説明

除湿装置

【課題】 水分の除去効率が低下することを抑制しつつコンパクト化された除湿装置を提供することを課題としている。
【解決手段】 水を電気分解して生成された水素及び酸素の少なくとも何れか一方の被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備え、吸着筒が、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより吸着した水分を脱離させる加熱部とを有している除湿装置であって、複数の前記吸着筒が備えられ、該吸着筒の内の一吸着筒が他吸着筒に並行するように備えられており、前記一吸着筒及び前記他吸着筒の一端側にて吸着筒同士を互いに連結する連結部をさらに備え、前記一吸着筒の前記収容領域を流通した前記被処理ガスが、前記連結部を経て前記他吸着筒の前記収容領域を流通するように構成されていることを特徴とする除湿装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水分を含む被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えた除湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備えた除湿装置としては、様々なものが知られており、例えば、吸着筒が、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体の外周に沿って配され且つ前記吸着剤を加熱することにより吸着した水分を脱離させる加熱部とを有しているものが知られている(特許文献1)。
【0003】
斯かる除湿装置は、複数の吸着筒を備え、具体的には、2本の吸着筒がそれぞれ交互に被処理ガスの水分を吸着できるように構成されている。即ち、1本の吸着筒にて被処理ガスの水分を吸着している間に、もう1本の吸着筒にて、吸着剤から水分が脱離され該吸着剤が再生されるように構成されている。より具体的には、1本の吸着筒にて、被処理ガスの水分を吸着させつつ、もう1本の吸着筒にて、水分を吸着した吸着剤を加熱部によって加熱することにより吸着剤から水分を脱離させ、さらに吸着剤を冷却できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−149890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、水素−酸素発生装置によって水を電気分解して水素と酸素とを発生させ、得られた水素ガスや酸素ガスをボンベに詰めて利用することが行われている。
水を電気分解して得られるガスには水分が含まれているために、ボンベ詰めを行う前に前記除湿装置を用いて水分を除去することが行われている。
また、ボンベ詰めを行わない場合でも、ガスに水分が含まれているとドレンを生じる問題がある点、及び、ガスにおいて不純物となる水分を除去するという点で、除湿装置を用いてガスの水分を除去することが行われている。
近年、例えば、自動車などの移動体に積載して水素ガスや酸素ガスの消費地まで水素−酸素発生装置を搬送し、該消費地においてこれらのガスを発生させることが要望されるようになってきている。
このようなことから水素−酸素発生装置のみならず前記除湿装置にはコンパクト化が要求されるようになってきているが、これまで据置利用することを想定されてきたこれらの装置をコンパクト化させることは殆ど検討されておらず、その解決策も十分に確立されていない。
従って、上記要望を満足させることが困難な状況になっている。
【0006】
なお、除湿装置は、単純にサイズダウンすると吸着筒が比較的早期に水分吸着能力を低下させてしまうおそれがあり、吸着剤を再生するためにその機能を頻繁に停止させる必要が生じるおそれがある。
【0007】
従って、吸着筒は、水分の除去効率の観点からは、細長い形状にして吸着剤の収容量を確保しつつ該吸着剤の加熱冷却効率を向上させることが望ましい。しかしながら、吸着筒を長大なものにすると、除湿装置の設置スペースに制約が生じ、コンパクト化の要望を十分満足させることが困難となる。
【0008】
本発明は、上記の観点等に鑑み、水分の除去効率が低下することを抑制しつつコンパクト化された除湿装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明に係る除湿装置は、水を電気分解して生成された水素及び酸素の少なくとも何れか一方の被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備え、吸着筒が、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより吸着した水分を脱離させる加熱部とを有している除湿装置であって、複数の前記吸着筒が備えられ、該吸着筒の内の一吸着筒が他吸着筒に並行するように備えられており、前記一吸着筒及び前記他吸着筒の一端側にて吸着筒同士を互いに連結する連結部をさらに備え、前記一吸着筒の前記収容領域を流通した前記被処理ガスが、前記連結部を経て前記他吸着筒の前記収容領域を流通するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
上記構成からなる除湿装置においては、複数の前記吸着筒が備えられ、該吸着筒の内の一吸着筒が他吸着筒に並行するように備えられており、前記一吸着筒及び前記他吸着筒の一端側にて吸着筒同士を互いに連結する連結部をさらに備え、前記一吸着筒の前記収容領域を流通した前記被処理ガスが、前記連結部を経て前記他吸着筒の前記収容領域を流通するように構成されていることから、被処理ガスが前記一吸着筒及び前記他吸着筒を流通する間に、被処理ガスの流通方向が逆になる。従って、前記除湿装置は、長い吸着筒が折畳まれたような状態になっており、水分の除去効率が低下することを抑制しつつ設置スペースに制約が生じるおそれを抑制させ得る。
【0011】
本発明の除湿装置は、さらに前記吸着筒が、周方向に沿って延在するフィンを複数備えていることが好ましい。また、複数の前記吸着筒へ外方側から送風することより該吸着筒内の吸着剤を冷却する送風機をさらに備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
上述の通り、本発明の除湿装置は、水分の除去効率が低下することが抑制されつつコンパクト化されているという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】除湿装置の概略を表した概略図。
【図2】除湿装置の概略を表した概略図。
【図3】除湿装置の吸着筒及び連結部の断面を模式的に表した模式図。
【図4】除湿装置の吸着筒及び連結部の断面を模式的に表した模式図。
【図5】除湿装置の吸着筒の断面を模式的に表した模式図。
【図6】支持部材の変形例を表した図。
【図7】支持部材の変形例を表した図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る除湿装置の実施形態について説明する。
本実施形態の除湿装置は、水を電気分解して生成された水素及び酸素の少なくとも何れか一方の被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備え、吸着筒が、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより吸着した水分を脱離させる加熱部とを有している除湿装置であって、複数の前記吸着筒が備えられ、該吸着筒の内の一吸着筒が他吸着筒に並行するように備えられており、前記一吸着筒及び前記他吸着筒の一端側にて吸着筒同士を互いに連結する連結部をさらに備え、前記一吸着筒の前記収容領域を流通した前記被処理ガスが、前記連結部を経て前記他吸着筒の前記収容領域を流通するように構成されている。
【0015】
具体例として、被処理ガスの水分を除去する前記吸着筒を複数含んだ吸着ユニットを複数組備えた除湿装置を挙げて、本実施形態について図面を参照しつつさらに詳しく説明する。
図1は、本実施形態の除湿装置の上下方向断面を概略的に表した概略図である。
【0016】
本実施形態の除湿装置1において水分が除去される被処理ガスAは、水を電気分解して生成されるものであり、水素及び酸素の少なくとも何れか一方である。
前記被処理ガスAは、水を電気分解することにより生成されるため、通常、水分を含んでいる。また、前記被処理ガスAは、前記除湿装置1によって水分が除去されて様々な用途で利用され得る。
本実施形態の除湿装置1と組み合わせて用いられる前記被処理ガスAを生成する装置、即ち、水を電気分解して水素及び酸素を生成するための装置としては、従来公知の一般的なものを用いることができる。
本実施形態においては、吸着剤31を備えた吸着筒21内を被処理ガスAが流通できるように、大気圧を超える圧力をかけた前記被処理ガスAが前記除湿装置1に供給される場合を例にして、当該除湿装置1を説明する。
【0017】
本実施形態の除湿装置1には、図1に示すように、被処理ガスAから水分を除去するための吸着ユニットが2組(71,72)備えられており、この2組の吸着ユニットの内の一方(以下「第1吸着ユニット(71)」ともいう)と、他方(以下「第2吸着ユニット(72)」ともいう)とは、同じ構成となっている。
【0018】
前記除湿装置1は、例えば、図1に示すように、前記被処理ガスAを前記第1吸着ユニット71又は前記第2吸着ユニット72へ供給するように構成された供給配管10と、該供給配管10に取り付けられた供給弁11と、前記第1吸着ユニット71又は前記第2吸着ユニット72にて水分が除去された被処理ガスA(以下「乾燥ガス」ともいう)を除湿装置1外へ排出する排出配管12と、該排出配管12に取り付けられた排出弁13とを備えている。
【0019】
前記供給配管10は、第1吸着ユニット71及び第2吸着ユニット72をつなぐように配されている。また、配管の途中に前記供給弁11が取り付けられている。前記供給配管10は、前記供給弁11より第1吸着ユニット71側が第1供給配管10aとなっており、前記供給弁11より第2吸着ユニット72側が第2供給配管10bとなっている。
前記供給弁11は、除湿装置1外から供給された被処理ガスAを第1供給配管10a又は第2供給配管10bのいずれかに送るように構成されている。
前記第1供給配管10aは、一端側に取り付けられた供給弁11から被処理ガスAを第1吸着ユニット71に供給できるように構成されている。
前記第2供給配管10bは、一端側に取り付けられた供給弁11から被処理ガスAを第2吸着ユニット72に供給できるように構成されている。
斯かる構成により、除湿装置1外から供給された被処理ガスAは、供給弁11を経て、第1供給配管10a又は第2供給配管10bのいずれかに供給される。
【0020】
前記排出配管12は、第1吸着ユニット71及び第2吸着ユニット72をつなぐように配されている。また、配管の途中に前記排出弁13が取り付けられている。前記排出配管12は、前記排出弁13より第1吸着ユニット71側が第1排出配管12aとなっており、前記排出弁13より第2吸着ユニット72側が第2排出配管12bとなっている。
前記排出弁13は、第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれかにおいて生じ、第1排出配管12a又は第2排出配管12bを経て送られてきた乾燥ガスを、除湿装置1外へ排出するように構成されている。
前記第1排出配管12aは、第1吸着ユニット71において生じた乾燥ガスを第1吸着ユニット71から排出し、前記排出弁13に送るように構成されている。
前記第2排出配管12bは、第2吸着ユニット72において生じた乾燥ガスを第2吸着ユニット72から排出し、前記排出弁13に送るように構成されている。
斯かる構成により、第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72において生じた乾燥ガスが、排出弁13を経て、除湿装置1外へ排出される。
【0021】
即ち、前記除湿装置1は、供給弁11によって被処理ガスAの供給先を第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれか一方へ変更し、被処理ガスAがいずれかの供給配管(10a,10b)を経て第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれか一方へ供給できるように構成されている。また、乾燥ガスが、排出弁13によって第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれか一方から排出配管12を経て、除湿装置1外へ排出されるように構成されている。
前記除湿装置1は、上記のごとく構成されていることから、前記第1吸着ユニット71内にて、複数の吸着筒が前記被処理ガスAの水分を吸着している間、前記第2吸着ユニット72内にて、複数の吸着筒に収容され既に水分を吸着した吸着剤31が、加熱により水分を脱離し、加熱再生され得る。
【0022】
また、前記除湿装置1は、第1供給配管10aと第2供給配管10bとにそれぞれ取り付けられた放出弁14a及び14bを備えており、前記第1吸着ユニット71で被処理ガスAの水分除去を行いつつ第2吸着ユニット72の吸着剤を加熱再生させた際に、前記排出弁13及び前記第2排出配管12bを通じて一部の乾燥ガスを第2吸着ユニット72に逆流させ、前記加熱再生によって第2吸着ユニット72内に発生した水蒸気を第2供給配管10bに取り付けられた前記放出弁14bを通じて系外に放出できるように構成されている。
一方、前記第2吸着ユニット72で被処理ガスAの水分除去を行いつつ第1吸着ユニット71の吸着剤を加熱再生させた際には、排出弁13及び第1排出配管12aを通じて一部の乾燥ガスを第1吸着ユニット71に逆流させて、第1供給配管10aに取り付けられた前記放出弁14aを通じて、第1吸着ユニット71内に発生した水蒸気を系外に放出できるように構成されている。
【0023】
前記除湿装置1は、上記のごとく構成されていることから、例えば、前記第1吸着ユニット71で被処理ガスAとしての水素ガスの水分除去を行いつつ、第2吸着ユニット72の吸着剤を加熱再生させることができる。この際、前記排出弁13及び前記第2排出配管12bを通じて、水分が除去された水素ガスの一部を第2吸着ユニット72に逆流させ、前記加熱再生によって第2吸着ユニット72の吸着筒内に発生した水蒸気を、第2供給配管10bに取り付けられた前記放出弁14bを通じて系外に放出できる。そして、水分が除去された水素ガスの逆流により、第2吸着ユニット72内の吸着剤を冷却することができる。同様にして、第2吸着ユニット72で水素ガスの水分除去を行いつつ、第1吸着ユニット71の吸着剤を加熱再生及び冷却させることもできる。
【0024】
各吸着ユニットは、並行するように配された複数の吸着筒を含み、好ましくは2つ以上の吸着筒、より好ましくは3つ以上の吸着筒、さらに好ましくは4つ以上の吸着筒を含んでいる。複数の吸着筒が並行するように配されているため、同じ数の吸着筒が直列的に並ぶことによる除湿装置1の長大化が抑制されている。
【0025】
前記除湿装置1は、具体的には、図1に示すように、被処理ガスAの流通方向が上下方向となるように且つ互いに並行するように列をなして順に配された4本の第1吸着筒21〜第4吸着筒24を備えた第1吸着ユニット71と、同様に配された4本の吸着筒を備えた第2吸着ユニット72とを備えている。
また、第1吸着ユニット71及び第2吸着ユニット72は、それぞれ3つの前記連結部を備え、各吸着ユニットは、互いに隣り合う吸着筒同士が一端側にてそれぞれの連結部によって連結されるように構成されている。
そして、各吸着ユニット71,72は、被処理ガスAが、ユニット内に配された4本の吸着筒の収容領域及び3つの前記連結部を順に流通するように構成されている。
【0026】
より具体的には、第1吸着ユニット71においては、図1に示すように、第1吸着筒21及び第2吸着筒22が上側にて第1連結部61により連結され、第2吸着筒22及び第3吸着筒23が、下側にて第2連結部62により連結されている。同様に、第3吸着筒23及び第4吸着筒24が、第3連結部63により連結されており、該第3連結部63が、第1連結部61と同じ上側に配されている。
また、第1吸着筒21及び第2吸着筒22を連結した第1連結部61は、第1吸着筒21の収容領域と第2吸着筒22の収容領域とを連通する連通管61aを備えている。同様に、第2連結部62及び第3連結部63は、それぞれ連通管62a及び63aを備えている。
そして、第1吸着ユニット71においては、互いに隣り合う吸着筒の流通領域が、連結部に備えられた連通管によって連通している。これにより、第1吸着ユニット71は、被処理ガスAが、第1吸着筒21から第4吸着筒24まで、それぞれの連通管を経て順に流通するように構成されている。第2吸着ユニット72においても同様である。
【0027】
前記除湿装置1は、上記のごとく構成されていることから、被処理ガスAが第1吸着ユニット71における第1吸着筒21から第4吸着筒24を流通する間に、被処理ガスAの流通方向が複数回逆になる。即ち、被処理ガスAの流通方向がジグザクになるように構成されている。前記除湿装置1は、被処理ガスAの流通経路の長さが同じであるならば、被処理ガスAの流通経路の方向がジグザグになるように構成されている分、コンパクト化されている。第2吸着ユニット72についても同様である。
【0028】
前記除湿装置1は、複数の前記吸着筒へ外方側から送風することより該吸着筒内の吸着剤を冷却する送風機15をさらに備えていることが好ましい。具体的には、前記除湿装置1は、例えば図1に示すように、吸着ユニット71,72をそれぞれ含むように備えられた筐体内に、前記送風機15をそれぞれ備えていることが好ましい。
前記送風機15は、回転することにより送風できる複数のファン15aを有しており、前記筐体の一端側(例えば図1の右側に示す)に配されている。
前記送風機15を作動させて吸着筒の周囲へ送風することにより、筐体内に設置された吸着筒の外側表面に空気を当て、吸着筒に収容された吸着剤を冷却することができる。
なお、前記送風機15は、吸着筒の筒本体の筒軸方向に垂直な方向に沿って送風するように構成されていることが好ましい。
【0029】
上記のごとく、本実施形態の除湿装置1においては、第1吸着ユニット71内に配された複数の吸着筒のうち、隣り合う一吸着筒及び他吸着筒の一端側が上側となり、上側にて吸着筒同士が連結部によって連結されている。具体的には、前記除湿装置1は、例えば一吸着筒としての第1吸着筒21及び他吸着筒としての第2吸着筒22の上側にて吸着筒同士が第1連結部61によって連結され、第1吸着筒21の収容領域を流通した被処理ガスが第1連結部61を経て第2吸着筒22の収容領域を流通するように構成されている。
【0030】
次に、前記除湿装置1の変形例について説明する。図2は、前記除湿装置1の変形例の水平方向断面を概略的に表した概略図である。斯かる除湿装置においては、被処理ガスAの流通方向が水平方向となるように複数の吸着筒が備えられている。
【0031】
図2に示す変形例の除湿装置1は、上述した図1に示す除湿装置1と同様に、前記第1吸着ユニット71及び前記第2吸着ユニット72を備え、各吸着ユニットが、それぞれ4本の吸着筒を備えている。各吸着ユニットは、図1に示す除湿装置1と同様に、被処理ガスAが供給されることにより、被処理ガスAに含まれる水分を除去できるように構成されている。
各吸着ユニットにおいては、被処理ガスAの流通方向が水平方向となるように4本の吸着筒が配され、且つ4本の吸着筒が互いに並行するように配されている。
各吸着ユニットは、それぞれ2つの連結部を有し、各吸着ユニットにおいては、4本の吸着筒の一端側が一方の連結部により、他端側がもう一方の連結部により連結されている。
【0032】
第1吸着ユニット71を例に具体的に説明すると、該ユニット内の2つの連結部(64,65)は、図2に示すように、4本の吸着筒全てを両端側にてそれぞれ連結している。4本の吸着筒の一端側に配され該一端側にて4本の吸着筒(21〜24)を連結した連結部64は、第1吸着筒21の収容領域と第2吸着筒22の収容領域とを連通する連通管64aと、第3吸着筒23の収容領域と第4吸着筒24の収容領域とを連通する連通管64bとを備えている。一方、4本の吸着筒の他端側に配され該他端側にて4本の吸着筒(21〜24)を連結した連結部65は、第2吸着筒22の収容領域と第3吸着筒23の収容領域とを連通する連通管65aを備えている。
斯かる構成により、前記除湿装置1において、第1吸着ユニット71に供給された水分を含む被処理ガスAは、第1吸着筒21から第4吸着筒24まで順に流通している間に、水分が除去され、そして、第1吸着ユニット71から排出される。
【0033】
また、除湿装置1は、図2に示すように、既に水分が除去され貯留されていた水素ガスBを各吸着ユニットの下流側から供給し逆流させる冷却配管16を備えていてもよい。即ち、被処理ガスAの流通方向の逆方向に前記水素ガスBなどの乾燥ガスを流すための冷却配管16を備えていてもよい。
該冷却配管16は、第1吸着ユニット71及び第2吸着ユニット72をつなぐように配され、配管の途中に乾燥ガス弁17が取り付けられている。冷却配管16は、乾燥ガス弁17より第1吸着ユニット71側が第1冷却配管16aとなっており、第2吸着ユニット72側が第2冷却配管16bとなっている。
前記乾燥ガス弁17は、前記水素ガスBを第1冷却配管16a又は第2冷却配管16bのいずれかに送るように構成されている。
前記第1冷却配管16aは、一端側に取り付けられた乾燥ガス弁17から前記水素ガスBを第1吸着ユニット71に供給できるように構成されている。
前記第2冷却配管16bは、一端側に取り付けられた乾燥ガス弁17から前記水素ガスBを第2吸着ユニット72に供給できるように構成されている。
斯かる構成により、水分が除去された水素ガスBは、乾燥ガス弁17を経て、第1冷却配管16a又は第2冷却配管16bのいずれかに送られる。また、第1冷却配管16a又は第2冷却配管16bのいずれかから供給された水素ガスBが、第1吸着ユニット71及び第2吸着ユニット72のいずれか一方を逆流して流通することにより、各ユニットに含まれる吸着剤が冷却される。なお、冷却のために使用された水素ガスBは、上述した放出弁14a又は14bから排出される。
【0034】
続いて、前記除湿装置1の吸着筒及び連結部の断面を模式的に表した模式図を参照しつつ、さらに詳しく説明する。
【0035】
図3は、図1に示した前記除湿装置1の第1吸着ユニットにおける吸着筒及び連結部の上下方向断面を模式的に表した模式図である。図4は、前記除湿装置1の変形例における吸着筒及び連結部を被処理ガスの流通方向に沿って切断した断面を模式的に表した模式図である(第2吸着筒22は図示していない)。図5(a)及び(b)は、除湿装置1に備えられた吸着筒を、被処理ガスの流通方向及び該方向に垂直な方向に沿って切断したそれぞれの断面を模式的に表した模式図である。
【0036】
前記吸着筒21に備えられた前記筒本体41は、例えば円筒状に形成され、前記被処理ガスAに含まれる水分を吸着する吸着剤31を収容できる収容領域を有するように形成され、図3に示すように吸着筒21に備えられている。
また、前記筒本体41には、被処理ガスAの流通方向の両端側にそれぞれ通気孔が形成されており、筒本体41は、一端側の通気孔から供給された被処理ガスAが、他端側の通気孔から排出されるように構成されている。また、前記筒本体41において少なくとも一端側の通気孔は、筒本体41の収容領域と連結部61に備えられた連通管61aの内側空間とを連通させるように形成されている。斯かる構成により、一端側の通気孔から供給された被処理ガスAは、筒本体内の収容領域及び他端側の通気孔を経て、連通管61aの内側空間へ送られる。
具体的には、前記第1吸着ユニットにおいて最初に被処理ガスが供給される第1吸着筒21は、第1吸着ユニット外から供給された被処理ガスが、他端側の通気孔を通って吸着剤31を収容した収容領域へ送られるように構成されている。また、前記第1吸着ユニットにおいて最後に被処理ガスの水分を吸着する第4吸着筒24は、乾燥ガスが他端側の通気孔を通って第1吸着ユニット外へ排出されるように構成されている。
【0037】
前記筒本体41は、折り曲げ加工が不要であるという点で、図3に示すように、例えば直管状に形成されていることが好ましい。筒本体41が直管状に形成されていることにより、比較的容易な加工により吸着筒21を作製できるという利点がある。
また、筒本体41が直管状であれば、吸着筒21が耐圧性を要する場合であっても、筒本体41や連結部61を構成する金属等の材料の厚みを適宜変更することによって、比較的容易に吸着筒21の耐圧性を調整することができる。
前記直管状の筒本体41としては、例えば、直径が0.7cm以上4cm以下のものが挙げられ、好ましくは1cm以上2cm以下のものが挙げられる。
【0038】
なお、前記筒本体41は、図4に示すように、外表面積をより広くすべく、少なくとも外面に被処理ガスAの流通方向に沿って凹凸が繰り返されるように形成されていてもよい。筒本体41の外面が上記のごとく形成されていることにより、該外面を被処理ガスAの流通方向に切断した断面においては、外方側へ突出した凸部8aと内方側へ凹んだ凹部8bとが繰り返されている。従って、筒本体41の外表面積がより広くなり、加熱により水分が脱離された吸着剤31を効率良く冷却させることができる。また、筒本体41の外表面積が同じであるならば、外表面積が広くなった分、冷却効率を同等に保ちつつ、筒本体41の長さを短くできるという利点もある。従って、筒本体41の外面が上記のごとく形成されていることにより、筒本体41がコンパクト化され得る。上記のごとく外面に被処理ガスAの流通方向に沿って凹凸が繰り返されるように形成された筒本体41としては、例えば、コルゲート管を用いることができる。
【0039】
前記加熱部51は、図3に示すように、例えば棒状に形成され、筒本体41の延在方向に沿って前記筒本体41内に配され、前記吸着筒21に備えられている。また、前記加熱部51は、図3に示すように、円筒状の筒本体41の中心軸に沿って配されていることが好ましい。
該加熱部51は、具体的には例えば、棒状の電気ヒータを備え、該電気ヒータにより筒本体41に収容された吸着剤31を加熱できるように構成されている。棒状の電気ヒータは、例えば、一端側が筒本体41の収容領域内に収容された前記吸着剤と接して設置され、他端側が連結部61を貫通して連結部61の外側まで延び(図示せず)、該他端側が加熱用電源に接続するように構成されている。なお、電気ヒータが連結部61を貫通している部分は、シールされることにより、水素ガスの漏洩や外気の混入が防止されている。
なお、加熱部51を構成する電気ヒータが棒状に形成され、しかも筒本体41が直管状に形成されていることにより、電気ヒータ及び筒本体41の折り曲げ加工を必ずしも要さず、筒本体41の中心軸に沿って電気ヒータを配置することが比較的容易なものとなる。
また、前記吸着筒21は、それぞれの筒本体に電気ヒータが収容され、各電位ヒータの加熱温度を個々に変えることができるように構成されていてもよい。斯かる構成により、吸着剤の加熱再生時に電気ヒータの温度を個別に変え、それぞれの吸着筒(例えば21〜24)毎に加熱を制御できることから、効率良く吸着筒を加熱できる。
【0040】
前記吸着筒21は、先行技術において示した筒本体の外周に沿って加熱部を配したものと異なり、筒本体41内に加熱部51が配されている。従って、筒本体41内の吸着剤31に直接的に熱が伝わりやすく、吸着剤31の加熱が効率良く行われ得る。また、筒本体の外周に沿って加熱部を配した場合と異なり、筒本体の外周に保温材を設けること等を必ずしも要さない。即ち、吸着剤を加熱する熱をできるだけ効率良く外方側から吸着剤に伝えるべく加熱部の外方側に保温材を設けること等を必ずしも要さない。従って、保温材による冷却効率の低下がない分、冷却時間が短くなる。また、外周に沿った保温材がないと、前記送風機15による冷却においても冷却効率が良好なものとなる。
このように、前記吸着筒21は、筒本体41内に加熱部51が配されていることから、吸着剤31を加熱及び冷却する時間が短くなり得るものである。
【0041】
ところで、前記除湿装置1は、上述したように、2組の吸着ユニットがそれぞれ交互に被処理ガスの水分を吸着できるように構成されている。即ち、一方の吸着ユニット内にて複数の吸着筒が被処理ガスの水分を吸着している間、他方の吸着ユニット内にて吸着剤が加熱再生されるように構成されている。また、加熱再生後の吸着剤を冷却させるために、乾燥水素ガスなどの乾燥ガスを逆流させることによって吸着剤を冷却するように構成されている。
前記除湿装置1が、上記のごとく構成されていると、通常、被処理ガスの水分吸着に要する時間と、吸着剤の加熱再生及び冷却とに要する時間とが同じとなるように調整する。従って、一方の吸着ユニットにおける吸着剤の冷却効率が良好であり冷却時間が短いと、他方の吸着ユニットにおける被処理ガスの水分吸着のための時間を短くできる。従って、被処理ガスの水分吸着のための時間が短くできる分、他方の吸着ユニットにおける吸着剤の量を少なくできる。
以上のように、前記除湿装置1は、吸着剤31の加熱及び冷却時間を短くできる前記吸着筒21を備えている点、吸着剤の量を比較的少なくすることができる点において、コンパクト化され得る。
なお、吸着剤の量を少なくすると、冷却のために逆流させる乾燥ガスの量を少なくできる。該乾燥ガスは、一方の吸着ユニットにおいて水分を吸着させた目的物の一部であり、吸着剤の冷却のために使用する該乾燥ガスの量は、できるだけ少ないことが好ましい。
【0042】
前記加熱部51と前記筒本体41との間の領域は、図3に示すように、前記吸着剤31を収容する収容領域となる。前記吸着剤31は、前記収容領域のほぼ全てを占めるように前記吸着筒21に備えられ得る。
【0043】
なお、前記吸着筒21は、前記筒本体41内に配され加熱部51を支持できるように構成された支持部材18を備え、該支持部材18によって前記加熱部51が支持されていてもよい。支持部材18の具体例を図5〜7に示す。
【0044】
具体的には、前記支持部材18としては、例えば、図5に示すように、加熱部51の外周に線材が巻回されてなる巻回部18aと、巻回部から外方側へ筒本体41の内側面に向けて線材が放射状に延びてなる複数の脚部18bと、該脚部18bの外方側端部を折り曲げることにより筒本体41の内側面に沿って線材が配され、折り曲げられた線材の反発弾性力により筒本体41の内側面を押圧するように構成された複数の押圧部18cとを備えたものを用いることができる。
【0045】
斯かる支持部材18は、例えば、円筒状の空間を形成させるように金属線材を螺旋状に巻回し、螺旋状に巻回した後に筒本体の内側面に当接するまで金属線材を放射状に延ばし、さらに金属線材を折り曲げて筒本体の内側面に沿うように延ばし、その後放射方向と反対方向へ金属線材を折り返して形成されている。
上記のごとき支持部材18は、複数の押圧部18cの反発弾性力により筒本体41内における移動が規制されている。即ち、筒本体41内において、巻回部18aの位置が固定されている。これにより、支持部材18は、巻回部18aを介して棒状の加熱部51の移動を規制しており、加熱部51を支持することができる。
【0046】
さらに、前記支持部材18の変形例を図6に示す。図6(a)は、加熱部51の延在方向に垂直な面で切断した斯かる変形例の断面図であり、図6(b)は、斯かる変形例の斜視図である。
前記支持部材18の斯かる変形例は、図6に示すように、丸棒状の加熱部51を覆うように3つの三割管体が組み合わされてなる管状部18pと、前記三割管体の両端からそれぞれ外方に延びる矩形板状のフランジ部18qとを有し、前記三割管体の両端から延びる合計6枚のフランジ部18qは、隣り合うもの同士が2枚重ね合わされて前記管状部18pの中心から3方に放射状に延びる板状支持脚を形成しており、該板状支持脚の先端を筒本体41の内面に当接させて前記管状部18pに挿通させた棒状の加熱部51を前記筒本体41の中心部において支持し得るように形成されている。
斯かる支持部材18は、例えば、一枚の短冊状の金属板を折り曲げ加工したものが3つ組み合わされて形成されており、具体的には、フランジ部18qが重ね合わされて前記板状支持脚が形成され、フランジ部18qが前記金属板の両端部によって形成されている。また、重ね合わされているフランジ部18qにおいては、先端部よりも管状部18p寄りの位置においてスポット溶接Zされて接合がなされている。
なお、斯かる支持部材18においては、管状部18pの中心から前記板状支持脚の先端に延びる仮想線間の角度が120°となるように、前記板状支持脚が配されている。
【0047】
金属製の脚部18b又はフランジ部18qを備えた支持部材18を用いることにより、金属が吸着剤よりも熱伝導性が高いことから、金属製でない支持部材18を用いた態様と比べて、加熱部51による加熱時に、加熱部51から離れた位置に存在する吸着剤まで、脚部18b又はフランジ部18qにより加熱部51からの熱を伝えやすくなり、吸着剤全体を効率よく加熱することができるという利点がある。
また、金属板で形成され且つフランジ部18qを有する前記支持部材18(図6、図7等参照)を用いることにより、金属線材で形成されている支持部材18(図5等参照)を用いた態様と比べて、加熱部51と支持部材18との接触効率がより高まり、支持部材18と吸着剤との接触面積がより大きくなるため、加熱部51から離れた位置に存在する吸着剤まで、フランジ部18qにより加熱部51からの熱をより伝えやすくなり、吸着剤全体をより効率よく加熱することができるという利点がある。
また、前記支持部材18を金属板で形成することが比較的容易であることから、金属板で形成された支持部材18(図6、図7等参照)を用いることにより、金属線材で形成された上述の支持部材18(図5等参照)を用いる場合と比べて、装置の制作コストを抑えやすいという利点がある。
【0048】
また、前記支持部材18のさらなる変形例を図7に示す。図7(a)は、加熱部51の延在方向に垂直な面で切断した斯かる変形例の断面図であり、図7(b)は、斯かる変形例の斜視図である。
前記支持部材18の変形例は、図7に示すように、一対の半割管体が組み合わされてなる管体部18xと、前記半割管体の両端からそれぞれ外方に延びるフランジ部18yとを有し、該フランジ部18yが前記半割管体の一端側で重ね合わされて接合されているとともに、他端側では互いに離間する方向に延びて前記管体部18xの中心から3方に放射状に延びる板状支持脚を形成しており、該板状支持脚の先端を筒本体41の内面に当接させて前記管体部18xに挿通させた棒状の加熱部51を前記筒本体41の中心部において支持し得るように形成されたものである。
前記管体部18xは、フランジ部18y同士が接合されている側において半割管体同士の相対位置が略固定された状態となっているものの他方においては半割管体同士を離間させ得るように形成されており、その径をある程度の範囲において拡縮自在に変化させ得るように形成されている。
斯かる支持部材18は、例えば、一枚の短冊状の金属板を折り曲げ加工して形成されており、重ね合わされているフランジ部18yを除く2つのフランジ部18yは、前記金属板の両端部によって形成されている。一方で、重ね合わされているフランジ部18yは、前記金属板の折り目となる先端部において互いに接合されており、該先端部よりも管体部18x寄りの位置においてスポット溶接Zされてさらなる接合がなされている。
なお、斯かる支持部材18においては、管体部18xの中心から前記板状支持脚の先端に延びる仮想線間の角度が120°となるように、前記板状支持脚が配されている。しかも、管状部18pの中心から前記板状支持脚の先端に延びる仮想線に沿って3つの板状支持脚が配された支持部材(図6で示した変形例)と異なり、半割管体の他端側から延びる2つの板状支持脚は、前記仮想線に沿うように配されていない。
【0049】
前記吸着筒21は、図4に示すように、周方向に沿って延在し筒本体41の外面から外方側へ延びる複数のフィン9をさらに備えていてもよい。前記吸着筒21が複数のフィン9をさらに備えていることにより、吸着筒21の外表面積がより広くなり、加熱により水分が脱離された吸着剤31を効率良く冷却させることができる。また、吸着筒21の外表面積が同じであるならば、フィン9によって外表面積が広くなった分、冷却効率を同等に保ちつつ、吸着筒21の長さを短くできるという利点もある。従って、吸着筒21が複数のフィン9をさらに備えていることにより、吸着筒21がコンパクト化され得る。
【0050】
前記吸着筒21は、筒本体41が径の異なる2つの筒状体(図示せず)を備え、各筒状体の筒軸が一致するように配し筒状体の間に空間を設けるように構成されていてもよい。即ち、径の大きい外筒体の内側に径の小さい内筒体を配してなる筒本体41は、両筒体の間の空間を流体が流通するように構成されていてもよい。上記のごとく構成されていることにより、吸着剤31を冷却する際に、内筒体と外筒体との間に水や不凍液などの冷媒を流通させることができ、筒本体41に収容された吸着剤31をより効率よく冷却することができる。
また、前記吸着筒21は、筒本体41の外周に巻き付けられ冷媒を流通させる冷媒管(図示せず)をさらに備えていてもよい。該冷却用配管に水や不凍液などの冷媒を流通させることにより、筒本体41に収容された吸着剤31をより効率よく冷却することができる。
【0051】
前記吸着剤31としては、従来公知の一般的なものが挙げられ、具体的には、例えば、粒状の合成ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ等が挙げられる。
【0052】
前記連結部61は、図3に示すように、前記第1吸着筒21と、該第1吸着筒21に並行するように配された前記第2吸着筒22とを一端側にて互いに連結している。また、前記連結部61は、第1吸着筒21の収容領域と第2吸着筒22の前記収容領域とが連通するように形成された連通管61aを備えている。斯かる構成により、第1吸着筒21の収容領域を流通した被処理ガスAが、連通管61aを経て、さらに第2吸着筒22の収容領域を流通できる。
【0053】
さらに、前記除湿装置1の使用方法について説明する。
前記除湿装置1においては、被処理ガスAが、吸着剤31を備えた複数の吸着筒を流通することにより、被処理ガスAに含まれる水分を吸着剤31に吸着させ、被処理ガスAに含まれる水分を除去することができる。
また、前記除湿装置1においては、上述したように、例えば図1に示す供給弁11を操作することにより、水分を含む被処理ガスAを第1吸着ユニット71へ供給し、第1吸着ユニット71にて被処理ガスAの水分を吸着剤31に吸着させることができる。一方、第1ユニットにて被処理ガスAの水分を吸着剤31に吸着させている間、第2吸着ユニット72にて、加熱部51を加熱することにより既に水分を吸着した吸着剤31から水分を脱離させ、吸着剤31を加熱再生させることができる。
前記除湿装置1においては、加熱部51により加熱され水分を脱離した吸着剤31を冷却するために、上述したように、乾燥した水素ガスなどの冷却用の乾燥ガスを逆流させて吸着筒(例えば21〜24)に流通させることができる。また、例えば、加熱部51の加熱を止めた後、放置することにより吸着剤31を冷却することができる。
【0054】
前記除湿装置1においては、所定の時間間隔をあけて、上述したように水分を含む被処理ガスAの供給先を第1吸着ユニット71又は第2吸着ユニット72のいずれか一方へ変えることにより、被処理ガスAの除湿を一端止めることなく、連続的に行うことができる。
【0055】
また、前記除湿装置1においては、加熱された吸着剤31を冷却するために、吸着剤31を収容した吸着筒へ外方側から送風することができる。即ち、上述した送風機15を作動させ、冷却のための空気を吸着筒(例えば21〜24)の周囲に流通させることで、各吸着ユニット内における複数の吸着筒に収容された吸着剤31を冷却することができる。
また、上述したように、径の異なる内筒体と外筒体とで構成された筒本体を備えた吸着筒を用いて、内筒体と外筒体との間に水や不凍液などの冷媒を流すことにより、筒本体内にある吸着剤を冷却することができる。また、上述したように、筒本体41の外周に巻き付けられ冷媒を流通させる冷媒管を用いて、該冷媒管内に冷媒を流すことにより、筒本体に収容された吸着剤31を冷却することができる。このようにして吸着剤を冷却することにより、冷却効率がより優れたものとなる。
さらには、内筒体と外筒体とを備えた吸着筒を用いた冷却、前記冷媒管を用いた冷却、前記送風機15を用いた冷却を組み合わせて採用することもできる。
【0056】
本実施形態の除湿装置は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の除湿装置に限定されるものではない。
また、一般の除湿装置において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
【0057】
上記の実施形態においては、列をなして並行するように配された複数の吸着筒を備えた除湿装置について説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、例えば、一の吸着筒の周囲を他の複数の吸着筒が取り囲むように且つ互いに並行するように複数の吸着筒が備えられた除湿装置であってもよい。
【0058】
また、上記の実施形態においては、隣り合う吸着筒同士を互いに連結する連結部を備えた除湿装置について説明したが、例えば、隣り合わない吸着筒同士を互いに連結する連結部を備えた除湿装置であってもよい。
【0059】
また、上記の実施形態においては、例えば4つの吸着筒を有するユニットにおいて吸着剤を加熱再生するときに、下流側(排出弁13側)から乾燥ガスを供給し、水蒸気を含んだガスが全ての吸着筒を通過した後に放出弁14から放出されるように構成された除湿装置について説明したが、このような構成に限定されず、それぞれの吸着筒毎にドレン用の配管及び弁を設けて吸着剤の加熱再生時にそれぞれの吸着筒から水蒸気を含んだガスを放出できるように構成された除湿装置であってもよい。このような装置によれば、複数の吸着筒にガスの水分を吸着させる運転を行う時に、全ての吸着筒を通過して所定時間をかけて十分に乾燥された水素ガス等を得ることができ、一方、吸着剤を再生する時に、水蒸気を含んだ水素ガスを個々の吸着筒から放出させることにより、水蒸気を含んだ水素ガス等が上流側の吸着筒に流入することを抑制できることから、吸着筒ごとに吸着剤の再生を制御でき、効率的に除湿剤を再生することができる。
【符号の説明】
【0060】
1:除湿装置, 9:フィン
15:送風機
21〜24:吸着筒
31:吸着剤
41:筒本体
51:加熱部
61〜65:連結部
71:第1吸着ユニット, 72:第2吸着ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を電気分解して生成された水素及び酸素の少なくとも何れか一方の被処理ガスを流通させることにより該被処理ガスの水分を吸着する吸着筒を備え、該吸着筒が、水分を吸着する吸着剤と、該吸着剤を収容する収容領域を有する筒本体と、該筒本体内に配され且つ前記吸着剤を加熱することにより吸着した水分を脱離させる加熱部とを有している除湿装置であって、
複数の前記吸着筒が備えられ、該吸着筒の内の一吸着筒が他吸着筒に並行するように備えられており、前記一吸着筒及び前記他吸着筒の一端側にて吸着筒同士を互いに連結する連結部をさらに備え、
前記一吸着筒の前記収容領域を流通した前記被処理ガスが、前記連結部を経て前記他吸着筒の前記収容領域を流通するように構成されていることを特徴とする除湿装置。
【請求項2】
さらに前記吸着筒が、周方向に沿って延在するフィンを複数備えている請求項1記載の除湿装置。
【請求項3】
複数の前記吸着筒へ外方側から送風することより該吸着筒内の吸着剤を冷却する送風機をさらに備えている請求項1又は2に記載の除湿装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−43131(P2013−43131A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182864(P2011−182864)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】