防犯携帯機器、防犯プログラムおよび記録媒体
【課題】特別なハードウエアを持たない一般的な防犯携帯機器でも利用可能な防犯携帯機器、防犯プログラムおよび記録媒体を提供する。
【解決手段】通信インターフェース11とプログラム実行機能を備えた携帯通信機器1に、防犯プログラムをインストールして、効果的な防犯対策を行うことができる。この防犯プログラムは、前記通信インターフェースに接続されたコネクタ15が、前記通信インターフェースから外されたことを検出するステップと、前記コネクタが、前記通信インターフェースから外されたことが検出された場合に、緊急事態を外部に知らせるための処理を行うステップと、を実行することで、前記携帯通信機器を防犯携帯機器として機能させる。
【解決手段】通信インターフェース11とプログラム実行機能を備えた携帯通信機器1に、防犯プログラムをインストールして、効果的な防犯対策を行うことができる。この防犯プログラムは、前記通信インターフェースに接続されたコネクタ15が、前記通信インターフェースから外されたことを検出するステップと、前記コネクタが、前記通信インターフェースから外されたことが検出された場合に、緊急事態を外部に知らせるための処理を行うステップと、を実行することで、前記携帯通信機器を防犯携帯機器として機能させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防犯携帯機器を利用して防犯を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やスマートフォンなどの携帯通信機器の普及が進み、殆どの国民が自分専用の携帯通信機器を所有し携帯するようになっている。このような状況で、通話のみならず、電子マネーやテレビ、GPSナビなど日常生活に必要な様々な機能が一台の携帯通信機器に集約されている。
【0003】
そのような機能の一つとして、防犯機能がある。これは犯罪などに巻き込まれそうになった際に、大音量の防犯ブザーをスピーカから出力させたり、GPS受信機を用いて現在地の位置情報を取得し、メール送信を行ったりするものである。
【0004】
特許文献1には、主に子供向けの防犯携帯電話が記載されている。この防犯携帯電話には、防犯ブザースイッチが設けられている。この防犯ブザースイッチは、プルトップ式タブに接続されており、子供はこのタブを引っ張ることで、スイッチが入り防犯機能を動作させることができる。防犯機能が起動すると、防犯ブザーが鳴ると共に、GPS測位に基づく位置情報を用いてメールを作成し、作成されたメールを他の携帯電話機1などに送信する。
【0005】
また、特許文献2には、アンテナが防犯スイッチとなっており、アンテナを本体から引き抜かれると防犯ブザーを鳴らし、また、高指向性ランプを点灯させる携帯電話機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−157741公報
【0007】
【特許文献2】特開2003−60753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これまでの防犯携帯電話は対応する機種が限定されており、どの携帯電話でも利用できるというものではなかった。また、対応する携帯電話でも、特別なハードウエアを作り込まなければならず、全体形状が大型化し、重くなり、また価格も高くなりがちであった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、軽量安価に実装できで、ユーザー側で容易にアップデート可能な防犯携帯機器、防犯プログラムおよび記録媒体を提供することである。
【0010】
そこで、本発明の目的は、特別なハードウエアを持たない一般的な防犯携帯機器でも利用可能な防犯携帯機器、防犯プログラムおよび記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の防犯携帯機器は、通信インターフェースとプログラム実行機能を備えた携帯機器であって、前記通信インターフェースに接続されたコネクタが、前記通信インターフェースから外されたことを検出するステップと、前記コネクタが、前記通信インターフェースから外されたことが検出された場合に、緊急事態を外部に知らせるための処理を行うステップとを実行するプログラムを実装している。このような構成により、防犯携帯機器を軽量安価に実装できで、ユーザー側で容易にアップデートが可能となる。
【0012】
1つの実施形態では、前記コネクタは、前記通信インターフェースと外部との情報交換は行わないダミーのコネクタである。このような構成により、防犯機能を利用するのに適した状態で普段から携帯することができる。
【0013】
また、別の実施形態では、前記コネクタは、イヤホンジャックである。このような構成により、多くの携帯機器で利用できると共に、イヤホンジャックは引き抜いても破損することはないので、防犯機能を利用した後でも携帯機器本体を痛めることがない。
【0014】
防犯機能が作動した際に、緊急事態を外部に知らせるための処理としては、大音量の防犯音の出力や、持ち主を特定する情報と現在地の位置情報を含むメールの発信などがある。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係わる防犯携帯機器、防犯プログラムおよび記録媒体によれば、一般的な携帯電話やスマートフォンにプログラムをインストールするだけで実装でき、安価で効果的な防犯対策を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係る防犯携帯機器を説明する図である。
【図2】図2は、図1の防犯携帯機器において、防犯設定を行うための設定画面を説明する図である。
【図3】図3は、図1の防犯携帯機器において、「警報音の編集」の設定画面を説明する図である。
【図4】図4は、図1の防犯携帯機器において、「緊急メール送信アドレス」の設定画面を説明する図である。
【図5】図5は、図1の防犯携帯機器において、「緊急メール送信内容の設定」の設定画面を説明する図である。
【図6】図6は、図1の防犯携帯機器において、「緊急電話の設定」の設定画面を説明する図である。
【図7】図7は、図1の防犯携帯機器において、「緊急電話の内容設定」の設定画面を説明する図である。
【図8】図8は、図1の防犯携帯機器において、「緊急時記録の設定」の設定画面を説明する図である。
【図9】図9は、図1の防犯携帯機器において、「位置情報連動ON/OFFの設定」の設定画面を説明する図である。
【図10】図10は、図1の防犯携帯機器において各防犯機能の実行順序と、実行までの待ち時間の設定を行う設定画面を説明する図である。
【図11】図11は、図1の防犯携帯機器において利用可能なダミープラグを示す図である。
【図12】図12は、図1の防犯携帯機器において利用可能なダミープラグの別の例を示す図である。
【図13】図13は、図1の防犯携帯機器において利用可能なダミープラグの更に別の例を示す図である。
【図14】図13は、図1の防犯携帯機器に適したイヤホンの例を示す図である。
【図15】図15は、図1の防犯携帯機器において、USBケーブルを防犯に利用した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態による防犯携帯機器を説明する。この防犯携帯機器は、防犯対応でない携帯通信機器にソフトウェアをインストールすることで実現できる。インストール方法としては、通信によりサーバーからソフトウェアのファイルをダウンロードしてインストールすることもできるし、当該ファイルの格納されているSDメモリカード等を配布し、このSDメモリカードを携帯通信機器へ接続してインストールを行っても良い。
【0018】
また、ここで説明する実施例では、利用する携帯通信機器として、主に現在位置情報の取得が可能で、インターネットへの通信機能を備えたものを想定する。具体的には、一般的な携帯電話、スマートフォンと呼ばれるタッチパネル付きの多機能携帯電話、タブレット型コンピュータ等が含まれる。現在位置情報の取得方法としては、GPS(Global Positioning System)や、基地局による三角測量、Wi-Fiの電波強度を利用したものや、それらを組み合わせたものなどがある。
【実施例1】
【0019】
図1に、iPhone(登録商標)やAndroid(登録商標)に代表されるスマートフォン1が示されている。このスマートフォン1は、タッチパネル式の表示装置3の上下にスピーカー5とマイク7を備えており、図でスマートフォン1の上側面に電源スイッチ9と、音声信号受信のためのコネクタとしてイヤホンジャック11が設けられている。
【0020】
イヤホンジャック11にはイヤホン13のイヤホンプラグ15が接続可能であり、接続された場合には内蔵スピーカーからの音声出力は停止され、イヤホン側からのみ音声出力が行われるようになっている。接続や取り外しは、インピーダンスの変化を検出することなどで確認される。また、プログラムから、イヤホンプラグ15とイヤホンジャック11が接続されているか否かに関する情報を取得することも可能である。
【0021】
スマートフォン1には、警報プログラムがインストールされている。この警報プログラムは、イヤホンプラグ15がイヤホンジャック11から取り外された場合に、そのことを検出可能となっている。検出方法としては、例えば、システムへ接続情報の問い合わせを行ったり、当該プログラムをシステムに登録して、接続や取り外しを通知するメッセージのブロードキャストを受信したりすることで行う。
【0022】
警報プログラムは常に実行されており、メモリに常駐している。ただし、イネーブルの状態とディスエーブルの状態を簡単に切り替えることができる。例えば、警報プログラムを再度実行しようとすると、プログラムの新たなインスタンスを生成する代わりに、イネーブルの状態とディスエーブルの状態を切り替えるようにする。すなわち、イネーブルの状態ならばディスエーブルとし、ディスエーブルの状態ならばイネーブルとする。
【0023】
イネーブルの状態において、イヤホンプラグ15の取り外しが検出されると、警報プログラムは、機器の音量を最大にして警報音を出力する。また、事前に登録したメールアドレスヘ緊急事態を送信するようにするもできる。更に、事前に登録した電話番号へ電話をかけるようにするもできる。ディスエーブルの状態では、警報プログラムは何も行わない。
【0024】
より詳しく述べれば、警報プログラムがイネーブルの状態に切り替わると、図2のような設定画面が表示される。この設定画面で、防犯の詳しい設定を行うことができる。ここでは、8個の設定項目がある。まず、この防犯機能そのもののオン・オフを行う設定項目がある。これはイネーブルの状態とディスエーブルの状態を切り替えるもので、ここではイネーブルとなっている。
【0025】
次に、「警報音の編集」の設定項目がある。これを選択すると、図3のような設定画面が表示される。ここではイヤホンプラグ15が引きぬかれた際に、出力される警報音の種類を選択することができる。ここで選択された警報音は、本体設定とは無関係に最大音量で出力される。但し、後述の緊急メールや緊急電話の送信に成功してから出力するようにしても良い。
【0026】
次に、「緊急メール送信アドレス」の設定項目がある。これを選択すると、図4のような設定画面が表示される。ここでは緊急メールの送信先アドレスを複数設定できる。例えば、警備会社の緊急受付のメールアドレス、家族のメールアドレス、学校のメールアドレスなどを複数設定する。
【0027】
緊急メールに記載されるメッセージは、「緊急メール送信内容の設定」を選択して行う。図5はその設定画面の一例である。標準メッセージでは、緊急時の時刻情報と位置情報およびユーザーIDのみが通知される。例えば、「12月22日午後7時22分33秒に代々木公園付近でユーザーID:23819のプラグが引き抜かれました。経緯度は35.670511/139.696698です」といった内容である。これに任意メッセージとして、住所や名前などを追記することができる。
【0028】
また、常時一定時間ごとに位置情報を取得して、スマートフォン1に保存しておくようにしても良い。例えば、5分毎に位置情報を記録していき、過去3時間の記録、すなわち36個のデータを保存しておく。そして、それを緊急メールに添付すれば、緊急メールが送信される前のユーザーの足取りについての情報が得られる。
【0029】
更に、プラグが引き抜かれた後は、より短い間隔(例えば、数秒から数十秒)で位置情報を記録していき、その履歴を数分間隔(例えば、5分間隔)でメールするようにしても良い。この場合、当該携帯機器が作動していれば、緊急事態の起こった後の足取りを把握できる。
【0030】
次に、「緊急電話の設定」の設定項目がある。これを選択すると、図6のような設定画面が表示される。ここに緊急時に電話する相手先の電話番号を複数設定できる。例えば、警備会社の電話番号、家族の電話番号、学校の電話番号などを複数設定する。電話発信は、上位に記載されているものから順に行われる。また、呼び出し音は、待ち秒数で指定された時間だけ継続され、それでも受話されなければ次の電話番号への発信を行う。更に、留守録のアナウンスがあった場合に、録音を行うか、次の電話番号への発信を行うかを決める設定も含まれている。
【0031】
緊急電話の内容は、「緊急電話の内容設定」を選択して行う。図7はその設定画面の一例である。ここでは、通常通話の他に、予め録音されたメッセージを再生するオプションがある。標準メッセージでは、緊急メール送信内容の標準設定がそのまま音声で読み上げられる。すなわち、「12月22日午後7時22分33秒に代々木公園でユーザーID:23819のプラグが引き抜かれました。経緯度は35.670511/139.696698です」といった内容が音読される。やはり、これに住所や名前などを録音メッセージとして追加することができる。録音メッセージは複数登録可能である。
【0032】
但し、録音メッセージの利用では、実際にスマートフォン1から電話するのではなく、警備会社が緊急メールを受信した場合に、ユーザーIDから緊急時発信電話番号を特定して、警備会社の電話から発信される。従って、「緊急電話の設定」の設定項目と「緊急電話の内容設定」の設定項目が変更されると、警備会社のサーバーへ変更内容が通知され記録される。なお、電話の内容は、受け手側から回線が切断されるまで繰り返し読み上げられる。また、発信先の電話番号が複数ある場合には、同時に電話することもできるし、上位の電話番号から順に電話することもできる。
【0033】
次に、「緊急時記録の設定」の設定項目がある。これを選択すると、図8のような設定画面が表示される。「マイクで周囲の音を録音」を選択すると、イヤホンプラグ15が引きぬかれた場合に、直ちに周囲の音の録音を開始する。図の例では、一分間隔で録音ファイルを「緊急メール送信アドレス」で設定されたアドレスへ送信する。
【0034】
また、「ー定間隔で写真を撮影」を選択すると、イヤホンプラグ15が引きぬかれた場合に、直ちに写真の撮影を開始する。この設定項目が選択されると、図の例では五秒間隔で撮影が行われ、その画像ファイルを「緊急メール送信アドレス」で設定されたアドレスへ送信する。
【0035】
更に、「カメラで動画を撮影」を選択すると、イヤホンプラグ15が引きぬかれた場合に、直ちに動画の撮影を開始する。この設定項目が選択されると、図の例では一分間隔で録音ファイルを作成し「緊急メール送信アドレス」で設定されたアドレスへ送信する。
【0036】
次に、「位置情報連動ON/OFFの設定」の設定項目がある。これを選択すると、図9のような設定画面が表示される。ここでは位置情報に連動して、防犯機能そのもののオン・オフを行う。直接緯度/経度を入力しても良いが、入力ボックスにフォーカスがある状態で「現在地の地理情報取得」のボタンを押すと、現在地の緯度/経度が入力ボックスに入力される。
【0037】
例えば、自宅の緯度/経度を警報プログラムがオフとなる場所として設定したりする。また、その位置を中心として半径何メートルまで、オフとなる場所とするかも設定できる。図の例では、35.415915/139.658804の位置を中心として半径10mまでならオフとし、それを出るとオンとなる。
【0038】
但し、オンとなる前およびオフとなる前に、確認のためのメッセージを表示することが望ましい。例えば、「防犯機能をオフとします」と言ったメッセージと共にOKボタンとCANCELボタンが表示され、ユーザーがOKボタンを押した場合に防犯機能をオフとするようにする。
【0039】
また、鉄道や電車等に乗っている場合には、警報プログラムがオフとなるオプションも設けられている。この場合、鉄道や電車に乗っていることを検出するには、GPSに加えてWiFi等による位置情報を利用すると適用範囲が広くなる。
【0040】
次に、「動作タイミングの設定」の設定項目がある。これを選択すると、図10のような設定画面が表示される。ここでは上記防犯機能の実行順序と、実行までの待ち時間の設定を行う。すなわち、設定画面の上から記載された順序で上記防犯機能が実行される。但し、遅延秒数で指定された待ち時間だけ遅れて実行される。例えば、最上位の「防犯音」とその後の「緊急メール送信」は遅延秒数が0なので、イヤホンプラグ15が引きぬかれた場合に直ちに実行される。また、「緊急電話発信」は「防犯音」が鳴り終わる120秒後に行われる。
【実施例2】
【0041】
実施例1では、一般的なイヤホンを利用している。従って、警報プログラムをインストールするだけで実装が完成する。実施例2では、実施例1の警報プログラムを利用すると共に、専用のアクセサリーも利用する。これらは必須ではないが、防犯機能の使い勝手を良くするという効果がある。
【0042】
通常の再生音を聞くイヤホンを防犯機能に利用する場合には、幾つかの不都合も考えられる。そもそもイヤホンは、耳に装着して音を聞くためのものなので、常時差し込んでおくには長さや強度が適切であるとは言えない。そこで、図11に示したようなダミープラグ17を利用する。このダミープラグ17は通常のイヤホンのプラグと同等の形状とインピーダンスを持っており、実施例1に説明した通りの機能を有する。但し、その長さは10cm〜30cm程度で、邪魔にならず引き抜きやすいように先端に引抜ハンドル19が備えられている。
【0043】
図11に示した例では、通常の再生音を聞くイヤホンを接続するには、一旦ダミープラグ17を取り外してからイヤホンの接続を行わなければならない。そこで図12に示したように、通常のイヤホンを接続するためのジャック21をダミープラグ17に儲けるようにしても良い。また、図13に示した例では、ダミープラグ17の引抜ハンドルにジャック21を設けている。この場合には、ダミープラグ17のコードがイヤホンコードの一部として機能している。
【0044】
更に、図14に示した例では、再生音を聞くためのイヤホンに引抜ハンドルが設けている。この引抜ハンドルは、イヤホンコードとは別のコード23の先端に設けられている。
【0045】
また、コードの形状を適宜変えることで、様々な用途に応用できる。例えば、ダミーのイヤホンコードを2メートル位に長めにし、ベビーカーの赤ちゃんの腕などにイヤホンコードを絡めてから携帯機器に接続しておき、この携帯機器をベビーカーのポケット等に入れておく。そうすれば、ベビーカーから離れる際に、連れ去り等の際に緊急事態を知ることができる。或いは、コードを適当な自作のトラップに接続しておき、猿が畑に侵入したら教えてくれるような使い方もあり得る。
【実施例3】
【0046】
実施例1および実施例2では、一般的なイヤホンを防犯機能用に利用している。しかし、イヤホンの代わりに、接続や取り外しをソフトウェアで検出可能な通信インターフェースを利用することも可能である。そのような通信インターフェースとしては、USB(Universal Serial Bus)端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子、メモリーカードスロット、携帯通信機器専用に設けれている独自の通信インターフェースなどがある。
【0047】
図15はUSBコネクタ25が接続されている様子を示す。USBコネクタ25では、意図しない抜けを防止するためにフックが設けられていることがある。このような場合には、緊急にコードを引っ張ってコネクタを引き抜くと接続部分が破損することになる。緊急事態なので、それはやむを得ない。防犯機能のテストは、フックを外してからコネクタを引き抜いて行う。
【0048】
また、イヤホンプラグに対して図11乃至図14に示したような専用のアクセサリーを設けたのと同様に、USBなどそれ以外の通信インターフェースに対しても対応する専用のアクセサリーを利用しても良い。この場合には、引き抜いても破損しないような形状とする。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、本発明による防犯携帯機器によれば、一般的な機種をそのまま用いて、効果を上げることができるので、有効な防犯対策の一つとして利用できる。また、防犯に限らず、不慮の事故の際でも外部への通報を行うことができる。例えば、風呂場で体調に異常を来たし、そのまま亡くなる人が多いが、スマートフォンのイヤホンコード等を引っ張ることで、外部へ事態を知らせることができる。
【0050】
更に、生活に密着した簡易なセンサーとしての利用も考えられる。例えば、ドアにイヤホンコードを絡めておけば、開閉の際にそれを知らせる音がなるようにもできる。これにより、来客を知ることなどができる。
【0051】
また、上記の実施例では、スマートフォンといった携帯電話としての機能を持った携帯通信機器を例としているが、通信インターフェースを有するのであれば、その他の携帯機器にも利用可能である。例えば、iPod(登録商標)、iPod touch(登録商標)やWalkman(登録商標)などの音楽プレーヤーに利用することもできる。この場合、大音量の防犯音の出力といった防犯対策を、ハードウエアの変更なしに実装できるので、産業上の利用可能性は非常に高いと言える。
【0052】
音楽プレーヤーの中には、WiFiのようなインターネット接続機能を持つものがある。この場合には、上記緊急事態を知らせるメール発信の機能も利用できる。このWiFiを利用して現在位置情報の取得を行えば、上記の通りの現在位置情報を利用した防犯対策も可能となる。又、GPSを持つものでは、更に正確性の高い現在位置情報も利用できる。
【符号の説明】
【0053】
1 スマートフォン
3 表示装置
5 スピーカー
7 マイク
9 電源スイッチ
11 イヤホンジャック
13 イヤホン
15 イヤホンプラグ
17 ダミープラグ
19 引抜ハンドル
21 ジャック
23 コード
25 コネクタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、防犯携帯機器を利用して防犯を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やスマートフォンなどの携帯通信機器の普及が進み、殆どの国民が自分専用の携帯通信機器を所有し携帯するようになっている。このような状況で、通話のみならず、電子マネーやテレビ、GPSナビなど日常生活に必要な様々な機能が一台の携帯通信機器に集約されている。
【0003】
そのような機能の一つとして、防犯機能がある。これは犯罪などに巻き込まれそうになった際に、大音量の防犯ブザーをスピーカから出力させたり、GPS受信機を用いて現在地の位置情報を取得し、メール送信を行ったりするものである。
【0004】
特許文献1には、主に子供向けの防犯携帯電話が記載されている。この防犯携帯電話には、防犯ブザースイッチが設けられている。この防犯ブザースイッチは、プルトップ式タブに接続されており、子供はこのタブを引っ張ることで、スイッチが入り防犯機能を動作させることができる。防犯機能が起動すると、防犯ブザーが鳴ると共に、GPS測位に基づく位置情報を用いてメールを作成し、作成されたメールを他の携帯電話機1などに送信する。
【0005】
また、特許文献2には、アンテナが防犯スイッチとなっており、アンテナを本体から引き抜かれると防犯ブザーを鳴らし、また、高指向性ランプを点灯させる携帯電話機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−157741公報
【0007】
【特許文献2】特開2003−60753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これまでの防犯携帯電話は対応する機種が限定されており、どの携帯電話でも利用できるというものではなかった。また、対応する携帯電話でも、特別なハードウエアを作り込まなければならず、全体形状が大型化し、重くなり、また価格も高くなりがちであった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、軽量安価に実装できで、ユーザー側で容易にアップデート可能な防犯携帯機器、防犯プログラムおよび記録媒体を提供することである。
【0010】
そこで、本発明の目的は、特別なハードウエアを持たない一般的な防犯携帯機器でも利用可能な防犯携帯機器、防犯プログラムおよび記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の防犯携帯機器は、通信インターフェースとプログラム実行機能を備えた携帯機器であって、前記通信インターフェースに接続されたコネクタが、前記通信インターフェースから外されたことを検出するステップと、前記コネクタが、前記通信インターフェースから外されたことが検出された場合に、緊急事態を外部に知らせるための処理を行うステップとを実行するプログラムを実装している。このような構成により、防犯携帯機器を軽量安価に実装できで、ユーザー側で容易にアップデートが可能となる。
【0012】
1つの実施形態では、前記コネクタは、前記通信インターフェースと外部との情報交換は行わないダミーのコネクタである。このような構成により、防犯機能を利用するのに適した状態で普段から携帯することができる。
【0013】
また、別の実施形態では、前記コネクタは、イヤホンジャックである。このような構成により、多くの携帯機器で利用できると共に、イヤホンジャックは引き抜いても破損することはないので、防犯機能を利用した後でも携帯機器本体を痛めることがない。
【0014】
防犯機能が作動した際に、緊急事態を外部に知らせるための処理としては、大音量の防犯音の出力や、持ち主を特定する情報と現在地の位置情報を含むメールの発信などがある。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係わる防犯携帯機器、防犯プログラムおよび記録媒体によれば、一般的な携帯電話やスマートフォンにプログラムをインストールするだけで実装でき、安価で効果的な防犯対策を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係る防犯携帯機器を説明する図である。
【図2】図2は、図1の防犯携帯機器において、防犯設定を行うための設定画面を説明する図である。
【図3】図3は、図1の防犯携帯機器において、「警報音の編集」の設定画面を説明する図である。
【図4】図4は、図1の防犯携帯機器において、「緊急メール送信アドレス」の設定画面を説明する図である。
【図5】図5は、図1の防犯携帯機器において、「緊急メール送信内容の設定」の設定画面を説明する図である。
【図6】図6は、図1の防犯携帯機器において、「緊急電話の設定」の設定画面を説明する図である。
【図7】図7は、図1の防犯携帯機器において、「緊急電話の内容設定」の設定画面を説明する図である。
【図8】図8は、図1の防犯携帯機器において、「緊急時記録の設定」の設定画面を説明する図である。
【図9】図9は、図1の防犯携帯機器において、「位置情報連動ON/OFFの設定」の設定画面を説明する図である。
【図10】図10は、図1の防犯携帯機器において各防犯機能の実行順序と、実行までの待ち時間の設定を行う設定画面を説明する図である。
【図11】図11は、図1の防犯携帯機器において利用可能なダミープラグを示す図である。
【図12】図12は、図1の防犯携帯機器において利用可能なダミープラグの別の例を示す図である。
【図13】図13は、図1の防犯携帯機器において利用可能なダミープラグの更に別の例を示す図である。
【図14】図13は、図1の防犯携帯機器に適したイヤホンの例を示す図である。
【図15】図15は、図1の防犯携帯機器において、USBケーブルを防犯に利用した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態による防犯携帯機器を説明する。この防犯携帯機器は、防犯対応でない携帯通信機器にソフトウェアをインストールすることで実現できる。インストール方法としては、通信によりサーバーからソフトウェアのファイルをダウンロードしてインストールすることもできるし、当該ファイルの格納されているSDメモリカード等を配布し、このSDメモリカードを携帯通信機器へ接続してインストールを行っても良い。
【0018】
また、ここで説明する実施例では、利用する携帯通信機器として、主に現在位置情報の取得が可能で、インターネットへの通信機能を備えたものを想定する。具体的には、一般的な携帯電話、スマートフォンと呼ばれるタッチパネル付きの多機能携帯電話、タブレット型コンピュータ等が含まれる。現在位置情報の取得方法としては、GPS(Global Positioning System)や、基地局による三角測量、Wi-Fiの電波強度を利用したものや、それらを組み合わせたものなどがある。
【実施例1】
【0019】
図1に、iPhone(登録商標)やAndroid(登録商標)に代表されるスマートフォン1が示されている。このスマートフォン1は、タッチパネル式の表示装置3の上下にスピーカー5とマイク7を備えており、図でスマートフォン1の上側面に電源スイッチ9と、音声信号受信のためのコネクタとしてイヤホンジャック11が設けられている。
【0020】
イヤホンジャック11にはイヤホン13のイヤホンプラグ15が接続可能であり、接続された場合には内蔵スピーカーからの音声出力は停止され、イヤホン側からのみ音声出力が行われるようになっている。接続や取り外しは、インピーダンスの変化を検出することなどで確認される。また、プログラムから、イヤホンプラグ15とイヤホンジャック11が接続されているか否かに関する情報を取得することも可能である。
【0021】
スマートフォン1には、警報プログラムがインストールされている。この警報プログラムは、イヤホンプラグ15がイヤホンジャック11から取り外された場合に、そのことを検出可能となっている。検出方法としては、例えば、システムへ接続情報の問い合わせを行ったり、当該プログラムをシステムに登録して、接続や取り外しを通知するメッセージのブロードキャストを受信したりすることで行う。
【0022】
警報プログラムは常に実行されており、メモリに常駐している。ただし、イネーブルの状態とディスエーブルの状態を簡単に切り替えることができる。例えば、警報プログラムを再度実行しようとすると、プログラムの新たなインスタンスを生成する代わりに、イネーブルの状態とディスエーブルの状態を切り替えるようにする。すなわち、イネーブルの状態ならばディスエーブルとし、ディスエーブルの状態ならばイネーブルとする。
【0023】
イネーブルの状態において、イヤホンプラグ15の取り外しが検出されると、警報プログラムは、機器の音量を最大にして警報音を出力する。また、事前に登録したメールアドレスヘ緊急事態を送信するようにするもできる。更に、事前に登録した電話番号へ電話をかけるようにするもできる。ディスエーブルの状態では、警報プログラムは何も行わない。
【0024】
より詳しく述べれば、警報プログラムがイネーブルの状態に切り替わると、図2のような設定画面が表示される。この設定画面で、防犯の詳しい設定を行うことができる。ここでは、8個の設定項目がある。まず、この防犯機能そのもののオン・オフを行う設定項目がある。これはイネーブルの状態とディスエーブルの状態を切り替えるもので、ここではイネーブルとなっている。
【0025】
次に、「警報音の編集」の設定項目がある。これを選択すると、図3のような設定画面が表示される。ここではイヤホンプラグ15が引きぬかれた際に、出力される警報音の種類を選択することができる。ここで選択された警報音は、本体設定とは無関係に最大音量で出力される。但し、後述の緊急メールや緊急電話の送信に成功してから出力するようにしても良い。
【0026】
次に、「緊急メール送信アドレス」の設定項目がある。これを選択すると、図4のような設定画面が表示される。ここでは緊急メールの送信先アドレスを複数設定できる。例えば、警備会社の緊急受付のメールアドレス、家族のメールアドレス、学校のメールアドレスなどを複数設定する。
【0027】
緊急メールに記載されるメッセージは、「緊急メール送信内容の設定」を選択して行う。図5はその設定画面の一例である。標準メッセージでは、緊急時の時刻情報と位置情報およびユーザーIDのみが通知される。例えば、「12月22日午後7時22分33秒に代々木公園付近でユーザーID:23819のプラグが引き抜かれました。経緯度は35.670511/139.696698です」といった内容である。これに任意メッセージとして、住所や名前などを追記することができる。
【0028】
また、常時一定時間ごとに位置情報を取得して、スマートフォン1に保存しておくようにしても良い。例えば、5分毎に位置情報を記録していき、過去3時間の記録、すなわち36個のデータを保存しておく。そして、それを緊急メールに添付すれば、緊急メールが送信される前のユーザーの足取りについての情報が得られる。
【0029】
更に、プラグが引き抜かれた後は、より短い間隔(例えば、数秒から数十秒)で位置情報を記録していき、その履歴を数分間隔(例えば、5分間隔)でメールするようにしても良い。この場合、当該携帯機器が作動していれば、緊急事態の起こった後の足取りを把握できる。
【0030】
次に、「緊急電話の設定」の設定項目がある。これを選択すると、図6のような設定画面が表示される。ここに緊急時に電話する相手先の電話番号を複数設定できる。例えば、警備会社の電話番号、家族の電話番号、学校の電話番号などを複数設定する。電話発信は、上位に記載されているものから順に行われる。また、呼び出し音は、待ち秒数で指定された時間だけ継続され、それでも受話されなければ次の電話番号への発信を行う。更に、留守録のアナウンスがあった場合に、録音を行うか、次の電話番号への発信を行うかを決める設定も含まれている。
【0031】
緊急電話の内容は、「緊急電話の内容設定」を選択して行う。図7はその設定画面の一例である。ここでは、通常通話の他に、予め録音されたメッセージを再生するオプションがある。標準メッセージでは、緊急メール送信内容の標準設定がそのまま音声で読み上げられる。すなわち、「12月22日午後7時22分33秒に代々木公園でユーザーID:23819のプラグが引き抜かれました。経緯度は35.670511/139.696698です」といった内容が音読される。やはり、これに住所や名前などを録音メッセージとして追加することができる。録音メッセージは複数登録可能である。
【0032】
但し、録音メッセージの利用では、実際にスマートフォン1から電話するのではなく、警備会社が緊急メールを受信した場合に、ユーザーIDから緊急時発信電話番号を特定して、警備会社の電話から発信される。従って、「緊急電話の設定」の設定項目と「緊急電話の内容設定」の設定項目が変更されると、警備会社のサーバーへ変更内容が通知され記録される。なお、電話の内容は、受け手側から回線が切断されるまで繰り返し読み上げられる。また、発信先の電話番号が複数ある場合には、同時に電話することもできるし、上位の電話番号から順に電話することもできる。
【0033】
次に、「緊急時記録の設定」の設定項目がある。これを選択すると、図8のような設定画面が表示される。「マイクで周囲の音を録音」を選択すると、イヤホンプラグ15が引きぬかれた場合に、直ちに周囲の音の録音を開始する。図の例では、一分間隔で録音ファイルを「緊急メール送信アドレス」で設定されたアドレスへ送信する。
【0034】
また、「ー定間隔で写真を撮影」を選択すると、イヤホンプラグ15が引きぬかれた場合に、直ちに写真の撮影を開始する。この設定項目が選択されると、図の例では五秒間隔で撮影が行われ、その画像ファイルを「緊急メール送信アドレス」で設定されたアドレスへ送信する。
【0035】
更に、「カメラで動画を撮影」を選択すると、イヤホンプラグ15が引きぬかれた場合に、直ちに動画の撮影を開始する。この設定項目が選択されると、図の例では一分間隔で録音ファイルを作成し「緊急メール送信アドレス」で設定されたアドレスへ送信する。
【0036】
次に、「位置情報連動ON/OFFの設定」の設定項目がある。これを選択すると、図9のような設定画面が表示される。ここでは位置情報に連動して、防犯機能そのもののオン・オフを行う。直接緯度/経度を入力しても良いが、入力ボックスにフォーカスがある状態で「現在地の地理情報取得」のボタンを押すと、現在地の緯度/経度が入力ボックスに入力される。
【0037】
例えば、自宅の緯度/経度を警報プログラムがオフとなる場所として設定したりする。また、その位置を中心として半径何メートルまで、オフとなる場所とするかも設定できる。図の例では、35.415915/139.658804の位置を中心として半径10mまでならオフとし、それを出るとオンとなる。
【0038】
但し、オンとなる前およびオフとなる前に、確認のためのメッセージを表示することが望ましい。例えば、「防犯機能をオフとします」と言ったメッセージと共にOKボタンとCANCELボタンが表示され、ユーザーがOKボタンを押した場合に防犯機能をオフとするようにする。
【0039】
また、鉄道や電車等に乗っている場合には、警報プログラムがオフとなるオプションも設けられている。この場合、鉄道や電車に乗っていることを検出するには、GPSに加えてWiFi等による位置情報を利用すると適用範囲が広くなる。
【0040】
次に、「動作タイミングの設定」の設定項目がある。これを選択すると、図10のような設定画面が表示される。ここでは上記防犯機能の実行順序と、実行までの待ち時間の設定を行う。すなわち、設定画面の上から記載された順序で上記防犯機能が実行される。但し、遅延秒数で指定された待ち時間だけ遅れて実行される。例えば、最上位の「防犯音」とその後の「緊急メール送信」は遅延秒数が0なので、イヤホンプラグ15が引きぬかれた場合に直ちに実行される。また、「緊急電話発信」は「防犯音」が鳴り終わる120秒後に行われる。
【実施例2】
【0041】
実施例1では、一般的なイヤホンを利用している。従って、警報プログラムをインストールするだけで実装が完成する。実施例2では、実施例1の警報プログラムを利用すると共に、専用のアクセサリーも利用する。これらは必須ではないが、防犯機能の使い勝手を良くするという効果がある。
【0042】
通常の再生音を聞くイヤホンを防犯機能に利用する場合には、幾つかの不都合も考えられる。そもそもイヤホンは、耳に装着して音を聞くためのものなので、常時差し込んでおくには長さや強度が適切であるとは言えない。そこで、図11に示したようなダミープラグ17を利用する。このダミープラグ17は通常のイヤホンのプラグと同等の形状とインピーダンスを持っており、実施例1に説明した通りの機能を有する。但し、その長さは10cm〜30cm程度で、邪魔にならず引き抜きやすいように先端に引抜ハンドル19が備えられている。
【0043】
図11に示した例では、通常の再生音を聞くイヤホンを接続するには、一旦ダミープラグ17を取り外してからイヤホンの接続を行わなければならない。そこで図12に示したように、通常のイヤホンを接続するためのジャック21をダミープラグ17に儲けるようにしても良い。また、図13に示した例では、ダミープラグ17の引抜ハンドルにジャック21を設けている。この場合には、ダミープラグ17のコードがイヤホンコードの一部として機能している。
【0044】
更に、図14に示した例では、再生音を聞くためのイヤホンに引抜ハンドルが設けている。この引抜ハンドルは、イヤホンコードとは別のコード23の先端に設けられている。
【0045】
また、コードの形状を適宜変えることで、様々な用途に応用できる。例えば、ダミーのイヤホンコードを2メートル位に長めにし、ベビーカーの赤ちゃんの腕などにイヤホンコードを絡めてから携帯機器に接続しておき、この携帯機器をベビーカーのポケット等に入れておく。そうすれば、ベビーカーから離れる際に、連れ去り等の際に緊急事態を知ることができる。或いは、コードを適当な自作のトラップに接続しておき、猿が畑に侵入したら教えてくれるような使い方もあり得る。
【実施例3】
【0046】
実施例1および実施例2では、一般的なイヤホンを防犯機能用に利用している。しかし、イヤホンの代わりに、接続や取り外しをソフトウェアで検出可能な通信インターフェースを利用することも可能である。そのような通信インターフェースとしては、USB(Universal Serial Bus)端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子、メモリーカードスロット、携帯通信機器専用に設けれている独自の通信インターフェースなどがある。
【0047】
図15はUSBコネクタ25が接続されている様子を示す。USBコネクタ25では、意図しない抜けを防止するためにフックが設けられていることがある。このような場合には、緊急にコードを引っ張ってコネクタを引き抜くと接続部分が破損することになる。緊急事態なので、それはやむを得ない。防犯機能のテストは、フックを外してからコネクタを引き抜いて行う。
【0048】
また、イヤホンプラグに対して図11乃至図14に示したような専用のアクセサリーを設けたのと同様に、USBなどそれ以外の通信インターフェースに対しても対応する専用のアクセサリーを利用しても良い。この場合には、引き抜いても破損しないような形状とする。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、本発明による防犯携帯機器によれば、一般的な機種をそのまま用いて、効果を上げることができるので、有効な防犯対策の一つとして利用できる。また、防犯に限らず、不慮の事故の際でも外部への通報を行うことができる。例えば、風呂場で体調に異常を来たし、そのまま亡くなる人が多いが、スマートフォンのイヤホンコード等を引っ張ることで、外部へ事態を知らせることができる。
【0050】
更に、生活に密着した簡易なセンサーとしての利用も考えられる。例えば、ドアにイヤホンコードを絡めておけば、開閉の際にそれを知らせる音がなるようにもできる。これにより、来客を知ることなどができる。
【0051】
また、上記の実施例では、スマートフォンといった携帯電話としての機能を持った携帯通信機器を例としているが、通信インターフェースを有するのであれば、その他の携帯機器にも利用可能である。例えば、iPod(登録商標)、iPod touch(登録商標)やWalkman(登録商標)などの音楽プレーヤーに利用することもできる。この場合、大音量の防犯音の出力といった防犯対策を、ハードウエアの変更なしに実装できるので、産業上の利用可能性は非常に高いと言える。
【0052】
音楽プレーヤーの中には、WiFiのようなインターネット接続機能を持つものがある。この場合には、上記緊急事態を知らせるメール発信の機能も利用できる。このWiFiを利用して現在位置情報の取得を行えば、上記の通りの現在位置情報を利用した防犯対策も可能となる。又、GPSを持つものでは、更に正確性の高い現在位置情報も利用できる。
【符号の説明】
【0053】
1 スマートフォン
3 表示装置
5 スピーカー
7 マイク
9 電源スイッチ
11 イヤホンジャック
13 イヤホン
15 イヤホンプラグ
17 ダミープラグ
19 引抜ハンドル
21 ジャック
23 コード
25 コネクタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信インターフェースとプログラム実行機能を備えた携帯機器であって、
前記通信インターフェースに接続されたコネクタが、前記通信インターフェースから外されたことを検出するステップと、
前記コネクタが、前記通信インターフェースから外されたことが検出された場合に、緊急事態を外部に知らせるための処理を行うステップと、
を実行するプログラムを実装した防犯携帯機器。
【請求項2】
前記コネクタは、前記通信インターフェースと外部との情報交換は行わないダミーのコネクタであることを特徴とする請求項1に記載の防犯携帯機器。
【請求項3】
前記コネクタは、イヤホンジャックであることを特徴とする請求項1に記載の防犯携帯機器。
【請求項4】
通信インターフェースとプログラム実行機能を備えた携帯機器に実装され、
前記通信インターフェースに接続されたコネクタが、前記通信インターフェースから外されたことを検出するステップと、
前記コネクタが、前記通信インターフェースから外されたことが検出された場合に、緊急事態を外部に知らせるための処理を行うステップと、
を実行する携帯通信機器用防犯プログラム。
【請求項5】
前記緊急事態を外部に知らせるための処理とは、大音量の防犯音の出力であることを特徴とする請求項4に記載の防犯携帯機器。
【請求項6】
前記緊急事態を外部に知らせるための処理とは、持ち主を特定する情報と現在地の位置情報を含むメールの発信であることを特徴とする請求項4に記載の防犯携帯機器。
【請求項7】
請求項4に記載の携帯通信機器用防犯プログラムが記録された記録媒体。
【請求項1】
通信インターフェースとプログラム実行機能を備えた携帯機器であって、
前記通信インターフェースに接続されたコネクタが、前記通信インターフェースから外されたことを検出するステップと、
前記コネクタが、前記通信インターフェースから外されたことが検出された場合に、緊急事態を外部に知らせるための処理を行うステップと、
を実行するプログラムを実装した防犯携帯機器。
【請求項2】
前記コネクタは、前記通信インターフェースと外部との情報交換は行わないダミーのコネクタであることを特徴とする請求項1に記載の防犯携帯機器。
【請求項3】
前記コネクタは、イヤホンジャックであることを特徴とする請求項1に記載の防犯携帯機器。
【請求項4】
通信インターフェースとプログラム実行機能を備えた携帯機器に実装され、
前記通信インターフェースに接続されたコネクタが、前記通信インターフェースから外されたことを検出するステップと、
前記コネクタが、前記通信インターフェースから外されたことが検出された場合に、緊急事態を外部に知らせるための処理を行うステップと、
を実行する携帯通信機器用防犯プログラム。
【請求項5】
前記緊急事態を外部に知らせるための処理とは、大音量の防犯音の出力であることを特徴とする請求項4に記載の防犯携帯機器。
【請求項6】
前記緊急事態を外部に知らせるための処理とは、持ち主を特定する情報と現在地の位置情報を含むメールの発信であることを特徴とする請求項4に記載の防犯携帯機器。
【請求項7】
請求項4に記載の携帯通信機器用防犯プログラムが記録された記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−73536(P2013−73536A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213660(P2011−213660)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(596177559)インターマン株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(596177559)インターマン株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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