説明

難燃化テキスタイル製品およびこれらの製造方法

難燃化剤を含有する難燃化被覆を有するテキスタイル製品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は難燃化被覆を有するテキスタイル製品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、市販のテキスタイル製品は、火災の場合に火炎伝播の防止を助けるために、難燃性を有することが法律により要求される。それゆえ、多くの用途において市販のテキスタイル製品は、テキスタイル材料と裏面被覆剤材料の少なくとも2つの区別できる構成成分からなる。裏面層または阻止シートと時に呼ばれる裏面被覆剤材料を使用して、所定のテキスタイル製品に難燃性が賦与される。例えば、輸送機器用布張り材料は別の火炎阻止シート層と一緒に使用される。更なる例としては、多数のカーペットは、難燃性を有する二次もしくは三次の裏面層を含む。
【0003】
このような難燃化テキスタイルを提供するために、種々の材料を使用して、裏面材料または阻止シートに難燃性を与えることが提案されてきた。例えば、(特許文献1)は、カーペットの裏面被覆剤中で膨張性粒子を使用して、カーペットに難燃性を賦与することができるということを教示する。
【0004】
他の先行技術の教示においては、具体的な臭素化難燃剤またはリンベースの難燃剤が木綿およびポリエステル繊維の混紡に難燃性を与えることに対して有用であると述べられている。例えば、(特許文献2)および(特許文献3)を参照のこと。
【0005】
他の教示においては、テキスタイル製品それ自身が難燃剤または煙抑制剤の性質を有する繊維からなる。例えば、(特許文献4)を参照のこと。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,011,724号
【特許文献2】米国特許第3,997,699号
【特許文献3】米国特許第4,167,603号
【特許文献4】米国特許第4,012,546号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、これらの教示をもってしても、難燃剤製品に対するテキスタイル業界の要求は増大しつつある。このように、難燃化されたテキスタイルに対する必要性が常に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は難燃化量の
i)構造
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、nは約1から約3の範囲にある)
を有する大量のアルキル化トリアリールホスフェートエステルを含む難燃剤I;
ii)大量の
【0011】
【化2】

【0012】
を含む難燃剤II;
iii)大量の
【0013】
【化3】

【0014】
を含む難燃剤III;
iv)構造
【0015】
【化4】

【0016】
(式中、zは約1から約4の範囲にあり、Phはフェノール基である)
を有する難燃剤IV;および
v)i)−iv)の混合物
が付加されたテキスタイル製品に関する。
【0017】
もう一つの態様においては、本発明は、製品上に堆積された被覆層を有し、前記被覆層が難燃化量のi)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物を含有するテキスタイル製品に関する。
【0018】
更にもう一つの態様においては、本発明は、難燃化量のi)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物を含有する裏面被覆剤を有するテキスタイル製品に関する。
【0019】
更にもう一つの態様においては、本発明は、テキスタイル材料と、前記テキスタイル材料の表面に塗布された被覆を含んでなり、製品上に層を形成するものであって、前記被覆が難燃化量のi)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物を含んでなる、低火炎拡散特性を有するテキスタイル製品に関する。
【0020】
なお更にもう一つの態様においては、本発明は、難燃化量のi)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物を含む被覆を前記テキスタイルに付加することを含んでなる、テキスタイルに難燃性を賦与する方法に関する。
【0021】
なお更にもう一つの態様においては、本発明は、難燃化量のi)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物を含んでなるテキスタイル製品に関する。
【0022】
本発明者らは、難燃化量のi)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物、好ましくは難燃剤II、難燃剤IIIまたはこれらの混合物がテキスタイル製品の品質に実質的に影響を及ぼさないということを見出した。言い換えれば、難燃化量のi)、ii)、iii)、iv)またはv)を含有するテキスタイル製品は、いかなる悪臭も発しない。すなわち、難燃化量のi)、ii)、iii)、iv)またはv)を含有するテキスタイル製品は、難燃化量のi)、ii)、iii)、iv)またはv)を含有しない同一のテキスタイル製品と類似の、好ましくは実質的に同一の臭いを発する。更には、難燃化量のi)、ii)、iii)、iv)またはv)を含有するテキスタイル製品は、難燃化量のi)、ii)、iii)、i
v)またはv)を含有しない同一のテキスタイル製品と類似の、好ましくは実質的に同一の、可撓性および柔軟性などの物理的性質を有する。
【0023】
本発明者らは、難燃化量のi)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物、好ましくは難燃剤II、難燃剤IIIまたはこれらの混合物をテキスタイル製品上で被覆、好ましくは裏面被覆として使用するならば、この被覆が実質的に透明であるということも見出した。
【発明を実施するための形態】
【0024】
テキスタイルは、この明細書中で使用される時には最も広い意味で使用され、合成繊維および/または天然繊維、特にポリアミド、アクリル、ポリエステル、およびこれらの混紡、木綿、コール天、ビロードブロケード、ポリエステル・木綿ブレンド、ビスコースレイヨン、ジュート、および木材パルプから製造される製品を含むセルロース系テキスタイル材料から製造される、織製もしくは非織製ならびにすべての織布、布、カーペットなど、いかなる織布、フィラメント、ステープルまたはヤーン、もしくはこれらから製造される製品も指すように意図されている。このように、本発明における使用に好適なテキスタイルの非限定的な例は、天然カーペットおよび/または合成カーペット;ポリエステル、ポリアミド、ナイロン、アクリルなどの合成繊維から製造される織布および/または布;木綿などの天然繊維から製造される織布および/または布;および木綿/ポリエステル混紡などの合成繊維と天然繊維の混紡の混紡から製造される織布および/または布を含む。ある態様においては、本発明のテキスタイルを構成する天然繊維および/または合成繊維も難燃化されているものであることも本発明の範囲内にあるということを特記すべきである。このような難燃化繊維は当業界で周知であり、このような繊維の選択は、当業者によれば容易に行われる。
【0025】
この明細書中で使用される時、「IP」はイソプロピル化フェノールを指すように意図され;「OIP」はオルト−イソプロピルフェノールを指すように意図され;「MIP」はメタ−イソプロピルフェノールを指すように意図され;「PIP」はパラ−イソプロピルフェノールを指すように意図され;「TPP」はトリフェニルホスフェートを指すように意図され;「2,6−DIP」は2,6−ジイソプロピルフェノールを指すように意図され;「2,4−DIP」は2,4−ジイソプロピルフェノールを指すように意図され;「2,4,6−TIP」は2,4,6−トリイソプロピルフェノールを指すように意図され;「2−IPP」は2−イソプロピルフェニルジフェニルホスフェートを指すように意図され;「3−IPP」は3−イソプロピルフェニルジフェニルホスフェートを指すように意図され;「4−IPP」は4−イソプロピルフェニルジフェニルホスフェートを指すように意図され;「2,4−DDP」は2,4−ジイソプロピルフェニルジフェニルホスフェートを指すように意図され;「IPP」はイソプロピル化トリフェニルホスフェートを指すように意図され;「DTPP」はジイソプロピル化トリフェニルホスフェートを指すように意図され;ならびに「TTPP」はトリイソプロピル化トリフェニルホスフェートを指すように意図される。
【0026】
本発明のテキスタイルは、難燃化量のi)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物をテキスタイルに付加したものであった。難燃化量とは、このテキスタイルが難燃化テキスタイルの全重量基準で約5から約60重量%の範囲の選択された難燃剤、すなわちi)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物を含んでなるという意味である。好ましい態様においては、難燃化量が同一基準で約15から約40重量%の範囲の、更に好ましくは約25から約30重量%の範囲の選択された難燃剤であると考えられる。
【0027】
難燃剤I
難燃剤Iは構造
【0028】
【化5】

【0029】
(式中、nは約1から約3の範囲にある)
を有する大量のアルキル化トリアリールホスフェートエステルを含む。大量とは、難燃剤Iが難燃剤Iの全重量基準で約60重量%以上の上記のアルキル化トリアリールホスフェートエステルを含むという意味である。好ましい態様においては、大量が約60から約99.99重量%の範囲の上記の構造物であると考えられるべきである。ある態様においては、大量が約60から約80重量%の範囲の上記の構造物である。他の態様においては、大量が約80から約99重量%の範囲の上記の構造物である。なお他の態様においては、大量が約85から約99.99重量%の範囲の上記の構造物である。
【0030】
難燃剤Iの残りは、通常、トリフェニルホスフェート(「TPP」)を含んでなる。このように、好ましい態様においては、難燃剤Iは、難燃剤Iの全重量基準で約40重量%未満のTPP、好ましくは同一基準で約40から約0.01重量%の範囲のTPPを含んでなる。
【0031】
通常、難燃剤Iは、難燃剤Iの全重量基準で約5から約10重量%の有機リンを含有する。好ましくは、この有機リン含量は、同一基準で約7から約9重量%の範囲にあり、更に好ましい態様においては、有機リン含量は、約7.5から約8.5重量%の、最も好ましくは同一基準で約8.0から約8.4%の範囲にある。
【0032】
ある態様においては、難燃剤Iは、難燃剤Iの全重量基準で約20重量%以上のモノアルキルフェニルジフェニルホスフェートを含有することを更に特徴とすることができる。好ましくは、難燃剤Iは、同一基準で約75重量%以上の、更に好ましくは同一基準で約90重量%以上のモノアルキルフェニルジフェニルホスフェートを含有する。
【0033】
この態様においては、難燃剤Iは、難燃剤Iの全重量基準で約80重量%未満のジアルキルフェニルジフェニルホスフェートを含有することも更に特徴とすることができる。好ましくは、難燃剤Iは、同一基準で約25重量%未満の、更に好ましくは約10重量%未満のジ−(アルキルフェニル)フェニルホスフェートを含有する。
【0034】
難燃剤Iは、難燃剤Iの全重量基準で約50重量%未満のジアルキルフェニルジフェニルホスフェートを含有することも更に特徴とすることができる。しかしながら、好ましい態様においては、難燃剤Iは、同一基準で約25重量%未満の、更に好ましくは約10重量%未満のジアルキルフェニルジフェニルホスフェートを含有する。最も好ましい態様においては、難燃剤Iは、難燃剤Iの全重量基準で約l重量%未満のジアルキルフェニルジフェニルホスフェートを含有する。
【0035】
この態様においては、難燃剤Iとして使用される例示のアルキル化トリアリールホスフェートエステルは、a)約90から約92重量%の範囲IPP、約0.5から約0.75重量%の範囲のTPP、約1から約3重量%の範囲DTPP、約0.05から約0.15重量%の範囲のTTPP、および約0.5から約0.75重量%の範囲の2,4−DDP;b)約94から約96重量%の範囲のIPP、約3.5から約5.5重量%の範囲のDTPP、および約0.1から約0.3重量%の範囲のTTPP;およびc)約71から約73重量%の範囲のIPP、約0.05から約0.15重量%の範囲のTPP、約26から約28重量%の範囲のDTPP、および約0.5から約0.7重量%の範囲のTTPPを含むものである。
【0036】
本発明のアルキル化トリアリールホスフェートエステル中に存在するモノアルキルフェニルジフェニルホスフェート、ジ−(アルキルフェニル)フェニルホスフェート、ジアルキルフェニルジフェニルホスフェート、トリアルキルフェニルホスフェート、およびアルキルフェニルジアルキルフェニルフェニルホスフェートは、アルキル部分がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリー−ブチル、アミル、イソアミル、ターシャリー−アミル基、およびシクロヘキシルアルキル部分から選択されるものである。好ましくは、アルキル化トリアリールホスフェートエステル中に存在する、モノアルキルフェニルジフェニルホスフェート、ジ−(アルキルフェニル)フェニルホスフェート、ジアルキルフェニルジフェニルホスフェート、トリアルキルフェニルホスフェート、およびアルキルフェニルジアルキルフェニルフェニルホスフェートの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、更に好ましくは全部のアルキル部分は、イソプロピル部分である。このように、例えば、最も好ましい態様においては、難燃剤Iはイソプロピルフェニルジフェニルホスフェートエステルである。全イソプロピルフェニルジフェニルホスフェートエステルのうちで、アルキル化トリアリールホスフェートエステルの全重量基準で、0.1から99.9重量%は2−イソプロピルフェニルホスフェート(2−IPP)であり、0.1から99.9重量%は3−イソプロピルフェニルホスフェート(3−IPP)であり、0.1から99.9重量%は4−イソプロピルフェニルホスフェート(4−IPP)である。最も好ましい態様においては、難燃剤I中に存在するイソプロピルフェニルフェニルホスフェートの66から100重量%は2−イソプロピルフェニルホスフェート(2−IPP)であり、0、1から4重量%は3−イソプロピルフェニルホスフェート(3−IPP)であり、0.1から40重量%は4−イソプロピルフェニルホスフェート(4−IPP)である。
【0037】
この態様においては、もう一つの例示の難燃剤Iは、約63から約68%の範囲のイソプロピルフェニルジフェニルホスフェートエステルが2−IPPであり、約0.5から約2.5%の範囲が3−IPPであり、ならびに約30.5から約36.5%の範囲が4−IPPである、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェートエステルである。この態様においては、もう一つの例示の難燃剤Iは、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェートエステルの約66%が2−IPPであり、約1%が3−IPPであり、ならびに約33%が4−IPPである、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェートエステルである。
【0038】
本発明のアルキル化トリアリールホスフェートエステルは、米国特許暫定出願番号60/794,786のそれを含む当業界で既知のいかなる方法によっても好適に形成可能である。
【0039】
難燃剤II
難燃剤IIは大量の
【0040】
【化6】

【0041】
を含んでなる。
【0042】
大量とは、難燃剤IIが難燃剤IIの全重量基準で上記の構造物の約60重量%以上を占めるという意味である。好ましい態様においては、大量が約60から約99.99重量%の範囲の上記の構造物であると考えられるべきである。ある態様においては、大量が約60から約90重量%の範囲の上記の構造物である。他の態様においては、大量が約70から約99重量%の範囲の上記の構造物である。なお他の態様においては、大量が約80から約99重量%の範囲の上記の構造物である。
【0043】
ある態様においては、難燃剤IIは、TCEPを含む難燃剤IIの全重量基準で約0.01から約6重量%の範囲の、好ましくは約0.01から約2重量%の範囲の、TCEPと普通呼ばれる、
【0044】
【化7】

【0045】
も含むことができる。
【0046】
ある態様においては、難燃剤IIは、TCEPと、TCEPおよびTBEPを含む難燃剤IIの全重量基準で約1から約15重量%の範囲の、好ましくは約5から約12重量%の範囲の、更に好ましくは約8から約12重量%の範囲の、TBEPと普通呼ばれる、
【0047】
【化8】

【0048】
も含むことができる。このように、この態様においては難燃剤IIは大量の
【0049】
【化9】

【0050】
TBEPおよびTCEPを含む難燃剤IIの全重量基準で、約0.01から約6重量%の範囲の、好ましくは約0.01から約2重量%の範囲のTCEP、および約1から約15重量%の範囲の、好ましくは約5から約12重量%の範囲の、更に好ましくは約8から約12重量%の範囲のTBEPを含む。
【0051】
通常、難燃剤IIは、難燃剤IIの全重量基準で約5から約15重量%の有機リンを含有する。好ましくは、この有機リン含量は、同一基準で約7から約12重量%の範囲にあり、更に好ましい態様においては、この有機リン含量は、同一基準で約8から約12重量%の範囲にある。
【0052】
通常、難燃剤IIは、難燃剤IIの全重量基準で約20から約40重量%の範囲の塩素を含有する。好ましくは、難燃剤IIは、同一基準で約30から約40重量%の範囲の塩素を含有する。
【0053】
難燃剤III
難燃剤IIIは大量の
【0054】
【化10】

【0055】
を含んでなる。
【0056】
大量とは、難燃剤IIIが難燃剤IIIの全重量基準で上記の構造物の約60重量%以上を占めるという意味である。好ましい態様においては、大量が約80重量%以上の上記の構造物であると考えられるべきである。ある態様においては、大量が約70から約99.99重量%の範囲の、時には約80から約99重量%の範囲の上記の構造物である。
【0057】
ある態様においては、難燃剤IIIは、A)を含む難燃剤IIIの組み合わせ物の全重量基準で約10から約60重量%の範囲の、好ましくは約15から約55重量%の範囲の、更に好ましくは約20から約30重量%の範囲のA)
【0058】
【化11】

【0059】
も含むことができる。
【0060】
ある態様においては、難燃剤IIIは、難燃剤IIIの全重量基準で難燃剤Iを含む難燃剤IIIの全重量基準で約1から約10重量%の範囲の、好ましくは約5から約10重量%の範囲の難燃剤Iも含むことができる。
【0061】
ある態様においては、難燃剤IIIは、A)およびB)を含む難燃剤IIIの全重量基準で約1から約15重量%の範囲の、好ましくは約5から約12重量%の範囲のB)
【0062】
【化12】

【0063】
も含むことができる。このように、この態様においては難燃剤IIIは大量の
【0064】
【化13】

【0065】
A)およびB)を含む難燃剤IIIの全重量基準で約10から約60重量%の範囲の、好ましくは約15から約55重量%の範囲の、更に好ましくは約20から約30重量%の範囲のA)、および約1から約15重量%の範囲の、好ましくは約5から約12重量%の範囲のB)を含む。
【0066】
通常、難燃剤IIIは、難燃剤IIIの全重量基準で約5から約15重量%の範囲の有機リンを含有する。好ましくは、この有機リン含量は、同一基準で約5から約12重量%の範囲にあり、更に好ましい態様においては、この有機リン含量は同一基準で約5から約10重量%の範囲にある。
【0067】
難燃剤IIIは、通常、難燃剤III(Aおよび/またはBを含め、もしくは別な方法で)の全重量基準で約30から約50重量%の範囲の全ハロゲン、すなわち臭素および/または塩素の含量を有する。しかしながら、難燃剤IIIは同一基準で約40から約50重量%の範囲の全ハロゲンを含有するということが好ましい。
【0068】
難燃剤IV
難燃剤IVは、
【0069】
【化14】

【0070】
(式中、zは約1から約4の範囲にあり、Phはフェノール基である)
を含んでなる。
【0071】
通常、難燃剤IVは、難燃剤IVの全重量基準で約5から約15重量%の範囲の有機リンを含有する。好ましくは、有機リン含量は、同一基準で約5から約10重量%の範囲、更に好ましい態様においては、この有機リン含量は、同一基準で約7から約10重量%の範囲にある。
【0072】
難燃剤I−IVの混合物
本発明の実施においては、難燃剤I、難燃剤II、難燃剤III、および難燃剤IVが個別に使用可能である。しかしながら、他の態様においては、難燃剤I、難燃剤II、難燃剤III、および難燃剤IVのいずれかを難燃剤I、難燃剤II、難燃剤III、および難燃剤IVのもう一つと組み合わせて使用することができるということは、本発明の範囲内にある。例えば、難燃剤Iを難燃剤II、難燃剤III、および難燃剤IVのいずれかもしくは全部と組み合わせて使用することができ;難燃剤IIを難燃剤I、難燃剤III、および難燃剤IVのいずれかもしくは全部と組み合わせて使用することができるなどである。
【0073】
テキスタイルへの塗布方法
表示されている難燃剤をテキスタイルに塗布する方法は本発明には重要でなく、テキスタイルに難燃剤を塗布するのに有効であると当業界で知られているいかなる方法からも選択可能である。例えば、この選択された難燃剤は、分散され、ならびに/もしくは当業界で普通に使用される「被覆」法、すなわち裏面被覆、噴霧、ディップ、浸漬などの方法によりテキスタイルに塗布可能である。
【0074】
しかしながら、好ましい態様においては、この選択された難燃剤は、この明細書中ではまとめて裏面被覆剤と呼ばれ、テキスタイルの表面に塗布される裏面材、裏面層または裏面被覆剤などの層中に含有される。裏面被覆剤は、通常、ポリマー化合物と、選択された難燃剤を分散させる好適な液体キャリア材料から誘導される。また、液体キャリア材料は、裏面被覆剤の製造において普通に使用される、有機液体および水などのいかなる好適な液体キャリア材料であることができる。好ましい態様においては、液体キャリア材料は水である。
【0075】
裏面被覆剤中で使用されるポリマーの選択は、当業者ならば容易に達成可能である。通常、裏面被覆剤のポリマーは、既知であって、結合、被覆、含浸または関連の用途に使用される多数の安定なポリマーディスパージョンから選択可能であり、自己架橋タイプまたは外部架橋タイプのものであり得る。このポリマー構成成分は、付加ポリマー、縮合ポリマーまたはセルロース誘導体であることができる。好適はポリマーの非限定的な例は、発泡もしくは非発泡オルガノゾル、プラスチゾル、ラテックスなどを含み、これらはポリビニルクロリド、ポリビニルクロリド−ポリビニルアセテート、およびポリエチレン−ポリビニルクロリドなどのビニルハライド;ポリビニルアセテート、ポリエチレン−ポリビニル、およびポリアクリル−ポリビニルアセテートなどのビニルエステルのポリマーおよびコポリマー;エチルアクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、およびジメチルアミノエチルアクリレートなどのアクリレートモノマーのポリマーおよびコポリマー;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、およびブチルメタクリレートなどのメタクリレートモノマーのポリマーおよびコポリマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、N−イソ−プロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、およびメタクリルアミドのポリマーおよびコポリマー;ポリビニリデンクロリド、ポリビニリデンクロリド−ポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド−ポリエチルアクリレート、およびポリビニリデンクロリド−ポリビニルクロリド−ポリアクリロニトリルなどのビニリデンポリマーおよびコポリマー;エチレンとプロピレンを含むオレフィンモノマーのポリマーおよびコポリマー、ならびに1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、2−エチル−l,3−ブタジエンなどのポリマーおよびコポリマー;天然ラテックス;ポリウレタン、ポリアミド;ポリエステル;スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、および4−ブチルスチレンを含むスチレンのポリマーおよびコポリマー;フェノール系エマルション;アミノプラスト樹脂などを含むタイプの1つ以上のポリマー成分を含
有する。裏面被覆剤テキスタイルにおけるこのようなポリマーの使用は、当業界で周知である。例えば、米国特許第4,737,386号および第4,304,812号を参照のこと。
【0076】
好ましい態様においては、裏面被覆剤のポリマーは、ポリマーラテックスまたはポリマープラスチゾル化合物のいずれか、更に好ましくはポリマーラテックスである。いくつかの態様においては、裏面被覆剤に使用されるラテックスポリマーは、少なくとも1つのアクリルモノマーとポリビニリデンクロリドのコポリマーを含む。標準のアクリルモノマーは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、これらの酸のエステルまたはアクリロニトリル、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、アクリロニトリル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、エチレンジメタクリレート、ビニルアセテート、ブチルアセテートなどを含む。あるいは、裏面被覆は、当業界で既知のホットメルト法によりテキスタイルに塗布可能な慣用の熱可塑性ポリマーを含み得る。
【0077】
裏面被覆剤は、他の難燃剤、相乗剤、染料、防しわ剤、発泡剤、緩衝剤、pH安定剤、固定剤、フルオロカーボンなどの撥しみ剤、防しみ剤、防汚剤、湿潤剤、柔軟剤、撥水剤、しみ除去剤、蛍光漂白剤、乳化剤、増粘剤、および界面活性剤などの更なる構成成分を場合によっては含むことができる。しかしながら、好ましい態様においては、Sbなどの相乗剤は使用されない。
【0078】
裏面被覆剤は、通常、ポリマー、液体キャリア材料、もしあれば随意の構成成分、および選択された難燃剤を任意の方法および既知の順序で合体することにより形成されるものであり、方法および順序は本発明に重要でない。例えば、随意およびそうでない場合もこれらの構成成分は、貯蔵容器などの中で一緒に混合可能である。
【0079】
更には、当業界で既知のいかなる手段によっても裏面被覆剤をテキスタイルの表面に塗布することができる。例えば、圧力ロールおよびチルロールを使用するもの、「ナイフ」被覆法、押し出し被覆法、トランスファー法、被覆、噴霧、発泡などなどのコーティング機の使用が使用可能である。テキスタイルに塗布される裏面被覆剤の量は、一般に、難燃化量の上述のような表示されている難燃剤を有するテキスタイルをもたらすのに充分な量である。裏面被覆剤を塗布した後、裏面被覆剤は、裏面被覆剤を加熱もしくは乾燥もしくはいかなる方法であれ反応させることによりテキスタイル上で硬化可能である。
【0080】
上記の説明は本発明のいくつかの態様に関する。当業者ならば、本発明の精神を実施するために同等に有効である他の手段を案出することができるということを認識するであろう。本発明の好ましい態様は、この明細書中で議論されるすべての範囲が任意の低い量から任意の高い量までの範囲を含むということを意図していることも特記しなければならない。次の実施例は本発明を例示するが、いかなる方法であれ限定的であるようには意図されていない。
【実施例】
【0081】
次の実施例においては、表中に示すように難燃剤I−IVを表示する織布用の難燃剤として含有する裏面被覆剤の有効性が説明される。これらの実施例においては、FRが難燃剤の略号として使用される。すなわち難燃剤IがFR Iと略記可能であるなどである。
【0082】
第1に、選択された難燃剤を含有するディスパージョンを作製し、引き続いてポリエステル/アクリル織布に塗布される裏面被覆剤の製造に使用した。
【0083】
選択された難燃剤含有裏面被覆剤の難燃性効力を水浸漬(英国工業規格5651)の前
後で英国工業規格5852、第1部(小さい火炎、20秒着火)により測定した。
【0084】
これらの実施例は、難燃剤I−IVを含有する裏面被覆剤が問題なく作製可能であり、織布に塗布可能であること、およびこれらの裏面被覆織布が表に示すようにアドオンレベルでBS5852試験に合格するということを実証する。更には、これらの裏面被覆織布は、水浸漬試験(英国工業規格5651)後でいかなる重量損失もなく、BS5852試験に合格し、難燃剤I−IVを含有する裏面被覆剤が布張り家具用途での使用に好適であることが示される。
【0085】
1.難燃剤含有ディスパージョン(FRディスパージョン)の製造
ディスパージョンを形成するために、145.2gの水を四葉の攪拌器を備えたプラスチック容器に入れた。一定の攪拌の下で、2.15gのSuparex K(Clariantから市販されている分散剤)を水に添加した。次に、水とSuparex Kを完全に混合した後、2.95gのAlcopol OPG(Ciba Specialty Chemicalsから市販されている湿潤剤)を選択された難燃剤345.1gと共にカップ中の混合物に添加した。すべての構成成分を添加した後、攪拌器の速度を1500rpmまで増加し、容器の含量を2−3分間攪拌した。
【0086】
4.6gのTexigel(登録商標)(Scott Bader Ltd.から市販されているポリアクリレート増粘剤)を一定の攪拌の下で容器の内容物に添加した。ディスパージョンの粘度は約2000から約6000cPの範囲になければならない。粘度が低過ぎる場合は、Texigel(登録商標)の量を増加することができ、粘度が高過ぎる場合には、水を添加することができる。粘度はブルックフィールド(DV−E)粘度計により容易に測定される。
【0087】
ディスパージョン中の各構成成分の量を下記の表1に示す。FRは選択された難燃剤と同義で使用されるということを特記しなければならない。また、湿時重量%はディスパージョンの全重量を基準とする。
【0088】
【表1】

【0089】
2.裏面被覆剤の製造
裏面被覆剤を形成するために、129.8gのVycar 460X46(Noveon Performance Coatingsから市販されているPVCエマルションバインダー)を四葉の攪拌器を備えたプラスチック容器に導入し、穏やかに攪拌する。一定の攪拌下の容器に19.1gのSanticizer(登録商標)141(Ferro
Corporationから市販されている可塑剤)を添加し、続いて0.7gのSu
parex DE104(Clariantから市販されている発泡防止剤)を添加した。2分間の攪拌の後、Ciba Specialty Chemicalsから市販されているアクリル増粘剤である、25.45gのViscalex(登録商標)HV30を93.35gの水と一緒に添加し、続いて4.45gのアンモニア(25%)を添加した。5分間の一定の攪拌後、表1に示す227gの難燃剤ディスパージョンを添加する。攪拌器の速度を1500−2000rpmまで増加した。ディスパージョンの粘度は約7000から9000cPの範囲になければならない。粘度が低過ぎる場合は、Viscalex(登録商標)HV30の量を増加することができ、粘度が高過ぎる場合には、Performax(登録商標)11115を添加することができる。
【0090】
裏面被覆剤中の各構成成分の量を下記の表2に示す。FRは選択された難燃剤と同義で使用されるということを特記しなければならない。また、湿時重量%はディスパージョンの全重量を基準とする。
【0091】
【表2】

【0092】
3.織布の裏面被覆
表2に示し、上記で製造した裏面被覆剤を393g/mの織布重量を有する木綿シェニール織布に塗布した。「ナイフ」コーティング機のマティス実験室コータータイプLTE−Sにより織布に裏面被覆剤を塗布した。織布試料(33×43cm)をマティス実験室コーターのピンフレームに固定し、ナイフを織布の始点に置き、前方に動き、織布を被覆する、ナイフの近くに裏面被覆剤を置いた。被覆速度と被覆厚さを調整して、織布上に所望量の被覆を得ることができる。織布を被覆した時、ピンフレームをオーブンの中に自動的に移動し、オーブン中の時間およびオーブンの温度を調整することができる。この実施例においては、被覆織布を90℃で5分および140℃で10分乾燥した。
【0093】
次の式を使用することにより、裏面被覆剤のパーセント(アドオンとも呼ばれる)および裏面被覆された織布の臭素含量を求めた。
1)[[[(被覆織布の重量)/(織布のL(cm)*W(cm))]*10000]−(非被覆織布の重量(g/m)]=裏面被覆剤重量(g/m
2)[(裏面被覆剤重量(g/m))/(非被覆織布の重量(g/m))]*100=織布上の裏面被覆剤の%

織布上の表示したようなハロゲンまたはリンのパーセントを次の式により計算する。
1)(織布上の裏面被覆剤の%)×(裏面被覆中の%乾時のpphrでのFRディスパージョン)=%織布上のハロゲン化もしくはリンFR
2)(%織布上のハロゲン化もしくはリンのFR)×(%FR中のハロゲン化もしくはのリン含量)=織布上のハロゲン化もしくはリンの%
【0094】
上記の式を用いて、織布の裏面被覆剤は、結果として下記の表3に表示するような織布上の裏面被覆剤の量および織布上のハロゲン/リン含量を生じるということが求められた。
【0095】
織布に裏面被覆剤を塗布した後、裏面被覆された織布をBS5651水浸漬試験と一緒にBS5852(第1部、マッチ試験、20秒着火)難燃性試験にかけた。これらの試験の結果を下記の表3に示す。
【0096】
【表3】

【0097】
【表4】

【0098】
実施例に示すように、本発明において使用されるFRの大部分は、BS5852防炎試験および水浸漬試験に合格し、テキスタイル塗布における使用に好適な有効なFRであることが示される。更には、本発明において使用されるFRの大部分は、BS5852防炎
試験および水浸漬試験の両方におけるHBCDの性能に合致するか超え、テキスタイル塗布におけるHBCDの有効な代替物となることが示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
難燃化量の
i)構造
【化1】

(式中、nは約1から約3の範囲にある)
を有する大量のアルキル化トリアリールホスフェートエステルを含む難燃剤I;
ii)大量の
【化2】

を含む難燃剤II;
iii)大量の
【化3】

を含む難燃剤III;
iv)構造
【化4】

(式中、zは約1から約4の範囲にあり、Phはフェノール基である)
を有する難燃剤IV;および
v)i)−iv)の混合物
を含んでなるテキスタイル製品。
【請求項2】
前記テキスタイル製品が難燃化量の難燃剤Iを含んでなり、ならびに難燃剤Iが難燃剤Iの全重量基準で約60重量%以上の上記のアルキル化トリアリールホスフェートエステル、約40重量%未満のTPP、および約5から約10重量%の範囲の有機リンを含む、請求項1に記載のテキスタイル製品。
【請求項3】
難燃剤Iがa)モノアルキルフェニルジフェニルホスフェート;b)ジ−(アルキルフェニル)フェニルホスフェート;c)ジアルキルフェニルジフェニルホスフェート;d)トリアルキルフェニルホスフェート;e)アルキルフェニルジアルキルフェニルフェニルホスフェート;およびf)約1重量%未満のトリフェニルホスフェートの1つ以上のアルキル化フェニルホスフェートを含んでなり、アルキル化フェニルホスフェートのアルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリー−ブチル、アミルの部分が選択されたイソアミル、ターシャリー−アミル基、シクロヘキシルおよびターシャリー−アミル基である、請求項2に記載のテキスタイル製品。
【請求項4】
難燃剤Iが難燃剤Iの全重量基準で約20重量%以上のモノアルキルフェニルジフェニルホスフェート、約80重量%未満のジ−(アルキルフェニル)フェニルホスフェート、約10重量%未満のジ−(アルキルフェニル)フェニルホスフェート、約20重量%未満のトリアルキルフェニルホスフェート、および約20重量%未満のアルキルフェニルジアルキルフェニルフェニルホスフェートを含んでなる、請求項3に記載のテキスタイル製品。
【請求項5】
難燃剤Iが難燃剤Iの全重量基準で
a)約90から約92重量%の範囲のIPP、約0.5から約0.75重量%の範囲のTPP、約1から約3重量%の範囲のDTPP、約0.05から約0.15重量%の範囲のTTPP、および約0.5から約0.75重量%の範囲の2,4−DDP;または
b)難燃剤Iの全重量基準で約94から約96重量%の範囲のIPP、約3.5から約5.5重量%の範囲のDTPP、および約0.1から約0.3重量%の範囲のTTPP;または
c)難燃剤Iの全重量基準で約71から約73重量%の範囲のIPP、約0.05から約0.15重量%の範囲のTPP、約26から約28重量%の範囲のDTPP、および約0.5から約0.7重量%の範囲のTTPPを含む、請求項1に記載のテキスタイル製品。
【請求項6】
前記テキスタイル製品が難燃化量の難燃剤IIを含んでなり、難燃剤IIが
a)難燃剤IIの全重量基準で約60重量%以上の
【化5】

、および場合によっては
b)TCEPを含む難燃剤IIの全重量基準で約0.01から約6重量%の範囲のTCEP、約5から約15重量%の範囲の有機リン、および約20から約40重量%の範囲の塩
素;または
c)TCEPおよびTBEPを含む難燃剤IIの全重量基準で約0.01から約6重量%の範囲のTCEP、約1から約15重量%の範囲のTBEP、約20から約40重量%の範囲の塩素、および約5から約15重量%の範囲の有機リン濃度を含んでなる、請求項1に記載のテキスタイル製品。
【請求項7】
前記テキスタイル製品が難燃化量の難燃剤IIIを含んでなり、難燃剤IIIが難燃剤IIIの全重量基準で約60重量%以上の
【化6】

を含み、
難燃剤IIIが難燃剤IIIの全重量基準で約5から約15重量%の範囲の有機リンの有機リン含量、および/または約30から約50重量%の範囲の全ハロゲン、すなわち臭素および/または塩素の全ハロゲン含量を場合によっては有する、請求項1に記載のテキスタイル製品。
【請求項8】
難燃剤IIIが
a)A)を含む難燃剤IIIの全重量基準で約10から約60重量%の範囲のA)
【化7】

または
b)A)およびB)を含む難燃剤IIIの全重量基準で約10から約60重量%の範囲のA)、および約1から約15重量%の範囲のB)
【化8】

を含んでなり、
a)またはb)がa)またはb)の全重量基準で約30から約50重量%の範囲の全ハロゲン、すなわち臭素および/または塩素の全ハロゲン含量、および/または
a)またはb)の全重量基準で約5から約15重量%の範囲の有機リンを場合によっては有する、請求項7に記載のテキスタイル製品。
【請求項9】
前記テキスタイル製品が難燃剤IVを含んでなり、難燃剤IVが難燃剤IVの全重量基準で約5から約15重量%の範囲の有機リンを含む、請求項1に記載のテキスタイル製品。
【請求項10】
前記テキスタイル製品が難燃化量のi)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物を含有しない同一のテキスタイル製品のそれと類似の臭いと、物理的属性を有する、請求項1に記載のテキスタイル製品。
【請求項11】
前記難燃化量のi)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物を含有する前記テキスタイル製品の臭い、可撓性、および/または柔軟性が前記難燃化量を含有しない同一のテキスタイル製品と実質的に同じである、請求項1に記載のテキスタイル製品。
【請求項12】
i)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物から選択される、約5から約60重量%の範囲の難燃剤を含有する、その上に堆積された被覆層を有するテキスタイル製品。
【請求項13】
前記テキスタイル製品が合成繊維および/または天然繊維から製造される、織布、布、カーペットなどから選択される、請求項12に記載のテキスタイル製品。
【請求項14】
前記被覆層が裏面被覆である、請求項12に記載のテキスタイル製品。
【請求項15】
前記テキスタイル製品が難燃化量の難燃剤Iを含んでなり、難燃剤Iが難燃剤Iの全重量基準で約60重量%以上の上記のアルキル化トリアリールホスフェートエステル、約40重量%未満のTPP、および約5から約10重量%の範囲の有機リンを含む、請求項12に記載のテキスタイル製品。
【請求項16】
難燃剤Iがa)モノアルキルフェニルジフェニルホスフェート;b)ジ−(アルキルフェニル)フェニルホスフェート;c)ジアルキルフェニルジフェニルホスフェート;d)トリアルキルフェニルホスフェート;e)アルキルフェニルジアルキルフェニルフェニルホスフェート;およびf)約1重量%未満のトリフェニルホスフェートの1つ以上のアルキル化フェニルホスフェートを含んでなり、アルキル化フェニルホスフェートのアルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリー−ブチル、アミルの部分が選択されたイソアミル、ターシャリー−アミル基、シクロヘキシルおよびターシャリー−アミル基である、請求項15に記載のテキスタイル製品。
【請求項17】
難燃剤Iが
a)難燃剤Iの全重量基準で約20重量%以上のモノアルキルフェニルジフェニルホスフェート、約80重量%未満のジ−(アルキルフェニル)フェニルホスフェート、約10重量%未満のジ−(アルキルフェニル)フェニルホスフェート、約20重量%未満のトリアルキルフェニルホスフェート、および約20重量%未満のアルキルフェニルジアルキルフェニルフェニルホスフェート;
b)難燃剤Iの全重量基準で約90から約92重量%の範囲のIPP、約0.5から約0.75重量%の範囲のTPP、約1から約3重量%の範囲のDTPP、約0.05から約0.15重量%の範囲のTTPP、および約0.5から約0.75重量%の範囲の2,4−DDP;または
c)難燃剤Iの全重量基準で約94から約96重量%の範囲のIPP、約3.5から約5.5重量%の範囲のDTPP、および約0.1から約0.3重量%の範囲のTTPP;または
d)難燃剤Iの全重量基準で約71から約73重量%の範囲のIPP、約0.05から約0.15重量%の範囲のTPP、約26から約28重量%の範囲のDTPP、および約0.5から約0.7重量%の範囲のTTPP
を含んでなる、請求項16に記載のテキスタイル製品。
【請求項18】
前記テキスタイル製品が難燃化量の難燃剤IIを含んでなり、難燃剤IIが
a)難燃剤IIの全重量基準で約60重量%以上の
【化9】

;および場合によっては
b)TCEPを含む難燃剤IIの全重量基準で約0.01から約6重量%の範囲のTCEP、約5から約15重量%の範囲の有機リン、および約20から約40重量%の範囲の塩素;または
c)TCEPおよびTBEPを含む難燃剤IIの全重量基準で約0.01から約6重量%の範囲のTCEP、約1から約15重量%の範囲のTBEP、および約20から約40重量%の範囲の塩素
を含んでなる、請求項12に記載のテキスタイル製品。
【請求項19】
前記テキスタイル製品が難燃化量の難燃剤IIIを含んでなり、難燃剤IIIが難燃剤IIIの全重量基準で約60重量%以上の
【化10】

を含んでなり、
難燃剤IIIが難燃剤IIIの全重量基準で約5から約15重量%の範囲の有機リンの有機リン含量、および/または約30から約50重量%の範囲の全ハロゲン、すなわち臭素および/または塩素の全ハロゲン含量を場合によっては有する、請求項12に記載のテキスタイル製品。
【請求項20】
難燃剤IIIが
a)A)を含む難燃剤IIIの全重量基準で約10から約60重量%の範囲のA)
【化11】

;または
b)A)およびB)を含む難燃剤IIIの全重量基準で約10から約60重量%の範囲のA)、および約1から約15重量%の範囲のB)
【化12】

を含んでなり、
a)またはb)がa)またはb)の全重量基準で約30から約50重量%の範囲の全ハロゲン、すなわち臭素および/または塩素の全ハロゲン含量、および/またはa)またはb)の全重量基準で約5から約15重量%の範囲の有機リンを場合によっては有する、請求項19に記載のテキスタイル製品。
【請求項21】
前記テキスタイル製品が難燃剤IVを含んでなり、難燃剤IVが難燃剤IVの全重量基準で約5から約15重量%の範囲の有機リンを含有する、請求項12に記載のテキスタイル製品。
【請求項22】
前記テキスタイル製品が難燃化量のi)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物を含有しない同一のテキスタイル製品のそれと類似の臭いと、物理的属性を有する、請求項12に記載のテキスタイル製品。
【請求項23】
前記難燃化量のi)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物を含有する前記テキスタイル製品の臭い、可撓性、および/または柔軟性が前記難燃化量を含有しない同一のテキスタイル製品と実質的に同じである、請求項12に記載のテキスタイル製品。
【請求項24】
i)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物から選択される、難燃化量の難燃剤を含んでなる被覆を合成繊維および/または天然繊維からできている、織布、布、カーペットなどから選択される、前記テキスタイルに付加することを含んでなる、テキスタイルに難燃性を賦与する方法。
【請求項25】
前記被覆がi)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物から選択される、約15から約40重量%の範囲の難燃剤を含んでなり、前記テキスタイル製品がa)合成繊維、b)天然繊維、またはa)とb)の混合物から製造されている、織布、布、カーペットなどから選択され、ならびに前記被覆が裏面被覆であり、前記裏面被覆が実質的に透明であり、ならびに前記テキスタ
イル製品が難燃化量のi)難燃剤I、ii)難燃剤II、iii)難燃剤III、iv)難燃剤IV、およびv)i)−iv)の混合物を含有しない同一のテキスタイル製品のそれと類似の臭いと、物理的属性を有し、前記テキスタイル製品が難燃化された繊維を場合によっては含む、テキスタイル材料と、前記テキスタイル材料の表面に塗布された被覆を含んでなり、その上に層を形成する低火炎拡散性を有するテキスタイル製品。

【公表番号】特表2010−502856(P2010−502856A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527509(P2009−527509)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/077508
【国際公開番号】WO2008/030792
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(594066006)アルベマール・コーポレーシヨン (155)
【Fターム(参考)】