説明

雑草の防除方法、及び除草性組成物

本発明は、サトウキビ及び不要な植物を含む場所(locus)において前記不要な植物を選択的に防除する方法であって、前記場所へ:
(a)式(I)の除草剤:


又はその農学的に許容される塩;及び
(b)PS−II阻害性除草剤;
を施用することを含み、前記場所へ施用される成分(a)及び成分(b)の量は、前記不要な植物の防除を提供し、並びに施用される成分(b)の量は、前記サトウキビにおける成分(a)の除草性効果を安全なものとする、前記方法を提供する。本発明はさらに、a.式(I)の除草剤又はその農学的に許容される塩;及び、b.メトリブジン、ヘキサジノン、及びテブチウロンから成る群から選択される除草剤を含む、除草剤組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
雑草、及び作物の生長を阻害する他の植物からの作物の保護は、農業において絶えず発生する問題である。この問題に対処するために、合成化学分野の研究者は、かかる不要なものの生長の防除において有効である、広範囲の種類の化学物質及び化学組成物を製造してきた。多くの種類の化学的除草剤が文献中に開示されており、そして多くのものが市販されている。
【発明の概要】
【0002】
幾つかの場合において、活性除草剤は、それが個別に施用される時よりも、併用された場合において、より有効であることが示されている。当該併用が、当該化合物の個別の効能の知識に基づいて、有すると予想され得るものを超える効能又は活性レベルを示すために、当該結果は通常、「相乗効果」と呼ばれる。したがって、本発明は、個々においてその除草性効果が既に知られている、式(I)の化合物:
【0003】
【化1】

【0004】
及び、光化学系−II(PS−II)阻害性除草剤との組み合わせが、サトウキビにおける雑草を防除するために組み合わせて施用されたときに、予期しない有利な効果を示すという発見にある。式(I)の化合物とPS−II阻害性除草剤との組み合わせは、例えばEP1388285において既に報告されている。しかし、サトウキビにおける雑草を防除するためのそれらの使用は、これまでに具体的に報告されておらず、そしてサトウキビにおいて使用されたとき、かかる組み合わせが、問題となるイネ科植物(grass)の雑草の持続的な防除,問題となる広葉雑草の予想外の改善された防除を提供し、さらに、個々の処理に関して予想され得るものと比較して、サトウキビにおける損傷の、全体的な予想外の減少を提供するということが今回発見された。
【0005】
したがって、本発明に従って、サトウキビ及び不要な植物を含む場所(locus)において前記不要な植物を選択的に防除する方法であって、前記場所へ:
(a)式(I)の除草剤:
【0006】
【化2】

【0007】
又はその農学的に許容される塩;及び
(b)PS−II阻害性除草剤;
を施用することを含み、前記場所へ施用される成分(a)及び成分(b)の量は、前記不要な植物の防除を提供し、並びに施用される成分(b)の量は、前記サトウキビにおける成分(a)の除草性効果を安全なものとする、前記方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の好ましい実施形態において、前記場所へ施用される成分(a)及び成分(b)の量はまた、不要な植物の相乗的防除を提供する。
【0009】
本発明の好ましい実施形態において、PS−II阻害性除草剤は、1,3,5トリアジン、1,2,4トリアジノン、トリアゾリノン、及び尿素から成る群から選択される。
【0010】
特に好ましい実施形態において、PS−II阻害性除草剤は、アメトリン(ametryn)、アトラジン(atrazine)、シアナジン(cyanazine)、ジメタメトリン(demethametryn)、プロメトン(prometon)、プロメトリン(prometryn)、プロパジン(propazine)、シマジン(simazine)、シメトリン(simetryn)、テルブメトン(terbumeton)、テルブチラジン(terbuthylazine)、テルブトリン(terbutryn)及びトリエタジン(trietazine)から成る群から選択される1,3,5トリアジンであり、特にアメトリン、及び/又はアトラジンであり、そして最も好ましくはアメトリンである。
【0011】
別の実施形態において、PS−II阻害性除草剤は、ヘキサジノン(hexazinone)及びメトリブジン(metribuzin)から成る群から選択される、1,2,4トリアジノンである。
【0012】
別の実施形態において、PS−II阻害性除草剤は、トリアゾリノンである、アミカルバゾン(amicarbazone)である。
【0013】
別の実施形態において、PS−II阻害性除草剤は、クロロトルロン(chlorotoluron)、ジメフロン(dimefuron)、ジウロン(diuron)、フルメツロン(flumeturon)、イソプロツロン(isoproturon),イソウロン(isouron)、カルブチレート(karbutilate)、リニュロン(linuron)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、メトキスロン(metoxuron)、モノリニュロン(monolinuron)、ネブロン(neburon)、シデュロン(siduron)、及びテブチウロン(tebuthiuron)から成る群から選択される尿素である。テブチウロンが特に好ましい。
【0014】
除草剤成分の施用率は、広範囲内で変化し得、並びに土壌の性質、施用方法(出芽前又は後など)、作物植物、防除されるべき不要な植物、一般的気候条件に、並びに、施用方法、施用時間、及び標的作物によって決定される他の要因に依存する。通常において、式(I)の化合物は、50〜500g ai/ha、好ましくは100〜300g ai/ha、及びより好ましくは150〜300g ai/haの率で施用される。通常において、PS−II阻害性除草剤は、50〜3000g ai/ha、好ましくは150〜2000g ai/haの率で施用される。
【0015】
成分(a)及び(b)は、同時に、又は連続的に場所(locus)へ施用され得る。化合物の施用が連続的になされる場合における、化合物の順番は重要ではなく、並び第二の化合物は通常、第一の化合物の施用の好ましくは2日以内に、より好ましくは1日以内に、特に好ましくは0.5日以内に施用される。しかし、成分(a)及び(b)は、混合された除草剤組成物において、当該場所へ同時に施用されることが好ましい。成分(a)及び(b)は、当該場所へ、出芽前及び/又は出芽後において施用され得ると理解されるべきである。好ましくは、当該成分は両方とも、不要な植物の出芽後に施用される。
【0016】
不要な植物は、サトウキビの生長及び質に影響を与える植物として理解され得、並びに具体例は、イネ科植物(grass)、スゲ(sedge)、及び広葉雑草(broad−leaved weed)を含む。用語「場所(locus)」は、例えば、耕作地、例えば作物植物が既に生長中である土地領域か、又は作物植物の種子材料が蒔かれた土地領域を意味するものとして理解され得る。サトウキビに関して、不要な植物の例は通常、イポメア(Ipomoea)種(例えば、イポメア・グランディフォリア(grandifolia)、イポメア・アクミナート(acuminate)、イポメア・ニル(nil)、イポメア・ヘデラケア(hederacea))、エチノクロア(Echinochloa)種、ジギタリア(Digitaria)種(例えば、ジギタリア・ホリゾンタリス(horizontalis))、セタリア(Setaria)種、ソルガム(Sorghum)種、ブラキアリア(Brachiaria)種(例えば、ブラキアリア・デカンベンス(decumbens)、及びブラキアリア・プランタギネア(plantaginea))、コチア(Kochia)種、シダ(Sida)種(例えば、シダ・ロンビフォリア(rhombifolia))、ポルツラカ(Portulaca)種(例えば、ポルツラカ・オレラケア(oleracea))、パニカム(Panicum)種(例えば、パニカム・マキシマム(maximum))、センクルス(Cenchrus)種(例えば、センクルス・エキナタス(echinatus))、シペルス(Cyperus)種、エレウシン(Eleusine)種(例えば、エレウシン・インディカ(indica))、ケノポディウム(Chenopodium)種、ユーホルビア(Euphorbia)種(例えば、ユーホルビア・ヘテロフィラ(heterophylla))、並びにアマランサス(Amaranthus)種(例えば、アマランサス・ビリディス(viridis)、アマランサス・レトロフレクサス(retroflexus)、アマランサス・ヒブリダス(hybridus))を含む。本発明の方法は、個々の活性成分単体の使用に関して予測され得るものと少なくとも同程度の、イネ科植物の雑草の優れた防除を提供することが示されるが、広葉雑草、特にシダ種及びポルツラカ種においては予想以上の防除が示される。さらに、本発明の組成物中に含まれる成分(a)及び(b)は、個々に施用されたときよりも併用で適用されたときに、サトウキビに対する、より低い植物毒性をもたらすことが示される。この毒性緩和は予想外である。
【0017】
不要な植物の防除は、十分な作物の収量及び質を確保するものであり、そして作物栽培者は通常、化合物の使用に関連するコストと、生じる収量とのバランスを取らなければならないが、しかし一般的に、未処理の作物と比較して、化合物処理を行った作物の、例えば少なくとも5%収量の増加が、化合物による防除と考えられる。
【0018】
一つ以上の追加の農薬(pestiside)、例えば除草剤、除草剤毒性緩和剤(herbicide safener)、植物生長調整剤、肥料、殺昆虫剤、及び/又は殺真菌剤は、本発明の方法において、場所(locus)へ施用され得ることが理解されるべきである。一つ以上の追加の農薬がまた、サトウキビの増殖材料(propagation material)へ施用され得ることは理解されるべきである。特に好ましい実施形態において、除草剤毒性緩和剤が、場所(locus)へ、及び/又はサトウキビ増殖材料へとさらに施用される。好ましくは、除草剤毒性緩和剤は、式3.1の化合物:
【0019】
【化3】

【0020】
式3.2の化合物:
【0021】
【化4】

【0022】
式3.3の化合物:
【0023】
【化5】

【0024】
式3.4の化合物:
【0025】
【化6】

【0026】
式3.5の化合物:
【0027】
【化7】

【0028】
式3.6の化合物:
【0029】
【化8】

【0030】
式3.7の化合物:
【0031】
【化9】

【0032】
式3.8の化合物:
【0033】
【化10】

【0034】
式3.9の化合物:
【0035】
【化11】

【0036】
式3.10の化合物:
【0037】
【化12】

【0038】
式3.11の化合物:
【0039】
【化13】

【0040】
式3.12の化合物:
【0041】
【化14】

【0042】
式3.13の化合物:
【0043】
【化15】

【0044】
式3.14の化合物:
【0045】
【化16】

【0046】
式3.15の化合物:
【0047】
【化17】

【0048】
式3.16の化合物:
【0049】
【化18】

【0050】
式3.17の化合物:
【0051】
【化19】

【0052】
並びに、式3.18の化合物:
【0053】
【化20】

【0054】
から成る群から選択される。
【0055】
本発明との関連で、サトウキビはまた、従来の育種法によって、又は遺伝子工学によって、除草剤又は除草剤群、例えばHPPD(4−ヒドロキシフェニル−ピルベート−ジオキシゲナーゼ)阻害剤、例えば、国際公開第02/46387号に記載されているメソトリオン、ACCアーゼ(アセチルコエンザイムAカルボキシラーゼ)阻害剤、ALS(アセトラクテートシンターゼ)阻害剤、EPSPS(5−エノール−ピルビル−シキマート−3−ホスフェート−シンターゼ)阻害剤(例えば、グリホサート)、グルタミンシンターゼ阻害剤(例えば、グルホシネート)に対して耐性とされ得ることが理解され得るべきである。本発明の好ましい実施形態において、サトウキビは、グリホサートに対して耐性となるように遺伝子操作され、そして当該方法は、場所(locus)へグリホサート又はその農学的に許容される塩を施用することをさらに含む。サトウキビはまた、当業者に周知の方法を用いて、昆虫及び/又は真菌に対して耐性となるように遺伝子操作がなされ得る。サトウキビはまた、改善された糖質及び/又は繊維含量を有するように遺伝子操作がなされ得る。
【0056】
本発明は:
a.式(I)の除草剤:
【0057】
【化21】

【0058】
又はその農学的に許容される塩;並びに
b.メトリブジン、ヘキサジノン、及びテブチウロンから成る群から選択される除草剤
を含む、除草剤組成物をさらに提供する。
【0059】
本発明の除草剤組成物は、サトウキビに対して毒性緩和効果を、及び/又は不要な植物に対して相乗的除草性効果を提供することが示された。
【0060】
好ましい実施形態において除草剤組成物は、式(I)の除草剤、及びヘキサジノンを含む。
【0061】
除草剤組成物中における成分(a)及び(b)の量及び比率は、プレ−ミックス濃縮物(pre−mix concentrate)か、又はタンク混合物であるか否かに依存して変化し得る。好ましくは、化合物(a)と化合物(b)との重量比は、1:0.5〜1:100(w/w)、より好ましくは、1:0.5〜1:10(w/w)の範囲内である。
【0062】
本発明の除草剤組成物は、一つ以上の追加の農薬、例えば除草剤、除草剤毒性緩和剤、肥料、植物生長調整剤、殺昆虫剤、及び/又は殺真菌剤を含み得る。特に好ましい実施形態において、除草剤組成物は、毒性緩和剤、好ましくは本明細書に記載された式3.1〜3.18の化合物から成る群から選択される毒性緩和剤をさらに含む。
【0063】
組成物中に含まれ得る追加の除草剤の例は、グリホサート及び/又はグルホシネートを含む。
【0064】
本発明の除草性組成物は通常、国際公開第97/34483号、9〜13ページに記載されたとおり、製剤技術において従来使用される、(製剤助剤としても知られている)組成物補助剤、例えば溶媒、固体担体、又は界面活性剤を含み、例えば、乳剤(emulsifiable concentrate)、直接スプレー可能又は希釈可能な液剤(solution)、水和剤(wettable powder)、溶性剤(soluble powder)、粉剤(dust)、粒剤(granule)、又はマイクロカプセルとなる。当該製剤の性質と同様に、意図された対象物、及び一般的な環境に従って、施用方法、例えば噴霧(spraying)、散布(atomising)、散粉(dusting)、湿潤(wetting)、散布(scattering)又は注入(pouring)が選択される。当該製剤は、既知の手法で、例えば密に混合することによって、及び/又は製剤補助剤、例えば溶媒又は固体担体を活性成分と共にすり潰すことによって製造され得る。さらに、界面活性化合物(界面活性剤)はまた、当該製剤の製造において使用され得る。
【0065】
溶媒及び固体担体の例は、例えば国際公開第97/34485号、6ページに記載されている。製剤化されるべき活性成分の性質に依存して、好適な界面活性化合物は、優れた乳化特性、分散特性、及び湿潤特性を有する、非イオン性、カチオン性、及び/又はアニオン性界面活性剤、並びに界面活性剤混合物である。好適なアニオン性、非イオン性、及びカチオン性界面活性剤は、例えば国際公開第97/34485号、7〜8ページに記載されている。製剤技術において従来使用されている界面活性剤、特に、「McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual」MC Publishing Corp.,Ridgewood New Jersey,1981;StacheH.,「Tensid−Taschenbuch」,Carl Hanser Verlag,Munich/Vienna,1981、及びM.and J.Ash,「Encyclopaedia of Surfactants]Vol I−III,Chemical Publishing Co.,New York,1980−81に記載されている界面活性剤が、本発明の除草性組成物の製造のために同様に好適である。
【0066】
除草性製剤は通常、0.1〜99重量%、特に0.1〜95重量%の活性成分;0〜25重量%、特に0.1〜25重量%の界面活性剤;及び残余において固体又は液体製剤補助剤を含む。
【0067】
市販の製品は通常、(プレ−ミックス(pre−mix)としても知られている)濃縮物として製剤化されるが、エンドユーザーは通常、希釈製剤を使用し得る。当該組成物はまた、さらなる成分、例えば安定化剤、例えば植物油、又はエポキシ化された植物油(エポキシ化されたココナッツ油、菜種油、又は大豆油)、消泡剤、例えばシリコーンオイル、保存剤、粘性調節剤、結合剤、タッキファイヤーを含み得、及び肥料、又は他の活性成分を同様に含み得る。
【0068】
好ましい製剤は、特に以下の組成を有する:
(%=重量パーセント)
【0069】
【表1】

【0070】
【表2】

【0071】
特定の製剤の例は、以下を含む:
【0072】
【表3】

【0073】
任意の所望の濃度のエマルションが、水で希釈することにより、かかる濃縮物から得られる。
【0074】
【表4】

【0075】
液剤は、マイクロドロップ(microdrop)の形態での使用に好適である。
【0076】
【表5】

【0077】
活性成分を補助剤と共に十分に混合し、そして当該混合物を好適なミル中で十分にすり潰して、水と希釈されて所望の濃度の懸濁液を与えることができる水和剤(wettable poewder)を得る。
【0078】
【表6】

【0079】
活性成分を塩化メチレンに溶解し、そして噴霧によって担体を適用し、その後溶媒を減圧下留去する。
【0080】
【表7】

【0081】
細かくすり潰された活性成分を、ミキサー中において、ポリエチレングリコールで湿らせた担体へ均一に適用する。非粉性被覆粒剤はこの方法で得られる。
【0082】
【表8】

【0083】
活性成分を補助剤と共に混合し、及びすり潰し、並びに当該混合物を水で湿らせる。当該混合物を押し出し、その後、空気流中で乾燥させる。
【0084】
【表9】

【0085】
使用準備済みの粉剤は、活性成分と担体とを混合し、及び好適なミル中で当該混合物をすり潰すことにより得られる。
【0086】
【表10】

【0087】
細かくすり潰された活性成分は、補助剤と密に混合され、懸濁剤(suspension concentrate)が得られ、そして当該懸濁剤から、水との希釈によって所望の濃度の懸濁液が得られる。
【0088】
本発明の活性成分の組み合わせが別々に製剤化され、そして施用直前に、施用器(applicator)中で、水中の「タンク混合物」の形態で、所望の混合比で一緒にされることが通常、より実用的である。或いは、化合物(a)及び(b)を含むプレ−ミックス組成物は、一緒になって製剤化される。
【実施例】
【0089】
実施例1
式Iの化合物と種々のPS−II阻害性除草剤との組み合わせの、サトウキビに対する効果を調べるために、1.5年の植物の茎において5回のフィールド(field)試験を行った。区画サイズは20mであり、そして3回の反復処理の平均を結果において示す。(表1に要約された)試験結果は、式Iの化合物によってサトウキビにおいて観察される植物毒性は、当該化合物がPS−II阻害性除草剤との併用で適用されるときに意外にも減少し得ることを示し、そして当該効果は、式Iの化合物が非PS−II阻害性除草剤(スルフェントラゾン(sulfentrazone))との併用で施用されたときに観察されなかった。
【0090】
【表11】

【0091】
実施例2
種々の雑草種における、式Iの化合物と種々のPS−II阻害性除草剤との組み合わせの効果を調べるために、温室試験を行った。
【0092】
試験種は、ブラキアリア・デカンベンス(BRADC);ジギタリア・ホリゾンタリス(DIGHO);イポメア・ヘデラケア(IPOHE);及びユーホルビア・ヘテロフィラ(EUPHE)であり、そしてそれらは各々、出芽後、3、4、1.5、及び2.5枚の葉において噴霧された。
【0093】
式Iの化合物を200g/l SCで与えた。ヘキサジノンを240g/l SLで与えた。テブチウロンを80WGで与え、及びアミカルバゾンを70WGで与えた。全ての処理は、0.5%Agridexと共に、200 l/haでなされた。10及び20施用後日(DAA)における%雑草防除に関して、植物を目視で評価した。
【0094】
混合物処理に対して観察される平均応答と、以下に示されるColby式:
【0095】
【数1】

【0096】
[式中、
Mは、混合物処理において予想される応答を示し、並びにP1及びP2は、単体で試験された各々の混合物成分において観察された平均応答を示す]
を用いて予想された応答とを比較することによって、得られたデータを分析した。(表2及び3において示される)試験結果は、式Iの化合物がPS−II阻害性除草剤との併用で施用されたときにおいて、相乗効果が存在することを示している。
【0097】
【表12】

【0098】
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
サトウキビ及び不要な植物を含む場所(locus)において前記不要な植物を選択的に防除する方法であって、前記場所へ:
(a)式(I)の除草剤:
【化1】

又はその農学的に許容される塩;及び
(b)PS−II阻害性除草剤;
を施用することを含み、前記場所へ施用される成分(a)及び成分(b)の量は、前記不要な植物の防除を提供し、並びに施用される成分(b)の量は、前記サトウキビにおける成分(a)の除草性効果を安全なものとする、前記方法。
【請求項2】
前記PS−II阻害性除草剤が、1,3,5トリアジン、1,2,4トリアジノン、トリアゾリノン、及び尿素から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記PS−II阻害性除草剤が、アメトリン(ametryn)、アトラジン(atrazine)、シアナジン(cyanazine)、ジメタメトリン(demethametryn)、プロメトン(prometon)、プロメトリン(propetryn)、プロパジン(propazine)、シマジン(simazine)、シメトリン(simetryn)、テルブメトン(terbumeton)、テルブチラジン(terbuthylazine)、テルブトリン(terbutryn)及びトリエタジン(trietazine)から成る群から選択される1,3,5トリアジンである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記PS−II阻害性除草剤が、アメトリン及びアトラジンから成る群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記PS−II阻害性除草剤が、ヘキサジノン(hexazinone)及びメトリブジン(metribuzin)から成る群から選択される、1,2,4トリアジノンである、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記PS−II阻害性除草剤がアミカルバゾン(amicarbazone)である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記PS−II阻害性除草剤が、クロロトルロン(chlorotoluron)、ジメフロン(dimefuron)、ジウロン(diuron)、フルメツロン(flumeturon)、イソプロツロン(isoproturon),イソウロン(isouron)、カルブチレート(karbutilate)、リニュロン(linuron)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、メトキスロン(metoxuron)、モノリニュロン(monolinuron)、ネブロン(neburon)、シデュロン(siduron)、及びテブチウロン(tebuthiuron)から成る群から選択される尿素である、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記尿素がテブチウロンである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
式(I)の化合物が50〜500g ai/haの率で前記場所へ施用され、及びPS−II阻害性除草剤が50〜3000g ai/haの率で前記場所へ施用される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記成分(a)及び(b)が、前記場所へ同時に施用される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記成分(a)及び(b)が出芽後に施用される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
a.式(I)の除草剤:
【化2】

又はその農学的に許容される塩;並びに
b.メトリブジン、ヘキサジノン、及びテブチウロンから成る群から選択される除草剤
を含む、除草剤組成物。
【請求項13】
式(I)の除草剤、及びヘキサジノンを含む、請求項12に記載の除草剤組成物。
【請求項14】
追加の除草剤、及び/又は除草剤毒性緩和剤をさらに含む、請求項12又は13に記載の除草剤組成物。
【請求項15】
サトウキビにおける、式(I)の化合物の除草性効果を安全なものとするための、PS−II阻害性除草剤の使用。
【請求項16】
サトウキビにおける、不要な植物の防除における使用のための、式(I)の化合物を含む除草性組成物の製造における、PS−II阻害性除草剤の使用。

【公表番号】特表2011−522809(P2011−522809A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512028(P2011−512028)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004035
【国際公開番号】WO2010/000365
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【出願人】(500371307)シンジェンタ リミテッド (141)
【Fターム(参考)】