説明

集水装置

【課題】ろ層の逆洗時に供給される高圧の洗浄流体による破損を防止することができる集水装置を提供する。
【解決手段】集水装置は、複数のオリフィス27が形成された上壁11を有し、オリフィス27に連通する流路16,17が内部に形成された樹脂製の流路ブロック10と、流路ブロック10の上方に配置された多孔板24と、流路ブロック10と多孔板24との間に配置された空気注入装置30とを備える。空気注入装置30から供給される空気の上昇流によりろ層25が洗浄される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、懸濁物や微生物などの不純物を水から除去するためのろ過池またはろ過装置に使用される集水装置に関し、特にろ過された水を集めて他所に移送する集水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲用水は、様々な浄水プロセスを経て原水から作られる。ろ過プロセスは、浄水プロセスのうちの1つであり、ろ過池またはろ過装置(以下、これらを総称してろ過システムという)を用いて実施される。ろ過システムは、その内部にろ層(砂や活性炭などのろ材から構成される)を有しており、被処理水をろ層を通過させることで懸濁物や微生物などの不純物を取り除く。ろ過された水は、集水装置によって集められ、この集水装置を通って次の処理施設に移送される。通常、集水装置は、ろ過システムの下部に複数設置され、これら集水装置の上にろ層が載置される。
【0003】
ろ過により水から不純物を除去すると、その不純物はろ層に抑留され、ろ層内に堆積する。不純物の堆積が進むと、ろ過システムはそのろ過機能を十分に発揮できなくなる。そこで、集水装置の内部に空気や浄水を送り込んで、ろ層に抑留された不純物をろ材から剥離させてろ過システム外へ排出させるため、ろ層内を洗浄することが一般に行われている。
【0004】
ろ層を洗浄する方法としては、集水装置に浄水を逆流させてろ層を洗浄する水洗方式や、集水装置に空気を供給して気泡によりろ層を洗浄する空洗方式、両者を併用する空水洗方式が挙げられる。これら水洗方式、空洗方式、および空水洗方式は、総称して逆洗と呼ばれる。
【0005】
集水装置は、内部が上側流路と下側流路に別れる。逆洗時には、この下側流路に高圧の浄水または空気(以下、これらを総称して洗浄流体という)を流しこむ。洗浄流体は、下側流路と上側流路の間にある孔を通過し上側流路に流入する。上側流路は、集水装置の長手方向のばらつきを補正する役目を持つ。洗浄流体はさらに上側流路の上部にある多数のオリフィスからろ層に向かって流出し、ろ層を洗浄する。
【0006】
一般に、逆洗時の洗浄流体の流量はろ過時の流量よりもはるかに大きい。これは、ろ層全体を均一に洗浄するためである。しかしながら、逆洗を行った際、何らかの理由により内圧が設計値以上に上昇した場合に、集水装置が破損する危険性が生じる。特に洗浄流体が空気の時に注意が必要である。
【0007】
また、集水装置の重要な機能の一つは、ろ過及び逆洗の際に、ろ過システム全体に均一に流体を集水または分散させることである。均一性の観点からは、集水装置の長手方向における流路の圧力損失は低く、集水装置の上部から流出する際のオリフィスにおける圧力損失は高い方が好ましい。一方で集水装置全体の圧力損失は低い方が良いため、実用的には、集水装置の大きさや、集水装置の圧力損失を勘案して設計される。
【0008】
従来の集水装置は陶器製であり、金型等を用いた成形加工により製作される。したがって、1つの集水装置の大きさは、その製造に使用される金型の大きさに依存し、集水装置自体の幅や長さに制限があった。このため、ろ過池が大きくなるほど、多くの集水装置が必要となる。これら集水装置は、互いに直列に接続されるとともに、並列に並べてろ過池の底部に設置される。しかしながら、このように配列された集水装置には、次のような問題が生じている。
【0009】
第1に、直列に接続された集水装置の流路には多くの継ぎ目が形成され、これら継ぎ目が損失水頭を増加させてしまう。ここで、損失水頭とは、水が集水装置を通過する際に損失する水のエネルギーを水柱の高さで表わしたものをいう。水理学における連続の式(Q=A×v、ただし、Q:流量[m/s],A:断面積[m],v:流速[m/s])によれば、流量が一定の場合、断面積が小さくなれば流速は大きくなる。乱流の水では損失水頭は流速の二乗に比例して大きくなる。そのため、流速が大きいほど、損失水頭も大きくなり、その結果、流路長手方向の均一性は失われてしまう。したがって、損失水頭を小さくし、流れを均一にするためには集水装置の高さを高くして、流路の断面積を大きくする必要があった。しかしながら、ろ過池によっては、集水装置の高さに制限があり、そのような既設のろ過池に背の高い集水装置を設置することができなかった。
【0010】
第2に、並列に並べられた集水装置の間には、洗浄ができないデッドスペースが生じる。すなわち、隣接する集水装置の間に洗浄流体を流すことができないために、この位置にあるろ層が流動化せず洗浄することができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−209653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、ろ層の逆洗時に供給される高圧の洗浄流体による破損の危険性を防止することができる集水装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、集水装置の均一性を確保しつつ、かつ従来の集水装置よりも高さを低くすることができ、さらには、ろ層が流動化せずに洗浄ができないデッドスペースを極力減らすことができる集水装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した目的を達成するために、本発明の第1の態様は、複数のオリフィスが形成された上壁を有し、前記オリフィスに連通する流路が内部に形成された樹脂製の流路ブロックと、前記流路ブロックの上方に配置された多孔板と、前記流路ブロックと前記多孔板との間に配置された空気注入装置とを備えたことを特徴とする集水装置である。
【0014】
本発明の好ましい態様は、前記空気注入装置は、多孔管を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記空気注入装置は、散気管を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記流路ブロックは押し出し成形により製作されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の好ましい態様は、前記流路の粗度係数は、0.012以下であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記流路ブロックはポリ塩化ビニルから形成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、流速0.6m/minで逆洗時の前記流路ブロックの圧力損失を水頭で表すと200mm以下であり、かつ前記流路ブロックの高さが200mm以下であることを特徴とする。
【0016】
本発明の他の態様は、複数のオリフィスが形成された上壁を有し、前記オリフィスに連通する流路が内部に形成された樹脂製の流路ブロックと、前記流路ブロックの上方に配置された多孔板とを備え、前記流路ブロックは、押し出し成形により製作されていることを特徴とする集水装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、流路ブロックの上方に空気注入装置を配置することで、流路ブロックが破損する危険性を排除し、空気をろ層全体に均一に分散できる。さらに、流路ブロックを押し出し成形により製作することで、集水装置の高さを低く抑え、かつ、所望の長さおよび/または所望の幅を有する集水装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態である集水装置の横断面図である。
【図2】図1に示す空気注入装置を説明するための斜視図である。
【図3】空気注入装置の他の例を示す斜視図である。
【図4】集水装置の他の例を示す斜視図である。
【図5】図5(a)は、ろ過池の底部に設置された従来の集水装置を示す平面図であり、図5(b)は、ろ過池の底部に設置された本発明の実施形態に係る集水装置を示す平面図である。
【図6】水洗用の集水装置を示す横断面図である。
【図7】流路ブロックの圧力損失を測定する方法を説明する図である。
【図8】図8(a)は、従来の集水装置が設置されているろ過池を示す模式図であり、図8(b)は、底部に耐震補強が施されたろ過池を示す模式図であり、図8(c)は、本発明の実施形態に係る集水装置が設置されているろ過池を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る集水装置の実施形態について図1乃至図8を参照して説明する。なお、図1乃至図8において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態である集水装置の横断面図である。図1に示すように、集水装置は、内部に流路が形成された流路ブロック10と、流路ブロック10の上方に配置された多孔板24と、流路ブロック10と多孔板24との間に配置された空気注入装置30とを備えている。
【0021】
流路ブロック10は、上壁11と、上壁11に接続された一対の側壁12,12と、これら側壁12,12に接続された底壁13とから基本的に構成されている。これら上壁11、側壁12,12、および底壁13により、流路ブロック10の内部には水の流路が形成されている。さらに、流路ブロック10の内部には、2枚の側壁12,12の内面に接続された水平壁14と、この水平壁14に交差する2枚の鉛直壁19,19が設けられている。鉛直壁19,19は、上壁11の下面から底壁13の上面まで延びている。流路ブロック10内の流路は、水平壁14および鉛直壁19,19により下側流路16と上側流路17とに分割されている。
【0022】
上壁11の上面には、アタッチメント22が着脱可能に取り付けられている。アタッチメント22は上壁11の両端に位置しており、これらアタッチメント22により多孔板24が支持されている。アタッチメント22には、多孔板24の側部が嵌合する凹部22aが形成されている。多孔板24をこれら凹部22aにスライドさせることにより、多孔板24がアタッチメント22に支持される。多孔板24の上には砂や活性炭などのろ材が載置され、ろ層25を形成する。
【0023】
水平壁14には、複数の通孔26が形成されている。同様に、上壁11には、複数のオリフィス27が形成されている。オリフィス27は、水が通過する孔である。ろ層25でろ過された水は多孔板24を通過し、さらにオリフィス27および通孔26を通って下側流路16に流れ込む。ろ過された水は下側流路16を通って他所に移送される。
【0024】
上壁11と多孔板24との間には空間29が形成されており、この空間29には空気注入装置30が配置されている。この空気注入装置30には空気配管31が接続されており、この空気配管31は図示しない空気供給源に接続されている。空気注入装置30は多数の噴出口(図示せず)を有しており、これらの噴出口から空気が気泡として噴射される。気泡は多孔板24を通過し、さらに多孔板24上のろ層25を通過する。この気泡の上昇流によりろ層25が洗浄される。このように、ろ層25の逆洗浄用の高圧の空気は、下側流路16または上側流路17には供給されないので、高圧の空気による流路ブロック10の破損の危険性を排除することができる。
【0025】
図2は、図1に示す空気注入装置を説明するための斜視図であり、図3は、空気注入装置の他の例を示す斜視図である。図2および図3においては、多孔板24およびアタッチメント22の図示は省略されている。空気注入装置30は、主管30aと、この主管30aに接続された複数の枝管30bとを備えている。図2に示す例では、1本の主管30aに複数の枝管30bが接続されており、図3に示す例では、並列する2本の主管30aに複数の枝管30bがそれぞれ接続されている。各枝管30bには、上述した空気の噴出口が形成されている。図示しない空気源から空気配管31を通じて主管30aに供給された空気は、各枝管30bの噴出口から排出される。図2および図3に示す枝管30bは多孔管であるが、これに代えて多孔質な樹脂または陶器製で気体の分散効果をもつ散気管や散気板を用いることもできる。
【0026】
流路ブロック10は、その全体が一体に形成されている。より具体的には、押し出し成形法を用いて流路ブロック10が製作される。流路ブロック10の材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル(以下、PVCという)や、高密度ポリエチレン(以下、HDPEという)等の熱可塑性樹脂が挙げられる。特に、流路ブロック10の材料としてはPVCが好ましい。浄水プロセスでは、次亜塩素酸ナトリウムのような塩素系の薬品が使用される。PVCは塩素を含んだ化合物であるため、次亜塩素酸ナトリウムのような塩素系の薬品に対して、優れた耐性を有している。したがって、PVC製の流路ブロック10を用いることにより、集水装置の長寿命化を実現することができる。
【0027】
従来の集水装置の大きさは、その製造に使用される金型の大きさに依存する。一般的な集水装置の長さは1m前後である。これに対して、流路ブロック10は押し出し成形によって製造されるので、所望の長さの集水装置を製作することができる。例えば、集水装置(流路ブロック10)の長さは、1m〜9mの範囲内から選択することができる。9mよりも長い集水装置を製作することも可能であるが、集水装置の運搬上の制限から、実用上の上限値は9mとされる。
【0028】
さらに、押し出し成形によれば、図4に示すような、従来の集水装置よりも長くて、かつ幅の広い集水装置を製造することができる。従来の一般的な集水装置の幅は、約300mmである。これに対して、本実施形態に係る集水装置の幅は、例えば約600mmとすることができる。このような集水装置を使用することにより、ろ過池に設置すべき集水装置の数を減らすことができる。例えば、図5(a)に示すように、従来の集水装置を使用する場合では、3つの集水装置100を直列に接続し、さらに接続された3つの集水装置100からなるグループを4つ並列に並べる。これに対して、本実施形態によれば、図5(b)に示すように、幅広かつ長尺の集水装置1を2つ並列に並べればよい。
【0029】
横方向に隣接する集水装置の間は、デッドスペースとなる。このデッドスペースでは、ろ層の逆洗を行うことができないために、洗浄不良が生じ、正常なろ過機能を再生できない可能性がある。図5(a)および図5(b)の対比から分かるように、本実施形態に係る集水装置を用いることにより、デッドスペースを減らすことが可能である。したがって、ろ層のほぼ全面に亘ってろ過機能を再生することができる。
【0030】
図1乃至図4に示す流路ブロック10は、水洗用の集水装置に適用することもできる。図6は、水洗用の集水装置を示す断面図である。この集水装置の基本的な構成は、図1に示す集水装置と同様であるが、図6に示す集水装置は、空気注入装置を持たない点で、図1に示す集水装置と相違する。
【0031】
図6に示すろ層25の洗浄は、高圧の浄水を下側流路16に導入することによって行われる。浄水は、下側流路16から通孔26を通過して上側流路17に流入し、さらにオリフィス27を通過して多孔板24およびろ層25に下から流入する。この浄水の上昇流により、ろ層25の逆洗が行われる。下側流路16は、流路ブロック10の長手方向に浄水が移動する流路であり、上側流路17は、浄水が下側流路16から上壁11へと流れる際に、流路ブロック10の長手方向の不均一性を補正する役割を持つ。
【0032】
流路ブロック10は、熱可塑性樹脂を用いて押し出し形成により製作されるため、表面が非常に平滑な流路16,17を形成することができる。流路16,17の粗度係数は、できるだけ小さいことが好ましく、その上限値は0.012であることが好ましい。PVCの押出し成形品の表面における粗度係数は、0.009〜0.012と小さい。このように粗度係数が小さい材料を用いて流路ブロック10を製作することにより、同じ流速でも流路の損失水頭を小さくすることができる。その結果、集水装置の断面積を小さく、即ち集水装置の高さを低くしても損失水頭を低く抑え、集水装置の均一性を保つことができる。具体的に、集水装置の高さは200mm以下にするのが好ましい。これにより、高さに制限があるろ過池でも集水装置を設置することができる。
【0033】
さらに、より長い流路ブロック10を採用することにより、ろ過池に設置される集水装置の数を減らすことができる。したがって、流路16,17の継ぎ目の数が少なくなり、損失水頭を減少させることができる。これに加え、粗度係数が低い樹脂を用いることによって、損失水頭をさらに減少させることができる。その結果、流路断面を小さくしても、すなわち、集水装置の高さを低くしても、従来の集水装置と同じ流量を確保することができる。例えば、一般的な従来の集水装置の高さは約400mmであるのに対して、本実施形態の集水装置の高さは200mmまたはそれよりも低くすることができる。
【0034】
ろ層25の全体を均一に洗浄するためには、オリフィス27から浄水を均一に流出させることが好ましい。浄水を均一に流出させるためには、流路ブロック10の長手方向における圧力損失は低く、流路ブロック10の上方に流出する際の多数のオリフィス27における圧力損失は、各オリフィス27から均等に浄水が流出する程度に高いことが好ましい。流路ブロック10の圧力損失は、実用的にはオリフィス27の配列、個数、および径と、流路ブロック10の高さ(より具体的には、下側流路16の断面積)に依存して変わりうる。本実施形態では、上記オリフィス27を含んだ流路ブロック10全体の圧力損失は200mm以下となっている。
【0035】
ここで、流路ブロック10の圧力損失は、下側流路16に導入される水と、オリフィス27から流出した水との圧力差を水頭で表したものである。具体的には、流路ブロック10の圧力損失は、図7のようにして測定される。図7では、水槽50内に設置された流路ブロック10をその横から見た図が示されている。一定の流量で供給された水は流路ブロック10の下側流路16に流入し、通孔26を通って上側流路17に移動した後、オリフィス27から流れ出る。流路ブロック10を通過した水は水槽50上部のオーバーフローラインから流出する。このとき、流路ブロック10の下側流路16と、流路ブロック10の上方の水槽50にそれぞれ接続されたマノメーター51,51の指示値の差が流路ブロック10の圧力損失である。
【0036】
本実施形態では、流路ブロック10の高さが150mm〜200mmであり、かつ流量0.6m/minで逆洗時の流路ブロック10の圧力損失が200mm以下、好ましくは150mm以下となるように、オリフィス27の配列、個数、および径が調整されている。
【0037】
圧力損失が低く、かつ高さの低い流路ブロック10を用いた集水装置は、耐震補強されたろ過池に設置する場合に、次のような利点がある。図8(a)は、従来の集水装置が設置されているろ過池を示す模式図であり、図8(b)は、底部に耐震補強が施されたろ過池を示す模式図である。集水装置100上のろ層25の上限高さは、ろ過池の構造により必然的に決定される。このようなろ過池において、その底部に耐震補強(符号90で示す)を施すと、集水装置100およびろ層25の全体が持ち上げられ、結果として、図8(b)に示すように、ろ層25を薄くしなければならない。
【0038】
これに対して、高さの低い集水装置1を使用すると、図8(c)に示すように、耐震補強によるろ過池の底部の厚みの増加を許容することができる。すなわち、ろ過池の底部に耐震補強を施しても、ろ層25の頂部はその上限高さを上回らない。したがって、ろ層25の厚さをそのままに維持することができる。このように、本実施形態に係る集水装置は、耐震補強された既存のろ過池に好適に使用することができる。
【0039】
これまで、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において適宜変更することができることはもちろんである。例えば、本発明は、ろ過池に代えて、ろ過装置に適用することもできる。ろ過装置としては、加圧式ろ過装置、重力式ろ過装置が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0040】
1,100 集水装置
10 流路ブロック
11 上壁
12 側壁
13 底壁
14 水平壁
16 下側流路
17 上側流路
19 鉛直壁
22 アタッチメント
24 多孔板
25 ろ層
26 通孔
27 オリフィス
29 空間
30 空気注入装置
31 空気配管
50 水槽
51 マノメーター
90 耐震補強構造



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオリフィスが形成された上壁を有し、前記オリフィスに連通する流路が内部に形成された樹脂製の流路ブロックと、
前記流路ブロックの上方に配置された多孔板と、
前記流路ブロックと前記多孔板との間に配置された空気注入装置とを備えたことを特徴とする集水装置。
【請求項2】
前記空気注入装置は、多孔管を有することを特徴とする請求項1に記載の集水装置。
【請求項3】
前記空気注入装置は、散気管を有することを特徴とする請求項1に記載の集水装置。
【請求項4】
前記流路ブロックは押し出し成形により製作されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の集水装置。
【請求項5】
前記流路の粗度係数は、0.012以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の集水装置。
【請求項6】
前記流路ブロックはポリ塩化ビニルから形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の集水装置。
【請求項7】
流速0.6m/minで逆洗時の前記流路ブロックの圧力損失を水頭で表すと200mm以下であり、かつ前記流路ブロックの高さが200mm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の集水装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の集水装置と、
前記集水装置の上に載置されたろ層とを備えたことを特徴とするろ過装置。
【請求項9】
複数のオリフィスが形成された上壁を有し、前記オリフィスに連通する流路が内部に形成された樹脂製の流路ブロックと、
前記流路ブロックの上方に配置された多孔板とを備え、
前記流路ブロックは、押し出し成形により製作されていることを特徴とする集水装置。
【請求項10】
前記流路の粗度係数は、0.012以下であることを特徴とする請求項9に記載の集水装置。
【請求項11】
前記流路ブロックはポリ塩化ビニルから形成されていることを特徴とする請求項9または10に記載の集水装置。
【請求項12】
流速0.6m/minで逆洗時の前記流路ブロックの圧力損失を水頭で表すと200mm以下であり、かつ前記流路ブロックの高さが200mm以下であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の集水装置。
【請求項13】
請求項9乃至12のいずれか一項に記載の集水装置と、
前記集水装置の上に載置されたろ層とを備えたことを特徴とするろ過装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−71096(P2013−71096A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214132(P2011−214132)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(591030651)水ing株式会社 (94)
【Fターム(参考)】