説明

除染装置、除染方法、原子力プラント及びその改造方法

【課題】原子炉圧力容器から流出した排気が十分に放射性物質を回収されないまま大気に放出されることを抑制することができる除染装置、除染方法、原子力プラント及びその改造方法を提供する。
【解決手段】原子炉格納容器10からの排気を排出する排気筒であってスクラビング用液31を貯留するスクラビング容器32と、原子炉格納容器10内のガスを逃がすベント管であってスクラビング容器32内のスクラビング用液31に原子炉格納容器10からの排気を供給する排気管路33とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉建屋からの排気の除染装置、除染方法、これを用いた原子力プラント及びその改造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力プラントにおいては、何らかの要因により原子炉格納容器の熱除去機能を喪失した場合、原子炉格納容器の除熱ができないために原子炉格納容器内の温度が上昇し、原子炉格納容器内圧力が高くなって原子炉格納容器が破損することもあり得る。また、万一原子炉炉心の損傷が発生し、原子炉圧力容器が破損するようなことになれば、原子炉圧力容器外へ放出された原子炉炉心の溶融物を冷却するために原子炉格納容器内への注水が必要になり、この注水作業に伴って蒸気が発生する。また、水―金属反応によって水素等の非凝縮性ガスが発生する。こうした蒸気及び非凝縮性ガスにより原子炉格納容器内圧力が上昇し、原子炉格納容器が破損に至ることもあり得る。
【0003】
原子力プラントでは、このような原子炉格納容器の破損を防止するための対策が講じられている。具体的には、ベント設備により原子炉格納容器内の蒸気及び非凝縮性ガスを外部へ放出等している。ベントの際には、放射性物質を含む格納容器内の蒸気及び非凝縮性ガスをサプレッションプールに通して放射線量を低減させた上で格納容器から排出した後排気筒からガスを放出する等している(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−329691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
原子炉格納容器のベントによる蒸気及び非凝縮性ガスの放出は、まず、サプレッションプール水による放射性物質のスクラビング除去を期待してウェットウェルベントを実施し、ウェットウェルベントラインガ原子炉格納容器内の注水により冠水した後には、ドライウェルベントを実施する。ドライウェルベント実施時には、サプレッションプール水による放射性物質のスクラビング除去を期待することができない。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、流出した排気が十分に放射性物質を回収されないまま大気に放出されることを抑制することができる除染装置、除染方法、原子力プラント及びその改造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、スクラビング容器内のスクラビング用液に原子炉格納容器からの排気を通す。さらに、従来から設置されている非常用ガス処理系を耐圧仕様とすることで、ベント時にも非常用ガス処理系を使用可能とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、原子炉圧力容器から流出した排気が十分に放射性物質を回収されないまま大気に放出されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る除染装置を適用した原子力プラントの要部を表す概略図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る除染装置を適用した原子力プラントの要部を表す概略図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る除染装置を適用した原子力プラントの要部を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る除染装置を適用した原子力プラントの要部を表す概略図である。
【0012】
図1に示した原子力プラントは、原子炉圧力容器11を収容した原子炉格納容器10と、原子炉圧力容器11から流出した放射性物質を内包するガスを浄化する除染装置30とを備えている。
【0013】
原子炉圧力容器11は、原子炉(不図示)を内包していて、原子炉を冷却する冷却水を供給する冷却水供給系統(不図示)、生成した蒸気をタービン(不図示)に供給する主蒸気配管(不図示)等が接続されているが、通常は気密性を持って閉じた系を構成している。
【0014】
原子炉格納容器10は、気密性を持って原子炉圧力容器11を包囲しており、原子炉圧力容器11を格納するドライウェル12、及び圧力抑制プール14を貯留したウェットウェル13を有している。ドライウェル12とウェットウェル13とは複数の接続管路15で接続されている。ウェットウェル13は、内部空間の下部側に圧力抑制プール14を形成する一方で、上部側すなわち圧力抑制プール14の液面の上側の空間を気相部としている。ドライウェル12から延びる接続管路15はウェットウェル13の内部にまで延在し、その先端は圧力抑制プール14に浸水している。また、原子炉格納容器10の周囲は原子炉建屋16によって気密性を持って包囲されている。
【0015】
除染装置30は、スクラビング用液31を貯留するスクラビング容器32、スクラビング容器32内のスクラビング用液31に原子炉格納容器10からの排気を供給する耐圧仕様の排気管路33、排気管路33を流れる排気中の放射性物質を除去する耐圧仕様のガス処理装置34、スクラビング容器32にスクラビング用液31を供給する給水系統35、スクラビング用液31にpH調整剤を供給するpH調整剤供給系統36、スクラビング用液31に不活性ガスを供給する不活性ガス供給系統37、及びスクラビング容器32から排出した使用済みのスクラビング用液31を貯留する排水タンク38を備えている。
【0016】
スクラビング容器32には、本実施の形態では、原子炉格納容器10からの排気を排出する排気筒を用いている。つまり排気筒がスクラビング容器32を構成している。既設の排気筒をスクラビング容器32として利用する場合、スクラビング用液31を長期に亘って保持できるように必要に応じて排気筒の水密性や耐圧性を補う。このスクラビング容器32の外周部は、放射線を吸収する材質で形成された遮蔽壁39で囲われている。この遮蔽壁39は、スクラビング容器32の少なくともスクラビング用液31の液面40から下の部分を覆う必要がある。本実施の形態において、スクラビング容器32の下端部(本実施の形態では地面41)からスクラビング用液31の液面40を超えるところまで遮蔽壁39が上方に延在している。
【0017】
このとき、本実施の形態では、スクラビング容器32内のスクラビング用液31の水位を検出する水位計42が設けられている。水位計42により液面40の位置を確認しながら、液面40が所定の高さ範囲に収まるように必要に応じてスクラビング用水31の給排水を実行する。水位計42は、スクラビング用液31の水位を検出できる手段であれば良いが、本実施の形態では例えばマノメータを用いた場合を例示しており、スクラビング用液31の水位が外部から視認できるように水位計42を遮蔽壁39の外部に設置してある。例えば、水位計42からの検出信号を基に遠隔地でスクラビング用液31の水位をモニタリングできる構成としても良いが、図1に例示した構成であれば電力を要しないため電源を失った場合でもスクラビング用液31の水位を知ることができるメリットがある。
【0018】
排気管路33には、本実施の形態では、原子炉格納容器10内のガスを逃がすベント管を用いている。つまり原子炉格納容器10と排気筒32を接続するベント管が排気管路33を構成している。排気管路33は、ドライウェル12に接続しドライウェル12からの排気を逃がすドライウェルベントライン43、ウェットウェル13に接続しその気相部からの排気を逃がすウェットウェルベントライン44、及びドライウェルベントライン43とウェットウェルベントライン44とが合流してスクラビング容器32に接続するガス処理ライン(SGTSライン)45を有している。これら各部を含めて排気管路33は耐圧仕様となっている。ドライウェルベントライン43及びウェットウェルベントライン44には、それぞれ遮断弁46,47が設けられており、通常時は原子炉格納容器10の気密性を保持するために遮断弁46,47が閉じられている。ガス処理ライン45は、遮蔽壁39及びスクラビング容器32の側壁を貫通し、先端部に備えたスパージャ(多孔分散管)48がスクラビング容器32内のスクラビング用液31中に露出している。遮蔽壁39及びスクラビング容器32の合流管路45が貫通する部分は、水密性を確保すべくシールされている。また、スパージャ48から噴出した排気の気泡がスクラビング用液31中を浮上する距離を確保するために、スパージャ48の位置は可能な範囲で低位置であることが好ましい。
【0019】
ガス処理装置34は、スクラビング容器32の上流すなわち排気管路33の途中(本実施の形態ではガス処理ライン45)に設けられている。このガス処理装置34の構成は必ずしも限定されないが、例えば、放射性微粒子を含む排気中の微粒子を捕集するHEPAフィルタ(不図示)、排気を加熱する加熱手段(不図示)、及び加熱した排気中のヨウ素を回収するチャコールフィルタ(不図示)等を有している。
【0020】
給水系統35は、スクラビング用水の水源49、水源49とスクラビング容器32とを接続する給水管路50、給水管路50に設けた遮断弁51及びポンプ52を有している。水源49としては、海や河川、湖沼、或いは予め建設しておいたプール等を用いることができるが、排水タンク38の使用済みのスクラビング用水を浄化処理する浄化処理設備を設けた場合には、排水タンク38を水源49として用いることも考えられる。ポンプ52は、固定式のものでも良いが、ポンプ車に車載された移動式又は可搬式のものでも良い。また、遮断弁51がポンプ52の下流側に位置している場合を例示しているが、位置関係は逆であっても良い。
【0021】
pH調整剤供給系統36は、pH調整剤を貯留したpH調整剤タンク53、pH調整剤を通すpH調整剤供給管路54、pH調整剤供給管路54に設けた遮断弁55及びポンプ56を有している。pH調整剤は、スクラビング容器32内のヨウ素の回収効率を上げるためにスクラビング用水をアルカリ性(例えばpH10以上)にする薬剤であり、例えば苛性ソーダ(NaOH)を用いることができる。pH調整剤供給管路54は、本実施の形態では給水管路50に合流させているが、給水管路50に合流させずにスクラビング容器32に接続する構成としても良い。また、遮断弁55がポンプ56の下流側に位置している場合を例示しているが、位置関係は逆であっても良い。
【0022】
不活性ガス供給系統37は、不活性ガスの供給源であるガス供給装置57、ガス供給装置57とスクラビング容器32とを接続する不活性ガス供給管路58、及び不活性ガス供給管路58に設けた遮断弁59を有している。不活性ガスは、水素ガスの燃焼を抑制するためのガスであり、窒素ガス(N2)、アルゴンガス(Ar)等を用いることができる。不活性ガス供給装置57としては、例えば空気を原料として窒素ガスを発生させる装置、或いは不活性ガスを充填したガスボンベ等を用いることができる。不活性ガス供給管路58は、本実施の形態ではスクラビング容器32に直接接続してあるが、給水管路50やpH調整剤供給管路54に合流させる構成としても良い。不活性ガス供給管路58にポンプを特に設けていないが、必要な場合にはポンプを設けても良い。
【0023】
排水タンク38は、使用済みのスクラビング用液31を受け入れて長期に亘って貯留できる構成及び容量があれば良いが、放射性物質を含み得る使用済みのスクラビング用液31を貯留するものであるため遮蔽構造である必要がある。本実施の形態では、例えばコンクリート製の埋設タンクを用いている。この排水タンク38は、排水管路60を介してスクラビング容器32の底部に接続している。排水管路60には遮断弁61が設けられており、遮断弁61を開放することによってスクラビング容器32から排水タンク38にスクラビング用液31が流れ込む。また、排水タンク38にはHEPAフィルタ63を備えた排気管路62が接続しており、排水タンク38内の圧力を下げる必要がある場合には、HEPAフィルタ63を通して排気管路62から排水タンク38内のガスを排出することができる。特に図示していないが、このガスを浄化する浄化装置を別途設ける場合もある。また、排気管路62をスクラビング容器32又は他のスクラビング容器(不図示)に接続し、排水タンク38からの排気をスクラビングする構成とすることも考えられる。
【0024】
上記構成の原子力プラントにおいて、不測の要因により原子炉圧力容器11から原子炉格納容器10に放射性物質が流出した場合、以下の手順で原子炉格納容器10内のガスを浄化して放射性物質を設定値以下に低減した上で放出する。
【0025】
一連の工程を大別すると、排気筒をスクラビング容器32としてスクラビング用液31を貯留する第1の工程、及び、原子炉格納容器10内のガスをスクラビング用液31に供給しスクラビング用液31を通して排出する第2の工程に分けられる。
【0026】
第1の工程では、放射性物質を含有し得る原子炉格納容器10内のガスを排出する必要が生じた際にスクラビング用液31を供給しスクラビング容器32に貯留する。
【0027】
スクラビング用液31をスクラビング容器32に貯留する場合、まず、遮断弁46,47,61を閉じた状態で、給水系統35の遮断弁51を開放し、ポンプ52を駆動して水源49のスクラビング用水31をスクラビング容器32に注入する。これと同時又は前後して、pH調整剤供給系統36の遮断弁55を開放しポンプ56を駆動して、pH調整剤タンク53のpH調整剤をスクラビング用水31に対して所定量混入させる。
【0028】
第2の工程は、放射性物質を含有し得る原子炉格納容器10内のガスを排出する必要が生じた際、スクラビング容器32にスクラビング用液31が注入された状態で実行する。
【0029】
原子炉格納容器10のガスを放出する際、遮断弁46,47の少なくとも一方を開放し、排気管路33を通してスクラビング容器32に原子炉格納容器10内のガスを注入する。このとき、遮断弁47を開放し圧力抑制プール14を通してウェットウェルベントライン44経由で排出されたガスは、圧力抑制プール14で放射性物質が回収される分、ドライウェルベントライン43経由で排出されたガスに比べて、原子炉格納容器10から排出された時点で放射性物質の含有量が低下している。耐圧仕様を施した排気管路33を流通する排気は、ガス処理ライン45の途中でガス処理装置34を通過し、その際に加熱手段(不図示)で加熱されつつ、HEPAフィルタ(不図示)で放射性微粒子を含む微粒子を捕集され、チャコールフィルタ(不図示)でヨウ素を回収される。基本的にはこの時点で放射性物質の含有量は設定値以下になる。
【0030】
ガス処理装置34を通過した排気は、排気管路33の出口のスパージャ48からスクラビング容器32内のスクラビング用液31中に放出される。スクラビング用液31に排気を注入する間、不測の水素燃焼が懸念される場合には、不活性ガス供給系統37の遮断弁59は開放しておき、ガス供給装置57の不活性ガスをスクラビング容器32内のスクラビング用水31に注入しておく。ガス処理装置34を通過した排気に放射性物質が残留している場合、スクラビング用液31中を浮上する際に、残留放射性微粒子を含めて微粒子がスクラビング用液31に捕集され、かつ、残留ヨウ素がスクラビング用液31に回収される。こうしてスクラビング用液31の液面40まで浮上する過程で放射性物質の含有量がさらに低下した排気は、スクラビング容器32を構成する排気筒内を上昇して高位置において最終的に大気に放出される。
【0031】
排気のスクラビング中は必要に応じて適宜遮断弁46,47,51,55,59,61やポンプ52,56等を操作し、排気や不活性ガスの供給の中断、スクラビング用液31の給排水等を適宜実行する。スクラビングが終了したら、必要に応じてスクラビング容器32のスクラビング用水31を排水タンク38に排出し、また、必要であればスクラビング容器32にスクラビング用水31を貯留しておく。
【0032】
本実施の形態によれば、原子炉格納容器10内に放射性物質が流出した場合でも原子炉格納容器10内のガスをスクラビング容器32に導き、スクラビング用液31に排気を通してスクラビングすることで、排気中の放射性物質を回収することができる。そして、排気管路33中の電源を失う等して加熱手段が正常に作動せずガス処理装置34による放射性物質の回収効率の低下が懸念されるような場合でも、電源の有無とは無関係にスクラビングによる放射性物質の回収効果が期待できるので、原子炉圧力容器11から流出した排気が十分に放射性物質を回収されないまま大気に放出されることを抑制することができる。
【0033】
また、通常時からスクラビング用液31をスクラビング容器32に貯留しておけば、給水系統35やpH調整剤供給系統36のポンプ52,56が正常に作動しなくとも、遮断弁46,47,59を適宜開閉操作することで、スクラビング処理を実行することができる。
【0034】
また、排気筒をスクラビング容器32としてスクラビング用水31を貯留するという簡素な構成であるため、既存の原子力プラントを本発明の原子力プラントに改造することも容易である。既存の原子力プラントに本発明を適用する場合、その工程は、主には、スクラビング用液31を供給する給水系統35を設置し、スクラビング容器32(排気筒)内において排気が放出される位置よりも高水位となるように当該スクラビング容器32にスクラビング用液31を供給することとなる。このとき、排気管路33(ベント管)をスクラビング容器32内に突出させ、排気の出口にスパージャ48を設置する場合、スパージャ48よりも高水位となるようにスクラビング用液31を貯留することは言うまでもない。海や河川等が水源49として近隣に存在する場合には、例えばポンプ車等を給水系統35に用いることもできる。また、既設の排気筒の水密性がスクラビング容器32とするには不十分である場合、排気筒の内壁面又は外壁面に遮水処理を施したり、クラックや気孔が存在する場合にはそれらを塞ぐシール処理したりする等して、適宜水密性を確保しておく。また、耐圧性を上げる必要がある場合には適宜補強しておく。
【0035】
このとき、既設の原子力プラントをベースとする場合、ドライウェルベントライン43からガス処理装置34をバイパスしてガス処理ライン45に接続するAMライン(アクシデント・マネジメント・ライン)76が設置されている場合が多く、ウェットウェルベント時及びドライウェルベント時には、ガス処理ライン45を通さずに、AMライン76を介してガスを排気筒(本例ではスクラビング容器32)から放出することが想定されていた。そのため、ガス処理装置34が既設の原子力プラントに元々あったものである場合には、当該ガス処理装置34がベント時の圧力に耐えられる設計となっているとは限らない。その場合には、ガス処理装置34を耐圧仕様のものに交換することでウェットウェルベント時及びドライウェルベント時の排気をガス処理装置34に通した上でスクラビング容器32に供給することができるようになる。また、既存のガス処理装置34を利用する場合、例えばドライウェルベントライン43において遮断弁46をバイパスする小弁付きのバイパスライン77を設置することが考えられる。小弁は遮断弁46よりも開口径の小さな弁であり、ドライウェルベント時にドライウェルベントライン43の遮断弁46を閉じ、パイパスライン77の小弁を開放して、圧力損失を大きくして配管内圧力を下げることで、耐圧性の不足した既存のガス処理装置34にベントガスを通すことができるようになる。ウェットウェルベント時にも同様の対策が必要な場合には、ウェットウェルベントライン44において遮断弁47をバイパスする小弁付きのバイパスライン(不図示)を設置する。
【0036】
また、スクラビング容器32内のスクラビング用水31はスクラビングの進展とともに放射性物質の含有量が増加し得る。したがって、排気筒をスクラビング容器32として使用する場合には、スクラビング容器32からの放射線の飛散を抑制するため、放射線を吸収する材質(例えばコンクリートや鉛)で形成した遮蔽壁39によって、スクラビング容器32の少なくともスクラビング用液31の液面40から下の部分を覆うことが望ましい。
【0037】
また、スクラビング用水31によるヨウ素の回収効率を向上させるためには、pH調整剤供給系統36を設置することが望ましい。同様に、排気の水素燃焼に備える必要がある場合には、不活性ガス供給系統37も設置する。
【0038】
また、長期に亘ってスクラビングを実施する場合には、使用済みのスクラビング用液31の排出先として排水タンク38を設置する。但し、既存の原子力プラントに排水タンク38として利用可能なプールがあれば、新設しなくとも当該プールを排水タンク38としても良い。
【0039】
(第2の実施の形態)
図2は本発明の第2の実施の形態に係る除染装置を適用した原子力プラントの要部を表す概略図である。本実施の形態において既述の実施の形態と同様の部分は、本図において既出図面と同符号を付して説明を適宜省略する。
【0040】
本実施の形態が第1の実施の形態と相違する点は、排気筒17とは別にスクラビング容器32aを設けた点である。すなわち、排気筒17にはスクラビング用液31を注入せず、排気系におけるガス処理装置34と排気筒17との間にスクラビング容器32aを設置してある。
【0041】
本実施の形態の除染装置30aは、スクラビング容器32a、及びこのスクラビング容器32a内のスクラビング用液31に原子炉格納容器10からの排気を供給する排気管路33の他、給水系統35、pH調整剤供給系統36、不活性ガス供給系統37及び排水タンク38等を備えている。
【0042】
スクラビング容器32aは、所望の容量、耐圧性、水密性を持つタンクであれば良い。本実施の形態において、排気管路33、給水管路50、pH調整剤供給管路54、不活性ガス供給管路58及び排水管路60は、排気筒17ではなくスクラビング容器32aに接続している。また、スクラビング容器32aの放射線の遮蔽能力が十分でない場合、遮蔽壁39aを設置する。本実施の形態では排気筒17とは別にスクラビング容器32aとして専用のタンクを用意することができるので、配管の接続部以外は密閉されたタンクを用いることができ、側壁の周囲のみならず上下の壁面を含めて全体を遮蔽壁39aで覆う構成とすることもできる。そして、スクラビング容器32aは、内部の気相部に接続する部分(例えば天井部)が排気管路64を介して排気筒17に接続している。
【0043】
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0044】
本実施の形態の原子力プラントにおいて、原子炉格納容器10内のガスを浄化して放射性物質を設定値以下に低減して大気に放出する場合、大きくは、スクラビング容器32aにスクラビング用液31を貯留する第1の工程、及び、原子炉格納容器10内のガスをスクラビング用液31に供給しスクラビング用液31を通して排出する第2の工程に分けられる。第1の手順、第2の手順とも、その内容は第1の実施の形態と実質的に同様である。本実施の形態の場合、ガス処理装置34を通過した排気がスクラビング容器32a内でスクラビングされ、スクラビングされて放射性物質の含有量が低減された排気が排気管路64、排気筒17を介して大気に放出される。
【0045】
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0046】
また、排気筒17とガス処理装置34との間にスクラビング容器32aを追加設置するという簡素な構成であるため、既存の原子力プラントを本発明の原子力プラントに改造することも容易である。既存の原子力プラントに本発明を適用する場合、その工程は、主には、スクラビング容器32a及び給水系統35を設置し、スクラビング容器32a内において排気が放出される位置よりも高水位となるように当該スクラビング容器32aにスクラビング用液31を供給することである。スクラビング容器32aへのスクラビング用水31の注水の要領も第1の実施の形態と同様である。
【0047】
また、スクラビング容器32aの放射線の遮蔽性が不十分な場合には遮蔽壁39aを設置することが望ましい。スクラビング用水31によるヨウ素の回収効率を向上させるためには、pH調整剤供給系統36を設置することが望ましい。同様に、排気の水素燃焼に備える必要がある場合には、不活性ガス供給系統37も設置することが望ましい。また、長期に亘るスクラビングを想定する場合には、使用済みのスクラビング用液31の排出先として排水タンク38を設置することが望ましい。これらの点も第1の実施の形態と同様である。
【0048】
なお、本実施の形態においては、排気筒17を通してスクラビング後の排気を大気に放出する構成としたが、このような構成とする必要は必ずしもなく、排気筒17を介さずにスクラビング容器32aからスクラビング後の排気を大気に放出する構成とすることも考えられる。
【0049】
(第3の実施の形態)
図3は本発明の第3の実施の形態に係る除染装置を適用した原子力プラントの要部を表す概略図である。本実施の形態において既述の実施の形態と同様の部分は、本図において既出図面と同符号を付して説明を適宜省略する。
【0050】
本実施の形態も原子炉圧力容器11から流出したガスを浄化する点は前述した2つの実施の形態と変わらないが、原子炉建屋16の周囲を密閉建屋65で覆い、密閉建屋65から排気を排出してスクラビングする点で相違する。本実施の形態は、例えば想定外の災害に遭遇し原子炉圧力容器11から流出した放射性物質が原子炉建屋16の外部にまで漏洩し得る状況に直面するようなことがあっても、放射性物質の周辺環境への飛散を抑制するためのものである。
【0051】
本実施の形態の除染装置30bは、主に、原子炉建屋16を包囲する密閉建屋65、スクラビング用液31を貯留するスクラビング容器32b、及びこのスクラビング容器32b内のスクラビング用液31に密閉建屋65からの排気を供給する排気管路33bを備えており、その他、スクラビング容器32bを通した排気を密閉建屋65に戻す循環管路66、この循環管路66に設けた線量計67、循環管路66から分岐しスクラビング容器32bを通した排気を大気に放出する放出系統68、循環管路66及び放出系統68にそれぞれ設けた遮断弁69,70、及びスクラビング容器32bと密閉建屋65との間で循環する排気中の放射性物質を除去するガス処理装置71−73を備えている。
【0052】
密閉建屋65は、例えば原子炉建屋16の外壁と同様の材質や構造とすることができ、気密性を持って原子炉格建屋16を包囲していて、密閉建屋65内のガスが密閉建屋65外に漏れ出ることを防止している。この密閉建屋65には、所定の容積、耐圧性、遮蔽性が備わっているものとする。
【0053】
スクラビング容器32bは、例えば第2の実施の形態のスクラビング容器32aと同様のもので足り、排気管路33b、給水管路50、pH調整剤供給管路54、不活性ガス供給管路58、排水管路60及び循環管路66が、このスクラビング容器32bに接続している。スクラビング容器32bの放射線の遮蔽能力が十分でない場合には遮蔽壁39bを設置する。
【0054】
循環管路66は、スクラビング容器32b内の気相部に接続する部分(例えば天井部)と密閉建屋65とを接続している。この循環管路66には必要に応じてポンプ74を設ける。ポンプ74は排気管路33bに設けても良いが、排出管路33b及び循環管路66からなる循環系において、放出系統68の排出管路75との接続部よりも上流側に設ける必要がある。
【0055】
循環管路66の経路中に図示したガス処理装置71−73は、いずれもスクラビング容器32bと同様、密閉建屋65とスクラビング容器32bとの間を循環する排気中の放射性物質を除去するものであり、例えばガス処理装置71がHEPAフィルタ等の排気を濾過して微粒子を捕集するタイプのフィルタ、ガス処理装置72,73がそれぞれ活性炭、ゼオライト等といった微粒子を吸着するタイプのフィルタ等といった具合である。除去対象の核種によってフィルタの種類は適宜変更可能である。また、排気の流れ方向におけるガス処理装置71−73の順番は図3の態様に限られず、スクラビング容器32bとの位置関係も限定されない。したがって、ガス処理装置71−73のうちの少なくとも1つを排気管路33bに設ける構成もあり得る。また、ガス処理装置71−73はいずれも必ずしも必要なわけではなく、状況と場合によって適宜省略可能であり、また場合によっては4種類以上のガス処理装置を設ける構成とすることもあり得る。
【0056】
放出系統68は、排気筒17、及びこの排気筒17と循環管路66とを接続する排気管路75を備えている。但し、排気管路75を排気筒17に接続せず、排気筒17を介さずに排気管路75からスクラビング後の排気を大気に放出する構成とすることもあり得る。上記の遮断弁70は排気管路75に設けられている。
【0057】
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0058】
本実施の形態では、原子炉建屋16の周囲を密閉建屋65で覆い、スクラビング用液31をスクラビング容器32bに貯留し、このスクラビング容器32b内のスクラビング用液31に密閉建屋65からの排気を供給することによって、排気中の放射性物質を回収する。これによって排気中の放射性物質を低減することができる。また本実施の形態においては、スクラビング後の排気からガス処理装置71−73によって放射性物質を更に回収することができるので、より排気の浄化効果が高い。
【0059】
そして、放射性物質の更なる低減を図るためには、例えば、循環管路66の遮断弁69と不活性ガス供給系統37の遮断弁59を開放するとともに、他の遮断弁51,55,61を閉じた状態として、循環管路66を介して密閉建屋65内のガスをスクラビング容器32bやガス処理装置71−73等に順次循環させていく。このとき、循環する排気の線量が線量計67で検出できるため、密閉建屋65とスクラビング容器32bとの間を循環するうちに密閉建屋65内のガスの線量が設定値を下回ったことが線量計67の検出値によって確認されたら、循環管路66の遮断弁69を閉じるとともに、排気管路75の遮断弁70を開放することによって、十分に放射性物質が低減されたことを確認した上で放出系統68を介して排気を大気に放出することができる。
【0060】
本実施の形態においても、既述した実施の形態と同様の原理で原子炉圧力容器11から流出した排気を大気に放出する前に浄化することができる。
【0061】
また、既存の原子力プラントに対して、密閉建屋65、スクラビング容器32b、給水系統35及び排気管路33bを最低限設置し、スクラビング容器32b内で排気が放出される位置よりも高水位となるようにスクラビング容器32bにスクラビング用液31を供給することで、原子炉建屋16から漏洩し得る放射性物質を回収する構成とすることができる。また、循環管路66、賀詞処理装置71−73等をさらに追加することで、より浄化効果の高い構成とすることができる。
【0062】
(その他)
既述の各実施の形態は適宜組み合わせ可能であり、かつ、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。また、第1及び第2の実施の形態においては、ドライウェル12及びウェットウェル13の双方からスクラビング容器32,32aに排気が導かれ得る構成を例に挙げて説明したが、ドライウェルベントライン43及びウェットウェルベントライン44のいずれか一方を省略し、ドライウェルベントライン43及びウェットウェルベントライン44のいずれかからスクラビング容器32,32aに排気が供給される構成とする場合もあり得る。
【符号の説明】
【0063】
10 原子炉格納容器
11 原子炉圧力容器
12 ドライウェル
13 ウェットウェル
17 排気筒
30,30a,30b 除染装置
31 スクラビング用液
32 スクラビング容器(排気筒)
32a,32b スクラビング容器
33,33a 排気管路(ベント管)
33b 排気管路
34 ガス処理装置
35 給水系統
36 pH調整剤供給系統
37 不活性ガス供給系統
38 排水タンク
39,39a,39b 遮蔽壁(遮蔽手段)
43 ドライウェルベントライン
44 ウェットウェルベントライン
65 密閉建屋
66 循環管路
67 線量計
68 放出系統
69,70 遮断弁
71−73 ガス処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉格納容器からの排気を排出する排気筒であってスクラビング用液を貯留するスクラビング容器と、
前記原子炉格納容器内のガスを逃がすベント管であって前記スクラビング容器内のスクラビング用液に前記原子炉格納容器からの排気を供給する排気管路と
を備えたことを特徴とする除染装置。
【請求項2】
スクラビング用液を貯留するスクラビング容器と、
このスクラビング容器内のスクラビング用液に原子炉格納容器からの排気を供給する排気管路と
を備えたことを特徴とする除染装置。
【請求項3】
原子炉格納容器を収容する原子炉建屋を包囲する密閉建屋と、
スクラビング用液を貯留するスクラビング容器と、
このスクラビング容器内のスクラビング用液に前記密閉建屋からの排気を供給する排気管路と
を備えたことを特徴とする除染装置。
【請求項4】
請求項3の除染装置において、
前記スクラビング容器を通した排気を前記密閉建屋に戻す循環管路と、
この循環管路に設けた線量計と、
前記循環管路から分岐し前記スクラビング容器を通した排気を大気に放出する放出系統と、
前記循環管路及び前記放出系統にそれぞれ設けた遮断弁と
を備えたことを特徴とする除染装置。
【請求項5】
請求項1−3のいずれかの除染装置において、前記排気管路が、ドライウェルからの排気を逃がすドライウェルベントライン、及びウェットウェルからの排気を逃がすウェットウェルベントラインを有していることを特徴とする除染装置。
【請求項6】
請求項1−3のいずれかの除染装置において、前記スクラビング容器の上流に前記排気管路を流れる排気中の放射性物質を除去する耐圧仕様のガス処理装置を備えたことを特徴とする除染装置。
【請求項7】
請求項1−3のいずれかの除染装置において、放射線を吸収する材質で形成され、前記スクラビング容器の少なくとも前記スクラビング用液の液面から下の部分を覆う遮蔽手段を備えたことを特徴とする除染装置。
【請求項8】
請求項1−3のいずれかの除染装置において、前記スクラビング容器にスクラビング用液を供給する給水系統を備えたことを特徴とする除染装置。
【請求項9】
請求項1−3のいずれかの除染装置において、スクラビング用液にpH調整剤を供給するpH調整剤供給系統を備えたことを特徴とする除染装置。
【請求項10】
請求項1−3のいずれかの除染装置において、スクラビング用液に不活性ガスを供給する不活性ガス供給系統を備えたことを特徴とする除染装置。
【請求項11】
請求項1−3のいずれかの除染装置において、前記スクラビング容器から排出した使用済みのスクラビング用液を貯留する排水タンクを備えたことを特徴とする除染装置。
【請求項12】
請求項4の除染装置において、前記スクラビング容器と前記密閉建屋との間で循環する排気中の放射性物質を除去するガス処理装置を備えたことを特徴とする除染装置。
【請求項13】
原子炉格納容器からの排気を排出する排気筒にスクラビング用液を貯留し、
前記原子炉格納容器内のガスを前記スクラビング容器内のスクラビング用液に供給する
ことを特徴とする除染方法。
【請求項14】
スクラビング用液をスクラビング容器に貯留し、
このスクラビング容器内のスクラビング用液に原子炉格納容器からの排気を供給する
ことを特徴とする除染方法。
【請求項15】
原子炉建屋の周囲を密閉建屋で覆い、
スクラビング用液をスクラビング容器に貯留し、
このスクラビング容器内のスクラビング用液に前記密閉建屋からの排気を供給する
ことを特徴とする除染方法。
【請求項16】
請求項15の除染方法において、
前記スクラビング容器を通した排気を前記密閉建屋に戻して循環させ、
この循環する排気の線量が設定値を下回ったら当該排気を大気に放出する
ことを特徴とする除染方法。
【請求項17】
原子炉格納容器と、
この原子炉格納容器からの排気を排出する排気筒であってスクラビング用液を貯留するスクラビング容器と、
前記原子炉格納容器内のガスを逃がすベント管であって前記スクラビング容器内のスクラビング用液に前記原子炉格納容器からの排気を供給する排気管路と
を備えたことを特徴とする原子力プラント。
【請求項18】
原子炉格納容器と、
スクラビング用液を貯留するスクラビング容器と、
このスクラビング容器内のスクラビング用液に前記原子炉格納容器からの排気を供給する排気管路と
を備えたことを特徴とする原子力プラント。
【請求項19】
原子炉建屋と、
この原子炉建屋の周囲を覆う密閉建屋と、
スクラビング用液を貯留するスクラビング容器と、
このスクラビング容器内のスクラビング用液に前記密閉建屋からの排気を供給する排気管路と
を備えたことを特徴とする原子力プラント。
【請求項20】
原子炉格納容器からの排気を排出する排気筒にスクラビング用液を供給する給水系統を設置し、
前記排気筒内で排気が放出される位置よりも高水位となるように前記排気筒にスクラビング用液を供給する
ことを特徴とする原子力プラントの改造方法。
【請求項21】
スクラビング容器、このスクラビング容器にスクラビング用液を供給する給水系統、及びスクラビング容器内のスクラビング用液に原子炉格納容器からの排気を供給する排気管路を設置し、
前記スクラビング容器内で排気が放出される位置よりも高水位となるように前記スクラビング容器にスクラビング用液を供給する
ことを特徴とする原子力プラントの改造方法。
【請求項22】
原子炉建屋の周囲を覆う密閉建屋、スクラビング用液を貯留するスクラビング容器、このスクラビング容器にスクラビング用液を供給する給水系統、及び前記スクラビング容器内のスクラビング用液に前記密閉建屋からの排気を供給する排気管路を設置し、
前記スクラビング容器内で排気が放出される位置よりも高水位となるように前記スクラビング容器にスクラビング用液を供給する
ことを特徴とする原子力プラントの改造方法。
【請求項23】
請求項20−22のいずれかの原子力プラントの改造方法において、放射線を吸収する材質で形成され、前記排気筒の少なくとも前記スクラビング用液の液面から下の部分を覆う遮蔽手段を設置することを特徴とする原子力プラントの改造方法。
【請求項24】
請求項20−22のいずれかの原子力プラントの改造方法において、前記排気筒内のスクラビング用液に不活性ガスを供給する不活性ガス供給系統を設置することを特徴とする原子力プラントの改造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−230078(P2012−230078A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99994(P2011−99994)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】