説明

集合住宅インターホンシステム

【課題】当該システムを構成する各種機器の機器番号を、設置場所の三次元位置情報をもとに設定し、煩雑な設定作業を不要にして作業効率を高める。
【解決手段】少なくとも3個以上の位置情報発信局5a、5b、5c、・・・と集合玄関機1a、1bの位置情報受信装置104、居室親機2a、2b、2c、・・・2mの位置情報受信装置203、管理室親機3a、3bの位置情報受信装置303との間でそれぞれ通信を行い受信された位置情報と、少なくとも3個以上の位置情報発信局と制御機4の位置情報受信装置402との間で通信を行い受信された位置情報との差分をとり算出された差分値をもとに、集合玄関機、居室親機及び管理室親機の各機器の制御機からの三次元位置を求め、三次元位置情報として制御機の表示部400に表示する。また、表示部の表示内容を参照し、集合玄関機に割り当てるべき個別の玄関番号、居室親機に割り当てるべき個別の居室番号、及び管理室親機に割り当てるべき個別の管理室番号を、制御機の操作部401を使用して設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンション等の集合住宅に設置される集合住宅インターホンシステムに係り、特に、当該システムを構成する各種機器の機器番号を設定する際の作業効率を高めた集合住宅インターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、居室親機の居室番号のアドレス番号を、設定忘れや設定間違いがなく簡単に設定することができる集合住宅用インターホンシステムが開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
この集合住宅用インターホンシステムによれば、当該システムの施工後、居室親機用の送受器を居室番号書込機に接続することにより、当該居室番号書込機から居室番号のアドレス番号が発行されるので、当該送受器が有する居室番号保存用メモリに記憶される。この居室番号保存用メモリは、呼出、通話の際に読出して使用されるので、この居室番号保存用メモリを有する当該送受器を所定の居室親機に接続してフックオフし、この状態で玄関機の当該居室親機に対応させたい居室番号の呼出スイッチを押下すれば、通話状態となり通話確認テストが完了する。
【0004】
【特許文献1】特開2002−261951公報(段落[0011]、[0012]乃至[0026]、図1乃至図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術に記載した特許文献1の集合住宅用インターホンシステムにおいて、居室親機の居室番号のアドレス番号を設定するにあたっては、設定先である居室親機の設定スイッチを設定モードに切り替えた後、送受話器をフックオフして通話状態にせねばならず(特に、段落[0017])、居室親機がより複数台となる大規模な集合住宅に適用するにあたっては、その設定作業に煩雑さを有し、多大な時間が必要とされていた。
【0006】
本発明は、この難点を解消するためになされたもので、当該システムを構成する各種機器の機器番号を、設置場所の三次元位置情報をもとに設定し、煩雑な設定作業を不要にして作業効率を高めた集合住宅インターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の目的を達成するため、本発明の第1の態様である集合住宅インターホンシステムは、集合住宅の複数の集合玄関にそれぞれ設置される集合玄関機と、集合住宅の複数の住戸にそれぞれ設置され個別の居室番号を有し、集合玄関機からの呼び出しが報知され、呼び出しに応答して通話を成立させるための居室親機と、集合玄関機、居室親機をそれぞれ制御するための制御機とを設けたものである。居室親機には、3個以上の位置情報発信局との間で通信を行い、当該居室親機の位置情報を受信するための位置情報受信装置を備えている。制御機には、居室親機の位置情報受信装置にて受信された位置情報をもとに三次元位置情報を表示するための表示部と、表示部に表示された三次元位置情報をもとに当該居室親機を選択し、個別の居室番号を設定するための操作部とを備えている。
【0008】
また、本発明の第2の態様である集合住宅インターホンシステムは、集合住宅の複数の集合玄関にそれぞれ設置され個別の玄関番号を有する集合玄関機と、集合住宅の複数の住戸にそれぞれ設置され、集合玄関機からの呼び出しが報知され、呼び出しに応答して通話を成立させるための居室親機と、集合玄関機、居室親機をそれぞれ制御するための制御機とを設けたものである。集合玄関機には、3個以上の位置情報発信局との間で通信を行い、当該集合玄関機の位置情報を受信するための位置情報受信装置を備えている。制御機には、集合玄関機の位置情報受信装置にて受信された位置情報をもとに三次元位置情報を表示するための表示部と、表示部に表示された三次元位置情報をもとに当該集合玄関機を選択し、個別の玄関番号を設定するための操作部とを備えている。
【0009】
また、本発明の第3の態様である集合住宅インターホンシステムは、集合住宅の複数の管理室にそれぞれ設置され個別の管理室番号を有する管理室親機と、集合住宅の複数の住戸にそれぞれ設置され、管理室親機からの呼び出し又は一斉放送が報知され、呼び出しに応答して通話を成立させるための居室親機と、管理室親機、居室親機をそれぞれ制御するための制御機とを設けたものである。管理室親機には、3個以上の位置情報発信局との間で通信を行い、当該管理室親機の位置情報を受信するための位置情報受信装置を備えている。制御機には、管理室親機の位置情報受信装置にて受信された位置情報をもとに三次元位置情報を表示するための表示部と、表示部に表示された三次元位置情報をもとに当該管理室親機を選択し、個別の管理室番号を設定するための操作部とを備えている。
【0010】
また、本発明の第4の態様である集合住宅インターホンシステムは、本発明の第1の態様乃至第3の態様のうち何れか1の態様において、制御機には、3個以上の位置情報発信局との間で通信を行い、当該制御機の位置情報を受信するための位置情報受信装置を備えている。制御機は、居室親機の位置情報受信装置にて受信された位置情報、集合玄関機の位置情報受信装置にて受信された位置情報、又は管理室親機の位置情報受信装置にて受信された位置情報と制御機の位置情報受信装置にて受信された位置情報との差分をとり差分値を算出し、居室親機、集合玄関機又は管理室親機の制御機からの三次元位置を求めるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の集合住宅インターホンシステムによれば、少なくとも3個以上の位置情報発信局と集合玄関機の位置情報受信装置との間で通信を行い受信された当該集合玄関機の位置情報と、少なくとも3個以上の位置情報発信局と制御機の位置情報受信装置との間で通信を行い受信された当該制御機の位置情報との差分をとり算出された差分値をもとに、集合玄関機の三次元位置を求め、三次元位置情報として制御機の表示部に表示することができる。これにより、当該システムの施工業者等は、表示部に表示された三次元位置情報をもとに、集合住宅のどの位置に集合玄関機が施工されているのか、或いは、どの位置に集合玄関機が増設されたのかを容易に確認することができるばかりでなく、集合玄関機に割り当てるべき個別の玄関番号を、制御機の操作部を使用して容易に設定することができるため、煩雑な設定作業が不要となり作業効率が高められる。
【0012】
また、本発明の集合住宅インターホンシステムによれば、少なくとも3個以上の位置情報発信局と居室親機の位置情報受信装置との間で通信を行い受信された当該居室親機の位置情報と、少なくとも3個以上の位置情報発信局と制御機の位置情報受信装置との間で通信を行い受信された当該制御機の位置情報との差分をとり算出された差分値をもとに、居室親機の三次元位置を求め、三次元位置情報として制御機の表示部に表示することができる。これにより、当該システムの施工業者等は、表示部に表示された三次元位置情報をもとに、集合住宅のどの位置に居室親機が施工されているのか、或いは、どの位置に居室親機が増設されたのかを容易に確認することができるばかりでなく、居室親機に割り当てるべき個別の居室番号を、制御機の操作部を使用して容易に設定することができるため、煩雑な設定作業が不要となり作業効率が高められる。
【0013】
さらに、本発明の集合住宅インターホンシステムによれば、少なくとも3個以上の位置情報発信局と管理室親機の位置情報受信装置との間で通信を行い受信された当該管理室親機の位置情報と、少なくとも3個以上の位置情報発信局と制御機の位置情報受信装置との間で通信を行い受信された当該制御機の位置情報との差分をとり算出された差分値をもとに、管理室親機の三次元位置を求め、三次元位置情報として制御機の表示部に表示することができる。これにより、当該システムの施工業者等は、表示部に表示された三次元位置情報をもとに、集合住宅のどの位置に管理室親機が施工されているのか、或いは、どの位置に管理室親機が増設をされたのかを容易に確認することができるばかりでなく、管理室親機に割り当てるべき個別の管理室番号を、制御機の操作部を使用して容易に設定することができるため、煩雑な設定作業が不要となり作業効率が高められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の集合住宅インターホンシステムを適用した最良の実施の形態例について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施例による集合住宅インターホンシステムの全体構成を示すシステム説明図である。
【0015】
図1に示す集合住宅インターホンシステムは、マンション等の集合住宅に設置される当該システムであり、複数の集合玄関にそれぞれ設置される集合玄関機、ここでは、2台の集合玄関機1a、1bと、複数の住戸にそれぞれ設置される居室親機2a、2b、2c、・・・2mと、複数の管理室にそれぞれ設置される管理室親機、ここでは、2台の管理室親機3a、3bと、玄関ラインL1を経由してバス接続された集合玄関機1a、1b、居室ラインL2を経由してバス接続された居室親機2a、2b、2c、・・・2m、管理室ラインL3を経由してバス接続された管理室親機3a、3bをそれぞれ制御するための制御機4と、集合玄関機1a、1b、居室親機2a、2b、2c、・・・2m、管理室親機3a、3b及び制御機4の各機器との間で無線通信を行うための3個以上の位置情報発信局5a、5b、5c、・・・とが設けられている。なお、位置情報発信局5a、5b、5c、・・・としては、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星が好適とされる。
【0016】
また、集合玄関機1a、1b及び制御機4の間、居室親機2a、2b、2c、・・・2m及び制御機4の間、管理室親機3a、3b及び制御機4の間の各接続の態様は、玄関ラインL1、居室ラインL2、管理室ラインL3をそれぞれ経由したバス接続の態様に限定されるものではない。例えば、渡り配線による接続を適用することもできる。
【0017】
図1に示す集合玄関機1a、1bはそれぞれ、同様な構成で個別の玄関番号が割り当てられるものであって、集合玄関に居る人物、例えば、来訪者が、特定の住戸内に在室中の居住者(以下、特定の居住者という。)又は特定の管理室内に在室中の管理人(以下、特定の管理人という。)を呼び出して通話を成立させるためのものであり、操作部(以下、玄関操作部という。)100、表示部(以下、玄関表示部という。)101、映像撮像部102、通話部(以下、玄関通話部という。)103及び位置情報受信装置104を有している。
【0018】
ここで、玄関操作部100は、来訪者が特定の居住者又は特定の管理人を呼び出すための所定の呼出操作を行うものであり、例えば、玄関表示部101の前面に配置されたタッチパネル上の操作ボタンで構成されている。また、玄関表示部101は、玄関操作部100にて行われる呼出操作の操作情報等を表示するためのものであって、例えば、LCD、PDP、SED、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されている。また、映像撮像部102は、呼出操作を行った来訪者の映像や集合玄関の周囲近傍の映像(監視映像を含む。)を撮像するためのものであって、例えば、CCD、CMOS等の各種の撮像媒体で構成されている。また、玄関通話部103は、来訪者が特定の居住者又は特定の管理人との間で通話を成立させるための音声(送話音声、受話音声)を入出力するものであって、例えば、マイク及びスピーカで構成されている。さらに、位置情報受信装置104は、3個以上の位置情報発信局5a、5b、5c、・・・との間でそれぞれ無線通信を行い、自集合玄関機の位置情報を受信するためのものであり、例えば、GPS受信機が好適とされる。
【0019】
図2(a)は、集合玄関機1a、1bの具体的な構成を示すブロック図であり、図1に示す玄関操作部100、玄関表示部101、映像撮像部102、玄関通話部103及び位置情報受信装置104と、記憶部(以下、玄関記憶部という。)105と、CPU(以下、玄関CPUという。)106と、インターフェース(以下、玄関I/Fという。)107とが備えられている。
【0020】
ここで、玄関記憶部105は、自集合玄関機に割り当てられる個別の玄関番号を記憶するとともに、位置情報受信装置104にて受信される自集合玄関機の位置情報を記憶するためのものであり、例えば、RAM、EEPROM等の各種の記憶媒体が好適とされる。また、玄関CPU106は、当該集合玄関機の構成各部を制御するためのものである。また、玄関I/F107は、玄関CPU106及び玄関ラインL1の間の信号伝送路を形成するためのものである。
【0021】
図1に示す居室親機2a、2b、2c、・・・2mはそれぞれ、同様な構成で個別の居室番号が割り当てられるものであって、特定の集合玄関に居る来訪者(以下、特定の来訪者という。)又は特定の管理人からの呼び出しが報知され、この呼び出しに応答した居住者が通話を成立させるとともに、居住者が特定の管理人を呼び出して通話を成立させ、さらには、特定の管理人による一斉放送が行われるものであり、表示部(以下、居室表示部という。)200、操作部(以下、居室操作部という。)201、通話部(以下、居室通話部という。)202及び位置情報受信装置203を有している。
【0022】
ここで、居室表示部200は、集合玄関機1a、1bの映像撮像部102にて撮像された映像を出画するとともに、特定の来訪者又は特定の管理人からの呼び出しがある旨の呼出情報、特定の管理人による一斉放送の内容をそれぞれ表示し、さらには、居室操作部201の操作情報等を表示するためのものであって、例えば、LCD、PDP、SED、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されている。また、居室操作部201は、特定の来訪者又は特定の管理人からの呼び出しに居住者が応答するための所定の応答操作、居住者が特定の管理人を呼び出すための所定の呼出操作がそれぞれ行われるものであって、例えば、居室表示部200の前面に配置されたタッチパネル上の操作ボタンや各種の独立した押圧ボタンで構成されている。また、居室通話部202は、居住者が特定の来訪者又は特定の管理人との間で通話を成立させるための音声(送話音声、受話音声)を入出力するものであって、例えば、マイク、スピーカ及びハンドセットで構成されており、このスピーカは、前述の通話機能の他に、特定の来訪者又は特定の管理人からの呼び出しがある旨の呼出音や音声メッセージ等を出力するとともに、特定の管理人による一斉放送の内容を出力することができる。さらに、位置情報受信装置203は、3個以上の位置情報発信局5a、5b、5c、・・・との間でそれぞれ無線通信を行い、自居室親機の位置情報を受信するためのものであり、例えば、GPS受信機が好適とされる。
【0023】
図2(b)は、居室親機2a、2b、2c、・・・2mの具体的な構成を示すブロック図であり、図1に示す居室表示部200、居室操作部201、居室通話部202及び位置情報受信装置203と、記憶部(以下、居室記憶部という。)204と、CPU(以下、居室CPUという。)205と、インターフェース(以下、居室I/Fという。)206とが備えられている。
【0024】
ここで、居室記憶部204は、自居室親機に割り当てられる個別の居室番号を記憶するとともに、位置情報受信装置203にて受信される自居室親機の位置情報を記憶するためのものであり、例えば、RAM、EEPROM等の各種の記憶媒体が好適とされる。また、居室CPU205は、当該居室親機の構成各部を制御するためのものである。また、居室I/F206は、居室CPU205及び居室ラインL2の間の信号伝送路を形成するためのものである。
【0025】
図1に示す管理室親機3a、3bはそれぞれ、同様な構成で個別の管理室番号が割り当てられるものであって、特定の来訪者又は特定の居住者からの呼び出しが報知され、この呼び出しに応答した管理人が通話を成立させるとともに、管理人が特定の居住者を呼び出して通話を成立させる、又は複数の居住者に対して一斉呼び出しを行うものであり、表示部(以下、管理室表示部という。)300、操作部(以下、管理室操作部という。)301、通話部(以下、管理室通話部という。)302及び位置情報受信装置303を有している。
【0026】
ここで、管理室表示部300は、集合玄関機1a、1bの映像撮像部102にて撮像された映像を出画するとともに、特定の来訪者又は特定の居住者からの呼び出しがある旨の呼出情報を表示し、さらには、管理室操作部301の操作情報等を表示するためのものであり、例えば、LCD、PDP、SED、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されている。また、管理室操作部301は、特定の来訪者又は特定の居住者からの呼び出しに管理人が応答するための所定の応答操作、管理人が特定の居住者を呼び出すための所定の呼出操作、一斉放送のための所定の起動操作がそれぞれ行われるものであり、例えば、管理室表示部300の前面に配置されたタッチパネル上の操作ボタンで構成されている。また、管理室通話部302は、管理人が特定の来訪者又は特定の居住者との間で通話を成立させるための音声(送話音声、受話音声)を入出力するものであって、例えば、マイク、スピーカ及びハンドセットで構成されており、このマイク又はハンドセット(のマイク)は、一斉放送の内容を入力することができ、スピーカは、前述の通話機能の他に、特定の来訪者又は特定の居住者からの呼び出しがある旨の呼出音や音声メッセージ等を出力することができる。さらに、位置情報受信装置303は、3個以上の位置情報発信局5a、5b、5c、・・・との間でそれぞれ無線通信を行い、自管理室親機の三次元位置情報を受信するためのものであり、例えば、GPS受信機が好適とされる。
【0027】
図2(c)は、管理室親機3a、3bの具体的な構成を示すブロック図であり、図1に示す管理室表示部300、管理室操作部301、管理室通話部302及び位置情報受信装置303と、記憶部(以下、管理室記憶部という。)304と、CPU(以下、管理室CPUという。)305と、インターフェース(以下、管理室I/Fという。)306とが備えられている。
【0028】
ここで、管理室記憶部304は、自管理室親機に割り当てられる個別の管理室番号を記憶するとともに、位置情報受信装置303にて受信される自管理室親機の位置情報を記憶するためのものであり、例えば、RAM、EEPROM等の各種の記憶媒体が好適とされる。また、管理室CPU305は、当該管理室親機の構成各部を制御するためのものである。また、管理室I/F306は、管理室CPU305及び管理室ラインL3の間の信号伝送路を形成するためのものである。
【0029】
図1に示す制御機4は、表示部(以下、制御機表示部という。)400、操作部(以下、制御機操作部という。)401、位置情報受信装置402及び主制御部403を有しており、この主制御部403には、図2(d)のブロック図に示すように、記憶部(以下、制御機記憶部という。)430と、CPU(以下、制御機CPUという。)431と、玄関側インターフェース(以下、玄関側制御機I/Fという。)432と、居室側インターフェース(以下、居室側制御機I/Fという。)433と、管理室側インターフェース(以下、管理室側制御機I/Fという。)434とが備えられている。
【0030】
ここで、制御機表示部400は、主制御部403の制御機CPU431により制御され、集合玄関機1a、1bの位置情報受信装置104にてそれぞれ受信される位置情報、居室親機2a、2b、2c、・・・2mの位置情報受信装置203にてそれぞれ受信される位置情報、管理室親機3a、3bの位置情報受信装置303にてそれぞれ受信される位置情報をもとに求められる各機器の三次元位置情報を表示するためのものであり、例えば、LCD、PDP、SED、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されている。また、制御機操作部401は、主制御部403の制御機CPU431により操作検出され、制御機表示部400に表示される三次元位置情報をもとに任意の機器を選択し、個別の玄関番号、個別の居室番号又は個別の管理室番号を設定するためのものであり、例えば、英数字ボタン、記号ボタン等の各種のキーボタンで構成されている。また、位置情報受信装置402は、主制御部403の制御機CPU431により制御され、3個以上の位置情報発信局5a、5b、5c、・・・との間でそれぞれ無線通信を行い、自制御機の位置情報を受信するためのものであり、例えば、GPS受信機が好適とされる。
【0031】
主制御部403において、制御機記憶部430は、集合玄関機1a、1bに割り当てられる個別の玄関番号、居室親機2a、2b、2c、・・・2mに割り当てられる個別の居室番号、及び管理室親機3a、3bに割り当てられる個別の管理室番号をそれぞれ記憶するとともに、位置情報受信装置402にて受信される自制御機の位置情報を記憶するためのものであり、例えば、RAM、EEPROM等の各種の記憶媒体が好適とされる。また、制御機CPU431は、当該制御機の構成各部を制御するばかりでなく当該システム全体を制御するためのものであり、具体的な制御としては、集合玄関機1a、1bの位置情報受信装置104にて受信された位置情報、居室親機2a、2b、2c、・・・2mの位置情報受信装置203にて受信された位置情報、又は管理室親機3a、3bの位置情報受信装置303にて受信された位置情報と自制御機の位置情報受信装置402にて受信された位置情報との差分をとり差分値を算出し、集合玄関機1a、1b、居室親機2a、2b、2c、・・・2m又は管理室親機3a、3bの自制御機からの三次元位置を求めることができる。また、玄関側制御機I/F432は、制御機CPU431及び玄関ラインL1の間の信号伝送路を形成するためのものである。また、居室側制御機I/F433は、制御機CPU431及び居室ラインL2の間の信号伝送路を形成するためのものである。さらに、管理室側制御機I/F434は、制御機CPU431及び管理室ラインL3の間の信号伝送路を形成するためのものである。
【0032】
このように構成された本発明の実施例による集合住宅インターホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。
【0033】
図1に示す集合住宅インターホンシステムがマンション等の集合住宅に施工された施工時において、当該システムの施工業者等は、集合玄関機1a、1bに割り当てるべき個別の玄関番号、居室親機2a、2b、2c、・・・2mに割り当てるべき個別の居室番号、及び管理室親機3a、3bに割り当てるべき個別の管理室番号をそれぞれ設定する必要がある。そこで、当該システムの施工業者等は、集合玄関機1a、1b、居室親機2a、2b、2c、・・・2m、及び管理室親機3a、3bにそれぞれ電源を投入して駆動させ、制御機4との間で通信が可能な状態に制御した後、制御機4に電源を投入する。
【0034】
この制御機4において、図2(d)に示す主制御部403の制御機CPU431は、3個以上の位置情報発信局5a、5b、5c、・・・のそれぞれと位置情報受信装置402との間で無線通信を行い、自制御機の位置情報(以下、制御機位置情報という。)を当該位置情報受信装置にて受信し、この制御機位置情報を制御機記憶部430に記憶するとともに、当該制御機位置情報を付加した初期化要求信号を生成する。また、制御機CPU431にて生成された初期化要求信号は、玄関側制御機I/F432、玄関ラインL1、図2(a)に示す集合玄関機1a、1bの玄関I/F107を経由して玄関CPU106と、居室側制御機I/F433、居室ラインL2、図2(b)に示す居室親機2a、2b、2c、・・・2mの居室I/F206を経由して居室CPU205と、管理室側制御機I/F434、管理室ラインL3、図2(c)に示す管理室親機3a、3bの管理室I/F306を経由して管理室CPU305とにそれぞれ伝送される。
【0035】
次に、図2(a)に示す集合玄関機1a、1bの玄関CPU106はそれぞれ、図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機CPU431からの初期化要求信号を検出すると、3個以上の位置情報発信局5a、5b、5c、・・・のそれぞれと位置情報受信装置104との間で無線通信を行い、自集合玄関機の位置情報(以下、玄関位置情報という。)を当該位置情報受信装置にて受信し、受信された玄関位置情報を玄関記憶部105に記憶するとともに、この玄関位置情報と自機器が集合玄関機である旨の機器情報とを付加した初期化応答信号(以下、玄関初期化応答信号という。)を生成する。また、玄関CPU106にて生成された玄関初期化応答信号は、玄関I/F107、玄関ラインL1、制御機4を構成する主制御部403の玄関側制御機I/F432を経由して制御機CPU431と、玄関I/F107、玄関ラインL1、自集合玄関機を除く他の当該集合玄関機の玄関I/F107を経由して玄関CPU106とにそれぞれ伝送される。
【0036】
なお、図2(a)において、玄関初期化応答信号の送信元を除く他の当該集合玄関機の玄関CPU106は、伝送されてきた玄関初期化応答信号が、図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機CPU431からの出力信号でないため、当該玄関初期化応答信号が無効であると判断して何ら処理を行わない。
【0037】
次に、図2(b)に示す居室親機2a、2b、2c、・・・2mの居室CPU205はそれぞれ、図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機CPU431からの初期化要求信号を検出すると、3個以上の位置情報発信局5a、5b、5c、・・・のそれぞれと位置情報受信装置203との間で無線通信を行い、自居室親機の位置情報(以下、居室位置情報という。)を当該位置情報受信装置にて受信し、受信された居室位置情報を居室記憶部204に記憶するとともに、この居室位置情報と自機器が居室親機である旨の機器情報とを付加した初期化応答信号(以下、居室初期化応答信号という。)を生成する。また、居室CPU205にて生成された居室初期化応答信号は、居室I/F206、居室ラインL2、制御機4を構成する主制御部403の居室側制御機I/F433を経由して制御機CPU431と、居室I/F206、居室ラインL1、自居室親機を除く他の当該居室親機の居室I/F206を経由して居室CPU205とにそれぞれ伝送される。
【0038】
なお、図2(b)において、居室初期化応答信号の送信元を除く他の当該居室親機の居室CPU205はそれぞれ、伝送されてきた居室初期化応答信号が、図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機CPU431からの出力信号でないため、当該居室初期化応答信号が無効であると判断して何ら処理を行わない。
【0039】
次に、図2(c)に示す管理室親機3a、3bの管理室CPU305はそれぞれ、図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機CPU431からの初期化要求信号を検出すると、3個以上の位置情報発信局5a、5b、5c、・・・のそれぞれと位置情報受信装置303との間で無線通信を行い、自管理室親機の位置情報(以下、管理室位置情報という。)を当該位置情報受信装置にて受信し、受信された管理室位置情報を管理室記憶部304に記憶するとともに、この管理室位置情報と自機器が管理室親機である旨の機器情報とを付加した初期化応答信号(以下、管理室初期化応答信号という。)を生成する。また、管理室CPU305にて生成された管理室初期化応答信号は、管理室I/F306、管理室ラインL3、制御機4を構成する主制御部403の管理室側制御機I/F434を経由して制御機CPU431と、管理室I/F306、管理室ラインL3、自管理室親機を除く他の当該管理室親機の管理室I/F306を経由して管理室CPU305とにそれぞれ伝送される。
【0040】
なお、図2(c)において、管理室初期化応答信号の送信元を除く他の当該管理室親機の管理室CPU305は、伝送されてきた管理室初期化応答信号が、図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機CPU431からの出力信号でないため、当該管理室初期化応答信号が無効であると判断して何ら処理を行わない。
【0041】
前述のように、図2(a)に示す集合玄関機1a、1bの玄関CPU106からの玄関初期化応答信号、図2(b)に示す居室親機2a、2b、2c、・・・2mの居室CPU205からの居室初期化応答信号、及び図2(c)に示す管理室親機3a、3bの管理室CPU305からの管理室初期化応答信号がそれぞれ、順次伝送されてきた図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機CPU431は、各応答信号に付加されている位置情報(玄関位置情報、居室位置情報、管理室位置情報)と制御機記憶部430に予め記憶されている制御機位置情報との差分をとり差分値を算出し、集合玄関機1a、1b、居室親機2a、2b、2c、・・・2m、及び管理室親機3a、3bのそれぞれの三次元位置を求め、これら三次元位置情報を、各応答信号に同様に付加されている集合玄関機1a、1b、居室親機2a、2b、2c、・・・2m、及び管理室親機3a、3bのうち何れかの機器であるかの機器情報にそれぞれ対応させて同図及び図1に示す制御機表示部400に三次元表示することができる。これにより、当該システムの施工業者等は、制御機表示部400の表示内容をもとに、集合住宅のどの位置にどの種類の機器が施工されているのかを容易に確認することができる。
【0042】
この後、当該システムの施工業者等は、図1及び図2(d)に示す制御機4の制御機表示部400に表示されている三次元位置情報をもとに、制御機操作部401を使用して任意の機器を選択、ここでは、集合玄関機1aを選択し、制御機表示部400の表示内容を確認しながら個別の玄関番号を設定することができる。この玄関番号は、集合玄関機1aに割り当てるべき当該玄関番号として、主制御部403の制御機CPU431の制御により制御機記憶部430に記憶される。また、制御機CPU431は、設定された玄関番号と集合玄関機1aの玄関位置情報とを付加した玄関番号設定信号を生成する。この玄関番号設定信号は、前述の初期化要求信号と同一の信号伝送路を経由して図2(a)に示す集合玄関機1a、1bの玄関CPU106にそれぞれ伝送される。
【0043】
図2(a)に示す集合玄関機1a、1bの玄関CPU106はそれぞれ、図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機CPU431からの玄関番号設定信号を検出すると、この玄関番号設定信号に付加されている玄関位置情報と玄関記憶部105に予め記憶されている玄関位置情報とを照合し、当該玄関位置情報が一致した場合にのみ同様に玄関番号設定信号に付加されている玄関番号が有効であると判断する。ここでは、集合玄関機1aの玄関CPU106のみ当該玄関位置情報が一致し、玄関番号設定信号に付加されている玄関番号を、自集合玄関機の玄関番号として割り当てて玄関記憶部105に記憶することができる。
【0044】
なお、当該システムの施工業者等は、集合玄関機1aを選択し個別の玄関番号を設定する操作と同様な動作を行うことにより、集合玄関機1bに割り当てるべき玄関番号を、図1(a)に示す集合玄関機1bの玄関記憶部105及び図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機記憶部430にそれぞれ記憶させることができる。
【0045】
また、当該システムの施工業者等は、図1及び図2(d)に示す制御機4の制御機表示部400に表示されている三次元位置情報をもとに、制御機操作部401を使用して任意の機器を選択するにあたり、ここでは、居室親機2aを選択し、制御機表示部400の表示内容を確認しながら個別の居室番号を設定することができる。この居室番号は、居室親機2aに割り当てるべき当該居室番号として、主制御部403の制御CPU431の制御により制御機記憶部430に記憶される。また、制御機CPU431は、設定された居室番号と居室親機2aの居室位置情報とを付加した居室番号設定信号を生成する。この居室番号設定信号は、前述の初期化要求信号と同一の信号伝送路を経由して図2(b)に示す居室親機2a、2b、2c、・・・2mの居室CPU205にそれぞれ伝送される。
【0046】
図2(b)に示す居室親機2a、2b、2c、・・・2mの居室CPU205はそれぞれ、図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機CPU431からの居室番号設定信号を検出すると、この居室番号設定信号に付加されている居室位置情報と居室記憶部204に予め記憶されている居室位置情報とを照合し、当該居室位置情報が一致した場合にのみ同様に居室番号設定信号に付加されている居室番号が有効であると判断する。ここでは、居室親機2aの居室CPU205のみ当該居室位置情報が一致し、居室番号設定信号に付加されている居室番号を、自居室親機の玄関番号として割り当てて居室記憶部204に記憶することができる。
【0047】
なお、当該システムの施工業者等は、居室親機2aを選択し個別の居室番号を設定する操作と同様な動作を行うことにより、その他の居室親機2b、2c、・・・2mに割り当てるべき個別の居室番号を、図1(b)に示す居室親機2b、2c、・・・2mの居室記憶部204及び図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機記憶部430にそれぞれ記憶させることができる。
【0048】
さらに、当該システムの施工業者等は、図1及び図2(d)に示す制御機4の制御機表示部400に表示されている三次元位置情報をもとに、制御機操作部401を使用して任意の機器を選択するにあたり、ここでは、管理室親機3aを選択し、制御機表示部400の表示内容を確認しながら個別の管理室番号を設定することができる。この管理室番号は、管理室親機3aに割り当てるべき当該管理室番号として、主制御部403の制御CPU431の制御により制御部記憶部430に記憶される。また、制御機CPU431は、設定された管理室番号と管理室親機3aの管理室位置情報とを付加した管理室番号設定信号を生成する。この管理室番号設定信号は、前述の初期化要求信号と同一の信号伝送路を経由して図2(c)に示す管理室親機3a、3bの管理室CPU305にそれぞれ伝送される。
【0049】
図2(c)に示す管理室親機3a、3bの管理室CPU305はそれぞれ、図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機CPU431からの管理室番号設定信号を検出すると、この管理室番号設定信号に付加されている管理室位置情報と管理室記憶部304に予め記憶されている管理室位置情報とを照合し、当該管理室位置情報が一致した場合にのみ同様に管理室番号設定信号に付加されている管理室番号が有効であると判断する。ここでは、管理室親機3aの管理室CPU305のみ当該管理室位置情報が一致し、管理室番号設定信号に付加されている管理室番号を、自管理室親機の管理室番号として割り当てて管理室記憶部304に記憶することができる。
【0050】
なお、当該システムの施工業者等は、管理室親機3aを選択し個別の管理室番号を設定する操作と同様な動作を行うことにより、管理室親機3bに割り当てるべき管理室番号を、図1(c)に示す管理室親機3bの管理室記憶部304及び図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機記憶部430にそれぞれ記憶させることができる。
【0051】
次に、図1に示す集合住宅インターホンシステムがマンション等の集合住宅に施工された施工後であり、集合玄関機1a、1bに割り当てるべき個別の玄関番号、居室親機2a、2b、2c、・・・2mに割り当てるべき個別の居室番号、及び管理室親機3a、3bに割り当てるべき個別の管理室番号をそれぞれ設定した後、当該集合玄関機、居室親機及び管理室親機のうち少なくとも1台の機器を増設する、ここでは、居室親機2nを増設するにあたっては、この居室親機2nを居室ラインL2にバス接続した後、電源を投入して駆動させ、制御機4との間で通信が可能な状態に制御する。
【0052】
ここで、図2(b)に示す居室親機2nの居室CPU205は、3個以上の位置情報発信局5a、5b、5c、・・・のそれぞれと位置情報受信装置203との間で無線通信を行い、自居室親機の居室位置情報を当該位置情報受信装置にて受信し、受信された居室位置情報を居室記憶部204に記憶するとともに、この居室位置情報と自機器が居室親機である旨の機器情報とを付加した初期化通知信号(以下、居室初期化通知信号という。)を生成する。また、居室CPU205にて生成された居室初期化通知信号は、居室I/F206、居室ラインL2、図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の居室側制御機I/F433を経由して制御機CPU431と、居室I/F206、居室ラインL2、自居室親機を除く他の居室親機2a、2b、2c、・・・2mの居室I/F206を経由して居室CPU205とにそれぞれ伝送される。
【0053】
なお、図2(b)において、居室親機2nを除く他の居室親機2a、2b、2c、・・・2mの居室CPU205はそれぞれ、伝送されてきた居室初期化通知信号が、図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機CPU431からの出力信号でないため、当該居室初期化通知信号が無効であると判断して何ら処理を行わない。
【0054】
前述のように、図2(b)に示す居室親機2nの居室CPU205からの居室初期化通知信号が伝送されてきた図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機CPU431は、当該居室初期化通知信号に付加されている居室位置情報と制御機記憶部430に記憶されている制御機位置情報との差分をとり差分値を算出し、居室親機2nの三次元位置を求め、この三次元位置情報を、当該居室初期化通知信号に同様に付加されている居室親機である旨に対応させて同図及び図1に示す制御機表示部400に三次元表示することができる。これにより、当該システムの施工業者等は、制御機表示部400の表示内容をもとに、集合住宅のどの位置に居室親機2nが増設されたのかを容易に確認することができる。
【0055】
この後、当該システムの施工業者等は、図1及び図2(d)に示す制御機4の制御機表示部400に表示されている三次元位置情報をもとに、制御機操作部401を使用して居室親機2nを選択し、制御機表示部400の表示内容を確認しながら個別の居室番号を設定することができる。この居室番号は、居室親機2nに割り当てるべき当該居室番号として、主制御部403の制御CPU431の制御により制御機記憶部430に記憶される。また、制御機CPU431は、設定された居室番号と居室親機2nの居室位置情報とを付加した居室番号設定信号を生成する。この居室番号設定信号は、前述の初期化要求信号と同一の信号伝送路を経由して図2(b)に示す居室親機2a、2b、2c、・・・2m、2nの居室CPU205にそれぞれ伝送される。
【0056】
図2(b)に示す居室親機2a、2b、2c、・・・2m、2nの居室CPU205はそれぞれ、図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機CPU431からの居室番号設定信号を検出すると、この居室番号設定信号に付加されている居室位置情報と居室記憶部204に予め記憶されている居室位置情報とを照合し、当該居室位置情報が一致した場合にのみ同様に居室番号設定信号に付加されている居室番号が有効であると判断する。ここでは、居室親機2nの居室CPU205のみ当該居室位置情報が一致し、居室番号設定信号に付加されている居室番号を、自居室親機の玄関番号として割り当てて居室記憶部204に記憶することができる。
【0057】
なお、前述のように、図1に示す集合住宅インターホンシステムがマンション等の集合住宅に施工された施工後、又は増設後において、図2(a)に示す集合玄関機1a、1bの玄関記憶部105及び図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機記憶部430にそれぞれ記憶された個別の玄関番号は、(特定の)来訪者が(特定の)居住者又は(特定の)管理人を呼び出す呼出時において呼出元を表す機器番号、通話の成立時における通話対象の機器番号等となる。また、図2(b)に示す居室親機2a、2b、2c、・・・2m、2nの居室記憶部204及び前述の制御機記憶部430にそれぞれ記憶された個別の居室番号は、(特定の)来訪者が(特定の)居住者を呼び出す呼出時において呼出先を表す機器番号、(特定の)居住者が(特定の)管理人を呼び出す呼出時において呼出元を表す機器番号、(特定の)管理人が全ての居住者に一斉放送を行う一斉放送時において一斉放送先を表す機器番号、通話の成立時における通話対象の機器番号等となる。さらに、図2(c)に示す管理室親機3a、3bの管理室記憶部304及び前述の制御機記憶部430にそれぞれ記憶された個別の管理室番号は、(特定の)来訪者が(特定の)管理人を呼び出す呼出時において呼出先を表す機器番号、(特定の)居住者が(特定の)管理人を呼び出す呼出時において呼出先を表す機器番号、(特定の)管理人が全ての居住者に一斉放送を行う一斉放送時において一斉放送元を表す機器番号、通話の成立時における通話対象の機器番号等となる。
【0058】
また、前述までの説明によれば、図1に示す集合住宅インターホンシステムがマンション等の集合住宅に施工された施工後であり、集合玄関機1a、1bに割り当てるべき個別の玄関番号、居室親機2a、2b、2c、・・・2mに割り当てるべき個別の居室番号、及び管理室親機3a、3bに割り当てるべき個別の管理室番号をそれぞれ設定した後に増設する少なくとも1台の機器として、居室親機2nを適用し、この居室親機2nに割り当てるべき居室番号を、図2(b)に示す居室親機2nの居室記憶部204及び図2(d)に示す制御機4を構成する主制御部403の制御機記憶部430にそれぞれ記憶させる態様について説明したが、この態様に限定されるものではない。例えば、少なくとも1台の当該集合玄関機、その他の少なくとも1台の当該居室親機、又は少なくとも1台の当該管理室親機を増設し、増設した機器に割り当てるべき個別の機器番号を設定/記憶することができる。
【0059】
また、前述までの説明によれば、図1、図2(d)にそれぞれ示すように、制御機表示部400及び制御機操作部401が別体で構成された制御機4を適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、制御機操作部401をタッチパネル上の操作ボタンとして制御機表示部400の前面に配置することにより、制御機表示部400及び制御機操作部401を一体で構成することもできる。
【0060】
最後に、本発明の集合住宅インターホンシステムにおいては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の集合住宅インターホンシステムであっても採用できるということはいうまでもないことである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、本発明の実施例による集合住宅インターホンシステムの全体構成を示すシステム説明図である。
【図2】図2(a)は、本発明の実施例による集合住宅インターホンシステムにおいて、集合玄関機の具体的な構成を示すブロック図である。また、図2(b)は、本発明の実施例による集合住宅インターホンシステムにおいて、居室親機の具体的な構成を示すブロック図である。また、図2(c)は、本発明の実施例による集合住宅インターホンシステムにおいて、管理室親機の具体的な構成を示すブロック図である。さらに、図2(d)は、本発明の実施例による集合住宅インターホンシステムにおいて、制御機の具体的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0062】
1a、1b……集合玄関機
104……位置情報受信装置
2a、2b、2c、・・・2m……居室親機
203……位置情報受信装置
3a、3b……管理室親機
303……位置情報受信装置
4……制御機
400……制御機表示部(表示部)
401……制御機操作部(操作部)
402……位置情報受信装置
5a、5b、5c、・・・ ……3個以上の位置情報発信局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅の複数の集合玄関にそれぞれ設置される集合玄関機(1a、1b)と、前記集合住宅の複数の住戸にそれぞれ設置され個別の居室番号を有し、前記集合玄関機からの呼び出しが報知され、前記呼び出しに応答して通話を成立させるための居室親機(2a、2b、2c、・・・2m)と、前記集合玄関機、前記居室親機をそれぞれ制御するための制御機(4)とを設け、
前記居室親機には、3個以上の位置情報発信局(5a、5b、5c、・・・)との間で通信を行い、当該居室親機の位置情報を受信するための位置情報受信装置(203)を備え、
前記制御機には、前記居室親機の前記位置情報受信装置にて受信された位置情報をもとに三次元位置情報を表示するための表示部(400)と、前記表示部に表示された三次元位置情報をもとに当該居室親機を選択し、前記個別の居室番号を設定するための操作部(401)とを備えたことを特徴とする集合住宅インターホンシステム。
【請求項2】
集合住宅の複数の集合玄関にそれぞれ設置され個別の玄関番号を有する集合玄関機(1a、1b)と、前記集合住宅の複数の住戸にそれぞれ設置され、前記集合玄関機からの呼び出しが報知され、前記呼び出しに応答して通話を成立させるための居室親機(2a、2b、2c、・・・2m)と、前記集合玄関機、前記居室親機をそれぞれ制御するための制御機(4)とを設け、
前記集合玄関機には、3個以上の位置情報発信局(5a、5b、5c、・・・)との間で通信を行い、当該集合玄関機の位置情報を受信するための位置情報受信装置(104)を備え、
前記制御機には、前記集合玄関機の前記位置情報受信装置にて受信された位置情報をもとに三次元位置情報を表示するための表示部(400)と、前記表示部に表示された三次元位置情報をもとに当該集合玄関機を選択し、前記個別の玄関番号を設定するための操作部(401)とを備えたことを特徴とする集合住宅インターホンシステム。
【請求項3】
集合住宅の複数の管理室にそれぞれ設置され個別の管理室番号を有する管理室親機(3a、3b)と、前記集合住宅の複数の住戸にそれぞれ設置され、前記管理室親機からの呼び出し又は一斉放送が報知され、前記呼び出しに応答して通話を成立させるための居室親機(2a、2b、2c、・・・2m)と、前記管理室親機、前記居室親機をそれぞれ制御するための制御機(4)とを設け、
前記管理室親機には、3個以上の位置情報発信局(5a、5b、5c、・・・)との間で通信を行い、当該管理室親機の位置情報を受信するための位置情報受信装置(303)を備え、
前記制御機には、前記管理室親機の前記位置情報受信装置にて受信された位置情報をもとに三次元位置情報を表示するための表示部(400)と、前記表示部に表示された三次元位置情報をもとに当該管理室親機を選択し、前記個別の管理室番号を設定するための操作部(401)とを備えたことを特徴とする集合住宅インターホンシステム。
【請求項4】
前記制御機には、前記3個以上の位置情報発信局との間で通信を行い、当該制御機の位置情報を受信するための位置情報受信装置(402)を備え、
前記制御機は、前記居室親機の前記位置情報受信装置にて受信された位置情報、前記集合玄関機の前記位置情報受信装置にて受信された位置情報、又は前記管理室親機の前記位置情報受信装置にて受信された位置情報と前記制御機の前記位置情報受信装置にて受信された位置情報との差分をとり差分値を算出し、前記居室親機、前記集合玄関機親機又は前記管理室親機の前記制御機からの三次元位置を求めることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち何れか1項記載の集合住宅インターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−33615(P2009−33615A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−197309(P2007−197309)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】