説明

階層的な多孔性を有するケイ素含有結晶化材料

本発明は、階層的多孔性を有し、かつ、最大径200ミクロンを有する少なくとも2つの単位球状粒子から作られる材料であって、前記球状粒子の少なくとも1つは、酸化ケイ素を含みかつ結晶化壁を有する少なくとも1つのマトリクスを含み、前記材料は、水銀ポロシメトリによって測定されるマクロ細孔容積0.05〜1mL/gおよび窒素容積測定分析によって測定されるメソ細孔容積0.03〜0.4mL/gを有する、材料に関する。本発明はまた、この材料の調製および吸着剤または酸性固体としてのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケイ素含有材料、特にメタロケイ酸塩材料、より正確にはアルミノケイ酸塩材料であって、ミクロ多孔性、メソ多孔性およびマクロ多孔性の領域内に階層的な多孔性を有する、材料の分野に関する。本発明はまた、エアゾール合成と呼ばれる合成技術によって得られるこれらの材料の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
ミクロ多孔性材料からマクロ多孔性材料にわたる階層的多孔性の材料、すなわち、複数のサイズの細孔を有する材料の非常に広い範囲において明確な多孔性の材料を得ることを可能にする新しい合成戦略は、90年代中盤以来科学界内の非常に大きな発展を知っている(非特許文献1)。特に、ゼオライトに特有の触媒特性およびメソ多孔性相の触媒的かつ特別な組織(textural)特性の利益を同時に享受するようにゼオライト性の多孔性およびメソ多孔性を有する材料の開発に関してかなりの研究がなされた。
【0003】
このような二多孔性を有する材料を作り出す一般的に用いられている技術は、ゼオライトを、スチーミング(steaming)とも称される水蒸気の水熱処理(steam-hydrothermal treatment)に付すことによってゼオライト結晶内にメソ細孔を直接的に作ることに存する。この処理の作用の下、ゼオライトの骨格を作り上げる四面体原子(tetrahedric atom)の移動性(mobility)は、これらの原子のいくつかがネットワークから抜き出されるような程度にまで大きくなり、これは、メソ細孔性空洞に移行するように除去され得る無定形ゾーンの形成を引き起こす(非特許文献2)。このような空洞の形成は、ゼオライトを酸処理に付すことによっても得られ得る(非特許文献3)。しかしながら、これらの方法は、ゼオライトの部分を部分的に無定形にするという欠点および化学組成の変動を通じてその特性を改変するという欠点を有する。ともかく、こうして導入されたメソ多孔性は、ミクロ細孔性材料において出くわす拡散制限の問題を除くかまたは少なくとも制限することを可能にし、メソ細孔は、ミクロ細孔よりはるかに大きい拡散要因を有し、したがって、ゼオライトの活性部位への接近を可能にする(非特許文献4)。
【0004】
より最近になって、メソ構造化/ゼオライトの混合材料の精密加工(elaboration)に関して多量の研究がなされ、メソ構造化材料は、メソ細孔の範囲内の完全に組織化されかつ調整された多孔性というさらなる利点を提供する。
【0005】
ここで簡単に思い出され得ることは、メソ構造化材料は、水溶液中または極性溶媒中で、無機前駆体を構造化剤(一般的には分子界面活性剤またはマクロ分子界面活性剤;イオン性または中性)と一緒にすることに存するソフト化学法と呼ばれる合成方法を介して都合よく得られるということである。無機前駆体の加水分解/縮合反応と一緒に関連している無機前駆体と構造化剤との間の静電相互作用または水素結合を通じた相互作用の制御は、無機マトリクス内に制御された均一サイズの界面活性剤のミセル凝集体を作り出す有機および無機相の協同集合につながる。次いで、多孔性のクリアランスが界面活性剤の除去によって得られ、これは、都合よく、化学抽出法または熱処理によって行われる。用いられる無機前駆体および構造化剤の性質および適用される操作条件に応じて、複数の族のメソ構造化材料が開発された。例えば、構造化剤として四級アンモニウム塩を用いてM41S族が得られ(非特許文献5)または構造化剤として三ブロック共重合体を用いてSBA族が得られる(非特許文献6)。
【0006】
このようなメソ構造化/ゼオライトの混合材料の精密加工を可能にする複数の合成技術は、したがって公開文献において列挙された。第一の合成技術は、第一段階において上記の従来の方法によりメソ構造化アルミノケイ酸塩材料を合成し、次いで、第二段階において、この材料に、ゼオライト材料の合成において一般的に用いられる構造化剤を含浸させることに存する。適切な水熱処理は、最初のメソ構造化アルミノケイ酸塩の無定形壁のゼオライト化につながる(非特許文献7〜10)。第二の合成技術は、ゼオライト種結晶のコロイド溶液および最終材料のメソ構造化を引き起こすために一般的に用いられる界面活性剤を一緒にすることに存する。ここの基本的な考え方は、組織化されたメソ多孔性の無機マトリクスの精密加工およびこのマトリクス内でのゼオライト種の成長を同時に生じさせ、結晶化壁を有するメソ構造化アルミノケイ酸塩材料を理想的に得ることである(非特許文献11)。これらの2つの技術の変形例は、2つの構造化剤(一方はゼオライト系を生じさせる可能性があり、他方はメソ構造化を引き起こす可能性がある)の存在下にアルミニウムおよびケイ素前駆体の混合物から出発することに存する。この溶液は、次いで、可変の水熱処理条件下に2回の結晶化段階に付され、第一段階は、組織化された多孔性のメソ細孔性の構造の形成につながり、第二段階は、無定形壁のゼオライト化につながる(非特許文献12〜13)。これらの合成方法の全ては、メソ構造に損傷を与え、それ故に、ゼオライト種の成長または壁のゼオライト化が完全に制御されない場合にその利点を失うという欠点を有し、これは、これらの技術を実施に対し細心の注意を要するものにする。
【0007】
これらの相のそれぞれに特有の触媒特性を巧みに利用するためにメソ構造化/ゼオライトの複合材料を直接的に精密加工することも可能であることが留意され得る。これは、ゼオライト種溶液およびメソ構造化アルミノケイ酸塩の種溶液の混合物の熱処理を通じて(非特許文献14)または予備合成されたメソ構造化アルミノケイ酸塩の表面におけるゼオライト層の成長を通じてなされ得る(非特許文献15)。
【0008】
ゼオライトの後処理を通じて得られたメソ細孔性ゼオライト材料の排除に対し、本発明者らは、実験的な観点から、全てのこれらの材料は、水溶液または極性溶媒内の構造化剤の存在下または不存在下の無機前駆体の直接的な沈殿によって得られ、この段階に次いで、大抵の場合、オートクレーブ中の1回以上の熟成段階が行われることに留意する。通常得られる単位粒子(elementary particle)は、不規則な形状を示し、それらは、一般的に200〜500nmの範囲にわたるサイズによって特徴付けられる。
【0009】
ミクロ多孔性およびマクロ多孔性の両方を示す材料の精密加工に関する研究もなされた。例えば、最も一般的に用いられる合成方法の一つは、マクロ多孔性発生要素としてポリスチレンボールを用いることおよびこれらのボールの周囲にゼオライトネットワークを作ることに存する(非特許文献16)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】ジー・ジェイ・デ・エー・エー・ソラー・イリア(G. J. de A. A. Soler-Illia)、シー・サンチェス(C. Sanchez),ビー・レビュー(B. Lebeau),ジェイ・パタリン(J. Patarin)著,「ケミカル・レビュー(Chem. Rev.)」、2002年、第102巻、p4093
【非特許文献2】エイ・エイチ・ヤンセン(A. H. Jansen)、エイ・ジェイ・コスター(A. J. Koster)、ケイ・ピー・デ・ジョン(K. P. de Jong)著、「J. Phys. Chem. B.」、2002年、第106巻、p.11905
【非特許文献3】エイチ・アジョット(H. Ajot)、ジェイ・エフ・ジョリー(J. F. Joly)、ジェイ・リンク(J. Lynch)、エフ・ラッツ(F. Raatz)、ピー・コーレット(P. Caullet)著、「Stud. Surf. Sci. Catal.」、1991年、第62巻、p.583
【非特許文献4】ピー・ビー・ワイス(P. B. Weisz)著、「Chemtech」、1973年、第3巻、p.498
【非特許文献5】ジェイ・エス・ベック(J. S. Beck)、ジェイ・シー・バルツリ(J. C. Vartuli)、ダブリュー・ジェイ・ロス(W. J. Roth)、エム・イー・レオノビッツ(M. E. Leonowicz)、シー・ティー・クレスゲ(C. T. Kresge)、ケー・ディー・シュミッツ(K. D. Schmitt)、シー・ティー・ダブリュー・チュ(C. T. -W. Chu)、ディー・エイチ・オルソン(D. H. Olson)、イー・ダブリュー・シェパード(E. W. Sheppard)、エス・ビー・マックレン(S. B. McCullen)、ジェイ・ビー・ヒギンス(J. B. Higgins)、ジェイ・エル・シュレンカー(J. L. Schlenker)著、「J. Am. Chem. Soc.」、1992年、第114巻、第27号、p.10834
【非特許文献6】ディー・ザオ(D. Zhao)、ジェイ・フェン(J. Feng)、キュー・ハオ(Q. Huo)、エヌ・メロッシュ(N. Melosh)、ジー・エイチ・フレディクソン(G. H. Fredickson)、ビー・エフ・キメルカ(B. F. Chmelka)、ジー・ディー・スタッキー(G. D. Stucky)、「サイエンス(Science)」、1998年、第279巻、p.548
【非特許文献7】ケー・アール・コレストラ(K. R. Kolestra)、エイチ・バン・ベッカム(H. van Bekkum)、ジェイ・シー・ヤンセン(J. C. Jansen)著、「Chem. Commun.」、1997年、p.2281
【非特許文献8】ディー・ティー・オン(D. T. On)、エス・カリアギュイン(S. Kaliaguine)著、「Angew. Chem. Int. Ed.」、2001年、第40巻、p.3248
【非特許文献9】ディー・ティー・オン(D. T. On)、ディー・ルティック(D. Lutic)、エス・カリアギュイン(S. Kaliaguine)著、「Micropor. Mesopor. Mater.」、2001年、第44巻、p.435
【非特許文献10】エム・ジェイ・ベルホエフ(M. J. Verhoef)、ピー・ジェイ・コオイマン(P. J. Kooyman)、ジェイ・シー・ファン・デル・ワール(J. C. van der Waal)、エム・エス・リグット(M. S. Rigutto)、ジェイ・エイ・ペータース(J. A. Peters)、エイチ・ファン・ベッカム(H. van Bekkum)著、「Chem. Mater.」、2001年、第13巻、p.683
【非特許文献11】ゼット・ティー・ジャン(Z. T. Zhang)、ワイ・ハン(Y. Han)、エフ・エス・ジャオ(F. S. Xiao)、エス・エル・オイウ(S. L. Oiu)、エル・ジュ(L. Zhu)、アール・ダブリュー・ワン(R. W. Wang)、ワイ・ユ(Y. Yu)、ゼット・ジャン(Z. Zhang)、ビー・エス・ゾウ(B. S. Zou)、ワイ・キュー・ワン(Y. Q. Wang)、エイチ・ピー・ソン(H. P. Sun)、ディー・ワイ・ジャオ(D. Y. Zhao)、ワイ・ウェイ(Y. Wei)著、「J. Am. Chem. Soc.」、2001年、第123巻、p.5014
【非特許文献12】エイ・カールソン(A. Karlsson)、エム・ステッカー(M. Stocker)、アール・シュミット(R. Schmidt)著、「Micropor. Mesopor. Mater.」、1999年、第27巻、p.181
【非特許文献13】エイ・カールソン(A. Karlsson)、エム・ステッカー(M. Stocker)、アール・シュミット(R. Schmidt)、「Stud. Surf. Sci. Catal.」、2000年、第129巻、p.99
【非特許文献14】ピー・プロケソワ(P. Prokesova)、エス・ミントワ(S. Mintova)、ジェイ・セツカ(J. Cejka)、ティー・バイン(T. Bein)著、「Micropor. Mesopor. Mater.」、2003年、第64巻、p.165
【非特許文献15】ディー・ティー・オン(D. T. On)、エス・カリアギュイン(S. Kaliaguine)著、「Angew. Chem. Int. Ed.」、2002年、第41巻、p.1036
【非特許文献16】ジー・エス・ジュ(G. S. Zhu)、エス・エル・キュイ(S. L. Qui)、エフ・エフ・ガオ(F. F. Gao)、ディー・エス・リ(D. S. Li)、ワイ・エフ・リ(Y. F. Li)、アール・ダブリュー・ワン(R. W. Wang)、ビー・ガオ(B. Gao)、ビー・エス・リ(B. S. Li)、ワイ・エイチ・グオ(Y. H. Guo)、アール・アール・グ(R. R. Xu)、ゼット・リウ(Z. Liu)、オー・テラサキ(O. Terasaki)著、「J. Mater. Chem.」、2001年、第11巻、第6号、p.1687
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の要約)
本発明は、階層的多孔度の材料であって、最大径200ミクロンを有する少なくとも2つの基本球状粒子からなり、少なくとも1つの該球状粒子は、酸化ケイ素をベースとする少なくとも1つのマトリクスを含み、該材料は、水銀ポロシメトリによって測定されるマクロ細孔容積0.05〜1mL/g、窒素容積測定分析によって測定されるメソ細孔容積0.01〜1mL/gおよび窒素容積測定分析によって測定されるミクロ細孔容積0.03〜0.4mL/gを有し、前記マトリクスは、材料のミクロ多孔性の起源であるゼオライト実体(zeolitic entity)からなる結晶化壁を示す、ものに関する。酸化ケイ素をベースとする前記マトリクスは、場合によっては、アルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素X、好ましくはアルミニウムも含む。本発明はまた、本発明による材料の調製に関する。本発明による材料を調製する方法は、a)ゼオライト実体前駆体要素、すなわち、少なくとも1種の構造化剤、少なくとも1種のケイ素前駆体および場合によるアルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の前駆体を含有する透明溶液を調製する段階と、b)少なくとも1種の界面活性剤および段階a)において得られた少なくとも前記透明溶液を混合して溶液にする段階と、c)段階b)において得られた前記溶液をエアゾール霧化して、球状小滴を形成させる段階と、d)前記小滴を乾燥させる段階と、e)段階d)において得られた粒子をオートクレーブ処理する段階と、f)段階e)において得られた前記粒子を乾燥させる段階と、g)前記構造化剤および界面活性剤を除去して、ミクロ多孔性、メソ多孔性およびマクロ多孔性の範囲の階層的多孔性結晶化材料を得る段階とを包含する。
【0012】
本発明による材料のゼオライト性の結晶化壁によって誘導されるミクロ多孔性は、本発明の方法の段階a)によるゼオライト実体前駆体要素を含む溶液の使用だけではなく、本発明による材料を調製する方法の段階e)による粒子のオートクレーブ処理にも由来する。本発明による材料のメソ多孔性およびマクロ多孔性は、界面活性剤の存在によって生じた有機相およびゼオライト実体前駆体要素を含有する溶液からの無機相のスピノーダル分解を通じた相分離の現象に起因し、この相分離の現象は、本発明の方法の段階c)によるエアゾール技術によって誘導される。
【0013】
酸化ケイ素をベースとするメソ細孔性およびマクロ細孔性の無機マトリクスをミクロ細孔性の結晶化壁と共に含む本発明による材料は、ゼオライト族の材料に特有の構造特性、組織特性および酸塩基特性およびメソ細孔性およびマクロ細孔性の材料に特有の組織特性を同時に示す。ミクロ細孔性の結晶化無機マトリクスにおけるマイクロメートル、さらにはナノメートルサイズの同一球状粒子内の、メソ細孔およびマクロ細孔の存在は、本発明による材料が可能性がある工業的用途において吸着剤または酸固体として用いられる時にミクロ細孔性の部位への反応剤および反応生成物の優先的なアクセスにつながる。さらに、本発明による材料は、球状単位粒子からなり、これらの粒子の径は、最大200μm、好ましくは100μm未満、有利には、50nm〜20μm、より有利には50nm〜10μm、最も有利には50〜300nmである。これらの粒子の制限されたサイズおよびそれらの均質な粒子サイズは、本発明による材料が可能性のある工業的用途において用いられる場合に、不均質な、すなわち不規則な形状およびしばしば500nm超のサイズの単位粒子の形でもたらされる従来技術から知られている材料と比較して反応剤および反応生成物のより良好な拡散を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(詳細な説明)
本発明の目的は、階層的な多孔性材料であって、200ミクロンの最大径を有する少なくとも2つの単位球状粒子からなり、少なくとも1つの前記球状粒子は、酸化ケイ素ベースとし結晶化壁を示す少なくとも1つのマトリクスを含み、前記材料は、水銀ポロシメトリによって測定されるマクロ細孔容積0.05〜1mL/g、窒素容積測定分析によって測定されるメソ細孔容積0.01〜1mL/gおよび窒素容積測定分析によって測定されるミクロ細孔容積0.03〜0.4mL/gを有する、ものである。
【0015】
本発明の意味において階層的多孔性材料であることに対して理解されるべきことは、三種の多孔性:マクロ細孔水銀容積0.05〜1mL/g、好ましくは0.1〜0.3mL/gによって特徴付けられるマクロ多孔性、窒素容積測定分析によって測定されるメソ細孔容積0.01〜1mL/g、好ましくは0.1〜0.6mL/gによって特徴付けられるメソ多孔性およびゼオライトタイプのミクロ孔多孔性を有する少なくとも1つのおよび一般的には複数の球状粒子を有する材料であることであり、その特徴(ゼオライトの構造タイプ、ゼオライト骨格の化学組成)は、本発明による材料の球状粒子の各マトリクスの結晶壁の構成ゼオライト実体に依存する。マクロ多孔性はまた、50〜1000nm、好ましくは80〜500nmのマクロ細孔性領域の存在によって特徴付けられ、かつ/または、それは、粒子内組織的マクロ多孔性に由来する。メソ多孔性はまた、2〜50nm、好ましくは10〜50nmの範囲にわたるメソ細孔性領域の存在によって特徴付けられる。本発明による材料はまた、有利には、メソ多孔性を有しない単位球状粒子を有し得る。ミクロ細孔性の多孔性はまた、本発明による材料を調製するために用いられた界面活性剤と無機壁との、本発明による前記材料の精密加工の際に作り上げられた有機−無機界面のレベルでのインブリケーション(imbrication)に由来し得ることが留意され得る。
【0016】
本発明によると、本発明による材料の球状粒子のそれぞれを形成する酸化ケイ素をベースとするマトリクスは、本発明による材料の各球状粒子内に存在するミクロ多孔性の起源とするゼオライト実体からなる結晶化壁を有する。あらゆるゼオライト、特に、しかし限定的な方法でなく、「Atlas of zeolite framework types」、第5改訂版、2001年、C.Baerlocher、W.M.Meier、D.H.Olson」において挙げられるものが、これらの実体の前駆体要素、すなわち、少なくとも1種の構造化剤、少なくとも1種のケイ素前駆体および場合によるアルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素X、好ましくはアルミニウムの少なくとも1種の前駆体が透明な溶液を得ることを可能にする溶液に持ち込む瞬間から、本発明による材料の各粒子のマトリクスの結晶化壁の構成ゼオライト実体を形成するために用いられ得る。本発明による、かつ、そのミクロ多孔性の起源となる材料の各粒子のマトリクスの結晶化壁の構成ゼオライト実体は、好ましくは、以下のゼオライトの中から選択される少なくとも1種のゼオライトを含む:ZSM−5、ZSM−48、ZSM−22、ZSM−23、ZBM−30、EU−2、EU−11、シリカライト、ベータ、ゼオライトA、フォージャサイト、Y、USY、VUSY、SDUSY、モルデナイト、NU−87、NU−88、NU−86、NU−85、IM−5、IM−12、フェリエライトおよびEU−1。より好ましくは、本発明による材料の各粒子のマトリクスの結晶化壁を作り上げるゼオライト実体は、MFI、BEA、FAUおよびLTAの構造型ゼオライトの中から選択される少なくとも1種のゼオライトを含む。
【0017】
本発明によると、本発明による材料の単位球状粒子のそれぞれを形成する酸化ケイ素をベースとするマトリクスは、完全にケイ素であるかまたは、それは、ケイ素に加えて、アルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素X、好ましくはアルミニウムを含む。それ故に、本発明による、および、そのミクロ多孔性の起源となる材料の各粒子のマトリクスの結晶化壁を作り上げるゼオライト実体は、有利には、完全にケイ素であるかまたはケイ素に加えて、アルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素X、好ましくはアルミニウムを含む少なくとも1種のゼオライトを含む。Xがアルミニウムである場合、材料のマトリクスは、この場合、アルミノケイ酸塩である。このアルミノケイ酸塩は、マトリクスの結晶化壁の構成ゼオライト実体の形成につながるケイ素およびアルミニウムの前駆体のモル比に等しいSi/Alモル比を有する。
【0018】
本発明によると、本発明による材料を作り上げる前記単位球状粒子は、200ミクロンの最大径、好ましくは100ミクロン未満、有利には50nm〜20μm、より有利には50nm〜10μm、最も有利には50〜300nmを有する。より正確には、それらは、本発明による材料中に、凝集体の形態で存在する。
【0019】
本発明による材料は、有利には100〜1100m/g、より有利には200〜800m/gの範囲の比表面積を有する。
【0020】
本発明の目的はまた、本発明による材料の調製である。本発明による材料を調製する前記方法は、a)ゼオライト実体前駆体要素、すなわち、少なくとも1種の構造化剤、少なくとも1種のケイ素前駆体および場合によるアルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素X、好ましくはアルミニウムの少なくとも1種の前駆体を含有する透明溶液を調製する段階と、b)少なくとも1種の界面活性剤および段階a)において得られた少なくとも前記透明溶液を混合して溶液にする段階と、c)段階b)において得られた前記溶液をエアゾール霧化して、球状小滴を形成させる段階と、d)前記小滴を乾燥させる段階と、e)段階d)において得られた粒子をオートクレーブ処理する段階と、f)段階e)において得られた前記粒子を乾燥させる段階と、g)前記構造化剤および前記界面活性剤を除去して、ミクロ多孔性、メソ多孔性およびマクロ多孔性の範囲の階層的多孔性結晶材料を得る段階とを包含する。
【0021】
本発明による調製方法の段階a)によると、ゼオライト実体前駆体要素、すなわち、少なくとも1種の構造化剤、少なくとも1種のケイ素前駆体および場合によるアルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素X、好ましくはアルミニウムの少なくとも1種の前駆体を含有する透明溶液は、当業者に知られている操作手順から調製される。
【0022】
本発明による方法の段階a)を行うために用いられるケイ素前駆体は、当業者に知られている酸化ケイ素前駆体の中から選択される。特に、ゼオライトの合成において一般的に用いられるシリカ前駆体の中から選択されるケイ素前駆体が、有利には用いられ、例えば、粉体の固体シリカ、ケイ酸、コロイダルシリカ、溶解シリカまたはテトラエチルオルトケイ酸塩(tetraethylorthosilicate:TEOS)とも称されるテトラエトキシシランが用いられる。ケイ素前駆体は、好ましくはTEOSである。
【0023】
本発明による方法の段階a)を行うために場合によっては用いられる元素Xの前駆体は、元素Xを含みかつこの元素を溶液、特には水溶液または水−有機溶液中に活性な形で放出し得るあらゆる化合物であり得る。Xがアルミニウムである好ましい場合、アルミニウム前駆体は、有利には、式AlZ(Zはハロゲン、ニトラートまたはヒドロキシドである)の無機アルミニウム塩である。好ましくは、Zは、塩素である。アルミニウム前駆体はまた、式Al(SOの硫酸アルミニウムであり得る。アルミニウム前駆体はまた、式Al(OR)(R=エチル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル(Al(O)またはt−ブチル)の有機金属前駆体またはキレート前駆体、例えば、アルミニウム・アセトアセトナート(Al(C)であり得る。好ましくは、Rはs−ブチルである。アルミニウム前駆体はまた、アルミン酸ナトリウムまたは、当業者に知られているその結晶相の一つにおける適切なアルミナ(α、δ、θ、γ)であり得、前記適切なアルミナは好ましくは水和された形態または水和され得る形態である。
【0024】
前述の前駆体の混合物を用いることも可能である。アルミニウムのまたはケイ素の前駆体の一部または全部は、場合によっては、無定形シリカ・アルミナ等のアルミニウム原子およびケイ素原子の両方を含む単一化合物の形態で加えられ得る。
【0025】
本発明による方法の段階a)を行うために用いられる構造化剤は、合成されるべきゼオライトに応じてイオン性または中性であり得る。以下の限定的なリストからの構造化剤がしばしば用いられる:テトラプロピルアンモニウム(tetrapropylammoniumu:TPA)等の窒素含有有機カチオン、アルカリ族からの元素(Cs、K、Na等)、クラウンエーテル、ジアミン、並びにゼオライト合成についての当業者に知られている任意の他の構造化剤。
【0026】
ゼオライト実体前駆体要素を含有する透明溶液は、一般的に、本発明による材料調製方法の段階a)に従って、少なくとも1種のケイ素前駆体、場合によるアルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の前駆体、好ましくは少なくとも1種のアルミニウム前駆体および少なくとも1種の構造化剤を含有する反応混合物を調製することによって得られる。反応混合物は、水性または水−有機性、例えば水−アルコール混合物のいずれかである。塩基性反応媒体は、好ましくは、本発明による材料の各粒子のマトリクスの結晶壁を作り上げるゼオライト実体の成長を有利にするために本発明による方法の種々の段階において用いられる。溶液の塩基性は、有利には、用いられる構造化剤の塩基性または塩基性化合物、例えば、アルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムの付与を通じた反応混合物の塩基性化によって提供される。反応混合物は、自己生成圧力下に、場合によっては、ガス、例えば窒素を加えることによって、周囲温度から200℃の範囲にわたる、好ましくは周囲温度から170℃の範囲にわたる温度、より好ましくは、120℃を超えない温度で、本発明による材料の各球状粒子のマトリクスの結晶壁を作り上げるゼオライト実体の前駆体要素を含有する透明溶液が形成されるまで水熱条件に付され得る。好ましい操作方法によると、少なくとも1種の構造化剤、少なくとも1種のケイ素前駆体および場合によるアルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の前駆体を含有する反応混合物は、本発明による材料調製方法のオートクレーブ処理段階e)の間に結晶ゼオライト実体の形成を引き起こす可能性があるゼオライト種の前駆体要素を含有する透明溶液を得るように周囲温度で熟成させられる。
【0027】
本発明の方法の段階a)によると、透明溶液中に存在するゼオライト実体の前駆体要素は、当業者に知られている操作手順に従って合成される。特に、本発明による材料であって、該材料の各粒子のマトリクスはベータゼオライト実体からなるもののために、ベータゼオライト実体の前駆体要素を含有する透明溶液は、P. Prokesova, S. Mintova, J. Cejka、T. Bein et al.,Micropor. Mesopor. Mater., 2003, 64, 165によって記載される操作手順から調製される。本発明による材料であって、その各粒子マトリクスはYゼオライト実体からなるもののために、Yゼオライト実体の前駆体要素を含有する透明溶液は、Y. Liu, W. Z. Zhang, T. J. Pinnavaia et al., J. Am. Chem. Soc.,2000, 122, 8791に記載される操作手順から調製される。本発明による材料であって、その各粒子のマトリクスがフォージャサイトゼオライト実体からなるもののために、フォージャサイトゼオライト実体の前駆体要素を含有する透明溶液は、K. R. Kloetstra, H. W. Zandbergen, J. C. Jansen, H. vanBekkum, Microporous Mater., 1996, 6, 287によって記載される操作手順に従って調製される。本発明による材料であって、その各粒子のマトリクスがZSM−5ゼオライト実体からなるもののために、ZSM−5ゼオライト実体の前駆体要素を含有する透明溶液は、A. E. Persson, B. J. Schoeman, J. Sterte, J. -E. Otterstedt, Zeolites, 1995, 15, 611によって記載された操作手順に従って調製され、正確な操作手順は、本出願の実施例1の対象である。高純度のケイ素材料の特定の場合、本発明による材料の壁を作り上げるシリカライトゼオライト実体の前駆体要素を含有する透明溶液は、有利には、A. E. Persson, B. J. Schoeman, J. Sterte, J. -E. Otterstedt, Zeolites, 1994, 14, 557によって記載される操作手順から調製される。
【0028】
本発明による材料調製方法の段階b)によると、用いられる界面活性剤は、イオン性または非イオン性の界面活性剤またはその混合物である。好ましくは、イオン性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(sodium dodecylsulfate:SDS)等の硫酸塩の中から選択される。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、両親媒性高分子特性をそれらの上に授与する異なる極性の少なくとも2つの部分を有するあらゆる共重合体であり得る。これらの共重合体は、以下の共重合体族の限定的なリストに属し得る:フッ化共重合体(-[CH2-CH2-CH2-CH2-O-CO-R1、R1 = C4F9、C8F17)等、生物学的共重合体、例えば、ポリアミノ酸(ポリ−リジン、アルギン酸塩等)、デンドリマー、ポリ(アルキレンオキシド)鎖からなるブロック共重合体および当業者に知られる両親媒性特徴の任意の他の共重合体(S. Forster, M. Antionnetti, Adv.Mater, 1998, 10, 195-217 ; S. Forster, T.Plantenberg, Angew. Chem. Int. Ed, 2002, 41 , 688-714 ; H. Colfen, Macromol. Rapid Commun, 2001 , 22, 219-252)。
【0029】
好ましくは、ポリ(アルキレンオキシド)鎖からなるブロック共重合体は、本発明の範囲内で用いられる。前記ブロック共重合体は、好ましくは、2、3または4つのブロックを有するブロック共重合体であって、各ブロックは、ポリ(アルキレンオキシド)鎖からなる、ブロック共重合体である。2−ブロック共重合体について、ブロックの一方は、親水性のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなり、他方のブロックは、疎水性のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなる。3−ブロック共重合体について、ブロックの2つは、親水性のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなるのに対して、親水性部分を有する2つのブロックの間に位置する他のブロックは、疎水性のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなる。好ましくは、3−ブロック共重合体の場合、親水性のポリ(アルキレンオキシド)鎖は、(PEO)および(PEO)で示されるポリ(エチレン)オキシド鎖であり、疎水性のポリ(アルキレンオキシド)鎖は、(PPO)で示されるポリ(プロピレンオキシド)鎖、ポリ(ブチレンオキシド)鎖または各鎖が複数種のアルキレンオキシドモノマーの混合である混合鎖である。より好ましくは、3−ブロック共重合体の場合、2つのポリ(エチレンオキシド)鎖およびポリ(プロピレンオキシド)鎖からなる化合物が用いられる;より特定的には、それは、式(PEO)−(PPO)−(PEO)の化合物である(ここで、Xは5〜300の範囲にわたり、Yは33〜300の範囲にわたり、Zは5〜300の範囲にわたる)。好ましくは、XおよびZの値は同一である。X=20、Y=70およびZ=20である化合物(P123)およびX=106、Y=70およびZ=106である化合物(F127)が、非常に有利に用いられる。Pluronic(登録商標)(BASF)、Tetronic(登録商標)(BASF)、Triton(登録商標)(Sigma)、Tergitol(登録商標)(Union Carbide)およびBrij(登録商標)(Aldrich)として知られている市販の非イオン性界面活性剤が、本発明による調製方法の段階b)において非イオン性界面活性剤として用いられ得る。4−ブロック共重合体について、ブロックの2つは、親水性のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなり、他の2つのブロックは、疎水性のポリ(アルキレンオキシド)鎖
からなる。
【0030】
本発明による材料調製方法の段階b)の終了時に得られた溶液であって、少なくとも前記界面活性剤および段階a)において得られた少なくとも前記透明溶液が混合されたものは、酸性、中性または塩基性であり得る。好ましくは、前記溶液は塩基性であり、それは、好ましくは、9超のpH値を有し、このpH値は、一般的に、本発明による材料調製方法の段階a)により得られたゼオライト実体の前駆体要素を含有する透明溶液のpH値によって与えられる。段階b)の終了時に得られた溶液は、水性であり得るか、または、それは、水と有機溶媒の混合物であり得、有機溶媒は、好ましくは、極性溶媒、特には、アルコールであり、好ましくはエタノールである。
【0031】
本発明による調製方法の段階b)による混合物に導入される界面活性剤の量は、本発明による方法の段階a)に従って得られたゼオライト実体の前駆体要素を含有する透明溶液を加える時に前記混合物に導入される無機物質の量に関して規定される。無機物質の量は、ケイ素前駆体の量および元素Xの前駆体の量(それが存在する場合)に対応する。モル比n無機/n界面活性剤は、本発明による材料調製方法の霧化段階c)の間に形成される有機−無機の二元系が、形成メカニズムがスピノーダル分解である相互接続された二相ネットワークの出現によって特徴付けられる相分離を経るようにされる。スピノーダル分解メカニズムによって相分離が起こる分解領域は、二元系の自由エンタルピーGが最少にされる(∂G/∂x=0、xは有機相のモル分率であり、1−xは、無機相のモル分率である)境界によって範囲を定められ、この領域に属している各分解のために、エンタルピーの二次導関数∂G/∂xは、0超である。スピノーダル分解メカニズムを介する相分離の原理は、重合体の存在下にシリカゲルを得るためにNakanishiによって広く記載された(K. Nakanishi, Journal of Porous Materials, 1997, 4, 67)。スピノーダル分解を通じたこの相分離現象に由来する二相の有機−無機ネットワークの特定の相互接続は、本発明による材料によって示される特定のメソ細孔およびマクロ細孔の表面組織(texture)の起源にある。本発明による方法の段階b)によると、混合物に導入された界面活性剤の初期濃度(cによって規定される)は、cが、cmc以下であるようにされる(パラメータcmcは、当業者に知られている臨界ミセル濃度、すなわち、これを超えると界面活性剤分子の自己集合の現象が起こる限界濃度を示す)。霧化の前に、本発明による材料調製方法の段階b)によって規定される溶液の界面活性剤分子の濃度は、したがって、特定のミセル相の形成につながらない。本発明による方法の好ましい実施形態において、濃度cは、cmc未満であり、モル比n無機/n界面活性剤は、二元系の組成が、相分離メカニズムがスピノーダル分解を通じて起こる組成条件を確認するようになされ、本発明による調製方法の段階b)において求められる前記溶液は、塩基性の水−アルコール混合物である。
【0032】
本発明による調製方法の段階c)による混合物霧化段階は、球状小滴を生じさせる。これらの小滴のサイズ分布は、正規対数型のものである。ここで用いられるエアゾール発生器は、6ジェット霧化器を有するTSIによって提供される市販装置の9306A型である。溶液の霧化は、キャリアガスであるO/N混合物(乾燥空気)が1.5バールの圧力Pで送られる室内で起こる。
【0033】
本発明による調製方法の段階d)によると、前記小滴は乾燥させられる。乾燥は、キャリアガスであるO/N混合物を介する前記小滴のPVC管中の輸送を通じて行われ、これは、溶液、例えば、本発明による材料調製方法の段階b)の間に得られる塩基性の水−有機溶液の蒸発の進行およびそれ故に球状単位粒子の形成につながる。この乾燥手順は、温度が調整され得るオーブン中の前記粒子の通過によって完了し、通常の温度は50〜600℃の範囲にわたり、好ましくは80〜400℃であり、オーブン中の粒子の滞留時間は1秒程度である。その後、粒子は、フィルタにおいて回収される。回路の終わりの位置に配置されたポンプは、エアゾール実験装置中の種の送達に有利に働く。本発明の方法の段階d)による小滴の乾燥の後、有利には、50〜150℃の範囲にわたる温度でのストーブ中の通過がなされる。
【0034】
本発明による方法の段階e)によると、本発明による方法の段階d)において得られた乾燥した粒子は、溶媒の存在下にオートクレーブ処理される。この段階は、前記粒子を溶媒の存在下に、選択された操作条件に固有の自己生成圧力下に操作するように所与の温度で容器(enclosure)中に置くことに存する。用いられる溶媒は、プロトン性極性溶媒である。好ましくは、用いられる溶媒は水である。導入される溶媒の容積は、選択されたオートクレーブの容積に関して規定される。それ故に、導入される溶媒の容積は、選択されたオートクレーブの容積の0.01〜20%、好ましくは0.05〜5%、より好ましくは0.05〜1%の範囲にわたる。オートクレーブ処理温度は、本発明による材料の各粒子内に作り出されたメソ孔性およびマクロ孔性の組織を壊すだろうあまりに大きいゼオライト結晶を生じさせることなく本発明による材料の各粒子のマトリクスの壁においてゼオライト実体を成長させるように50〜200℃の範囲、好ましくは60〜170℃の範囲、より好ましくは60〜120℃の範囲にわたる。オートクレーブ処理は、1〜96時間にわたって、好ましくは20〜50時間にわたって続けられる。
【0035】
本発明による調製方法の段階f)によると、オートクレーブ処理後の粒子の乾燥は、有利には、ストーブ中50〜150℃の範囲にわたる温度で行われる。
【0036】
本発明による方法の段階a)において場合により用いられる元素Xがアルミニウム元素であり、かつ、透明溶液に塩基性を提供する水酸化ナトリウムおよび/またはナトリウム含有の構造化剤の使用を介してナトリウム元素が本発明による方法の段階a)に従って得られた透明溶液中に存在する特定の場合において、本発明による方法の段階f)およびg)の間にNaカチオンがNHカチオンに対して交換されることを可能にするイオン交換のさらなる段階が好ましくは行われる。この交換は、構造化剤および界面活性剤の除去が空気中の焼成により行われる好ましい場合において本発明による方法の段階g)の後にプロトンHの形成につながるものであり、この交換は、当業者に知られている操作手順に従って行われる。通常の方法の一つは、本発明による方法の段階f)からの乾燥固体粒子を、硝酸アンモニウム水溶液中に懸濁させることに存する。集合物は、次いで、1〜6時間にわたって還流させられる。粒子は、次いで、ろ過によって回収され(9000rpm遠心分離)、洗浄され、次いで、50〜150℃の範囲にわたる温度でのストーブ中の通過を通じて乾燥させられる。このイオン交換/洗浄/乾燥のサイクルは、複数回、好ましくは2回以上繰り返され得る。この交換サイクルはまた、本発明による方法の段階f)およびg)の後に行われ得る。次いで、これらの条件下に、段階g)は、上記に説明されるようにプロトンHを生じさせるために最後の交換サイクル後に繰り返される。
【0037】
本発明による調製方法の段階g)によると、階層的多孔性を有する本発明による材料を得るための構造化剤および界面活性剤の除去は、有利には、化学的抽出方法または熱処理によって、好ましくは空気中の300〜1000℃の範囲、好ましくは400〜600℃の範囲にわたる温度における、1〜24時間、好ましくは2〜12時間にわたる焼成によって行われる。
【0038】
本発明による調製方法の段階b)において調製された溶液が、水−有機溶媒混合物(好ましくは塩基性)であるならば、本発明による調製方法の段階b)の間、界面活性剤濃度が臨界ミセル濃度より低いことおよび混合物の自由エンタルピーの変動ΔGおよび自由エンタルピーの二次導関数∂G/∂xが0より大きく、その結果、エアゾール技術による本発明による調製方法の段階c)の間の前記水−有機溶液(好ましくは塩基性)の蒸発が本発明による材料の球状粒子のメソ細孔性およびマクロ細孔性の相の発生につながるスピノーダル分解を通じた有機および無機相の分離の現象を誘導するように比n無機/n界面活性剤がなっていることが必須である。前記の観察される相分離は、各小滴内の、十分な試薬濃度が達せられて前記現象を引き起こすまでの水−有機溶液(好ましくは塩基性)の蒸発に由来するケイ素前駆体、場合による元素Xの前駆体、好ましくはアルミニウム前駆体および界面活性剤の濃縮の進行の結果である。
【0039】
本発明による階層的多孔性材料は、粉体、ボール、ペレット、細粒または押出物の形態で得られ得、形状化操作は、当業者に知られている従来技術を用いて行われる。好ましくは、本発明による階層的多孔性材料は、200μmの最大径を有する単位球状粒子からなる粉体の形態で得られ、これは、本発明による材料が可能性のある工業的用途において用いられる場合に可能な試薬の拡散を促進する。
【0040】
本発明による階層的多孔性材料は、複数の分析技術、特に、広角X線回折(wide-angle X-ray diffraction: WAXD)、窒素容積測定分析(BET)、水銀ポロシメトリ、透過型電子顕微鏡法(transmission electron microscopy:TEM)、走査型電子顕微鏡法(scanning electron microscopy:SEM)およびX線蛍光(X-ray fluorescence:XRF)によって特徴付けられる。
【0041】
広角X線回折技術(5〜70°の範囲にわたる角度2θの値)は、分子スケールでの単位パターンの繰り返しまたは基本格子によって規定される結晶化固体を特徴付けることを可能にする。以降の記載において、X線の分析は、粉体に関して、背面モノクロメータ(rear monochromator)を備えた反射回折計により、銅の放射(波長1.5406Å)を用いて行われる。角度2θの所与の値に対応するディフラクトグラムにおいて通常観察されるピークは、ブラッグの式:2d(hkl)sin(θ)=nλによって、材料の構造対称性(対称性)の特徴である格子面間隔d(hkl)と関係がある((hkl)は、相互のネットワークのミラー指数である)。次いで、この指標付けは、直接的なネットワークの格子パラメータ(abc)を決定することを可能にする。広角X線回折分析は、それ故に、本発明による材料が構成する各単位球状粒子のマトリクスの結晶壁を作り上げるゼオライト実体の構造上の特徴化のためによく適している。特に、それは、ゼオライト実体の細孔のサイズを知ることを可能にする。例えば、TEOSをケイ素前駆体として、Al(Oをアルミニウム前駆体としてTPAOHを構造化剤として、ポリ(エチレンオキシド)106−ポリ(プロピレンオキシド)70−ポリ(エチレンオキシド)106(PEO106−PPO70−PEO106またはF127)として知られる特定のブロック共重合体を界面活性剤として用いて本発明の方法に従って得られた、メソ細孔性およびマクロ細孔性の多孔性の材料であって、各球状粒子のそのミクロ細孔性の壁がZSM−5(MFI)ゼオライト実体からなるものの広角X線ディフラクトグラムは、ZSM−5ゼオライトのPnma対称群(No.62)と関係する広角ディフラクトグラムを示す。X線ディフラクトグラムにおいて得られた角度の値は、ブラッグの法則:2dsin(θ)=nλにより相関距離dに戻ることを可能にする。ゼオライト実体特徴付けに対して得られた格子パラメータa、b、cの値(a=20.1Å、b=19.7Åおよびc=13.1Å)は、当業者に知られているZSM−5(MFI構造型)ゼオライトに対して得られた値と首尾一貫している("Collection of simulated XRD powder patterns for zeo
lites", 4th revised Edition, 2001 , M. M. J. Treacy, J. B. Higgins)。
【0042】
窒素容積測定分析は、一定温度での漸進的な圧力上昇を介した材料の多孔性における窒素分子の物理吸着に相当するものであり、本発明の方法により得られた材料の特定の表面組織特徴に関する情報(細孔径、多孔性タイプ、比表面積)を提供する。特に、それは、材料のミクロ細孔およびメソ細孔の容積の全体的な値を知ることを可能にする。窒素吸着等温線およびヒステリシスループの形状は、本発明による材料の各球状粒子のマトリクスの結晶壁を作り上げるゼオライト実体に関連するミクロ多孔性の存在およびメソ多孔性の性質についての情報を与え得る。本発明による材料のミクロ多孔性の定量分析は、「t」(Lippens-De Boer法、1965)またはF. Rouquerol、J. RouquerolおよびK. Singによって記述された「Adsorption by powders and porous solids. Principles, methodology and applications」(Academic Press),1999に記載されるように初期吸着等温線の変換に対応する「α」(Singによって提供される方法)法から行われる。これらの方法は、本発明による材料のミクロ多孔性の特徴であるミクロ細孔容積の値並びにサンプルの比表面積を特に得ることを可能にする。用いられる基準固体は、LiChrospher(登録商標)Si-1000シリカである(M. Jaroniec, M. Kruck, J. P. Olivier, Langmuir, 1999, 15, 5410)。例えば、本発明の材料調製方法に従って、TEOSをケイ素前駆体として、Al(Oをアルミニウム前駆体として、TPAOHを構造化剤として、ポリ(エチレンオキシド)106−ポリ(プロピレンオキシド)70−ポリ(エチレンオキシド)106(PEO106−PPO70−PEO106またはF127)として知られている特定のブロック共重合体を界面活性剤として用いて得られる、メソ細孔性およびマクロ細孔性の多孔性の材料であって、各球状粒子のそのミクロ細孔性のマトリクス壁はZSM−5(MFI)ゼオライト実体からなるものの窒素吸着等温線は、P/Pの低い値の範囲(ここでPは温度Tでの飽和蒸気圧)において大きな吸着の急騰(adsorption jump)、次いで、ミクロ細孔性材料の特徴である広い圧力範囲にわたって極わずかの傾きを有する平坦域、並びにサイズが1.5〜50nmの範囲にわたるメソ細孔の典型である高いP/P値の範囲におけるタイプIVの等温線およびタイプH1のヒステリシスループを示す。同様に、前述のα法を介して得られる曲線Vads(mL/g)=f(α)は、材料内のミクロ多孔性の存在の特徴であり、それは、0.03〜0.4mL/gの範囲にわたるミクロ細孔の容積値につながる。上記のミクロ細孔およびメソ細孔の全体的な容積およびミクロ細孔容積の測定は、0.01〜1mL/gの範囲にわたる本発明による材料についてのメソ細孔容積値につながる。
【0043】
水銀ポロシメトリ分析は、ASTM D4284-83標準による、4000バールの最大圧力での、484dyne/cmの表面張力および140°の接触角を用いる(値は、J. Charpin およびB. Rasneurによって記述された「Technique de l'ingenieur, traite analyse et caracterisation", page 1050」において推奨される以下のものにおいて選択される)、本発明の材料中のメソ細孔およびマクロ細孔の存在の特徴である所定容積の水銀の圧入(intrusion)に対応するが、その際、細孔は、円筒形状のものであることが前提とされる。この技術は、上記の窒素容積測定分析技術に対する補足としてメソ細孔およびマクロ細孔のサンプルの分析に完全によく適している。特に、この技術は、径がメソ孔範囲である、すなわち、3.6〜50nm(IUPAC標準に従って定義される上限境界の値)の範囲にわたる細孔の全部によって吸着された水銀容積として定義されるメソ細孔の水銀容積値(VHgmeso(mL/g))を得ることを可能にする。同様に、マクロ細孔の水銀容積(VHgmaco(mL/g))は、径が50nm超である細孔の全部によって吸着される水銀容積として定義される。例えば、本発明の方法に従って、TEOSをケイ素前駆体として、Al(Oをアルミニウム前駆体として、TPAOHを構造化剤として、ポリ(エチレンオキシド)106−ポリ(プロピレンオキシド)70−ポリ(エチレンオキシド)106(PEO106−PPO70−PEO106またはF127)として知られている特定のブロック共重合体を界面活性剤として用いて得られる、メソ細孔およびマクロ細孔の多孔性の材料であって、各球状粒子のそのミクロ細孔性のマトリクス壁はZSM−5(MFI)ゼオライト実体からなるものの水銀ポロシメトリ分析により、0.01〜1mL/g範囲にわたるメソ細孔の水銀容積および0.05〜1mL/gの範囲にわたるマクロ細孔の水銀容積が得られる。
【0044】
透過型電子顕微鏡法(transmission electron microscopy:TEM)分析も、本発明による材料のメソ多孔性およびマクロ多孔性を特徴付けるために一般に用いられる技術である。それは、研究される固体の画像の形成を可能にし、観察されるコントラストは、観察される粒子の構造組織化、表面組織、形態(morphology)または化学組成の特徴であり、技術の分解能は、最大0.2nmに達し得る。以降の記載において、TEM写真は、本発明による材料の単位球状粒子の断片を可視化するために、サンプルのミクロトーム断片から得られる。例えば、本発明の方法に従い、TEOSをケイ素前駆体として、Al(Oをアルミニウム前駆体として、TPAOHを構造化剤として、ポリ(エチレンオキシド)106−ポリ(プロピレンオキシド)70−ポリ(エチレンオキシド)106(PEO106−PPO70−PEO106またはF127)として知られている特定のブロック共重合体を界面活性剤として用いて得られる、メソ細孔性およびマクロ細孔性の多孔性の材料であって、その各球状粒子のミクロ細孔性のマトリクス壁がZSM−5(MFI)ゼオライト実体からなる、材料について得られるTEM画像は、同一の球状粒子内に、本発明による材料調製方法の霧化段階c)の後のスピノーダル分解メカニズムを通じた有機−無機相分離の特徴であるメソ多孔性およびマクロ多孔性を示し、その領域サイズは、それぞれ、15〜50nmおよび100〜500nmの範囲にわたる。画像分析はまた、本発明による材料の壁を作り上げるゼオライト実体の存在を視覚化することが可能である。
【0045】
単位粒子の形態およびサイズ分布は、走査型電子顕微鏡法(scanning electron microscopy:SEM)によって得られた写真の分析によって確立された。
【0046】
本発明はまた、本発明による階層的多孔性材料の、汚染制御用の吸着剤として、または、分離用モレキュラーシーブとしての使用に関する。それ故に、本発明の目的はまた、本発明による階層的多孔性の材料を含む吸着剤である。それはまた、有利には、触媒反応用の酸性固体、例えば、精製および石油化学の領域において実施されるものとして用いられる。
【0047】
本発明による階層的多孔性材料が触媒として用いられる場合、この材料は、不活性であるかまたは触媒的に活性であり得る無機マトリクスおよび金属相と関わり合いを持たされ得る。無機マトリクスは、単純に、前記材料の粒子を種々の既知の触媒形態(押出物、ペレット、ボール、粉体)で一緒に保持するためのバインダとして存在し得るか、または、それは、それがなければあまりに急速に進行し、それ故に、大量のコークスの形成の結果として触媒の閉塞につながる方法において転化度を課すための希釈剤として加えられ得る。典型的な無機マトリクスは、特に、触媒用の担持材料、例えば、種々の形態のシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、マグネシア、ジルコニア、並びに、酸化チタン、酸化ホウ素、リン酸アルミニウム、リン酸チタン、リン酸ジルコニウム、粘土、例えば、カオリン、ベントナイト、モンモリロナイト、セピオライト、アタパルジャイト、フラー土、合成細孔性材料、例えば、SiO−Al、SiO−ZrO、SiO−ThO、SiO−BeO、SiO−TiO、またはこれらの化合物の任意の組合せである。無機マトリクスは、種々の化合物、特に、不活性相および活性相の混合物であり得る。本発明の前記材料はまた、少なくとも1種のゼオライトと関わり合いを持たされ、主要な活性相または添加剤として作用し得る。金属相は、全体的に本発明の前記材料上に導入され得る。それはまた、全体的に無機マトリクス上にまたは無機マトリクスおよび階層的多孔性材料からなる集合物上に、以下の元素の中から選択されるカチオンまたは酸化物によるイオン交換または含浸によって導入され得る:Cu, Ag, Ga, Mg, Ca, Sr, Zn, Cd, B, Al, Sn, Pb, V, P, Sb, Cr, Mo, W, Mn, Re, Fe, Co, Ni, Pt, Pd, Ru, Rh, Os, Irおよび元素周期律表の任意の他の元素。
【0048】
本発明の材料を含む触媒組成物は、一般的に、主要な炭化水素転化法および有機化合物の合成反応の実施に十分に適している。
【0049】
本発明の材料を含む触媒組成物は、有利には、以下の反応:異性化、トランスアルキル化および不均化、アルキル化および脱アルキル化、水和および脱水、オリゴマー化およびポリマー化、環化、芳香族化、分解、改質、水素化および脱水素化、酸化、ハロゲン化、水素化分解、水素化転化、水素化処理、水素化脱硫および水素化脱窒、窒素酸化物の触媒的除去における適用を見出し、前記反応は、飽和および不飽和の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、酸素含有有機化合物および窒素および/または硫黄を含有する有機化合物、並びに他の官能基を含有する有機化合物を含む仕込原料を含む。
【0050】
本発明は、以下の実施例によって例証される。
【0051】
(実施例)
以降の実施例では、用いられるエアゾール技術は、本発明の説明中の上記の技術である。
【0052】
下記実施例のそれぞれのものについて、段階b)からの混合物のV無機/V有機比が計算される。この比は、以下のように規定される:V無機/V有機=(m無機ρ有機)/(m有機ρ無機);ここで、m無機は、固体の単位粒子中の凝縮された酸化物(単数または複数)の形態の無機部、すなわち、SiOおよびAlOの最終質量、m有機は、固体の単位粒子中に見出される不揮発性有機部、すなわち、界面活性剤および構造化剤の全体的な質量、ρ有機およびρ無機は、それぞれ、不揮発性の有機および無機部と関連する密度である。以下の実施例では、本発明者らは、ρ有機=1およびρ無機=2であると考える。それ故に、V無機/V有機比は、V無機/V有機=(mSiO2+mAlO2)/[2(m構造化剤+m界面活性剤)]に等しいとして計算される。エタノール、ソーダ(soda)および水は、前記のV無機/V有機比の計算において考慮に入れられていない。
【0053】
(実施例1(本発明):Si/Alモル比=50を有する、メソ細孔性およびマクロ細孔性の多孔性の材料であって、そのミクロ細孔性の壁がZSM−5(MFI)ゼオライトの結晶化実体からなるものの調製)
10.05gの水酸化テトラプロピルアンモニウム溶液(水溶液中TPAOH 20質量%)が、4.3gの鉱質除去水および9.2mgの水酸化ナトリウムNaOHに加えられる。混合物は、10分間にわたり攪拌下に放置される。0.14gのアルミニウム sec−ブトキシド(Al(O)がその後に加えられる。アルミニウム前駆体の加水分解が1時間にわたり行われる。6gのテトラエチルオルトシリケート(TEOS)が次いで加えられる。混合物は、18時間にわたって周囲温度で攪拌下に維持され、透明溶液が得られる。18mLのこの溶液は、次いで、35.2gのエタノール、11.3gの水および2gの界面活性剤F127を含有する溶液に加えられる(混合物のpH値=10.5)。混合物のV無機/V有機比は0.20であり、それは上記のようにして計算される。混合物は、10分間にわたって攪拌下に放置される。それは、次いで、上記の説明において記載されたようなエアゾール発生器の霧化室に送られ、溶液は、圧力(P=1.5バール)下に導入されるキャリアガス(乾燥空気)の作用の下で微細な小滴の形で噴霧される。小滴は、上記において言及された手順に従って乾燥させられる:それらは、O/N混合物を介してPVC管中に搬送される。それらは、次いで、250℃の温度に設定されたオーブンに送り込まれ、1秒程度の期間にわたって乾燥が完了させられる。集められた粉体は、次いで、12時間にわたってストーブ内で95℃で乾燥させられる。次いで、10mgの粉体が、100μLの鉱質除去水の存在下に100mLのオートクレーブ(200℃程度の温度および5バール程度の圧力に耐える可能性がある封入)中に置かれる。オートクレーブは、水蒸気中で湿らせている間に導入される水と粉体が直接的には接触しないことを可能にする「バスケット」または「セル」システムを備えている。次いで、オートクレーブは、48時間にわたって95℃の温度にされる。集められた粉体は、次いで、ストーブ中95℃で12時間にわたって乾燥させられる。粉体は、その後、空気中5時間にわたってT=550℃で焼成される。固体は、XRD、窒素容積測定分析、水銀ポロシメトリ、TEM、SEM、XFによって特徴付けられる。TEM分析により、材料を作り上げる球状粒子は、300〜500nm長および100〜200nm幅の領域によって特徴付けられるコアのマクロ多孔性、20〜50nmの領域によって特徴付けられる粒子の周辺のメソ多孔性を示し、全体は、焼成段階の前に存在するスピノーダル分解メカニズムによって得られる有機−無機相分離の特徴であることが示される。材料の壁におけるゼオライト実体の存在はまた、100nm程度の局所化された帯域における70nm程度の厚さのミクロトーム断片の電子回折(electron diffraction)研究において明らかに見られ得る。α法分析と組み合わされた窒素容積測定分析により、ミクロ細孔容積Vミクロの値0.26mL/g(N)、メソ細孔容積Vメソの値0.6mL/g(N)および最終材料の比表面積S=690m/gが得られた。水銀ポロシメトリによって規定されるマクロ細孔性水銀容積は、0.5mL/gである(これも水銀ポロシメトリによって得られるメソ細孔性水銀容積の値は、全体として、窒素容積測定分析によって得られた値に合致する)。広角X線回折分析により、ZSM−5ゼオライトの特徴であるディフラクトグラムが得られる(XRDによって測定されるミクロ細孔サイズ:0.55nm程度)。XFによって得られるSi/Alモル比は50である。こうして得られた球状単位粒子のSEM画像により、これらの粒子は、50〜700nmの範囲にわたる径によって特徴付けられるサイズを有し、これらの粒子のサイズ分布は約300nmであることが示される。
【0054】
(実施例2(本発明):メソ細孔性およびマクロ細孔性の多孔性の材料であって、そのミクロ細孔性の壁がシリカライト(MFI)ゼオライトの結晶化実体からなるものの調製)
10.05gの水酸化テトラプロピルアンモニウムの溶液(水溶液中TPAOH 20質量%)が、4.3gの鉱質除去水および9.2mgの水酸化ナトリウムNaOHに加えられる。混合物は、攪拌下に10分間にわたって放置される。6gのテトラエチルオルトシリケート(tetraethylorthosilicate:TEOS)が次いで加えられる。混合物は、攪拌下に18時間にわたって周囲温度に維持されて、透明な溶液が得られる。18mLのこの溶液は、次いで、35.2gのエタノール、11.3gの水および2gの界面活性剤F127を含有する溶液(混合物のpH値=10.5)に加えられる。混合物のV無機/V有機比は0.20であり、それは、上記のように計算される。混合物は、攪拌下に10分間にわたって放置される。それは、次いで、上記の説明において記載されたようなエアゾール発生器の霧化室に送られ、溶液は、圧力(P=1.5バール)下に導入されるキャリアガス(乾燥空気)の作用の下に微細な小滴の形で噴霧される。小滴は、上記記載において言及された手順に従って乾燥させられる:それらは、O/N混合物を介してPVC管に搬送される。それらは、次いで、250℃の乾燥温度に設定されたオーブンに送り込まれる。集められた粉体は、次いで、12時間にわたってストーブ中95℃で乾燥させられる。10mgの粉体は、次いで、100μLの鉱質除去水の存在下に100mLのオートクレーブ(200℃程度の温度および5バール程度の圧力に耐える可能性のある封入)中に置かれる。オートクレーブは、水蒸気で湿らせる間に導入された水と粉体が直接的に接触しないことを可能にする「バスケット」または「セル」システムを備えている。オートクレーブは、次いで、36時間にわたって95℃の温度にされる。集められた粉体は、ストーブ中95℃で12時間にわたって乾燥させられる。次いで、粉体は、空気中5時間にわたってT=550℃で焼成される。固体は、XRD、窒素容積測定分析、水銀ポロシメトリ、TEM、SEMによって特徴付けられる。TEM分析により、材料を作り上げる球状粒子は、300〜500nm長および100〜200nm幅の領域によって特徴付けられるコアのマクロ多孔性および20〜50nmの領域によって特徴付けられる粒子の周辺上のメソ多孔性を示し、全体は、焼成段階の前に存在するスピノーダル分解メカニズムによって得られる有機−無機相分離の特徴であることが示される。材料の壁中のゼオライト実体の存在はまた、100nm程度の局所化された帯域における70nm程度の厚さのミクロトーム断片の電子回折研究において明らかに見られ得る。α法分析と組み合わされた窒素容積測定分析により、ミクロ細孔容積Vミクロの値0.3mL/g(N)、メソ細孔容積Vメソの値0.6mL/g(N)および最終材料の比表面積S=680m/gが得られる。水銀ポロシメトリによって規定されるマクロ細孔水銀容積は0.5mL/gである(これも水銀ポロシメトリによって得られるメソ細孔水銀容積の値は、全体的に、窒素容積測定分析によって得られた値に合致する)。広角X線回折分析により、シリカライトゼオライトの特徴であるディフラクトグラムが得られる(XRDによって測定されるミクロ細孔サイズ:0.55nm程度)。こうして得られる球状単位粒子のSEM画像により、これらの粒子は、50〜700nmの範囲にわたる径によって特徴付けられるサイズを有し、これらの粒子のサイズ分布は約300nmであることが示される。
【0055】
(実施例3(本発明):メソ細孔性およびマクロ細孔性の多孔性の材料であって、そのミクロ細孔性の壁が、ベータ(BEA)ゼオライトの結晶化実体からなり、Si/Alモル比=50を有するものの調製)
11.70gの水酸化テトラエチルアンモニウム(水溶液中TEAOH 20質量%)が、7.8gの鉱質除去水および0.03mgの水酸化ナトリウムNaOHに加えられる。混合物は、攪拌下10分間にわたって放置される。次いで、0.14gのアルミニウム sec−ブトキシド(Al(O)が導入される。混合物は、攪拌下に10分間にわたって放置される。アルミニウム前駆体の加水分解が1時間にわたって行われる。次いで6gのテトラエチルオルトシリケート(tetraethylorthosilicate:TEOS)が加えられる。混合物は、攪拌下に18時間にわたって周囲温度で維持されて、透明な溶液が得られる。次いで、18mLのこの溶液は、35.2gのエタノール、11.3gの水および2gの界面活性剤F127を含有する溶液に加えられる(混合物のpH値=10)。混合物のV無機/V有機比は0.17であり、それは、上記に記載されたようにして計算される。混合物は、攪拌下に10分間にわたって放置される。次いで、それは、上記説明において記載されたようにしてエアゾール発生器の霧化室に送られ、溶液は、圧力(P=1.5バール)下に導入されるキャリアガス(乾燥空気)の作用の下に微細な小滴の形で噴霧される。小滴は、上記の記載において言及された手順に従って乾燥させられる:それらは、O/N混合物を介してPVC管中に搬送される。次いで、それらは、250℃の乾燥温度に設定されたオーブン中に送り込まれる。集められた粉体は、12時間にわたってストーブ中95℃で乾燥させられる。次いで、10mgの粉体が、150μLの鉱質除去水の存在下に100mLのオートクレーブ中に置かれる(200℃程度の温度および5バール程度の圧力に耐える可能性のある封入)。オートクレーブは、水蒸気中で湿らせている間に導入される水と粉体が直接的には接触しないことを可能にする「バスケット」または「セル」システムを備えている。次いで、オートクレーブは、48時間にわたって95℃の温度にされる。集められた粉体は、その後、ストーブ中95℃で12時間にわたって乾燥させられる。次いで、粉体は、空気中5時間にわたって550℃で焼成される。固体は、XRD、窒素容積測定分析、水銀ポロシメトリ、TEM、SEM、XFによって特徴付けられる。TEM分析により、材料を作り上げる球状粒子は、300〜500nm長および100〜200nm幅の領域によって特徴付けられるコアのマクロ多孔性および20〜50nmの領域によって特徴付けられる粒子の周辺のメソ多孔性を示し、全体は、焼成段階の前に存在するスピノーダル分解メカニズムによって得られる有機−無機相分離の特徴であることが示される。材料の壁におけるゼオライト実体の存在はまた、100nm程度の局在化された帯域における70nm程度の厚さのミクロトーム断片の電子回折研究において明らかに見られ得る。α法分析と組み合わされた窒素容積測定分析により、ミクロ細孔容積Vミクロの値0.35mL/g(N)、メソ細孔容積Vメソの値0.6mL/g(N)および最終材料の比表面積S=700m/gが得られる。水銀ポロシメトリによって規定されるマクロ細孔水銀容積は0.3mL/gである(これも水銀ポロシメトリよって得られるメソ細孔水銀容積の値は、全体として、窒素容積測定分析によって得られた値と合致する)。広角X線回折分析により、ベータゼオライトの特徴であるディフラクトグラムが得られる(XRDによって測定されるミクロ細孔サイズ:0.66nm程度)。XFによって得られるSi/Alモル比は50である。こうして得られる球状単位粒子のSEM画像により、これらの粒子は、50〜700nmの範囲にわたる径によって特徴付けられるサイズを有し、これらの粒子のサイズ分布は約300nmであることが示される。
【0056】
(実施例4(本発明):メソ細孔性およびマクロ細孔性の多孔性の材料であって、そのミクロ細孔性の壁は、Y(FAU)ゼオライトの結晶化実体からなり、Si/Alモル比=8を有するものの調製)
0.41gのアルミン酸ナトリウム(NaAlO)が、0.17gの水酸化ナトリウムおよび7.6gの鉱質除去水を含有する溶液に加えられる。混合物は、攪拌下にアルミニウム前駆体が溶解するまで放置される。次いで、10gのケイ酸ナトリウム(27重量%のSiOおよび14重量%のNaOH)が、激しい攪拌下に加えられる。混合物は、攪拌下に18時間にわたって周囲温度で維持されて、透明な溶液が得られる。次いで、15mLのこの溶液は、35.2gのエタノール、11.6gの水および6.3gの界面活性剤F127を含有する溶液に加えられる(混合物のpH値=9.8)。混合物のV無機/V有機比は0.24であり、それは、上記のように計算される。混合物は、攪拌下に10分間にわたって放置される。次いで、それは、上記説明において記載されるようにエアゾール発生器の霧化室に送られ、溶液は、圧力(P=1.5バール)下に導入されるキャリアガス(乾燥空気)の作用の下で微細な小滴の形で噴霧される。小滴は、上記において言及された手順に従って乾燥させられる:それらは、O/N混合物を介してPVC管中に搬送される。次いで、それらは、250℃の乾燥温度に設定されたオーブンに送り込まれる。集められた粉体は、その後、12時間にわたってストーブ中95℃で乾燥させられる。次いで、10mgの粉体は、150μLの鉱質除去水の存在下に100mLのオートクレーブ中に置かれる(200℃程度の温度および5バール程度の圧力に耐えることを可能にする封入)。オートクレーブは、水蒸気中で湿らせる間に導入された水と粉体が直接的には接触しないことを可能にする「バスケット」または「セル」システムを備えている。オートクレーブは、次いで、48時間にわたって95℃の温度にされる。集められた粉体は、ストーブ中95℃で12時間にわたって乾燥させられる。次いで、粉体は、空気中5時間にわたって550℃で焼成される。固体は、XRD、窒素容積測定分析、水銀ポロシメトリ、TEM、SEM、ICPおよびXFによって特徴付けられる。TEM分析により、材料を作り上げる球状粒子は、300〜500nm長および100〜200nm幅の領域によって特徴付けられるコアのマクロ細孔性および20〜50nmの領域によって特徴付けられる粒子の周辺のメソ細孔性を示し、全体は、焼成段階の前に存在するスピノーダル分解メカニズムによって得られる有機−無機相分離の特徴であることが示される。材料の壁におけるゼオライト実体の存在はまた、100nmの程度の局在化された帯域における70nm程度の厚さのミクロトーム断片の電子回折研究において明らかに見られ得る。α法分析と組み合わされた窒素容積測定分析により、ミクロ細孔容積Vミクロの値0.33mL/g(N)、メソ細孔容積Vメソの値0.8mL/g(N)および最終材料の比表面積S=720m/gが得られる。水銀ポロシメトリによって規定されるマクロ細孔水銀容積は0.5mL/gである(これも水銀ポロシメトリによって得られたメソ細孔水銀容積の値は、全体として、窒素容積測定分析によって得られる値と合致する)。広角X線回折分析により、Yゼオライトの特徴であるディフラクトグラムが得られる(XRDによって測定されるミクロ細孔サイズ:0.8nm程度)。XFによって得られるSi/Alモル比は8である。こうして得られる球状単位粒子のSEM画像により、これらの粒子は、50〜700nmの範囲にわたる径によって特徴付けられるサイズを有し、これらの粒子のサイズ分布は約300nmであることが示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最大径200ミクロンを有する少なくとも2つの単位球状粒子からなる階層的多孔性材料であって、前記球状粒子の少なくとも1つは、酸化ケイ素をベースとし、かつ、結晶化壁を示す少なくとも1つのマトリクスを含み、前記材料は、水銀ポロシメトリによって測定されるマクロ細孔容積0.05〜1mL/g、窒素容積測定分析によって測定されるメソ細孔容積0.01〜1mL/gおよび窒素容積測定分析によって測定されるミクロ細孔容積0.03〜0.4mL/gを有する、階層的多孔性材料。
【請求項2】
水銀ポロシメトリによって測定されるマクロ細孔容積は、0.1〜0.3mL/gの範囲にわたる、請求項1に記載の材料。
【請求項3】
窒素容積測定分析によって測定されるメソ細孔容積は、0.1〜0.6mL/gの範囲にわたる、請求項1または2に記載の材料。
【請求項4】
マクロ細孔性は、50〜1000nmの範囲にわたる領域中に存在する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の材料。
【請求項5】
メソ細孔性は、2〜50nmの範囲にわたる領域中に存在する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の材料。
【請求項6】
メソ細孔性を含まない単位球状粒子を示す、請求項1〜5のいずれか1つに記載の材料。
【請求項7】
前記マトリクスは、ゼオライト実体からなる結晶化壁を有する、請求項1〜6のいずれか1つに記載の材料。
【請求項8】
前記ゼオライト実体は、MFI、BEA、FAUおよびLTA構造型のゼオライトの中から選択される少なくとも1種のゼオライトを含む、請求項7に記載の材料。
【請求項9】
酸化ケイ素をベースとする前記マトリクスは、全体的にケイ素性である、請求項1〜8のいずれか1つに記載の材料。
【請求項10】
酸化ケイ素をベースとする前記マトリクスは、アルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素Xを含む、請求項1〜8のいずれか1つに記載の材料。
【請求項11】
元素Xはアルミニウムである、請求項10に記載の材料。
【請求項12】
前記単位球状粒子は、50nm〜10ミクロンの範囲にわたる径を有する、請求項1〜11のいずれか1つに記載の材料。
【請求項13】
100〜1100m/gの範囲にわたる比表面積を有する、請求項1〜12のいずれか1つに記載の材料。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1つに記載の材料を調製する方法であって、
a)ゼオライト実体前駆体要素、すなわち、少なくとも1種の構造化剤と、少なくとも1種のケイ素前駆体と、場合によるアルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の前駆体を含有する透明な溶液を調製する段階と、
b)少なくとも1種の界面活性剤および段階a)において得られた少なくとも前記透明な溶液を混合して溶液にする段階と、
c)段階b)において得られた前記溶液をエアゾール霧化して、球状小滴を形成させる段階と、
d)前記小滴を乾燥させる段階と、
e)段階d)において得られた粒子をオートクレーブ処理する段階と、
f)工程e)において得られた前記粒子を乾燥させる段階と、
g)前記構造化剤および前記界面活性剤を除去して、ミクロ多孔性、メソ多孔性およびマクロ多孔性の範囲の階層的多孔性の結晶化された材料を得る段階と
を包含する、方法。
【請求項15】
元素Xはアルミニウムである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記界面活性剤は、3ブロック共重合体であり、各ブロックは、ポリ(アルキレンオキシド)鎖からなる、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記3ブロック共重合体は、2つのポリ(エチレンオキシド)鎖および1つのポリ(プロピレンオキシド)鎖からなる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1〜13のいずれか1つに記載の階層的多孔性の材料または請求項14〜17のいずれか1つに記載の方法により調製された材料を含む吸着剤。
【請求項19】
請求項1〜13のいずれか1つに記載の階層的多孔性の材料または請求項14〜17のいずれか1つに記載の方法により調製された材料を含む触媒。

【公表番号】特表2010−537940(P2010−537940A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523555(P2010−523555)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001215
【国際公開番号】WO2009/060143
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(509119887)イエフペ (21)
【Fターム(参考)】