雨水貯留槽、雨水貯留槽充填構造
【課題】箱状の充填部材を用いた場合に、効果的に水平方向の強度を高くすることの可能な雨水貯留槽充填構造、及び、この雨水貯留槽充填構造を用いた雨水貯留槽を提供する。
【解決手段】雨水貯留槽10の充填構造体18は、箱形ブロック30を複数並べた下段ブロック群60及び上段ブロック群62を、水平補強部材50を挟んで積層して構成されている。水平補強部材50の板面部52には、板面の各々の側から突出される、外周リブ54、及び、補強リブ56が形成されている。補強リブ56は、平面視で外周部56Aが箱形ブロック30の開口部34に沿った形状とされており、外周部56Aの内側に、奥行方向Wに延びる複数の直線状のリブと、幅方向Lに延びる複数の直線状のリブとで格子状に形成されている。補強リブ56は、奥行方向W及び幅方向Lにおいて、外周部56Aの一方側から対向する他方側へ架けて連続する形状とされている。
【解決手段】雨水貯留槽10の充填構造体18は、箱形ブロック30を複数並べた下段ブロック群60及び上段ブロック群62を、水平補強部材50を挟んで積層して構成されている。水平補強部材50の板面部52には、板面の各々の側から突出される、外周リブ54、及び、補強リブ56が形成されている。補強リブ56は、平面視で外周部56Aが箱形ブロック30の開口部34に沿った形状とされており、外周部56Aの内側に、奥行方向Wに延びる複数の直線状のリブと、幅方向Lに延びる複数の直線状のリブとで格子状に形成されている。補強リブ56は、奥行方向W及び幅方向Lにおいて、外周部56Aの一方側から対向する他方側へ架けて連続する形状とされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水を貯留又は地中に浸透させる等のために用いられる雨水貯留槽、及び、雨水貯留槽を構成する雨水貯留槽充填構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特に都市部や工場地帯での地層における保水力低下を補うために、地下に多量の雨水を貯留し、この雨水を序々に地層中へ浸透させる設備や、一旦、貯留した多量の雨水を十分な時間をかけて河川等へ放流する設備や、貯留した雨水を汲み上げて防火水等として使用する設備(これらの設備を包括して「雨水貯留槽」という。)などの開発が進んでいる。
【0003】
このような雨水貯留槽としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1には、箱形の充填部材の開口部分を下側にして並べ、地下貯水システムを構成する技術が開示されている。このように、箱形の充填部材を用いた場合、水平方向の土圧により充填部材の開口部分が潰れやすいという問題があった。
【0004】
そこで、特許文献2では、水平方向の補強を行うために、平板状補強材を用いている。特許文献2の補強材は、補強材の上下面に凹部を設けて充填部材を係合させており、凹部以外の部分を充填された板、または、格子状の板としている。このように、補強材を用いることにより、水平方向の強度を高めることができる。しかしながら、補強材の凹部以外の部分を格子状の板とすると、鉛直方向の強度が低下してしまう。また、凹部以外の部分を充填された板とすると、充填部材の材料を多く必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−223418号公報
【特許文献2】特開2002−235361公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して成されたものであり、箱状の充填部材を用いた場合に、効果的に水平方向の強度を高くすることの可能な雨水貯留槽充填構造、及び、この雨水貯留槽充填構造を用いた雨水貯留槽を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に係る雨水貯留槽充填構造は、一面に開口部が構成されると共に前記開口部の対向面が箱底部とされ側面の外周に箱内側へ入り込んだ入江部が形成された箱形ブロックの、前記開口部を上向きに複数並べて構成された下段ブロック群と、前記箱形ブロックの前記開口部を下向きに複数並べて構成された上段ブロック群と、前記上段ブロック群と前記下段ブロック群との間に配置され、板状とされた板面部に前記上段ブロック群及び下段ブロック群の開口部が両側から当接されると共に前記開口部の当接位置に対応する部分の箱内側一端から他端に架けて前記板面部の板面から突出した補強リブが形成された水平補強部材と、を備えている。
【0008】
請求項1に係る雨水貯留槽充填構造では、下段ブロック群と上段ブロック群との間に、水平補強部材が配置されている。水平補強部材は、板状とされた板面部を有し、この板面部に上段ブロック群及び下段ブロック群の開口部が両側から当接される。そして、開口部の当接位置に対応する部分の箱内側一端から他端に架けて、板面部の板面から突出した補強リブが形成されている。
【0009】
このように、補強リブを箱形ブロックの開口部の当接位置の箱内側の一端から他端に架けて形成することにより、補強リブによって開口部の対向面が支持され、水平方向の強度を高くすることができる。また、水平補強部材の、開口部の外側に対応する部分から外側は、板状とされているので、格子状の場合と比較して、開口部が当接されている部分の鉛直方向の強度も維持することができる。また、水平補強部材の、全体の厚みを厚くすることなく、効果的に補強リブにより、補強することができる。
【0010】
請求項2に係る雨水貯留槽充填構造は、前記補強リブが、格子状に形成されていること、を特徴とする。
【0011】
このように、補強リブを格子状に形成することにより、バランスよく、開口部の水平方向を補強することができる。
【0012】
請求項3に係る雨水貯留槽充填構造は、隣り合う前記水平補強部材同士を連結する水平連結具を、さらに備えている。
【0013】
このように、水平連結具を用いて隣り合う前記水平補強部材同士を連結することにより、充填部材同士の連結を強化することができる。
【0014】
請求項4に係る雨水貯留槽は、地面に形成された凹状のピットの内表面を覆うように敷設された遮水シートと、請求項1〜3のいずれか1項に記載の雨水貯留槽充填構造を上下方向に複数積層して構成され、前記遮水シートを介してピット内に配置される充填構造体と、を有する。
【0015】
請求項4の雨水貯留槽によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の雨水貯留槽充填構造が用いられているので、地面に形成された凹状のピット、すなわち、地面に形成された凹みに、遮水シートを介して充填された充填構造体について、水平方向の強度を向上させることができる。
【0016】
請求項5に係る雨水貯留槽は、上下方向に複数積層される前記雨水貯留槽充填構造の隣接する箱底部同士を連結する上下連結具を備えている。
【0017】
請求項5の雨水貯留槽によれば、上下連結具により、上下に隣接する下段ブロック群と上段ブロック群の充填部材の箱底部同士が連結されるので、積層される雨水貯留槽充填構造の上下方向の連結を強化することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明の雨水貯留槽充填構造によれば、水平補強部材の補強リブによって開口部の対向面が支持され、水平方向の強度を高くすることができる。また、水平補強部材の、開口部の外側に対応する部分から外側は、板状とされているので、格子状の場合と比較して、開口部が当接されている部分の鉛直方向の強度も維持することができる。また、水平補強部材の、全体の厚みを厚くすることなく、効果的に補強リブにより、補強することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る雨水貯留浸透槽の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】図1に示される雨水貯留槽における遮水保護層の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の雨水貯留槽に用いられる箱形ブロックの構成を示す底部側からみた斜視図である。
【図4】本発明の雨水貯留槽に用いられる箱形ブロックの構成を示す開口側からみた斜視図である。
【図5】本実施形態における積層される複数の箱形ブロックと水平補強部材との関係を示す斜視図である。
【図6】本発明の雨水貯留槽に用いられる充填構造体の構成の一部を示す斜視図である。
【図7】本実施形態における積層される複数の箱形ブロックと水平補強部材との関係を示す斜視図である。
【図8】上下連結具での連結状態を示す一部断面図である。
【図9】水平連結具での連結状態を示す一部断面図である。
【図10】積層される複数の箱形ブロックと水平補強部材との関係を示す側面図である。
【図11】本実施形態に係る、水平補強部材の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る雨水貯留槽を図面に基づいて説明する。
【0021】
(雨水貯留槽及び充填構造体の構成)
図1には本発明の実施形態に係る雨水貯留槽が模式的に示されている。図1に示されるように、雨水貯留槽10は地中Fに埋設されるものであり、その付帯設備として流入桝12及び流出桝14を備えている。
【0022】
図1に示される雨水貯留槽10を設置する際には、先ず、雨水を回収し、貯留する対象となる敷地の地表面から凹状のピットPを掘り下げ、このピットPの内表面を遮水保護層16により隙間なく覆った後、遮水保護層16により覆われたピットP内に略直方体状に形成された所定容積の充填構造体18を構築する。
【0023】
次いで、充填構造体18の頂面側を遮水シート20により隙間なく覆って、充填構造体18の外側を遮水保護層16及び遮水シート20により密封した後、充填構造体18が内部に配置されたピットPを土により埋め戻して充填構造体18の上側を覆土層22により覆う。なお、地下に雨水貯留槽10が設置される敷地では、通常、地表面の大部分がコンクリート、アスファルト等の非浸水性の舗装材により覆われる。
【0024】
敷地には、雨水貯留槽10の周辺に鉄筋コンクリート等により容器状に形成された流入桝12が埋設されると共に、雨水貯留槽10に隣接して鉄筋コンクリート等により容器状に形成された流出桝14が埋設される。流入桝12は、例えば、敷地を所定の面積を有する複数の領域に区画し、その領域毎に流入桝12を設置し、これらの流入桝12にそれぞれ雨水が流れ込むようなっている。ここで、雨水貯留槽10に最も近接した1個乃至複数個の流入桝12は、通水管24を通して他の流入桝12に接続されている。これにより、敷地全体に降った雨水は、雨水貯留槽10に最も近接した流入桝12内に一旦、集水される。
【0025】
流入桝12は、その側壁部の下端寄りの部位に流入管26の一端部が接続されると共に、側壁部における流入管26との接続部の上側にオーバフロー管28の一端部が接続されている。流入管26の他端側は、遮水保護層16を貫通して雨水貯留槽10内へ連通し、またオーバフロー管28の他端部は流出桝14の側壁部の上端寄りの部位に接続されている。
【0026】
流出桝14は、その側壁部の下端部にオリフィス管25の一端部が接続されると共に、側壁部の上端部にオーバフロー管27の一端部が接続されている。オリフィス管25及びオーバフロー管27の他端部は、それぞれ河川、河川等へ繋がった通水管、排水用の暗渠、下水道等の排水経路に繋がっている。ここで、流出桝14内には、雨水貯留槽10からオーバフローした雨水が流れ込み、この雨水が一時的に貯留される。またオリフィス管25は、流出桝14内から排水経路へ流出する雨水の流量を制限するオリフィスとしての機能を有している。
【0027】
遮水保護層16は、図2に示されるように、外側保護マット16A、遮水シート20及び内側保護マット16Bからなる3層構造とされている。外側保護マット16A及び内側保護マット16Bは、それぞれポリエステル短繊維を素材とし、十分な柔軟性を有する不織布により構成されている。外側保護マット16A及び内側保護マット16Bは、それぞれ応力集中を緩和することにより、土圧及び充填構造体18の重量に起因する荷重から充填構造体18及び遮水シート20を保護する。
【0028】
雨水貯留槽10の充填構造体18は、図3に示される箱形ブロック30を複数並べた下段ブロック群60及び上段ブロック群62(図6参照)を、水平補強部材50を挟んで積層して構成されている。下段ブロック群60、上段ブロック群62、及び、水平補強部材50の詳細については後述する。
【0029】
(箱形ブロックの構成)
箱形ブロック30の成形素材としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)(特に高密度ポリエチレン(HDPE))等のポリオレフィン系樹脂が化学的な安定性、機械的な強度、及び価格の面から好ましい。ここで、樹脂のメルトフローレート(MFR)(JIS K7210)は、加工性及び機械的な強度を考慮して10(F/10分)〜15(F/10分)のものがよい。また、これらに充填剤としてカーボンブラックを1〜3%加えて耐光性を高めてもよい。なお、設置場所が高温になる場所ではないため、酸化防止剤は加えなくてもよい。また、不飽和ポリエステルを基材とするFRPを使用してもよい。
【0030】
箱形ブロック30は、中空容器状に成形されている。箱形ブロック30の肉厚は、製品1個当たりの重量及び機械的な強度等を考慮して2mm〜3mmに設定されている。箱形ブロック30は、射出成形法によって成形することができる。
【0031】
図3及び図4に示されるように、箱形ブロック30は、全体として略直方体の箱状(中空容器状)に形成されている。箱形ブロック30には、筒体状の側板32が形成されると共に、この側板32の底面側を閉止する底板40が一体的に形成されている。図4に示されるように、箱形ブロック30は底板40と対向する箱面が開口されて開口部34とされており、側板32の下端部から外周側へ延出するように断面L字状乃至J字状の折返部34Aが全周に亘って形成されている。ここで、箱形ブロック30は、平面視で幅方向(矢印L方向)を長手方向とする略長方形とされており、幅方向に沿った寸法が奥行方向(矢印W方向)に沿った寸法の2倍になっている。
【0032】
箱形ブロック30には、側板32が箱内側へ凹状となる入江部38が形成されている。入江部38は、幅方向(矢印L方向)の2側面に3箇所ずつと、奥行方向(矢印W方向)の2側面に1箇所ずつで、合計8箇所形成されている。この入江部38が形成されることにより、側板32に、箱形ブロック30の外周面を構成する外側面部38A、幅方向Lの2側面に平面視で略コ字状の内側面部38B、及び、奥行方向Wの2側面に平面視で弧状の湾曲面部38Cが構成される。また、入江部38には、上下方向に空間38Rが構成され、幅方向Lの2側面に構成された空間38Rの開口部34側には、入江連結板35が設けられている。入江連結板35は、入江部38において側板32の下端を連結するように設けられている。入江連結板35には、穴35Aが構成されている。
【0033】
側板32の上下方向の開口部34側には、板面が折返部34Aと略直交するように板状のリブ36が設けられている。本実施形態では、側板32の四角に1つずつ、奥行方向Wに形成された入江部38の側板32に1つずつ、奥行方向Wの入江部38が構成されていない部分(凸状の部分)に1つずつ、幅方向Lの入江部38が構成されていない部分(凸状の部分)に2本ずつ、合計26本設けられている。なお、リブ36は、他の位置に設けてもよいし、26本よりも少ない数だけ設けてもよい。
【0034】
底板40には、対称線CL1に沿って細長く延在する略長方形のセンター板部42が形成されると共に、センター板部42から外側面部38Aの端部へ延出する蓋板部44が一体的に形成されている。これらの蓋板部44は、入江部38が構成されていない部分の底板40として、箱形ブロック30の他面側をそれぞれ閉止している。
【0035】
蓋板部44は、センター板部42よりも箱形ブロック30の外側に突出した位置に配置されている。これにより、底板40には、センター板部42における奥行方向Wの両端に、幅行方向Lに沿って立壁部43が形成されている。り、これら立壁部43は、それぞれセンター板部42に対して略直角に立ち上がって、その上端が蓋板部44の上面と一致している。
【0036】
箱形ブロック30では、その側板32に入江部38が形成されることにより、側板32により角部が多数構成され、角部が外部荷重に対して補強リブとして機能し、側板32が凹凸の形成されていない平板状に形成されている場合と比較し、外部荷重に対して高い強度が確保されている。
【0037】
底板40のセンター板部42には、幅方向Lに沿って4個の開口部42Bが矩形状に形成され、蓋板部44には、複数の開口部44Bが形成されている。このように箱形ブロック30に形成された、開口部42B、44Bは、箱形ブロック30内外への水の通水性を良好としており、これにより、箱形ブロック30により構成される充填構造体18内外への水の通水性も良好になる。
【0038】
また、蓋板部44のうち、箱形ブロック30の四角に設けられた4つには、上下連結穴44Aが形成されている。上下連結穴44Aは、図8に示されるように、外側に大径のテーパーTが構成されている。
【0039】
(水平補強部材の構成)
水平補強部材50は、図5に示されるように、略長方形板状とされ、図6にも示されるように、本体となる同形状の板面部52を備えている。板面部52には、板面の各々の側から突出される、外周リブ54、及び、補強リブ56が形成されている。外周リブ54は、板面部52の外周に沿って形成され、幅方向L及び奥行方向Wの中央部に隙間Sが構成されている。補強リブ56は、平面視で外周部56Aが箱形ブロック30の開口部34に沿った形状とされており、外周部56Aの内側に、奥行方向Wに延びる複数の直線状のリブと、幅方向Lに延びる複数の直線状のリブとで格子状に形成されている。補強リブ56は、奥行方向W及び幅方向Lにおいて、外周部56Aの一方側から対向する他方側へ架けて連続する形状とされている。
【0040】
水平補強部材50の外周リブ54と外周部56Aとの間には、箱形ブロック30の開口部34を嵌め込んで箱形ブロック30を保持する保持溝58が構成されている。保持溝58の幅方向Lに沿って形成された入江部38に対応する部分には、入江連結板35を嵌め込み可能な入江保持部58Aが構成されている。入江保持部58Aには、入江連結板35の穴35Aに対応する位置に穴58Bが構成されている。保持溝58の奥行方向Wに沿って形成された入江部38に対応する部分には、外側板部58Cが構成されている。外側板部58Cには、穴58Dが構成されている。
【0041】
(下段ブロック群及び上段ブロック群)
図6に示されるように、下段ブロック群60は、複数の箱形ブロック30が開口部34を上向きにして水平方向の縦横に並べられて構成されている。上段ブロック群62は、複数の箱形ブロック30が開口部34を下向きにして水平方向の縦横に並べられて構成されている。下段ブロック群60と上段ブロック群62の間には、水平補強部材50が配置されている。図7に示されるように、下段ブロック群60の個々の箱形ブロック30は、開口部34が水平補強部材50の一方面側(下面側)の保持溝58に嵌め込まれて板面部52に当接され、水平方向の移動が規制されて保持される。また、上段ブロック群62の個々の箱形ブロック30についても、開口部34が水平補強部材50の他方面側(上面側)の保持溝58に嵌め込まれて板面部52に当接され、水平方向の移動が規制されて保持される。
【0042】
図9に示されるように、水平方向に隣り合う、水平補強部材50同士は、水平連結具64により連結されている。水平連結具64は、長尺の板部材の両端が略直角に屈曲されて屈曲部64Aが形成された形状とされている。奥行方向Wに隣り合う水平補強部材50同士について、図9(A)に示されるように、水平連結具64は、箱形ブロック30上に水平補強部材50が配置された状態で、一方の屈曲部64Aが水平補強部材50の穴58B及び箱形ブロック30の穴35Aを上側から貫通するように、他方の屈曲部64Aが水平補強部材50の穴58B及び奥行方向Wに隣接する箱形ブロック30の穴35Aを上側から貫通するようにして、取り付けられる。
【0043】
また、幅方向Lに隣り合う水平補強部材50同士について、図9(B)に示されるように、水平連結具64は、幅方向Lに隣接する箱形ブロック30の湾曲面部38Cの外側に構成される凹部及び水平補強部材50の穴58Dを上側から貫通するようにして、取り付けられる。
【0044】
これにより、奥行方向W、及び、幅方向Lに隣り合う、水平補強部材50同士は互いに離れる方向の移動が規制され、連結されている。なお、水平連結具64は、奥行方向W、または、幅方向Lの一方のみに設けられていてもよい。
【0045】
図10に示されるように、上段ブロック群62の上には、さらに下段ブロック群60、水平補強部材50、上段ブロック群62が、順次積層される。下段ブロック群60の上段ブロック群62への積層は、箱形ブロック30の蓋板部44同士が重ねられて行われ、上下の箱形ブロック30同士は、上下連結具66で連結されている。上下連結具66は、図8にも示されるように、略円錐状の挿入部66Aが鍔部66Bを挟んで底部で突き合わされて構成されている。
【0046】
上下の箱形ブロック30同士を連結するときには、まず、一方の挿入部66A側を、上段ブロック群62の箱形ブロック30の上下連結穴44Aに上側から挿入する。すると、上下連結具66は、鍔部66Bがテーパー部Tにより支持されて、上半分が蓋板部44から上へ突出された状態となる。この上下連結具66の突出部分(上半分)を、下段ブロック群60の箱形ブロック30の上下連結穴44Aに挿入して、箱形ブロック30を積層する。これにより、上下の箱形ブロック30が、連結される。
【0047】
(充填構造体及び雨水貯留槽の構築方法)
次に、遮水保護層16により内表面が覆われたピットP内に充填構造体18を構築する方法について説明する。箱形ブロック30を用いて充填構造体18を構築する際には、遮水保護層16を介して箱形ブロック30を並べる。
【0048】
充填構造体18を構築する作業者は、充填構造体18の最下層(第1段目)となる下段ブロック群60を配置する。下段ブロック群60は、複数個の箱形ブロック30を、開口部34が上向きとなり、また、幅方向Lと奥行方向Wが同方向となるようにして、互いに接するように配列し、ピットPの底面全体を覆って構成する。
【0049】
次いで、作業者は、下段ブロック群60の上に箱形ブロック30と同数の水平補強部材50を配置する。水平補強部材50は、下側の保持溝58に箱形ブロック30の開口部34を嵌め込みつつ配置する。そして、幅方向L、奥行方向Wに隣り合う水平補強部材50同士を、水平連結具64で連結する。
【0050】
次いで、作業者は、水平補強部材50の上に、上段ブロック群62を積層配置する。上段ブロック群62は、複数個の箱形ブロック30を、開口部34が下向きとなり、また、下段ブロック群60の各々の箱形ブロック30と開口部34を対応させて、水平補強部材50の上側の保持溝58に箱形ブロック30の開口部34を嵌め込みつつ配置する。
【0051】
次いで、作業者は、上段ブロック群62の上に、下段ブロック群60を積層配置する。下段ブロック群60は、複数個の箱形ブロック30を、開口部34が上向きとなり、また、上段ブロック群62の各々の箱形ブロック30と蓋板部44を対応させて積層する。このとき、蓋板部44を挟んで上下の箱形ブロック30同士を、上下連結具66で連結する。
【0052】
さらに、その上に、前述と同様にして、水平補強部材50、上段ブロック群62、下段ブロック群60を繰り返し積層配置し、ピットP(雨水貯留槽10)の深さに応じた段数だけ積み上げることにより、ピットP内に充填構造体18が構築される。
【0053】
作業者は、ピットP内に充填構造体18を構築した後、充填構造体18の上面側を遮水シート20により隙間なく覆うと共に、必要な配管作業等を行った後に、充填構造体18の上側を土により埋め戻して覆土層22を形成する。また敷地の地表面は、必要に応じてコンクリート、アスファルト等の舗装材により舗装され、又はブロック等が敷きつめられる。
【0054】
(雨水貯留槽の作用)
次に、上記のように構成された雨水貯留槽10の作用について説明する。
【0055】
雨水貯留槽10が設置された敷地では、雨が降ると敷地の地表面から流入桝12内に雨水が一旦流入し、流入桝12内に蓄えられた雨水が流入管26を通して雨水貯留槽10内へ流入する。このとき、流入桝12内の水位がオーバフロー管28の接続部よりも高くなると、流入桝12内の雨水がオーバフロー管28を通して流出桝14へ直接流れ出し、流入桝12から雨水が溢れることを防止している。
【0056】
雨水貯留槽10内へ流入した雨水は、雨水貯留槽10と流出桝14との間に設けられたオリフィス(図示省略)を通して雨水貯留槽10から流出桝14へ流れ出る。オリフィスは、雨水の流通量が流出桝14に接続されたオリフィス管25における雨水の流通量とバランスするように、水の流通量を制限している。また雨水貯留槽10からの雨水の流出量を超える雨水が雨水貯留槽10内へ継続的に流れ込み、雨水貯留槽10が満水近くになると、雨水貯留槽10内の雨水が流出桝14内へオーバフローし、雨水貯留槽10内から雨水が溢れることが防止される。
【0057】
流出桝14内へ流入した雨水は、オリフィス管25を通して通水管、排水用の暗渠、下水道等の排水経路へ流れ出し、最終的に河川、海等へ放流される。またオリフィス管25における雨水の流通量を超える雨水が流出桝14内へ継続的に流れ込み、流出桝14が満水近くになると、流出桝14内の雨水がオーバフロー管27を通って排水経路へ流れ出し、流出桝14内から雨水が溢れることが防止される。
【0058】
上記のような雨水貯留槽10によれば、その内容積を敷地面積に応じて設定することにより、敷地に降った雨が地表面から直接、河川、下水等へ流れ込むことがなくなり、敷地面積に対応する量の雨水を雨水貯留槽10内へ一旦蓄えた後、雨水を雨水貯留槽10内から序々に雨水が河川、下水等へ流出させることができるので、短時間に多量の雨が降った場合(集中豪雨時)にも、河川、下水に許容流水量を超える雨水が流れる込むことを防止し、冠水、河川の氾濫等の水害を引き起こすことを効果的に防止できる。
【0059】
また、本実施形態では、水平補強部材50を設けているので、中空の箱形ブロック30の開口部34における、水平方向の強度を補強することができ、水平方向の土圧に対する潰れを抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態では、水平補強部材50の補強リブ56が、箱形ブロック30の開口部34内側に対応する部分の一端辺から他端辺に架けて形成されているので、開口部34の対向面が支持され、水平方向の土圧に対する開口部34の潰れを、効果的に抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態では、水平補強部材50の補強リブ56が、箱形ブロック30の開口部34内側に対応する部分で格子状に形成されているので、バランスよく水平方向の土圧を受けることができる。
【0062】
また、本実施形態では、水平補強部材50が板面部52を有しているので、水平補強部材の全体が網目状のリブで形成されている場合と比較して、鉛直方向の土圧に対する強度も維持することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る雨水貯留槽10を構成する充填構造体18は、上下方向に箱形ブロック30の開口部34同士が向き合うように、または、箱形ブロック30の蓋板部44同士が向き合うように積層している。したがって、上下の箱形ブロック30の境界部分において、鉛直方向の圧力に対する強度を高くすることができる。また、蓋板部44同士が向き合うように積層された境界部分では、水平補強部材が不要となり、部材点数を減らすことができる。
【0064】
また、本実施形態では、水平補強部材50は、1個の箱形ブロック30の開口部34に対応した長方形板状で一体的に構成したが、図11に示すように、長手方向の中央で2分した2部材で構成してもよい。
【符号の説明】
【0065】
10 雨水貯留槽
20 遮水シート
30 箱形ブロック
34 開口部
38 入江部
50 水平補強部材
52 板面部
54 外周リブ
56 補強リブ
60 下段ブロック群
62 上段ブロック群
64 水平連結具
66 上下連結具
P ピット
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水を貯留又は地中に浸透させる等のために用いられる雨水貯留槽、及び、雨水貯留槽を構成する雨水貯留槽充填構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特に都市部や工場地帯での地層における保水力低下を補うために、地下に多量の雨水を貯留し、この雨水を序々に地層中へ浸透させる設備や、一旦、貯留した多量の雨水を十分な時間をかけて河川等へ放流する設備や、貯留した雨水を汲み上げて防火水等として使用する設備(これらの設備を包括して「雨水貯留槽」という。)などの開発が進んでいる。
【0003】
このような雨水貯留槽としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1には、箱形の充填部材の開口部分を下側にして並べ、地下貯水システムを構成する技術が開示されている。このように、箱形の充填部材を用いた場合、水平方向の土圧により充填部材の開口部分が潰れやすいという問題があった。
【0004】
そこで、特許文献2では、水平方向の補強を行うために、平板状補強材を用いている。特許文献2の補強材は、補強材の上下面に凹部を設けて充填部材を係合させており、凹部以外の部分を充填された板、または、格子状の板としている。このように、補強材を用いることにより、水平方向の強度を高めることができる。しかしながら、補強材の凹部以外の部分を格子状の板とすると、鉛直方向の強度が低下してしまう。また、凹部以外の部分を充填された板とすると、充填部材の材料を多く必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−223418号公報
【特許文献2】特開2002−235361公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して成されたものであり、箱状の充填部材を用いた場合に、効果的に水平方向の強度を高くすることの可能な雨水貯留槽充填構造、及び、この雨水貯留槽充填構造を用いた雨水貯留槽を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に係る雨水貯留槽充填構造は、一面に開口部が構成されると共に前記開口部の対向面が箱底部とされ側面の外周に箱内側へ入り込んだ入江部が形成された箱形ブロックの、前記開口部を上向きに複数並べて構成された下段ブロック群と、前記箱形ブロックの前記開口部を下向きに複数並べて構成された上段ブロック群と、前記上段ブロック群と前記下段ブロック群との間に配置され、板状とされた板面部に前記上段ブロック群及び下段ブロック群の開口部が両側から当接されると共に前記開口部の当接位置に対応する部分の箱内側一端から他端に架けて前記板面部の板面から突出した補強リブが形成された水平補強部材と、を備えている。
【0008】
請求項1に係る雨水貯留槽充填構造では、下段ブロック群と上段ブロック群との間に、水平補強部材が配置されている。水平補強部材は、板状とされた板面部を有し、この板面部に上段ブロック群及び下段ブロック群の開口部が両側から当接される。そして、開口部の当接位置に対応する部分の箱内側一端から他端に架けて、板面部の板面から突出した補強リブが形成されている。
【0009】
このように、補強リブを箱形ブロックの開口部の当接位置の箱内側の一端から他端に架けて形成することにより、補強リブによって開口部の対向面が支持され、水平方向の強度を高くすることができる。また、水平補強部材の、開口部の外側に対応する部分から外側は、板状とされているので、格子状の場合と比較して、開口部が当接されている部分の鉛直方向の強度も維持することができる。また、水平補強部材の、全体の厚みを厚くすることなく、効果的に補強リブにより、補強することができる。
【0010】
請求項2に係る雨水貯留槽充填構造は、前記補強リブが、格子状に形成されていること、を特徴とする。
【0011】
このように、補強リブを格子状に形成することにより、バランスよく、開口部の水平方向を補強することができる。
【0012】
請求項3に係る雨水貯留槽充填構造は、隣り合う前記水平補強部材同士を連結する水平連結具を、さらに備えている。
【0013】
このように、水平連結具を用いて隣り合う前記水平補強部材同士を連結することにより、充填部材同士の連結を強化することができる。
【0014】
請求項4に係る雨水貯留槽は、地面に形成された凹状のピットの内表面を覆うように敷設された遮水シートと、請求項1〜3のいずれか1項に記載の雨水貯留槽充填構造を上下方向に複数積層して構成され、前記遮水シートを介してピット内に配置される充填構造体と、を有する。
【0015】
請求項4の雨水貯留槽によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の雨水貯留槽充填構造が用いられているので、地面に形成された凹状のピット、すなわち、地面に形成された凹みに、遮水シートを介して充填された充填構造体について、水平方向の強度を向上させることができる。
【0016】
請求項5に係る雨水貯留槽は、上下方向に複数積層される前記雨水貯留槽充填構造の隣接する箱底部同士を連結する上下連結具を備えている。
【0017】
請求項5の雨水貯留槽によれば、上下連結具により、上下に隣接する下段ブロック群と上段ブロック群の充填部材の箱底部同士が連結されるので、積層される雨水貯留槽充填構造の上下方向の連結を強化することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明の雨水貯留槽充填構造によれば、水平補強部材の補強リブによって開口部の対向面が支持され、水平方向の強度を高くすることができる。また、水平補強部材の、開口部の外側に対応する部分から外側は、板状とされているので、格子状の場合と比較して、開口部が当接されている部分の鉛直方向の強度も維持することができる。また、水平補強部材の、全体の厚みを厚くすることなく、効果的に補強リブにより、補強することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る雨水貯留浸透槽の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】図1に示される雨水貯留槽における遮水保護層の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の雨水貯留槽に用いられる箱形ブロックの構成を示す底部側からみた斜視図である。
【図4】本発明の雨水貯留槽に用いられる箱形ブロックの構成を示す開口側からみた斜視図である。
【図5】本実施形態における積層される複数の箱形ブロックと水平補強部材との関係を示す斜視図である。
【図6】本発明の雨水貯留槽に用いられる充填構造体の構成の一部を示す斜視図である。
【図7】本実施形態における積層される複数の箱形ブロックと水平補強部材との関係を示す斜視図である。
【図8】上下連結具での連結状態を示す一部断面図である。
【図9】水平連結具での連結状態を示す一部断面図である。
【図10】積層される複数の箱形ブロックと水平補強部材との関係を示す側面図である。
【図11】本実施形態に係る、水平補強部材の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る雨水貯留槽を図面に基づいて説明する。
【0021】
(雨水貯留槽及び充填構造体の構成)
図1には本発明の実施形態に係る雨水貯留槽が模式的に示されている。図1に示されるように、雨水貯留槽10は地中Fに埋設されるものであり、その付帯設備として流入桝12及び流出桝14を備えている。
【0022】
図1に示される雨水貯留槽10を設置する際には、先ず、雨水を回収し、貯留する対象となる敷地の地表面から凹状のピットPを掘り下げ、このピットPの内表面を遮水保護層16により隙間なく覆った後、遮水保護層16により覆われたピットP内に略直方体状に形成された所定容積の充填構造体18を構築する。
【0023】
次いで、充填構造体18の頂面側を遮水シート20により隙間なく覆って、充填構造体18の外側を遮水保護層16及び遮水シート20により密封した後、充填構造体18が内部に配置されたピットPを土により埋め戻して充填構造体18の上側を覆土層22により覆う。なお、地下に雨水貯留槽10が設置される敷地では、通常、地表面の大部分がコンクリート、アスファルト等の非浸水性の舗装材により覆われる。
【0024】
敷地には、雨水貯留槽10の周辺に鉄筋コンクリート等により容器状に形成された流入桝12が埋設されると共に、雨水貯留槽10に隣接して鉄筋コンクリート等により容器状に形成された流出桝14が埋設される。流入桝12は、例えば、敷地を所定の面積を有する複数の領域に区画し、その領域毎に流入桝12を設置し、これらの流入桝12にそれぞれ雨水が流れ込むようなっている。ここで、雨水貯留槽10に最も近接した1個乃至複数個の流入桝12は、通水管24を通して他の流入桝12に接続されている。これにより、敷地全体に降った雨水は、雨水貯留槽10に最も近接した流入桝12内に一旦、集水される。
【0025】
流入桝12は、その側壁部の下端寄りの部位に流入管26の一端部が接続されると共に、側壁部における流入管26との接続部の上側にオーバフロー管28の一端部が接続されている。流入管26の他端側は、遮水保護層16を貫通して雨水貯留槽10内へ連通し、またオーバフロー管28の他端部は流出桝14の側壁部の上端寄りの部位に接続されている。
【0026】
流出桝14は、その側壁部の下端部にオリフィス管25の一端部が接続されると共に、側壁部の上端部にオーバフロー管27の一端部が接続されている。オリフィス管25及びオーバフロー管27の他端部は、それぞれ河川、河川等へ繋がった通水管、排水用の暗渠、下水道等の排水経路に繋がっている。ここで、流出桝14内には、雨水貯留槽10からオーバフローした雨水が流れ込み、この雨水が一時的に貯留される。またオリフィス管25は、流出桝14内から排水経路へ流出する雨水の流量を制限するオリフィスとしての機能を有している。
【0027】
遮水保護層16は、図2に示されるように、外側保護マット16A、遮水シート20及び内側保護マット16Bからなる3層構造とされている。外側保護マット16A及び内側保護マット16Bは、それぞれポリエステル短繊維を素材とし、十分な柔軟性を有する不織布により構成されている。外側保護マット16A及び内側保護マット16Bは、それぞれ応力集中を緩和することにより、土圧及び充填構造体18の重量に起因する荷重から充填構造体18及び遮水シート20を保護する。
【0028】
雨水貯留槽10の充填構造体18は、図3に示される箱形ブロック30を複数並べた下段ブロック群60及び上段ブロック群62(図6参照)を、水平補強部材50を挟んで積層して構成されている。下段ブロック群60、上段ブロック群62、及び、水平補強部材50の詳細については後述する。
【0029】
(箱形ブロックの構成)
箱形ブロック30の成形素材としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)(特に高密度ポリエチレン(HDPE))等のポリオレフィン系樹脂が化学的な安定性、機械的な強度、及び価格の面から好ましい。ここで、樹脂のメルトフローレート(MFR)(JIS K7210)は、加工性及び機械的な強度を考慮して10(F/10分)〜15(F/10分)のものがよい。また、これらに充填剤としてカーボンブラックを1〜3%加えて耐光性を高めてもよい。なお、設置場所が高温になる場所ではないため、酸化防止剤は加えなくてもよい。また、不飽和ポリエステルを基材とするFRPを使用してもよい。
【0030】
箱形ブロック30は、中空容器状に成形されている。箱形ブロック30の肉厚は、製品1個当たりの重量及び機械的な強度等を考慮して2mm〜3mmに設定されている。箱形ブロック30は、射出成形法によって成形することができる。
【0031】
図3及び図4に示されるように、箱形ブロック30は、全体として略直方体の箱状(中空容器状)に形成されている。箱形ブロック30には、筒体状の側板32が形成されると共に、この側板32の底面側を閉止する底板40が一体的に形成されている。図4に示されるように、箱形ブロック30は底板40と対向する箱面が開口されて開口部34とされており、側板32の下端部から外周側へ延出するように断面L字状乃至J字状の折返部34Aが全周に亘って形成されている。ここで、箱形ブロック30は、平面視で幅方向(矢印L方向)を長手方向とする略長方形とされており、幅方向に沿った寸法が奥行方向(矢印W方向)に沿った寸法の2倍になっている。
【0032】
箱形ブロック30には、側板32が箱内側へ凹状となる入江部38が形成されている。入江部38は、幅方向(矢印L方向)の2側面に3箇所ずつと、奥行方向(矢印W方向)の2側面に1箇所ずつで、合計8箇所形成されている。この入江部38が形成されることにより、側板32に、箱形ブロック30の外周面を構成する外側面部38A、幅方向Lの2側面に平面視で略コ字状の内側面部38B、及び、奥行方向Wの2側面に平面視で弧状の湾曲面部38Cが構成される。また、入江部38には、上下方向に空間38Rが構成され、幅方向Lの2側面に構成された空間38Rの開口部34側には、入江連結板35が設けられている。入江連結板35は、入江部38において側板32の下端を連結するように設けられている。入江連結板35には、穴35Aが構成されている。
【0033】
側板32の上下方向の開口部34側には、板面が折返部34Aと略直交するように板状のリブ36が設けられている。本実施形態では、側板32の四角に1つずつ、奥行方向Wに形成された入江部38の側板32に1つずつ、奥行方向Wの入江部38が構成されていない部分(凸状の部分)に1つずつ、幅方向Lの入江部38が構成されていない部分(凸状の部分)に2本ずつ、合計26本設けられている。なお、リブ36は、他の位置に設けてもよいし、26本よりも少ない数だけ設けてもよい。
【0034】
底板40には、対称線CL1に沿って細長く延在する略長方形のセンター板部42が形成されると共に、センター板部42から外側面部38Aの端部へ延出する蓋板部44が一体的に形成されている。これらの蓋板部44は、入江部38が構成されていない部分の底板40として、箱形ブロック30の他面側をそれぞれ閉止している。
【0035】
蓋板部44は、センター板部42よりも箱形ブロック30の外側に突出した位置に配置されている。これにより、底板40には、センター板部42における奥行方向Wの両端に、幅行方向Lに沿って立壁部43が形成されている。り、これら立壁部43は、それぞれセンター板部42に対して略直角に立ち上がって、その上端が蓋板部44の上面と一致している。
【0036】
箱形ブロック30では、その側板32に入江部38が形成されることにより、側板32により角部が多数構成され、角部が外部荷重に対して補強リブとして機能し、側板32が凹凸の形成されていない平板状に形成されている場合と比較し、外部荷重に対して高い強度が確保されている。
【0037】
底板40のセンター板部42には、幅方向Lに沿って4個の開口部42Bが矩形状に形成され、蓋板部44には、複数の開口部44Bが形成されている。このように箱形ブロック30に形成された、開口部42B、44Bは、箱形ブロック30内外への水の通水性を良好としており、これにより、箱形ブロック30により構成される充填構造体18内外への水の通水性も良好になる。
【0038】
また、蓋板部44のうち、箱形ブロック30の四角に設けられた4つには、上下連結穴44Aが形成されている。上下連結穴44Aは、図8に示されるように、外側に大径のテーパーTが構成されている。
【0039】
(水平補強部材の構成)
水平補強部材50は、図5に示されるように、略長方形板状とされ、図6にも示されるように、本体となる同形状の板面部52を備えている。板面部52には、板面の各々の側から突出される、外周リブ54、及び、補強リブ56が形成されている。外周リブ54は、板面部52の外周に沿って形成され、幅方向L及び奥行方向Wの中央部に隙間Sが構成されている。補強リブ56は、平面視で外周部56Aが箱形ブロック30の開口部34に沿った形状とされており、外周部56Aの内側に、奥行方向Wに延びる複数の直線状のリブと、幅方向Lに延びる複数の直線状のリブとで格子状に形成されている。補強リブ56は、奥行方向W及び幅方向Lにおいて、外周部56Aの一方側から対向する他方側へ架けて連続する形状とされている。
【0040】
水平補強部材50の外周リブ54と外周部56Aとの間には、箱形ブロック30の開口部34を嵌め込んで箱形ブロック30を保持する保持溝58が構成されている。保持溝58の幅方向Lに沿って形成された入江部38に対応する部分には、入江連結板35を嵌め込み可能な入江保持部58Aが構成されている。入江保持部58Aには、入江連結板35の穴35Aに対応する位置に穴58Bが構成されている。保持溝58の奥行方向Wに沿って形成された入江部38に対応する部分には、外側板部58Cが構成されている。外側板部58Cには、穴58Dが構成されている。
【0041】
(下段ブロック群及び上段ブロック群)
図6に示されるように、下段ブロック群60は、複数の箱形ブロック30が開口部34を上向きにして水平方向の縦横に並べられて構成されている。上段ブロック群62は、複数の箱形ブロック30が開口部34を下向きにして水平方向の縦横に並べられて構成されている。下段ブロック群60と上段ブロック群62の間には、水平補強部材50が配置されている。図7に示されるように、下段ブロック群60の個々の箱形ブロック30は、開口部34が水平補強部材50の一方面側(下面側)の保持溝58に嵌め込まれて板面部52に当接され、水平方向の移動が規制されて保持される。また、上段ブロック群62の個々の箱形ブロック30についても、開口部34が水平補強部材50の他方面側(上面側)の保持溝58に嵌め込まれて板面部52に当接され、水平方向の移動が規制されて保持される。
【0042】
図9に示されるように、水平方向に隣り合う、水平補強部材50同士は、水平連結具64により連結されている。水平連結具64は、長尺の板部材の両端が略直角に屈曲されて屈曲部64Aが形成された形状とされている。奥行方向Wに隣り合う水平補強部材50同士について、図9(A)に示されるように、水平連結具64は、箱形ブロック30上に水平補強部材50が配置された状態で、一方の屈曲部64Aが水平補強部材50の穴58B及び箱形ブロック30の穴35Aを上側から貫通するように、他方の屈曲部64Aが水平補強部材50の穴58B及び奥行方向Wに隣接する箱形ブロック30の穴35Aを上側から貫通するようにして、取り付けられる。
【0043】
また、幅方向Lに隣り合う水平補強部材50同士について、図9(B)に示されるように、水平連結具64は、幅方向Lに隣接する箱形ブロック30の湾曲面部38Cの外側に構成される凹部及び水平補強部材50の穴58Dを上側から貫通するようにして、取り付けられる。
【0044】
これにより、奥行方向W、及び、幅方向Lに隣り合う、水平補強部材50同士は互いに離れる方向の移動が規制され、連結されている。なお、水平連結具64は、奥行方向W、または、幅方向Lの一方のみに設けられていてもよい。
【0045】
図10に示されるように、上段ブロック群62の上には、さらに下段ブロック群60、水平補強部材50、上段ブロック群62が、順次積層される。下段ブロック群60の上段ブロック群62への積層は、箱形ブロック30の蓋板部44同士が重ねられて行われ、上下の箱形ブロック30同士は、上下連結具66で連結されている。上下連結具66は、図8にも示されるように、略円錐状の挿入部66Aが鍔部66Bを挟んで底部で突き合わされて構成されている。
【0046】
上下の箱形ブロック30同士を連結するときには、まず、一方の挿入部66A側を、上段ブロック群62の箱形ブロック30の上下連結穴44Aに上側から挿入する。すると、上下連結具66は、鍔部66Bがテーパー部Tにより支持されて、上半分が蓋板部44から上へ突出された状態となる。この上下連結具66の突出部分(上半分)を、下段ブロック群60の箱形ブロック30の上下連結穴44Aに挿入して、箱形ブロック30を積層する。これにより、上下の箱形ブロック30が、連結される。
【0047】
(充填構造体及び雨水貯留槽の構築方法)
次に、遮水保護層16により内表面が覆われたピットP内に充填構造体18を構築する方法について説明する。箱形ブロック30を用いて充填構造体18を構築する際には、遮水保護層16を介して箱形ブロック30を並べる。
【0048】
充填構造体18を構築する作業者は、充填構造体18の最下層(第1段目)となる下段ブロック群60を配置する。下段ブロック群60は、複数個の箱形ブロック30を、開口部34が上向きとなり、また、幅方向Lと奥行方向Wが同方向となるようにして、互いに接するように配列し、ピットPの底面全体を覆って構成する。
【0049】
次いで、作業者は、下段ブロック群60の上に箱形ブロック30と同数の水平補強部材50を配置する。水平補強部材50は、下側の保持溝58に箱形ブロック30の開口部34を嵌め込みつつ配置する。そして、幅方向L、奥行方向Wに隣り合う水平補強部材50同士を、水平連結具64で連結する。
【0050】
次いで、作業者は、水平補強部材50の上に、上段ブロック群62を積層配置する。上段ブロック群62は、複数個の箱形ブロック30を、開口部34が下向きとなり、また、下段ブロック群60の各々の箱形ブロック30と開口部34を対応させて、水平補強部材50の上側の保持溝58に箱形ブロック30の開口部34を嵌め込みつつ配置する。
【0051】
次いで、作業者は、上段ブロック群62の上に、下段ブロック群60を積層配置する。下段ブロック群60は、複数個の箱形ブロック30を、開口部34が上向きとなり、また、上段ブロック群62の各々の箱形ブロック30と蓋板部44を対応させて積層する。このとき、蓋板部44を挟んで上下の箱形ブロック30同士を、上下連結具66で連結する。
【0052】
さらに、その上に、前述と同様にして、水平補強部材50、上段ブロック群62、下段ブロック群60を繰り返し積層配置し、ピットP(雨水貯留槽10)の深さに応じた段数だけ積み上げることにより、ピットP内に充填構造体18が構築される。
【0053】
作業者は、ピットP内に充填構造体18を構築した後、充填構造体18の上面側を遮水シート20により隙間なく覆うと共に、必要な配管作業等を行った後に、充填構造体18の上側を土により埋め戻して覆土層22を形成する。また敷地の地表面は、必要に応じてコンクリート、アスファルト等の舗装材により舗装され、又はブロック等が敷きつめられる。
【0054】
(雨水貯留槽の作用)
次に、上記のように構成された雨水貯留槽10の作用について説明する。
【0055】
雨水貯留槽10が設置された敷地では、雨が降ると敷地の地表面から流入桝12内に雨水が一旦流入し、流入桝12内に蓄えられた雨水が流入管26を通して雨水貯留槽10内へ流入する。このとき、流入桝12内の水位がオーバフロー管28の接続部よりも高くなると、流入桝12内の雨水がオーバフロー管28を通して流出桝14へ直接流れ出し、流入桝12から雨水が溢れることを防止している。
【0056】
雨水貯留槽10内へ流入した雨水は、雨水貯留槽10と流出桝14との間に設けられたオリフィス(図示省略)を通して雨水貯留槽10から流出桝14へ流れ出る。オリフィスは、雨水の流通量が流出桝14に接続されたオリフィス管25における雨水の流通量とバランスするように、水の流通量を制限している。また雨水貯留槽10からの雨水の流出量を超える雨水が雨水貯留槽10内へ継続的に流れ込み、雨水貯留槽10が満水近くになると、雨水貯留槽10内の雨水が流出桝14内へオーバフローし、雨水貯留槽10内から雨水が溢れることが防止される。
【0057】
流出桝14内へ流入した雨水は、オリフィス管25を通して通水管、排水用の暗渠、下水道等の排水経路へ流れ出し、最終的に河川、海等へ放流される。またオリフィス管25における雨水の流通量を超える雨水が流出桝14内へ継続的に流れ込み、流出桝14が満水近くになると、流出桝14内の雨水がオーバフロー管27を通って排水経路へ流れ出し、流出桝14内から雨水が溢れることが防止される。
【0058】
上記のような雨水貯留槽10によれば、その内容積を敷地面積に応じて設定することにより、敷地に降った雨が地表面から直接、河川、下水等へ流れ込むことがなくなり、敷地面積に対応する量の雨水を雨水貯留槽10内へ一旦蓄えた後、雨水を雨水貯留槽10内から序々に雨水が河川、下水等へ流出させることができるので、短時間に多量の雨が降った場合(集中豪雨時)にも、河川、下水に許容流水量を超える雨水が流れる込むことを防止し、冠水、河川の氾濫等の水害を引き起こすことを効果的に防止できる。
【0059】
また、本実施形態では、水平補強部材50を設けているので、中空の箱形ブロック30の開口部34における、水平方向の強度を補強することができ、水平方向の土圧に対する潰れを抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態では、水平補強部材50の補強リブ56が、箱形ブロック30の開口部34内側に対応する部分の一端辺から他端辺に架けて形成されているので、開口部34の対向面が支持され、水平方向の土圧に対する開口部34の潰れを、効果的に抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態では、水平補強部材50の補強リブ56が、箱形ブロック30の開口部34内側に対応する部分で格子状に形成されているので、バランスよく水平方向の土圧を受けることができる。
【0062】
また、本実施形態では、水平補強部材50が板面部52を有しているので、水平補強部材の全体が網目状のリブで形成されている場合と比較して、鉛直方向の土圧に対する強度も維持することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る雨水貯留槽10を構成する充填構造体18は、上下方向に箱形ブロック30の開口部34同士が向き合うように、または、箱形ブロック30の蓋板部44同士が向き合うように積層している。したがって、上下の箱形ブロック30の境界部分において、鉛直方向の圧力に対する強度を高くすることができる。また、蓋板部44同士が向き合うように積層された境界部分では、水平補強部材が不要となり、部材点数を減らすことができる。
【0064】
また、本実施形態では、水平補強部材50は、1個の箱形ブロック30の開口部34に対応した長方形板状で一体的に構成したが、図11に示すように、長手方向の中央で2分した2部材で構成してもよい。
【符号の説明】
【0065】
10 雨水貯留槽
20 遮水シート
30 箱形ブロック
34 開口部
38 入江部
50 水平補強部材
52 板面部
54 外周リブ
56 補強リブ
60 下段ブロック群
62 上段ブロック群
64 水平連結具
66 上下連結具
P ピット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に開口部が構成されると共に前記開口部の対向面が箱底部とされ側面の外周に箱内側へ入り込んだ入江部が形成された箱形ブロックの、前記開口部を上向きに複数並べて構成された下段ブロック群と、
前記箱形ブロックの前記開口部を下向きに複数並べて構成された上段ブロック群と、
前記上段ブロック群と前記下段ブロック群との間に配置され、板状とされた板面部に前記上段ブロック群及び下段ブロック群の開口部が両側から当接されると共に前記開口部の当接位置に対応する部分の箱内側一端から他端に架けて前記板面部の板面から突出した補強リブが形成された水平補強部材と、
を備えた雨水貯留槽充填構造。
【請求項2】
前記補強リブは、格子状に形成されていること、を特徴とする請求項1に記載の雨水貯留槽充填構造
【請求項3】
隣り合う前記水平補強部材同士を連結する水平連結具を備えた、請求項1または請求項2に記載の雨水貯留槽充填構造。
【請求項4】
地面に形成された凹状のピットの内表面を覆うように敷設された遮水シートと、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の雨水貯留槽充填構造を上下方向に複数積層して構成され、前記遮水シートを介してピット内に配置される充填構造体と、
を有する雨水貯留槽。
【請求項5】
上下方向に複数積層される前記雨水貯留槽充填構造の隣接する箱底部同士を連結する上下連結具を備えた、請求項4に記載の雨水貯留槽。
【請求項1】
一面に開口部が構成されると共に前記開口部の対向面が箱底部とされ側面の外周に箱内側へ入り込んだ入江部が形成された箱形ブロックの、前記開口部を上向きに複数並べて構成された下段ブロック群と、
前記箱形ブロックの前記開口部を下向きに複数並べて構成された上段ブロック群と、
前記上段ブロック群と前記下段ブロック群との間に配置され、板状とされた板面部に前記上段ブロック群及び下段ブロック群の開口部が両側から当接されると共に前記開口部の当接位置に対応する部分の箱内側一端から他端に架けて前記板面部の板面から突出した補強リブが形成された水平補強部材と、
を備えた雨水貯留槽充填構造。
【請求項2】
前記補強リブは、格子状に形成されていること、を特徴とする請求項1に記載の雨水貯留槽充填構造
【請求項3】
隣り合う前記水平補強部材同士を連結する水平連結具を備えた、請求項1または請求項2に記載の雨水貯留槽充填構造。
【請求項4】
地面に形成された凹状のピットの内表面を覆うように敷設された遮水シートと、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の雨水貯留槽充填構造を上下方向に複数積層して構成され、前記遮水シートを介してピット内に配置される充填構造体と、
を有する雨水貯留槽。
【請求項5】
上下方向に複数積層される前記雨水貯留槽充填構造の隣接する箱底部同士を連結する上下連結具を備えた、請求項4に記載の雨水貯留槽。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−52349(P2012−52349A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195930(P2010−195930)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
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