説明

除草剤組成物

本発明は、プロスルホカルブ、並びに、ピコリナフェン、フルリドン、ノルフルラゾン、ジフルフェニカン、ベフルブトアミド、フルロクロリドン、フルルタモン、スルコトリオン、ベンゾフェナップ、ピラゾリネート、イソキサフルトール、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、アミトロール、フルオメツロン、クロマゾン、アクロニフェン、及びイソキサクロルトールから選択される少なくとも1種類の他の除草剤から成る除草有効成分の組合せ物を含む新規除草組成物に関する。それぞれの組合せ物は、有用植物作物、例えば、米、穀類、及びトウモロコシ作物に混じった雑草(イネ科の草と広葉雑草)のような望ましくない植生の選択的防除に好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは、有用植物作物に混じった雑草(イネ科の草及び広葉雑草)、特に、有用植物作物、例えば、米、穀類、及びトウモロコシ作物に混じったALS抵抗性雑草及びACCase抵抗性雑草のような望ましくない植生の選択的防除に好適である除草性有効成分の組合せ物を含む除草剤組成物に関する。
【0002】
本発明は、有用植物作物に混じった望ましくない植生と規定される雑草を防除する方法にも、そして防除が望まれる所で、例えば、望ましくない植生又はその存在場所に対して、作用する新規組成物の使用方法にも関する。
【0003】
本発明は、望ましくない植生の防除用の新規組成物の使用方法であって、(i)望ましくない植生の発芽以前(発芽前)に;(ii)望ましくない植生の発芽の後(発芽後)に;又は(iii)上記(i)と(ii)の両方に、防除が望まれる所で、例えば、望ましくない植生又はその存在場所に対して除草剤として有効な量の上記組成物を施用するステップを含む使用方法を提供する。
【背景技術】
【0004】
化合物であるプロスルホカルブ(683)、グループF1(PDS阻害剤)のピコリナフェン(646)、メソトリオン(515)、フルリドン(388)、ノルフルラゾン(584)、ジフルフェニカン(251)、ベフルブトアミド(beflubutamid)(55)、フルロクロリドン(389)、フルルタモン(392)、グループF2(4-HPPD阻害剤)のスルコトリオン(747)、ベンゾフェナップ(70)、ピラゾリネート(692)、イソキサフルトール(479)、ピラゾキシフェン(695)、ベンゾビシクロン(69)、グループF3(未知の標的)のアミトロール(25)、リコペン・シクラーゼ阻害剤のフルオメツロン(378)、アクロニフェン(8)、及びクロマゾン(159)、並びに農学的に許容されるその塩は、例えば、The e-Pesticide Manual、バージョン3.0、第13版、CDC Tomlin編、British Crop Protection Council、2003-2004年に記載されているような除草作用を示す。
【0005】
イソキサクロルトール([4-クロロ-2-(メチルスルホニル)フェニル](5-シクロプロピル-4-イソキサゾリル)メタノン)は、CAS(ケミカル・アブストラクツ)にRN 141112-06-3として登録され、そして、その除草作用はEP 470 856により知られている。
【発明の開示】
【0006】
驚いたことに、先に列挙したものからの少なくとも1種類の色素合成阻害剤(漂白)と、不定量のプロスルホカルブの組合せ物が、有用植物作物を目に見えるほどに損傷することなく、とりわけ有用植物作物の中に発生する雑草(イネ科の草と広葉雑草)の大部分、特に、有用植物作物、例えば、米、穀類、又はトウモロコシ作物に混じったALS抵抗性雑草及びACCase抵抗性雑草を、発芽前と発芽後の両方に、防除することができる相乗作用を示すことがここでわかった。
【0007】
これにより、本発明の第1の側面には、以下の:
a)プロスルホカルブ、並びに
b)群:ピコリナフェン、フルリドン、ノルフルラゾン、ジフルフェニカン、ベフルブトアミド、フルロクロリドン、フルルタモン、スルコトリオン、ベンゾフェナップ、ピラゾリネート、イソキサフルトール、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、アミトロール、フルオメツロン、クロマゾン、アクロニフェン、及びイソキサクロルトールの中の化合物から選択される少なくとも1種類の化合物、
を含む雑草の選択的防除用の新規除草剤組成物が存在する。
【0008】
本発明の第2の側面は、除草剤として有効量の第1の側面で規定された組成物を防除が望まれる所で作用させるステップを含む、有用植物作物に混じった望ましくない植生の防除方法を提供する。
【0009】
本発明の更なる側面は、有用植物作物に混じったALS抵抗性雑草又はACCase抵抗性雑草の防除方法であって、防除が望まれる所で、除草剤として有効量の、以下の:
(a)プロスルホカルブ、並びに
(b)群:メソトリオン、ピコリナフェン、フルリドン、ノルフルラゾン、ジフルフェニカン、ベフルブトアミド、フルロクロリドン、フルルタモン、スルコトリオン、ベンゾフェナップ、ピラゾリネート、イソキサフルトール、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、アミトロール、フルオメツロン、クロマゾン、アクロニフェン、及びイソキサクロルトールの中の化合物から選択される少なくとも1種類の化合物、
を含む組成物を作用させるステップを含む防除方法を提供する。
【0010】
本発明のそれぞれの側面の1つの態様において、除草剤組成物は、有効成分として本明細書中に規定される(a)及び(b)、そして、場合により1種類以上の製剤補助剤で本質的に構成され、より好ましくは、それらで構成される。
【0011】
本発明のそれぞれの側面の1つの態様において、1種類以上の更なる除草性有効成分が、(a)と(b)と組み合わせて除草剤組成物中に存在する。
それらの有効成分の組合せ物が防除されるべき雑草に対して原理上予想される相加効果を上回り、これにより、とりわけ2つの点:まず第一に、良好な作用レベルを維持しながら、個々の化合物の施用量を減少させる点、そして、第二に、個々の物質が低施用量の範囲において農耕学的見地から役に立たなくなる場合であっても、本発明による組成物は高水準の雑草防除を達成する点、において両方の有効成分の作用範囲を広げる(すなわち、相乗活性を実証する)ことは、非常に驚くべきことである。成果は、雑草の範囲の相当な広がり、及び有効成分の意図していない過剰施用事象において必要、且つ、望まれるような、有用植物作物についての選択性の更なる増強である。本発明による組成物は、有用植物作物に混じった雑草の優れた防除を維持する一方で、後作におけるより高い柔軟性をも許容する。
【0012】
特に効果的な組合せ物は、以下の:プロスルホカルブ+ピコリナフェン、プロスルホカルブ+フルリドン、プロスルホカルブ+ノルフルラゾン、プロスルホカルブ+ジフルフェニカン、プロスルホカルブ+ベフルブトアミド、プロスルホカルブ+フルロクロリドン、プロスルホカルブ+フルルタモン、プロスルホカルブ+スルコトリオン、プロスルホカルブ+ベンゾフェナップ、プロスルホカルブ+ピラゾリネート、プロスルホカルブ+イソキサフルトール、プロスルホカルブ+ピラゾキシフェン、プロスルホカルブ+ベンゾビシクロン、プロスルホカルブ+アミトロール、プロスルホカルブ+フルオメツロン、プロスルホカルブ+クロマゾン、プロスルホカルブ+アクロニフェン、及びプロスルホカルブ+イソキサクロルトールである。
【0013】
本発明の好ましい態様において、除草剤組成物は、有効成分としてプロスルホカルブ、ジフルフェニカン、及びペンジメタリン(621)を含み、好ましくは、本質的に、それらで構成され、より好ましくは、それらで構成される。
【0014】
非常に特に効果的であることがわかった組合せ物は、プロスルホカルブ+スルコトリオン、及びプロスルホカルブ+ピラゾリネートである。
本発明による組成物は、あらゆる混合比で言及された有効成分を含むが、通常、他より多いある成分が余る。有効成分の好ましい混合比は、50:1〜1:50である。
【0015】
施用量(有効量)は、幅広い制限の中で、且つ、土壌の性質、施用方法(発芽前若しくは後;種子粉衣;まき溝への施用;無耕農業施用など)、作物植物、防除されるべき雑草又はイネ科の草、一般的な気候条件、並びに、施用方法、特定の有効成分の組合せ物、施用時期、及び標的作物によって支配される他の要素にも依存して変化するかもしれない。本発明による有効成分の組合せ物は、一般に、1ヘクタールあたり0.05〜7kgの有効成分混合物の割合、好ましくは、1ヘクタールあたり1〜5kgの有効成分混合物の割合にて施用されることができる。
【0016】
本発明は、有用植物作物に混じったイネ科の草及び雑草の選択的防除方法であって、同時に又はいろいろな時期に本発明による組成物で有用植物、又はその耕作地若しくは存在場所を処理するステップを含む防除方法にも関する。
【0017】
本発明による組成物を使用できる有用植物作物には、特に米を含む。用語「作物」は、在来法の品種改良又は遺伝子工学の結果として除草剤又は除草剤クラス(例えば、ALS、GS、EPSPS、PRO、及びHPPD阻害剤)に抵抗性を持つようになった作物も同様に含んでいると理解されるべきである。在来法の品種改良によってイミダゾリノン、例えば、イマザモックス等に抵抗性を持つようになった作物の実例は、Clearfield(登録商標)夏菜種(Canola)である。遺伝子工学の方法によって除草剤に抵抗性を持つようになった作物の実例は、例えば、RoundupReady(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)の商品名で市販されているグリホセート及びグルホシネート抵抗性トウモロコシ品種を含む。防除されるべき雑草は、単子葉植物及び双子葉植物の雑草の両方、例えば、オモダカ種(Alisma spp.)、アゼガヤ、ハコベ属、ナスタチウム属、コヌカグサ属、メヒシバ属、カラスムギ属、エノコログサ属、シロガシラ属、ドクムギ属、ナス属、ヒエ属、特にイヌビエ若しくはタイヌビエ、ホタルイ属、ミズアオイ属、特にコナギ、オモダカ属、特にウリカワ、スズメノチャヒキ属、スズメノテッポウ属、モロコシ属、ツノアシアイ属、カヤツリグサ属、特にコゴメガヤツリ、イチビ属、キンゴジカ属、オナモミ属、ヒユ属、アカザ属、サツマイモ属、キク属、ヤエムグラ属、スミレ属、及びクワガタソウ属等であるかもしれない。
【0018】
作物は、遺伝子工学の方法によって害虫に抵抗性を持つようになったもの、例えば、Btトウモロコシ(ヨーロッパ・アワノメイガに対する抵抗性)、Bt綿花(綿花ゾウムシに対する抵抗性)、及びBtジャガイモ(コロラドハムシに対する抵抗性)であるとも理解されるべきである。Btトウモロコシの実例は、NK(登録商標)(Syngenta Seeds)のBt-176トウモロコシ雑種である。Bt毒素は、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)土壌細菌によって天然に産生されるタンパク質である。毒素及びそのような毒素を合成できるトランスジェニック植物の実例は、EP-A-451 878、EP-A-374 753、WO 93/07278、WO 95/34656、WO 03/052073、及びEP-A-427 529の中に記載されている。殺虫剤抵抗性をコードする1種類以上の遺伝子を含み、且つ、1種類以上の毒素を発現するトランスジェニック植物の実例は、KnockOut(登録商標)(トウモロコシ)、Yield Gard(登録商標)(トウモロコシ)、NuCOTIN33B(登録商標)(綿花)、Bollgard(登録商標)(綿花)、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)、NatureGard(登録商標)、及びProtexcta(登録商標)である。植物作物とそれらの種子材料は、除草剤と同時に昆虫の摂食に対しても抵抗性であるかもしれない(「積み重ね(stacked)」トランスジェニック事象)。種子は、例えば、殺虫的に活性なCry3タンパク質を発現する能力を持つと同時に、グリホセート抵抗性であるかもしれない。用語「作物」は、いわゆる生産特性(例えば、改良された風味、貯蔵安定性、栄養素含有量)を包含する、在来法の品種改良又は遺伝子工学の結果として得られた作物を含んでいるとも理解されるべきである。
耕作中の区域は、作物植物が既に成長している土地、並びにそれらの作物植物の耕作を目的とした土地を含んでいるものとして理解されるべきである。
【0019】
本発明による組成物は、修飾されていない形態で使用できる。しかしながら、本発明による組成物は、一般に、製剤補助剤、例えば、担体、溶剤、及び界面活性物質等を使用したさまざまな方法で処方される。製剤は、様々な物理的形態、例えば、粉剤、ゲル剤、水和剤、水和性顆粒剤、水和性錠剤、発泡性圧縮錠、乳剤、マイクロ乳剤(microemulsifiable concentrates)、水中油型エマルジョン、オイル・フロアブル剤、水性分散液剤(aqueous dispersions)、油性分散液剤(oily dispersions)、サスポエマルジョン、カプセル型エマルジョン、顆粒乳剤(emulsifiable granules)、水溶液剤(soluble liquids)、(担体として水又は水混和性有機溶媒を含む)水溶性液剤(water-soluble concentrates)、含浸させた重合体膜、又は例えば、the Manual on Development and Use of FAO Specifications for Plant Protection Products、第5版、1999年により知られる他の形態であってよい。そのような製剤は、そのまま使用されるか、又は使用前に希釈されるかもしれない。希釈される製剤は、例えば、水、液体肥料、微量栄養素、生物学的有機体、オイル、又は溶剤で調製することができる。
【0020】
製剤は、例えば、微粉固体、顆粒、溶液、分散液、又は乳濁の形態で組成物を得るために製剤補助剤と有効成分を混合することによって調製することができる。有効成分は、他の補助剤、例えば、微粉固体、鉱油、植物油、変性植物油、有機溶媒、水、界面活性物質、又はその組み合わせ物とも処方できる。有効成分は、重合体からできている非常に細かいマイクロカプセル内に含まれてもよい。マイクロカプセルは多孔性担体内に有効成分を含んでいる。これは、有効成分が制御された量(例えば、持続性放出)でそれらの周囲に放出されることを可能にする。マイクロカプセルは、通常、0.1〜500ミクロン(μm)の直径を持つ。それらは、カプセル剤の重さの約25〜95重量%の量の有効成分を含んでいる。有効成分は、単体の固体の形態で、固体若しくは液体分散中の微粒子の形態で、又は好適な溶液の形態で存在するかもしれない。カプセル化膜は、例えば、天然及び合成ゴム、セルロース、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタン、若しくは化学的に修飾された重合体、及びデンプン・キサンタート、又はこの件に関連する当業者に知られている他の重合体を含む。あるいは、その中で有効成分が基材から成る固体マトリックス中、微粉化された粒子の形態で存在するものが形成されることは、非常に微細なマイクロカプセルにとって可能であるが、その場合、そのマイクロカプセルはカプセル封入されない。
【0021】
本発明による組成物の調製に好適な製剤補助剤は、それ自体が知られている。液体担体として、以下のものが使用されるかもしれない:水、トルエン、キシレン、石油エーテル、植物油、アセトン、メチル・エチル・ケトン、シクロヘキサノン、酸無水物、アセトニトリル、アセトフェノン、酢酸アミル、2-ブタノン、炭酸ブチレン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、酢酸のアルキル・エステル、ジアセトン・アルコール、1,2-ジクロロプロパン、ジエタノールアミン、p-ジエチルベンゼン、ジエチレングリコール、アビエチン酸ジエチレングリコール、ジエチレングリコール・ブチルエーテル、ジエチレングリコール・エチルエーテル、ジエチレングリコール・メチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
【0022】
1,4-ジオキサン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコール・メチルエーテル、ジプロピレングリコール・ジベンゾエート、ジプロキシトール、アルキルピロリドン、酢酸エチル、2-エチル・ヘキサノール、エチレン・カーボナート、1,1,1-トリクロロエタン、2-ヘプタノン、α-ピネン、d-リモネン、乳酸エチル、エチレングリコール、エチレングリコール・ブチルエーテル、エチレングリコール・メチルエーテル、γ-ブチロラクトン、グリセロール、グリセロール・アセテート、グリセロール・ジアセテート、グリセロール・トリアセテート、ヘキサデカン、ヘキシレン・グリコール、
【0023】
酢酸イソアミル、酢酸イソボルニル、イソオクタン、イソホロン、イソプロピルベンゼン、イソプロピルミリステート、乳酸、ラウリルアミン、メシチルオキシド、メトキシプロパノール、メチル・イソアミル・ケトン、メチル・イソブチル・ケトン、ラウリン酸メチル、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、塩化メチレン、m-キシレン、n-ヘキサン、n-オクチルアミン、オクタデカン酸、オクチルアミン・アセテート、オレイン酸、オレイルアミン、o-キシレン、フェノール、ポリエチレングリコール(PEG400)、プロピオン酸、プロピル・ラクテート、プロピレン・カーボネート、プロピレングリコール、プロピレングリコール・メチル・エーテル、p-キシレン、トルエン、リン酸トリエチル、トリエチレングリコール、キシレンスルホン酸、パラフィン、鉱油、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、
【0024】
酢酸ブチル、プロピレングリコール・メチル・エーテル、ジエチレングリコール・メチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、並びにより高分子のアルコール、例えば、アミルアルコール、テトラヒドロフルフリル・アルコール、ヘキサノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、N-メチル-2-ピロリドン等。水が、一般に、濃縮物の希釈に最適な担体である。好適な固体担体は、例えば、タルク、二酸化チタン、パイロフィライト粘土、シリカ、アタパルガイト粘土、珪藻土、石灰岩、炭酸カルシウム、ベントナイト、カルシウム・モンモリロナイト、綿実殻、小麦粉、大豆粉、軽石、木紛、粉末のクルミ殻、リグニン、並びに、例えば、CFR 180.1001.(c)及び(d)に記載の類似した材料である。
【0025】
多数の界面活性物質が、固体及び液体製剤、特に使用前に担体で希釈することができる製剤において有利に使用できる。界面活性物質は、陰イオン、陽イオン、非イオン、又は高分子のものであるかもしれず、そして、それらは、乳化剤、湿潤剤、若しくは懸濁化剤、又は他の目的に使用できる。典型的な界面活性物質には、例えば、アルキル・スルファートの塩、例えば、ラウリル硫酸ジエタノールアンモニウム等;アルキルアリールスルホナートの塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム等;アルキルフェノール-アルキレンオキシド付加生成物、例えば、ノニルフェノール・エトキシレート等;アルコール-アルキレンオキシド付加生成物、例えば、トリデシルアルコール・エトキシレート等;石鹸、例えば、ステアリン酸ナトリウム等;アルキルナフタレンスルホナートの塩、例えば、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等;スルホコハク酸塩のジアルキルエステル、例えば、ジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム等;ソルビトール・エステル、例えば、ソルビトールオレイン酸エステル等;四級アミン、例えば、ラウリル・トリメチルアンモニウム・クロリド等;脂肪酸のポリエチレン・グリコールエステル、例えば、ポリエチレングリコール・ステアリン酸エステル等;エチレンオキシド及び酸化プロピレンのブロック共重合体;並びにモノ-及びジ-アルキル・リン酸エステルの塩;そして、例えば、「McCutcheon's Detergents and Emulsifiers Annual」、MC Publishing Corp.、Ridgewood, New Jersey、1981年の中に記載されている更なる物質も同様に含む。
【0026】
通常、殺虫製剤に使用される可能性のある更なる補助剤には、結晶化抑制剤、粘性調整物質、懸濁化剤、色素、抗酸化剤、発泡剤、吸光剤、混合助剤、消泡剤、錯化剤、中和若しくはpH調整物質及びバッファー、腐食抑制剤、香料、湿潤剤、吸収改良剤、微量栄養素、可塑剤、流動促進剤、滑沢剤、分散剤、増粘剤、不凍剤、殺微生物剤(microbiocides)を含み、そして、液体及び固体肥料も同様に含む。
製剤は、追加の作用物質、例えば、更なる除草剤、除草剤毒性緩和剤、植物成長調節物質、殺真菌剤、又は殺虫剤も同様に含むことができる。
【0027】
本発明による組成物は、加えて、植物油若しくは動物由来のオイル、鉱油、そのようなオイルのアルキル・エステル、又はそのようなオイル及びオイル誘導体の混合物を含めた添加剤を含むことができる。本発明による組成物中に使用されるオイル添加剤の量は、一般に、スプレー混合物を基本とすると0.01〜10%である。例えば、オイル添加剤は、スプレー混合物が調製された後に所望の濃度でスプレー・タンクに加えられてもよい。好ましいオイル添加剤には、鉱油又は植物由来のオイル、例えば、菜種油、オリーブ油、若しくはヒマワリ油、乳化植物油、例えば、AMIGO(登録商標)(Rhone-Poulenc Canada Inc.)等、植物由来のオイルのアルキル・エステル、例えば、メチル誘導体、あるいは動物由来のオイル、例えば、魚油又は牛脂等が含まれる。好ましい添加剤は、例えば、活性成分として、原則的に、80重量%の魚油のアルキル・エステル、及び15重量%のメチル化された菜種油を含み、同様に5重量%の通常の乳化剤及びpH調整剤をも含む。特に好ましいオイル添加剤は、C8-C22脂肪酸のアルキル・エステル、特にC12-C18脂肪酸のメチル誘導体、例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、及びオレイン酸のメチルエステルを含むが、重要であることに;それらのエステルは、それぞれ、ラウリン酸メチル(CAS-111-82-0)、パルミチン酸メチル(CAS-112-39-0)、及びオレイン酸メチル(CAS-112-62-9)として知られている。好ましい脂肪酸メチルエステル誘導体は、Emery(登録商標)2230又は2231(Cognis GmbH)である。それらと他のオイル誘導体は、the Compendium of Herbicide Adjuvants、第5版、Southern Illinois University、2000年によっても知られている。
【0028】
オイル添加剤の施用と作用は、界面活性物質、例えば、非イオン、陰イオン、若しくは陽イオン界面活性剤等と、それらを組み合わせることによって更に改良できる。好適な陰イオン、非イオン、及び陽イオン界面活性剤の実例は、WO 97/34485の7及び8ページに列挙されている。好ましい界面活性物質は、そのドデシルベンジルスルホネート型、特にそのカルシウム塩から成る陰イオン界面活性剤であり、同様に高級アルコール・エトキシレート型から成る非イオン性界面活性剤でもある。5〜40のエトキシル化度を有するエトキシ化C12-C22高級アルコールが特別に好まれる。市販の界面活性剤の実例は、Genapol型(Clariant AG)である。シリコーン界面活性剤、特に、例えば、Silwet L-77(登録商標)として市販されているポリアルキル-オキシド修飾ヘプタメチルトリシロキサンが好まれ、同様に全フッ素置換された界面活性剤も同様に好まれる。総添加剤に対する割合としての界面活性物質の濃度は、一般に、1〜30重量%である。界面活性剤を含むオイル若しくは鉱油、又はその誘導体の混合物から成るオイル添加剤の実例は、Edenor ME SU(登録商標)、Turbocharge(登録商標)(Syngenta AG, CH)、及びActipron(登録商標)(BP Oil UK Limited, GB)である。
【0029】
前述の界面活性物質は、単独でも、言い換えれば、オイル添加剤なしでも製剤に使用される可能性がある。
更に、オイル添加剤/界面活性剤混合物への有機溶剤の添加が、作用の更なる増強に貢献する可能性がある。好適な溶剤は、例えば、Solvesso(登録商標)(ESSO)及びAromatic Solvent(登録商標)(Exxon Corporation)である。前述の溶剤の濃度は、総重量の10〜80重量%であるかもしれない。そのようなオイル添加剤。溶剤との混和剤で存在するかもしれないそのようなオイル添加剤は、例えば、US-A-4 834 908に記載されている。そこに開示されている市販のオイル添加剤は、MERGE(登録商標)(BASF Corporation)の名称で知られている。本発明により好まれる更なるオイル添加剤は、SCORE(登録商標)(Syngenta Crop Protection Canada)である。
【0030】
本発明による組成物の活性を高めるために、先に列挙したオイル添加剤に加えて、アルキルピロリドン(例えば、Agrimax(登録商標))から成る製剤が、スプレー混合物に加えられることも可能である。合成ラテックスから成る製剤、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニル化合物、又はポリ-1-p-メンテン(例えば、Bond(登録商標)、Courier(登録商標)、又はEmerald(登録商標))等も同様に使用できる。プロピオン酸を含む溶液、例えば、Eurogkem Pen-e-trate(登録商標)を、活性増強剤としてスプレー混合物中にも混合することができる。
【0031】
除草剤製剤は、一般に、本発明による組成物から成る有効成分混合物を0.1〜99重量%、特に0.1〜95重量%、及び、好ましくは、界面活性物質を0〜25重量%含んでいる製剤補助剤を1〜99.9重量%含む。市販製品が、好ましくは、濃縮物として処方されるのに対して、最終使用者は、通常、希釈製剤を利用する。好ましい製剤は、特に、以下の組成物を有する(%=重量%;「有効成分混合物」は当発明の組成物による化合物の混合物を意味する):
【0032】
【表1】

【実施例】
【0033】
以下の実施例は、本発明による組成物に関する製剤タイプの点で本発明を更に詳しく説明するが、制限することはない:
【0034】
【表2】

【0035】
水での希釈によって、いずれかの所望の濃度のエマルジョンを当該濃縮物から調製することができる。
【0036】
【表3】

【0037】
その溶液はマイクロドロップ形態での施用に好適である。
【0038】
【表4】

【0039】
有効成分を補助剤と十分に混合し、そして、その混合物を好適なミルにより十分にすりつぶし、水で希釈していずれかの所望の濃度の懸濁液が得られる水和剤を得る。
【0040】
【表5】

【0041】
有効成分を塩化メチレン中に溶解し、その溶液を担体にスプレーし、そして、溶剤をそれに続いて真空中で留去する。
【0042】
【表6】

【0043】
細かくすりつぶした有効成分を、ポリエチレングリコールで湿らせた担体にミキサーにより均一に塗布する。このようにして、非粉塵コート粒剤を得る。
【0044】
【表7】

【0045】
有効成分を混合し、そして、補助剤と共にすりつぶし、そして、その混合物を水で湿らせる。得られた混合物を押出成形し、次に、気流中で乾かす。
【0046】
【表8】

【0047】
有効成分を担体と混合し、そして、好適なミルによりその混合物をすりつぶすことによって、使用準備済み粉剤を得る。
【0048】
【表9】

【0049】
細かくすりつぶした有効成分を補助剤と十分に混合し、水での希釈によっていずれかの所望の濃度の懸濁液を調製することができるゾル剤を得る。
別々に処方され、そして、施用直前に、場合により希釈剤、例えば、水等を用いた「タンク混合物」の形態をとって所望の混合比に塗布器内で組み合わせられることは、多くの場合、本発明による組成物中に存在する有効成分にとってより実用的なことである。好ましい態様において、本発明による組成物中に存在する有効成分は、一緒に処方される(プレミックス製品又は処方製品として知られる)。
以下の実施例は、本発明の限定の目的ではなく例証の目的で与えられる。
【0050】
生物学的実施例
本発明の組成物の相乗効果を、以下の実施例において実証する。
実施例B1:発芽前試験:
試験植物を、温室条件下、種子トレー内に蒔く。標準土壌を耕作底土として使用する。発芽前の時期に、除草剤を、両方単独で、及び混合物の状態で土壌表面に施用する。施用量は、耕地又は温室条件下で決定される至適濃度によって規定される。試験を2〜4週間後に評価する(100%=植物が完全に枯れている;0%=植物に対する植物毒性作用なし)。
試験化合物は良好な結果を出している。
【0051】
実施例B2:発芽後試験:
実地試験を、約5cm冠水した状態にある浸水土壌で行った(浸透条件)。発芽後の時期(2〜3葉期)に、それぞれ個別に、及び混合物で両方の除草剤を、バック・スプレーを使用して浸水土壌条件下の試験植物に施用する。施用量は現場条件下で確認された至適濃度によって決まる。試験を、10〜22日後に評価する(100%の作用=植物が完全に枯れている;0%の作用=植物毒性作用なし)。この試験に使用した混合物は、良好な結果を出している。
例えば、本発明の組成物による化合物から成る有効成分組合せ物の作用が、別々に施用された有効成分の作用の合計よりも勝っているときは、相乗効果が存在している。
【0052】
2種類の除草剤(A)と(B)の所定の組合せ物に関して期待される除草作用Weを、以下のとおり計算することができる(COLBY, S. R.、「Calculating synergistic and antagonistic response of herbicide combinations」、Weeds 15、20〜22ページ、1967年を参照のこと):
We=X+[Y・(100−X)/100]
{式中、
X=未処理対照(=0%)と比較した、1ヘクタールあたりp kgの施用量(a rate of application)にて化合物(A)を用いた処理に関する除草作用の百分率。
Y=未処理対照と比較した、1ヘクタールあたりp kgの施用量にて化合物(B)を用いた処理に関する除草作用の百分率。}
【0053】
よって、観察された活性がColbyの式による予想より高いのであれば、その時に相乗作用がある。
【0054】
【表10】

【0055】
【表11】

【0056】
【表12】

【0057】
【表13】

【0058】
【表14】

【0059】
【表15】

【0060】
【表16】

【0061】
【表17】

【0062】
【表18】

【0063】
【表19】

【0064】
【表20】

【0065】
【表21】

【0066】
【表22】

【0067】
【表23】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の:
(a)プロスルホカルブ、並びに
(b)群:ピコリナフェン、フルリドン、ノルフルラゾン、ジフルフェニカン、ベフルブトアミド、フルロクロリドン、フルルタモン、スルコトリオン、ベンゾフェナップ、ピラゾリネート、イソキサフルトール、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、アミトロール、フルオメツロン、クロマゾン、アクロニフェン、及びイソキサクロルトールの中の化合物から選択される少なくとも1種類の化合物、
を含む除草剤組成物。
【請求項2】
前記組成物が、プロスルホカルブ、ジフルフェニカン、及びペンジメタリンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
除草剤として有効量の請求項1又は2に記載の組成物を防除が望まれる場所で作用させるステップを含む、有用植物作物に混じった望ましくない植生の防除方法。
【請求項4】
除草剤として有効量の組成物を防除が望まれる場所で作用させるステップを含む、有用植物作物に混じったALS抵抗性雑草の防除方法であって、上記組成物が、以下の:
(a)プロスルホカルブ、並びに
(b)群:メソトリオン、ピコリナフェン、フルリドン、ノルフルラゾン、ジフルフェニカン、ベフルブトアミド、フルロクロリドン、フルルタモン、スルコトリオン、ベンゾフェナップ、ピラゾリネート、イソキサフルトール、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、アミトロール、フルオメツロン、クロマゾン、アクロニフェン、及びイソキサクロルトールの中の化合物から選択される少なくとも1種類の化合物、
を含む上記防除方法。
【請求項5】
除草剤として有効量の組成物を防除が望まれる場所で作用させるステップを含む、有用植物作物に混じったACCase抵抗性雑草の防除方法であって、上記組成物が、以下の:
(a)プロスルホカルブ、並びに
(b)群:メソトリオン、ピコリナフェン、フルリドン、ノルフルラゾン、ジフルフェニカン、ベフルブトアミド、フルロクロリドン、フルルタモン、スルコトリオン、ベンゾフェナップ、ピラゾリネート、イソキサフルトール、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、アミトロール、フルオメツロン、クロマゾン、アクロニフェン、及びイソキサクロルトールの中の化合物から選択される少なくとも1種類の化合物、
を含む上記防除方法。
【請求項6】
前記作物が、米、穀物、又はトウモロコシである、請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
防除が望まれる場所で、(i)望ましくない植生の発芽以前(発芽前)に、(ii)望ましくない植生の発芽の後(発芽後)に、又は(iii)上記(i)と(ii)の両方に、除草剤として有効量の組成物を施用するステップを含む、望ましくない植生の防除のための請求項1又は2に記載の組成物の使用方法。

【公表番号】特表2008−524147(P2008−524147A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545950(P2007−545950)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013509
【国際公開番号】WO2006/063834
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】