説明

集塵装置及び集塵システム

【課題】集塵するフィルタを自動再生できると共に、集塵した塵埃を回収する際、集塵作業を停止せずに塵埃を回収できる、空気中の塵埃を集塵する技術を提供することを課題とする。
【解決手段】集塵システム400は、集塵装置100と、第二の集塵装置200と、バイパスダクト300と、を備え、集塵装置100は、回転ドラム10と、捕集した塵埃を除去するエア噴出管20と、回転ドラム10を駆動するモータ40と、モータ40に接続される減速機41と、回転ドラム10を回転可能に支持すると共に動力を伝達するローラ30、副ローラ30aと、回転ドラム10より若干大きく形成され回転ドラム10を内包する箱型のケーシング120と、捕集後の空気が流通し第二の集塵装置200に連通するチャンバ150、151と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の塵埃を捕集して空気を浄化するとともに、塵埃を捕集するフィルタ部は自動再生する集塵技術に関する。
【背景技術】
【0002】
空気や水等の被処理物をフィルタを用いて浄化することが様々な分野において行われている。例えば化学繊維生産設備から発生する排気は、繊維状や粉末状の塵埃を含んでいる。また、これらの排気は、若干のオイルミストを含むこともある。そして、このような排気中の塵埃を集塵する技術として、サイクロン式集塵装置やオートロールフィルタ式集塵装置が知られている。
【0003】
集塵装置の一般的な課題として、フィルタ交換のランニングコストが懸念されている。また、フィルタの交換や集塵した塵埃を回収する際、集塵装置を停止することが必要とされ、作業効率の低下が懸念されていた。このような課題を解決するため、様々な研究が日々行われている。例えば、特許文献1に記載の技術は、円筒形のフィルタを複数併設して吊り下げ、塵埃を捕集した後にこの円筒形フィルタに振動を与えて捕集した塵埃を振り落として集塵するものである。この技術によれば、塵埃を捕集することが可能であると共に、集塵する塵埃の回収は、集塵装置を停止することなく行うことができる。また、例えば、特許文献2に記載の技術は、水圧を利用してスクリーンの目詰まりを解消する。これにより、スクリーンが目詰まりした場合、目詰まりしたスクリーンを濾過を中断することなく洗浄することができる。
【特許文献1】特開2002−361020号公報
【特許文献2】特開2004−66152号公報
【特許文献3】特開平8−299686号公報
【特許文献4】特開平11−223201号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来の集塵装置の問題として、フィルタ交換により生ずるランニングコストの低減、フィルタ交換や集塵した塵埃を回収する際の装置停止による、作業効率の低下が懸念されている。また、振動を与えて捕集した塵埃を振り落とす技術は、集塵装置を停止することなく集塵した塵埃を回収することができる。しかし、フィルタの目詰まりを解消することはできない。また、水圧を利用してスクリーンを洗浄する技術は、目詰まりを解消することができる。しかし、水圧洗浄によるフィルタの再生方法は、排水処理設備を別途必要とするといった問題を生ずる。
【0005】
本発明では、上記の問題に鑑み、空気中の塵埃を捕集するフィルタを自動再生できると共に、捕集した塵埃を回収する際、集塵作業を停止せずに塵埃を回収できる集塵技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。すなわち、本発明に係る集塵装置は、駆動源と、前記駆動源の動力により回転可能であって、回転軸周りの周壁面の外側から流入する空気中の塵埃を捕集するフィルタ部と、該フィルタ部の内側に捕集後の空気が流通する中空部とを有する回転ドラムと、前記回転ドラムの周壁面の内側近傍に配置され、該回転ドラムの内側から外側に向けて前記回転ドラムの回転と共にエアを噴出するエア噴出手段と、を備える。
【0007】
本発明によれば、空気中の塵埃を集塵することができる。また、集塵するフィルタ部を、自動再生することができる。その結果、フィルタ部の交換、フィルタ部の廃棄の必要がなく、コストの削減を図ることができる。また、本発明によれば、集塵作業を停止することなく塵埃を回収することができる。その結果、作業効率を向上することができる。
【0008】
フィルタ部は、回転ドラムの外側から流入する空気中の塵埃を捕集する。塵埃が捕集された後の空気は、中空部を流通する。すなわち、塵埃を含む空気は、回転ドラムのフィルタ部を通過することで浄化される。そして、浄化された空気は、回転ドラムの中空部を流通して外部に排出される。回転ドラムは、回転軸が水平になるように配置することが好ましい。フィルタ部は、円筒形の周壁面に溶接金網(ワイヤメッシュ)を貼り付けることで形成することができる。ワイヤメッシュの目開きは、集塵する塵埃に基づいて設計することが好ましい。なお、塵埃を捕集する空気、すなわち被処理空気は、回転ドラムの周壁面の外側の一方向から当てることが好ましい。これにより、被処理空気を効率よくフィルタ部を通過させ、回転ドラムの中空部に進入させることができる。また、回転ドラムは、回転軸方向の両端部に中空部に侵入した捕集後の空気を外部へ排出するための回転ドラム排出部を有する構成とすることが好ましい。これにより、中空部に進入した捕集後の空気を外部へ排出することができる。なお、回転ドラムの大きさは限定されない。但し、被処理空気の接触面積よりも大きめに設計することが好ましい。
【0009】
エア噴出手段は、フィルタ部の外側で捕集した塵埃を空気圧により除去する。これにより、フィルタ部の目詰まりを解消することができる。その結果、本発明のフィルタ部は、交換及び廃棄する必要がなくなる。したがって、ランニングコストを低減することができる。なお、エアの噴出は、前記回転ドラムの回転と共に行われる。エアの噴出は、回転ドラムの回転させながら行うことが好ましい。また、エアの噴出は、回転ドラムを回転させてエアを当てるフィルタ部の位置を変化させ、一旦停止後に行ってもよい。除去した塵埃は、回転ドラムの外側に向けて落とされる。したがって、集塵装置を停止することなく捕集した塵埃を回収することができる。エア噴出手段は、回転ドラムの下部周壁面の内側に配置する。エア噴出手段は、回転ドラムの周壁面の内側近傍に配置する。また、エア噴出手段は、回転ドラムの回転軸のほぼ真下であって、回転軸に沿うように直線状に配置することが好ましい。そして、エア噴出手段は、下部に複数の噴出孔が形成された管により形成することが好ましい。このような、エア噴出手段によれば、効果的にフィルタ部の外側で捕集した塵埃を除去することができる。
【0010】
駆動源は、伝達機構に動力を伝達する。伝達機構は、駆動源より伝達された動力を回転ドラムに伝達する。回転ドラムは、駆動源より伝達された動力により回転する。回転ドラムは、回転することで塵埃を捕集するフィルタ部の位置及びエア噴出手段によりエアが吹き付けられるフィルタ部の位置を変更することができる。駆動源には、モータが例示される。伝達機構には、チェーン、ベルト、歯車等が例示される。これらを組み合わせることで駆動源の動力は、回転ドラムに伝達される。
【0011】
また、本発明に係る集塵装置において、前記フィルタ部により塵埃を捕集される空気は、前記回転ドラムの周壁面より前記中空部内に流入し、前記中空部内に流入した空気は、中空部の両端部より外部へ排出され、前記エア噴出手段により噴出されるエアは、下向きに噴出される、とすることができる。これにより、本発明に係る集塵装置は、効果的に塵埃を捕集し、また捕集した塵埃を集塵することができる。
【0012】
また、本発明に係る集塵装置は、上記に加えて前記回転ドラムを内包するケーシングを備える構成とすることができる。ケーシングを備えることで、本発明に係る集塵装置は、塵埃の捕集を効果的に行うことができる。ケーシングは、捕集前の空気が流入する流入部
と、捕集後の空気を流出する流出部と、前記エア噴出手段により除去された塵埃を排出する排出部と、を有する構成とすることができる。流入部は、例えばダクトを介して供給される被処理空気をケーシング内に受け入れる。上述したように、被処理空気は、回転ドラムの周壁面の外側の一方向からを当てることが好ましい。したがって、例えばケーシングは、回転ドラムを内包できる大きさの箱体とする。そして、流入部は、ケーシングの側面、すなわち回転ドラムの軸と平行する一方の垂直面に形成することが好ましい。流出部は、塵埃が捕集された後の空気をケーシングの外部へ放出する。そして、流出部は、回転ドラムの端部近傍であって、回転ドラムの軸と直角の垂直面に形成することが好ましい。排出部は、エア噴出手段により除去した塵埃を外部へ排出する。排出部は、エア噴出手段の下に形成することが好ましい。エア噴出手段のエアの噴出方向は、下向きにすることが好ましい。そして、排出部は、この噴出手段の下にこの噴出手段と平面視においてほぼ同形同寸法の例えば細長状に形成することが好ましい。これにより、捕集後の塵埃は、効果的にケーシングの外部に排出される。
【0013】
また、本発明に係る集塵装置は、前記回転ドラムの下方に配置され、前記エア噴出手段により除去された塵埃を収容する引き出し可能なダストボックスを更に備える構成としてもよい。
【0014】
ダストボックスは、エア噴出手段により除去された塵埃を収容する。ダストボックスは、上部が開放された箱型形状とすることができる。また、ダストボックスは、下部にローラ等を設けることが好ましい。これにより、ダストボックスは、回転ドラムの下部から引き出すことができる。
【0015】
また、本発明に係る集塵装置は、前記ドラムの下部に配置され、前記エア噴出手段により除去された塵埃を前記ダストボックスに導く斜面を有する塵埃受部を更に備え、前記ダストボックスは、収容した塵埃が上部より逆流して外部へ放出するのを防止する邪魔板を有するものとしてもよい。
【0016】
塵埃受部は、前記エア噴出手段により除去された塵埃を前記ダストボックスに導く。すなわち、エア噴出手段により除去された塵埃は、フィルタ部から離脱して落下する。落下した塵埃は、塵埃受部の斜面に沿ってダストボックスに導かれる。したがって、塵埃受部の形状は、効率よくダストボックスに導くことが可能な形状であることが好ましい。例えば、塵埃受部は、2枚の板状部材を所定の角度で回転軸方向の断面を逆ハの字となるように配置し、下部に開口部を形成する。このようにすることで、落下した塵埃は、ダストボックスの中央に効率よく導かれる。
【0017】
邪魔板は、収容した塵埃が上部より逆流して外部へ放出されるのを防止する。邪魔板は、例えば回転軸方向の断面を山形とする。そして、頂上を形成する直線は、塵埃受部の開口部に沿うように形成する。これにより、塵埃受部の開口部より落下してきた塵埃は、塵埃受部に一旦当たってからダストボックスへ収容される。したがって、塵埃の落下速度は、低減される。また、塵埃受部は、ダストボックスの底部に落下した塵埃が跳ね返って上部より外部へ放出するのを防止する。
【0018】
また、本発明に係る集塵装置は、前記エア噴出手段により除去された塵埃が前記ダストボックスへ収容されるのを制限する遮断部を更に備える構成としてもよい。
【0019】
遮断部を備えることで、本発明に係る集塵装置は、ダストボックスに収容された塵埃を回収する場合においても、運転を継続することができる。具体的には、遮断部は、ダストボックスへの供給路を遮断する。これにより、前記エア噴出手段により除去された塵埃の前記ダストボックスへの収容は、一時的に制限される。その結果、本発明に係る集塵装置
は、塵埃を回収する場合においても、運転を継続することができる。遮断部は、スライド式又は開閉式とすることができる。
【0020】
また、本発明に係る集塵装置において、前記伝達機構は、駆動源側の伝達機構と、回転ドラム側の伝達機構と、を有し、前記駆動源側の伝達機構は、前記回転ドラムを周壁面上で回転可能に支持するローラを有し、前記回転ドラム側の伝達機構は、該回転ドラムの周壁面に形成され、前記ローラと接触するレールとしてもよい。
【0021】
ローラは、前記回転ドラムを周壁面上で回転可能に支持する。すなわち、ローラは、駆動源の動力を回転ドラムに伝達すると共に回転ドラムを支持する。駆動源側の伝達機構は、ローラ以外にチェーンやギヤを有する構成とすることができる。これらを組み合わせることで、駆動源からの動力をローラへ伝達することができる。また、例えばローラは、スプロケットとすることもできる。この場合、回転ドラム側の伝達機構は、スプロケットと噛み合わせることができるチェーンにより形成することが好ましい。そして、チェーンは、回転ドラムの周壁上に環状に配置する。これにより、動力をより確実に回転ドラムに伝達することができる。
【0022】
また、本発明に係る集塵装置は、前記フィルタ部の目詰まり状態を検知するフィルタ部検知手段と、前記フィルタ部検知手段の検知結果に基づいて、前記フィルタ部が目詰まり状態であると判断した場合には、前記エア噴出手段によりエアを噴出させながら前記回転ドラムを回転させるフィルタ部自動再生制御部と、を更に備える構成とすることができる。
【0023】
フィルタ検知手段は、フィルタ部の目詰まり状態を検知する。フィルタ部検知手段は、例えばフィルタ部の目詰まり状態を検知するセンサである。フィルタ部自動再生制御部は、フィルタ部検知手段の検知結果に基づいて回転ドラムの回転を制御する。より具体的には、フィルタ部自動再生制御部は、前記フィルタ部が目詰まり状態であると判断した場合には、前記エア噴出手段によりエアを噴出させながら回転ドラムを回転させる。これにより、本発明に係る集塵装置は、必要な時だけ回転ドラムを回転させることができる。その結果、エネルギーコストを削減することができる。また、フィルタ部自動再生制御部は、エア噴出手段により噴出されるエアの流量やエアの温度等をフィルタ部の目詰まり状態に応じて制御することもできる。回転ドラム及びエア噴出手段から噴出するエアの量等を制御することで、エネルギーコストは、より削減することができる。
【0024】
また、本発明は、上述した集塵装置と、前記集塵装置を補完する第二のフィルタ部を有する第二の集塵装置と、前記集塵装置に流入する前の空気を前記第二集塵装置に引き込み可能なバイパスダクトと、を備える集塵システムである。
【0025】
本発明は、上述した集塵装置とこの集塵装置を補完する第二の集塵装置を備える。第二の集塵装置は、空気中の塵埃を捕集する第二のフィルタ部を有する。第二のフィルタ部は、例えばロールフィルタとすることができる。これにより、第二の捕集装置は、上述した集塵装置で捕集しきれなかった空気中の塵埃を捕集することができる。その結果、集塵後の空気は、より浄化率の高いものとすることができる。バイパスダクトは、集塵装置に流入する前の空気を第二の集塵装置に引き込むことができる。これにより、集塵装置のメンテナンス時や集塵装置に不具合が発生した場合、空気中の塵埃は、第二の集塵装置により捕集することができる。すなわち、本発明に係る集塵システムによれば、集塵作業を中断する事態は、回避することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、集塵装置は、空気中の塵埃を集塵する。また、集塵に用いるフィルタ
は、自動再生することができる。その結果、フィルタ交換等のランニングコストを削減することができる。また、集塵した塵埃を回収する際、集塵作業を停止することなく集塵を回収することができる。すなわち、集塵作業の効率をより向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明に係る集塵装置の実施形態について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0028】
〈構成〉
図1は、第1の実施形態に係る集塵装置100を備える集塵システム400の構成を示す側面図である。図2は、第1の実施形態に係る集塵装置100を備える集塵システム400の構成を示す平面図である。図3は、第1の実施形態に係る集塵装置100の第二の集塵装置200との接続面を示す図である。なお、本実施形態では、化学繊維生産設備より発生した繊維状及び粉末状の塵埃を捕集する場合について説明する。なお、この塵埃には若干のオイルミストも含まれている。集塵システム400は、集塵装置100と、第二の集塵装置200と、バイパスダクト300と、を備える。集塵装置100は、化学繊維生産設備より発生した排気中の塵埃を捕集し、これを集塵する。第二の集塵装置200は、原則として集塵装置100で集塵しきれなかった塵埃を捕集する。バイパスダクト300は、集塵装置100で集塵する前の排気を直接第二の集塵装置200に導く。
【0029】
集塵装置100は、回転ドラム10と、捕集した塵埃を除去するエア噴出管20と、回転ドラム10を駆動するモータ40と、モータ40に接続される減速機41と、回転ドラム10を回転可能に支持すると共に動力を伝達するローラ30と、回転ドラム10を回転可能に支持する副ローラ30aと、回転ドラム10より若干大きく形成され回転ドラム10を内包する箱型のケーシング120と、捕集後の排気が流通し第二の集塵装置200に連通するチャンバ150、151と、を備える。
【0030】
ケーシング120は、第二の集塵装置200とは反対側の垂直面に排気が流入する流入部121を有する。流入部121は、回転ドラム10の軸と略平行に形成されている。なお、流入部121の開口部の大きさは、回転ドラム10の直径及び回転軸長さを超えないように設計することが好ましい。すなわち、流入部121の開口部の大きさは、その高さを回転ドラム10の高さより若干小さくし、その幅を回転ドラム10の軸長さより若干小さくすることが好ましい。これにより、排気は、効率よく回転ドラム10の外周面に接触する。また、流入部121は、排気の流入方向を誘導する流入ガイドを有する。これにより、排気は、より的確に回転ドラム10に接触する。また、本実施形態に係る流入部121は、開閉自在なシャッタを有する。これにより、流入部121は、排気の流入を必要に応じて遮断することができる。
【0031】
ケーシング120は、回転ドラム10の回転軸方向の両端部と近接する両面に捕集後の排気を流出する流出部122、123を有する。流出部122、123は、少なくとも回転ドラム10の中空部18の内径よりも大きくすることが好ましい。これにより、捕集後の排気は、効率よく外部、すなわちチャンバ150、151へ流出する。なお、集塵装置100は、チャンバ150、151の外側の側面に点検扉170、171を有する。これにより、使用者は、チャンバ150、151の内部を確認することができる。
【0032】
回転ドラム10は、回転軸が水平になるようにケーシング120内に配置する。また、回転ドラム10は、周壁面に点検パネル19を有する。これにより、使用者は、回転ドラム10の内部を確認することができる。図4は、回転ドラム10の端部を示す図である。すなわち、回転ドラム10を側方から見ると、内部に形成される中空部18と、リング状のフランジ16が目視できる。つまり回転ドラム10の両端部は、リング状のフランジ1
6を除き連通している。図5は、回転ドラム10の側面を示す図である。図5に示すように、回転ドラム10は、円筒形の枠体11と、円筒形の枠体を補強するワイヤメッシュ12と、ワイヤメッシュ12に貼り付けられたワイヤメッシュフィルタ13とを有する。枠体11、ワイヤメッシュ12及びワイヤメッシュフィルタ13は、ステンレス製とした。また、ワイヤメッシュ12のメッシュは、目開きを50mm×50mmとした。また、ワイヤメッシュフィルタ13は、50メッシュ、すなわち目開きを0.40mm程度のものを使用した。ワイメッシュフィルタ13は、化学繊維生産設備より排気される排気中の塵埃を集塵する。回転ドラム10は、両端部にフランジ16を有し、フランジ16の内側には、ローラ30、副ローラ30aと接触するレール15が形成されている。レール15は、ローラ30、副ローラ30aにより回転可能に支持される。また、フランジ16は、回転ドラム10の軸方向の移動を抑制する。また、回転ドラム10には、中空部18内の捕集後の排気を外部へ流出させるための流出ガイドを設けてもよい。これにより、効率よく捕集後の排気を外部へ流出させることができる。
【0033】
集塵装置100の説明に戻る。チャンバ150、151は、第二の集塵装置200と接続される側の面に排気を第二の集塵装置に送る第二の流出部130、131を有する。第二の流出部130、131は、開閉自在なシャッタを有する。これにより、第二の流出部130、131は、排気の流出を必要に応じて遮断することができる。また、チャンバ150内には、モータ40、減速機41、エア噴出管20と連通しエアを供給するエア管72、73が配置されている。
【0034】
図6は、モータ40、減速機41、エア管71〜73の詳細を示す図である。モータ40及び減速機41は、架台45の上面に設置されている。モータ40及び減速機41は、回転軸の端部にスプロケットを有する(図示せず)。そして、モータ40と減速機41は、このスプロケットを介してチェーン42で接続されている。また、ローラ30を貫通する駆動シャフト31は、端部にスプロケット44を有する。そして、減速機41と駆動シャフト31は、このスプロケット44を介してチェーン43により接続されている。以上の構成により、モータ40の動力は、ローラ30を介して回転ドラム10に伝達される。その結果、回転ドラム10は、回転する。なお、本実施形態において、モータ10は、インバータ制御可能とし、また手動設定とした。これにより、使用者は、塵埃の量、塵埃の質、エア噴出管から噴出するエアの量、に対応させて操作することができる。また、チェーンは、駆動ベルトとしてもよい。また、本実施形態においては、モータ10の駆動は、手動設定とした。しかし、これに限定されるわけではない。モータ10は、タイマ、センサによる制御により駆動させてもよい。
【0035】
エア管71〜73は、コンプレッサ(図示せず)から供給されるエアをエア噴出管20に供給する。エア管72、73は、エルボ部、直線部を組み合わせて構成する。エア噴出管20の詳細は、後述する。
【0036】
図7は、回転ドラム10の下部を示す拡大図である。ローラ30は、駆動シャフト31に伝達された動力を回転ドラム10の周壁面のレール15に伝達する。なお、本実施形態においては、回転ドラム10は、4つのローラにより回転可能に支持されている(図2参照)。4つのローラのうち、集塵装置200側のローラ30は、モータ40の動力を伝達する。そして、集塵装置200と反対側の副ローラ30aは、単に回転ドラム10を回転可能に支持する。なお、ローラ30、副ローラ30aは、支持部材32により支持される。
【0037】
図8は、エア噴出管20を示す図である。エア噴出管20は、エアを回転ドラムの内側から外側に向けて噴出する。エア噴出管20は、回転ドラムの内側の下部に配置されている。エア噴出管20は、回転ドラム10の回転軸に沿うように、回転軸のほぼ真下に配置
する。また、エア噴出管20は、所定の間隔で直線状に複数形成されエアを噴出するエア噴出孔21を有する。エア噴出管20は、回転ドラム10の回転軸長さとほぼ同じ長さとする。これにより、エア噴出孔21から噴出するエアは、ワイヤメッシュフィルタ13の端部まで行き渡る。その結果、エア噴出孔21から噴出するエアは、ワイヤメッシュフィルタ13に付着した塵埃を除去する。
【0038】
エア噴出管20は、両端部にエルボ部が接続されている。エルボ部は、エアの流通方向を変更すると共にエア管70、71に対するエア噴出管20の高さ位置を調整する。なお、本実施形態において、噴出孔21の直径は、3mmとした。また、噴出孔21の間隔は、10mmとした。また、エア噴出管20は、ステンレス製とした。但し、エア噴出管20は、上記に限定されるわけではない。特に、噴出孔21の直径及び噴出孔21の間隔は、塵埃の量、塵埃の質等に基づいて設計すればよい。エア噴出管20に流入させるエアは、高温高圧であることが好ましい。高温高圧のエアは、より効果的に回転ドラム10のワイヤメッシュフィルタ13の外型に付着した塵埃を吹き飛ばす。吹き飛ばされた塵埃は、落下して塵埃受部60を介してダストボックス50に収容される。
【0039】
図9は、塵埃受部60及びダストボックス50を示す断面図である。塵埃受部60は、エア噴出孔21から噴出するエアにより除去される塵埃をダストボックス50に導く。塵埃受部60は、漏斗状とすることができる。本実施形態では、塵埃受部60は、漏斗として機能するように2枚の平板61により構成した。平板61は、落下する塵埃をダストボックス50の中心に導く所定の角度をもって配置されている。そして、塵埃受部60は、エア噴出管20のほぼ真下部分に開口部62を有している。開口部62は、エア噴出管20に沿って細長の長方形である。これにより、エア噴出孔21から噴出するエアにより吹き飛ばされる塵埃は、ダストボックス50に収容される。また、本実施形態に係る集塵装置100は、開口部62の開閉を可能とする水平シャッタ80を有する。水平シャッタ80は、開口部62を遮断することができる。すなわち、塵埃が開口部62より下に落下することを防止することができる。その結果、ダストボックス50に収容された塵埃を回収する場合においても集塵装置100の運転を継続することができる。
【0040】
水平シャッタ80は、把持部81と、把持部81が接続される垂直蓋板82と、垂直蓋板82に接続され開口部62を遮断する塞ぎ板84とにより構成する。塞ぎ板84は、開口部62より若干大きく形成することが好ましい。なお、図10は、水平シャッタ80を示す断面図である。開口部62は、下端に水平シャッタ80の塞ぎ板84を水平方向に摺動自在に保持する上部レール及び下部レールからなる水平シャッタ保持レール63を有する。水平シャッタ保持レール63の下部は、入り口付近においてテーパ部を有している。これにより、水平シャッタ80の塞ぎ板84の挿入が容易となる。なお、本実施形態においては、保持レール63を形成したがこれに限定されるわけではない。開口部62とダストボックス50の開口上端との間に板状体すなわち塞ぎ板84を挿入可能な隙間が形成されていればよい。
【0041】
ダストボックス50は、エア噴出孔21より噴出するエアにより除去される塵埃を収容する。図11は、ダストボックス50の上面図である。図12は、ダストボックス50の側面図である。ダストボックス50は、箱型形状である。ダストボックス50は、下部に複数のローラ52を有している。これにより、ダストボックス50は、回転ドラム10の下部から自由に引き出すことができる。また、本実施形態に係る集塵装置100は、ダストボックス50の下部にレール56を有する。レール56は、ダストボックス50のローラ52を誘導する。これにより、ダストボックス50は、出し入れが容易となる。
【0042】
ダストボックス50は、回転軸方向の一方の端部に把持部53を有する。この把持部53は、チャンバ151側に形成されている。また、ダストボックス50は、他方の端部に
戸当たり54を有している。戸当たり54は、ダストボックス50を出し入れする際の衝撃を吸収する。更に、ダストボックス50は、中央で分割可能な連結部55を有している。すなわち、ダストボックス50は、長手方向の中央付近で2つに分離可能である。なお、ダストボックス50は、必要に応じて更に複数に分割可能としてもよい。分割可能とすることで、ダストボックス50は、狭い場所でも容易に引き出すことが可能となる。
【0043】
ダストボックス50は、上部に収容した塵埃が上部より逆流して外部へ放出するのを防止する邪魔板51を有する。邪魔板51は、2枚の板部材を断面が山型となるように接続して形成した。なお、邪魔板51の頂部51aは、エア噴出管20のほぼ真下、換言すると開口部62に沿うようにダストボックス50の中心に配置することが好ましい。これにより、落下した塵埃は、まず邪魔板の上面に接触して落下速度が低減する。そして、頂部51aを基準として左右に振り分けられた塵埃は、ダストボックス50の側板で跳ね返って中央に向かい、その後上に向かって外部へ流出しようとする。中央付近で外部へ流出しようとする上向きの流れを有する塵埃は、邪魔板51の下面に邪魔されて外部への流出が抑制される。
【0044】
次に、第二の集塵装置200について説明する。第二の集塵装置200は、集塵装置100で捕集できなかった塵埃を捕集する。また、第二の塵埃装置200は、集塵装置100のメンテナンス時や集塵装置に不具合が発生した場合、バイパスダクト300により排気を直接引き込み、塵埃を捕集することができる。図1、図2に示すように、第二の集塵装置200は、ロールフィルタ210と、ロールフィルタ210を内包する第二のケーシング220を有する。ロールフィルタ210は、排気中の塵埃を捕集する。ロールフィルタ210は、第二のケーシング220の幅及び高さ一杯にフィルタ面が略垂直であって、第一の集塵装置100から流入する排気に含まれる塵埃を捕集できるよう、排気の流れの方向と直交するように配置することが好ましい。本実施形態においては、ロールフィルタ210は、垂直であって集塵装置100と接続される面とほぼ平行になるように配置した。なお、第二のケーシング220は、その幅が集塵装置100の回転軸方向の長さと同じ大きさで形成されている。
【0045】
第二のケーシング220は、集塵装置100と接続される面の両端部にチャンバ150、151から集塵後の排気を流入するための第二の流入部230、231を有している。第二の流入部230、231は、チャンバ150、151の第二の流出部130、131と同じ大きさで形成されている。また、第二のケーシングは、上面にバイパスダクト接続部280を有している。バイパスダクト接続部280は、ロールフィルタ210のフィルタ面より集塵装置100側に設けられている。また、バイパスダクト接続部280は、開閉自在なシャッタを有する。これにより、排気の流入を必要に応じて遮断することができる。
【0046】
第二のケーシング220は、第二の流入部の反対側の面に集塵後の排気を流出する第三の流出部232を有する。第三の流出部232は、ダクト250の一端が接続される。ダクト250は、他端に送風機240が接続される。送風機240は、集塵完了後の浄化された排気を外部へ送風する。また、第二のケーシング220は、ロールフィルタ210のフィルタ面と直交する側面に点検扉270、271を有する。点検扉270は、ロールフィルタ210のフィルタ面を基準として集塵装置側に配置される。一方、点検扉271は、ロールフィルタ210のフィルタ面を基準として送風機240側に配置される。これらの点検扉270、271を有することで、第二の集塵装置200使用者は、集塵前及び集塵後の第二のケーシング220の内部の状態を確認することができる。
【0047】
バイパスダクト300は、後述する接続部91等のシャッタを操作することで集塵装置100で塵埃を捕集する前の排気を直接第二の集塵装置200に誘導することができる。
バイパスダクト300は、集塵装置100及び第二の集塵装置200の上部に配置する。バイパスダクト300の入口部310は、集塵装置100の手前のチャンバ90の上部のバイパスダクト接続部91に接続される。一方、バイパスダクト300の出口部320は、第二のケーシング220の上部のバイパスダクト接続部280に接続されている。なお、排気の流路は、本実施形態においては、集塵装置100の流入部121と第二の集塵装置200のバイパスダクト接続部280のシャッタを開閉することで切り替えることができる。具体的には、接続部91のシャッタを遮断し、接続部280のシャッタを開放することで、バイパスダクト300は、集塵装置100で塵埃を捕集する前の排気を直接第二の集塵装置200に誘導することができる。
【0048】
以上説明したように、第一の実施形態に係る集塵システム400は、化学繊維生産設備より排気される排気中の繊維及び粉末状の塵埃を捕集することができる。その結果、排気を浄化することができる。より具体的には、集塵装置100は、排気中の塵埃を集塵する。また、集塵装置100は、エア噴出管20を有する。これにより、集塵装置100は、ワイヤメッシュフィルタ13を自動再生することができる。その結果、フィルタ交換等のランニングコストを削減することができる。また、集塵装置100は、塵埃受部60及びダストボックス50を有する。これにより、集塵システム400は、集塵した塵埃を回収する際であっても、集塵作業を継続することができる。すなわち、集塵作業の効率をより向上させることができる。また、集塵システム400は、第二の集塵装置200及びバイパスダクト300を備える。第二の集塵装置200は、集塵装置100で捕集できなかった塵埃を捕集する。また、第二の集塵装置200は、集塵システム400は、集塵装置100のメンテナンス時や集塵装置に不具合が発生した場合、バイパスダクト300により排気を直接引き込み、塵埃を捕集する。
【0049】
<動作>
次に第一の実施形態に係る集塵システム400の動作について、図面に基づいて説明する。図13は、第一の実施形態に係る集塵システム400の概略構成を示す平面図である。図14は、第一の実施形態に係る集塵システム400の概略構成を示す断面図である。図13、図14に示すように、まず化学繊維生産設備からの排気は、集塵装置100に流入する。集塵装置100に流入した排気は、回転ドラム10の周壁面に形成されたワイヤメッシュフィルタ13を通過する。その結果、排気中の塵埃は、油分も含めてワイヤメッシュフィルタ13で捕集される。捕集後の排気は、回転ドラム10の中空部18の両端部から排出される。そして、捕集後の排気は、集塵装置200へ流入する。集塵装置200へ流入した捕集後の排気は、ロールフィルタ210を通過する。その結果、集塵装置100で捕集されなかった塵埃は、ロールフィルタ210で捕集される。そして、第二の集塵装置により更に浄化された排気は、その後外部へ排出される。
【0050】
なお、ワイヤメッシュフィルタ13の自動再生は、以下のように行われる。排気中の塵埃は、油分も含めてワイヤメッシュフィルタ13で捕集される。すなわち、排気中の塵埃は、ワイヤメッシュフィルタ13の外側に付着する。ここで、高温高圧エアをエア噴出管20に供給する。供給された高温高圧エアは、エア噴出孔21より噴出され、ワイヤメッシュフィルタ13に付着した塵埃を油分も含めて吹き落とす。高温高圧エアを噴出する際、回転ドラム10は、回転させる。これにより、高温高圧エアは、ワイヤメッシュフィルタ13に付着した塵埃を順次除去する。吹き落とされた塵埃は、回転ドラム10の下部に設置されたダストボックス50に収容される。ダストボックス50に収容された塵埃は、その後廃棄する。
【0051】
<性能試験>
次に第一の実施形態に係る集塵システム400について行った性能試験について説明する。図15は、試験性能を行った試験装置の全体構成を示す図である。図16は、試験性
能を行った試験装置の構成の詳細を示す図である。本試験は、既存の排気処理装置及びロールフィルタからなる既存の排気処理システム500に集塵集塵装置100及び第二の集塵装置200を接続して行った。すなわち、本試験は、既存の排気処理システムから集塵装置100に排気を直接取り込み、取り込んだ排気を集塵装置100及び第二の集塵装置200で処理した。そして、処理後の排気を評価用フィルタ600に通し、塵埃を捕集して性能を検証した。なお、本性能試験は、風量比1/50、給気風量800m3/h、回
転ドラム10は、1回転/5分(周速度は、4.2mm/sec)、ワイヤメッシュフィルタ13のメッシュサイズは、#50、#40、#30、エア噴出孔21から噴出するエアは、圧力1〜6kg/cm2、エアの温度は、常温、80℃、150℃、エア噴出孔2
1は、径3mmで10mm間隔として行った。また、ロールフィルタ210の集塵効率は、AIF85%、NBS60%、NBS90%で行った。AIFとは、質量法とよばれるもので、フィルタを供給した粉塵の質量とフィルタに捕集された粉塵の質量比で示すものである。また、NBSとは、比色法とよばれるもので、試験フィルタの前後より一定風量を試験用濾紙を通して吸引し、その濾紙の汚染度を比較して効率を表示するものである。
【0052】
以上の条件を組み合わせて、試験を行ったところ上記条件の範囲内においては全て良好な結果を得ることができた。具体的には、ロールフィルタ210の処理前、処理後の差圧を測定した。すなわち、所定時間、集塵処理装置100及び第二の集塵処理装置200を稼動させた後の目詰まり状態を測定した。稼働時間と差圧よりロールフィルタ210の交換頻度が集塵装置100を用いない場合に比べて大幅に延長されることが確認できた。また、評価用フィルタ600の処理前、処理後の差圧を測定した。これにより、集塵装置100及び第二の集塵装置200で処理した後の排気中の塵埃濃度が従来の排気処理システムで処理した場合と同等以上の結果を有していることを確認することができた。以上により、集塵装置100及び第二の集塵装置200は、十分に排気中の塵埃を捕集することができることが確認された。また、ワイヤメッシュフィルタ210は自動再生するので、集塵装置100は、フィルタを交換する必要がない。更に、集塵装置200のロールフィルタについても、従来に比べて大幅にフィルタの交換頻度が延長されることが確認できた。
【実施例2】
【0053】
次に、回転ドラム10の回転制御機能を有する、第2の実施形態に係る集塵装置101を備える集塵システム401について説明する。図17は、第2の実施形態に係る集塵システム401の概略構成を示す図である。なお、同一の構成要素については、同一符号を付すことでその詳細な説明を省略する。
【0054】
図17に示すように、第2の実施形態に係る集塵システム401は、集塵装置101と、第二の集塵装置200と、集塵装置101の回転ドラム10の回転を制御する制御部800と、を備える。そして、集塵装置101は、ワイヤメッシュフィルタ210の目詰まり状態を検知するセンサ900を有する。センサ900は、ワイヤメッシュフィルタ210の目詰まり状態を検知する。制御部800は、センサ900の検知結果に基づいてモータ10の回転を制御する。これにより、回転ドラム10は、必要な時だけ回転する。その結果、エネルギーコストを削減することができる。
【0055】
具体的には、制御部800に内蔵されたマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」という。)が以下の制御を実行する。図18は、集塵装置101の制御を示すフローである。より具体的には、制御部800が実行する回転ドラム10及びエア噴出管20から噴出するエアの制御を示すフローである。ステップS101では、センサ900は、ワイヤメッシュフィルタ210の目詰まり状態を検知する。ステップS102では、マイコンは、ステップS101で検知された目詰まり状態に基づいて差圧が一定以上であるか判断する。例えば、差圧が一定以上であるかの判断は、予め目詰まり状態となる基準値を決定しておき、この値を上回った時に、マイコンは、目詰まり状態であると判断することができる
。目詰まり状態であると判断した場合、マイコンは、回転ドラム10の回転及びエア噴出管20によるエアの噴出を実行する(ステップS103)。具体的には、マイコンは、モータ40を制御することでモータ10を駆動すると共にその回転数を制御する。これにより、制御部800は、回転ドラム10を制御することができる。また、これに連動させてエア噴出管20にエアを供給するコンプレッサを制御してエアの供給を開始する。なお、エア供給の制御は、弁を設けて弁の開閉により行ってもよい。一方、差圧が一定以上であると判断しなかった場合、再度ステップS101の処理を実行する。また、ステップS103の処理を実行後、マイコンは、再度ステップS102の処理を実行する。なお、モータ40の回転数、回転速度、エアの圧力、温度は、これらの組み合わせを目詰まり状態に応じて予めテーブル化してこれをメモリに格納してもよい。この場合、マイコンは、センサ900により検知した目詰まり状態に対応するモータ40の回転数等のデータをテーブルから読み出す。これにより、制御部800は、より効率のより制御を実行することができる。その結果、本実施形態にかかる集塵システム400は、エネルギーコストをより低減させることができる。
【0056】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係る集塵装置及び集塵システムはこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】集塵装置10を備える集塵システム400の構成を示す側面図である。
【図2】集塵装置10を備える集塵システム400の構成を示す平面図である。
【図3】集塵装置100の第二の集塵装置200との接続面を示す図である。
【図4】回転ドラム10の端部を示す図である。
【図5】回転ドラム10の側面を示す図である。
【図6】モータ40付近の詳細を示す図である。
【図7】回転ドラム10の下部を示す拡大図である。
【図8】エア噴出管20を示す図である。
【図9】塵埃受部80及びダストボックス50を示す断面図である。
【図10】水平シャッタ80を示す断面図である。
【図11】ダストボックス50の上面図である。
【図12】ダストボックス50の側面図である。
【図13】第一の実施形態に係る集塵システム400の概略構成を示す平面図である。
【図14】第一の実施形態に係る集塵システム400の概略構成を示す断面図である。
【図15】試験性能を行った試験装置の全体構成を示す図である。
【図16】試験性能を行った試験装置の構成の詳細を示す図である
【図17】第2の実施形態に係る集塵システム401の概略構成を示す図である。
【図18】集塵装置101の制御を示すフローである。
【符号の説明】
【0058】
10・・・回転ドラム
13・・・ワイヤメッシュフィルタ
18・・・中空部
19・・・点検パネル
20・・・エア噴出管
21・・・エア噴出孔
30・・・ローラ
31・・・駆動シャフト
40・・・モータ
41・・・減速機
50・・・ダストボックス
51・・・邪魔板
52・・・ローラ
60・・・塵埃受部
62・・・開口部
70、71、72、73・・・エア管
80・・・水平シャッタ
84・・・塞ぎ板
100、101・・・集塵装置
120・・・ケーシング
121・・・流入部
122、123・・・流出部
130、131・・・第二の流出部
150、151・・・チャンバ
200・・・第二の集塵装置
210・・・ロールフィルタ
220・・・第二のケーシング
230、231・・・第二の流入部
400、401・・・集塵システム
500・・・既存の排気処理システム
800・・・制御部
900・・・センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源と、
前記駆動源の動力により回転可能であって、回転軸周りの周壁面の外側から流入する空気中の塵埃を捕集するフィルタ部と、該フィルタ部の内側に捕集後の空気が流通する中空部とを有する回転ドラムと、
前記回転ドラムの周壁面の内側近傍に配置され、該回転ドラムの内側から外側に向けて前記回転ドラムの回転と共にエアを噴出するエア噴出手段と、を備える集塵装置。
【請求項2】
前記フィルタ部により塵埃を捕集される空気は、前記回転ドラムの周壁面より前記中空部内に流入し、
前記中空部内に流入した空気は、中空部の両端部より外部へ排出され、
前記エア噴出手段により噴出されるエアは、下向きに噴出される、請求項1に記載の集塵装置。
【請求項3】
前記回転ドラムの下方に配置され、前記エア噴出手段により除去された塵埃を収容する引き出し可能なダストボックスを更に備える、請求項1又は請求項2に記載の集塵装置。
【請求項4】
前記回転ドラムの下部に配置され、前記エア噴出手段により除去された塵埃を前記ダストボックスに導く斜面を有する塵埃受部を更に備え、
前記ダストボックスは、収容した塵埃が上部より逆流して外部へ放出するのを防止する邪魔板を有する、請求項3に記載の集塵装置。
【請求項5】
前記エア噴出手段により除去された塵埃が前記ダストボックスへ収容されるのを制限する遮断部を更に備える、請求項3又は請求項4に記載の集塵装置。
【請求項6】
駆動源の動力を伝達する、駆動源側の伝達機構と回転ドラム側の伝達機構とを更に備え、
前記駆動源側の伝達機構は、前記回転ドラムを周壁面上で回転可能に支持するローラを有し、
前記回転ドラム側の伝達機構は、該回転ドラムの周壁面に形成され、前記ローラと接触するレールである、請求項1から請求項5のいずれかに記載の集塵装置。
【請求項7】
前記フィルタ部の目詰まり状態を検知するフィルタ部検知手段と、
前記フィルタ部検知手段の検知結果に基づいて、前記フィルタ部が目詰まり状態であると判断した場合には、前記エア噴出手段によりエアを噴出させながら前記回転ドラムを回転させるフィルタ部自動再生制御部と、を更に備える請求項1から請求項6のいずれかに記載の集塵装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れかに記載の集塵装置と、
前記集塵装置を補完する第二のフィルタ部を有する第二の集塵装置と、
前記集塵装置に流入する前の空気を前記第二集塵装置に引き込み可能なバイパスダクトと、を備える集塵システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−268325(P2007−268325A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−93502(P2006−93502)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000169499)高砂熱学工業株式会社 (287)
【Fターム(参考)】