説明

障子閉鎖装置

【目的】 自然風力換気窓では強風時に窓を閉めておく必要がある。くの字アームを用いて障子の下框を室内側へ引き寄せる装置は、室内側にくの字アームを含む装置が露出する。意匠上の解決を計ることが望まれている。
【構成】 障子を支持するサブアーム4の下端が竪枠11にピン34で枢着されている。竪枠11に上下動自在に設けたガイドバー9に固定されたスライド5には軸6aでもってリンク7が枢着されている。竪枠11にはカム面8aを有するブロック8が固定されている。ガイドバー9を上昇するとリンク7はカム面8aに当り軸6aを中心にして反時計回りに回動する。引っ掛け部材6bが右方へ向い、サブアーム4はピン34を中心に右方へ回動して障子を閉じる。これら装置は竪枠11と障子の竪框間に納まっている。窓の意匠を害しない。ブラインド、カーテンを制約なく取り付得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は外すべり出し窓、突き上げ窓、自然風力換気窓等の開窓時窓枠から外部へ突き出したアームで支持される窓の障子閉鎖装置に関する。ここで自然風力換気窓とは内気の状態と外気により生ずる障子に加わる風力の状態によって自然に障子が開閉して換気が行われる窓のことをいう。
【背景技術】
【0002】

図35は突き上げ窓の略縦断面図、図34は図35の平面図である。この突き上げ窓101は窓枠102の竪枠102aにピン103で障子104の上部が枢着されて、外へ突き出される。障子104の竪框にピン105で上端が枢着されたアーム106の下端は長穴106aが竪枠102aに設けたピン又はローラ107に嵌合している。
【0003】
この障子104を開閉するために一端が下框にボールジョイント108で枢着されたロッド111a、一端が垂直方向の軸109で開閉駆動装置110に連結されたアーム111bの夫々の他端をボールジョイント111cで連結したくの字アーム111が設けられている。
【0004】
このようにくの字アーム111により障子を室内側へ引き寄せながら、図示されないロック機構にて閉鎖する。また、障子開放はロック機構を解除してからくの字アーム111を延ばすことによる。障子開閉装置は開閉駆動装置110を窓枠の下枠に室内側に出張るように設けている。
【0005】
従って、くの字アームが常時露出しているため意匠性に欠ける。かつくの字アームは汚れやすく清掃し難い。開閉駆動装置は下枠から室内側へ出張るので、部屋に突出物が突出してしまう形となる。従って、窓にくの字アームと開閉駆動装置を用いると、連設される窓から突出物が室内側に並列するので室内全体の意匠を損ねる。また、自然風力換気窓では障子開閉装置は障子開放時は障子の開閉を邪げてはならないのでくの字アームを解除するか開閉駆動装置を中立とするか等の必要がある。
【0006】
窓枠内にくの字アームがあるのでルーバ、ブラインドを設けたとしても下枠までルーバ、ブラインドを下せない。カーテンを設けると、裾が開閉駆動装置によりふくらんでしまい、カーテンの意匠を害する。
【0007】
上記のようなくの字アーム111を用いた障子開閉装置は回転すべり子機構を用いた外すべり出し窓においても同様に用いられている。
【0008】
自然風力換気窓では無風で開窓し、正圧(外部側から窓に向って吹く風により障子に加えられる圧力)の風で閉窓する。しかし、強風で風力の消長が激しくなると障子は正圧の風で急速に閉る。また、負圧の風で障子は急速に開く。特に障子が急速に閉るときの発生音が大きい。そこで、通常は自然風力換気窓として機能可能とすると共に上記強風時には障子を閉鎖しておく障子閉鎖装置の開発が要請されている。
【特許文献1】特開2004−68460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は突き上げ窓、外辷り出し窓、自然風力換気窓等のアームを用いて障子を支持する窓において、意匠上すぐれると共に室内側へ出張ることがなく、障子閉鎖状態において機構部が見えず窓枠と障子のみが見える障子閉鎖装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本出願に係る第1の発明は部屋又は建屋の外部に面して取り付けられる窓枠と、窓枠に納まり窓を閉めた状態と窓枠から外部へ向って開く障子を有し、
一端が竪枠に壁面に平行し水平な軸心で枢着され、他端が前記軸心よりも上方で竪框の中間部に前記軸心と平行な軸心で枢着されたアームを有する窓の障子閉鎖装置において、
竪枠に対して竪枠に沿って移動可能に設けられたスライドと、
スライドに取り付けられてアームと係合しスライドが上昇するにつれてアームを引き寄せるアーム引寄せ装置と、
を有し、
アーム引寄せ装置を竪框と竪枠間に設けたことを特徴とする障子閉鎖装置である。
【0011】
本出願に係る第2の発明はアーム引寄せ装置はスライドに水平軸で回転自在に支持され、端部にアームの外側に係合する引っ掛け部材を有するリンクと、
竪枠に固定されリンクに接触し、スライドが移動する際にリンクの運動を引っ掛け部材が内外部方向に移動するように規制する規制ブロックと、
を有することを特徴とする第1の発明に記載の障子閉鎖装置である。
【0012】
本出願に係る第3の発明は規制ブロックはリンクの外縁に接するカム面を有することを特徴とする第2の発明に記載の障子閉鎖装置である。
【0013】
本出願に係る第4の発明は前記スライドに固定され竪枠に沿って移動自在に竪枠に案内される竪枠側ガイドバーと、
下枠に沿って移動自在に下枠に沿って下枠に案内される下枠側ガイドバーと、
竪枠と下枠のコーナーに沿って移動自在に設けられ一端が竪枠側ガイドバーに連結され他端が下枠側ガイドバーに連結された可撓性部材を有するコーナードライブと、
下枠側ガイドバーに固定されたラッチ回転用ブロックと、
下枠に軸で回転自在に支持され、一方向に回転するようにばねより付勢され、ラッチ回転用ブロックにより前記ばねのばね力に抗して押されるカム面とカム面が押されることにより室内側に移動する、障子の下框に設けられた障子側ピンが係脱可能な溝部とを有するラッチと、
を有することを特徴とする第1から第3の発明の何れか1つに記載の障子閉鎖装置である。
【0014】
本出願に係る第5の発明は竪枠の室内側の内側材の外部側で竪枠に沿って設けられ竪枠側ガイドバーを移動自在に案内する竪枠に備えられた竪枠外側ガイドと、
前記内側材の内部側に見込方向で見て竪枠外側ガイドに重なるように竪枠に設けられた竪枠内側ガイドと、
竪枠外側ガイドと竪枠内側ガイドが重なる位置において前記内側材に設けられ内側材の内外を通ずるように開口している貫通部と、
竪枠内側ガイドに移動自在に嵌合した操作バーと、
貫通部を介して竪枠側ガイドバーと操作バーを締結する締結部材と、
操作バーを進退させる操作装置と、
を有することを特徴とする第1から第4の何れか1つの発明に記載の障子閉鎖装置である。
【0015】
本出願に係る第6の発明は貫通部を外部側から覆い上端が閉塞され、下端が開放された状態で窓枠に取り付けられた貫通部塞ぎケースと、
貫通部塞ぎケースの下方にあって竪枠側ガイドバーに固定され、竪枠側ガイドバーの上昇により貫通部塞ぎケースの下端の開放部を密閉する貫通部塞ぎ材と、
を有することを特徴とする第5の発明に記載の障子閉鎖装置である。
【0016】
本出願に係る第7の発明は窓が窓枠の両側の竪枠と、障子の竪框間に夫々設けられ竪框上部に一端が枢着され他端が前記一端よりも低い位置において竪枠に枢着された短い長さのメインアームと、竪框中間部に一端が枢着され他端が竪枠下部に枢着されメインアームよりも長い長さのサブアームとを有し、
障子を閉めた状態において、各アームは夫々ほぼ垂直方向を向いて、各アームの竪框への枢着位置が各アームの竪枠への枢着位置の上方に位置し、且つ、各アームの竪枠への枢着位置が障子の重心よりも室内側にあって、無風時には障子の重量によって緩やかに開窓し、開窓時には外部側から障子に向って吹く風によって閉窓する自然風力換気窓である第1から第6のいずれか1つの発明に記載の障子閉鎖装置である。
【0017】
本出願に係る第8の発明は障子がほぼ閉った際に障子の竪框に接触するローラと、先端に前記ローラを有し根本側が竪枠に枢着され障子がほぼ閉って前記ローラが障子の竪框に接触する際に斜となっているアームと、アームを外部側へ向って付勢するばねとを有することを特徴とする第7の発明に記載の障子閉鎖装置である。
【0018】
本出願に係る第9の発明は竪枠側ガイドバーと下枠側ガイドバーは見込方向に位置を異にしており、可撓性部材は下枠側ガイドバーと壁面に平行な同一平面上に配設され、可撓性部材と竪枠側ガイドバーとを連結する連結部材は竪枠側ガイドバーと連結する連結部と可撓性部材と連結する連結部が見込方向で位置を異にしていることを特徴とする第4の発明に記載の障子閉鎖装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の障子閉鎖装置は室内側へ出張る物がないので室内全体の意匠にすぐれる。窓のみとしても、障子を閉めた際には障子閉鎖装置は見えず、窓枠と障子のみが見えるだけであるので意匠性にすぐれる。
【0020】
自然風力換気窓に適用した場合は、自然風力換気窓の機能はそのまま保持される。
【0021】
窓枠内にブラインド又はルーバを設けることができる。
【0022】
障害となる部材が室内側にないのでカーテンを設けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
四節連鎖機構を有する自然風力換気窓に好適に適用できる窓について説明する。
【0024】
先ず自然風力換気窓について説明する。
【0025】
図1から図3は自然風力換気窓の全閉、半開、全開の状態を示す側面図である。
【0026】
図1から図3において夫々の図の右側が室内側である。
自然風力換気窓は部屋又は建屋の外部に面して取り付けられる窓枠1と、窓枠1に納まり窓を閉めた状態(図1参照)と窓枠1から外部へ向って辷り出して開く障子2を有する自然風力換気窓であって、
窓枠1の両側の堅枠11と、障子2の竪框21間に夫々設けられ竪框21上部に一端が枢着され他端が前記一端よりも低い位置において堅枠11に枢着された短い長さのメインアーム3と、竪框21の中間部に一端が枢着され他端が竪枠11の下部に枢着されメインアーム3よりも長い長さのサブアーム4とを有する。
【0027】
図1に示すように障子2を閉めた状態において、各アーム3,4は夫々ほぼ垂直方向を向いて、各アーム3,4の竪框21への枢着位置が各アーム3,4の竪枠11への枢着位置の上方に位置し、且つ、各アーム3,4の竪枠11への枢着位置が障子2の重心よりも室内側にあって、無風時には障子2の重量によって緩やかに図3に示すように開窓し、開窓時には外部側から障子2に向って吹く風によって閉窓する。
【0028】
図4から図6は自然風力換気窓に本発明の障子閉鎖装置を適用した側面図である。
【0029】
この障子閉鎖装置は、一端が竪枠11に壁面に平行し水平な軸心であるサブアーム枠側支点となるピン34で枢着され、他端が前記軸心よりも上方で竪框の中間部に前記軸心と平行な軸心を持つピン31(図1〜図3参照)で枢着されたサブアーム4と、
竪枠11に対して竪枠11に沿って移動可能に設けられたスライド5と、
スライド5に取り付けられてサブアーム4と係合しスライド5が上昇するにつれてサブアーム4を室内側に向って引き寄せるアーム引き寄せ装置6と、
を有し、
アーム引寄せ装置6をサブアーム4と竪枠11間に設けてある。
【0030】
アーム引寄せ装置6はスライド5に水平な軸6aで回転自在に支持され、端部にサブアーム4の窓枠1側から見て外側の縁4cに係合する引っ掛け部材6bを有するリンク7と、
竪枠11に固定されリンク7に接触し、スライド5が移動する際にリンク7の運動を規制する規制ブロック8と、
を有する。
【0031】
規制ブロック8はリンク7の外縁7aに接するカム面8aを有する。
【0032】
次にスライド5を移動させると共に障子2を閉め切る装置について説明する。
【0033】
この装置は図7に示すようにスライド5に固定され竪枠11に沿って移動自在に竪枠11に案内される竪枠側ガイドバー9と、
下枠13に沿って移動自在に下枠13に沿って下枠13に案内される下枠側ガイドバー10と、
竪枠11と下枠13とのコーナーにおいて、竪枠11及び下枠13のコーナーに沿って移動自在に設けられ一端が竪枠側ガイドバー9に連結され他端が下枠側ガイドバー10に連結された可撓性のコーナードライブ15と、を有する。
【0034】
また、図8から図12に示すように下枠側ガイドバー10に固定されたラッチ回転用ブロック16と、
下枠13にピン29で回転自在に支持され、ばね19より一方向(反時計方向)に回転するように付勢され、ラッチ回転用ブロック16により前記ばね19のばね力に抗して押されるカム面20aとカム面20aが押されることにより室内側に移動する、障子2の下框23に設けられた障子側ピン23b(図10,図11,図12参照)が係脱可能なラッチ20と、を有する。
【0035】
次に障子閉鎖装置の操作装置についてのべる。
【0036】
この装置は、図7、図15から図20に示されている。図18に示すように竪枠11の室内側の内側材である戸当り部材11eの外部側で竪枠11に沿って設けられ竪枠側ガイドバー9を移動自在に案内する竪枠外側ガイド11hと、
戸当り部材11eの内部側に見込方向で見て竪枠外側ガイド11hに重なるように竪枠11に設けられた竪枠内側ガイド11iと、
竪枠外側ガイド11hと竪枠内側ガイド11iが重なる位置において戸当り部材11eに設けられ戸当り部材11eの内外を通ずるように開口している貫通部11j(図15参照)と、
竪枠内側ガイドに11iに移動自在に嵌合した操作バー24と、
貫通部11jを介して竪枠側ガイドバー9と操作バー24を締結する締結部材33と、
操作バー24を進退させる操作装置25(図7、図19、図20参照)と、を有する。
【実施例】
【0037】
以下、図面を用いて本発明の適用される実施例を説明する。
【0038】
先ず、本発明の適用される自然風力換気窓について説明する。
(全体構成)
図21は窓の正面を内部側より見る正面図である。この自然風力換気窓(以下、窓という)Xは建屋の外部に面して取り付けられる窓枠1と、窓枠1に納まり窓を閉めた状態と窓枠1から外部へ向って開く障子2を有する。これらはアルミ押出型材を主たる材料として構成されている。窓枠1の両側の竪枠11夫々と障子2の竪框21間にはメインアーム3とサブアーム4(共に図示は分り易いように実線で示したが、実際には見えない)が配設されている。メインアーム3は竪框21上部の側面に一端が枢着され、他端が前記一端よりも低い位置において竪枠11に枢着されている。メインアーム3は短い。サブアーム4は竪框21の中間部の側面に一端が枢着され、他端は竪枠11の下端に枢着されている。サブアーム4はメインアーム3よりも長い。
【0039】
上記窓枠1、障子2、メインアーム3、サブアーム4でもって夫々をリンクとする四節連鎖機構を構成している。
【0040】
サブアーム4と竪枠11の間にはサブアーム引寄せ装置6が配設されている。障子2の下框23と下枠13の間との間には障子2を締切るためのラッチ20が設けてある。アーム引寄せ装置6及びラッチ20を作動する操作装置25は片側の竪枠11の下方延長線上において壁面には操作機構25cを有する。操作装置25は操作バー24と操作機構25cで構成されている。操作機構25cは操作部材25aを有する。操作部材25aを回転することにより、操作機構25c内の例えば往復すべり子回転機構、ラックピニオン、ウオームギア対等の何れかの機構により出力部材に結合された操作バー24を上下動する。操作機構25cは室内の壁面WAに固定されている。
【0041】
この窓は操作部材25aを障子2が開くことが出来る方向に操作すると、ラッチ20は障子2の下框23の拘束を解くと共にアーム引寄せ装置6がサブアーム4を外方へ向かわないようにしていた規制を解く。これによって障子2は力学的なバランスにより後述するように外方に開く。そして、風により生ずる障子2の内外面に加わる風圧差によって障子2は開度を自動的に変える。
(窓枠の構成)
窓枠1は左右の竪枠、上枠、下枠を四方組みしたものであって建屋の外部に面して躯体に取り付けられる。また、障子2は左右の竪框、上框、下框を四方組みした四方框内にガラスGを嵌め込んである。障子2はメインアーム3、サブアーム4を介して竪枠11に取り付けられる。
【0042】
竪枠11と竪框21は図22に断面が示されている。図22は窓の水平断面図である。竪枠11は窓内部に面し見込方向の部材である内周材11aの外部側に外部側に面する外面材11bを窓外へ向って面し壁面に沿って設けてある。また、内周材11aの内部側において室内に面する内面材11cを壁面に沿って設けてある。2条の突条が内周材11aの上下方向に沿って窓内に設けてある。これら突条は外部側から内部側へ向って戸当り材11d、戸当り材11eの順に設けてある。戸当り材11eは室内に面する内側材である。
【0043】
戸当り材11eにはパッキン46を取り付けるための条溝11gが設けてある。この条溝11gは窓枠1の上枠12、下枠13(図23参照)に設けた同様の条溝12c,13cと併せて外部側より見て方形に囲繞されている。そして各条溝11g,12c,13cを通じてパッキン46が嵌合している。そこで障子2を閉めると障子2の竪框21、上框22、下框23の室内に面する内面材21a,22a,23aがパッキン46に当接する。これによって障子2と窓枠1間の気密が計られる。内面材21a,22a,23aは障子2を閉めた際に壁面に平行な一平面上にある。
【0044】
障子2は内面材21a,22a,23aよりも外部側で内部側を向いた外側内面材21b,22b,23cを外周側に有する。これらは障子2を閉めた際に壁面に平行な一平面上にある。
【0045】
竪枠11の内周材11aからの立上りの高さは戸当り材11eよりも戸当り材11dが小さい。障子2を閉めた際に竪框21の外側内面材21bに当接するパッキン49が竪枠11の戸当り材11dに設けた条溝11mに嵌合している。障子2を閉めた際に上框22の外側内面材22bに当接するパッキン49が上枠12の戸当り材12bに設けた条構12dに嵌合している。条構11m,12dは見込方向から見て門形であり、パッキン49も同様に配設されている。
【0046】
障子2を閉めた際はパッキン49に障子2の竪框21、上框22の外側内面材21b,22bが当接することにより障子2を閉めた際の水密を計っている。上記のように門形に密封することにより窓枠1と障子2間の雨水等の浸入防止を計っている。
【0047】
障子2を閉めると障子2の竪框21の外周材21d、外側内面材21bと竪枠11の内周材11a、戸当り材11eで囲まれた上下方向に長い空間Sが出来る。この空間Sにメインアーム3、サブアーム4、サブアーム引寄せ装置6が収容される。空間Sは下框23と下枠13間の空間S2を介して外部側に通じている。
【0048】
片側の竪枠11の戸当り部材11eには竪枠外側ガイド11h、竪枠内側ガイド11iが設けられている。これらガイド11h,11iは見込方向から見て重なる位置にある。両側の竪枠11の戸当り部材11eの内側材部分には室内に向って平行して一対の係止突状11kが設けられている。係止突状11kにはアタッチ材としてカバー11nが嵌着してある。
【0049】
図13はサブアーム4とサブアーム引寄せ装置6が空間Sに納められていることを示す平面図である。サブアーム4、サブアーム引寄せ装置6は共に室内外から見えない。また、障子2を開いて見込方向に直角な見付方向から見て、サブアーム引寄せ装置6は竪枠11の見込方向の幅内に納まっており、室内側の内部材である戸当り部材11eが竪枠の内周材11aより窓内へ突出しているため、殆ど見えない。そして、空間S内にあるサブアーム引寄せ装置6は障子2を閉めた状態ではちり、ほこりから遮断されている。また、障子2が開いた状態においては、上方が上枠12、開いた状態の障子2で覆われているため、ちり、ほこりが堆積し難い。
(ガラスの取付構成)
図22、23に示すガラスGは障子2の各框21,22,23の外側の内面材21b,22b,23cの外部側に囲繞したガラス溝40に嵌まり込んで、ガラス台41上に置かれ、ガラスGの内外面とガラス溝40がシール材42により固定されている。なお、竪框21のガラス溝40は竪框21の外周材21dに嵌着したアタッチ材21eを用いて構成してある。
(メインアームの取付構成)
メインアーム3は空間S内に設けられる。
【0050】
図1から図3、図14に示すように障子2の竪框21の端部上にはメインアーム取付具14が固定してある。その取付具14は竪框21の外周材21dに当接する。
【0051】
メインアーム取付具14の上下方向の部材には壁面に平行な水平方向の中心線上にピン17が固定されている。ピン17にはメインアーム3の上端部の穴が回転自在に嵌合している。
【0052】
ここで、メインアーム取付具14は鋼材でできている。
【0053】
メインアーム3の下部はメインアーム枠側取付具18を介して竪枠11に枢着されている。この取付具18は内周材11aに当接して竪枠11に固定されている。
【0054】
メインアーム枠側取付具18に固定された壁面に平行で水平方向の軸心を持つピン26にメインアーム3の下部の穴が回転可能に嵌合している。
【0055】
図3に示すように、メインアーム3が外部側へ回動した際の回動限度を定めるために、メインアーム3が当接しそれ以上回転しないようにメインアーム枠側取付具18に一体又は溶着されたストッパ18aが設けてある。このストッパ18aはメインアーム3の回動軌跡上へ突出している。
【0056】
上記においてメインアーム枠側取付具18、ピン26は鋼製である。
【0057】
(サブアーム取付構成)
図1〜図3に示すように障子2の竪框21の中間部分にはほぼたんざく状のサブアーム障子側取付具28が取り付けてある。図13に示すようにこの取付具28は竪框21の外周材21dに当接し、取付具28の穴を挿通する小ねじ28aを竪框21を挿通して外周材21dの裏側に設けた不図示の当板にねじ込み固定されている。当板は鋼材製である。
【0058】
取付具28にサブアーム4の上端部が当接している。サブアーム4の上端部の穴を挿通してピン31がサブアーム障子側取付具28にねじ込まれている。ピン31にはサブアーム4の上端が回転自在に嵌合している。
【0059】
図4から図6に示すように竪枠11の下部においてサブアーム枠側取付具32が竪枠の内周材11aに当接している。この取付具32の穴を挿通する小ねじ32aは内周材11aを貫通して内周材11aの背面に設けた不図示の当板にねじ込まれている。
【0060】
サブアーム枠側取付具32は壁面に平行な水平方向の中心線でもってピン34が固定されている。ピン34にはサブアーム4の下端の穴が回転自在に嵌合している。又は、サブアーム枠側取付具32に設けた穴に回転可能に嵌合したピン34をサブアーム4と一体又はサブアーム4に固定して設ける。
【0061】
サブアーム4が外部側へ回動した際の回動限度を定めるために、サブアーム4が当接してそれ以上回転しないようにストッパ32bが設けてある。このストッパ32bはサブアーム枠側取付具32に一体又は溶着されており、サブアーム4の回動軌跡上へ突出している。
【0062】
(メインアーム、サブアームの取付位置)
本実施例のメインアーム3、サブアーム4の取付位置について説明する。
図24、図25は摸式的に示す自然風力換気窓の見込方向縦断面図であり、図24は障子2が閉じた状態、図25は障子2が開いた状態を示す。
【0063】
力学的に説明するため、既述したピン17はメインアーム障子側支点3a、ピン26はメインアーム枠側支点3b、ピン31はサブアーム障子側支点4a、ピン34はサブアーム枠側支点4bと表現する。
【0064】
図24に示すように障子2が閉じられている際は、障子2は直立している。そのときの障子2の重心CGは障子の上下方向のほぼ中心、ガラス面の室内側寄りにあり、この重心をとおり、壁面に平行な垂直平面PL上にメインアーム障子側支点3a、サブアーム障子側支点4aが位置する。そして、前記平面よりも室内側にメインアーム枠側支点3b、サブアーム枠側支点4bが位置する。ここで、メインアーム3が前記平面PLとなす角をθ1、サブアーム4が前記平面PLとなす角はθ2である。障子側支点3a,4aを中心として平面PLから反時計回りの夫々のアーム3,4のなす角を正角とすると、角θ1,θ2を正角とする。障子側支点3a,4aが障子重心をとおる平面PLよりも外部側にあっても差支えはないが、枠側支点3b,4bは室内側になければならない。上述において、角度θ1,θ2は何れも小さくθ1>θ2である。
【0065】
本例では障子2の重心CGはメインアーム障子側支点3a、サブアーム障子側支点4aよりも下方にある。このため、障子2が開いた状態におけるサブアーム4とサブアーム障子側支点4aをとおる垂線のなす角α2を小さくとれる。
【0066】
ここで、障子2が閉まった状態において障子2を開こうとする力についてみると、平面PL上に障子側支点3a,4aがある条件では障子2の重量Wは支点3a,4aには夫々W/2が加わる。そこで、支点3aに加わる荷重W/2をメインアーム3に沿う力とメインアーム3に直交する力に分解すると、メインアーム3に直交するする力はW/2・sinθ1となる。メインアーム3の長さ(支点3a,3b間の距離のこと)をL1とすると、障子2の荷重によりメインアーム3を枠側支点3bを中心にして外部側へ回転しようとするモーメントM1=L1・W/2・sinθ1となる。また、支点4aに加わる荷重W/2をサブアーム4に沿う力とサブアーム4に直交する力に分解すると、サブアーム4に直交する力はW/2・sinθ2となる。サブアーム4の長さ(支点4a,4b間の距離のこと)をL2とすると、障子2の荷重によりサブアーム4を枠側支点4bを中心にして外部側へ回転しようとするモーメントM2=L2・W/2・sinθ2となる。
【0067】
障子2が開くと、メインアーム3、サブアーム4は枠側支点3b,4bを中心にして反時計回りに回動して夫々ストッパ18a,32bに当接して停止し、図3、図25(図25ではストッパは図略)の位置となる。この無風状態では換気が行われる。
【0068】
障子2が開いてストッパ18a,32bにメインアーム3、サブアーム4が当接した状態での力の均衡は次のとおりである。メインアーム障子側支点3aとサブアーム障子側支点4aとの水平距離をA、障子重心CGとメインアーム障子側支点3aとの水平距離をBとすると、サブアーム4の障子側支点4aに加わる垂直荷重をP2として、P2−P1=W、P2・A=BWであるから、P2=(B/A)・Wとなる。また、メインアーム障子側支点3aには障子2の重量に基づいて上向きの力が加わる。上向きの垂直荷重P1=W・(B−A)/Aである。そこで、この荷重P1のメインアーム3に直交する成分はメインアーム障子側支点3aを頂点とするメインアーム3と垂線のなす角をα1とすると、P1・sinα1=(W・(B−A)/A)・sinα1
そこで、障子2の上側はメインアーム枠側支点3bを中心としてM3=(W・(B−A)/A)・sinα1・L1なるモーメントが働き障子2の上側を閉めようとする力が生じている。
【0069】
ここでサブアーム障子側支点4aには障子2の重量に基づいて生ずる荷重は下向きであるのでサブアーム4には反時計回りのモーメントM4が生じ障子2が開く方向に働く。
【0070】
障子2を開こうとするモーメントM4は力P2の方向とサブアーム4のなす角をα2とすると、M4=P2・sinα2・L2ここで、L2はサブアーム4の支点4a,4b間の距離である。そして、M3<M4となるように設定されており、且つこれらの差を小さなものとしてある。それ故、無風時は、障子2が開いた状態で障子2が閉まる方向へ移動しないようになっている。
【0071】
上述のような点を勘案してメインアーム3、サブアーム4の長さ、支点3a,3b,4a,4b位置を設定する。
【0072】
このような設定により、無風時に障子2は閉めた位置から自然に緩やかに開く。そして、例えば、障子2の外部側から障子2面に交叉方向から風が吹き付けると風圧によって障子2は閉まる。その閉まり方は、図25においてメインアーム3が枠側支点3bを中心にして時計回りに回動し、サブアーム4は枠側支点4bを中心に時計回りに回動するものである。そこで、強い風であると障子2は閉ってしまう。然し乍ら微風の際は障子2は少し開いた状態であって外気は室内側へ吹き込む。この微風によっても障子2が閉まるのは、支点4aが障子重心CGよりも上にあって前記角α2が小さく、且つ、障子2の全面に加わる風力が室内側へ向う力となるためである。なお、且つメインアーム3が室内側へ向って回動しようとする釣合状態であるためである。
【0073】
障子2は開閉装置を付さないでも、窓の風力等で自然に開閉換気するものである。
【0074】
このような自然風力換気窓では暴風時は突風が吹き、外部側より室内側に向って障子2に急激な正圧が働いたり、風向きが変わって急に障子2に上記と逆に負圧が加わり閉まっている障子が急激に開いてしまうことが起る。そこで、暴風時とか強風時に備えて自然換気動作を邪げない障子閉鎖装置を設ける必要がある。
【0075】
上述したサブアームを引き寄せることは障子閉鎖装置として有効である。サブアーム引き寄せ装置は
・ サブアームを引き寄せるだけで障子2を閉めることができる。
・ サブアームを引き寄せる際に引き寄せ力を加える位置を選択できるので引き寄せ力と引き寄せ行程を選択でき設計の融通性がある。従来例のように障子の下框を引き寄せると大きな行程が必要となる。
・ 障子の竪框と窓枠の竪枠間に納めることができるので窓の美観を障子閉鎖装置によって損なわれない。
・ 一棟の建物に対して多数の自然風力換気窓を設ける場合を考慮すると、障子を付された窓枠に対して障子閉鎖装置を総て工場で取り付けられるので生産性が高い。
・ わずかの変更で障子閉鎖装置を障子開閉装置とすることができる。
(サブアーム引寄せ装置の実施例1)
本例のサブアーム引寄せ装置6は図4から図6に側面図が示されている。
【0076】
サブアーム引寄せ装置6はスライド5に水平な軸6aで回転自在に支持され、端部に室内側から見てサブアーム4の外側の縁4cに係合する引掛け部材6bを有するリンク7を有する。
【0077】
スライド5は竪枠側ガイドバー9に当接してスライド5を挿通して小ねじ5aを該ガイドバー9にねじ込むことにより竪枠側ガイドバー9に固定されている。図13、図14に示すように竪枠側ガイドバー9は竪枠11に設けた上下方向の竪枠外側ガイド11hに上下動自在に嵌合している。竪枠外側ガイド11hはT溝の条溝であって口部は空間Sに対して開口している。
【0078】
図4から図6に示すようにスライド5はスタンド形状であってベース5bから空間S内に向かってアーム5cが突出している。アーム5cの先端に壁面に平行な軸心を持つ水平な軸6aでリンク7が回転可能に支持されている。リンク7は端部にサブアーム引き寄せ具である引っ掛け部材6bを有する。引っ掛け部材6bはサブアーム4の外部側の縁4cに接し得る位置にある。サブアーム4は帯鋼製であり断面は短形状である。
【0079】
引っ掛け部材6bとしては種々のものが考えられるがリンク7に回転自在に支持され外周がサブアーム4の縁4cに接し得るもの、リンク7に固定された円筒形のピン、ゴムローラ、リンク7に枢着され縁4cを摺動する回転すべり子等が選択できる。
【0080】
ここで竪枠側ガイドバー9、スライド5、リンク7は鋼製である。
【0081】
竪枠11には規制ブロック8が固定されている。規制ブロック8は図13に示すように戸当り材11dと内周材11aに当接している。規制ブロック8にはリンク7の外縁7aに接するカム面8aを有する。
【0082】
このカム面8aとリンク7の外縁7aについて説明する。カム面8aは図4から図6に示すように右斜め下方を向いて凹な曲線又は折線となっている。図4に示すように障子2が全開してリンク7が最も傾いたときにはカム面8aの最下端部と接触している。そして、図5に示すようにスライド5と共にリンク7が上昇すると外縁7aはカム面8aの中間と接触する。リンク7は図4の場合よりも立った位置となる。更にスライド5と共にリンク7が上昇した図6の位置においてはリンク7の外縁7aはカム面8aの上部と接する。
【0083】
上記のようなスライド5の上昇につれてのリンク7の回転角は、スライド5の単位当り上昇距離に対してリンク7の反時計回りの回転変位は、スライド5の上昇の初めにおいては大きく、上昇につれて次第に小さくなる。
【0084】
なお、スライド5とリンク7はスライド5の上昇につれての引っ掛け部材6bの上昇は、引っ掛け部材6bが軸6aを中心にして反時計回りに回動するので、この回動につれて引っ掛け部材6bと軸6a間の垂直方向の距離は増大するので引っ掛け部材6bは軸6aから垂直方向に遠のくので引っ掛け部材6bとでサブアーム4の縁4cとの接触位置はほぼ一定である。
【0085】
なお、軸6aに挿入したねじりコイルばねの一端をリンク7に他端をスライド5に係止してリンク7が軸6aを中心にして反時計回りにねじりコイルばねのばね力で回動するようにしてもよい(図示されない)
このサブアーム引き寄せ装置6は次のように作用する。図4は図3に示すように障子2が開いた限度位置にあるとき(ストッパ18aにメインアーム3が当り、ストッパ32bにサブアーム4が当っている)には、引っ掛け部材6bはサブアーム4の外縁4cから離れているか、外縁4cを加圧することなく接している。リンク7は規制ブロック8のカム面8aの下端部に接している。
【0086】
ここで竪枠側ガイドバー9が上昇するとスライド5及びリンク7は共に上昇する。上昇するリンク7はその外縁7aが規制ブロック8のカム面8aに当り摺動し、且つ軸6aを中心に反時計回りに回動する。引っ掛け部材6bは外縁4cを押してサブアーム4をピン34を中心にして時計回りに回動させる。これによって障子2は閉じる。
【0087】
図5に示すように障子2がほぼ閉まると、引っ掛け部材6bはスライド5の上昇による見込方向の変位量が小さくなり、後述のラッチ20による装置により障子2は閉まる。従って、スライド5が上昇限度に近ずくにつれて殆んどスライド5のみが移動し、障子2の下框23側の引っ掛け部材6bによる移動は小さくなる。
【0088】
このように障子2はサブアーム引寄せ装置6で閉めた状態からは後述のラッチ20を有する装置で閉め切られるものである。
【0089】
次に、障子2を上記のようにサブアーム引寄せ装置6で閉めた後に、障子2を閉め切る装置について説明する。この装置はサブアーム引寄せ装置6と連動するようになっている。
【0090】
(引寄せ装置とラッチの連動装置)
先ず引寄せ装置6と障子2を閉め切る装置を連動する構成について説明する。
【0091】
図7に示すように竪枠11に案内されるガイドバー9と、下枠13に沿って下枠13に案内されるガイドバー10と、竪枠11と下枠13のコーナーにおいて竪枠11及び下枠13に沿って移動自在に設けられ一端が竪枠側ガイドバー9に他端が下枠側ガイドバー10に連結された可撓性のコーナードライブ15とで、サブアーム引寄せ装置6と障子2を閉め切る装置を連動させている。
(コーナードライブ)
図26から図28はコーナードライブ15を示す。図26は外部側から見る正面図、図27は図26の平面図、図28は側面図である。
【0092】
竪枠側ガイドバー9には図27に示すように平面で見て直角に折曲している連結具51の一片がねじ52止めされている。連結具51の他片が連杆53に固定されている。連杆53の下端はコーナーガイド54に設けた上下方向のガイドに上下動自在に嵌合している。コーナーガイド54は竪枠11と下枠13の内隅に配設され、下枠13に固定されている。コーナーガイド54は壁面に平行である。連杆53の下端に固定したピン53aに可撓性部材55の一端が係止されている。
【0093】
コーナーガイド54はL形であり、上下方向に長い辺の一端は連杆53が滑合している。コーナーガイド54の他端には連杆56が下枠13の長手方向と同方向に移動自在に嵌合している。連杆56の一端のピン56aに可撓性部材55の他端が係止されている。
【0094】
可撓性部材55は例えば帯状の板ばねである。この板ばねは少なくとも彎曲している部分の外側がコーナーガイド54に設けた図示されない円弧形ガイドに案内されている。可撓性部材55は壁面に平行な平面に沿ってL形の一定の軌跡上を彎曲位置を変え乍移動する。可撓性部材55としてはギヤードケーブルを用いることもできる。
【0095】
連杆56は下枠側ガイドバー10に固定されている。
【0096】
上記のように竪枠側ガイドバー9と下枠側ガイドバー10は見込方向において異なる位置に配設されている。このような見込み方向にお
ける上記各ガイドバー9,10の連結は連結具51を設けることによって可撓性部材55にねじりを与えることなく移動可能としている。連結具51の1辺及び連杆53が竪枠11の内周材11aに沿って配設されていて障子2を開いた際において室内からは見えず意匠を害することがない。
【0097】
図23に示すように下枠側ガイドバー10は下枠13の内周上に設けた下枠上ガイド13dにより設けたT溝に嵌合して下枠13に沿って移動自在に嵌合している。竪枠側ガイドバー9は竪枠11のガイド11hにより設けたT溝に嵌合している。これらのガイド11h,13dはT溝を構成し、各ガイドバー9,10は夫々ガイド11h,13dで構成したT溝の口部より外部へ出ている。
(障子を閉めて閉め切る装置)
この実施例では上述した下枠側ガイドバー10により駆動されるラッチを採用している。このラッチは竪枠側ガイドバー9、コーナードライブ15、下枠側ガイドバー10を介してサブアーム引寄せ装置6と連動している。
【0098】
図8の一部を拡大して示す図9から図11及び図11の正面図の図12に示すように下枠側ガイドバー10上にラッチ回転用ブロック16が当接し、該ブロック16を挿通して小ねじ16cを下枠側ガイドバー10にねじ込み該ブロック16を下枠側ガイドバー10に固定している。従って、ラッチ回転用ブロック16は下枠側ガイドバー10と共に下枠13の長手方向に移動する。
【0099】
ラッチ回転用ブロック16は固定部16aとカム作動子16bとを有する。図12に示すようにラッチ回転用ブロック16のカム作動子16b側の下は空隙GSとなっている。この空隙GSがラッチ20の平板状の根本側20bに進む形となる。ラッチ回転用ブロック16がカム作動子16bとして機能する先端部は本例ではほぼ円弧の凹部であり、その中心は下枠側ガイドバー10の幅を2分する中心線10aよりも内部側へオフセットしてある。
【0100】
ラッチ20はユニット化して下枠13に固定されている。即ち、下枠13に小ねじ27aによりラッチベース27が固定されている。ラッチベース27に固設したピン29にラッチ20が回転可能に嵌合している。
【0101】
ラッチ20は上面に上方へ突出する突出部20dを設けてある。この突出部20dの側面にカム作動子16bに押されるカム面20aが設けてある。ラッチ20に植設したばね掛けピン20eに一端が係止されたばね19の他端はラッチベース27に植設したばね掛けピン27bに係止されている。
【0102】
ばね19は引張りコイルばねであって図9、図10の位置ではばね19は張力はなく、自然長はピン20eと27b間の距離と等しくなっている。
【0103】
ラッチ20は平面図形が矩形であり、ピン26に枢着された側の辺とは反対側の辺からはピン29へ向かって切り込んだ溝20cが設けてある。
【0104】
障子2の下框23には障子側ピン23bが設けてある。図29に示すように障子側ピン23bは下框23の外周材23dに固定され上下方向で見て先端部がラッチ20の溝20cに入り得る位置にある。
【0105】
上記において、ラッチ回転用ブロック16、ラッチ20、ラッチベース27、障子側ピン23b等は図23に示す下枠13の水返し13gの前の下框23と下枠13間の空間S2に配設されている。空間S2は下框23と下枠13間で外部側が外部に通じている。また、空間S2は下枠13の長手方向の両端側で竪枠11と竪框21間の空間Sに通じている。従って、ラッチ20を含むこれらの装置は障子2が閉まっていれば室内からは全く見えない。また、障子2が開いていても、室内から窓1を見ても下枠13は窓台13hから水返し13gの下まで落ち込んでいるので上記装置はよく見えない。
【0106】
ラッチを含む障子を閉め切る装置の作用は次のとおりである。
【0107】
図9は障子2が開いた状態に相当するラッチ等を示す。このとき竪枠側ガイドバー9が下降限度位置にある。下枠側ガイドバー10が右行限度位置にある(窓を外部側より見て)。カム作動子16bとカム面20aは最も離れた位置にある。竪枠側ガイドバー9が上昇するとサブアーム引寄せ装置6によって障子2は閉まってくると共に下枠側ガイドバー10が図9から図10に図示する矢印のように左行する。
【0108】
図10に示すように障子2が閉まるとき障子側ピン23bがラッチの溝20cの口部へ来て溝20cが障子側ピン23bと係合可能となる。このとき該ピン23bは溝20cの1側20c1に接触する。ラッチ回転用ブロック16は左行してカム作動子16bの外部側端面16b1がカム面20aのカム作動面20a1を押し始める位置となる。つづく、ラッチ回転用ブロック16の左行によりラッチ20はばね19のばね力に抗してピン29を中心にして時計回りに回転する。一方障子側ピン23bは溝20c間に位置して室内側へ移動する。
【0109】
このとき、サブアーム引寄せ装置6は竪枠側ガイドバー9の上昇につられて、該ガイドバー9の上昇量に対して障子2の内部側への引き寄せ量が次第に減少して来ている。従って、竪枠側ガイドバー9の上昇限度近くではサブアーム引寄せ装置6による障子2の引き寄せ量は少なく、竪枠側ガイドバー9のサブアーム引寄せ装置6の引寄せ量に対する上昇割合が増大する。従って図10の状態からは障子側ピン23bの内部側への移動速度よりも、障子側ピン23bへラッチの溝20cの他の一側20c2が接近する速度が速くなり、ラッチ20は障子2の下框23側を引き寄せ可能な状態となる。そして、カム作動子16bの面とカム作動面20a1とカム作動面20a3との稜線20a2にカム作動子16bの面が当る(図示されない)。つづく、ラッチ回転用ブロック16の左行により、ラッチ20は更に回転すると共にラッチ回転用ブロック16はカム面20a3とカム作動子16bの面が接触する。このとき、この接触面は下枠側ガイドバー10の長手方向に対してほぼ直角となっている。ここで、ばね19はばね力が小さく且つばね常数が極めて低く設定されている。そのため、ばね19によりラッチ20は逆行はしない。
【0110】
上述により、ラッチ20は障子側ピン23bを室内側へ引き寄せ、障子2の引き寄せを完全なものとする。
【0111】
障子閉鎖装置が障子2の自然風力による開閉を邪げない位置とするには竪枠側ガイドバー9を下降させる。竪枠側ガイドバー9が下降すると図11において下枠側ガイドバー10、ラッチ回転用ブロック16は右行する。するとカム面20aとカム作動子16bの接触部が移動する。ラッチ20はばね19に引かれてピン29を中心に反時計回りに回動する。カム作動面20a3からカム作動子16bが離れ、稜線20a2がカム作動子16bの面と接触する。一方、アーム引寄せ装置6のリンク7は竪枠側ガイドバー9の下降により図6に点線dで示すように下降し、引っ掛け部材6bは外部側へ移動し、障子2は既述したように障子2の重量とメインアーム3、サブアーム4の位置関係で障子2が開く方向に少し移動する。しかし、この時点では障子側ピン23bはラッチ20の溝20cの他の1側20c2に当り完全には開けない。続く下枠側ガイドバー10の右行につれてカム作動子16bの外部側端面16b1がカム作動面20a1に接触してこの接触位置が稜線20a2から遠ざかる。このときラッチ20はばね19のばね力でピン29を中心に時計回りに回転する。つづいて障子側ピン23bは溝20cの口部へくる。
【0112】
かくして図10のようにラッチ20が回転した位置ではばね19は自然長となってばね力はない状態となっている。障子側ピン23bはラッチの溝20cの口部から見込方向の外部側へ移動することは拘束されないようになっている。
【0113】
一方障子引寄せ装置6は図6から図5に示すように竪枠側ガイドバー9の下降によりリンク7の外縁7aが規制ブロック8のカム面8aと軽く接触し乍軸6aを中心にして、及び自然風力換気窓としての障子2の外部側への移動により引っ掛け部材6bがサブアーム4の縁4cに押されて、時計回りに回動する。そして図4に示すように竪枠側ガイドバー9の下降限位置においてリンク7は規制ブロック8と外縁7aが接触した状態において引っ掛け部材6bが最も外部側の位置となる。
【0114】
引っ掛け部材6bが最も外部側の位置となる前の竪枠側ガイドバー9の下降の際に下枠側ガイドバー10は図11から図9に示す矢印とは反対方向に右行し、ラッチ回転用ブロック16は右行する。これによってラッチ20はばね19に引かれてピン29を中心にして反時計回りに回動し、カム面20aに対するカム作動子16bの接触位置がカム作動面20a3、稜線20a2、カム作動面20a1と順次変りカム面20aからカム作動子16bは離れて遠のく。そしてラッチ回転用ブロック16は図9に示す位置となる。
(操作装置)
障子閉鎖装置における操作装置としてはその部材を竪枠、下枠、コーナードライブの何れかに設けることが考えられる。ここでは竪枠に設ける場合について説明する。操作部材を竪枠に設けるのが好適である。
【0115】
図13、図14に示すように竪枠11の内部側に面する戸当り部材11eの内部側に見込方向で見て竪枠外側ガイド11hに重なるように竪枠内側ガイド11iが設けてある。これらガイド11h,11iで構成されるT溝の底は共通の部材である戸当り部材11eの一部である。竪枠内側ガイド11i内には操作バー24が上下動自在に嵌合している。このT溝の底には図15から図18に示すように上下に長い長穴の貫通部11jが設けてある。貫通部11jは竪枠11の戸当り材11e上部に配置されている。
【0116】
図15から図18に示すように操作バー24と竪枠側ガイドバー9を締結する締結部材33が設けてある。締結部材33は小ねじ33aと、スペーサ33bを有する。
【0117】
図18に示すようにスペーサ33bは貫通部11jの縁11j1の両側にわたる。スペーサ33bは縁11j1に滑合する溝33b1を有する。スペーサ33bは竪枠側ガイドバー9と操作バー24に挟持され、操作バー24、スペーサ33bを貫通して竪枠側ガイドバー9にねじ込まれた小ねじ33aにより、竪枠側ガイドバー9と操作バー24は締結されている。
【0118】
竪枠側ガイドバー9、操作バー24は同断面形状である。共にガイド11h、11iで構成される条溝の外側にやや突出する外面9a,24aを有する。竪枠側ガイドバー9、操作バー24はこの外面9a,24aの両側から上記条溝の口部と、口部のすぐ内側及び両側に接するようにのびている。そして端縁が上記条溝の底に接している。竪枠側ガイドバー9、操作バー24は肉厚をほぼ一定とするように外面9a,24aに倣って内面9b,24bを有する。
【0119】
ここで竪枠側ガイドバー9、操作バー24はアルミ押出し型材、ステンレス鋼材等の引抜き材である。
【0120】
竪枠側ガイドバー9、操作バー24の内面9b,24bに沿ってスペーサ33bが設けてある。スペーサ33bは操作バー24の内面24bに丁度嵌合し、竪枠側ガイドバー9の内面9bの内、段部9b1,9b2に嵌合している。スペーサ33bはアルミ押出し型材、鋼製機械加工品、合成樹脂成型品等で作られている。
【0121】
竪枠側ガイドバー9と操作バー24はスペーサ33bを介して端部が剛結されているので、竪枠側ガイドバー9及び操作バー24は端部が彎曲するような熱変形するような応力が生じたとしても、関係断面の寸法が正確に保たれているので竪枠外側ガイド11h,竪枠内側ガイド11iとせり合うことなく円滑に上下動できる。
【0122】
(貫通部塞ぎ構成)
図15から図18に示すように貫通部11jを塞ぐための貫通部塞ぎケース(以下、ケースという)43が竪枠11の上部に固設してある。ケース43は平面でみて溝形鋼形であって竪枠側ガイドバー9、竪枠外側ガイド11hを覆っていてフランジ端面が戸当り材11eに接している。ケース43の上端面は上枠12の下面12eに接している。下面12eは窓台13hに対向する上枠12の面である。ケース43は貫通部11jよりも上下方向に長い。ケース43は竪枠側ガイドバー9とは隙間を置いている。ケース43の竪枠11への取り付けは例えば竪枠外側ガイド11hへの嵌着である。貫通部塞ぎケース43は例えば合成樹脂成型品、アルミ押出し型材製である。
【0123】
貫通部塞ぎケース43によって貫通部11jをとおる透過光は遮断される。
【0124】
貫通部塞ぎケース43と竪枠側ガイドバー9、竪枠外側ガイド11hとの間には隙間があるので貫通部11jにおいて戸当り材11eの内外が通気可能である。そこで貫通部塞ぎ材44を設けて通気しないようにしてある。貫通部塞ぎ材44は、例えば硬質ゴム材製である。
【0125】
図15に示すように竪枠側ガイドバー9、操作部材24が下降限度の状態において、貫通部塞ぎケース43の下方には貫通部塞ぎ材44が配設されている。貫通部塞ぎ材44は小ねじ44aにより竪枠側ガイドバー9に固定されている。貫通部塞ぎ材44の上端から下方へ凹部44bが設けてある。凹部44bは貫通部塞ぎケース43の外周が丁度滑合する形状である(図17、図18参照)。貫通部塞ぎ材44は凹部44bを除いて戸当り材11e、竪枠外側ガイド11h、竪枠側ガイドバー9に隙間なく摺動可能に接触している。
【0126】
図17に示すように貫通部塞ぎ材44は障子閉鎖装置により竪枠側ガイドバー9が上昇して障子2が閉まる際に上昇して行き凹部44bが貫通部塞ぎ材ケース43の下部に嵌合する。障子閉鎖装置が障子2を開放可能に引寄せ装置6の引っ掛け部材6bを外方の移動限度まで移動した際には、竪枠側ガイドバー9は下降限度まで下っており、貫通部塞ぎ材44は図15に示すように下降しており、貫通部塞ぎ材ケース43から離れている。
【0127】
操作バー24の上昇により竪枠側ガイドバー9は貫通部塞ぎ材44を伴って上昇し、貫通部塞ぎ材44の凹部44bは貫通部塞ぎ材ケース43に隙間なく丁度嵌合する。これによって貫通部塞ぎ材ケース43と竪枠側ガイドバー9、竪枠外側ガイド11hとの間の隙間はその下端の開口45(図18参照)と戸当り材11eの外部側の空間Sとの間が閉塞される。このとき障子2は閉まっている。したがって空間S2,Sをとおって貫通部11jを通じて室内へ直ちに外気が侵入することが防止される。
【0128】
図7に示すように下枠13の端面に竪枠11の内側面側が接しており、竪枠11を挿通して図示されないタッピングねじが下枠13のタッピング穴13e(図23参照)にねじ込まれている。竪枠11と上枠12との結合も、竪枠11と下枠13との上記結合の態様と同様である。即ち、窓枠1は竪枠勝ちに四方組されている。
【0129】
図23に示すように竪枠内側ガイド11iは下枠13の室内側の下端13fまでのびている。操作バー24は図7に示すように下枠13より下方に垂下しており、室内側の壁面に取り付けた操作装置25に連結されている(画法上操作装置は点線となるべき処分かり易くするために実線で示す)。
(操作装置)
操作装置25を図19、図20に示す。図19は室内側から見る正面図、図20は内部の機構を示す背面図である。
【0130】
本例で採用した操作装置25は往復すべり子回転機構を採用した。室内側壁面に固定されたベース61には上下方向の長穴61aが設けてある。この長穴61aにはピン62,63が貫通している。ピン62はすべり子64に固定され、すべり子64を貫通してベース61の離面に上下方向に移動自在に設けた裏板(図示されない)に固定されている。ピン63はすべり子64に重ねられた連接棒65の一端及びすべり子64を貫通して前記裏板に固定されている。ピン63はすべり子64に固定されている。ピン63は連接棒65を回動自在に支持している。連接棒65の他端はクランク66の先端にクランクピン67でもって枢着されている。クランク66の根本はベース61に回転自在に支持されたクランク軸68に固定されている。又はクランク66とクランク軸68は一体成形されている。ベース61に嵌着されたカバー69でもってこれら往復回転すべり子機構を覆っている。クランク軸68はカバー69を挿通しており、カバー69外においてクランク軸68にハンドルである操作部材25aが着脱可能に取り付けてある。
【0131】
すべり子64の側方に設けた出力部64aに一端がねじ71a止め固定された連結具71の他端は操作バー24の下端部に固定されている。
【0132】
図19のように操作部材25aが垂下した位置にあるとき、クランク軸68、クランク66は図20において反時計回り回動限度の位置にあり、すべり子64及び操作バー24は下降限度位置にある。
【0133】
図19の位置にある操作部材25aを反時計回り(図20は背面図であり時計回りとなる。)に回転すると、図20においてクランク軸68、クランク66は時計回りに回動して、クランク66にクランクピン67で連結されている連接棒65を介してピン63、すべり子64、連結具71、操作バー24は共に上昇する。図19に一点鎖線で示すように操作部材25aを90度反時計回りに回動するとすべり子64は上昇限度位置となる。クランク66が上支点に近ずく際にはすべり子64には大きな上昇力が生じており障子2がほぼ閉まっているが窓枠1に設けたパッキン46,49は障子2に強い力で当接される。
【0134】
上記のように、障子2が閉鎖されている状態ではクランク66はクランクピン67が上支点にある。従って、操作バー24は下方向へ力を加えられても下方へ移動できない。そこで、外枠側ガイドバー9、下枠側ガイドバー10は障子2が閉っている状態ではロックされている。従ってサブアーム引寄せ装置6、ラッチ20はロックされる。そこで、障子2に負圧が加わったとしても閉鎖したままである。
【0135】
障子2の閉鎖状態において操作部材25aを図19において時計回りに回動すると、図20において直立した状態となっているクランク66は反時計回りに回動し、クランクピン67を介して連接棒65を引き、連接棒65にピン63で連結されているすべり子64、連結具71、操作バー24を下方へ移動する。これによって、操作バー24の上端部で締結部材33により操作バー24にその上端部が固定されている竪枠側ガイドカバー9は下降する。この下降により、既にのべたようにサブアーム引寄せ装置6の引っ掛け部材6bはサブアーム4の運動を邪げることのない外方へ移動する。又、ラッチ20は障子側ピン23bの拘束を解く。これによって、窓は自然風力換気窓として作動する。
【0136】
(緩衝装置)
自然風力換気窓は風力の消長によって障子2は開度を自動的に調節する作用をする。このような作用は無風時から一定風速までである。そして一定風速以上に急激な建屋外壁面へ向って吹く風によって障子2は急激に閉る。このとき、障子2の閉る音が発生する。これは、窓枠に障子2が当って発生する音である。ここでのべる緩衝装置は障子の閉止時のエネルギーを吸収することにより上記音の低減を計ることを目的とする。
【0137】
図29から図32は障子閉鎖装置及び全体を符号70で示す緩衝装置を付設した自然風力換気窓を示している。
【0138】
図33は図32のB−B拡大断面図である。
【0139】
図29から図32は夫々(a)は外部側から見る正面図(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の側面図である。
【0140】
図29から図32を用いて緩衝装置70の概略の構成を示す。根本側がピン73により竪枠11に枢着されたアーム74の先端にはローラ例えばゴムローラ75が回転自在に取り付けてある。これら緩衝装置70は両側の竪枠11に夫々同位置に設けてある。
【0141】
図33はアーム74部はアーム74の長手方向に沿った断面を一平面上で示す。竪枠11の内周材11aに固定されたベース76には壁面に平行で水平なピン73が植設されている。ピン73にはアーム74が回転可能に嵌合している。アーム74の長手方向に直角な断面は溝型鋼形状である。アーム74の先端にはピン73に平行な金属製例えば鉄製のピン77の両端の小端部77aがアーム74の穴に嵌合して端面側がかしめられている。
【0142】
ピン77にはゴムローラ75が回転自在に嵌合している。ゴムローラ75はピン77に回転自在に嵌合する砲金製スリーブ75aの外周にローラゴム75bを加硫成形してなる。なお、ローラゴム75bはエラストマーに代えることもできる。また、ゴムローラに代えて外周部が軟質、中心部が硬質の二色成形合成樹脂製としてスリーブ75aなしでピン77に回転自在に嵌合するローラとしてもよい。
【0143】
ピン73に挿入された捩りコイルばね78の一端78aは竪枠側ガイドバー9に接しており、他端78bはアーム74の中間部でその片側の縁に係止されている。これによって、図29から図31に示すようにアーム74はピン73を中心にして外部側へ回動したゴムローラ75が外部側にある位置とされている。アーム74は約45°垂直方向に対して斜めとなっている。
【0144】
このとき、捩りコイルばね78にはプリロードは加えられていない。
【0145】
緩衝装置70はサブアーム4の竪枠11への枢着位置の下方とコーナードライブ15との間において障子閉止時に空間Sに納まるように設けてある。
【0146】
図31において障子2がほぼ閉った位置においてゴムローラ75は障子2の竪框21の外側内面材21b(図33参照)に接近している。外部側より内部側へ向う正圧の風が突然吹いたりすると障子2は急速に閉まる。このときゴムローラ75は上記内面材21bに当接され、つづいて内面材21bがゴムローラ75を押して図32に示すようにアーム74を捩りコイルばね78のばね力に抗してピン73を中心にして室内側へ回動する。このときゴムローラ75は外側内面材21b上を転動する。
【0147】
このとき、捩りコイルばね78はばね常数T/θ:ここでTはアーム74をばね78に抗して捩るトルク、θはアーム74の回転角である。ばね常数は一定であるのでアーム74が復元しようとするトルクは次第に大きくなる。一方、外側内面材21bとゴムローラ75の接触位置は次第に上昇する。且つ、外側内面材21bとゴムローラ75の接触点における外側内面材21bに立てた垂線とアーム74の枢着位置のピン73との距離は、障子2が閉って外側内面材21bとゴムローラ75が接触した後は障子2が閉るにつれて次第に増大する。従って、アーム長さ、ゴムローラとアームの外側内面材21bとの接触開始位置を適当に選択することにより障子2が閉る際の外方へ向って障子を押し返そうとする緩衝装置の力を均一化するのに寄与できる。
【0148】
上述のようにこの緩衝装置によれば捩りコイルばね78にプリロードを与えないことにより、障子2が急激に閉る際障子2とゴムローラ75は衝突しないで接触し次第に障子2を制動する力が増大するが一次比例よりも小さく抑えられる。従って、障子2は次第に減速される。
【0149】
(全体作用のまとめ)
操作部材25aが垂下した障子開放位置にあるときは、アーム引寄せ装置6の引っ掛け部材6bは外部側の移動限度位置にある。このとき障子2はメインアーム3、サブアーム4により窓枠1に支持されて風力の消長により開閉する。
【0150】
操作部材25aを垂下した位置から図19において反時計回りに回動すると、竪枠外側ガイドバー9、下枠側ガイドバー10は連動して移動する。これによってアーム引寄せ装置6の引っ掛け部材6bはサブアーム4を引き寄せ障子2を閉める。このとき、緩衝装置70は障子2に押されて内部側へ回動する。そして障子2が閉る最後においてはラッチ20により障子側ピン23bが内部側へ引かれて障子2が締め込まれる。
【0151】
操作装置25は回転すべり子機構による逆止機構となっているので障子側に力を加えて障子2を開くことはできない。
【0152】
操作部材25aを上記と逆に回動すると竪枠外側ガイドバー9は下降すると共に下枠側ガイドバー10は移動する。これによってラッチ20は障子側ピン23bを自由にしてアーム引寄せ装置6の引っ掛け部材6bは外部方向へ移動して外部側の限度位置に停止する。このとき最初緩衝装置70は閉まっている障子2を押して開く方向に助勢するように作用する。これによって障子2はメインアーム3、サブアーム4により窓枠1に支持されて風力の消長により開閉する。
【0153】
強風等で障子2が閉る際に緩衝装置70は障子2の閉止に抗して障子2の閉る速度を減速させるので障子2が窓枠1に衝突して発生する衝突音は低減される。
【0154】
(産業上の利用可能性)
この障子閉鎖装置は障子が閉った際には竪枠と竪框間の空間に納まっている。そして障子が開いた場合においてもこの障子閉鎖装置は室内から視界を殆ど邪げない範囲にある。そして室内側に操作装置の一部が見えるように設置されるだけであるので、意匠上すぐれた効果を発揮する。即ち、窓の意匠を減殺されることが全くない。室内側に操作装置の一部以外は出張らないので室内空間をせばめることがなく、窓に近ずこうとする人に障害とならない。
【0155】
窓枠内の室内側には障子閉鎖装置の部材がないので、ブラインドを窓内に設置することも可能となる。また、下枠の室内側に障害物がないのでカーテンを設けてもカーテンを閉めた際にカーテンがふくらむことがない。
【0156】
障子閉鎖装置は障子が閉った状態では竪枠と竪框間の空間Sにあるため、仮に長期間障子を閉めたままにしても埃とかその他粉塵により汚れることがない。
【0157】
また、障子が開いた状態においては障子閉鎖装置は障子により外部側の前方及び上方が覆われているので埃、粉塵により汚れ難い。
【0158】
障子閉鎖装置を構成する各部材は製作上、障害となる困難がない。
【0159】
実施例は自然風力換気窓についてのべたが一端が障子の竪框に枢着され他端が窓枠の竪枠に直接、又は竪枠に設けたすべり子に枢着されたアームを有する各種の突出し窓に適用可能である。そして、この場合にサブアーム引寄せ装置の引っ掛け部材を突き出しアームに設けた例えばアームの長手方向に長い溝に移動自在に設けると障子の閉鎖だけでなく開放も操作部材によって可能となる。
【0160】
本発明はこの障子閉鎖装置を障子の開閉装置として変形した場合を含む。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】障子閉鎖装置が付設されていない自然風力換気窓の閉鎖状態を示す縦断面図である。
【図2】障子閉鎖装置が付設されていない自然風力換気窓の半開状態を示す縦断面図である。
【図3】障子閉鎖装置が付設されていない自然風力換気窓の全開状態を示す縦断面図である。
【図4】障子引寄せ装置の側面図である。
【図5】障子引寄せ装置の側面図である。
【図6】障子引寄せ装置の側面図である。
【図7】障子引寄せ装置を付設した窓の外部側より見る正面図である。
【図8】図7の水平断面図である。
【図9】ラッチ機構の平面図である。
【図10】ラッチ機構の平面図である。
【図11】ラッチ機構の平面図である。
【図12】ラッチ機構を外部側より見る正面図である。
【図13】図6の拡大A−A断面図である。
【図14】障子が閉った状態の竪枠上部の水平断面図である。
【図15】竪枠上部の窓内の(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図16】竪枠上部の窓内の(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図17】竪枠上部の窓内の(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図18】竪枠上部の水平断面図である。
【図19】操作装置の正面図である。
【図20】操作装置の背面図である。
【図21】実施例の窓の正面図である。
【図22】窓の水平断面図である。
【図23】窓の見込方向の縦断面図である。
【図24】窓の見込方向の断面を模式的に示す縦断面図である。
【図25】窓の見込方向の断面を模式的に示す縦断面図である。
【図26】コーナードライブの正面図である。
【図27】図26の一部断面で示す平面図である。
【図28】図26の側面図である。
【図29】障子閉鎖装置及び緩衝装置を付設した自然風力換気窓の窓枠の(a)は外部側より見る正面図、(b)は下枠側の平面図、(c)は(a)の側面図である。
【図30】障子閉鎖装置及び緩衝装置を付設した自然風力換気窓の窓枠の(a)は外部側より見る正面図、(b)は下枠側の平面図、(c)は(a)の側面図である。
【図31】障子閉鎖装置及び緩衝装置を付設した自然風力換気窓の窓枠の(a)は外部側より見る正面図、(b)は下枠の平面図、(c)は(a)の側面図である。
【図32】障子閉鎖装置及び緩衝装置を付設した自然風力換気窓の窓枠の(a)は外部側より見る正面図、(b)は下枠の平面図、(c)は(a)の側面図である。
【図33】図32のB−B拡大断面図である。
【図34】従来例の平面図である。
【図35】従来例の側面図である。
【符号の説明】
【0162】
CG…重心
G…ガラス GC…重心 GS…空隙
PL…垂直平面
S,S2…空間
W…重量 WA…壁面
X…自然風力換気窓
1…窓枠
2…障子
3…メインアーム 3a…メインアーム障子側支点 3b…メインアーム枠側支点
4…サブアーム 4a…サブアーム障子側支点 4b…サブアーム枠側支点 4c…縁
5…スライド 5a…小ねじ 5b…ベース 5c…アーム
6…サブアーム引寄せ装置 6a…軸 6b…引っ掛け部材
7…リンク 7a…外縁
8…規制ブロック 8a…カム面
9…竪枠側ガイドバー 9a…外面 9b…内面 9b1,9b2…段部
10…下枠側ガイドバー 10a…中心線
11…竪枠 11a…内周材 11b…外面材 11c…内面材 11d…戸当り材 11e…戸当り材 11g…条溝 11h…竪枠外側ガイド 11i…竪枠内側ガイド 11j…貫通部 11j1…縁 11m…条溝 11n…カバー
12…上枠 12b…戸当り材 12c,12d…条溝 12e…下面
13…下枠 13c…条溝 13d…下枠上ガイド 13eタッピング穴 13f…下端 13g…水返し 13h…窓台 13i…内面材
14…メインアーム取付具
15…コーナードライブ
16…ラッチ回転用ブロック 16a…固定部 16b…カム作動子 16b1…外部側端面 16c…小ねじ
17…ピン
18…メインアーム枠側取付部 18a…ストッパ
19…ばね
20…ラッチ 20a…カム面 20a1…カム作動面 20a2…稜線 20a3…カム作動面
20b…根本側
20c…溝 20c1…1側 20c2…他の1側 20d…突出部 20e…ばね掛けピン
21…竪框 21a…内面材 21b…外側内面材 21d…外周材 21e…アタッチ材
22…上框 22a…内面材 22b…外側内面材
23…下框 23a…内面材 23b…障子側ピン 23c…外側内面材 23d…外周材
24…操作バー 24a…外面 24b…内面
25…操作装置 25a…操作部材 25c…操作機構
26…ピン(メインアーム取付)
27…ラッチベース 27a…小ねじ 27b…ばね掛けピン
28…サブアーム障子側取付具 28a…小ねじ
29…ピン(ラッチ取付)
31…ピン
32…サブアーム枠側取付具 32a…小ねじ 32b…ストッパ
33…締結部材 33a…小ねじ 33b…スペーサ 33b1…溝
34…ピン
40…ガラス溝
41…ガラス台
42…シール材
43…貫通部塞ぎケース 43a…外周
44…貫通部塞ぎ材 44a…小ねじ 44b…凹部
45…開口
46…パッキン
49…パッキン
51…連結具
53…連杆 53a…ピン
54…コーナーガイド
55…可撓性部材
56…連杆 56a…ピン
61…ベース 61a…長穴
62…ピン
63…ピン
64…すべり子 64a…出力部
65…連接棒
66…クランク
67…クランクピン
68…クランク軸
69…カバー
70…緩衝装置
71…連結具 71a…ねじ
72…ピン
73…ピン
74…アーム
75…ゴムローラ 75a…スリーブ 75b…ローラゴム
76…ベース
77…ピン 77a…小端部 77b…ローラゴム
78…捩りコイルばね 78a…一端 78b他端
101…突き上げ窓
102…窓枠 102a…竪枠
103…ピン
104…障子
105…ピン
106…アーム 106a…長穴
107…ローラ
108…ボールジョイント
109…軸
110…開閉駆動装置
111…アーム 111a…ロッド 111b…アーム 111c…ボールジョイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋又は建屋の外部に面して取り付けられる窓枠と、窓枠に納まり窓を閉めた状態と窓枠から外部へ向って開く障子を有し、
一端が竪枠に壁面に平行し水平な軸心で枢着され、他端が前記軸心よりも上方で竪框の中間部に前記軸心と平行な軸心で枢着されたアームを有する窓の障子閉鎖装置において、
竪枠に対して竪枠に沿って移動可能に設けられたスライドと、
スライドに取り付けられてアームと係合しスライドが上昇するにつれてアームを引き寄せるアーム引寄せ装置と、
を有し、
アーム引寄せ装置を竪框と竪枠間に設けたことを特徴とする障子閉鎖装置。
【請求項2】
アーム引寄せ装置はスライドに水平軸で回転自在に支持され、端部にアームの外側に係合する引っ掛け部材を有するリンクと、
竪枠に固定されリンクに接触し、スライドが移動する際にリンクの運動を引っ掛け部材が内外部方向に移動するように規制する規制ブロックと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の障子閉鎖装置。
【請求項3】
規制ブロックはリンクの外縁に接するカム面を有することを特徴とする請求項2に記載の障子閉鎖装置。
【請求項4】
前記スライドに固定され竪枠に沿って移動自在に竪枠に案内される竪枠側ガイドバーと、
下枠に沿って移動自在に下枠に沿って下枠に案内される下枠側ガイドバーと、
竪枠と下枠のコーナーに沿って移動自在に設けられ一端が竪枠側ガイドバーに連結され他端が下枠側ガイドバーに連結された可撓性部材を有するコーナードライブと、
下枠側ガイドバーに固定されたラッチ回転用ブロックと、
下枠に軸で回転自在に支持され、一方向に回転するようにばねより付勢され、ラッチ回転用ブロックにより前記ばねのばね力に抗して押されるカム面とカム面が押されることにより室内側に移動する、障子の下框に設けられた障子側ピンが係脱可能な溝部とを有するラッチと、
を有することを特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載の障子閉鎖装置。
【請求項5】
竪枠の室内側の内側材の外部側で竪枠に沿って設けられ竪枠側ガイドバーを移動自在に案内する竪枠に備えられた竪枠外側ガイドと、
前記内側材の内部側に見込方向で見て竪枠外側ガイドに重なるように竪枠に設けられた竪枠内側ガイドと、
竪枠外側ガイドと竪枠内側ガイドが重なる位置において前記内側材に設けられ内側材の内外を通ずるように開口している貫通部と、
竪枠内側ガイドに移動自在に嵌合した操作バーと、
貫通部を介して竪枠側ガイドバーと操作バーを締結する締結部材と、
操作バーを進退させる操作装置と、
を有することを特徴とする請求項1から4の何れか1つに記載の障子閉鎖装置。
【請求項6】
貫通部を外部側から覆い上端が閉塞され、下端が開放された状態で窓枠に取り付けられた貫通部塞ぎケースと、
貫通部塞ぎケースの下方にあって竪枠側ガイドバーに固定され、竪枠側ガイドバーの上昇により貫通部塞ぎケースの下端の開放部を密閉する貫通部塞ぎ材と、
を有することを特徴とする請求項5に記載の障子閉鎖装置。
【請求項7】
窓が窓枠の両側の竪枠と、障子の竪框間に夫々設けられ竪框上部に一端が枢着され他端が前記一端よりも低い位置において竪枠に枢着された短い長さのメインアームと、竪框中間部に一端が枢着され他端が竪枠下部に枢着されメインアームよりも長い長さのサブアームとを有し、
障子を閉めた状態において、各アームは夫々ほぼ垂直方向を向いて、各アームの竪框への枢着位置が各アームの竪枠への枢着位置の上方に位置し、且つ、各アームの竪枠への枢着位置が障子の重心よりも室内側にあって、無風時には障子の重量によって緩やかに開窓し、開窓時には外部側から障子に向って吹く風によって閉窓する自然風力換気窓である請求項1から6のいずれか1つに記載の障子閉鎖装置。
【請求項8】
障子がほぼ閉った際に障子の竪框に接触するローラと、先端に前記ローラを有し根本側が竪枠に枢着され障子がほぼ閉って前記ローラが障子の竪框に接触する際に斜となっているアームと、アームを外部側へ向って付勢するばねとを有することを特徴とする請求項7に記載の障子閉鎖装置。
【請求項9】
竪枠側ガイドバーと下枠側ガイドバーは見込方向に位置を異にしており、可撓性部材は下枠側ガイドバーを含む壁面に平行な同一平面上に配設され、可撓性部材と竪枠側ガイドバーとを連結する連結部材は竪枠側ガイドバーと連結する連結部と可撓性部材と連結する連結部が見込方向で位置を異にしていることを特徴とする請求項4に記載の障子閉鎖装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2008−2229(P2008−2229A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175173(P2006−175173)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(000005005)不二サッシ株式会社 (118)
【Fターム(参考)】