除雪装置
【課題】 除雪作業以外の他用途で使用する機械を用いて除雪作業を行うことができ、かつ、エンジンに高負荷を掛けずに除雪できる除雪装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 エンジン6と車輪7とがフレーム8に取付けられエンジン6から前方下傾方向へ延設された保持杆5の先端5aにエンジン6の回転駆動力が伝えられ草刈刃が着脱自在な回転伝達部9を有する手押式刈払機40の、保持杆5の先端5aに着脱自在に取付けられる除雪部材4を備える。除雪部材4は、回転伝達部9を介して水平軸心廻りに回転して雪を掻いて飛ばす雪掻き回転体1を具備する。雪掻き回転体1は3つの短回転体10…から成る。かつ、各短回転体10は、周方向に所定ピッチで付設された4つの雪掻き羽根11…を有する。かつ、3つの短回転体10…を、周方向において雪掻き羽根11が相互にずれるように、隣接して軸部材に外嵌して、雪掻き回転体1を構成した。
【解決手段】 エンジン6と車輪7とがフレーム8に取付けられエンジン6から前方下傾方向へ延設された保持杆5の先端5aにエンジン6の回転駆動力が伝えられ草刈刃が着脱自在な回転伝達部9を有する手押式刈払機40の、保持杆5の先端5aに着脱自在に取付けられる除雪部材4を備える。除雪部材4は、回転伝達部9を介して水平軸心廻りに回転して雪を掻いて飛ばす雪掻き回転体1を具備する。雪掻き回転体1は3つの短回転体10…から成る。かつ、各短回転体10は、周方向に所定ピッチで付設された4つの雪掻き羽根11…を有する。かつ、3つの短回転体10…を、周方向において雪掻き羽根11が相互にずれるように、隣接して軸部材に外嵌して、雪掻き回転体1を構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除雪装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の除雪装置は、エンジンを搭載した車体の前部に、前方へ開口した雪飛ばし用のハウジングが取付けられ、かつ、エンジンの回転駆動力により横方向軸心廻りに回転する集雪用のオーガがハウジングの前方に包囲状となるように設けられ、かつ、ハウジングの後部に、オーガが回転して中央部に集めた雪をシュートで飛ばすためのブロアが設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−226336
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のこの除雪装置は、1つのエンジンからの駆動力によって、オーガとブロアの両方を回転させて、オーガで雪を中央部に集める作業と、ブロアで雪を上方へ飛ばす作業とを同時に行うため、エンジンに連結されたシャフトには非常に大きなトルクが掛かり、エンジンには非常に大きな負荷が掛かり、故障が発生し易い。また、高出力のエンジンを使用しなければならないので、コストも掛かってしまう。また、この除雪装置は除雪専用の装置であり、冬期以外には、エンジン等を含む装置を活用できない。
【0004】
そこで、本発明は、エンジンに大きな負荷を掛けずに除雪でき、かつ、除雪作業以外の他の用途で使用する機械を用いて除雪作業を行うことができる除雪装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る除雪装置は、エンジンと車輪とがフレームに取付けられ該エンジンから前方下傾方向へ延設された保持杆の先端に該エンジンの回転駆動力が伝えられ草刈刃が着脱自在な回転伝達部を有する手押式刈払機の、該保持杆の先端に着脱自在に取付けられる除雪部材を備え、該除雪部材は、上記回転伝達部を介して水平軸心廻りに回転して雪を掻いて飛ばす雪掻き回転体を具備する。
【0006】
また、本発明に係る除雪装置は、エンジンと車輪とがフレームに取付けられ該エンジンから前方下傾方向へ延設された保持杆の先端に取付けられる除雪部材を備え、該除雪部材は、該保持杆の先端に設けられ上記エンジンの回転駆動力が伝えられる回転伝達部を介して水平軸心廻りに回転して雪を掻いて飛ばす雪掻き回転体を具備する。
【0007】
また、上記除雪部材は、上記回転伝達部に取付けられ上記水平軸心廻りに回転する軸部材と、上記保持杆の先端に取付けられ上記雪掻き回転体の後方近傍に設けられて該雪掻き回転体が掻いた雪を上方へ誘導するハウジング部材と、を備え、かつ、上記雪掻き回転体は、上記軸部材に外嵌する差込孔部を有し該軸部材と上記水平軸心廻りに一体に回転する複数の短回転体から成り、かつ、各該短回転体は、周方向に所定ピッチで付設された複数の雪掻き羽根を有し、かつ、複数の該短回転体を、周方向において上記雪掻き羽根が相互にずれるように、隣接して上記軸部材に外嵌して、上記雪掻き回転体が構成される。
【0008】
また、上記軸部材は断面正六角形の外周面を有し、かつ、各上記短回転体の上記差込孔部は、該軸部材に略隙間無く外嵌可能な正六角形状に形成された。
また、上記ハウジング部材は、横断面上方前傾状の略Jの字に形成された雪を上方へ誘導する投雪壁部と、該投雪壁部の下端縁に沿って一体に形成された雪掬い辺部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、次のような著大な効果を奏する。
本発明に係る除雪装置は、草刈刃が着脱自在な回転伝達部を先端に有する保持杆を備えた手押式刈払機の、保持杆の先端に着脱自在に取付けられる除雪部材を備えるので、回転伝達部に取付けた草刈刃を除雪部材に交換することで、1台の手押式刈払機を、夏場は草刈専用として、また、冬場は除雪用として用いることができ、エンジンや車輪等を有する手押式機械を多用途に有効利用できる。そして、草刈刃と除雪部材を回転伝達部に取付・取外するだけで使用用途を換えることができるので、交換作業に手間が掛からず至便である。また、草刈専用機と除雪専用機を夫々購入する必要がないので、経費の削減も図ることができる。
また、除雪部材は、回転伝達部に取付けられ水平軸心廻りに回転する軸部材と、軸部材に外嵌される複数の短回転体から成る雪掻き回転体とを有し、こられの短回転体が、夫々の雪掻き羽根が周方向において位相が相互にずれるように、軸部材に外嵌されて雪掻き回転体を構成するので、夫々の短回転体の雪掻き羽根が積雪に接近するタイミングがずれるため、全ての短回転体の雪掻き羽根が同時に雪を掻くことがない。従って、雪を掻く瞬間に回転伝達部が受けるトルクは、雪掻き羽根が軸心方向の全長にわたって同時に積雪を掻くものに比べて、3分の1程度となり、エンジンに掛かる負荷が大幅に低減される。よって、雪掻き回転体がスムーズに回転し、効率よく除雪作業を行うことができると共に、エンジン等の故障を抑えることができる。
また、雪掻き回転体を全て一体として製造する場合、金型の製造コストが非常に掛かり、しかも、金型を高精度にするのが非常に困難であるが、複数の短回転体に分割することで、金型のコストも大幅に低減でき、高精度の金型を製造できる。
【0010】
また、軸部材の外周面と、各短回転体の差込孔部を正六角形状に形成されているので、例えば、3つの短回転体を、120 °ずつ位相をずらして軸部材に外嵌することができる。そして、同一形状の短回転体を製造すればよく、コストも削減できる。
また、雪掻き羽根が掬った雪を、J字状のハウジング部材によって、前方上方へ誘導して飛ばすことができるので、シンプルな構成でありながら、雪を遠方へ飛ばすことができて、スムーズに除雪を行うことができる。さらに、ハウジング部材の雪掬い辺部が、地表上に積もった雪に食い込んで掬うため、雪をスムーズに雪掻き回転体へ送ることができ、除雪を効率よく行うことができる。また、ハウジング部材は、投雪壁部と雪掬い辺部とが一体に形成されているので、別部材として製造してボルトナット結合等で一体にするものに比べて、手間が掛からず、使用中にボルトナット結合等が緩んで分離する虞れがなく頑強な構造にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
図1〜図3に示したように、本発明に係る除雪装置の実施の一形態は、草刈用の手押式刈払機40に草刈刃に替えて取付けられる除雪部材4を備える。
手押式刈払機40は、エンジン6と車輪7とがフレーム8に取付けられ、エンジン6から前方下傾方向へ延設された保持杆5の先端5aにエンジン6の回転駆動力が伝えられ草刈刃が取付取外自在な回転伝達部9を有する。回転伝達部9は、保持杆5の先端5aに設けられたギアケース18を有し、エンジン6とギアケース18内のギアは、保持杆5の内部に回転自在に配設される駆動シャフトにて連動連結されて、ギアケース18の取付円盤部17から、回転軸部19が回転自在に突設されている。また、42は保持杆5の中間に取付けられ草刈刃の高さを一定に保持する球体状の刃高設定具である。
草刈用の手押式刈払機40として用いる場合には、回転軸部19の回転軸心が略鉛直方向に向けられ、草刈刃が取付けられる(図示省略)。図1は、回転伝達部9から草刈刃が取外され、回転軸部19の回転軸心を水平軸心L方向に設定し、かつ、回転伝達部9に除雪部材4が取付けられた状態を示している。
【0012】
次に、除雪部材4について説明すると、除雪部材4は、回転伝達部9の回転軸部19に取付けられ水平軸心L廻りに回転する軸部材2と、回転伝達部9を介して(軸部材2に外嵌されて)水平軸心L廻りに回転して雪を掻き飛ばす雪掻き回転体1と、保持杆5の先端5aに取付けられ雪掻き回転体1の後方近傍に設けられて雪掻き回転体1が掻いた雪を上方遠方へ飛ぶように誘導するハウジング部材3と、を備える。
【0013】
先ず、図3〜図6,図11に於て、軸部材2は、正六角筒状のパイプ部材21と、パイプ部材21の一端21aに嵌着され回転伝達部9の回転軸部19が螺着される雌ネジ孔22aを有する取付端部材22と、パイプ部材21の他端21bに嵌着され長手方向(軸心L方向)へ突設された軸部23aを有する軸端部材23と、を有する。また、パイプ部材21の他端21bと軸端部材23には、差込孔24が径方向に貫設されていて、軸部材2に雪掻き回転体1を外嵌した後で、差込孔24に位置ずれ防止ピン25を差込めば、回転体1の軸心L方向への移動を防ぐことができる(図3参照)。なお、回転体1及び軸部材2の回転方向50は前回りの方向であり、軸心L方向左側から見て反時計回りである。
【0014】
次に、図1,図3〜図7に於て、雪掻き回転体1は、水平軸心L廻りに軸部材2と一体回転する3つの短回転体10…から成る。換言すれば、雪掻き回転体1は、軸心L方向に、3つの短回転体10…に分割される。
各短回転体10は、所定間隔をもって平行に配設され中央に差込孔部12,12を有する円板部14,14と、円板部14,14の差込孔部12,12から内側に一体に折曲られた正六角筒状の短筒部13,13と、一対の円板部14,14の内面14a,14aを連結するよう一体に形成され周方向Xに所定ピッチで配設される4つの雪掻き羽根11…と、を有する。差込孔部12は、軸部材2に略隙間無く外嵌可能な正六角形状に形成される。雪掻き羽根11の等分配中心角度θ11────図例では90°────と、軸部材2を短回転体10の差込孔部12に差込む入替ピッチ角度θ12────図例では60°────とを、相違させ、かつ、相互に整数倍とならないように設定する。
【0015】
各雪掻き羽根11は、帯板材を折曲部をもって横断面くの字(L字)状に折曲げた形状を有し、折曲辺を介して回転方向50における先頭側の一(前)帯板部15と後側の他(後)帯板部16とから成る。一帯板部15は他帯板部16よりも短く、かつ、外径方向Rに対し各帯板部15,16が拡開するように配設される。かつ、一帯板部15の端縁部15aは円板部14の外周縁から所定間隔をもって離間し、かつ、他帯板部16の端縁部16aは円板部14の外周縁に接するまで延設されている。これにより、雪掻き回転体1(短回転体10)が回転して雪掻き羽根11が雪Sを掻く際に、前側の帯板部15が雪Sを掻かずに通過し、その直後に、後側の帯板部16が積雪Sを掻くので(図6参照)、各雪掻き羽根11が雪Sを確実に掬う。また、複数のリブ13a…が、短筒部13の外周から円板部14の内面14aにかけて、所定ピッチで形成されており、短回転体10は強固な構造となる。
そして、3つの短回転体10…は、相互に円板部14…同士が密着状として、かつ、3つの短回転体10…の雪掻き羽根11…の位置が相互に周方向Xに 120°ずつずれるように、軸部材2に外嵌される(図3〜図6参照)。
【0016】
次に、図8〜図10に示したように、ハウジング部材3は、横断面上方前傾状の略Jの字に形成され雪を上方へ誘導する投雪壁部31と、後辺部が投雪壁部31の各側辺部に沿って一体に形成された前後方向の側壁部35,35と、投雪壁部31の下端縁32に沿って一体に形成された雪掬い辺部33と、を有する。投雪壁部31は、横断面上方前傾状の平板部31bと、平板部31bの下端縁から下方へ一体に延設された弯曲板部31aとを有する。また、左右一対の側壁部35,35のうちの一方(実施例では左側)の側壁部35Aは、その下部に、ギアケース18の取付円盤部17がボルトで固定されると共に回転軸部19を通す(円形)開口部36aを有する固定円環部36を、有する。固定円環部36は、開口部36a廻りに、ボルト螺着用の複数の雌ネジ孔(例えば3つの雌ネジ孔が環状に所定ピッチで)が形成されている。また、他方の(右側)側壁部35Bは、その下部に、後述の軸受部材46(図3,図12参照)を固定する複数の(例えば環状に所定ピッチで3つの)ボルト挿通孔38…が形成されている。
また、雪掬い辺部33は、投雪壁部31の下端縁32に沿って一体として前方に突設された前方下傾状の帯板状掬い部33bと、掬い部33bの前端縁から後方へ折曲げられ水平状に一体に形成された帯板状底部33aと、を有する。掬い部33bと底部33aの前端縁が、横断面鋭角状の掬い縁部37を成す。また、底部33aの上面部と、掬い部33bの後面部と、投雪壁部31の下面部とを一体に連結する複数の薄壁状補強用リブ34…が、横方向に所定ピッチで配設されていて、雪掬い辺部33は強固である。また、各側壁部35の前辺部は、上部が鉛直辺状に形成されると共に、下部が後方下傾状に形成されている(図9,図10参照)。
なお、図3,図8に示したハウジング部材3は、投雪壁部31に直交する(図9,図10の矢印49の)方向から見た図示である。
【0017】
次に、図3,図12に於て、除雪部材4は、ハウジング部材3の側壁部35Bの内面側に取付けられ軸部材2の軸部23aを回転自在に保持する軸受部材46を有する。具体的には、軸受部材46は、軸部材2の軸部23aが挿着される内輪を有する(ラジアル)ベアリング47と、ベアリング47の外輪が挿着される孔部48aを有する軸受本体48と、を有する。軸受本体48は略三角形状を有し、かつ、ハウジング部材3の右側壁部35Bのボルト挿通孔38…に対応する雌ネジ孔を有する。そして、軸受本体48が、この側壁部35Bの内側面に、ボルトによって取付けられる。軸部材2の片方が軸受部材46に回転自在に保持されるので、軸部材2の軸心が振れることなくスムーズに回転し、除雪作業がスムーズになる。
【0018】
また、図1,図2に於て、26は、一端26a・他端26bが夫々保持杆5・ハウジング部材3の後部に着脱自在に取付けられて除雪部材4の向きを固定させるための固定杆部材である。一端26aは、例えば、ヒンジで開閉自在となり保持杆5を包囲してビス等で固定する着脱部から成り、また、他端26bは、ハウジング部材3の後面にビス等で着脱自在な取付片から成る。
【0019】
図13は本発明に係る除雪装置の他の実施の形態を示し、車輪7が、図1のものと相違して、ブロー成型により形成された小型の中空樽型(殻構造)を有し、刃高設定具42の大きさと同程度の大きさに形成されている。なお、図1の刈払機40の車輪7は、刃高設定具42よりも大きな径を有するタイヤ形状に成形されており、図示省略されているが、接地面に滑り止め用凹凸を形成してもよい。また、図1,図13の両装置は、車輪7の左右両側に、一対の補助輪が配設される。
そして、図13に於て、手押式刈払機40を草刈用として使用される場合、保持杆5に刃高設定具42、ガード部材43が取付けられると共に、回転伝達部9の回転軸部(図示省略)は鉛直方向に向けられて、草刈刃44が取付けられる(二点鎖線で示した状態)。ガード部材43は、草が使用者側に飛来するのを防ぐためのもので、刃高設定具42の前方にて保持杆5に着脱自在に取付けられる。
次いで、刈払機40を除雪用に使用する場合には、保持杆5・回転伝達部9からガード部材43・草刈刃44を取外し(矢印51参照)、そして、回転伝達部9の回転軸部を水平方向に向け、回転伝達部9に固定杆部材26・除雪部材4を取付ける(矢印52参照)。
なお、図1の手押式刈払機40に於ても、草刈用に使用する場合は、保持杆5・回転伝達部9にガード部材・草刈刃が取付けられており(図示省略)、除雪用として使用する場合に、図13で上述したのと同様の手順で交換作業を行う。
【0020】
そして、図1〜図6,図10に於て、手押式刈払機40のエンジン6を始動させると、回転伝達部9の回転軸部19に接続された軸部材2・雪掻き回転体1が水平軸心L廻りに矢印50のように前方向に回転する。そして、ハンドル41を持って刈払機40を前進させると、雪掬い辺部33の掬い縁部37が地表上の積雪Sを掬い、かつ、掬われた雪Sが前方下傾状掬い部33bを滑り上がり、雪Sはスムーズに雪掻き回転体1へ送られる。
そして、上述のように、雪掻き回転体1を成す3つの短回転体10…は、夫々の雪掻き羽根11…の位置が相互に周方向Xに 120°ずつずれた状態で、一体に回転するので(図4〜図6参照)、各雪掻き羽根11が雪Sを掻くタイミングが、夫々の短回転体10において120 °周期でずれるため、全ての短回転体10…の雪掻き羽根11…が同時に雪Sを掻くことがない。従って、雪Sを掻くときに短回転体10及び軸部材2が受けるトルクは、雪掻き羽根が軸心方向の全長にわたって雪Sを掻くものに比べて、3分の1程度となり、エンジン6に掛かる負荷が大幅に低減される。
また、電動除雪機と違い、電源コードの届かない場所でも除雪作業をできる。しかも、積雪量に応じて、エンジンの回転数を変えることで、雪掻き回転体1の回転数を変ることができるので、ギアボックスを除雪部材4に設ける必要がなく部品点数が少ない。
【0021】
そして、雪掻き羽根11が掬った雪Sは、雪掻き羽根11がハウジング部材3の投雪壁部31の弯曲板部31aに対応する位置にあるときには、弯曲板部31aにより、雪掻き羽根11に掬われた状態で保持されており、雪掻き羽根11が頂部近傍まで達すると、投雪壁部31の平板部31bの前面に沿って滑りつつ前方上傾方向へ飛び出していく(図10の矢印28参照)。また、両側壁部35, 35のガードにより雪が側方へ飛散することもない。このように、ハウジング部材3によって、雪を前方上傾の一定方向に誘導して飛ばすことができる。
なお、図1,図2の除雪部材4は前方より僅かに左側を向くように取付けられているが、設計変更自由であり、僅かに右側を向けたり、真正面に向くように取付けてもよい。また、除雪部材4は、回転伝達部9がハウジング部材3の左側壁部35Aに取付けられるように形成されているが、除雪部材4の全体の構造を左右逆として、回転伝達部9が右側壁部35Bに取付けられるように形成してもよい(図示省略)。
また、本発明に於ては、雪掻き回転体1を3つの短回転体10…から構成しているが、雪掻き回転体1の全長に応じて、4つ以上の短回転体10…から構成するのもよい。
また、本発明では、草刈用の手押式刈払機40の草刈刃を、除雪部材4に交換するものであるが、本発明のような除雪部材4を有する手押式除雪機を製造してもよい。即ち、該除雪機は、エンジン6と車輪7とがフレーム8に取付けられエンジン6から前方下傾方向へ延設された保持杆5の先端5aに、除雪部材4を取り付けたものとなる。
なお、図1,図13に於て、刈払機40に装着された刃高設定具42により、保持杆5の先端5aが前後だけでなく、左右にも大きく、かつ、軽く振れるので、左右へ────ほうきで掃くように、────巾広く効率良く除雪できる。
【0022】
以上のように、本発明に係る除雪装置は、エンジン6と車輪7とがフレーム8に取付けられエンジン6から前方下傾方向へ延設された保持杆5の先端5aにエンジン6の回転駆動力が伝えられ草刈刃が着脱自在な回転伝達部9を有する手押式刈払機40の、保持杆5の先端5aに着脱自在に取付けられる除雪部材4を備え、除雪部材4は、回転伝達部9を介して水平軸心L廻りに回転して雪を掻いて飛ばす雪掻き回転体1を具備するので、回転伝達部9に取付けた草刈刃を除雪部材4に交換することで、1台の手押式刈払機40を、夏場は草刈専用として、また、冬場は除雪用として用いることができ、エンジン6や車輪7等を有する手押式機械を多用途に有効利用できる。そして、草刈刃と除雪部材4を回転伝達部9に取付・取外するだけで使用用途を換えることができるので、交換作業に手間が掛からず至便である。また、草刈専用機と除雪専用機を夫々購入する必要がないので、購入経費の削減も図ることができる。
【0023】
また、本発明に係る除雪装置は、エンジン6と車輪7とがフレーム8に取付けられエンジン6から前方下傾方向へ延設された保持杆5の先端5aに取付けられる除雪部材4を備え、除雪部材4は、保持杆5の先端5aに設けられエンジン6の回転駆動力が伝えられる回転伝達部9を介して水平軸心L廻りに回転して雪を掻いて飛ばす雪掻き回転体1を具備するので、回転伝達部9に取付けた草刈刃を除雪部材4に交換することで、エンジン6や車輪7等から成る装置を、夏場は草刈専用として、また、冬場は除雪用として多用途に有効利用できる。そして、草刈刃と除雪部材4を回転伝達部9に取付・取外するだけで使用用途を換えることができるので、交換作業に手間が掛からず至便である。また、草刈専用機と除雪専用機を夫々購入する必要がないので、購入経費の削減も図ることができる。
【0024】
また、除雪部材4は、回転伝達部9に取付けられ水平軸心L廻りに回転する軸部材2と、保持杆5の先端5aに取付けられ雪掻き回転体1の後方近傍に設けられて雪掻き回転体1が掻いた雪を上方へ誘導するハウジング部材3と、を備え、かつ、雪掻き回転体1は、軸部材2に外嵌する差込孔部12を有し軸部材2と水平軸心L廻りに一体に回転する複数の短回転体10から成り、かつ、各短回転体10は、周方向Xに所定ピッチで付設された複数の雪掻き羽根11を有し、かつ、複数の短回転体10を、周方向Xにおいて雪掻き羽根11が相互にずれるように、隣接して軸部材2に外嵌して、雪掻き回転体1が構成されるので、複数の短回転体10…の雪掻き羽根11が積雪Sに接近するタイミングがずれるため、全ての短回転体10…の雪掻き羽根11が同時に雪Sを掻くことがない。従って、例えば、短回転体10…を3つに分割すれば、雪Sを掻くときに回転伝達部9が受けるトルクは、雪掻き羽根が軸心方向の全長にわたって同時に積雪Sを掻くものに比べ、3分の1程度となり、エンジン6に掛かる負荷が大幅に低減される。よって、雪掻き回転体1がスムーズに回転し、効率よく除雪作業を行うことができると共に、エンジン6等の故障を抑えることができる。
また、雪掻き回転体1を全て一体として製造する場合、金型のコストが非常に掛かり、しかも、金型を高精度にするのが非常に困難であるが、複数の短回転体10…に分割することで、金型のコストが大幅に低減され、高精度の金型を製造できる。
また、雪掻き羽根11が掬った雪を、ハウジング部材3によって、前方上方へ誘導して飛ばすことができるので、スムーズに除雪を行うことができる。
【0025】
また、軸部材2は断面正六角形の外周面20を有し、かつ、各短回転体10の差込孔部12は、軸部材2に略隙間無く外嵌可能な正六角形状に形成されているので、同じ形状の(同じ配置で雪掻き羽根11…を具備する)複数の短回転体10…を、夫々の雪掻き羽根11が周方向Xに位相がずれるように軸部材2に外嵌することができる。よって、例えば、3つの短回転体10…を、120 °ずつ位相をずらして軸部材2に外嵌することも可能となる。そして、雪掻き羽根11の配置が異なる短回転体10を製造する必要がないので、製造コストも削減できる。
【0026】
また、ハウジング部材3は、横断面上方前傾状の略Jの字に形成された雪を上方へ誘導する投雪壁部31と、投雪壁部31の下端縁32に沿って一体に形成された雪掬い辺部33と、を有するので、刈払機40を前進させると、雪掬い辺部33が地表上に積もった雪に食い込んで掬うため、雪をスムーズに雪掻き回転体1へ送ることができ、除雪を効率よく行うことができる。
また、各短回転体10の回転に伴い、雪掻き羽根11に掬われた雪が、ハウジング部材3の投雪壁部31の前面に沿って誘導されるので、雪を、前方上傾方向へ遠くに飛ばすことができ、除雪作業をスムーズに行うことができる。
また、ハウジング部材3は、投雪壁部31と雪掬い辺部33とが一体に形成されているので、別部材として製造してボルトナット結合等で一体にするものに比べて、手間が掛からず、使用中にボルトナット結合等が緩んで分離する虞れがなく頑強な構造にできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る除雪装置の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】要部平面図である。
【図3】要部正面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図3のB−B断面図である。
【図6】図3のC−C断面図である。
【図7】図6のD−D断面図である。
【図8】ハウジング部材を示す正面図である。
【図9】ハウジング部材を示す側面図である。
【図10】図8のE−E断面図である。
【図11】軸部材を示す一部断面側面図である。
【図12】軸受部材を示す正面図である。
【図13】本発明に係る除雪装置の他の実施の形態を示す説明用斜視図である。
【符号の説明】
【0028】
1 雪掻き回転体
2 軸部材
3 ハウジング部材
4 除雪部材
5 保持杆
5a 先端
6 エンジン
7 車輪
8 フレーム
9 回転伝達部
10 短回転体
11 雪掻き羽根
12 差込孔部
20 外周面
31 投雪壁部
32 下端縁
33 雪掬い辺部
40 手押式刈払機
L 水平軸心
X 周方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、除雪装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の除雪装置は、エンジンを搭載した車体の前部に、前方へ開口した雪飛ばし用のハウジングが取付けられ、かつ、エンジンの回転駆動力により横方向軸心廻りに回転する集雪用のオーガがハウジングの前方に包囲状となるように設けられ、かつ、ハウジングの後部に、オーガが回転して中央部に集めた雪をシュートで飛ばすためのブロアが設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−226336
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のこの除雪装置は、1つのエンジンからの駆動力によって、オーガとブロアの両方を回転させて、オーガで雪を中央部に集める作業と、ブロアで雪を上方へ飛ばす作業とを同時に行うため、エンジンに連結されたシャフトには非常に大きなトルクが掛かり、エンジンには非常に大きな負荷が掛かり、故障が発生し易い。また、高出力のエンジンを使用しなければならないので、コストも掛かってしまう。また、この除雪装置は除雪専用の装置であり、冬期以外には、エンジン等を含む装置を活用できない。
【0004】
そこで、本発明は、エンジンに大きな負荷を掛けずに除雪でき、かつ、除雪作業以外の他の用途で使用する機械を用いて除雪作業を行うことができる除雪装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る除雪装置は、エンジンと車輪とがフレームに取付けられ該エンジンから前方下傾方向へ延設された保持杆の先端に該エンジンの回転駆動力が伝えられ草刈刃が着脱自在な回転伝達部を有する手押式刈払機の、該保持杆の先端に着脱自在に取付けられる除雪部材を備え、該除雪部材は、上記回転伝達部を介して水平軸心廻りに回転して雪を掻いて飛ばす雪掻き回転体を具備する。
【0006】
また、本発明に係る除雪装置は、エンジンと車輪とがフレームに取付けられ該エンジンから前方下傾方向へ延設された保持杆の先端に取付けられる除雪部材を備え、該除雪部材は、該保持杆の先端に設けられ上記エンジンの回転駆動力が伝えられる回転伝達部を介して水平軸心廻りに回転して雪を掻いて飛ばす雪掻き回転体を具備する。
【0007】
また、上記除雪部材は、上記回転伝達部に取付けられ上記水平軸心廻りに回転する軸部材と、上記保持杆の先端に取付けられ上記雪掻き回転体の後方近傍に設けられて該雪掻き回転体が掻いた雪を上方へ誘導するハウジング部材と、を備え、かつ、上記雪掻き回転体は、上記軸部材に外嵌する差込孔部を有し該軸部材と上記水平軸心廻りに一体に回転する複数の短回転体から成り、かつ、各該短回転体は、周方向に所定ピッチで付設された複数の雪掻き羽根を有し、かつ、複数の該短回転体を、周方向において上記雪掻き羽根が相互にずれるように、隣接して上記軸部材に外嵌して、上記雪掻き回転体が構成される。
【0008】
また、上記軸部材は断面正六角形の外周面を有し、かつ、各上記短回転体の上記差込孔部は、該軸部材に略隙間無く外嵌可能な正六角形状に形成された。
また、上記ハウジング部材は、横断面上方前傾状の略Jの字に形成された雪を上方へ誘導する投雪壁部と、該投雪壁部の下端縁に沿って一体に形成された雪掬い辺部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、次のような著大な効果を奏する。
本発明に係る除雪装置は、草刈刃が着脱自在な回転伝達部を先端に有する保持杆を備えた手押式刈払機の、保持杆の先端に着脱自在に取付けられる除雪部材を備えるので、回転伝達部に取付けた草刈刃を除雪部材に交換することで、1台の手押式刈払機を、夏場は草刈専用として、また、冬場は除雪用として用いることができ、エンジンや車輪等を有する手押式機械を多用途に有効利用できる。そして、草刈刃と除雪部材を回転伝達部に取付・取外するだけで使用用途を換えることができるので、交換作業に手間が掛からず至便である。また、草刈専用機と除雪専用機を夫々購入する必要がないので、経費の削減も図ることができる。
また、除雪部材は、回転伝達部に取付けられ水平軸心廻りに回転する軸部材と、軸部材に外嵌される複数の短回転体から成る雪掻き回転体とを有し、こられの短回転体が、夫々の雪掻き羽根が周方向において位相が相互にずれるように、軸部材に外嵌されて雪掻き回転体を構成するので、夫々の短回転体の雪掻き羽根が積雪に接近するタイミングがずれるため、全ての短回転体の雪掻き羽根が同時に雪を掻くことがない。従って、雪を掻く瞬間に回転伝達部が受けるトルクは、雪掻き羽根が軸心方向の全長にわたって同時に積雪を掻くものに比べて、3分の1程度となり、エンジンに掛かる負荷が大幅に低減される。よって、雪掻き回転体がスムーズに回転し、効率よく除雪作業を行うことができると共に、エンジン等の故障を抑えることができる。
また、雪掻き回転体を全て一体として製造する場合、金型の製造コストが非常に掛かり、しかも、金型を高精度にするのが非常に困難であるが、複数の短回転体に分割することで、金型のコストも大幅に低減でき、高精度の金型を製造できる。
【0010】
また、軸部材の外周面と、各短回転体の差込孔部を正六角形状に形成されているので、例えば、3つの短回転体を、120 °ずつ位相をずらして軸部材に外嵌することができる。そして、同一形状の短回転体を製造すればよく、コストも削減できる。
また、雪掻き羽根が掬った雪を、J字状のハウジング部材によって、前方上方へ誘導して飛ばすことができるので、シンプルな構成でありながら、雪を遠方へ飛ばすことができて、スムーズに除雪を行うことができる。さらに、ハウジング部材の雪掬い辺部が、地表上に積もった雪に食い込んで掬うため、雪をスムーズに雪掻き回転体へ送ることができ、除雪を効率よく行うことができる。また、ハウジング部材は、投雪壁部と雪掬い辺部とが一体に形成されているので、別部材として製造してボルトナット結合等で一体にするものに比べて、手間が掛からず、使用中にボルトナット結合等が緩んで分離する虞れがなく頑強な構造にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
図1〜図3に示したように、本発明に係る除雪装置の実施の一形態は、草刈用の手押式刈払機40に草刈刃に替えて取付けられる除雪部材4を備える。
手押式刈払機40は、エンジン6と車輪7とがフレーム8に取付けられ、エンジン6から前方下傾方向へ延設された保持杆5の先端5aにエンジン6の回転駆動力が伝えられ草刈刃が取付取外自在な回転伝達部9を有する。回転伝達部9は、保持杆5の先端5aに設けられたギアケース18を有し、エンジン6とギアケース18内のギアは、保持杆5の内部に回転自在に配設される駆動シャフトにて連動連結されて、ギアケース18の取付円盤部17から、回転軸部19が回転自在に突設されている。また、42は保持杆5の中間に取付けられ草刈刃の高さを一定に保持する球体状の刃高設定具である。
草刈用の手押式刈払機40として用いる場合には、回転軸部19の回転軸心が略鉛直方向に向けられ、草刈刃が取付けられる(図示省略)。図1は、回転伝達部9から草刈刃が取外され、回転軸部19の回転軸心を水平軸心L方向に設定し、かつ、回転伝達部9に除雪部材4が取付けられた状態を示している。
【0012】
次に、除雪部材4について説明すると、除雪部材4は、回転伝達部9の回転軸部19に取付けられ水平軸心L廻りに回転する軸部材2と、回転伝達部9を介して(軸部材2に外嵌されて)水平軸心L廻りに回転して雪を掻き飛ばす雪掻き回転体1と、保持杆5の先端5aに取付けられ雪掻き回転体1の後方近傍に設けられて雪掻き回転体1が掻いた雪を上方遠方へ飛ぶように誘導するハウジング部材3と、を備える。
【0013】
先ず、図3〜図6,図11に於て、軸部材2は、正六角筒状のパイプ部材21と、パイプ部材21の一端21aに嵌着され回転伝達部9の回転軸部19が螺着される雌ネジ孔22aを有する取付端部材22と、パイプ部材21の他端21bに嵌着され長手方向(軸心L方向)へ突設された軸部23aを有する軸端部材23と、を有する。また、パイプ部材21の他端21bと軸端部材23には、差込孔24が径方向に貫設されていて、軸部材2に雪掻き回転体1を外嵌した後で、差込孔24に位置ずれ防止ピン25を差込めば、回転体1の軸心L方向への移動を防ぐことができる(図3参照)。なお、回転体1及び軸部材2の回転方向50は前回りの方向であり、軸心L方向左側から見て反時計回りである。
【0014】
次に、図1,図3〜図7に於て、雪掻き回転体1は、水平軸心L廻りに軸部材2と一体回転する3つの短回転体10…から成る。換言すれば、雪掻き回転体1は、軸心L方向に、3つの短回転体10…に分割される。
各短回転体10は、所定間隔をもって平行に配設され中央に差込孔部12,12を有する円板部14,14と、円板部14,14の差込孔部12,12から内側に一体に折曲られた正六角筒状の短筒部13,13と、一対の円板部14,14の内面14a,14aを連結するよう一体に形成され周方向Xに所定ピッチで配設される4つの雪掻き羽根11…と、を有する。差込孔部12は、軸部材2に略隙間無く外嵌可能な正六角形状に形成される。雪掻き羽根11の等分配中心角度θ11────図例では90°────と、軸部材2を短回転体10の差込孔部12に差込む入替ピッチ角度θ12────図例では60°────とを、相違させ、かつ、相互に整数倍とならないように設定する。
【0015】
各雪掻き羽根11は、帯板材を折曲部をもって横断面くの字(L字)状に折曲げた形状を有し、折曲辺を介して回転方向50における先頭側の一(前)帯板部15と後側の他(後)帯板部16とから成る。一帯板部15は他帯板部16よりも短く、かつ、外径方向Rに対し各帯板部15,16が拡開するように配設される。かつ、一帯板部15の端縁部15aは円板部14の外周縁から所定間隔をもって離間し、かつ、他帯板部16の端縁部16aは円板部14の外周縁に接するまで延設されている。これにより、雪掻き回転体1(短回転体10)が回転して雪掻き羽根11が雪Sを掻く際に、前側の帯板部15が雪Sを掻かずに通過し、その直後に、後側の帯板部16が積雪Sを掻くので(図6参照)、各雪掻き羽根11が雪Sを確実に掬う。また、複数のリブ13a…が、短筒部13の外周から円板部14の内面14aにかけて、所定ピッチで形成されており、短回転体10は強固な構造となる。
そして、3つの短回転体10…は、相互に円板部14…同士が密着状として、かつ、3つの短回転体10…の雪掻き羽根11…の位置が相互に周方向Xに 120°ずつずれるように、軸部材2に外嵌される(図3〜図6参照)。
【0016】
次に、図8〜図10に示したように、ハウジング部材3は、横断面上方前傾状の略Jの字に形成され雪を上方へ誘導する投雪壁部31と、後辺部が投雪壁部31の各側辺部に沿って一体に形成された前後方向の側壁部35,35と、投雪壁部31の下端縁32に沿って一体に形成された雪掬い辺部33と、を有する。投雪壁部31は、横断面上方前傾状の平板部31bと、平板部31bの下端縁から下方へ一体に延設された弯曲板部31aとを有する。また、左右一対の側壁部35,35のうちの一方(実施例では左側)の側壁部35Aは、その下部に、ギアケース18の取付円盤部17がボルトで固定されると共に回転軸部19を通す(円形)開口部36aを有する固定円環部36を、有する。固定円環部36は、開口部36a廻りに、ボルト螺着用の複数の雌ネジ孔(例えば3つの雌ネジ孔が環状に所定ピッチで)が形成されている。また、他方の(右側)側壁部35Bは、その下部に、後述の軸受部材46(図3,図12参照)を固定する複数の(例えば環状に所定ピッチで3つの)ボルト挿通孔38…が形成されている。
また、雪掬い辺部33は、投雪壁部31の下端縁32に沿って一体として前方に突設された前方下傾状の帯板状掬い部33bと、掬い部33bの前端縁から後方へ折曲げられ水平状に一体に形成された帯板状底部33aと、を有する。掬い部33bと底部33aの前端縁が、横断面鋭角状の掬い縁部37を成す。また、底部33aの上面部と、掬い部33bの後面部と、投雪壁部31の下面部とを一体に連結する複数の薄壁状補強用リブ34…が、横方向に所定ピッチで配設されていて、雪掬い辺部33は強固である。また、各側壁部35の前辺部は、上部が鉛直辺状に形成されると共に、下部が後方下傾状に形成されている(図9,図10参照)。
なお、図3,図8に示したハウジング部材3は、投雪壁部31に直交する(図9,図10の矢印49の)方向から見た図示である。
【0017】
次に、図3,図12に於て、除雪部材4は、ハウジング部材3の側壁部35Bの内面側に取付けられ軸部材2の軸部23aを回転自在に保持する軸受部材46を有する。具体的には、軸受部材46は、軸部材2の軸部23aが挿着される内輪を有する(ラジアル)ベアリング47と、ベアリング47の外輪が挿着される孔部48aを有する軸受本体48と、を有する。軸受本体48は略三角形状を有し、かつ、ハウジング部材3の右側壁部35Bのボルト挿通孔38…に対応する雌ネジ孔を有する。そして、軸受本体48が、この側壁部35Bの内側面に、ボルトによって取付けられる。軸部材2の片方が軸受部材46に回転自在に保持されるので、軸部材2の軸心が振れることなくスムーズに回転し、除雪作業がスムーズになる。
【0018】
また、図1,図2に於て、26は、一端26a・他端26bが夫々保持杆5・ハウジング部材3の後部に着脱自在に取付けられて除雪部材4の向きを固定させるための固定杆部材である。一端26aは、例えば、ヒンジで開閉自在となり保持杆5を包囲してビス等で固定する着脱部から成り、また、他端26bは、ハウジング部材3の後面にビス等で着脱自在な取付片から成る。
【0019】
図13は本発明に係る除雪装置の他の実施の形態を示し、車輪7が、図1のものと相違して、ブロー成型により形成された小型の中空樽型(殻構造)を有し、刃高設定具42の大きさと同程度の大きさに形成されている。なお、図1の刈払機40の車輪7は、刃高設定具42よりも大きな径を有するタイヤ形状に成形されており、図示省略されているが、接地面に滑り止め用凹凸を形成してもよい。また、図1,図13の両装置は、車輪7の左右両側に、一対の補助輪が配設される。
そして、図13に於て、手押式刈払機40を草刈用として使用される場合、保持杆5に刃高設定具42、ガード部材43が取付けられると共に、回転伝達部9の回転軸部(図示省略)は鉛直方向に向けられて、草刈刃44が取付けられる(二点鎖線で示した状態)。ガード部材43は、草が使用者側に飛来するのを防ぐためのもので、刃高設定具42の前方にて保持杆5に着脱自在に取付けられる。
次いで、刈払機40を除雪用に使用する場合には、保持杆5・回転伝達部9からガード部材43・草刈刃44を取外し(矢印51参照)、そして、回転伝達部9の回転軸部を水平方向に向け、回転伝達部9に固定杆部材26・除雪部材4を取付ける(矢印52参照)。
なお、図1の手押式刈払機40に於ても、草刈用に使用する場合は、保持杆5・回転伝達部9にガード部材・草刈刃が取付けられており(図示省略)、除雪用として使用する場合に、図13で上述したのと同様の手順で交換作業を行う。
【0020】
そして、図1〜図6,図10に於て、手押式刈払機40のエンジン6を始動させると、回転伝達部9の回転軸部19に接続された軸部材2・雪掻き回転体1が水平軸心L廻りに矢印50のように前方向に回転する。そして、ハンドル41を持って刈払機40を前進させると、雪掬い辺部33の掬い縁部37が地表上の積雪Sを掬い、かつ、掬われた雪Sが前方下傾状掬い部33bを滑り上がり、雪Sはスムーズに雪掻き回転体1へ送られる。
そして、上述のように、雪掻き回転体1を成す3つの短回転体10…は、夫々の雪掻き羽根11…の位置が相互に周方向Xに 120°ずつずれた状態で、一体に回転するので(図4〜図6参照)、各雪掻き羽根11が雪Sを掻くタイミングが、夫々の短回転体10において120 °周期でずれるため、全ての短回転体10…の雪掻き羽根11…が同時に雪Sを掻くことがない。従って、雪Sを掻くときに短回転体10及び軸部材2が受けるトルクは、雪掻き羽根が軸心方向の全長にわたって雪Sを掻くものに比べて、3分の1程度となり、エンジン6に掛かる負荷が大幅に低減される。
また、電動除雪機と違い、電源コードの届かない場所でも除雪作業をできる。しかも、積雪量に応じて、エンジンの回転数を変えることで、雪掻き回転体1の回転数を変ることができるので、ギアボックスを除雪部材4に設ける必要がなく部品点数が少ない。
【0021】
そして、雪掻き羽根11が掬った雪Sは、雪掻き羽根11がハウジング部材3の投雪壁部31の弯曲板部31aに対応する位置にあるときには、弯曲板部31aにより、雪掻き羽根11に掬われた状態で保持されており、雪掻き羽根11が頂部近傍まで達すると、投雪壁部31の平板部31bの前面に沿って滑りつつ前方上傾方向へ飛び出していく(図10の矢印28参照)。また、両側壁部35, 35のガードにより雪が側方へ飛散することもない。このように、ハウジング部材3によって、雪を前方上傾の一定方向に誘導して飛ばすことができる。
なお、図1,図2の除雪部材4は前方より僅かに左側を向くように取付けられているが、設計変更自由であり、僅かに右側を向けたり、真正面に向くように取付けてもよい。また、除雪部材4は、回転伝達部9がハウジング部材3の左側壁部35Aに取付けられるように形成されているが、除雪部材4の全体の構造を左右逆として、回転伝達部9が右側壁部35Bに取付けられるように形成してもよい(図示省略)。
また、本発明に於ては、雪掻き回転体1を3つの短回転体10…から構成しているが、雪掻き回転体1の全長に応じて、4つ以上の短回転体10…から構成するのもよい。
また、本発明では、草刈用の手押式刈払機40の草刈刃を、除雪部材4に交換するものであるが、本発明のような除雪部材4を有する手押式除雪機を製造してもよい。即ち、該除雪機は、エンジン6と車輪7とがフレーム8に取付けられエンジン6から前方下傾方向へ延設された保持杆5の先端5aに、除雪部材4を取り付けたものとなる。
なお、図1,図13に於て、刈払機40に装着された刃高設定具42により、保持杆5の先端5aが前後だけでなく、左右にも大きく、かつ、軽く振れるので、左右へ────ほうきで掃くように、────巾広く効率良く除雪できる。
【0022】
以上のように、本発明に係る除雪装置は、エンジン6と車輪7とがフレーム8に取付けられエンジン6から前方下傾方向へ延設された保持杆5の先端5aにエンジン6の回転駆動力が伝えられ草刈刃が着脱自在な回転伝達部9を有する手押式刈払機40の、保持杆5の先端5aに着脱自在に取付けられる除雪部材4を備え、除雪部材4は、回転伝達部9を介して水平軸心L廻りに回転して雪を掻いて飛ばす雪掻き回転体1を具備するので、回転伝達部9に取付けた草刈刃を除雪部材4に交換することで、1台の手押式刈払機40を、夏場は草刈専用として、また、冬場は除雪用として用いることができ、エンジン6や車輪7等を有する手押式機械を多用途に有効利用できる。そして、草刈刃と除雪部材4を回転伝達部9に取付・取外するだけで使用用途を換えることができるので、交換作業に手間が掛からず至便である。また、草刈専用機と除雪専用機を夫々購入する必要がないので、購入経費の削減も図ることができる。
【0023】
また、本発明に係る除雪装置は、エンジン6と車輪7とがフレーム8に取付けられエンジン6から前方下傾方向へ延設された保持杆5の先端5aに取付けられる除雪部材4を備え、除雪部材4は、保持杆5の先端5aに設けられエンジン6の回転駆動力が伝えられる回転伝達部9を介して水平軸心L廻りに回転して雪を掻いて飛ばす雪掻き回転体1を具備するので、回転伝達部9に取付けた草刈刃を除雪部材4に交換することで、エンジン6や車輪7等から成る装置を、夏場は草刈専用として、また、冬場は除雪用として多用途に有効利用できる。そして、草刈刃と除雪部材4を回転伝達部9に取付・取外するだけで使用用途を換えることができるので、交換作業に手間が掛からず至便である。また、草刈専用機と除雪専用機を夫々購入する必要がないので、購入経費の削減も図ることができる。
【0024】
また、除雪部材4は、回転伝達部9に取付けられ水平軸心L廻りに回転する軸部材2と、保持杆5の先端5aに取付けられ雪掻き回転体1の後方近傍に設けられて雪掻き回転体1が掻いた雪を上方へ誘導するハウジング部材3と、を備え、かつ、雪掻き回転体1は、軸部材2に外嵌する差込孔部12を有し軸部材2と水平軸心L廻りに一体に回転する複数の短回転体10から成り、かつ、各短回転体10は、周方向Xに所定ピッチで付設された複数の雪掻き羽根11を有し、かつ、複数の短回転体10を、周方向Xにおいて雪掻き羽根11が相互にずれるように、隣接して軸部材2に外嵌して、雪掻き回転体1が構成されるので、複数の短回転体10…の雪掻き羽根11が積雪Sに接近するタイミングがずれるため、全ての短回転体10…の雪掻き羽根11が同時に雪Sを掻くことがない。従って、例えば、短回転体10…を3つに分割すれば、雪Sを掻くときに回転伝達部9が受けるトルクは、雪掻き羽根が軸心方向の全長にわたって同時に積雪Sを掻くものに比べ、3分の1程度となり、エンジン6に掛かる負荷が大幅に低減される。よって、雪掻き回転体1がスムーズに回転し、効率よく除雪作業を行うことができると共に、エンジン6等の故障を抑えることができる。
また、雪掻き回転体1を全て一体として製造する場合、金型のコストが非常に掛かり、しかも、金型を高精度にするのが非常に困難であるが、複数の短回転体10…に分割することで、金型のコストが大幅に低減され、高精度の金型を製造できる。
また、雪掻き羽根11が掬った雪を、ハウジング部材3によって、前方上方へ誘導して飛ばすことができるので、スムーズに除雪を行うことができる。
【0025】
また、軸部材2は断面正六角形の外周面20を有し、かつ、各短回転体10の差込孔部12は、軸部材2に略隙間無く外嵌可能な正六角形状に形成されているので、同じ形状の(同じ配置で雪掻き羽根11…を具備する)複数の短回転体10…を、夫々の雪掻き羽根11が周方向Xに位相がずれるように軸部材2に外嵌することができる。よって、例えば、3つの短回転体10…を、120 °ずつ位相をずらして軸部材2に外嵌することも可能となる。そして、雪掻き羽根11の配置が異なる短回転体10を製造する必要がないので、製造コストも削減できる。
【0026】
また、ハウジング部材3は、横断面上方前傾状の略Jの字に形成された雪を上方へ誘導する投雪壁部31と、投雪壁部31の下端縁32に沿って一体に形成された雪掬い辺部33と、を有するので、刈払機40を前進させると、雪掬い辺部33が地表上に積もった雪に食い込んで掬うため、雪をスムーズに雪掻き回転体1へ送ることができ、除雪を効率よく行うことができる。
また、各短回転体10の回転に伴い、雪掻き羽根11に掬われた雪が、ハウジング部材3の投雪壁部31の前面に沿って誘導されるので、雪を、前方上傾方向へ遠くに飛ばすことができ、除雪作業をスムーズに行うことができる。
また、ハウジング部材3は、投雪壁部31と雪掬い辺部33とが一体に形成されているので、別部材として製造してボルトナット結合等で一体にするものに比べて、手間が掛からず、使用中にボルトナット結合等が緩んで分離する虞れがなく頑強な構造にできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る除雪装置の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】要部平面図である。
【図3】要部正面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図3のB−B断面図である。
【図6】図3のC−C断面図である。
【図7】図6のD−D断面図である。
【図8】ハウジング部材を示す正面図である。
【図9】ハウジング部材を示す側面図である。
【図10】図8のE−E断面図である。
【図11】軸部材を示す一部断面側面図である。
【図12】軸受部材を示す正面図である。
【図13】本発明に係る除雪装置の他の実施の形態を示す説明用斜視図である。
【符号の説明】
【0028】
1 雪掻き回転体
2 軸部材
3 ハウジング部材
4 除雪部材
5 保持杆
5a 先端
6 エンジン
7 車輪
8 フレーム
9 回転伝達部
10 短回転体
11 雪掻き羽根
12 差込孔部
20 外周面
31 投雪壁部
32 下端縁
33 雪掬い辺部
40 手押式刈払機
L 水平軸心
X 周方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(6)と車輪(7)とがフレーム(8)に取付けられ該エンジン(6)から前方下傾方向へ延設された保持杆(5)の先端(5a)に該エンジン(6)の回転駆動力が伝えられ草刈刃が着脱自在な回転伝達部(9)を有する手押式刈払機(40)の、該保持杆(5)の先端(5a)に着脱自在に取付けられる除雪部材(4)を備え、該除雪部材(4)は、上記回転伝達部(9)を介して水平軸心(L)廻りに回転して雪を掻いて飛ばす雪掻き回転体(1)を具備することを特徴とする除雪装置。
【請求項2】
エンジン(6)と車輪(7)とがフレーム(8)に取付けられ該エンジン(6)から前方下傾方向へ延設された保持杆(5)の先端(5a)に取付けられる除雪部材(4)を備え、該除雪部材(4)は、該保持杆(5)の先端(5a)に設けられ上記エンジン(6)の回転駆動力が伝えられる回転伝達部(9)を介して水平軸心(L)廻りに回転して雪を掻いて飛ばす雪掻き回転体(1)を具備することを特徴とする除雪装置。
【請求項3】
上記除雪部材(4)は、上記回転伝達部(9)に取付けられ上記水平軸心(L)廻りに回転する軸部材(2)と、上記保持杆(5)の先端(5a)に取付けられ上記雪掻き回転体(1)の後方近傍に設けられて該雪掻き回転体(1)が掻いた雪を上方へ誘導するハウジング部材(3)と、を備え、
かつ、上記雪掻き回転体(1)は、上記軸部材(2)に外嵌する差込孔部(12)を有し該軸部材(2)と上記水平軸心(L)廻りに一体に回転する複数の短回転体(10)から成り、かつ、各該短回転体(10)は、周方向(X)に所定ピッチで付設された複数の雪掻き羽根(11)を有し、
かつ、複数の該短回転体(10)を、周方向(X)において上記雪掻き羽根(11)が相互にずれるように、隣接して上記軸部材(2)に外嵌して、上記雪掻き回転体(1)が構成される請求項1又は2記載の除雪装置。
【請求項4】
上記軸部材(2)は断面正六角形の外周面(20)を有し、かつ、各上記短回転体(10)の上記差込孔部(12)は、該軸部材(2)に略隙間無く外嵌可能な正六角形状に形成された請求項2又は3記載の除雪装置。
【請求項5】
上記ハウジング部材(3)は、横断面上方前傾状の略Jの字に形成された雪を上方へ誘導する投雪壁部(31)と、該投雪壁部(31)の下端縁(32)に沿って一体に形成された雪掬い辺部(33)と、を有する請求項2,3又は4記載の除雪装置。
【請求項1】
エンジン(6)と車輪(7)とがフレーム(8)に取付けられ該エンジン(6)から前方下傾方向へ延設された保持杆(5)の先端(5a)に該エンジン(6)の回転駆動力が伝えられ草刈刃が着脱自在な回転伝達部(9)を有する手押式刈払機(40)の、該保持杆(5)の先端(5a)に着脱自在に取付けられる除雪部材(4)を備え、該除雪部材(4)は、上記回転伝達部(9)を介して水平軸心(L)廻りに回転して雪を掻いて飛ばす雪掻き回転体(1)を具備することを特徴とする除雪装置。
【請求項2】
エンジン(6)と車輪(7)とがフレーム(8)に取付けられ該エンジン(6)から前方下傾方向へ延設された保持杆(5)の先端(5a)に取付けられる除雪部材(4)を備え、該除雪部材(4)は、該保持杆(5)の先端(5a)に設けられ上記エンジン(6)の回転駆動力が伝えられる回転伝達部(9)を介して水平軸心(L)廻りに回転して雪を掻いて飛ばす雪掻き回転体(1)を具備することを特徴とする除雪装置。
【請求項3】
上記除雪部材(4)は、上記回転伝達部(9)に取付けられ上記水平軸心(L)廻りに回転する軸部材(2)と、上記保持杆(5)の先端(5a)に取付けられ上記雪掻き回転体(1)の後方近傍に設けられて該雪掻き回転体(1)が掻いた雪を上方へ誘導するハウジング部材(3)と、を備え、
かつ、上記雪掻き回転体(1)は、上記軸部材(2)に外嵌する差込孔部(12)を有し該軸部材(2)と上記水平軸心(L)廻りに一体に回転する複数の短回転体(10)から成り、かつ、各該短回転体(10)は、周方向(X)に所定ピッチで付設された複数の雪掻き羽根(11)を有し、
かつ、複数の該短回転体(10)を、周方向(X)において上記雪掻き羽根(11)が相互にずれるように、隣接して上記軸部材(2)に外嵌して、上記雪掻き回転体(1)が構成される請求項1又は2記載の除雪装置。
【請求項4】
上記軸部材(2)は断面正六角形の外周面(20)を有し、かつ、各上記短回転体(10)の上記差込孔部(12)は、該軸部材(2)に略隙間無く外嵌可能な正六角形状に形成された請求項2又は3記載の除雪装置。
【請求項5】
上記ハウジング部材(3)は、横断面上方前傾状の略Jの字に形成された雪を上方へ誘導する投雪壁部(31)と、該投雪壁部(31)の下端縁(32)に沿って一体に形成された雪掬い辺部(33)と、を有する請求項2,3又は4記載の除雪装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−309050(P2007−309050A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−141637(P2006−141637)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(000112934)ブイアイブイエンジニアリング株式会社 (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(000112934)ブイアイブイエンジニアリング株式会社 (12)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]