説明

集合ホッパ及びそれを用いた組合せ秤

【課題】 内側シュート及び2つの外側シュートから排出される被計量物を一時保持することができ、かつ取外し及び取付け作業を容易に行うことができる集合ホッパ及びそれを用いた組合せ秤を提供する。
【解決手段】 計量ホッパ4から内側方向へ排出される被計量物を集合させて排出させる内側シュート6aと、外側方向へ排出される被計量物を集合させて排出させる2つの外側シュート6b、6cと、内側収納室7a及び2つの外側収納室7b、7cと第1及び第2ゲート71、72とを有する集合ホッパ7とを備え、第1ゲート71は、第1の外側収納室7bの排出口を開閉するためのゲートと内側収納室7aの排出口の第1の外側収納室寄りの半分部分を開閉するためのゲートとを兼ね、第2ゲート72は、第2の外側収納室7cの排出口を開閉するためのゲートと内側収納室7aの排出口の第2の外側収納室寄りの半分部分を開閉するためのゲートとを兼ねている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量した被計量物を包装機等へ投入する組合せ秤の集合ホッパ及びそれを用いた組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
組合せ秤で計量されて所定重量とされた洗剤や菓子類等の被計量物は、包装機によって袋詰めされるのが一般的である。このような被計量物の計量を行う組合せ秤として、例えば図7に示す構成のものがある(特許文献1参照)。
【0003】
図7に示す組合せ秤は、制御部25によって組合せ秤全体の動作が制御されるとともに組合せ演算が行われる。この組合せ秤は、装置中央に配設されたセンター基体(ボディ)5の上部に、外部から供給される被計量物を振動によって放射状に分散させる円錐形の分散フィーダ1が設けられている。分散フィーダ1の周囲には、被計量物を振動によって各供給ホッパ3に送りこむためのリニアフィーダ2が設けられている。リニアフィーダ2の下方には、複数の供給ホッパ3、計量ホッパ4がそれぞれ対応して設けられ、円状に配置されている。供給ホッパ3は、その下方に配置された計量ホッパ4が空になると計量ホッパ4へ被計量物を排出する。計量ホッパ4にはロードセル等の重量センサ4sが取り付けられており、この重量センサ4sにより計量ホッパ4内の被計量物の重量が計測される。制御部25による組合せ演算により複数の計量ホッパ4の中から排出すべきホッパの組合せが求められ、その組合せに選択されている計量ホッパ4から被計量物が集合シュート上へ排出される。
【0004】
この集合シュートとして、内側シュート6A及び2つの外側シュート6B、6Cが配設され、各計量ホッパ4は、その下方の内側シュート6Aと外側シュート6B、6Cとへ選択的に被計量物を排出可能なように構成されている。また、内側シュート6A及び外側シュート6B、6Cの各排出口には被計量物を一時保持して排出する集合ホッパ7A、7B、7Cが配設されている。さらに、集合ホッパ7A、7B、7Cの下方に、各集合ホッパ7A、7B、7Cから排出される被計量物を包装機の1つの投入口へ投入するための1つの下部シュート8が配設されている。
【0005】
この組合せ秤では、排出すべき組合せに順次選択された計量ホッパ4から内側シュート6Aと外側シュート6B、6Cとへ交互に被計量物を排出するとともに、集合ホッパ7Aと集合ホッパ7B、7Cとから交互に被計量物を下部シュート8へ排出するように構成されている。
【特許文献1】特開2007−183237号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の構成によれば、内側シュート6A及び外側シュート6B、6Cの各集合シュートに対応して個別に集合ホッパ7A,7B,7Cが配設されている。これらの集合ホッパ7A,7B,7Cは、例えばねじ止め等によって所定の部材に固定されており、洗浄や点検等を行う際には取り外す必要がある。特に被計量物が菓子等の食品の場合には、頻繁に集合ホッパの洗浄を行う必要があり、集合ホッパの取外し及び取付け作業を頻繁に行う必要があるが、3個別々に取外し及び取付け作業を行うのは非常に煩雑であり、作業時間も長くかかる。
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、内側シュート及び2つの外側シュートの各集合シュートから排出される被計量物を一時保持することができ、かつ取外し及び取付け作業を容易に行うことができる集合ホッパ及びそれを用いた組合せ秤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の集合ホッパは、上部と下部に開口を有し上部の開口が被計量物の受入口となり下部の開口が被計量物の排出口となる筒状の内側収納室と、この内側収納室を両側から挟むように配置され、上部と下部に開口を有し上部の開口が被計量物の受入口となり下部の開口が被計量物の排出口となる筒状の第1及び第2の外側収納室とを構成するホッパ本体と、前記第1の外側収納室の排出口を開閉するためのゲートと前記内側収納室の排出口の前記第1の外側収納室寄りの半分部分を開閉するためのゲートとを兼ね、前記第1の外側収納室の排出口を閉じたときには前記内側収納室の排出口の前記第1の外側収納室寄りの半分部分が開かれ、前記内側収納室の排出口の前記第1の外側収納室寄りの半分部分を閉じたときには前記第1の外側収納室の排出口が開かれるように構成された第1ゲートと、前記第2の外側収納室の排出口を開閉するためのゲートと前記内側収納室の排出口の前記第2の外側収納室寄りの半分部分を開閉するためのゲートとを兼ね、前記第2の外側収納室の排出口を閉じたときには前記内側収納室の排出口の前記第2の外側収納室寄りの半分部分が開かれ、前記内側収納室の排出口の前記第2の外側収納室寄りの半分部分を閉じたときには前記第2の外側収納室の排出口が開かれるように構成された第2ゲートとを有し、前記第1ゲートにより前記内側収納室の排出口の前記第1の外側収納室寄りの半分部分が閉じられるとともに前記第2ゲートにより前記内側収納室の排出口の前記第2の外側収納室寄りの半分部分が閉じられたときに前記内側収納室の排出口の全部が閉じられるように構成されている。
【0009】
この構成によれば、内側収納室と第1及び第2の外側収納室との3つの収納室を有しており、内側シュートと第1及び第2の外側シュートとを有し、内側シュートの排出口と第1及び第2のいずれかの外側シュートの排出口とから同時に被計量物がされることがない組合せ秤に用いられ、内側シュートから排出される被計量物を内側収納室にて一時保持して排出し、第1の外側シュートから排出される被計量物を第1の外側収納室一時保持して排出し、第2の外側シュートから排出される被計量物を第2の外側収納室にて一時保持して排出することができる。この集合ホッパを用いた組合せ秤では、従来の3つの集合ホッパに代えて1つの集合ホッパを用いればよいため、集合ホッパの取外し及び取付け作業を容易に行うことができ、作業時間の短縮を図ることができる。また、3つの収納室の排出口の開閉を第1及び第2の2つのゲートにより行うようにしているため、単に3つの集合ホッパを合体した場合と比較して、ゲートの数が少なく、構造が簡単になるとともに、集合ホッパの軽量化を図ることができる。
【0010】
また、前記第1の外側収納室及び前記第2の外側収納室の各々は、各々から排出される被計量物が前記内側収納室寄りへ排出されるように構成されていてもよい。
【0011】
この構成によれば、第1及び第2の外側収納室から排出される被計量物の落下点を内側収納室からその直下へ排出される被計量物の落下点に近づけることができる。
【0012】
また、前記第1ゲートが前記内側収納室の排出口の前記第1の外側収納室寄りの半分部分を閉じると同時に前記第2ゲートが前記内側収納室の排出口の前記第2の外側収納室寄りの半分部分を閉じ、前記第1ゲートが前記第1の外側収納室の排出口を閉じると同時に前記第2ゲートが前記第2の外側収納室の排出口を閉じるように、前記第1ゲートと前記第2ゲートとの互いの動作が連動して行われるための連動機構部を有していてもよい。
【0013】
この構成によれば、内側シュートと第1及び第2の外側シュートとから交互に被計量物が排出され、それに対応して内側収納室と第1及び第2の外側収納室とに被計量物を交互に貯留し、内側収納室と第1及び第2の外側収納室とから交互に排出する場合に、第1及び第2ゲートの動作が連動して行われるのでその制御が簡単になる。
【0014】
また、本発明の組合せ秤は、環状に列設され、それぞれ供給される被計量物を、前記環状の内側方向と外側方向の2方向へ被計量物を選択的に排出可能なように構成された複数の組合せ用ホッパと、前記組合せ用ホッパの下方に配設され、前記組合せ用ホッパから内側方向へ排出される被計量物を集合させて下部の排出口から排出させる内側シュートと、前記内側シュートの周りを囲むように並んで配設され、前記組合せ用ホッパから外側方向へ排出される被計量物を集合させて下部の排出口から排出させる第1及び第2の外側シュートと、上記本発明の集合ホッパとを備え、前記集合ホッパの内側収納室が前記内側シュートの排出口から排出される被計量物を受け入れ、前記集合ホッパの第1の外側収納室が前記第1の外側シュートの排出口から排出される被計量物を受け入れ、前記集合ホッパの第2の外側収納室が前記第2の外側シュートの排出口から排出される被計量物を受け入れるように構成されている。
【0015】
この構成によれば、内側シュート及び第1及び第2の外側シュートの3つの集合シュートのうち、内側シュートを含む2つ以上の集合シュートに同時に被計量物が排出されない場合に、1つの集合ホッパを用いて内側シュート及び第1及び第2の2つの外側シュートの各集合シュートから排出される被計量物を一時保持して排出することができる。従来の3つの集合ホッパに代えて1つの集合ホッパを用いればよいため、集合ホッパの取外し及び取付け作業を容易に行うことができ、作業時間の短縮を図ることができる。また、3つの収納室の排出口の開閉を第1及び第2の2つのゲートにより行うようにしているため、単に3つの集合ホッパを合体した場合と比較して、ゲートの数が少なく、構造が簡単になるとともに、集合ホッパの軽量化を図ることができる。
【0016】
また、前記集合ホッパの前記第1の外側収納室及び前記第2の外側収納室の各々は、各々から排出される被計量物が前記内側収納室寄りへ排出されるように構成されていてもよい。
【0017】
この構成によれば、第1及び第2の外側収納室から排出される被計量物の落下点を内側収納室からその直下へ排出される被計量物の落下点に近づけることができる。
【0018】
また、供給されている被計量物の重量値の合計が所定重量範囲内の値になる前記組合せ用ホッパの組合せである排出組合せを求める組合せ処理を繰り返し行うとともに、繰り返し行う前記組合せ処理により順次求められる前記排出組合せを前記第1の排出組合せと前記第2の排出組合せとに交互に決定する組合せ演算手段と、前記組合せ演算手段により前記第1の排出組合せと前記第2の排出組合せとが交互に決定されることに応じて、前記第1の排出組合せの前記組合せ用ホッパに対して内側方向へ被計量物を排出させる第1の排出処理と、前記第2の排出組合せの前記組合せ用ホッパに対して外側方向へ被計量物を排出させる第2の排出処理とを交互に行うとともに、前記集合ホッパの第1ゲートに前記第1の外側収納室の排出口を閉じさせると同時に前記集合ホッパの第2ゲートに前記第2の外側収納室の排出口を閉じさせる第1の集合ホッパ制御処理と、前記第1ゲートに前記内側収納室の排出口の前記第1の外側収納室寄りの半分部分を閉じさせると同時に前記第2ゲートに前記内側収納室の排出口の前記第2の外側収納室寄りの半分部分を閉じさせる第2の集合ホッパ制御処理とを交互に行う制御手段とが設けられていてもよい。
【0019】
この構成によれば、内側シュートと第1及び第2の外側シュートとから交互に被計量物が排出され、それに対応して内側収納室と第1及び第2の外側収納室とに交互に被計量物を貯留させ、内側収納室と第1及び第2の外側収納室とから交互に被計量物が排出される。
【0020】
この場合、前記集合ホッパは、前記第1ゲートが前記内側収納室の排出口の前記第1の外側収納室寄りの半分部分を閉じると同時に前記第2ゲートが前記内側収納室の排出口の前記第2の外側収納室寄りの半分部分を閉じ、前記第1ゲートが前記第1の外側収納室の排出口を閉じると同時に前記第2ゲートが前記第2の外側収納室の排出口を閉じるように、前記第1ゲートと前記第2ゲートとの互いの動作が連動して行われるための連動機構部を有していてもよい。
【0021】
この構成によれば、集合ホッパの第1及び第2ゲートの動作が連動して行われるのでその制御が簡単になる。
【0022】
また、外側方向へ排出される被計量物が前記第1の外側シュート上へ排出される前記組合せ用ホッパの中から、供給されている被計量物の重量値の合計が所定重量範囲内の値になる前記組合せ用ホッパの組合せである第1の外側排出組合せを求める第1の組合せ処理と、外側方向へ排出される被計量物が前記第2の外側シュート上へ排出される前記組合せ用ホッパの中から、供給されている被計量物の重量値の合計が前記所定重量範囲内の値になる前記組合せ用ホッパの組合せである第2の外側排出組合せを求める第2の組合せ処理と、全ての前記組合せ用ホッパの中から、供給されている被計量物の重量値の合計が前記所定重量範囲内の値になる前記組合せ用ホッパの組合せである内側排出組合せを求める第3の組合せ処理とを順次繰り返し行う組合せ演算手段と、前記組合せ演算手段により前記第1の外側排出組合せと前記第2の外側排出組合せと前記内側排出組合せとが順次求められることに応じて、前記第1の外側排出組合せの前記組合せ用ホッパに対して外側方向へ被計量物を排出させる第1の排出処理と、前記第2の外側排出組合せの前記組合せ用ホッパに対して外側方向へ被計量物を排出させる第2の排出処理と、前記内側排出組合せの前記組合せ用ホッパに対して内側方向へ被計量物を排出させる第3の排出処理とを順次繰り返し行うとともに、前記集合ホッパの第1ゲートに前記第1の外側収納室の排出口を閉じさせると同時に前記集合ホッパの第2ゲートに前記第2の外側収納室の排出口を閉じさせる第1の集合ホッパ制御処理と、前記第1ゲートに前記内側収納室の排出口の前記第1の外側収納室寄りの半分部分を閉じさせる第2の集合ホッパ制御処理と、前記第2ゲートに前記内側収納室の排出口の前記第2の外側収納室寄りの半分部分を閉じさせる第3の集合ホッパ制御処理とを順次繰り返し行う制御手段とが設けられていてもよい。
【0023】
この構成によれば、第1の排出処理により第1の外側シュート上へ被計量物が排出され、第2の排出処理により第2の外側シュート上へ被計量物が排出され、第3の排出処理により内側シュート上へ被計量物が排出される。また、第1の集合ホッパ制御処理が行われたとき、内側収納室に被計量物が貯留されていれば内側収納室から被計量物が排出され、その状態で、第1の外側収納室に被計量物が貯留される。次に第2の集合ホッパ制御処理が行われたとき、第1の外側収納室の被計量物が排出され、その状態で、第2の外側収納室に被計量物が貯留される。次に第3の集合ホッパ制御処理が行われたとき、第2の外側収納室の被計量物が排出され、その状態で、内側収納室に被計量物が貯留される。これらの処理が繰り返されることにより、第1の外側シュートと第2の外側シュートと内側シュートとの3つの集合シュートから順次被計量物が排出され、それに対応して第1の外側シュートと第2の外側収納室と内側収納室との3つの収納室に順次被計量物を貯留させ、これら3つの収納室から順次被計量物が排出される。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、以上に説明した構成を有し、内側シュート及び2つの外側シュートの各集合シュートから排出される被計量物を一時保持することができ、かつ取外し及び取付け作業を容易に行うことができる集合ホッパ及びそれを用いた組合せ秤を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の実施の形態1の組合せ秤を側方から視た一部断面の概略模式図であり、図1(b)は、同組合せ秤の集合シュート(内側シュート及び2つの外側シュート)及び計量ホッパを上方から視た概略模式図である。
【0027】
この組合せ秤は、図1(a)に示すように、装置中央にセンター基体(ボディ)5が、例えば4本の脚(図示せず)によって支持されて配置され、その上部に、外部の供給装置から供給される被計量物を振動によって放射状に分散させる円錐形の分散フィーダ1が設けられている。分散フィーダ1の周囲には、分散フィーダ1から送られてきた被計量物を振動によって各供給ホッパ3に送りこむための複数のリニアフィーダ2が設けられている。各リニアフィーダ2の下方には、供給ホッパ3、計量ホッパ4がそれぞれ対応して設けられ、複数の供給ホッパ3及び計量ホッパ4はそれぞれセンター基体5の周囲に円状に配置されている。分散フィーダ1、リニアフィーダ2、供給ホッパ3及び計量ホッパ4は、センター基体5に取り付けられ、センター基体5内にそれらの駆動ユニット(分散フィーダ1及びリニアフィーダ2の振動装置や、供給ホッパ3及び計量ホッパ4のゲート開閉装置等)が収納されている。また、各計量ホッパ4には、計量ホッパ4内の被計量物の重量を計測するロードセル等の重量センサ4sが取り付けられ、重量センサ4sもセンター基体5内に駆動ユニットとともに収納されている。各重量センサ4sによる計測値は制御部20へ出力される。
【0028】
円状に列設された計量ホッパ4の下方には、略逆円錐台形状の内側シュート6aが配設されるとともに、内側シュート6aの周囲に上部開口が同心円状で、かつ2分割された外側シュート6b、6cが配設されている。したがって、2つの外側シュート6b、6cが、内側シュート6aの上部の開口部の周りを囲むように並んで配設されている。
【0029】
各計量ホッパ4は、その下方の内側シュート6aと外側シュート6bまたは6cとへ選択的に被計量物を排出可能なようにゲートが設けられた構成である。図1(a)中の円21内に、計量ホッパ4の実物に近い形状とゲートを模式的に示す。各計量ホッパ4には、内側シュート6aへ被計量物を排出するためのゲート(以下、「内側ゲート」という)22と、外側シュート6bまたは6cへ被計量物を排出するためのゲート(以下、「外側ゲート」という)23とが設けられている。したがって、図1(b)に示された計量ホッパ4の一方の片側の底面部分が内側ゲート22に相当し、他方の片側の底面部分が外側ゲート23に相当する。
【0030】
ここで、外側シュート6bの上方に配置された計量ホッパ4のグループBは、外側シュート6bに対応するグループであり、このグループBの計量ホッパ4は、内側シュート6aと外側シュート6bとへ選択的に被計量物を排出可能である。同様に、外側シュート6cの上方に配置された計量ホッパ4のグループCは、外側シュート6cに対応するグループであり、このグループCの計量ホッパ4は、内側シュート6aと外側シュート6cとへ選択的に被計量物を排出可能である。
【0031】
シュート6a、6b、6cの下部排出口6ae、6be、6ceの下方に集合ホッパ7が配設されている。この集合ホッパ7は、仕切り板31、32によって3つの収納室7a、7b、7cに分割され、内側シュート6aの排出口6aeから排出される被計量物は内側収納室7aへ投入され、外側シュート6bの排出口6beから排出される被計量物は外側収納室7bへ投入され、外側シュート6cの排出口6ceから排出される被計量物は外側収納室7cへ投入される。内側収納室7aを両側から挟むように外側収納室7bと外側収納室7cとが内側収納室7aに隣接して配置されている。そのため、内側シュート6aの排出口6aeを両側から挟むように外側シュート6bの排出口6beと外側シュート6cの排出口6ceとが内側シュート6aの排出口6aeに隣接して配置されている。
【0032】
また、集合ホッパ7の下方には下部シュート8が配設されている。下部シュート8は、全ての収納室7a、7b、7cから排出される被計量物を移送して下部の排出口8aから排出させる。
【0033】
この組合せ秤の下部シュート8の下方には、図示されない投入口が1つである1台の包装機(例えば縦型ピロー包装機)が配置されており、下部シュート8の排出口8aから排出される被計量物は、包装機の投入口へ投入される。包装機では、例えば、袋を製造しながら、この袋に組合せ秤から排出されてきた被計量物を充填して包装する。このように本実施の形態では、3つの収納室7a、7b、7cから排出される被計量物を同一の包装機投入口へ投入するように構成されている。
【0034】
制御部20は、制御手段および組合せ演算手段を含み、組合せ秤全体の動作を制御するとともに、被計量物を排出すべき計量ホッパ4の組合せ(排出組合せ)を求める組合せ処理を行う。組合せ処理では、計量ホッパ4の計量値(重量センサ4sによる計量ホッパ4内の被計量物の重量の計測値)に基づいて組合せ演算を行い、計量値の合計である組合せ重量値が目標重量値に対する許容範囲(所定重量範囲)内の値になる計量ホッパ4の組合せを1つ求めて排出組合せに決定する。目標重量値に対する許容範囲内(所定重量範囲内)の値になる組合せが複数存在する場合には、例えば計量値の合計が目標重量値に最も近い組合せ(目標重量値と一致する組合せがあればその組合せ)、すなわち計量値の合計と目標重量値との差の絶対値が最小である組合せを排出組合せに決定する。なお、組合せ秤では、目標重量値及びその目標重量値に対する許容範囲が予め定められている。許容範囲は、例えば、目標重量値を下限値とし、目標重量値より大きい値を上限値として定められている。また、許容範囲は、目標重量値より小さい値を下限値とし、上限値を定めない場合もある(この場合、上限値は無限大と考えればよい)。
【0035】
次に、図2(a)〜(c)及び図3(a)〜(c)を参照しながら、集合ホッパ7の構成について詳しく説明する。図2(a)は、集合ホッパ7の正面図であり、図2(b)、(c)は、それぞれ集合ホッパ7の背面図である。図3(a)は、集合ホッパ7の右側面図であり、図3(b)は、集合ホッパ7が取付けられる部材を示す図であり、図3(c)は、集合ホッパ7の取付け構造を示す平面図である。
【0036】
集合ホッパ7は、収納室7a〜7cを構成するための外壁部30及び仕切り板31,32を有する。外壁部30及び仕切り板31,32によってホッパ本体が構成される。外壁部30の上部部分は、平面形状が長方形である筒部30aによって構成され、3つの収納室7a〜7cを形成するために、同上部部分が仕切り板31,32によって3つの領域に分離されている。また、外壁部30の下部部分として、各収納室7a〜7cに対応して、正面側において筒部30aと連続して形成された三角形状の垂下部30b、30c、30dと、背面側において筒部30aと連続して形成された三角形状の垂下部30e、30f、30gと、右側側壁として仕切り板31が設けられた外側収納室7bの左側下部側壁部30hと、左側側壁として仕切り板32が設けられた外側収納室7cの右側下部側壁部30iとが形成されている。ここで、左側、右側とは、図2(a)のように正面から見て左側、右側にあることを言う。
【0037】
そして、筒部30aにはその下部の周囲を囲む枠体33が固定されており、枠体33の左側と右側にはそれぞれ2つずつの被嵌合部34が突出して設けられている。また、図3(c)に示すように、2つの集合ホッパ取付け部36が取付け固定部35に固着されている。両側の被嵌合部34が各集合ホッパ取付け部36に設けられた嵌合部36aに嵌合し、集合ホッパ7が取付け支持される。図3(a)では、集合ホッパ取付け部36を図示していない。
【0038】
また、枠体34には、仕切り板31の直下の両側部分に、ゲート取付け軸37、37が外方へ突出して設けられ、ゲート取付け軸37、37に第1ゲート71が回動可能に取り付けられている。同様に、仕切り板32の直下の両側部分に、ゲート取付け軸38、38が外方へ突出して設けられ、ゲート取付け軸38、38に第2ゲート72が回動可能に取り付けられている。
【0039】
図2(b)、(c)に示すように、内側収納室7aを構成する背面側の垂下部30eに固定された軸41に、被駆動板42が回動自在に取り付けられている。被駆動板42と第1ゲート71とが連結部43によって連結され、連結部43の一端部が被駆動板42に設けられている軸42aに回動自在に取り付けられ、連結部43の他端部が第1ゲート71に設けられている軸71aに回動自在に取り付けられている。また、被駆動板42と第2ゲート72とが連結部44によって連結され、連結部44の一端部が被駆動板42に設けられている軸42bに回動自在に取り付けられ、連結部44の他端部が第2ゲート72に設けられている軸72aに回動自在に取り付けられている。これらによって、第1ゲート71と第2ゲート72とが連動して動作するための連動機構部40(図3(a))が構成されている。なお、図3(a)では、図面を簡素化し、連動機構部40のうち、軸41、連結部43と被駆動板42との連結部分、連結部43と第1ゲート71との連結部分、連結部44と被駆動板42との連結部分、連結部44と第2ゲート72との連結部分等については図示していない。
【0040】
また、取付け固定部35の内側に、モータ軸51aの中心が軸41の中心と一致するようにステッピングモータ51が取り付けられている。モータ軸51aは取付け固定部35の外側へ突出され、その先端にアーム52の一端が固定されている。アーム52の他端には、短い軸53が固定され、その軸53に回転体54が回転自在に取り付けられている。回転体54は、被駆動板42に設けられた駆動レバー挿入部42cに挿入されている。アーム52、軸53及び回転体53によって駆動レバーが構成される。
【0041】
被駆動板42が図2(b)の状態のとき、ゲート71、72によって内側収納室7aの排出口が閉じられ、外側収納室7b、7cの排出口が開いた状態である。この図2(b)の状態から、ステッピングモータ51を駆動しモータ軸51aを所定角度回転させることにより、駆動レバー挿入部42cに挿入された回転体54がモータ軸51aを中心に回動する。これにより、被駆動板42が軸41を中心に矢印Sの方向に回動して図2(c)の状態となり、ゲート71、72によって外側収納室7b、7cの排出口が閉じられる。このとき、内側収納室7aの排出口が開く。また、この図2(c)の状態から、ステッピングモータ51を駆動しモータ軸51aを上記所定角度だけ逆に回転させることにより、駆動レバー挿入部42cに挿入された回転体54がモータ軸51aを中心に上記とは逆方向に回動する。これにより、被駆動板42が軸41を中心に矢印Sとは逆方向に回動して図2(b)の状態となる。以上のようにして、内側収納室7aと外側収納室7b、7cとから交互に被計量物を排出させることができる。
【0042】
以上のように、連動機構部40は、駆動レバーによってその位置が動かされる作動部となる駆動レバー挿入部42cを有し、駆動レバー挿入部42cは図2(b)に示された位置(第1の位置)と図2(c)に示された位置(第2の位置)とに交互に位置するように駆動レバーによって移動させられ、これによってゲート71、72による収納室7a、7b、7cの排出口の開閉が行われる。すなわち、駆動レバー挿入部42cが図2(b)に示された第1の位置にあるときにはゲート71、72によって内側収納室7aの排出口が閉じられ、図2(c)に示された第2の位置にあるときには、ゲート71、72によって外側収納室7b、7cの排出口が閉じられる。
【0043】
図2(a)において、左側にある外側収納室7bの下部には、左側下部側壁部30hが設けられているため、外側収納室7bから排出される被計量物は、内側寄りへ排出される。同様に、右側にある外側収納室7cの下部には、右側下部側壁部30hが設けられているため、外側収納室7cから排出される被計量物は、内側寄りへ排出される。これにより、外側収納室7b、7cから排出される被計量物の落下点を内側収納室7aからその直下へ排出される被計量物の落下点に近づけることができ、下部シュート8を小さくすることができる。
【0044】
以上のように構成された組合せ秤の動作について、まずその概略を説明する。
【0045】
外部の供給装置から分散フィーダ1へ供給された被計量物は、分散フィーダ1から各リニアフィーダ2を介し各供給ホッパ3へ供給され、各供給ホッパ3から各計量ホッパ4へ被計量物が投入される。各計量ホッパ4へ投入された被計量物の重量が各重量センサ4sで計測され、その計量値が制御部20へ送出される。そして、前述の組合せ処理が行われて排出組合せが求められる。そして、排出組合せに選択されている計量ホッパ4から被計量物が排出され、空になった計量ホッパ4へは供給ホッパ3から被計量物が投入される。また、空になった供給ホッパ3へはリニアフィーダ2から被計量物が供給される。
【0046】
本実施の形態では、制御手段20によって組合せ処理が順次行われて計量ホッパ4から被計量物が排出されるが、組合せ処理で求められる排出組合せごとに計量ホッパ4からの排出方向をその都度切り替える。すなわち、制御手段20は、順次求められる排出組合せを、被計量物を内側方向へ排出する第1の排出組合せと、被計量物を外側方向へ排出する第2の排出組合せとに交互に決定する。これにより、順次求められる排出組合せごとに計量ホッパ4から内側シュート6aと外側シュート6b、6cとへ交互に被計量物を排出させる。これに合わせて、内側収納室7aと外側収納室7b、7cとから交互に被計量物を排出させる。
【0047】
図4は、本実施の形態の組合せ秤の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0048】
1計量サイクル時間Twは、例えば、計量ホッパ4のゲートを開き始めてから、その計量ホッパ4の被計量物が排出された後、その計量ホッパ4に対して供給ホッパ3から被計量物が供給され、その計量ホッパ4に取り付けられている重量センサ4sの安定時間を経過して被計量物の重量が計測され、組合せ処理が完了するまでに要する時間である。
【0049】
図4では、Tw/2時間ごとに組合せ処理が行われる、いわゆるダブルシフト動作させる場合の例を示している。このダブルシフト動作させる場合には、例えば、グループB及びグループCの計量ホッパ4の個数を7個ずつにし、計量ホッパ4の全個数を14個とし、組合せ処理による予定選択個数(排出組合せに選択される計量ホッパ4の予定個数)を4個とすれば良好な組合せ計量精度が得られる。
【0050】
図4の例では、Tw/2時間ごとに組合せ処理が行われるとともに、その組合せ処理で選択された排出組合せの計量ホッパ4からの被計量物の排出が行われる。このダブルシフト動作における組合せ処理は、全ての計量ホッパ4のうち、各重量センサ4sにより重量値が計測済みの被計量物を保有している計量ホッパ4の計量値(被計量物の重量値)を用いて組合せ演算を行い、排出組合せを求める。Tw/2時間ごとに組合せ処理が繰り返されて順次選択される排出組合せの計量ホッパ4からの被計量物の排出は、排出組合せごとに内側シュート6aと外側シュート6b、6cとへ交互に行われ、それに合わせて、前述のように第1及び第2ゲート71,72を動作させることにより、内側収納室7aと外側収納室7b、7cとから交互に被計量物の排出が行われる。これにより、1計量サイクル時間Tw内に2回、包装機へ被計量物が投入される。この場合、1計量サイクル時間Twの1/2の時間が包装機の1包装サイクル時間Tp1と同じである。
【0051】
なお、図4では、第1、第2ゲート71、72による内側収納室7aの排出口の開閉動作のタイミングが示されているが、ここで、内側収納室7aの排出口を開くことは、外側収納室7b、7cの排出口を閉じることであり、内側収納室7aの排出口を閉じることは、外側収納室7b、7cの排出口を開くことである。
【0052】
制御部20は、例えば包装機から排出指令信号が入力されると、その排出指令信号に応答して第1、第2ゲート71、72に内側収納室7aの排出口を開かせて被計量物を排出させる(時刻t1)。そして、内側収納室7aの排出口を開く第1、第2ゲート71、72の動作タイミングに基づいて排出組合せに選択されている計量ホッパ4の内側ゲート22を開いて、計量ホッパ4から内側シュート6aへ被計量物を排出させる(時刻t1a)。次の排出指令信号が入力されると、その排出指令信号に応答して外側収納室7b、7cの排出口を開いて(内側収納室7aの排出口を閉じて)被計量物を排出させる(時刻t2)。そして、外側収納室7b、7cの排出口を開く第1、第2ゲート71、72の動作タイミングに基づいて排出組合せに選択されている計量ホッパ4の外側ゲート23を開いて、計量ホッパ4から外側シュート6b、6cへ被計量物を排出させる(時刻t2a)。さらに次の排出指令信号が入力されると、その排出指令信号に応答して内側収納室7aの排出口を開いて(時刻t3)被計量物を排出させた後、排出組合せに選択されている計量ホッパ4の内側ゲート22を開いて、計量ホッパ4から内側シュート6aへ被計量物を排出させる(時刻t3a)。以降、同様に繰り返される。
【0053】
この図4の場合、時刻t1aで、内側ゲート22が開かれて計量ホッパ4から排出された被計量物は、時刻t2から時刻t3までの間に内側収納室7aに到達して内側収納室7aに一時保持され、時刻t3で内側収納室7aの排出口が開いて下部シュート8を介して包装機へ排出される。同様に、時刻t2aで、外側ゲート23が開かれて計量ホッパ4から排出された被計量物は、時刻t3から時刻t4までの間に外側収納室7b、7cに到達して外側収納室7b、7cに一時保持され、時刻t4で外側収納室7b、7cの排出口が開いて下部シュート8を介して包装機へ排出される。
【0054】
このように、順次求められる排出組合せの計量ホッパ4から被計量物を内側シュート6aと外側シュート6b、6cとへ交互に排出させるとともに、それに合わせて、内側収納室7aと外側収納室7b、7cとから交互に被計量物を排出させる。
【0055】
以上のようにダブルシフト動作させることにより、Tw/2時間ごとに包装機への排出が行われ、Tw時間ごとに組合せ処理が行われるシングルシフト動作の場合の2倍の速度での高速排出が可能となり、高速に動作する包装機に対応できる。また、Tw/3時間ごとに組合せ処理が行われるトリプルシフト動作を行うように構成してもよい。
【0056】
また、洗浄等のために集合ホッパ7を取り外す場合には、内側収納室7の排出口が閉じられた状態で、集合ホッパ7を上方へ持ち上げることにより、被駆動板42の駆動レバー挿入部42cと駆動レバーの回転体54とが容易に外れるとともに、被嵌合部34と集合ホッパ取付け部36の嵌合部36aとが容易に外れる。集合ホッパ7を取り付ける場合には、内側収納室7の排出口が閉じられた状態で、集合ホッパ7の各被嵌合部34を2つの集合ホッパ取付け部36の各嵌合部36aへ嵌合させることにより、被駆動板42の駆動レバー挿入部42cに駆動レバーの回転体54が挿入される。
【0057】
本実施の形態では、3つの収納室7a、7b、7cが隣接して配置された1つの集合ホッパ7を用いて3つの集合シュート(内側シュート7a及び外側シュート7b、7c)の各々から排出される被計量物を一時保持して排出することができる。1つの集合ホッパ7を用いればよいため、集合ホッパ7の取外し及び取付け作業を容易に行うことができ、作業時間の短縮を図ることができる。また、3つの収納室7a、7b、7cの排出口の開閉を第1及び第2の2つのゲート71、72により行うようにしているため、単に3つの集合ホッパを合体した場合と比較して、ゲートの数が少なく、構造が簡単になるとともに、集合ホッパの軽量化を図ることができる。
【0058】
さらに本実施の形態の組合せ秤では、内側収納室7aと2つの外側収納室7b、7cとの被計量物を交互に排出すればよく、そのため連動機構部40により第1ゲート71と第2ゲート72との互いの動作が連動して行うように構成することができ、例えばステッピングモータ51を用いた駆動装置が1つですみ、その制御も容易になる。
【0059】
(実施の形態2)
本実施の形態2の組合せ秤の構成は、図1(a)、(b)に示される構成と同様であり、図1(a)、(b)を参照して説明する。
【0060】
本実施の形態2では、集合ホッパ7の第1ゲート71及び第2ゲート72が別々に駆動されるように構成されている点と、制御部20による組合せ処理の内容とが実施の形態1とは異なり、他の構成は実施の形態1の場合と同様であり、その説明を省略する。
【0061】
図5(a)〜(c)は、本実施の形態2における集合ホッパ7の第1ゲート71及び第2ゲート72の動作による状態の変化を示す図である。
【0062】
図5(a)は、外側収納室7b、7cの排出口が閉じられ、外側収納室7b、7cが被計量物を保持可能な状態であり、内側収納室7aが被計量物を排出可能な状態である。図5(b)は、外側収納室7cの排出口が閉じられ、外側収納室7cが被計量物を保持可能な状態であるとともに、外側収納室7bの排出口が開けられ、外側収納室7bが被計量物を排出可能な状態である。図5(c)は、内側収納室7aの排出口が閉じられ、内側収納室7aが被計量物を保持可能な状態であるとともに、外側収納室7b、7cの排出口が開けられ、外側収納室7b、7cが被計量物を排出可能な状態である。
【0063】
本実施の形態2では、第1、第2ゲート71、72が、例えば、図5(a)、図5(b)、図5(c)の順に、それに示された状態が繰り返されるように第1ゲート71及び第2ゲート72の動作の制御が制御部20によって行われる。
【0064】
本実施の形態では、計量ホッパ4へ被計量物が投入され、重量センサ4sによる計測が行われると、制御部20は、計量ホッパ4の計量値(重量センサ4sによる計測値)に基づいて組合せ処理を行う。この組合せ処理は、例えばTw/3時間ごとに行われ、後述の第1の組合せ処理、第2の組合せ処理、第3の組合せ処理がこの順番に繰り返し行われる。
【0065】
第1の組合せ処理では、グループBの計量ホッパ4の中から外側シュート6bへ被計量物を排出すべき組合せ(排出組合せ)の計量ホッパ4を求める。一方の外側シュート6bの上方に配置されたグループBの計量ホッパ4のうち、各重量センサ4sにより重量値が計測済みの被計量物を保有している計量ホッパ4の計量値(被計量物の重量値)に基づいて組合せ演算を行い、計量ホッパ4の計量値の合計が目標重量値に対する許容範囲内であり、かつ計量値の合計と目標重量値との差の絶対値が最小である組合せを1つ求めて、それを排出組合せに決める。この排出組合せに選択されている計量ホッパ4を「組合せホッパ4B」と記載する。
【0066】
第2の組合せ処理では、グループCの計量ホッパ4の中から外側シュート6cへ被計量物を排出すべき組合せ(排出組合せ)の計量ホッパ4を求める。一方の外側シュート6cの上方に配置されたグループCの計量ホッパ4のうち、各重量センサ4sにより重量値が計測済みの被計量物を保有している計量ホッパ4の計量値(被計量物の重量値)に基づいて組合せ演算を行い、計量ホッパ4の計量値の合計が目標重量値に対する許容範囲内であり、かつ計量値の合計と目標重量値との差の絶対値が最小である組合せを1つ求めて、それを排出組合せに決める。この排出組合せに選択されている計量ホッパ4を「組合せホッパ4C」と記載する。
【0067】
第3の組合せ処理では、全ての計量ホッパ4の中から内側シュート6aへ被計量物を排出すべき組合せ(排出組合せ)の計量ホッパ4を求める。内側シュート6aの上方に配置された全ての計量ホッパ4のうち、各重量センサ4sにより重量値が計測済みの被計量物を保有している計量ホッパ4の計量値(被計量物の重量値)に基づいて組合せ演算を行い、計量ホッパ4の計量値の合計が目標重量値に対する許容範囲内であり、かつ計量値の合計と目標重量値との差の絶対値が最小である組合せを1つ求めて、それを排出組合せに決める。この排出組合せに選択されている計量ホッパ4を「組合せホッパ4A」と記載する。
【0068】
このトリプルシフト動作させる場合には、例えば、グループB及びグループCの計量ホッパ4の個数を10個ずつにし、計量ホッパ4の全個数を20個とし、組合せ処理により排出組合せに選択される予定個数を4個とすれば良好な組合せ計量精度が得られる。
【0069】
図6は、本実施の形態の組合せ秤の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0070】
本実施の形態における動作は、Tw/3時間ごとに組合せ処理が行われるとともに、その組合せ処理で選択された排出組合せの計量ホッパ4からの被計量物の排出が行われる。Tw/3時間ごとに組合せ処理が繰り返されて順次選択される排出組合せの計量ホッパ4からの被計量物の排出は、排出組合せごとに外側シュート6bと外側シュート6cと内側シュート6aとへ順次行われ、それに合わせて、第1及び第2ゲート71,72を動作させることにより外側収納室7bと外側収納室7cと内側収納室7aとから順次被計量物の排出が行われる。これにより、1計量サイクル時間Tw内に3回、包装機へ被計量物が投入される。この場合、1計量サイクル時間Twの1/3の時間が包装機の1包装サイクル時間Tp2と同じである。
【0071】
なお、図6では、第1ゲート71による一方の外側収納室7b(ここでは「左側収納室7b」という)の排出口の開閉動作のタイミングと第2ゲート72による他方の外側収納室7c(ここでは「右側収納室7c」という)の排出口の開閉動作のタイミングが示されている。ここで、左側収納室7bと右側収納室7cの両方の排出口が開いたときに内側収納室7aの排出口が全閉され、内側収納室7aに被計量物を貯留することが可能である。
【0072】
制御部20は、例えば包装機から排出指令信号が入力されると、その排出指令信号に応答し、例えば時刻t12では、第1、第2ゲート71、72が内側収納室7aの排出口を開いて(左側収納室7bと右側収納室7cの両方の排出口を閉じる)内側収納室7aから被計量物を排出させる。そして、内側収納室7aの排出口を開く第1、第2ゲート71、72の動作タイミングに基づいて組合せホッパ4Cの外側ゲート23を開いて、組合せホッパ4Cから外側シュート6cへ被計量物を排出させる(時刻t12a)。次の排出指令信号が入力されると、その排出指令信号に応答して左側収納室7bの排出口を開いて左側収納室7bから被計量物を排出させる(時刻t13)。そして、左側収納室7bの排出口を開く第1ゲート71の動作タイミングに基づいて組合せホッパ4Aの内側ゲート22を開いて、組合せホッパ4Aから内側シュート6aへ被計量物を排出させる(時刻t13a)。さらに次の排出指令信号が入力されると、その排出指令信号に応答して右側収納室7cの排出口を開いて右側収納室7cから被計量物を排出させる(時刻t14)。そして、右側収納室7cの排出口を開く第2ゲート72の動作タイミングに基づいて組合せホッパ4Bの外側ゲート23を開いて、組合せホッパ4Bから外側シュート6bへ被計量物を排出させる(時刻t14a)。以降、同様に繰り返される。
【0073】
この図6の場合、時刻t11aで、組合せホッパ4Bから排出された被計量物は、時刻t12から時刻t13までの間に左側収納室7bに到達して左側収納室7bに保持され、時刻t13で左側収納室7bの排出口が開いて下部シュート8を介して包装機へ排出される。同様に、時刻t12aで、組合せホッパ4Cから排出された被計量物は、時刻t13から時刻t14までの間に右側収納室7cに到達して右側収納室7cに保持され、時刻t14で右側収納室7cの排出口が開いて下部シュート8を介して包装機へ排出される。同様に、時刻t13aで、組合せホッパ4Aから排出された被計量物は、時刻t14から時刻t15までの間に内側収納室7aに到達して内側収納室7aに保持され、時刻t15で内側収納室7aの排出口が開いて下部シュート8を介して包装機へ排出される。
【0074】
このように、順次求められる排出組合せの計量ホッパ4から、一方の外側シュート6bと他方の外側シュート6cと内側シュート6aとへ順次被計量物を排出させるとともに、それに合わせて、一方の外側収納室7bと他方の外側収納室7cと内側収納室7aとから順次被計量物を排出させる。
【0075】
本実施の形態では、実施の形態1と同様、3つの収納室7a、7b、7cが隣接して配置された1つの集合ホッパ7を用いて3つの集合シュート(内側シュート7a及び外側シュート7b、7c)の各々から排出される被計量物を一時保持して排出することができる。1つの集合ホッパ7を用いればよいため、集合ホッパ7の取外し及び取付け作業を容易に行うことができ、作業時間の短縮を図ることができる。また、3つの収納室7a、7b、7cの排出口の開閉を第1及び第2の2つのゲート71、72により行うようにしているため、単に3つの集合ホッパを合体した場合と比較して、ゲートの数が少なく、構造が簡単になるとともに、集合ホッパの軽量化を図ることができる。
【0076】
なお、上記実施の形態1、2では、集合ホッパ7を集合ホッパ取付け部36に取り付けるための被嵌合部34が枠体33に固着されているものとしたが、被嵌合部34の代わりに例えばボルトを用い、枠体33にそのボルトを締め付けるための雌ねじが切られた穴(タップ)を設けるようにしてもよい。
【0077】
なお、上記実施の形態1、2では、計量ホッパ4の列設形状を円形としたが、円形だけでなく、例えば、楕円や、矩形、長方形等の凸多角形を含めた環状に計量ホッパ4を列設した構成も可能である。そして、計量ホッパ4の列設形状に対応して、供給ホッパ3、リニアフィーダ2、内側シュート6a及び外側シュート6b、6c等が配設されていればよい。
【0078】
また、上記実施の形態1、2では、供給されている被計量物の計量値が組合せ演算に用いられる組合せ用ホッパとして、計量ホッパ4を用いた例を示したが、このような組合せ用ホッパに限られるものではない。例えば、各計量ホッパが2つの室に分離され、室ごとに被計量物が供給されるように構成するとともに、各室から内側シュートと外側シュートとへ被計量物を選択的に排出可能なように各室を構成し、各々の室に供給される被計量物の計量値を組合せ演算に用いて、各室を排出組合せに選択するようにしてもよい。この場合、各室が組合せ用ホッパに相当する。これ以外にも、組合せ用ホッパ等のホッパ構成を種々変更してもよい。
【0079】
また、制御部20は、例えばマイクロコンピュータ等によって構成されるが、必ずしも単独の制御装置で構成される必要はなく、複数の制御装置が分散配置されていて、それらが協働して計量装置の動作を制御するよう構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、集合シュートとして備えられる内側シュート及び2つの外側シュートに対応する集合ホッパ及びそれを用いた組合せ秤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】(a)は、本発明の実施の形態1の組合せ秤を側方から視た一部断面の概略模式図であり、(b)は、同組合せ秤の集合シュート及び計量ホッパを上方から視た概略模式図である。
【図2】(a)は、本発明の実施の形態1の組合せ秤の集合ホッパの正面図であり、(b)、(c)は、それぞれ同集合ホッパの背面図である。
【図3】(a)は、本発明の実施の形態1の組合せ秤の集合ホッパの右側面図であり、(b)は、同集合ホッパが取付けられる部材を示す図であり、(c)は、同集合ホッパの取付け構造を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態1の組合せ秤の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態2における集合ホッパの第1ゲート及び第2ゲートの動作による状態の変化を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2の組合せ秤の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図7】従来の組合せ秤を側方から視た一部断面の概略模式図である。
【符号の説明】
【0082】
1 分散フィーダ
2 リニアフィーダ
3 供給ホッパ
4 計量ホッパ
5 センター基体
6a 内側シュート
6b、6c 外側シュート
7 集合ホッパ
7a 内側収納室
7b、7c 外側収納室
71 第1ゲート
72 第2ゲート
8 下部シュート
20 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部と下部に開口を有し上部の開口が被計量物の受入口となり下部の開口が被計量物の排出口となる筒状の内側収納室と、この内側収納室を両側から挟むように配置され、上部と下部に開口を有し上部の開口が被計量物の受入口となり下部の開口が被計量物の排出口となる筒状の第1及び第2の外側収納室とを構成するホッパ本体と、
前記第1の外側収納室の排出口を開閉するためのゲートと前記内側収納室の排出口の前記第1の外側収納室寄りの半分部分を開閉するためのゲートとを兼ね、前記第1の外側収納室の排出口を閉じたときには前記内側収納室の排出口の前記第1の外側収納室寄りの半分部分が開かれ、前記内側収納室の排出口の前記第1の外側収納室寄りの半分部分を閉じたときには前記第1の外側収納室の排出口が開かれるように構成された第1ゲートと、
前記第2の外側収納室の排出口を開閉するためのゲートと前記内側収納室の排出口の前記第2の外側収納室寄りの半分部分を開閉するためのゲートとを兼ね、前記第2の外側収納室の排出口を閉じたときには前記内側収納室の排出口の前記第2の外側収納室寄りの半分部分が開かれ、前記内側収納室の排出口の前記第2の外側収納室寄りの半分部分を閉じたときには前記第2の外側収納室の排出口が開かれるように構成された第2ゲートとを有し、
前記第1ゲートにより前記内側収納室の排出口の前記第1の外側収納室寄りの半分部分が閉じられるとともに前記第2ゲートにより前記内側収納室の排出口の前記第2の外側収納室寄りの半分部分が閉じられたときに前記内側収納室の排出口の全部が閉じられるように構成された集合ホッパ。
【請求項2】
前記第1の外側収納室及び前記第2の外側収納室の各々は、各々から排出される被計量物が前記内側収納室寄りへ排出されるように構成された請求項1に記載の集合ホッパ。
【請求項3】
前記第1ゲートが前記内側収納室の排出口の前記第1の外側収納室寄りの半分部分を閉じると同時に前記第2ゲートが前記内側収納室の排出口の前記第2の外側収納室寄りの半分部分を閉じ、前記第1ゲートが前記第1の外側収納室の排出口を閉じると同時に前記第2ゲートが前記第2の外側収納室の排出口を閉じるように、前記第1ゲートと前記第2ゲートとの互いの動作が連動して行われるための連動機構部を有した請求項1に記載の集合ホッパ。
【請求項4】
環状に列設され、それぞれ供給される被計量物を、前記環状の内側方向と外側方向の2方向へ被計量物を選択的に排出可能なように構成された複数の組合せ用ホッパと、
前記組合せ用ホッパの下方に配設され、前記組合せ用ホッパから内側方向へ排出される被計量物を集合させて下部の排出口から排出させる内側シュートと、
前記内側シュートの周りを囲むように並んで配設され、前記組合せ用ホッパから外側方向へ排出される被計量物を集合させて下部の排出口から排出させる第1及び第2の外側シュートと、
請求項1に記載の集合ホッパとを備え、
前記集合ホッパの内側収納室が前記内側シュートの排出口から排出される被計量物を受け入れ、前記集合ホッパの第1の外側収納室が前記第1の外側シュートの排出口から排出される被計量物を受け入れ、前記集合ホッパの第2の外側収納室が前記第2の外側シュートの排出口から排出される被計量物を受け入れるように構成された組合せ秤。
【請求項5】
前記集合ホッパの前記第1の外側収納室及び前記第2の外側収納室の各々は、各々から排出される被計量物が前記内側収納室寄りへ排出されるように構成された請求項4に記載の組合せ秤。
【請求項6】
供給されている被計量物の重量値の合計が所定重量範囲内の値になる前記組合せ用ホッパの組合せである排出組合せを求める組合せ処理を繰り返し行うとともに、繰り返し行う前記組合せ処理により順次求められる前記排出組合せを前記第1の排出組合せと前記第2の排出組合せとに交互に決定する組合せ演算手段と、
前記組合せ演算手段により前記第1の排出組合せと前記第2の排出組合せとが交互に決定されることに応じて、前記第1の排出組合せの前記組合せ用ホッパに対して内側方向へ被計量物を排出させる第1の排出処理と、前記第2の排出組合せの前記組合せ用ホッパに対して外側方向へ被計量物を排出させる第2の排出処理とを交互に行うとともに、前記集合ホッパの第1ゲートに前記第1の外側収納室の排出口を閉じさせると同時に前記集合ホッパの第2ゲートに前記第2の外側収納室の排出口を閉じさせる第1の集合ホッパ制御処理と、前記第1ゲートに前記内側収納室の排出口の前記第1の外側収納室寄りの半分部分を閉じさせると同時に前記第2ゲートに前記内側収納室の排出口の前記第2の外側収納室寄りの半分部分を閉じさせる第2の集合ホッパ制御処理とを交互に行う制御手段とが設けられた請求項4に記載の組合せ秤。
【請求項7】
前記集合ホッパは、前記第1ゲートが前記内側収納室の排出口の前記第1の外側収納室寄りの半分部分を閉じると同時に前記第2ゲートが前記内側収納室の排出口の前記第2の外側収納室寄りの半分部分を閉じ、前記第1ゲートが前記第1の外側収納室の排出口を閉じると同時に前記第2ゲートが前記第2の外側収納室の排出口を閉じるように、前記第1ゲートと前記第2ゲートとの互いの動作が連動して行われるための連動機構部を有した請求項6に記載の組合せ秤。
【請求項8】
外側方向へ排出される被計量物が前記第1の外側シュート上へ排出される前記組合せ用ホッパの中から、供給されている被計量物の重量値の合計が所定重量範囲内の値になる前記組合せ用ホッパの組合せである第1の外側排出組合せを求める第1の組合せ処理と、外側方向へ排出される被計量物が前記第2の外側シュート上へ排出される前記組合せ用ホッパの中から、供給されている被計量物の重量値の合計が前記所定重量範囲内の値になる前記組合せ用ホッパの組合せである第2の外側排出組合せを求める第2の組合せ処理と、全ての前記組合せ用ホッパの中から、供給されている被計量物の重量値の合計が前記所定重量範囲内の値になる前記組合せ用ホッパの組合せである内側排出組合せを求める第3の組合せ処理とを順次繰り返し行う組合せ演算手段と、
前記組合せ演算手段により前記第1の外側排出組合せと前記第2の外側排出組合せと前記内側排出組合せとが順次求められることに応じて、前記第1の外側排出組合せの前記組合せ用ホッパに対して外側方向へ被計量物を排出させる第1の排出処理と、前記第2の外側排出組合せの前記組合せ用ホッパに対して外側方向へ被計量物を排出させる第2の排出処理と、前記内側排出組合せの前記組合せ用ホッパに対して内側方向へ被計量物を排出させる第3の排出処理とを順次繰り返し行うとともに、前記集合ホッパの第1ゲートに前記第1の外側収納室の排出口を閉じさせると同時に前記集合ホッパの第2ゲートに前記第2の外側収納室の排出口を閉じさせる第1の集合ホッパ制御処理と、前記第1ゲートに前記内側収納室の排出口の前記第1の外側収納室寄りの半分部分を閉じさせる第2の集合ホッパ制御処理と、前記第2ゲートに前記内側収納室の排出口の前記第2の外側収納室寄りの半分部分を閉じさせる第3の集合ホッパ制御処理とを順次繰り返し行う制御手段とが設けられた請求項4に記載の組合せ秤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−288157(P2009−288157A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142773(P2008−142773)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(505260556)
【Fターム(参考)】