説明

障子

【課題】ビスを使用することなく框材を連結することのできる障子を提供する。
【解決手段】横材21と縦材20は、横材と縦材に対して接着固定される連結部材30によりコーナー部で連結され、連結部材30は、連結される横材と縦材の室内側にそれぞれ接着固定される室内側部品31と、連結される横材と縦材の室外側にそれぞれ接着固定される室外側部品32とからなり、室内側部品31と室外側部品32のいずれか一方の部品には、枠体1に形成されるレール11aを跨いで案内されるガイド部32eが形成され、ガイド部の他方の部品と対向する側の面は、他方の部品との接合面32dとされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッシの枠体に納められる障子に関し、特に上下の横材と左右の縦材を連結部材によりコーナー部で連結してなる框体を有する障子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物開口部に取付けられる枠体内に納められる障子が知られている。障子は、上下の横材と左右の縦材を方形状に組んでなる框体を備え、この框体内にパネル体を納めるようにしている。横材と縦材は、いずれも断面中空状に形成され、横材の中空内部には、長手方向に渡るビス孔が形成されている。横材と縦材の連結は、横材の端面を縦材の内側面に突き当て、横材のビス孔に対してビスを螺合させることによりなされる。横材のビス孔は、横材に対して縦材が回転しないように、少なくとも2箇所に設けられる。このような障子としては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−207176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の障子は、上述のように横材と縦材をビス止めしていたため、以下に述べる問題点を有していた。まず、少なくとも横材にビス止めのためのビス孔を長手方向に沿って形成する必要があり、重量増及びコストアップを招いていた。特に、横材は押出成形されてなるため、ビス孔は長手方向の全長に渡って形成されるが、ビスが挿入されるのは、両端部分だけであり、その他の大部分は、何ら機能しない部分となる。軽量化のため、ビス孔の両端部以外の領域を切除することも考えられるが、そのための加工にコストがかかり、現実的ではない。また、ビス孔を少なくとも離隔した2箇所に設ける必要があるため、框材の設計自由度に制約を与えることとなっていた。
【0005】
さらに、框体をリサイクルする際に、框体を分解するためには、ビスを全て取り外さなければならず、作業性が良好とは言えなかった。また、ビスが取付けられたまま廃棄されると、アルミ材からなる框体にステンレス等からなるビスが混入することとなり、リサイクル時に支障を来す可能性がある。
【0006】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、ビスを使用することなく框材を連結することのできる障子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る障子は、上下の横材と左右の縦材とを方形状に組んでなる框体内にパネル体を納めてなり、建物開口部に設置される枠体内に納められる障子において、
前記横材と縦材は、該横材と縦材に対して接着固定される連結部材によりコーナー部で連結され、
前記連結部材は、連結される前記横材と縦材の室内側にそれぞれ接着固定される室内側部品と、連結される前記横材と縦材の室外側にそれぞれ接着固定される室外側部品とからなり、
前記室内側部品と室外側部品のいずれか一方の部品には、前記枠体に形成されるレールを跨いで案内されるガイド部が形成され、該ガイド部の他方の部品と対向する側の面は、他方の部品との接合面であることを特徴として構成されている。
【0008】
また、本発明に係る障子は、前記室内側部品と室外側部品は、接着により互いに接合されることを特徴として構成されている。
【0009】
さらに、本発明に係る障子は、前記室内側部品と室外側部品のうち前記ガイド部を有する一方の部品は、前記ガイド部に隣接して他方の部品と対向する対向面を備え、該対向面も他方の部品と接合されることを特徴として構成されている。
【0010】
さらにまた、本発明に係る障子は、前記框体のうち少なくとも三辺の横材と縦材には、室内面の内周側に前記パネル体を押圧する押縁部材が取付けられ、連結される前記横材と縦材の押縁部材は、一方の端面が他方の側面に突き当てられ、前記室内側部品は前記押縁部材に係らないように形成されて、前記押縁部材は端部を含む全長に渡って室内側に露出することを特徴として構成されている。
【0011】
そして、本発明に係る障子は、前記框体は前記押縁部材を保持する内周側部分に室内側に張り出した張出部を有し、前記室内側部品は前記張出部の側面を覆うことを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る障子によれば、横材と縦材はこれらに接着固定される連結部材によりコーナー部で連結され、連結部材は、連結される横材と縦材の室内側にそれぞれ接着固定される室内側部品と、連結される横材と縦材の室外側にそれぞれ接着固定される室外側部品とからなり、室内側部品と室外側部品のいずれか一方の部品には、枠体に形成されるレールを跨いで案内されるガイド部が形成され、ガイド部の他方の部品と対向する側の面は、他方の部品との接合面であることにより、框材の連結のためのビス孔を框材の長手方向に沿って設ける必要がなく、その分の材料を不要とできるので、軽量化及びコストダウンを図ることができる。また、ガイド部が一方の部品に形成されているので、障子の案内に伴う荷重が部品同士の接合に影響せず、強度を大きくすることができる。
【0013】
また、本発明に係る障子によれば、室内側部品と室外側部品は、接着により互いに接合されることにより、両部品を容易に接合することができ、また強度も十分に確保することができる。
【0014】
さらに、本発明に係る障子によれば、ガイド部を有する一方の部品は、ガイド部に隣接して他方の部品と対向する対向面を備え、対向面も他方の部品と接合されることにより、部品の接合面積を大きくして、接合強度をより大きくすることができる。
【0015】
さらにまた、本発明に係る障子によれば、連結される横材と縦材の押縁部材は、一方の端面が他方の側面に突き当てられ、室内側部品は押縁部材に係らないように形成されて、押縁部材は端部を含む全長に渡って室内側に露出することにより、框体を組んだ後に取付けられる押縁部材を、連結部材と干渉することなく円滑に取付けることができる。
【0016】
そして、本発明に係る障子によれば、框体は押縁部材を保持する内周側部分に室内側に張り出した張出部を有し、室内側部品は張出部の側面を覆うことにより、部品の框材に対する接合面積を大きくし、連結強度をより大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態における障子が用いられるサッシの縦断面図である。
【図2】サッシの横断面図である。
【図3】内障子の室内側から見た斜視図である。
【図4】内障子の室外側から見た斜視図である。
【図5】連結部材を取り外した内障子の室内側から見た分解斜視図である。
【図6】下框と召合わせ框の連結部分を室内側から見た拡大分解斜視図である。
【図7】下框と召合わせ框の連結部分を室外側から見た拡大分解斜視図である。
【図8】上框と縦框の連結部分を室内側から見た拡大分解斜視図である。
【図9】上框と縦框の連結部分を室外側から見た拡大分解斜視図である。
【図10】上框と召合わせ框の連結部分を室外側から見た拡大斜視図である。
【図11】気密材を取り外した内障子の召合わせ框付近拡大斜視図である。
【図12】外障子の室外側から見た斜視図である。
【図13】外障子の室内側から見た斜視図である。
【図14】下框と縦框との連結部分付近を室外側から見た拡大斜視図である。
【図15】外障子の上框と召合わせ框との連結部分付近の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1には本実施形態における障子が用いられるサッシの縦断面図を、図2にはサッシの横断面図を、それぞれ示している。これら各図に示すように、サッシは、建物開口部に取付けられる枠体1内に内障子2と外障子3が引き違い状かつ開閉自在に納められ構成されている。
【0019】
枠体1は、上枠10と下枠11及び左右の縦枠12、12を方形状に枠組みして構成されている。また、内障子2は、方形状に框組みされた内框体2aにパネル体であるガラス体2bを納めて構成され、外障子3は、方形状に框組みされた外框体3aにパネル体であるガラス体3bを納めて構成されている。
【0020】
枠体1を構成する下枠11には、上面に内レール11aと外レール11bとがそれぞれ形成されている。内障子2の下辺には、内レール11aに案内される戸車2cが設けられ、また外障子3の下辺には、外レール11bに案内される戸車3cが設けられる。これにより、内障子2と外障子3は、それぞれ枠体1の左右方向に走行自在とされる。
【0021】
内障子2の内框体2aは、戸車2cが設けられる位置より上方の部分が、室内側に張り出す張出部25とされ、外障子3も、戸車3cが設けられる位置より上方部分が、室外側に張り出す張出部25とされている。これにより、内障子2と外障子3で複層ガラスからなるガラス体2b、3bを飲み込む寸法を確保するようにしている。
【0022】
内框体2aと外框体3aは、いずれも上框20と下框21、枠側の縦辺を構成する縦框22及び召合わせ側の縦辺を構成する召合わせ框23を方形状に框組みして構成されている。上框20と下框21、縦框22及び召合わせ框23は、いずれも室外面が内周側に延出された室外保持部27を有し、この室外保持部27によりガラス体2b、3bの室外面が保持される。上框20と下框21、縦框22及び召合わせ框23の室内面には、内周端部に押縁部材26が取付けられる。この押縁部材26により、ガラス体2b、3bの室内面が保持される。
【0023】
図2に示すように、内框体2aの召合わせ框23と外框体3aの召合わせ框23には、互いに対向する面にそれぞれ煙返し部23b、23bが形成されていて、これらは内障子2と外障子3を閉じた状態で互いに噛み合い、内障子2と外障子3の召合わせ部分における気密性確保に寄与している。また、内框体2aの召合わせ框23には、煙返し部23bの外周側に、凹状の縦溝部23aが長手方向に沿って形成されている。この縦溝部23aには気密材28が取付けられ、これも内障子2と外障子3の間の気密性確保のために設けられる。
【0024】
図3には内障子2の室内側から見た斜視図を、図4には内障子2の室外側から見た斜視図を、それぞれ示している。これら各図に示すように、内框体2aは、横材となる上框20及び下框21と、縦材となる縦框22及び召合わせ框23を、4つのコーナー部でそれぞれ連結部材30、40により連結して組まれている。連結部材30は、下框21の両端部でそれぞれ縦框22及び召合わせ框23の下端部と連結し、連結部材40は、上框20の両端部でそれぞれ縦框22及び召合わせ框23の上端部と連結している。
【0025】
連結部材30は、連結される下框21と縦框22または召合わせ框23の室内側にそれぞれ接着して固定される室内側部品31と、連結される下框21と縦框22または召合わせ框23の室外側にそれぞれ接着して固定される室外側部品32との二部材で構成され、これら室内側部品31と室外側部品32も、接着により互いに接合されている。
【0026】
連結部材40も、連結される上框20と縦框22または召合わせ框23の室内側にそれぞれ接着して固定される室内側部品41と、連結される下框21と縦框22または召合わせ框23の室外側にそれぞれ接着して固定される室外側部品42とのに部材で構成され、これら室内側部品41と室外側部品42も、接着により互いに接合されている。
【0027】
図5には、連結部材30、40を取り外した内障子2の室内側から見た分解斜視図を示している。この図に示すように、下框21と縦框22または召合わせ框23との連結部分及び上框20と縦框22または召合わせ框23との連結部分は、コーナー部分が空いた状態となっており、この空間部分を埋めるようにそれぞれ連結部材30、40が設けられる。
【0028】
図6には下框21と召合わせ框23の連結部分を室内側から見た拡大分解斜視図を、図7には下框21と召合わせ框23の連結部分を室外側から見た拡大分解斜視図を、それぞれ示している。これらの図に示すように、下側の連結部材30を構成する室内側部品31は、下框21と召合わせ框23の連結部分となる内框体2aのコーナー部を構成する角構成部31aと、下框21の端部室内面に当接して接着固定される横材接着部31bと、召合わせ框23の端部室内面に当接して接着固定される縦材接着部31cとを有して構成されている。
【0029】
連結部材30を構成する室外側部品32は、下框21と召合わせ框23の連結部分となる内框体2aのコーナー部を構成する角構成部32aと、下框21の端部室外面に当接して接着固定される横材接着部32bと、召合わせ框23の端部室外面に当接して接着固定される縦材接着部32cとを有して構成されている。また、室外側部品32には、室内面側に下枠11の内レール11aを跨いでこれに案内されるガイド部32eが形成されている。
【0030】
室内側部品31と室外側部品32は、互いに対向する接合面を突き合わせ、接着により接合され、一体化される。図7に示されているように、室内側部品31は、角構成部31aの室外面が平面状の接合面31dとなっている。一方、図6に示されているように、室外側部品32は、ガイド部32eの室内面が接合面32dとなっており、対向する室内側部品31の下部に当接し接着接合される。また、ガイド部32eと隣接する角構成部32aの室内面は、室内側部品31の接合面31dと対向する対向面32fであって、この対向面32fと室内側部品31の接合面31dとが接着接合される。
【0031】
室内側部品31と室外側部品32の横材接着部31b、32bは、それぞれ下框21の室内面と室外面に当接して接着固定され、室内側部品31と室外側部品32の縦材接着部31c、32cは、それぞれ召合わせ框23の室内面と室外面に当接して接着固定され、前述のように、室内側部品31と室外側部品32は互いに接合され、これらによって、連結部材30による下框21と召合わせ框23との連結構造を構成している。
【0032】
このように、接着接合される室内側部品31と室外側部品32からなる連結部材30において、ガイド部32eが一方の部品に一体形成されているので、内障子2が走行する際におけるガイド部32eへの荷重に対する強度を大きくすることができる。特に、下框21と縦框22または召合わせ框23との連結部分は、障子の重量を支えるため、大きな荷重がかかりやすく、この位置に設けられる連結部材30につき、かかる構造を採用したことで、荷重に対する強度を十分に確保することができる。なお、本実施形態ではガイド部32eが室外側部品32に形成されているが、室内側部品31に形成されていてもよい。
【0033】
図7に示すように、室外側部品32には、縦溝部23aと略同断面形状の溝構成部32gを有し、これによって縦溝部23aを延長する。これにより、気密材28を内框体2aの下端まで設けることができ、サッシにおける気密ラインを連続状とすることができる。また、室外側部品32には、召合わせ框23の煙返し部23bを延長する煙返し延長部32hも形成され、煙返し部23bを内框体2aの下端まで延長する。
【0034】
室内側部品31は、内框体2aの室内側に張り出す張出部25の側面を覆う側面被覆部31eを有している。一方で、張出部25の室内端部に設けられる押縁部材26に係らないようにして、これと干渉しないような形状を有している。このため、図3に示すように、押縁部材26は、端部を含む長手方向全長が室内側に露出している。障子の組立においては、框体を連結部材で框組みした後、ガラス体を設けて押縁部材26で固定する。連結部材30が押縁部材26と干渉しないような形状とされていることにより、押縁部材26によるガラス体2bの室内面の固定を、円滑に行うことができる。
【0035】
図8には上框20と縦框22の連結部分を室内側から見た拡大分解斜視図を、図9には上框20と縦框22の連結部分を室外側から見た拡大分解斜視図を、それぞれ示している。これらの図に示すように、上側の連結部材40を構成する室内側部品41は、上框20と縦框22の連結部分となる内框体2aのコーナー部を構成する角構成部41aと、上框20の端部室内面に当接して接着固定される横材接着部41bと、縦框22の端部室内面に当接して接着固定される縦材接着部41cとを有して構成されている。室内側部品41の室外側部品42と対向する室外面には、室外側に突出する突出部41dが形成され、その先端面は室外側部品42に当接して接着接合される接合面41eとなっている。
【0036】
連結部材40を構成する室外側部品42は、上框20と縦框22の連結部分となる内框体2aのコーナー部を構成する角構成部42aと、上框20の端部室外面に当接して接着固定される横材接着部42bと、縦框22の端部室外面に当接して接着固定される縦材接着部42cとを有して構成されている。室外側部品42の室内側部品41と対向する室内面には、室内側に突出する突出部42dが形成され、その先端面は室内側部品41に当接して接着接合される接合面42eとなっている。
【0037】
室内側部品41の接合面41eと室外側部品42の接合面42eは、室内側部品41と室外側部品42を対向させた状態で異なる位置となるように配置されており、室内側部品41の接合面41eは室外側部品42の対向する部分に当接し接着され、室外側部品42の接合面42eは室内側部品41の対向する部分に当接し接着され、これによって両者は一体化されて連結部材40を構成する。
【0038】
室内側部品41と室外側部品42の横材接着部41b、42bは、それぞれ上框20の室内面と室外面に当接して接着固定され、室内側部品41と室外側部品42の縦材接着部41c、42cは、それぞれ縦框22の室内面と室外面に当接して接着固定され、前述のように、室内側部品41と室外側部品42は互いに接合され、これらによって、連結部材40による上框20と縦框22との連結構造を構成している。
【0039】
上側の連結部材40においても、内框体2aの室内側に張り出す張出部25の側面を覆う側面被覆部41eを有している。一方で、張出部25の室内端部に設けられる押縁部材26については、これと干渉しないような形状を有している。このため、図3に示すように、押縁部材26は、端部を含む長手方向全長が室内側に露出している。このように、連結部材30は押縁部材26と干渉しないような形状とされているので、押縁部材26によるガラス体2bの室内面の固定を、円滑に行うことができる。
【0040】
図10には、上框20と召合わせ框23の連結部分を室外側から見た拡大斜視図を示している。この図に示すように、召合わせ框23側の連結部材40には、室外側部品42に召合わせ框23の縦溝部23aと連続する溝構成部42gが形成されていて、縦溝部23aを延長している。これにより、気密材28を内框体2aの上端まで設けることができ、サッシにおける気密ラインを連続状とすることができる。また、室外側部品42には、煙返し部23bを延長する煙返し延長部42hも形成されている。
【0041】
図11には、気密材28を取り外した状態における内障子2の召合わせ框23付近拡大図を示している。この図に示すように、上框20と召合わせ框23の連結部分においては、室外側部品42の溝構成部42gと召合わせ框23の縦溝部23aとが連続状となっている。また、下框21と召合わせ框23の連結部分においては、室外側部品32の溝構成部32gと召合わせ框23の縦溝部23aとが連続状となっている。このように、室外側部品32、42の溝構成部32g、42gにより、召合わせ框23の上端部から下端部に渡って、縦溝部23aが連続状となっているので、気密材28を連続的に保持して、気密ラインの連続性を確保することができる。
【0042】
外障子3の連結部材についても説明する。図12には外障子3の室外側から見た斜視図を、図13には外障子3の室内側から見た斜視図を、それぞれ示している。これらの図に示すように、外障子3の外框体3aにおいても、四隅のコーナー部分を連結部材50、60により構成しており、下框21と縦框22または召合わせ框23とを連結する連結部材50は、室内側部品51と室外側部品52とを接着接合してなり、上框20と縦框22または召合わせ框23とを連結する連結部材60は、室内側部品61と室外側部品62とを接着接合してなる。
【0043】
外障子3の外框体3aは、室内側が略面一状で、室外側に張出部25が形成されている。このため、連結部材50を構成する室内側部品51は、内障子2の連結部材30を構成する室外側部品32に、連結部材50を構成する室外側部品52は、内障子2の連結部材30を構成する室内側部品31に、それぞれ近い形状を有してなる。また、連結部材60を構成する室内側部品61は、内障子2の連結部材40を構成する室外側部品42に、連結部材60を構成する室外側部品62は、内障子2の連結部材40を構成する室内側部品41に、それぞれ近い形状を有してなる。
【0044】
図14には、下框21と縦框22との連結部分付近を室外側から見た拡大斜視図を示している。連結部材50において、室内側部品51にはガイド部51eが一体的に形成されており、下枠11の外レール11bを跨いでこれに案内されるようになっている。また、室外側部品42には、外框体3aの張出部25端部を被覆して接着される張出被覆部52dが形成されている。
【0045】
図15には、外障子3の上框20と召合わせ框23との連結部分付近の斜視図を示している。この図に示すように、召合わせ框23側に設けられる連結部材60を構成する室内側部品61には、召合わせ框23の煙返し部23bを延長する煙返し延長部61fが形成されている。また、室内側部品61の縦材接着部61cは、煙返し部23bに隣接して下方まで延びており、室内側部品61と召合わせ框23との接合面積ができるだけ大きくなるようにしている。
【0046】
以上のように、内障子2を構成する内框体2aと外障子3を構成する外框体3aについて、横材となる上框20及び下框21と、縦材となる縦框22及び召合わせ框23とを、各框材に接着される連結部材30、40、50、60により連結するようにしたので、框材の連結のためのビス孔を框材の長手方向に沿って設ける必要がなく、その分の材料を不要とできるので、軽量化及びコストダウンを図ることができる。また、連結する横材と縦材の端部に、連結のための加工を施す必要がなく、単に垂直に切断するだけでよいので、工数を削減しコストダウンを図ることができる。
【0047】
さらに、連結部材30、40、50、60を室内側部品31、41、51、61と室外側部品32、42、52、62で構成し、それぞれ框材の室内外面に接着固定すると共に、室内側部品31、41、51、61と室外側部品32、42、52、62は互いに接着接合されるので、連結部材30、40、50、60と各框材の連結を容易になすことができる。ただし、室内側部品31、41、51、61と室外側部品32、42、52、62の接合に際しては、嵌合構造を採用してもよいし、または嵌合及び接着により接合するようにしてもよい。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。
【符号の説明】
【0049】
1 枠体
2 内障子
2a 内框体
3 外障子
3a 外框体
10 上枠
11 下枠
11a 内レール
11b 外レール
12 縦枠
20 上框
21 下框
22 縦框
23 召合わせ框
26 押縁部材
30 連結部材
31 室内側部品
31d 接合面
32 室外側部品
32d 接合面
32e ガイド部
32f 対向面
40 連結部材
41 室内側部品
41e 接合面
42 室外側部品
42e 接合面
50 連結部材
51 室内側部品
52 室外側部品
60 連結部材
61 室内側部品
62 室外側部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下の横材と左右の縦材とを方形状に組んでなる框体内にパネル体を納めてなり、建物開口部に設置される枠体内に納められる障子において、
前記横材と縦材は、該横材と縦材に対して接着固定される連結部材によりコーナー部で連結され、
前記連結部材は、連結される前記横材と縦材の室内側にそれぞれ接着固定される室内側部品と、連結される前記横材と縦材の室外側にそれぞれ接着固定される室外側部品とからなり、
前記室内側部品と室外側部品のいずれか一方の部品には、前記枠体に形成されるレールを跨いで案内されるガイド部が形成され、該ガイド部の他方の部品と対向する側の面は、他方の部品との接合面であることを特徴とする障子。
【請求項2】
前記室内側部品と室外側部品は、接着により互いに接合されることを特徴とする請求項1記載の障子。
【請求項3】
前記室内側部品と室外側部品のうち前記ガイド部を有する一方の部品は、前記ガイド部に隣接して他方の部品と対向する対向面を備え、該対向面も他方の部品と接合されることを特徴とする請求項1または2記載の障子。
【請求項4】
前記框体のうち少なくとも三辺の横材と縦材には、室内面の内周側に前記パネル体を押圧する押縁部材が取付けられ、連結される前記横材と縦材の押縁部材は、一方の端面が他方の側面に突き当てられ、前記室内側部品は前記押縁部材に係らないように形成されて、前記押縁部材は端部を含む全長に渡って室内側に露出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の障子。
【請求項5】
前記框体は前記押縁部材を保持する内周側部分に室内側に張り出した張出部を有し、前記室内側部品は前記張出部の側面を覆うことを特徴とする請求項4記載の障子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−62666(P2012−62666A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206808(P2010−206808)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】