパーフロオロポリエーテルのうちから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の光学物品。
【請求項3】
前記第1成分Aが、フッ素化合物またはフッ素化合物の混合物であり、好ましくは線状で、その鎖の一端のみにある前記シラノールまたはシラノール前駆基またはこれら基群以外には、それ自体を基板または基板と防汚層との間に介在する機能性膜の表面に結合する可能性のある反応基をもたないことを特徴とする請求項1または2に記載の光学物品。
【請求項4】
前記第1成分Aが、下式の化合物のうちから選ばれる化合物を含むか、それからなることを特徴とする請求項1または2に記載の光学物品:
【化1】


式中、
は、1〜16の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のパーフルオロアルキル基を示し、
Xは、ヨウ素または水素原子であり、
Yは、水素原子または1〜6の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐状アルキル基であり、
Zは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、
は、加水分解性基であり、
は、水素原子または不活性な1価基であり、
a、b、cおよびdは、0〜200の整数であり、
eは、0または1であり、
mおよびnは、0〜2の整数であり、かつ
pは、1〜10の整数である。
【請求項5】
下記を特徴とする請求項4に記載の光学物品:
は、CF−、C−およびC−基のうちから選ばれ、
は、ハロゲン原子、−OR、−OCOR、−OC(R)=C(R、−ON=C(Rまたは−ON=CRであり、ここでのRは脂肪族また芳香族炭化水素基であり、
は、水素原子または1〜6の炭素原子をもつ脂肪族炭化水素基であり、
は、3〜6の炭素原子をもつ2価の炭化水素基であり、
は、水素原子または1〜4の炭素原子をもつ1価の炭化水素基であり、
a、b、cおよびdは、1〜50の整数であり、かつ
mおよびnは、0である。
【請求項6】
前記第1成分Aが下記式の化合物のうちから選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学物品:
【化2】


式中、
Yは、水素原子または1〜6の炭素原子をもつアルキル基であり、
は、加水分解性基であり、
aは、1〜50の整数であり、
mは、0〜2の整数であり、かつ
pは、1〜10の整数である。
【請求項7】
前記第2成分Bが下記式で示される化合物のうちから選ばれることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学物品:
【化3】


式中、
fは、線状鎖の2価のパーフロオロポリエーテル基であり、
は、C−Cのアルキル基またはフェニル基であり、
は、加水分解性基であり、
は、0〜2の整数、好ましくは1であり、
は、1〜5の整数、好ましくは3であり、かつ
およびnは、2または3の整数、好ましくは3である。
【請求項8】
Fが、1〜4の炭素原子をもつパーフロオロポリエーテル繰り返し単位を含む、好ましくは線状の、2価のパーフロオロポリエーテル基であることを特徴とする請求項7に記載の光学物品。
【請求項9】
前記加水分解性基X’が、ハロゲン原子、−OR3、−OCOR3、−OC(R3)=C(R4)2、−ON=C(R3)2または−ON=CR5(ここで、R3は脂肪族または芳香族炭化水素基であり、R4は水素原子または1〜6の炭素原子をもつ脂肪族炭化水素基である。)から選ばれることを特徴とする請求項6または7に記載の光学物品。
【請求項10】
前記防汚膜の表面エネルギーが、14mJ/m以下、好ましくは13mJ/m以下、より好ましくは12mJ/m以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光学物品。
【請求項11】
前記仮のトップコートが、1または複数の金属フッ化物および/または1または複数の金属酸化物からなる無機層であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光学物品。
【請求項12】
前記仮のトップコートがポリマー材料製であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光学物品。
【請求項13】
前記仮のトップコートの表面エネルギーが、15mJ//m以上であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の光学物品。
【請求項14】
前記基板の主表面と前記反射防止膜との間に介在させた1または複数の機能性膜を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の光学物品。
【請求項15】
前記機能性膜が、耐摩耗性および/または傷付き防止膜、反射防止膜および耐ショック性プライマーコートのうちから選ばれることを特徴とする請求項14に記載の光学物品。
【請求項16】
前記防汚膜が、耐摩耗性膜の直上に形成されることを特徴とする請求項15に記載の光学物品。
【請求項17】
前記防汚膜が、反射防止膜の直上に形成されることを特徴とする請求項15に記載の光学物品。
【請求項18】
前記反射防止膜がその最外層をSiO系層とする多層膜であり、前記防汚膜が該反射防止膜の最外層の直上に形成されることを特徴とする請求項17に記載の光学物品。
【請求項19】
前記最外層が、SiOまたはSiOとAlとの混合物からなることを特徴とする請求項18に記載の光学物品。
【請求項20】
前記仮のトップコートが除去されていることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の光学物品。
【請求項21】
防汚膜で被覆された主表面をもつ光透過性基板を含み、かつ該防汚膜が下記成分を含有する重合性組成物の硬化物であることを特徴とする光学物品:
55重量%〜80重量%、好ましくは60〜70重量%の、その主鎖の一端のみに少なくとも1つのシラノール基またはシラノール前駆体を含む、好ましくはパーフルオロ化合物であるフッ素化合物およびそれらの混合物のうちから選ばれる第1成分A、および
45重量%〜20重量%、好ましくは40〜30重量%の、その主鎖の両端に少なくとも1つのシラノール基またはシラノール前駆体を含む、好ましくはパーフルオロ化合物である線状フッ素化合物およびそれらの混合物のうちから選ばれる第2成分B、ただし、第1成分Aと第2成分Bとで100重量%とする、
第1成分Aおよび第2成分Bを合計で、該膜の全重量の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%を占める。
【請求項22】
眼科用レンズであることを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載の光学物品。

【公表番号】特表2010−508541(P2010−508541A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533885(P2009−533885)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【国際出願番号】PCT/EP2007/061769
【国際公開番号】WO2008/053020
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
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【出願人】(594116183)エシロール アテルナジオナール カンパニー ジェネラーレ デ オプティック (69)
【氏名又は名称原語表記】ESSILOR INTERNATIONAL COMPAGNIE GENERALE D’ OPTIQUE
【Fターム(参考)】