防雪柵基礎骨格用部材、ならびにそれによる防雪柵基礎およびその施工方法
【課題】施工性に秀れ、経済的に設置可能であり、基礎コンクリートと地面との境目から雪解け水や雨水などが永年に亘って浸入し続けた場合でも横転や倒壊を招くことが無い、耐久性に秀れた防雪柵基礎を提供する。
【解決手段】上端がわにボルト用貫通孔40を有した連結用頭部4、同下端がわを地中打込み部とした金属製パイプ製基礎杭2、該連結用頭部4に装着可能な金属製パイプで、当該ボルト用貫通孔40対応箇所に対応ボルト用貫通孔53を穿孔した袴筒部52の上端外周から基礎プレート50を突出、一体化し、その中央に作業孔を確保してなる定着杭5、該定着杭5袴筒部52の対応ボルト用貫通孔53に合わせた箇所に夫々ナット64を固着した座金体6、およびそれら対応する各部材の連結用とするボルト65、以上一式が組み合わされてなる防雪柵基礎骨格用部材。
【解決手段】上端がわにボルト用貫通孔40を有した連結用頭部4、同下端がわを地中打込み部とした金属製パイプ製基礎杭2、該連結用頭部4に装着可能な金属製パイプで、当該ボルト用貫通孔40対応箇所に対応ボルト用貫通孔53を穿孔した袴筒部52の上端外周から基礎プレート50を突出、一体化し、その中央に作業孔を確保してなる定着杭5、該定着杭5袴筒部52の対応ボルト用貫通孔53に合わせた箇所に夫々ナット64を固着した座金体6、およびそれら対応する各部材の連結用とするボルト65、以上一式が組み合わされてなる防雪柵基礎骨格用部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、防雪柵の基礎に関するものであり、防雪柵基礎骨格用部材、ならびにそれによる防雪柵用の基礎、およびその施工方法に関連する分野は勿論のこと、その資材輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
我が国は比較的緯度が低い割に、冬季に大陸からの寒気団に伴った季節風の吹き付けを受け、国土の広い範囲に積雪があり、路面の着雪や凍結等によって自動車交通網に多大な不利益を被ることがあり、特に降雪地帯にあっては轍にハンドルを取られたり、吹雪による視程悪化や、局地的に発生する地吹雪、前方車両が巻き上げる雪煙等によって突然視界が閉ざされたときなどと様々な要因によって事故が多発する危険性が高まることとなってしまい、こうした道路上の安全を確保するものとして吹止め柵、吹払い柵、吹上げ防止柵等、様々な形式のものが気象条件や沿道環境、道路構造等に応じて選択、設置されている。
【0003】
一般的な防雪柵は、道路の吹雪の風上側となる路側に沿って、複数本の支柱を所定間隔毎に土中に打ち込み立設して、それら支柱間に複数枚の防風雪板を掛け渡し、着脱自在に仮固定してなるものとなっているが、路側地面に直接、杭打ち状に打ち立てられた支柱は、地中の支柱基端と地面との境界部分の隙間から雪解け水や雨水などが浸入し易く、永年の利用によって次第に傾いたり、倒壊してしまう虞があるなど、耐久性に課題を残すものであった。
【0004】
(従来の技術)
こうした状況を憂慮し、例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、道路側部の法面に設けた切り取り部に、断面L型の基礎ブロックを配列し、それら断面L型の基礎ブロック数個間夫々に、基礎主ブロックを載置固定し、該基礎主ブロックに埋設した鉄筋には下部支柱を取り付け、これに上部支柱を連設し、それら支柱間に数段の防雪板を角度調節できるように取り付け、基礎部分を強化したものや、同特許文献1(2)に見られるような、地中に埋設したブロック状コンクリート基礎中に一体化して、先端が上向きとなって地上に突出したアンカーボルトに対して、支柱取付け台のベースプレートをナット締めして強固に固定するようにしたものなどが散見される。
【0005】
しかし、前者特許文献1(1)に示されているような防雪柵装置用の基礎は、防雪柵装置の設置範囲全域に亘って、断面L型の基礎ブロックを敷設しなければならず、設置に多大な経費を要するという欠点があり、また、後者の特許文献1(2)に開示されているような吹き止め防雪柵用の基礎などは、ブロック状のコンクリート基礎部分が地中の浅い範囲にのみ埋設されており、地盤の柔らかな場所や、雪解け水の流れ込み易い谷がわの路側などでは、特に防雪柵の横転や倒壊を招いてしまう虞が高いという欠点があった。
【特許文献1】(1)特開平7−62614号公報 (2)特開平11−117237号公報(第6頁、図1および図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種防雪柵用の基礎は、何れもコンクリート製の基礎部分が浅い地中に埋設されたものとなっており、コンクリート基礎と地面との境目などに、雪解け水や雨水などが侵入して複数年に亘って浸食を受けた場合など、横転や倒壊を生じてしまう虞があり、こうした危険を回避できる防雪柵用の基礎技術については未だ存在しないという状況にある。
【0007】
(発明の目的)
そこで、この発明は、施工性に秀れ、経済的な設置が可能であり、しかも基礎コンクリートと地面との境目から雪解け水や雨水などが永年に亘って浸入し続けた場合であっても横転や倒壊を招くことが無い、耐久性に富む新たな防雪柵用の基礎技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の防雪柵基礎骨格用部材、およびそれによる新規な構造の防雪柵基礎、ならびにその新規な施工方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の防雪柵基礎骨格用部材は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を突設して地中打込み部としてなる基礎杭、該基礎杭の連結用頭部に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなる定着杭、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体、およびそれら対応する各部材の連結用とするボルト、以上一式が組み合わされてなるものとした構成を要旨とする防雪柵基礎骨格用部材である。
【0009】
この基本的な構成からなる防雪柵基礎骨格用部材をより具体的に示すと、基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、当該パイプ閉鎖断面形における左右均衡した位置で同パイプ外周軸線方向に延びる仮想線上の夫々に適宜間隔置きに複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの均衡する角度毎夫々の位置で軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を遠心方向に突設して地中打込み部としてなる基礎杭、該基礎杭の連結用頭部に印籠状に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部に装着したときに同連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを庇状に突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなる定着杭、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせて位置決めした箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体、および基礎杭連結用頭部のボルト用貫通孔と定着杭袴筒部の対応ボルト用貫通孔とに貫通し、座金体のナットに螺合するボルト、および対象とする防雪柵支柱体ベースプレートのボルト用貫通孔と定着杭基礎プレートの対応ボルト用貫通孔とに貫通しするボルトおよびそれに螺合するナット、以上一式が組み合わされてなるものとした構成からなる防雪柵基礎骨格用部材となる。
【0010】
(関連する発明1)
上記した防雪柵基礎骨格用部材に関連し、この発明には、それによる防雪柵基礎も包含している。
即ち、基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、当該パイプ閉鎖断面形における左右均衡した位置で同パイプ外周軸線方向に延びる仮想線上の夫々に適宜間隔置きに複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの均衡する角度毎夫々の位置で軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を遠心方向に突設して地中打込み部としてなる基礎杭を有し、該基礎杭の地中打込み部を対象とする防雪柵支柱体、ベースプレート設置箇所、直下である基礎コンクリート打設用埋め戻し穴底部より、地中に垂直打設したものとすると共に、基礎杭の連結用頭部に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなる定着杭を有し、該定着杭袴筒部下端開口より、当該基礎コンクリート打設用空間内に露出させた基礎杭、連結用頭部を、同連結用頭部と該袴筒部との互いの各ボルト用貫通孔、対応ボルト用貫通孔同士が重なり合うよう嵌合、挿着した上、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせて位置決めした箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体を、該連結用頭部内周面の各ボルト用貫通孔に一致するよう、当該定着杭天面の作業孔から配置したものとする一方、当該定着杭袴筒部の外がわから複数本のボルト先端が、各ボルト用貫通孔、対応ボルト用貫通孔を通じ、該基礎杭連結用頭部内の各座金板のナット夫々に螺着、緊締されたものとし、該基礎杭の連結用頭部以上、定着杭基礎プレート下面以下の空間内に基礎コンクリートを打設、一体化し、埋め戻して該定着杭基礎プレート上に、防雪柵支柱体のベースプレートが結合されてなるものとした、この発明の基本をなす前記防雪柵基礎骨格用部材による防雪柵基礎である。
【0011】
(関連する発明2)
上記した防雪柵基礎骨格用部材、およびそれによる防雪柵基礎に関連し、この発明には、その施工方法も包含している。
即ち、基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、当該パイプ閉鎖断面形における左右均衡した位置で同パイプ外周軸線方向に延びる仮想線上の夫々に適宜間隔置きに複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの均衡する角度毎夫々の位置で軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を遠心方向に突設して地中打込み部としてなる基礎杭の該基礎杭地中打込み部を対象とする防雪柵支柱体のベースプレート設置箇所直下となる基礎コンクリート打設用埋め戻し穴底部より地中に垂直打ち込みした後、該基礎杭の連結用頭部に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔が確保されてなる定着杭を、同定着杭袴筒部下端開口より、当該基礎コンクリート打設用空間内に突出させた基礎杭連結用頭部に対し、該連結用頭部と該袴筒部との互いの各ボルト用貫通孔、対応ボルト用貫通孔同士が重なり合うよう印籠状に組み合わせ装着した上、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせて位置決めした箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体を、当該定着杭天面作業孔を通じて該基礎杭連結用頭部内の各ボルト用貫通孔に一致するよう、配置したものとする一方、当該定着杭袴筒部の外がわ遠心方向から複数本のボルトを、該定着杭袴筒部の対応ボルト用貫通孔と基礎杭連結用頭部のボルト用貫通孔とに貫通し、該基礎杭連結用頭部内の座金体ナット夫々に螺着、緊締してから、該基礎杭の連結用頭部以上、該定着杭基礎プレート下面以下の空間内に基礎コンクリートを打設、一体化して埋め戻した後に、該定着杭基礎プレート上に防雪柵支柱体のベースプレートを結合するようにしてなるものとした、この発明の基本をなす前記防雪柵基礎骨格用部材による前記防雪柵基礎の施工方法である。
【発明の効果】
【0012】
以上のとおり、この発明の防雪柵基礎骨格用部材によれば、従前までは、基礎部分が浅い地中に埋設されており、基礎部分と地面との境目から、雪解け水や雨水などが侵入し、横転や倒壊を生じてしまう虞があったが、金属製パイプ上端がわ適所に複数のボルト用貫通孔を穿設した連結用頭部とし、その下端がわを地中打込み部としてなる基礎杭、該連結用頭部に装着可能な金属製パイプで、当該連結用頭部ボルト用貫通孔対応箇所に対応ボルト用貫通孔を穿孔した袴筒部の上端外周から基礎プレートを突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなる定着杭、該定着杭袴筒部の対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを固着した座金体、およびそれら対応する各部材の連結用とするボルト、以上一式が組み合わされてなるものとし、該基礎杭の地中打込み部を地中に打ち込み可能とすると共に、該基礎杭の連結用頭部に定着杭の袴筒部を連結可能なものとし、該基礎杭の連結用頭部と定着杭の袴筒部との連結部分の周囲に、基礎コンクリートを打設可能として、永年に亘る利用に伴い基礎コンクリートと周囲地表面との間に生じた隙間から雪解け水や雨水などが浸入した場合にも高い耐久強度を確保することができ、防雪柵の横転や倒壊といった被害の発生を未然に防止することができ、従来型のものより遙かに強固な定着力を持って設置できるという秀れた特徴を発揮するものである。
【0013】
加えて、基礎杭と定着杭とを分離した状態で製造、輸送および保管することができ、それらの製造、輸送ならびに施工作業性を高め、保管スペースを有効利用できるものとなり、しかも該基礎杭の地中打込み部を地中に打ち込む作業中に、分離状態にある定着杭は、その基礎プレートに変形や破損を生じる虞がなく、該中打込み部の地中打ち込み後に、定着杭を取り付け、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートを高精度に連結、支持可能なものとすることができる。
【0014】
また、当該防雪柵基礎骨格用部材によれば、金属製パイプの上端がわ所定範囲に複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわから定着板を遠心方向に突設して地中打込み部としてなる基礎杭、該連結用頭部に印籠状に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部ボルト用貫通孔対応箇所に対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部の上端外周から基礎プレートを庇状に突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなる定着杭、該定着杭袴筒部の対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体、および基礎杭連結用頭部のボルト用貫通孔と定着杭袴筒部の対応ボルト用貫通孔とに貫通し、座金体のナットに螺合するボルト、ならびに、対象とする防雪柵支柱体ベースプレートのボルト用貫通孔と定着杭基礎プレートの対応ボルト用貫通孔とに貫通しするボルトおよびそれに螺合するナット、以上一式が組み合わされてなるものとし、該基礎杭の地中打込み部に定着板が形成されていて、金属製パイプをそのまま地中に打ち込む場合に比較して大幅に強い地中への定着力を得ることができ、また、該基礎杭の連結用頭部に連結した定着杭の基礎プレート上に、防雪柵支柱体のベースプレートを重ね合わせ、該基礎プレートの対応ボルト用貫通孔とベースプレートのボルト用貫通孔とに貫通したボルトにナットを螺合、緊締し、防雪柵支柱体を地上に対して各段に強固に立設したものとすることができる。
【0015】
そして、基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を円形とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を同袴筒部軸心に長径の向きが一致する長孔とするか、または、基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を同連結用頭部軸心に長径の向きが一致する長孔とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を円形とするか、もしくは、基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を同連結用頭部軸心に長径の向きが一致する長孔とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を同袴筒部軸心に長径の向きが一致する長孔とするかの何れか一つの組み合わせとするよう設定されたものは、地中に打ち込まれた基礎杭の連結用頭部に対する定着杭袴筒部の軸心方向の取り付け位置が微調整可能なものとなり、定着杭の設置位置をより正確なものとし、対象とする防雪柵支柱体の施工精度を各段に高めるものとなる。
【0016】
さらに、基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を同連結用頭部軸心に長径の向きが一致する長孔とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を袴筒部軸心回り方向に長径の向きが一致する長孔とするか、または、基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を連結用頭部軸心回り方向に長径の向きが一致する長孔とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を袴筒部軸心に長径の向きが一致する長孔とするかの何れか一方に設定されたものとして、重なり合う対応ボルト用貫通孔同士が互いに十字状に交叉するよう形成し、該基礎杭連結用頭部に定着杭袴筒部を装着した場合に重なり合う各ボルト用貫通孔、対応ボルト用貫通孔同士が互いに十字状に交叉するよう形成して、連結用頭部に対する袴筒部結合位置の軸心方向、軸心回り方向の微調整を可能にし、基礎杭の打ち込み作業、および定着杭袴筒部の位置合わせ結合作業を容易なものとして施工精度および施工作業の効率を各段に高めることができる。
【0017】
また、座金体が、割竹短冊型の縦列座金板からなり、その縦列座金板の該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなるものとすると、従来通りであれば基礎プレートの狭い作業孔内で複数個のナットを取り扱わなければならないという煩雑な作業となってしまうが、複数個のナットを縦列座金板に一体化して取扱い性を高め、該作業孔内へのナットや工具類の落下を効果的に防止して、定着杭の基礎杭への結合作業を大幅に効率化できるものとなる。
【0018】
さらにまた、座金体が、当該基礎杭連結用頭部の上端開口縁に係合可能、および、基礎プレート天面作業孔内に装着可能な寸法、形状に設定した蓋板下面の対応箇所夫々に、当該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着した割竹短冊型の縦列座金板の上端を適正配置とするよう一体化してなるものの場合には、複数の縦列座金板を当該基礎プレートの狭い作業孔内に同時に装着、位置決めすることができ、しかも蓋板が当該基礎杭連結用頭部の上端開口縁に施蓋状に係合して、各縦列座金板およびそれらの各ナットの簡便な位置決めを可能とする上、座金体それ自体が該基礎杭を形成している金属製パイプ中に落下してしまうのを確実に防止でき、蓋板を固定すると、各ナットへのスパナやレンチ類の使用が不要となり、該作業孔内への工具類の落下を効果的に防止して定着杭の基礎杭への結合作業を大幅に効率化することができる。
【0019】
この発明の防雪柵基礎骨格用部材による防雪柵基礎によれば、従来型のものに比較して遙かに強固な定着力を発揮するものとなり、しかも該基礎杭連結用頭部と、同連結用頭部に印籠状に組み合わせた当該定着杭袴筒部との互いに一致させた複数のボルト用貫通孔および対応ボルト用貫通孔の内がわに、定着杭基礎プレート天面の作業孔を通じて、複数個のナットを一体化した座金体を装着し、該袴筒部外がわから各対応ボルト用貫通孔およびボルト用貫通孔を貫通して複数本のボルトを螺着、緊締することが可能となり、ボルト・ナットの装着作業性を各段に向上して設置作業を迅速且つ確実なものとし、さらに、強固に連結た各ボルトの頭部は、該基礎杭の連結用頭部以上、定着杭の基礎プレート下面以下の空間内に充填、硬化した基礎コンクリートに一体化して強固に結合し、定着杭、基礎コンクリートおよび基礎杭が、各段に高い強度をもって一体化されたものとなり、永年に亘る利用に伴い基礎コンクリートと周囲地表面との間に生じた隙間から雪解け水や雨水などが浸入した場合にも高い耐久強度を確保することができ、防雪柵の横転や倒壊といった被害の発生を未然に防止することができるものになるという秀れた効果を発揮するものとなる。
【0020】
加えて、当該基礎杭連結用頭部と、これに印籠状に組み合わせた定着杭袴筒部との互いに重なり合う肉厚部分が、ボルト・ナットで締め付け固定されたものとし、従来型にありがちなボルトが鋼製パイプ内の空洞部分を直径方向に横断し、反対がわに突出させたボルト先端にナットを螺着して連結したものに比較してボルト・ナットの緩みを確実に阻止することができ、各段に高い連結強度を得るものとなる。
【0021】
さらに、この発明の防雪柵基礎骨格用部材による防雪柵基礎が、基礎コンクリートの防雪柵風上がわに形成した垂直面と、対象とする防雪柵支柱体、ベースプレート上の支柱体、風上がわに塀構造における枠控え風に連結した枠体、下部に設けた補助ペースの水平下面との夫々に、側面直角三角形状の棚受け型ブラケットの直角を挟む二辺夫々を接合、連結してなるものとした場合には、塀構造における枠控え風に連結した該枠体が風上がわに突出するよう設けられた防雪柵を設置する防雪柵基礎であっても、基礎コンクリートを大型化せずに該枠体を充分な強度で確実に支持でき、施工経費および施工工数の大幅な削減を実現化するものとなる。
【0022】
この発明の防雪柵基礎骨格用部材による防雪柵基礎の施工方法によれば、打ち込み作業に伴う基礎杭の変形が、定着杭の取り付け位置や、その形状に悪影響を及ぼすのを確実に防止することができ、定着杭基礎プレートの変形や傾きなどの発生を確実に防止できるものとし、さらに、該基礎杭連結用頭部と定着杭袴筒部との互いの軸心方向の位置合わせが容易になる上、ナット複数が位置決め固着された座金体を用いると、該基礎プレートの作業孔から一括して複数個のナットの位置決めが可能となり、組み立て作業性を各段に向上することができ、しかも永年の利用によって基礎コンクリートと周囲地表面との間に生じた隙間から雪解け水や雨水などが浸入した場合にも高い耐久強度を確保することができ、防雪柵の横転や倒壊などを未然に防止できるという秀れた効果を奏することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
防雪柵基礎骨格用部材の基礎杭は、防雪柵支柱体ベースプレートを地上に連結可能とする定着杭、および、その定着杭を地中に定着可能とする基礎コンクリートの双方を互いに一体化すると共に、該基礎コンクリートよりも深い地中に強固に定着可能とする機能を果たすものであり、基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を突設して地中打込み部としてなるものとしなければならず、例えば亜鉛めっき鋼管製、ステンレス鋼管製、アルミニウム合金管製などの錆び難いか、防錆処理が施されたものかの何れか一方の金属製パイプからなるものとするのが望ましい。
【0024】
基礎杭地中打込み部は、該基礎杭上端がわの連結用頭部を除いた下端がわの大部分が、基礎コンクリート打設部分より、地中に打ち込み可能となり、しかも周回りに回転不能となるよう強固に定着するものとなるという機能を果たし、該連結用頭部下端がわの同パイプ外周周りの軸線に沿う所定範囲箇所から定着板が突設されてなるものとしなければならず、後述する実施例に示すように、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの均衡する角度毎夫々の位置で軸線に沿う所定範囲箇所から定着板が遠心方向に突設されたものとするのが望ましい。
【0025】
基礎杭の地中打込み部の定着板は、地中に打ち込まれた該地中打込み部が、地中で脱抜不能および軸心回りに回転動不能となるよう充分な強度と摩擦力とをもって定着し、基礎杭が地中に根を張るように安定的に固定可能とする機能を果たすものであって、該基礎杭連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの軸線に沿う所定範囲箇所に突設されたものとしなければならず、後述する実施例に示すように例えば、地中打込み部の軸心に平行な平面板からなるものとし、該基礎杭連結用頭部の直下付近(地中打込み部の上端付近)、および同地中打込み部の下端付近夫々に複数枚ずつ設けたものとするのが望ましい。
【0026】
基礎杭連結用頭部は、地中打込み部の上部がわに定着杭の袴筒部を強固に連結可能とすると共に、地中打込み部の上部がわと、定着杭の基礎プレート下面および袴筒部とを基礎コンクリート中に一体化してしまう機能を果たし、基礎杭である金属製パイプの地中打込み部より上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分であって、ボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設したものとしなければならない。
【0027】
連結用頭部のボルト用貫通孔は、該連結用頭部に対して印籠状に組み合わせた定着杭袴筒部の対応ボルト用貫通孔と重なり合い、双方を貫通するボルトと、これに螺合するナットとによって、該連結用頭部および袴筒部が結合可能となるようにするものであり、該連結用頭部に縦列配置状に穿設されたものとしなければならず、後述する実施例に示すように、ボルト用貫通孔を金属製パイプ軸心に長径の向きが一致する長孔に設定されたものか、ボルト用貫通孔が金属製パイプ軸心回り方向に長径の向きが一致する長孔かの一方に設定したものとすることができる。
【0028】
定着杭は、基礎杭上端がわを、基礎コンクリート中に一体化すると共に、該基礎杭上端がわを防雪柵支柱体のベースプレートに対して強固に連結、一体化可能とするという機能を果たし、当該基礎杭の連結用頭部に装着可能な直径の金属製パイプで、該連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなるものとしなければならず、基礎コンクリートを打設する直前までに、同基礎プレートの防雪柵支柱体ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する各対応ボルト用貫通孔夫々に、先端を上向きとした姿勢のボルトを下方より貫通状に装着し、仮留め用のナットを一時的に螺合して仮固定されたものとして置き、その後に充填、硬化した基礎コンクリート中に各ボルト頭部が一体化固定可能なものとするか、または、同基礎プレートの防雪柵支柱体ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所夫々に鉛直方向のネジ孔を穿設し、同基礎プレート上に防雪柵支柱体用のベースプレートを接合状に載置して、該ベースプレートの上方から各ボルト用貫通孔に下向き貫通したボルト下端がわを同基礎プレートの対応するネジ孔に螺着、結合可能なものとするかの何れかに設定されたものとすることができる外、該基礎プレートの防雪柵支柱体ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所夫々から基礎コンクリートに貫通するよう植え込みボルトや各種アンカーボルトなどを設けたものとすることが可能であり、該基礎プレートは、対象とする防雪柵支柱体用ベースプレートと同一形状とすべきであり、ベースプレートと同一形状の条件を満たせば、後述する実施例に示すような四角形状の外、円形、長円、楕円や台形、五角形、六角形など様々な形状の金属製平板からなるものとすることができ、該対象とする防雪柵支柱体用ベースプレートより僅かに大きいか、または僅かに小さいかの何れか一方の平面形状に設定されたものとすることが可能である。
【0029】
定着杭袴筒部は、地中に垂直に打ち込まれた基礎杭の連結用頭部と、該定着杭の基礎プレートとを強固に一体化可能とし、且つ、基礎杭連結用頭部および基礎プレート下面を基礎コンクリート中に一体化してしまう機能を果たし、当該基礎杭の連結用頭部に装着可能な直径の金属製パイプからなり、該連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔してなるものとしなければならず、各対応ボルト用貫通孔は、当該袴筒部を形成する金属製パイプの軸心に長径の向きが一致した長孔とするか、または、当該袴筒部を形成する金属製パイプの軸心回り方向に長径の向きが一致した長孔とするかの何れか一方に設定できる。
【0030】
座金体は、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを固着状とし、複数個のナットを一括して取扱い可能、且つ定着杭基礎プレートの作業孔を通して装着可能にするという機能を果たし、複数のナットが夫々、基礎杭連結用頭部内の各ボルト用貫通孔、および定着杭袴筒部内の各対応ボルト用貫通孔に一致するよう、互いに一体的に連結されてなるものとしなければならず、後述する実施例に示すように、割竹短冊型の縦列座金板からなり、その縦列座金板の該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなるものや、当該基礎杭連結用頭部の上端開口縁に係合可能、および、基礎プレート天面作業孔内に装着可能な寸法、形状に設定した蓋板下面の対応箇所夫々に、当該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着した割竹短冊型の縦列座金板の上端を適正配置とするよう一体化してなるものなどとすることができる。
【0031】
防雪柵基礎の基礎コンクリートは、当該基礎杭の連結用頭部、および、該連結用頭部に連結した定着杭袴筒部、ならびに、同基礎プレート下面に一体化し、ブロック型のフーチング状部分を形成可能とする機能を果たし、該基礎杭連結用頭部と定着杭袴筒部とに充分な強度をもって一体化されたものとしなければならず、該基礎杭の連結用頭部以上、定着杭基礎プレート下面以下の空間内を外部から仕切るよう型枠を設置すると共に、その型枠内に鉄筋を配してセメントペーストまたはモルタルを充填して硬化した上、型枠を撤去してから埋め戻すようにして形成したものとすべきであり、後述する実施例に示すように、該基礎コンクリートの少なくとも防雪柵風上がわに垂直面を形成し、同垂直面と、防雪柵ベースプレート上の支柱体風上がわに塀構造における枠控え風に連結した枠体の下部に設けた補助ペースの水平下面との夫々に、側面直角三角形状の棚受け型ブラケットの直角を挟む二辺夫々を接合、連結してなるものとすることが可能である。
【0032】
対象とする防雪柵支柱体のベースプレートは、地表面付近に設置した定着杭基礎プレート上に、同防雪柵支柱体の下端を充分な強度をもって着脱自在に連結可能とする機能を果たすものであり、基礎プレート天面に充分な接触面積を確保可能な寸法、形状に設定されたものとしなければならず、外縁がわとのなる複数適所にボルト用貫通孔を穿設し、定着杭基礎プレートとボルト・ナットを用いて結合可能とするよう設定されたものとすべきであり、後述する実施例に示すように、定着杭基礎プレートと同一平面形状、および同一平面寸法に設定されたものとするのが望ましい。
【0033】
対象とする防雪柵の支柱体は、防風雪板を、所定の高さ位置に所定の姿勢角度で掛け渡し状に支持可能とする機能を果たすものであり、2本以上がそれらの板状部品を掛け渡し状に支持可能な所定間隔を隔てて十分な強度を有して立設されたものとしなければならず、該防雪柵を必要とする冬期間には立設可能であり、その他の期間中は折り畳み、あるいは分解撤去可能な構造を有するものとするのが望ましい。
【0034】
対象とする防雪柵の枠体は、各支柱体との間に1枚以上の斜風誘導板を、最適姿勢に調節自在となるよう支持可能とする機能を果たすものであり、各支柱体の風上となるがわに塀構造における枠控え風のものとして地上に設置し、各支柱体を風上がわから補強、支持する機能を兼ねるものとすべきであり、後述する実施例に示すように、枠強度を高めるよう、長縦コ字型とし、その下部に補助ペースを設け、上横杆端部および補助ペース端部を夫々分解可能となるようにして取り付けたものとし、該補助ペースの水平下面と、基礎コンクリートの防雪柵風上がわに形成した垂直面との夫々に、側面直角三角形状の棚受け型ブラケットの直角を挟む二辺夫々を接合、連結してなるものとすることが可能である。
【0035】
棚受け型のブラケットは、支柱体の風上がわに延伸状に形成された対象とする防雪柵の枠体補助ペースの下面荷重を、基礎コンクリートの対応する側面に伝達可能として該枠体下端を強固に支持可能とする機能を果たし、側面直角三角形状の棚受け型の金属板製とし、枠体補助ペースおよび基礎コンクリートの双方にボルト・ナットなどで着脱自在に連結したものとするのが望ましく、必要に応じてT字型、I字型などの断面形状とするよう、補強リブを一体化したものとすることができる。
【0036】
この発明の施工方法は、基礎杭地中打込み部を対象とする防雪柵支柱体のベースプレート設置箇所直下となる基礎コンクリート打設用埋め戻し穴底部より地中に垂直打ち込みした後、該基礎杭の連結用頭部に当該定着杭を同袴筒部下端より印籠状に装着するようにしなければならず、その後は基本的に、該定着杭基礎プレートの作業孔を通じて座金体を装着し、該定着杭袴筒部の外がわ遠心方向から複数本のボルトを各ボルト用貫通孔、対応ボルト用貫通孔に貫通装着し、座金体のナットに夫々螺合緊締して強固に連結してから、該基礎杭の連結用頭部以上、且つ定着杭の基礎プレート下面以下の空間内に基礎コンクリートを打設、一体化して埋め戻すようにすべきであるが、座金体と、ボルトとの装着順序などは適宜変更することが可能であり、また、基礎コンクリートの打設作業もプレキャストコンクリートを適宜組み込んだ後に、必要箇所にモルタルを充填するなどして組み立て一体化するように設定可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【実施例1】
【0037】
図1の基礎部分を断面化した防雪柵の側面図、図2の防雪柵の斜視図、図3の地中に打ち込んだ基礎杭の側面図、図4の基礎杭に装着する定着杭の側面図、図5の袴筒部内に装着する座金体の側面図、図6のボルトを螺着した座金体の側面図、図7の座金体を組み合わせ位置に配した定着杭の平面図、図8の座金体を組み合わせ位置に配した定着杭の側面図、図9の座金体を組み合わせ位置に配した定着杭の正面図、図10の座金体の斜視図、図11の座金体を形成する縦列座金板の斜視図、図12の一部に改良を加えた座金体の斜視図、図13の基礎杭および定着杭の分解斜視図、図14の長孔が十字状に重なる基礎杭および定着杭の分解斜視図、図15の打設した基礎コンクリートを断面化した側面図、および図16の断面化した防雪柵基礎の側面図に示す事例は、金属製パイプ上端がわ適所に複数のボルト用貫通孔40,40,……を穿設した連結用頭部4とし、その下端がわを地中打込み部3としてなる基礎杭2、該連結用頭部4に装着可能な金属製パイプで、当該連結用頭部4ボルト用貫通孔40,40,……対応箇所に対応ボルト用貫通孔53,53,……を穿孔した袴筒部52の上端外周から基礎プレート50を突出、一体化し、その中央に当該基礎杭2の内外径何れか一方に相当する作業孔51を確保してなる定着杭5、該定着杭5袴筒部52の対応ボルト用貫通孔53,53,……に合わせた箇所に夫々ナット64,64,……を固着した座金体6、およびそれら対応する各部材の連結用とするボルト65,65,……、以上一式が組み合わされてなるものとした、この発明の防雪柵基礎骨格用部材1、およびそれによる防雪柵基礎10における代表的な一実施例を示すものである。
【0038】
図3からも明確に把握できるとおり、この発明の防雪柵基礎骨格用部材1は、基礎耐力上で必要となる長さ全長4000mm、直径152.4mm、厚さ6mmの鋼管製であって、その上端がわ400mmの範囲を連結用頭部4とし、該連結用頭部4には、当該パイプ閉鎖断面形における左右均衡した位置で同パイプ外周軸線方向に延びる仮想線上の夫々に適宜間隔置きに4個のボルト用貫通孔40,40,……を縦列配置状に穿設し、該連結用頭部4を除く下端がわ3600mmを地中打込み部3に設定し、該地中打込み部3の同パイプ外周周りの均衡する角度、例えば90度毎夫々の位置で軸線に沿う連結用頭部4の直下付近からは、夫々、横幅250mm、縦1,524mm、厚さ4.5mmの鋼板製の定着大板30,30,……合計4枚が、同地中打込み部3軸心に平行且つ遠心方向に放射状突出するよう固着一体化されたものとしてあり、また、同地中打込み部3の下端から450mmの中途箇所外周面の周回り90度毎となる箇所には夫々、横幅100mm、縦450mm、厚さ4.5mmの鋼板製の定着小板31,31,……合計4枚を、同地中打込み部3軸心に平行且つ遠心方向に放射状突出する姿勢であって、しかも当該定着大板30,30,……夫々の地中打込み部3のパイプ軸心方向の投影範囲内に配置するように固着一体化してなる基礎杭2を有している。
【0039】
該基礎杭2連結用頭部4は、図13中に示すように、その周回り180度毎となる2箇所夫々の、上端より50mm、80mm、80mm、80mm、50mmの各4箇所(合計8箇所)にM16ボルト用貫通孔であって、同連結用頭部4軸心に平行な縦長状の長孔40,40,……を求心方向(肉厚方向)に穿設したものとし、図3に示すように、それら連結用頭部4および定着大板30,30,……、定着小板31,31,……を含む地中打込み部3からなる基礎杭2の全体に亜鉛めっき処理を施してある。
【0040】
また、当該防雪柵基礎骨格用部材1の定着杭5は、図4ないし図8中に示すように、直径165.2mm、長さ420mm、厚さ5mmの鋼管製袴筒部52の上端に、横350mm、奥行き680mm、厚さ22mmの鋼板製基礎プレート50の中央であって直径165.2mmで貫通した作業孔51の開口縁が熔接によって強固に一体化されたものとしてあり、該袴筒部52が当該連結用頭部4に対して印籠状に嵌合した場合に、当該連結用頭部4の各長孔40,40,……に対応する周壁各所夫々に同等寸法、形状の長孔53,53,……が、図13中に示すように、各長孔53,53,……の長径を袴筒部52の軸心方向に向けた姿勢に穿孔されたものとしている。
図13中に示す基礎杭2は、図14中に示すように、基礎杭2連結用頭部4の各長孔40,40,……の長径が、同連結用頭部4の軸心回り方向に一致するよう設定されたものに変更可能である。
【0041】
該定着杭5は、図4ないし図8中に示すように、基礎プレート50の対角線上となる下面と、それに対応する袴筒部52外周面との間に横幅165mm、縦100mm、厚さ6mmの鋼板製であって、非結合がわとなる1角が30°ないし60°望ましくは45°の角度で切除された合計4枚の補強翼54,54,……の夫々が、各切除(非結合がわとなる1角)がわとは反対がわとなる直角を挟む2辺の熔接によって一体化し、該基礎プレート50の四隅に、対象とする防雪柵9支柱体90ベースプレート92のボルト用貫通孔に対応するM22用の貫通孔55,55,……を穿設したものとし、それら補強翼54,54,……を含む定着杭5の全体に亜鉛めっき処理を施したものとしてある。
【0042】
そして、当該防雪柵基礎骨格用部材1の座金体6は、図5ないし図10中に示すように、基礎杭2の外径に一致する直径152.4mm、厚さ6mmの鋼製円板からなる蓋板60下面の、基礎杭2の厚さ6mm分中心寄りとなる180度毎の2箇所夫々に対して、図11中に示すように、幅80mm、縦340mm、厚さ6mmの割竹短冊型鋼板の幅寸法中央に、上端から50mm、80mm、80mm、80mm、50mmの各4箇所にM16ボルト用の貫通孔を穿孔し、その内面がわに各貫通孔に同心状となるようM16ナット64,64,……を熔接してなる縦列座金板63,63の2枚夫々の各上端を、図10中に示すよう熔接、一体化してなり、その全体に亜鉛めっき処理が施してある。
【0043】
座金体6は、図11中に示すように、蓋板60を結合しない縦列座金板63,63に置き換えることが可能で有る外、図12中に示すように、蓋板60の中央に直径70mm程度の覗き窓61を開口し、その覗き窓61内縁に中心を通る直径5mm、長さ70mmの鋼棒製把持部62を掛け渡し結合してなるものとすることができる。
【0044】
当該防雪柵基礎骨格用部材1は、当該基礎杭2、定着杭5および座金体6に加え、基礎杭2連結用頭部4の長孔(ボルト用貫通孔)40,40,……と定着杭5袴筒部52の長孔(対応ボルト用貫通孔)53,53,……とに貫通し、座金体6のナット64,64,……に螺合するボルト65,65,……、および対象とする防雪柵9支柱体90ベースプレート92のボルト用貫通孔と定着杭5基礎プレート50の対応ボルト用貫通孔55,55,……とに貫通しするボルト56,56,……およびそれに螺合するダブルナット93,93,……、以上一式が組み合わされてなるものである。
以下では、この発明の施工方法の一例に従い、この発明に包含される防雪柵基礎骨格用部材1による防雪柵基礎10の作用について示して行くこととする。
【0045】
(実施例1の作用)
この発明の防雪柵基礎骨格用部材1を用いて防雪柵基礎1を設置するには先ず、道路の風上側となる沿道の約4,000・間隔毎の支柱体90,90……用の立設箇所夫々に、図1および図3中に示すように、1800mm四方程度、深さ400mmの埋め戻し穴8を掘削し、該埋め戻し穴8の中央底部より地中に向けて、当該基礎杭2の地中打込み部3全体を垂直状に打ち込み、該連結用頭部4が埋め戻し穴8の底部より、同埋め戻し穴8内に鉛直姿勢に突出し、該連結用頭部4上端が地上面Gに一致するよう配置されたものとする。
該基礎杭2地中打込み部3を地中に打ち込む際には、連結用頭部4の直立姿勢だけでなく、その長孔40,40,……の向きおよび深さ位置を、後に取り付ける定着杭5基礎プレート50の取り付け向きや、高さ位置に合わせるよう注意して設置する必要がある。
【0046】
当該埋め戻し穴8内に鉛直姿勢に突出した連結用頭部4には、図4中に示すように、定着杭5を袴筒部52下端開口より、印籠状に装着し、互いの長孔40,40,……,53,53,……同士を一致させてから、図5中に示すように、座金体6を定着杭5基礎プレート50に開口させた作業孔51を通じて、図6中に示すように、該蓋板60の外周縁下面が基礎杭2連結用頭部4の上端開口縁に当接し、且つ、各縦列座金板63,63の外周面が連結用頭部4の内周面に接するよう装着されたものとする。
【0047】
図6および図13中に示すように、基礎杭2連結用頭部4に定着杭5袴筒部52を装着し、座金体6を組み込み、該連結用頭部4、袴筒部52の互いに重なり合う各長孔40,40,……,53,53,……に、該袴筒部52の遠心方向外がわから合計8本のM16、長さ40mmのボルト65,65,……を貫通し、当該座金体6縦列座金板63,63の各貫通孔を通して各ナット64,64,……に螺合し、各長孔40,40,……,53,53,……の範囲ないで該基礎杭2に対する定着杭5の上下位置を微調整しながら、ボルト65,65,……とナット64,64,……と緊締して強固に結合したものとする。
【0048】
図15中に示すように、該基礎杭2の連結用頭部4以上であって、該連結用頭部4に連結済みの定着杭5基礎プレート50下面以下の横幅470mm、奥行き870mm、深さ400mmの周囲に型枠を設置すると共に、当該定着杭5基礎プレート50の四隅に穿設されたM22用の貫通孔55,55,……夫々に、先端を上向きとしたM22のベース用ボルト56,56,……を鉛直貫通状に装着し、各ベース用ボルト56,56,……先端がわより借り留め用のナット(図示せず)を螺着した上で、前記型枠中にセメントペーストを充填、硬化させてから型枠を取り除き、同図15中に二点鎖線で示すように、ブロック状の基礎コンクリート7を一体化形成したものとし、該定着杭5基礎プレート50四隅の各ベース用ボルト56,56,……から借り留め用のナット(図示せず)を取り外し、それら各ベース用ボルト56,56,……の頭部が、該基礎コンクリート7肉厚中に一体化して回転不能および脱落不能に支持されたものとする。
また、各ベース用ボルト56,56,……は、図示しない植え込みボルトまたは各種アンカーボルトなどとして、定着杭5基礎プレート50の四隅に鉛直貫通状に植設したものとすることが可能である。
【0049】
図16中に示すように、当該基礎コンクリート7の防雪柵9風上がわに形成した垂直面70には、側面直角三角形状の棚受け型としたブラケット97の直角を挟む二辺の内の対応する一辺を図示しないボルト・ナットによって強固に連結してから該基礎コンクリート7およびブラケット97の周囲に残る埋め戻し穴8を、同図16中に波線で示すよう地上面Gまで埋め戻す。
【0050】
同図16中に示すように、定着杭5基礎プレート50天面四隅上に立設された各ベース用ボルト56,56,……には、防雪柵9支柱体90のベースプレート92四隅の貫通孔に貫通するようにして、該基礎プレート50天面と支柱体90ベースプレート92下面とを接合させたものとし、風下がわ配置となる2本のベース用ボルト56,56にダブルナット93,93を螺着して固定して置き、支柱体90の風上がわに塀構造における枠控え風の長縦コ字型とした枠体95を、その下部に一体化した補助ペース96の水平下面が、当該ブラケット97の直角を挟む二辺対応する他辺上に接合状に搭載するよう、図示しないボルト・ナットにて一体化すると共に、該補助ペース96の後端がわ両隅に穿設した貫通孔に、風上がわ配置となる2本のベース用ボルト56,56を貫通し、ダブルナット93,93を螺着して強固に固定したものとする。
【0051】
このようにして地上高4000mmないし4400mmの高さに立設された複数本の支柱体90,90……間の夫々には、図2中に示すように、地上200mm付近から地上4000mm付近の上下間に亘って防風雪板91,91,……を横架し、風上側と風下側とを区画するように形成しており、また、該支柱体90と地上高約2400mm、幅約900mmの長縦コ字型とした枠体95との間の枠体空間内に、複数枚の斜風誘導板94,94,……を横架してなるものとする。
【0052】
(実施例1の効果)
以上のとおりの構成からなる実施例1の防雪柵基礎骨格用部材1、およびそれによる防雪柵基礎10ならびにその施工方法は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、当該防雪柵基礎骨格用部材1が、基礎杭2、定着杭5、座金体6、および、それらの部品同士を結合するのに必要となるボルト65,65,……やナット64,64,……などの部品一式からなり、製造、輸送、保管に便利なだけでなく、各部品の改良や一部の構造変更などが容易になり、多様な防雪柵の製造に有利であるという利点を持つものである。
【0053】
加えて、当該基礎杭2は、図3中に示すように、その地中打込み部3先端がわの各定着小板31,31,……が、同地中打込み部3の上端がわであって連結用頭部4直下付近に設けた定着大板30,30,……夫々の、同基礎杭2軸心方向の投影範囲内に配置するよう形成してあり、地中に打ち込まれるときに、先に定着小板31,31,……が打ち込まれて地中に、図示しない案内縦溝を形成し、それら案内溝に沿って、続く定着大板30,30,……が地中に打ち込まれるようになっており、上下に配した各定着小板31,31,……、定着大板30,30,……が、地中への垂直な打ち込みを精度良く案内可能とするものとなる上、地中への打ち込み抵抗を最小限に留めてボーリング用建設機械への負担や作業労力を大幅に軽減することができ、しかも地中に打ち込まれた後には、地中打込み部3が杭基礎状となり、地中打込み部3の上端寄りと下端よりの2箇所が地中に確りと定着するよう、各定着大板30,30,……、定着大板30,30,……が、周囲土砂類との間に大きな摩擦力を発生して基礎杭2の回転や傾きを確実に防ぐ役目を果たし、強固に定着するものとなる。
【0054】
図4および図5に示すように、埋め戻し穴8底部中央に鉛直状に立設した基礎杭2連結用頭部4に、定着杭5袴筒部52を印籠状に組み合わせ装着する場合に、双方の長孔40,40,……,53,53,……同士が互いの基礎杭2軸方向の装着誤差を補うものとなり、該基礎プレート50作業孔51より、座金体6を装着するときは、図6中に示すように、同座金体6蓋板60が、基礎杭2連結用頭部4上端開口縁に係合可能な寸法形状に設定されており、連結用頭部4上端開口縁上に、外周縁下面が接合するよう係合状載置した蓋板60を周回り方向に摺動移動させるよう操作しながら、各縦列座金板63,63ナット64,64,……を各長孔40,40,……,53,53,……に一致するよう微調整することが可能となり、複数個のナット64,64,……を用いたボルト結合の作業性が大幅に改善されることとなる。
【0055】
こうして基礎杭2連結用頭部4に連結した定着杭5は、図6ないし図9中に示すように、基礎プレート50の対角線上となる下面と、それに対応する袴筒部52外周面との間に一体化した補強翼54,54,……が、基礎プレート50天面の水平姿勢を堅牢且つ高精度に保持するものとなり、しかも図15中に示すように、後に打設される基礎コンクリート7と各補強翼54,54,……とが、強固に一体化して基礎プレート50の地上面Gへの定着力を各段に強化して高精度の水平姿勢を長期間に亘り維持可能なものとなる。
【0056】
図12中に示すように、蓋板60の中央に覗き窓61と把持部62とを形成した座金体6は、図5ないし図9中に示すように、定着杭5作業孔51を通じて連結用頭部4内に装着する場合に、図12中に示すよう該覗き窓61より、各縦列座金板63,63およびナット64,64,……の位置を目視確認しながら、把持部62を操作して一段と容易に装着および位置決め操作可能なものとなる。
【0057】
図13中に示すように組み立てられた基礎杭2、定着杭5および座金体6の、図15に示す、基礎杭2連結用頭部4以上、定着杭5基礎プレート50下面以下の空間内に基礎コンクリート7を打設すると、杭基礎状をなす基礎杭2の上端に、フーチング基礎状をなした基礎コンクリート7が一体化されたものとなって、当該防雪柵基礎骨格用部材1による防雪柵基礎10の定着強度を大幅に高めるものとなり、しかも基礎コンクリート7の打設に伴い定着杭5基礎プレート50の四隅にベース用ボルト56,56,……が、ナット類などの固定部品や熔接などを必要とせずに強固に立設されたものとなる。
【0058】
また、図14中に示すように、連結用頭部4の各長孔40,40,……が、同連結用頭部4の軸心回り方向に長径方向を一致するよう形成した基礎杭2を用いた場合には、定着杭5袴筒部52の袴筒部52軸心方向に長径方向が一致する各長孔53,53,……と、該連結用頭部4の各長孔40,40,……とが十字状に重なりあって、袴筒部52の結合位置を基礎杭2の軸心に平行な上下方向、および、同基礎杭2の軸心回り方向の双方に微調整可能なものとなる。
【0059】
図16中に示すように、基礎コンクリート7風上がわの垂直面70と、枠体95補助ペース96水平下面との間に装着した棚受け型ブラケット97は、基礎コンクリート7を大型化せずに、枠体95補助ペース96を安定且つ強固に保持可能とするものとなり、しかも枠体95を設けない支柱体90を設置する場合や、支柱体90はそのままに枠体95のみを撤去してしまうような場合などには、該ブラケット97を始めから装着しないか、または容易に撤去することが可能であり、何れの場合にも簡単でしかも迅速に対応可能なものとなっている。
【0060】
(結 び)
叙述の如く、この発明の防雪柵基礎骨格用部材、およびそれによる防雪柵基礎ならびにその施工方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの防雪柵用の基礎に比較して基礎周囲と地面との隙間からの雪解け水や雨水などの浸入に対する耐久強度を各段に高め、軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、施工作業性を大幅に改善し得るものとなることから、従前までは基礎工事にかなりの長期間を要し、充分な基礎工事を行うのが困難なものであったが、短期間の中に施工を完了して設置工事に伴う交通渋滞などを最小限に抑えることができ、堅牢且つ高精度な基礎を容易に施工可能とし、設置費用の高騰を抑制することができ経済性に秀れ、道路交通網のように都市機能にとって重要な施設を管理する公共団体や地方自治体等に大いに歓迎され、その耐久強度の高さと安全性とによって当該防雪柵基礎骨格用部材による防雪柵基礎を設置した道路の通行者や施設利用者等の各方面からも高く評価されて広範に利用、普及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図面は、この発明の防雪柵基礎骨格用部材、およびそれによる防雪柵基礎ならびにその施工方法の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【図1】防雪柵基礎を断面化した防雪柵を示す側面図である。
【図2】防雪柵を示す斜視図である。
【図3】地中に打ち込んだ防雪柵基礎骨格用部材基礎杭を示す側面図である。
【図4】基礎杭に装着する防雪柵基礎骨格用部材定着杭を示す側面図である。
【図5】袴筒部内に装着する座金体を示す側面図である。
【図6】ボルトを螺着した座金体を示す側面図である。
【図7】座金体が組み合わせ位置に配された定着杭を示す平面図である。
【図8】座金体を組み合わせ位置に配した定着杭を示す側面図である。
【図9】座金体を組み合わせ位置に配した定着杭を示す正面図である。
【図10】蓋板を有する座金体を示す斜視図である。
【図11】座金体を形成する縦列座金板を示す斜視図である。
【図12】一部に改良を加えた座金体を示す斜視図である。
【図13】基礎杭および定着杭の分解状態を示す斜視図である。
【図14】長孔が十字状に重なる基礎杭および定着杭の分解状態を示す斜視図である。
【図15】基礎コンクリートを断面化して示す側面図である。
【図16】断面化した防雪柵基礎を示す側面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 防雪柵基礎骨格用部材
10 同 防雪柵基礎
2 基礎杭
3 地中打込み部
30 同 定着大板(定着板)
31 同 定着小板(定着板)
4 連結用頭部
40 同 長孔(ボルト用貫通孔)
5 定着杭
50 同 基礎プレート
51 同 作業孔
52 同 袴筒部
53 同 長孔(対応ボルト用貫通孔)
54 同 補強翼
55 同 貫通孔
56 同 ベース用ボルト
6 座金体
60 同 蓋板
61 同 覗き窓
62 同 把持部
63 同 縦列座金板
64 同 ナット
65 同 ボルト
7 基礎コンクリート
70 同 風上がわの垂直面
8 埋め戻し穴
9 防雪柵
90 同 支柱体
91 同 防風雪板
92 同 ベースプレート
93 同 ダブルナット
94 同 斜風誘導板
95 同 枠体
96 同 補助ペース
97 同 ブラケット
G 地上面
【技術分野】
【0001】
この発明は、防雪柵の基礎に関するものであり、防雪柵基礎骨格用部材、ならびにそれによる防雪柵用の基礎、およびその施工方法に関連する分野は勿論のこと、その資材輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
我が国は比較的緯度が低い割に、冬季に大陸からの寒気団に伴った季節風の吹き付けを受け、国土の広い範囲に積雪があり、路面の着雪や凍結等によって自動車交通網に多大な不利益を被ることがあり、特に降雪地帯にあっては轍にハンドルを取られたり、吹雪による視程悪化や、局地的に発生する地吹雪、前方車両が巻き上げる雪煙等によって突然視界が閉ざされたときなどと様々な要因によって事故が多発する危険性が高まることとなってしまい、こうした道路上の安全を確保するものとして吹止め柵、吹払い柵、吹上げ防止柵等、様々な形式のものが気象条件や沿道環境、道路構造等に応じて選択、設置されている。
【0003】
一般的な防雪柵は、道路の吹雪の風上側となる路側に沿って、複数本の支柱を所定間隔毎に土中に打ち込み立設して、それら支柱間に複数枚の防風雪板を掛け渡し、着脱自在に仮固定してなるものとなっているが、路側地面に直接、杭打ち状に打ち立てられた支柱は、地中の支柱基端と地面との境界部分の隙間から雪解け水や雨水などが浸入し易く、永年の利用によって次第に傾いたり、倒壊してしまう虞があるなど、耐久性に課題を残すものであった。
【0004】
(従来の技術)
こうした状況を憂慮し、例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、道路側部の法面に設けた切り取り部に、断面L型の基礎ブロックを配列し、それら断面L型の基礎ブロック数個間夫々に、基礎主ブロックを載置固定し、該基礎主ブロックに埋設した鉄筋には下部支柱を取り付け、これに上部支柱を連設し、それら支柱間に数段の防雪板を角度調節できるように取り付け、基礎部分を強化したものや、同特許文献1(2)に見られるような、地中に埋設したブロック状コンクリート基礎中に一体化して、先端が上向きとなって地上に突出したアンカーボルトに対して、支柱取付け台のベースプレートをナット締めして強固に固定するようにしたものなどが散見される。
【0005】
しかし、前者特許文献1(1)に示されているような防雪柵装置用の基礎は、防雪柵装置の設置範囲全域に亘って、断面L型の基礎ブロックを敷設しなければならず、設置に多大な経費を要するという欠点があり、また、後者の特許文献1(2)に開示されているような吹き止め防雪柵用の基礎などは、ブロック状のコンクリート基礎部分が地中の浅い範囲にのみ埋設されており、地盤の柔らかな場所や、雪解け水の流れ込み易い谷がわの路側などでは、特に防雪柵の横転や倒壊を招いてしまう虞が高いという欠点があった。
【特許文献1】(1)特開平7−62614号公報 (2)特開平11−117237号公報(第6頁、図1および図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種防雪柵用の基礎は、何れもコンクリート製の基礎部分が浅い地中に埋設されたものとなっており、コンクリート基礎と地面との境目などに、雪解け水や雨水などが侵入して複数年に亘って浸食を受けた場合など、横転や倒壊を生じてしまう虞があり、こうした危険を回避できる防雪柵用の基礎技術については未だ存在しないという状況にある。
【0007】
(発明の目的)
そこで、この発明は、施工性に秀れ、経済的な設置が可能であり、しかも基礎コンクリートと地面との境目から雪解け水や雨水などが永年に亘って浸入し続けた場合であっても横転や倒壊を招くことが無い、耐久性に富む新たな防雪柵用の基礎技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の防雪柵基礎骨格用部材、およびそれによる新規な構造の防雪柵基礎、ならびにその新規な施工方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の防雪柵基礎骨格用部材は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を突設して地中打込み部としてなる基礎杭、該基礎杭の連結用頭部に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなる定着杭、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体、およびそれら対応する各部材の連結用とするボルト、以上一式が組み合わされてなるものとした構成を要旨とする防雪柵基礎骨格用部材である。
【0009】
この基本的な構成からなる防雪柵基礎骨格用部材をより具体的に示すと、基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、当該パイプ閉鎖断面形における左右均衡した位置で同パイプ外周軸線方向に延びる仮想線上の夫々に適宜間隔置きに複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの均衡する角度毎夫々の位置で軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を遠心方向に突設して地中打込み部としてなる基礎杭、該基礎杭の連結用頭部に印籠状に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部に装着したときに同連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを庇状に突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなる定着杭、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせて位置決めした箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体、および基礎杭連結用頭部のボルト用貫通孔と定着杭袴筒部の対応ボルト用貫通孔とに貫通し、座金体のナットに螺合するボルト、および対象とする防雪柵支柱体ベースプレートのボルト用貫通孔と定着杭基礎プレートの対応ボルト用貫通孔とに貫通しするボルトおよびそれに螺合するナット、以上一式が組み合わされてなるものとした構成からなる防雪柵基礎骨格用部材となる。
【0010】
(関連する発明1)
上記した防雪柵基礎骨格用部材に関連し、この発明には、それによる防雪柵基礎も包含している。
即ち、基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、当該パイプ閉鎖断面形における左右均衡した位置で同パイプ外周軸線方向に延びる仮想線上の夫々に適宜間隔置きに複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの均衡する角度毎夫々の位置で軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を遠心方向に突設して地中打込み部としてなる基礎杭を有し、該基礎杭の地中打込み部を対象とする防雪柵支柱体、ベースプレート設置箇所、直下である基礎コンクリート打設用埋め戻し穴底部より、地中に垂直打設したものとすると共に、基礎杭の連結用頭部に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなる定着杭を有し、該定着杭袴筒部下端開口より、当該基礎コンクリート打設用空間内に露出させた基礎杭、連結用頭部を、同連結用頭部と該袴筒部との互いの各ボルト用貫通孔、対応ボルト用貫通孔同士が重なり合うよう嵌合、挿着した上、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせて位置決めした箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体を、該連結用頭部内周面の各ボルト用貫通孔に一致するよう、当該定着杭天面の作業孔から配置したものとする一方、当該定着杭袴筒部の外がわから複数本のボルト先端が、各ボルト用貫通孔、対応ボルト用貫通孔を通じ、該基礎杭連結用頭部内の各座金板のナット夫々に螺着、緊締されたものとし、該基礎杭の連結用頭部以上、定着杭基礎プレート下面以下の空間内に基礎コンクリートを打設、一体化し、埋め戻して該定着杭基礎プレート上に、防雪柵支柱体のベースプレートが結合されてなるものとした、この発明の基本をなす前記防雪柵基礎骨格用部材による防雪柵基礎である。
【0011】
(関連する発明2)
上記した防雪柵基礎骨格用部材、およびそれによる防雪柵基礎に関連し、この発明には、その施工方法も包含している。
即ち、基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、当該パイプ閉鎖断面形における左右均衡した位置で同パイプ外周軸線方向に延びる仮想線上の夫々に適宜間隔置きに複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの均衡する角度毎夫々の位置で軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を遠心方向に突設して地中打込み部としてなる基礎杭の該基礎杭地中打込み部を対象とする防雪柵支柱体のベースプレート設置箇所直下となる基礎コンクリート打設用埋め戻し穴底部より地中に垂直打ち込みした後、該基礎杭の連結用頭部に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔が確保されてなる定着杭を、同定着杭袴筒部下端開口より、当該基礎コンクリート打設用空間内に突出させた基礎杭連結用頭部に対し、該連結用頭部と該袴筒部との互いの各ボルト用貫通孔、対応ボルト用貫通孔同士が重なり合うよう印籠状に組み合わせ装着した上、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせて位置決めした箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体を、当該定着杭天面作業孔を通じて該基礎杭連結用頭部内の各ボルト用貫通孔に一致するよう、配置したものとする一方、当該定着杭袴筒部の外がわ遠心方向から複数本のボルトを、該定着杭袴筒部の対応ボルト用貫通孔と基礎杭連結用頭部のボルト用貫通孔とに貫通し、該基礎杭連結用頭部内の座金体ナット夫々に螺着、緊締してから、該基礎杭の連結用頭部以上、該定着杭基礎プレート下面以下の空間内に基礎コンクリートを打設、一体化して埋め戻した後に、該定着杭基礎プレート上に防雪柵支柱体のベースプレートを結合するようにしてなるものとした、この発明の基本をなす前記防雪柵基礎骨格用部材による前記防雪柵基礎の施工方法である。
【発明の効果】
【0012】
以上のとおり、この発明の防雪柵基礎骨格用部材によれば、従前までは、基礎部分が浅い地中に埋設されており、基礎部分と地面との境目から、雪解け水や雨水などが侵入し、横転や倒壊を生じてしまう虞があったが、金属製パイプ上端がわ適所に複数のボルト用貫通孔を穿設した連結用頭部とし、その下端がわを地中打込み部としてなる基礎杭、該連結用頭部に装着可能な金属製パイプで、当該連結用頭部ボルト用貫通孔対応箇所に対応ボルト用貫通孔を穿孔した袴筒部の上端外周から基礎プレートを突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなる定着杭、該定着杭袴筒部の対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを固着した座金体、およびそれら対応する各部材の連結用とするボルト、以上一式が組み合わされてなるものとし、該基礎杭の地中打込み部を地中に打ち込み可能とすると共に、該基礎杭の連結用頭部に定着杭の袴筒部を連結可能なものとし、該基礎杭の連結用頭部と定着杭の袴筒部との連結部分の周囲に、基礎コンクリートを打設可能として、永年に亘る利用に伴い基礎コンクリートと周囲地表面との間に生じた隙間から雪解け水や雨水などが浸入した場合にも高い耐久強度を確保することができ、防雪柵の横転や倒壊といった被害の発生を未然に防止することができ、従来型のものより遙かに強固な定着力を持って設置できるという秀れた特徴を発揮するものである。
【0013】
加えて、基礎杭と定着杭とを分離した状態で製造、輸送および保管することができ、それらの製造、輸送ならびに施工作業性を高め、保管スペースを有効利用できるものとなり、しかも該基礎杭の地中打込み部を地中に打ち込む作業中に、分離状態にある定着杭は、その基礎プレートに変形や破損を生じる虞がなく、該中打込み部の地中打ち込み後に、定着杭を取り付け、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートを高精度に連結、支持可能なものとすることができる。
【0014】
また、当該防雪柵基礎骨格用部材によれば、金属製パイプの上端がわ所定範囲に複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわから定着板を遠心方向に突設して地中打込み部としてなる基礎杭、該連結用頭部に印籠状に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部ボルト用貫通孔対応箇所に対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部の上端外周から基礎プレートを庇状に突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなる定着杭、該定着杭袴筒部の対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体、および基礎杭連結用頭部のボルト用貫通孔と定着杭袴筒部の対応ボルト用貫通孔とに貫通し、座金体のナットに螺合するボルト、ならびに、対象とする防雪柵支柱体ベースプレートのボルト用貫通孔と定着杭基礎プレートの対応ボルト用貫通孔とに貫通しするボルトおよびそれに螺合するナット、以上一式が組み合わされてなるものとし、該基礎杭の地中打込み部に定着板が形成されていて、金属製パイプをそのまま地中に打ち込む場合に比較して大幅に強い地中への定着力を得ることができ、また、該基礎杭の連結用頭部に連結した定着杭の基礎プレート上に、防雪柵支柱体のベースプレートを重ね合わせ、該基礎プレートの対応ボルト用貫通孔とベースプレートのボルト用貫通孔とに貫通したボルトにナットを螺合、緊締し、防雪柵支柱体を地上に対して各段に強固に立設したものとすることができる。
【0015】
そして、基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を円形とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を同袴筒部軸心に長径の向きが一致する長孔とするか、または、基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を同連結用頭部軸心に長径の向きが一致する長孔とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を円形とするか、もしくは、基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を同連結用頭部軸心に長径の向きが一致する長孔とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を同袴筒部軸心に長径の向きが一致する長孔とするかの何れか一つの組み合わせとするよう設定されたものは、地中に打ち込まれた基礎杭の連結用頭部に対する定着杭袴筒部の軸心方向の取り付け位置が微調整可能なものとなり、定着杭の設置位置をより正確なものとし、対象とする防雪柵支柱体の施工精度を各段に高めるものとなる。
【0016】
さらに、基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を同連結用頭部軸心に長径の向きが一致する長孔とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を袴筒部軸心回り方向に長径の向きが一致する長孔とするか、または、基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を連結用頭部軸心回り方向に長径の向きが一致する長孔とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を袴筒部軸心に長径の向きが一致する長孔とするかの何れか一方に設定されたものとして、重なり合う対応ボルト用貫通孔同士が互いに十字状に交叉するよう形成し、該基礎杭連結用頭部に定着杭袴筒部を装着した場合に重なり合う各ボルト用貫通孔、対応ボルト用貫通孔同士が互いに十字状に交叉するよう形成して、連結用頭部に対する袴筒部結合位置の軸心方向、軸心回り方向の微調整を可能にし、基礎杭の打ち込み作業、および定着杭袴筒部の位置合わせ結合作業を容易なものとして施工精度および施工作業の効率を各段に高めることができる。
【0017】
また、座金体が、割竹短冊型の縦列座金板からなり、その縦列座金板の該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなるものとすると、従来通りであれば基礎プレートの狭い作業孔内で複数個のナットを取り扱わなければならないという煩雑な作業となってしまうが、複数個のナットを縦列座金板に一体化して取扱い性を高め、該作業孔内へのナットや工具類の落下を効果的に防止して、定着杭の基礎杭への結合作業を大幅に効率化できるものとなる。
【0018】
さらにまた、座金体が、当該基礎杭連結用頭部の上端開口縁に係合可能、および、基礎プレート天面作業孔内に装着可能な寸法、形状に設定した蓋板下面の対応箇所夫々に、当該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着した割竹短冊型の縦列座金板の上端を適正配置とするよう一体化してなるものの場合には、複数の縦列座金板を当該基礎プレートの狭い作業孔内に同時に装着、位置決めすることができ、しかも蓋板が当該基礎杭連結用頭部の上端開口縁に施蓋状に係合して、各縦列座金板およびそれらの各ナットの簡便な位置決めを可能とする上、座金体それ自体が該基礎杭を形成している金属製パイプ中に落下してしまうのを確実に防止でき、蓋板を固定すると、各ナットへのスパナやレンチ類の使用が不要となり、該作業孔内への工具類の落下を効果的に防止して定着杭の基礎杭への結合作業を大幅に効率化することができる。
【0019】
この発明の防雪柵基礎骨格用部材による防雪柵基礎によれば、従来型のものに比較して遙かに強固な定着力を発揮するものとなり、しかも該基礎杭連結用頭部と、同連結用頭部に印籠状に組み合わせた当該定着杭袴筒部との互いに一致させた複数のボルト用貫通孔および対応ボルト用貫通孔の内がわに、定着杭基礎プレート天面の作業孔を通じて、複数個のナットを一体化した座金体を装着し、該袴筒部外がわから各対応ボルト用貫通孔およびボルト用貫通孔を貫通して複数本のボルトを螺着、緊締することが可能となり、ボルト・ナットの装着作業性を各段に向上して設置作業を迅速且つ確実なものとし、さらに、強固に連結た各ボルトの頭部は、該基礎杭の連結用頭部以上、定着杭の基礎プレート下面以下の空間内に充填、硬化した基礎コンクリートに一体化して強固に結合し、定着杭、基礎コンクリートおよび基礎杭が、各段に高い強度をもって一体化されたものとなり、永年に亘る利用に伴い基礎コンクリートと周囲地表面との間に生じた隙間から雪解け水や雨水などが浸入した場合にも高い耐久強度を確保することができ、防雪柵の横転や倒壊といった被害の発生を未然に防止することができるものになるという秀れた効果を発揮するものとなる。
【0020】
加えて、当該基礎杭連結用頭部と、これに印籠状に組み合わせた定着杭袴筒部との互いに重なり合う肉厚部分が、ボルト・ナットで締め付け固定されたものとし、従来型にありがちなボルトが鋼製パイプ内の空洞部分を直径方向に横断し、反対がわに突出させたボルト先端にナットを螺着して連結したものに比較してボルト・ナットの緩みを確実に阻止することができ、各段に高い連結強度を得るものとなる。
【0021】
さらに、この発明の防雪柵基礎骨格用部材による防雪柵基礎が、基礎コンクリートの防雪柵風上がわに形成した垂直面と、対象とする防雪柵支柱体、ベースプレート上の支柱体、風上がわに塀構造における枠控え風に連結した枠体、下部に設けた補助ペースの水平下面との夫々に、側面直角三角形状の棚受け型ブラケットの直角を挟む二辺夫々を接合、連結してなるものとした場合には、塀構造における枠控え風に連結した該枠体が風上がわに突出するよう設けられた防雪柵を設置する防雪柵基礎であっても、基礎コンクリートを大型化せずに該枠体を充分な強度で確実に支持でき、施工経費および施工工数の大幅な削減を実現化するものとなる。
【0022】
この発明の防雪柵基礎骨格用部材による防雪柵基礎の施工方法によれば、打ち込み作業に伴う基礎杭の変形が、定着杭の取り付け位置や、その形状に悪影響を及ぼすのを確実に防止することができ、定着杭基礎プレートの変形や傾きなどの発生を確実に防止できるものとし、さらに、該基礎杭連結用頭部と定着杭袴筒部との互いの軸心方向の位置合わせが容易になる上、ナット複数が位置決め固着された座金体を用いると、該基礎プレートの作業孔から一括して複数個のナットの位置決めが可能となり、組み立て作業性を各段に向上することができ、しかも永年の利用によって基礎コンクリートと周囲地表面との間に生じた隙間から雪解け水や雨水などが浸入した場合にも高い耐久強度を確保することができ、防雪柵の横転や倒壊などを未然に防止できるという秀れた効果を奏することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
防雪柵基礎骨格用部材の基礎杭は、防雪柵支柱体ベースプレートを地上に連結可能とする定着杭、および、その定着杭を地中に定着可能とする基礎コンクリートの双方を互いに一体化すると共に、該基礎コンクリートよりも深い地中に強固に定着可能とする機能を果たすものであり、基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を突設して地中打込み部としてなるものとしなければならず、例えば亜鉛めっき鋼管製、ステンレス鋼管製、アルミニウム合金管製などの錆び難いか、防錆処理が施されたものかの何れか一方の金属製パイプからなるものとするのが望ましい。
【0024】
基礎杭地中打込み部は、該基礎杭上端がわの連結用頭部を除いた下端がわの大部分が、基礎コンクリート打設部分より、地中に打ち込み可能となり、しかも周回りに回転不能となるよう強固に定着するものとなるという機能を果たし、該連結用頭部下端がわの同パイプ外周周りの軸線に沿う所定範囲箇所から定着板が突設されてなるものとしなければならず、後述する実施例に示すように、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの均衡する角度毎夫々の位置で軸線に沿う所定範囲箇所から定着板が遠心方向に突設されたものとするのが望ましい。
【0025】
基礎杭の地中打込み部の定着板は、地中に打ち込まれた該地中打込み部が、地中で脱抜不能および軸心回りに回転動不能となるよう充分な強度と摩擦力とをもって定着し、基礎杭が地中に根を張るように安定的に固定可能とする機能を果たすものであって、該基礎杭連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの軸線に沿う所定範囲箇所に突設されたものとしなければならず、後述する実施例に示すように例えば、地中打込み部の軸心に平行な平面板からなるものとし、該基礎杭連結用頭部の直下付近(地中打込み部の上端付近)、および同地中打込み部の下端付近夫々に複数枚ずつ設けたものとするのが望ましい。
【0026】
基礎杭連結用頭部は、地中打込み部の上部がわに定着杭の袴筒部を強固に連結可能とすると共に、地中打込み部の上部がわと、定着杭の基礎プレート下面および袴筒部とを基礎コンクリート中に一体化してしまう機能を果たし、基礎杭である金属製パイプの地中打込み部より上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分であって、ボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設したものとしなければならない。
【0027】
連結用頭部のボルト用貫通孔は、該連結用頭部に対して印籠状に組み合わせた定着杭袴筒部の対応ボルト用貫通孔と重なり合い、双方を貫通するボルトと、これに螺合するナットとによって、該連結用頭部および袴筒部が結合可能となるようにするものであり、該連結用頭部に縦列配置状に穿設されたものとしなければならず、後述する実施例に示すように、ボルト用貫通孔を金属製パイプ軸心に長径の向きが一致する長孔に設定されたものか、ボルト用貫通孔が金属製パイプ軸心回り方向に長径の向きが一致する長孔かの一方に設定したものとすることができる。
【0028】
定着杭は、基礎杭上端がわを、基礎コンクリート中に一体化すると共に、該基礎杭上端がわを防雪柵支柱体のベースプレートに対して強固に連結、一体化可能とするという機能を果たし、当該基礎杭の連結用頭部に装着可能な直径の金属製パイプで、該連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなるものとしなければならず、基礎コンクリートを打設する直前までに、同基礎プレートの防雪柵支柱体ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する各対応ボルト用貫通孔夫々に、先端を上向きとした姿勢のボルトを下方より貫通状に装着し、仮留め用のナットを一時的に螺合して仮固定されたものとして置き、その後に充填、硬化した基礎コンクリート中に各ボルト頭部が一体化固定可能なものとするか、または、同基礎プレートの防雪柵支柱体ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所夫々に鉛直方向のネジ孔を穿設し、同基礎プレート上に防雪柵支柱体用のベースプレートを接合状に載置して、該ベースプレートの上方から各ボルト用貫通孔に下向き貫通したボルト下端がわを同基礎プレートの対応するネジ孔に螺着、結合可能なものとするかの何れかに設定されたものとすることができる外、該基礎プレートの防雪柵支柱体ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所夫々から基礎コンクリートに貫通するよう植え込みボルトや各種アンカーボルトなどを設けたものとすることが可能であり、該基礎プレートは、対象とする防雪柵支柱体用ベースプレートと同一形状とすべきであり、ベースプレートと同一形状の条件を満たせば、後述する実施例に示すような四角形状の外、円形、長円、楕円や台形、五角形、六角形など様々な形状の金属製平板からなるものとすることができ、該対象とする防雪柵支柱体用ベースプレートより僅かに大きいか、または僅かに小さいかの何れか一方の平面形状に設定されたものとすることが可能である。
【0029】
定着杭袴筒部は、地中に垂直に打ち込まれた基礎杭の連結用頭部と、該定着杭の基礎プレートとを強固に一体化可能とし、且つ、基礎杭連結用頭部および基礎プレート下面を基礎コンクリート中に一体化してしまう機能を果たし、当該基礎杭の連結用頭部に装着可能な直径の金属製パイプからなり、該連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔してなるものとしなければならず、各対応ボルト用貫通孔は、当該袴筒部を形成する金属製パイプの軸心に長径の向きが一致した長孔とするか、または、当該袴筒部を形成する金属製パイプの軸心回り方向に長径の向きが一致した長孔とするかの何れか一方に設定できる。
【0030】
座金体は、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを固着状とし、複数個のナットを一括して取扱い可能、且つ定着杭基礎プレートの作業孔を通して装着可能にするという機能を果たし、複数のナットが夫々、基礎杭連結用頭部内の各ボルト用貫通孔、および定着杭袴筒部内の各対応ボルト用貫通孔に一致するよう、互いに一体的に連結されてなるものとしなければならず、後述する実施例に示すように、割竹短冊型の縦列座金板からなり、その縦列座金板の該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなるものや、当該基礎杭連結用頭部の上端開口縁に係合可能、および、基礎プレート天面作業孔内に装着可能な寸法、形状に設定した蓋板下面の対応箇所夫々に、当該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着した割竹短冊型の縦列座金板の上端を適正配置とするよう一体化してなるものなどとすることができる。
【0031】
防雪柵基礎の基礎コンクリートは、当該基礎杭の連結用頭部、および、該連結用頭部に連結した定着杭袴筒部、ならびに、同基礎プレート下面に一体化し、ブロック型のフーチング状部分を形成可能とする機能を果たし、該基礎杭連結用頭部と定着杭袴筒部とに充分な強度をもって一体化されたものとしなければならず、該基礎杭の連結用頭部以上、定着杭基礎プレート下面以下の空間内を外部から仕切るよう型枠を設置すると共に、その型枠内に鉄筋を配してセメントペーストまたはモルタルを充填して硬化した上、型枠を撤去してから埋め戻すようにして形成したものとすべきであり、後述する実施例に示すように、該基礎コンクリートの少なくとも防雪柵風上がわに垂直面を形成し、同垂直面と、防雪柵ベースプレート上の支柱体風上がわに塀構造における枠控え風に連結した枠体の下部に設けた補助ペースの水平下面との夫々に、側面直角三角形状の棚受け型ブラケットの直角を挟む二辺夫々を接合、連結してなるものとすることが可能である。
【0032】
対象とする防雪柵支柱体のベースプレートは、地表面付近に設置した定着杭基礎プレート上に、同防雪柵支柱体の下端を充分な強度をもって着脱自在に連結可能とする機能を果たすものであり、基礎プレート天面に充分な接触面積を確保可能な寸法、形状に設定されたものとしなければならず、外縁がわとのなる複数適所にボルト用貫通孔を穿設し、定着杭基礎プレートとボルト・ナットを用いて結合可能とするよう設定されたものとすべきであり、後述する実施例に示すように、定着杭基礎プレートと同一平面形状、および同一平面寸法に設定されたものとするのが望ましい。
【0033】
対象とする防雪柵の支柱体は、防風雪板を、所定の高さ位置に所定の姿勢角度で掛け渡し状に支持可能とする機能を果たすものであり、2本以上がそれらの板状部品を掛け渡し状に支持可能な所定間隔を隔てて十分な強度を有して立設されたものとしなければならず、該防雪柵を必要とする冬期間には立設可能であり、その他の期間中は折り畳み、あるいは分解撤去可能な構造を有するものとするのが望ましい。
【0034】
対象とする防雪柵の枠体は、各支柱体との間に1枚以上の斜風誘導板を、最適姿勢に調節自在となるよう支持可能とする機能を果たすものであり、各支柱体の風上となるがわに塀構造における枠控え風のものとして地上に設置し、各支柱体を風上がわから補強、支持する機能を兼ねるものとすべきであり、後述する実施例に示すように、枠強度を高めるよう、長縦コ字型とし、その下部に補助ペースを設け、上横杆端部および補助ペース端部を夫々分解可能となるようにして取り付けたものとし、該補助ペースの水平下面と、基礎コンクリートの防雪柵風上がわに形成した垂直面との夫々に、側面直角三角形状の棚受け型ブラケットの直角を挟む二辺夫々を接合、連結してなるものとすることが可能である。
【0035】
棚受け型のブラケットは、支柱体の風上がわに延伸状に形成された対象とする防雪柵の枠体補助ペースの下面荷重を、基礎コンクリートの対応する側面に伝達可能として該枠体下端を強固に支持可能とする機能を果たし、側面直角三角形状の棚受け型の金属板製とし、枠体補助ペースおよび基礎コンクリートの双方にボルト・ナットなどで着脱自在に連結したものとするのが望ましく、必要に応じてT字型、I字型などの断面形状とするよう、補強リブを一体化したものとすることができる。
【0036】
この発明の施工方法は、基礎杭地中打込み部を対象とする防雪柵支柱体のベースプレート設置箇所直下となる基礎コンクリート打設用埋め戻し穴底部より地中に垂直打ち込みした後、該基礎杭の連結用頭部に当該定着杭を同袴筒部下端より印籠状に装着するようにしなければならず、その後は基本的に、該定着杭基礎プレートの作業孔を通じて座金体を装着し、該定着杭袴筒部の外がわ遠心方向から複数本のボルトを各ボルト用貫通孔、対応ボルト用貫通孔に貫通装着し、座金体のナットに夫々螺合緊締して強固に連結してから、該基礎杭の連結用頭部以上、且つ定着杭の基礎プレート下面以下の空間内に基礎コンクリートを打設、一体化して埋め戻すようにすべきであるが、座金体と、ボルトとの装着順序などは適宜変更することが可能であり、また、基礎コンクリートの打設作業もプレキャストコンクリートを適宜組み込んだ後に、必要箇所にモルタルを充填するなどして組み立て一体化するように設定可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【実施例1】
【0037】
図1の基礎部分を断面化した防雪柵の側面図、図2の防雪柵の斜視図、図3の地中に打ち込んだ基礎杭の側面図、図4の基礎杭に装着する定着杭の側面図、図5の袴筒部内に装着する座金体の側面図、図6のボルトを螺着した座金体の側面図、図7の座金体を組み合わせ位置に配した定着杭の平面図、図8の座金体を組み合わせ位置に配した定着杭の側面図、図9の座金体を組み合わせ位置に配した定着杭の正面図、図10の座金体の斜視図、図11の座金体を形成する縦列座金板の斜視図、図12の一部に改良を加えた座金体の斜視図、図13の基礎杭および定着杭の分解斜視図、図14の長孔が十字状に重なる基礎杭および定着杭の分解斜視図、図15の打設した基礎コンクリートを断面化した側面図、および図16の断面化した防雪柵基礎の側面図に示す事例は、金属製パイプ上端がわ適所に複数のボルト用貫通孔40,40,……を穿設した連結用頭部4とし、その下端がわを地中打込み部3としてなる基礎杭2、該連結用頭部4に装着可能な金属製パイプで、当該連結用頭部4ボルト用貫通孔40,40,……対応箇所に対応ボルト用貫通孔53,53,……を穿孔した袴筒部52の上端外周から基礎プレート50を突出、一体化し、その中央に当該基礎杭2の内外径何れか一方に相当する作業孔51を確保してなる定着杭5、該定着杭5袴筒部52の対応ボルト用貫通孔53,53,……に合わせた箇所に夫々ナット64,64,……を固着した座金体6、およびそれら対応する各部材の連結用とするボルト65,65,……、以上一式が組み合わされてなるものとした、この発明の防雪柵基礎骨格用部材1、およびそれによる防雪柵基礎10における代表的な一実施例を示すものである。
【0038】
図3からも明確に把握できるとおり、この発明の防雪柵基礎骨格用部材1は、基礎耐力上で必要となる長さ全長4000mm、直径152.4mm、厚さ6mmの鋼管製であって、その上端がわ400mmの範囲を連結用頭部4とし、該連結用頭部4には、当該パイプ閉鎖断面形における左右均衡した位置で同パイプ外周軸線方向に延びる仮想線上の夫々に適宜間隔置きに4個のボルト用貫通孔40,40,……を縦列配置状に穿設し、該連結用頭部4を除く下端がわ3600mmを地中打込み部3に設定し、該地中打込み部3の同パイプ外周周りの均衡する角度、例えば90度毎夫々の位置で軸線に沿う連結用頭部4の直下付近からは、夫々、横幅250mm、縦1,524mm、厚さ4.5mmの鋼板製の定着大板30,30,……合計4枚が、同地中打込み部3軸心に平行且つ遠心方向に放射状突出するよう固着一体化されたものとしてあり、また、同地中打込み部3の下端から450mmの中途箇所外周面の周回り90度毎となる箇所には夫々、横幅100mm、縦450mm、厚さ4.5mmの鋼板製の定着小板31,31,……合計4枚を、同地中打込み部3軸心に平行且つ遠心方向に放射状突出する姿勢であって、しかも当該定着大板30,30,……夫々の地中打込み部3のパイプ軸心方向の投影範囲内に配置するように固着一体化してなる基礎杭2を有している。
【0039】
該基礎杭2連結用頭部4は、図13中に示すように、その周回り180度毎となる2箇所夫々の、上端より50mm、80mm、80mm、80mm、50mmの各4箇所(合計8箇所)にM16ボルト用貫通孔であって、同連結用頭部4軸心に平行な縦長状の長孔40,40,……を求心方向(肉厚方向)に穿設したものとし、図3に示すように、それら連結用頭部4および定着大板30,30,……、定着小板31,31,……を含む地中打込み部3からなる基礎杭2の全体に亜鉛めっき処理を施してある。
【0040】
また、当該防雪柵基礎骨格用部材1の定着杭5は、図4ないし図8中に示すように、直径165.2mm、長さ420mm、厚さ5mmの鋼管製袴筒部52の上端に、横350mm、奥行き680mm、厚さ22mmの鋼板製基礎プレート50の中央であって直径165.2mmで貫通した作業孔51の開口縁が熔接によって強固に一体化されたものとしてあり、該袴筒部52が当該連結用頭部4に対して印籠状に嵌合した場合に、当該連結用頭部4の各長孔40,40,……に対応する周壁各所夫々に同等寸法、形状の長孔53,53,……が、図13中に示すように、各長孔53,53,……の長径を袴筒部52の軸心方向に向けた姿勢に穿孔されたものとしている。
図13中に示す基礎杭2は、図14中に示すように、基礎杭2連結用頭部4の各長孔40,40,……の長径が、同連結用頭部4の軸心回り方向に一致するよう設定されたものに変更可能である。
【0041】
該定着杭5は、図4ないし図8中に示すように、基礎プレート50の対角線上となる下面と、それに対応する袴筒部52外周面との間に横幅165mm、縦100mm、厚さ6mmの鋼板製であって、非結合がわとなる1角が30°ないし60°望ましくは45°の角度で切除された合計4枚の補強翼54,54,……の夫々が、各切除(非結合がわとなる1角)がわとは反対がわとなる直角を挟む2辺の熔接によって一体化し、該基礎プレート50の四隅に、対象とする防雪柵9支柱体90ベースプレート92のボルト用貫通孔に対応するM22用の貫通孔55,55,……を穿設したものとし、それら補強翼54,54,……を含む定着杭5の全体に亜鉛めっき処理を施したものとしてある。
【0042】
そして、当該防雪柵基礎骨格用部材1の座金体6は、図5ないし図10中に示すように、基礎杭2の外径に一致する直径152.4mm、厚さ6mmの鋼製円板からなる蓋板60下面の、基礎杭2の厚さ6mm分中心寄りとなる180度毎の2箇所夫々に対して、図11中に示すように、幅80mm、縦340mm、厚さ6mmの割竹短冊型鋼板の幅寸法中央に、上端から50mm、80mm、80mm、80mm、50mmの各4箇所にM16ボルト用の貫通孔を穿孔し、その内面がわに各貫通孔に同心状となるようM16ナット64,64,……を熔接してなる縦列座金板63,63の2枚夫々の各上端を、図10中に示すよう熔接、一体化してなり、その全体に亜鉛めっき処理が施してある。
【0043】
座金体6は、図11中に示すように、蓋板60を結合しない縦列座金板63,63に置き換えることが可能で有る外、図12中に示すように、蓋板60の中央に直径70mm程度の覗き窓61を開口し、その覗き窓61内縁に中心を通る直径5mm、長さ70mmの鋼棒製把持部62を掛け渡し結合してなるものとすることができる。
【0044】
当該防雪柵基礎骨格用部材1は、当該基礎杭2、定着杭5および座金体6に加え、基礎杭2連結用頭部4の長孔(ボルト用貫通孔)40,40,……と定着杭5袴筒部52の長孔(対応ボルト用貫通孔)53,53,……とに貫通し、座金体6のナット64,64,……に螺合するボルト65,65,……、および対象とする防雪柵9支柱体90ベースプレート92のボルト用貫通孔と定着杭5基礎プレート50の対応ボルト用貫通孔55,55,……とに貫通しするボルト56,56,……およびそれに螺合するダブルナット93,93,……、以上一式が組み合わされてなるものである。
以下では、この発明の施工方法の一例に従い、この発明に包含される防雪柵基礎骨格用部材1による防雪柵基礎10の作用について示して行くこととする。
【0045】
(実施例1の作用)
この発明の防雪柵基礎骨格用部材1を用いて防雪柵基礎1を設置するには先ず、道路の風上側となる沿道の約4,000・間隔毎の支柱体90,90……用の立設箇所夫々に、図1および図3中に示すように、1800mm四方程度、深さ400mmの埋め戻し穴8を掘削し、該埋め戻し穴8の中央底部より地中に向けて、当該基礎杭2の地中打込み部3全体を垂直状に打ち込み、該連結用頭部4が埋め戻し穴8の底部より、同埋め戻し穴8内に鉛直姿勢に突出し、該連結用頭部4上端が地上面Gに一致するよう配置されたものとする。
該基礎杭2地中打込み部3を地中に打ち込む際には、連結用頭部4の直立姿勢だけでなく、その長孔40,40,……の向きおよび深さ位置を、後に取り付ける定着杭5基礎プレート50の取り付け向きや、高さ位置に合わせるよう注意して設置する必要がある。
【0046】
当該埋め戻し穴8内に鉛直姿勢に突出した連結用頭部4には、図4中に示すように、定着杭5を袴筒部52下端開口より、印籠状に装着し、互いの長孔40,40,……,53,53,……同士を一致させてから、図5中に示すように、座金体6を定着杭5基礎プレート50に開口させた作業孔51を通じて、図6中に示すように、該蓋板60の外周縁下面が基礎杭2連結用頭部4の上端開口縁に当接し、且つ、各縦列座金板63,63の外周面が連結用頭部4の内周面に接するよう装着されたものとする。
【0047】
図6および図13中に示すように、基礎杭2連結用頭部4に定着杭5袴筒部52を装着し、座金体6を組み込み、該連結用頭部4、袴筒部52の互いに重なり合う各長孔40,40,……,53,53,……に、該袴筒部52の遠心方向外がわから合計8本のM16、長さ40mmのボルト65,65,……を貫通し、当該座金体6縦列座金板63,63の各貫通孔を通して各ナット64,64,……に螺合し、各長孔40,40,……,53,53,……の範囲ないで該基礎杭2に対する定着杭5の上下位置を微調整しながら、ボルト65,65,……とナット64,64,……と緊締して強固に結合したものとする。
【0048】
図15中に示すように、該基礎杭2の連結用頭部4以上であって、該連結用頭部4に連結済みの定着杭5基礎プレート50下面以下の横幅470mm、奥行き870mm、深さ400mmの周囲に型枠を設置すると共に、当該定着杭5基礎プレート50の四隅に穿設されたM22用の貫通孔55,55,……夫々に、先端を上向きとしたM22のベース用ボルト56,56,……を鉛直貫通状に装着し、各ベース用ボルト56,56,……先端がわより借り留め用のナット(図示せず)を螺着した上で、前記型枠中にセメントペーストを充填、硬化させてから型枠を取り除き、同図15中に二点鎖線で示すように、ブロック状の基礎コンクリート7を一体化形成したものとし、該定着杭5基礎プレート50四隅の各ベース用ボルト56,56,……から借り留め用のナット(図示せず)を取り外し、それら各ベース用ボルト56,56,……の頭部が、該基礎コンクリート7肉厚中に一体化して回転不能および脱落不能に支持されたものとする。
また、各ベース用ボルト56,56,……は、図示しない植え込みボルトまたは各種アンカーボルトなどとして、定着杭5基礎プレート50の四隅に鉛直貫通状に植設したものとすることが可能である。
【0049】
図16中に示すように、当該基礎コンクリート7の防雪柵9風上がわに形成した垂直面70には、側面直角三角形状の棚受け型としたブラケット97の直角を挟む二辺の内の対応する一辺を図示しないボルト・ナットによって強固に連結してから該基礎コンクリート7およびブラケット97の周囲に残る埋め戻し穴8を、同図16中に波線で示すよう地上面Gまで埋め戻す。
【0050】
同図16中に示すように、定着杭5基礎プレート50天面四隅上に立設された各ベース用ボルト56,56,……には、防雪柵9支柱体90のベースプレート92四隅の貫通孔に貫通するようにして、該基礎プレート50天面と支柱体90ベースプレート92下面とを接合させたものとし、風下がわ配置となる2本のベース用ボルト56,56にダブルナット93,93を螺着して固定して置き、支柱体90の風上がわに塀構造における枠控え風の長縦コ字型とした枠体95を、その下部に一体化した補助ペース96の水平下面が、当該ブラケット97の直角を挟む二辺対応する他辺上に接合状に搭載するよう、図示しないボルト・ナットにて一体化すると共に、該補助ペース96の後端がわ両隅に穿設した貫通孔に、風上がわ配置となる2本のベース用ボルト56,56を貫通し、ダブルナット93,93を螺着して強固に固定したものとする。
【0051】
このようにして地上高4000mmないし4400mmの高さに立設された複数本の支柱体90,90……間の夫々には、図2中に示すように、地上200mm付近から地上4000mm付近の上下間に亘って防風雪板91,91,……を横架し、風上側と風下側とを区画するように形成しており、また、該支柱体90と地上高約2400mm、幅約900mmの長縦コ字型とした枠体95との間の枠体空間内に、複数枚の斜風誘導板94,94,……を横架してなるものとする。
【0052】
(実施例1の効果)
以上のとおりの構成からなる実施例1の防雪柵基礎骨格用部材1、およびそれによる防雪柵基礎10ならびにその施工方法は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、当該防雪柵基礎骨格用部材1が、基礎杭2、定着杭5、座金体6、および、それらの部品同士を結合するのに必要となるボルト65,65,……やナット64,64,……などの部品一式からなり、製造、輸送、保管に便利なだけでなく、各部品の改良や一部の構造変更などが容易になり、多様な防雪柵の製造に有利であるという利点を持つものである。
【0053】
加えて、当該基礎杭2は、図3中に示すように、その地中打込み部3先端がわの各定着小板31,31,……が、同地中打込み部3の上端がわであって連結用頭部4直下付近に設けた定着大板30,30,……夫々の、同基礎杭2軸心方向の投影範囲内に配置するよう形成してあり、地中に打ち込まれるときに、先に定着小板31,31,……が打ち込まれて地中に、図示しない案内縦溝を形成し、それら案内溝に沿って、続く定着大板30,30,……が地中に打ち込まれるようになっており、上下に配した各定着小板31,31,……、定着大板30,30,……が、地中への垂直な打ち込みを精度良く案内可能とするものとなる上、地中への打ち込み抵抗を最小限に留めてボーリング用建設機械への負担や作業労力を大幅に軽減することができ、しかも地中に打ち込まれた後には、地中打込み部3が杭基礎状となり、地中打込み部3の上端寄りと下端よりの2箇所が地中に確りと定着するよう、各定着大板30,30,……、定着大板30,30,……が、周囲土砂類との間に大きな摩擦力を発生して基礎杭2の回転や傾きを確実に防ぐ役目を果たし、強固に定着するものとなる。
【0054】
図4および図5に示すように、埋め戻し穴8底部中央に鉛直状に立設した基礎杭2連結用頭部4に、定着杭5袴筒部52を印籠状に組み合わせ装着する場合に、双方の長孔40,40,……,53,53,……同士が互いの基礎杭2軸方向の装着誤差を補うものとなり、該基礎プレート50作業孔51より、座金体6を装着するときは、図6中に示すように、同座金体6蓋板60が、基礎杭2連結用頭部4上端開口縁に係合可能な寸法形状に設定されており、連結用頭部4上端開口縁上に、外周縁下面が接合するよう係合状載置した蓋板60を周回り方向に摺動移動させるよう操作しながら、各縦列座金板63,63ナット64,64,……を各長孔40,40,……,53,53,……に一致するよう微調整することが可能となり、複数個のナット64,64,……を用いたボルト結合の作業性が大幅に改善されることとなる。
【0055】
こうして基礎杭2連結用頭部4に連結した定着杭5は、図6ないし図9中に示すように、基礎プレート50の対角線上となる下面と、それに対応する袴筒部52外周面との間に一体化した補強翼54,54,……が、基礎プレート50天面の水平姿勢を堅牢且つ高精度に保持するものとなり、しかも図15中に示すように、後に打設される基礎コンクリート7と各補強翼54,54,……とが、強固に一体化して基礎プレート50の地上面Gへの定着力を各段に強化して高精度の水平姿勢を長期間に亘り維持可能なものとなる。
【0056】
図12中に示すように、蓋板60の中央に覗き窓61と把持部62とを形成した座金体6は、図5ないし図9中に示すように、定着杭5作業孔51を通じて連結用頭部4内に装着する場合に、図12中に示すよう該覗き窓61より、各縦列座金板63,63およびナット64,64,……の位置を目視確認しながら、把持部62を操作して一段と容易に装着および位置決め操作可能なものとなる。
【0057】
図13中に示すように組み立てられた基礎杭2、定着杭5および座金体6の、図15に示す、基礎杭2連結用頭部4以上、定着杭5基礎プレート50下面以下の空間内に基礎コンクリート7を打設すると、杭基礎状をなす基礎杭2の上端に、フーチング基礎状をなした基礎コンクリート7が一体化されたものとなって、当該防雪柵基礎骨格用部材1による防雪柵基礎10の定着強度を大幅に高めるものとなり、しかも基礎コンクリート7の打設に伴い定着杭5基礎プレート50の四隅にベース用ボルト56,56,……が、ナット類などの固定部品や熔接などを必要とせずに強固に立設されたものとなる。
【0058】
また、図14中に示すように、連結用頭部4の各長孔40,40,……が、同連結用頭部4の軸心回り方向に長径方向を一致するよう形成した基礎杭2を用いた場合には、定着杭5袴筒部52の袴筒部52軸心方向に長径方向が一致する各長孔53,53,……と、該連結用頭部4の各長孔40,40,……とが十字状に重なりあって、袴筒部52の結合位置を基礎杭2の軸心に平行な上下方向、および、同基礎杭2の軸心回り方向の双方に微調整可能なものとなる。
【0059】
図16中に示すように、基礎コンクリート7風上がわの垂直面70と、枠体95補助ペース96水平下面との間に装着した棚受け型ブラケット97は、基礎コンクリート7を大型化せずに、枠体95補助ペース96を安定且つ強固に保持可能とするものとなり、しかも枠体95を設けない支柱体90を設置する場合や、支柱体90はそのままに枠体95のみを撤去してしまうような場合などには、該ブラケット97を始めから装着しないか、または容易に撤去することが可能であり、何れの場合にも簡単でしかも迅速に対応可能なものとなっている。
【0060】
(結 び)
叙述の如く、この発明の防雪柵基礎骨格用部材、およびそれによる防雪柵基礎ならびにその施工方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの防雪柵用の基礎に比較して基礎周囲と地面との隙間からの雪解け水や雨水などの浸入に対する耐久強度を各段に高め、軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、施工作業性を大幅に改善し得るものとなることから、従前までは基礎工事にかなりの長期間を要し、充分な基礎工事を行うのが困難なものであったが、短期間の中に施工を完了して設置工事に伴う交通渋滞などを最小限に抑えることができ、堅牢且つ高精度な基礎を容易に施工可能とし、設置費用の高騰を抑制することができ経済性に秀れ、道路交通網のように都市機能にとって重要な施設を管理する公共団体や地方自治体等に大いに歓迎され、その耐久強度の高さと安全性とによって当該防雪柵基礎骨格用部材による防雪柵基礎を設置した道路の通行者や施設利用者等の各方面からも高く評価されて広範に利用、普及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図面は、この発明の防雪柵基礎骨格用部材、およびそれによる防雪柵基礎ならびにその施工方法の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【図1】防雪柵基礎を断面化した防雪柵を示す側面図である。
【図2】防雪柵を示す斜視図である。
【図3】地中に打ち込んだ防雪柵基礎骨格用部材基礎杭を示す側面図である。
【図4】基礎杭に装着する防雪柵基礎骨格用部材定着杭を示す側面図である。
【図5】袴筒部内に装着する座金体を示す側面図である。
【図6】ボルトを螺着した座金体を示す側面図である。
【図7】座金体が組み合わせ位置に配された定着杭を示す平面図である。
【図8】座金体を組み合わせ位置に配した定着杭を示す側面図である。
【図9】座金体を組み合わせ位置に配した定着杭を示す正面図である。
【図10】蓋板を有する座金体を示す斜視図である。
【図11】座金体を形成する縦列座金板を示す斜視図である。
【図12】一部に改良を加えた座金体を示す斜視図である。
【図13】基礎杭および定着杭の分解状態を示す斜視図である。
【図14】長孔が十字状に重なる基礎杭および定着杭の分解状態を示す斜視図である。
【図15】基礎コンクリートを断面化して示す側面図である。
【図16】断面化した防雪柵基礎を示す側面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 防雪柵基礎骨格用部材
10 同 防雪柵基礎
2 基礎杭
3 地中打込み部
30 同 定着大板(定着板)
31 同 定着小板(定着板)
4 連結用頭部
40 同 長孔(ボルト用貫通孔)
5 定着杭
50 同 基礎プレート
51 同 作業孔
52 同 袴筒部
53 同 長孔(対応ボルト用貫通孔)
54 同 補強翼
55 同 貫通孔
56 同 ベース用ボルト
6 座金体
60 同 蓋板
61 同 覗き窓
62 同 把持部
63 同 縦列座金板
64 同 ナット
65 同 ボルト
7 基礎コンクリート
70 同 風上がわの垂直面
8 埋め戻し穴
9 防雪柵
90 同 支柱体
91 同 防風雪板
92 同 ベースプレート
93 同 ダブルナット
94 同 斜風誘導板
95 同 枠体
96 同 補助ペース
97 同 ブラケット
G 地上面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を突設して地中打込み部としてなる基礎杭、該基礎杭の連結用頭部に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなる定着杭、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体、およびそれら対応する各部材の連結用とするボルト、以上一式が組み合わされてなるものとしたことを特徴とする防雪柵基礎骨格用部材。
【請求項2】
基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、当該パイプ閉鎖断面形における左右均衡した位置で同パイプ外周軸線方向に延びる仮想線上の夫々に適宜間隔置きに複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの均衡する角度毎夫々の位置で軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を遠心方向に突設して地中打込み部としてなる基礎杭、該基礎杭の連結用頭部に印籠状に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部に装着したときに同連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを庇状に突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなる定着杭、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせて位置決めした箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体、および基礎杭連結用頭部のボルト用貫通孔と定着杭袴筒部の対応ボルト用貫通孔とに貫通し、座金体のナットに螺合するボルト、および対象とする防雪柵支柱体ベースプレートのボルト用貫通孔と定着杭基礎プレートの対応ボルト用貫通孔とに貫通しするボルトおよびそれに螺合するナット、以上一式が組み合わされてなるものとしたことを特徴とする防雪柵基礎骨格用部材。
【請求項3】
基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を円形とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を同袴筒部軸心に長径の向きが一致する長孔とするか、または、基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を同連結用頭部軸心に長径の向きが一致する長孔とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を円形とするか、もしくは、基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を同連結用頭部軸心に長径の向きが一致する長孔とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を同袴筒部軸心に長径の向きが一致する長孔とするかの何れか一つの組み合わせとするよう設定されたものとし、地中に打ち込まれた基礎杭の連結用頭部に対する定着杭袴筒部の軸心方向の取り付け位置が微調整可能なものとしてなる、請求項1または2何れか一項記載の防雪柵基礎骨格用部材。
【請求項4】
基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を同連結用頭部軸心に長径の向きが一致する長孔とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を袴筒部軸心回り方向に長径の向きが一致する長孔とするか、または、基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を連結用頭部軸心回り方向に長径の向きが一致する長孔とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を袴筒部軸心に長径の向きが一致する長孔とするかの何れか一方に設定されたものとし、地中に打ち込まれた基礎杭の連結用頭部に対する定着杭袴筒部の軸心方向および軸心回り方向の取り付け位置が微調整可能なものとしてなる、請求項1または2何れか一項記載の防雪柵基礎骨格用部材。
【請求項5】
座金体は、割竹短冊型の縦列座金板からなり、その縦列座金板の該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる、請求項1ないし3何れか一項記載の防雪柵基礎骨格用部材。
【請求項6】
座金体は、当該基礎杭連結用頭部の上端開口縁に係合可能、および、基礎プレート天面作業孔内に装着可能な寸法、形状に設定した蓋板下面の対応箇所夫々に、当該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着した割竹短冊型の縦列座金板の上端を適正配置とするよう一体化してなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の防雪柵基礎骨格用部材。
【請求項7】
基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、当該パイプ閉鎖断面形における左右均衡した位置で同パイプ外周軸線方向に延びる仮想線上の夫々に適宜間隔置きに複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの均衡する角度毎夫々の位置で軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を遠心方向に突設して地中打込み部としてなる基礎杭を有し、該基礎杭の地中打込み部を対象とする防雪柵支柱体、ベースプレート設置箇所、直下である基礎コンクリート打設用埋め戻し穴底部より、地中に垂直打設したものとすると共に、基礎杭の連結用頭部に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなる定着杭を有し、該定着杭袴筒部下端開口より、当該基礎コンクリート打設用空間内に露出させた基礎杭、連結用頭部を、同連結用頭部と該袴筒部との互いの各ボルト用貫通孔、対応ボルト用貫通孔同士が重なり合うよう嵌合、挿着した上、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせて位置決めした箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体を、該連結用頭部内周面の各ボルト用貫通孔に一致するよう、当該定着杭天面の作業孔から配置したものとする一方、当該定着杭袴筒部の外がわから複数本のボルト先端が、各ボルト用貫通孔、対応ボルト用貫通孔を通じ、該基礎杭連結用頭部内の各座金板のナット夫々に螺着、緊締されたものとし、該基礎杭の連結用頭部以上、定着杭基礎プレート下面以下の空間内に基礎コンクリートを打設、一体化し、埋め戻して該定着杭基礎プレート上に、防雪柵支柱体のベースプレートが結合されてなるものとした、請求項1ないし5何れか一項記載の防雪柵基礎骨格用部材による防雪柵基礎。
【請求項8】
基礎コンクリートの防雪柵風上がわに形成した垂直面と、対象とする防雪柵支柱体、ベースプレート上の支柱体、風上がわに塀構造における枠控え風に連結した枠体、下部に設けた補助ペースの水平下面との夫々に、側面直角三角形状の棚受け型ブラケットの直角を挟む二辺夫々を接合、連結してなるものとした、請求項6記載の防雪柵基礎。
【請求項9】
基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、当該パイプ閉鎖断面形における左右均衡した位置で同パイプ外周軸線方向に延びる仮想線上の夫々に適宜間隔置きに複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの均衡する角度毎夫々の位置で軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を遠心方向に突設して地中打込み部としてなる基礎杭の該基礎杭地中打込み部を対象とする防雪柵支柱体のベースプレート設置箇所直下となる基礎コンクリート打設用埋め戻し穴底部より地中に垂直打ち込みした後、該基礎杭の連結用頭部に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔が確保されてなる定着杭を、同定着杭袴筒部下端開口より、当該基礎コンクリート打設用空間内に突出させた基礎杭連結用頭部に対し、該連結用頭部と該袴筒部との互いの各ボルト用貫通孔、対応ボルト用貫通孔同士が重なり合うよう印籠状に組み合わせ装着した上、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせて位置決めした箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体を、当該定着杭天面作業孔を通じて該基礎杭連結用頭部内の各ボルト用貫通孔に一致するよう、配置したものとする一方、当該定着杭袴筒部の外がわ遠心方向から複数本のボルトを、該定着杭袴筒部の対応ボルト用貫通孔と基礎杭連結用頭部のボルト用貫通孔とに貫通し、該基礎杭連結用頭部内の座金体ナット夫々に螺着、緊締してから、該基礎杭の連結用頭部以上、該定着杭基礎プレート下面以下の空間内に基礎コンクリートを打設、一体化して埋め戻した後に、該定着杭基礎プレート上に防雪柵支柱体のベースプレートを結合するようにしてなるものとした、請求項1ないし5何れか一項記載の防雪柵基礎骨格用部材による請求項6または7何れか一項記載の防雪柵基礎の施工方法。
【請求項1】
基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を突設して地中打込み部としてなる基礎杭、該基礎杭の連結用頭部に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなる定着杭、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体、およびそれら対応する各部材の連結用とするボルト、以上一式が組み合わされてなるものとしたことを特徴とする防雪柵基礎骨格用部材。
【請求項2】
基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、当該パイプ閉鎖断面形における左右均衡した位置で同パイプ外周軸線方向に延びる仮想線上の夫々に適宜間隔置きに複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの均衡する角度毎夫々の位置で軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を遠心方向に突設して地中打込み部としてなる基礎杭、該基礎杭の連結用頭部に印籠状に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部に装着したときに同連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを庇状に突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなる定着杭、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせて位置決めした箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体、および基礎杭連結用頭部のボルト用貫通孔と定着杭袴筒部の対応ボルト用貫通孔とに貫通し、座金体のナットに螺合するボルト、および対象とする防雪柵支柱体ベースプレートのボルト用貫通孔と定着杭基礎プレートの対応ボルト用貫通孔とに貫通しするボルトおよびそれに螺合するナット、以上一式が組み合わされてなるものとしたことを特徴とする防雪柵基礎骨格用部材。
【請求項3】
基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を円形とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を同袴筒部軸心に長径の向きが一致する長孔とするか、または、基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を同連結用頭部軸心に長径の向きが一致する長孔とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を円形とするか、もしくは、基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を同連結用頭部軸心に長径の向きが一致する長孔とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を同袴筒部軸心に長径の向きが一致する長孔とするかの何れか一つの組み合わせとするよう設定されたものとし、地中に打ち込まれた基礎杭の連結用頭部に対する定着杭袴筒部の軸心方向の取り付け位置が微調整可能なものとしてなる、請求項1または2何れか一項記載の防雪柵基礎骨格用部材。
【請求項4】
基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を同連結用頭部軸心に長径の向きが一致する長孔とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を袴筒部軸心回り方向に長径の向きが一致する長孔とするか、または、基礎杭連結用頭部の各ボルト用貫通孔を連結用頭部軸心回り方向に長径の向きが一致する長孔とし、且つ定着杭袴筒部の各対応ボルト用貫通孔を袴筒部軸心に長径の向きが一致する長孔とするかの何れか一方に設定されたものとし、地中に打ち込まれた基礎杭の連結用頭部に対する定着杭袴筒部の軸心方向および軸心回り方向の取り付け位置が微調整可能なものとしてなる、請求項1または2何れか一項記載の防雪柵基礎骨格用部材。
【請求項5】
座金体は、割竹短冊型の縦列座金板からなり、その縦列座金板の該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる、請求項1ないし3何れか一項記載の防雪柵基礎骨格用部材。
【請求項6】
座金体は、当該基礎杭連結用頭部の上端開口縁に係合可能、および、基礎プレート天面作業孔内に装着可能な寸法、形状に設定した蓋板下面の対応箇所夫々に、当該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせた箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着した割竹短冊型の縦列座金板の上端を適正配置とするよう一体化してなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の防雪柵基礎骨格用部材。
【請求項7】
基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、当該パイプ閉鎖断面形における左右均衡した位置で同パイプ外周軸線方向に延びる仮想線上の夫々に適宜間隔置きに複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの均衡する角度毎夫々の位置で軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を遠心方向に突設して地中打込み部としてなる基礎杭を有し、該基礎杭の地中打込み部を対象とする防雪柵支柱体、ベースプレート設置箇所、直下である基礎コンクリート打設用埋め戻し穴底部より、地中に垂直打設したものとすると共に、基礎杭の連結用頭部に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔を確保してなる定着杭を有し、該定着杭袴筒部下端開口より、当該基礎コンクリート打設用空間内に露出させた基礎杭、連結用頭部を、同連結用頭部と該袴筒部との互いの各ボルト用貫通孔、対応ボルト用貫通孔同士が重なり合うよう嵌合、挿着した上、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせて位置決めした箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体を、該連結用頭部内周面の各ボルト用貫通孔に一致するよう、当該定着杭天面の作業孔から配置したものとする一方、当該定着杭袴筒部の外がわから複数本のボルト先端が、各ボルト用貫通孔、対応ボルト用貫通孔を通じ、該基礎杭連結用頭部内の各座金板のナット夫々に螺着、緊締されたものとし、該基礎杭の連結用頭部以上、定着杭基礎プレート下面以下の空間内に基礎コンクリートを打設、一体化し、埋め戻して該定着杭基礎プレート上に、防雪柵支柱体のベースプレートが結合されてなるものとした、請求項1ないし5何れか一項記載の防雪柵基礎骨格用部材による防雪柵基礎。
【請求項8】
基礎コンクリートの防雪柵風上がわに形成した垂直面と、対象とする防雪柵支柱体、ベースプレート上の支柱体、風上がわに塀構造における枠控え風に連結した枠体、下部に設けた補助ペースの水平下面との夫々に、側面直角三角形状の棚受け型ブラケットの直角を挟む二辺夫々を接合、連結してなるものとした、請求項6記載の防雪柵基礎。
【請求項9】
基礎耐力上で必要となる長さに設定した金属製パイプで、その上端がわ所定範囲のコンクリート打設部分には、当該パイプ閉鎖断面形における左右均衡した位置で同パイプ外周軸線方向に延びる仮想線上の夫々に適宜間隔置きに複数のボルト用貫通孔を縦列配置状に穿設して連結用頭部とし、該連結用頭部の下端がわで同パイプ外周周りの均衡する角度毎夫々の位置で軸線に沿う所定範囲箇所から定着板を遠心方向に突設して地中打込み部としてなる基礎杭の該基礎杭地中打込み部を対象とする防雪柵支柱体のベースプレート設置箇所直下となる基礎コンクリート打設用埋め戻し穴底部より地中に垂直打ち込みした後、該基礎杭の連結用頭部に装着可能な直径の金属製パイプで、当該連結用頭部ボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔して袴筒部とし、該袴筒部の上端外周からは、対象とする防雪柵支柱体のベースプレートと同形で、同ベースプレートのボルト用貫通孔に対応する箇所には対応ボルト用貫通孔を穿孔した基礎プレートを突出、一体化し、その中央に当該基礎杭の内外径何れか一方に相当する作業孔が確保されてなる定着杭を、同定着杭袴筒部下端開口より、当該基礎コンクリート打設用空間内に突出させた基礎杭連結用頭部に対し、該連結用頭部と該袴筒部との互いの各ボルト用貫通孔、対応ボルト用貫通孔同士が重なり合うよう印籠状に組み合わせ装着した上、該定着杭袴筒部に形成した対応ボルト用貫通孔に合わせて位置決めした箇所に夫々ナットを縦列配置状に固着してなる座金体を、当該定着杭天面作業孔を通じて該基礎杭連結用頭部内の各ボルト用貫通孔に一致するよう、配置したものとする一方、当該定着杭袴筒部の外がわ遠心方向から複数本のボルトを、該定着杭袴筒部の対応ボルト用貫通孔と基礎杭連結用頭部のボルト用貫通孔とに貫通し、該基礎杭連結用頭部内の座金体ナット夫々に螺着、緊締してから、該基礎杭の連結用頭部以上、該定着杭基礎プレート下面以下の空間内に基礎コンクリートを打設、一体化して埋め戻した後に、該定着杭基礎プレート上に防雪柵支柱体のベースプレートを結合するようにしてなるものとした、請求項1ないし5何れか一項記載の防雪柵基礎骨格用部材による請求項6または7何れか一項記載の防雪柵基礎の施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図13】
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【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−43421(P2010−43421A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206625(P2008−206625)
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【出願人】(502251913)有限会社 イワキ鉄工 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【出願人】(502251913)有限会社 イワキ鉄工 (2)
【Fターム(参考)】
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