雪崩・落石等防護柵の支柱構造
【課題】経済性に優れ、作業効率と耐荷力を効果的に向上することができる支柱構造を提供する。
【解決手段】設置面より上方を形成する大径管7の上部13から、設置面より下方を形成する大径管7の下部11にかけて、大径管7内に補強材となる中径管8を挿入し、中径管8内に補強材となる小径管9を挿入して三重管を構成する。
【解決手段】設置面より上方を形成する大径管7の上部13から、設置面より下方を形成する大径管7の下部11にかけて、大径管7内に補強材となる中径管8を挿入し、中径管8内に補強材となる小径管9を挿入して三重管を構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、落石や雪崩等による土砂災害を防止する防護柵の支柱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、落石や雪崩等による土砂災害を防止する目的で構築される保護構造物としては、防護柵が知られている。
【0003】
防護柵は、山腹の斜面に複数のパイプ支柱を並設し、これら複数のパイプ支柱間に複数段のケーブルや金網を張設して構築されるもの(例えば特許文献1)等が提案されており、こうした防護柵に用いられる支柱は、山側からの落石や雪崩等の荷重に抗するため、鋼管内に補強材を配設するなどして応力を高めている。
【0004】
鋼管内に補強材を配設する支柱としては、外側鋼管と内側鋼管とが同一軸線に沿って互いに同心円状に配置され、外側鋼管と内側鋼管との間の環状間隙内にはコンクリートが充填されているとしたもの(例えば特許文献2)が提案されている。また、鋼製内管と該鋼製内管を囲繞する耐食性金属外管間にコンクリート充填層を有するとしたもの(例えば特許文献3)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−168833号公報
【特許文献2】特開平08−184037号公報
【特許文献3】特開平05−132966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献2、及び特許文献3に提案される支柱では、地層の地滑り抑止または土留めのために設けられる防護柵の支柱として、効率よく削孔し得る掘削機を使用することができ、管内に充填されるコンクリートを強度部材とすることができると共に、耐荷力を向上することができる。
【0007】
しかし、上記特許文献2、及び特許文献3に提案される支柱では、外側鋼管の管端と、補強のために設けられる内側鋼管の管端とが、略同寸に形成されるため、長尺な支柱を運搬、搬入しなければならず、施工現場での作業性や材料費が嵩むといった面に課題がある。また、落石や雪崩等の荷重に抗する応力が最も求められる部分に対する補強については、全く考慮されていない。
【0008】
そこで、本発明は上記した問題点に鑑み、経済性に優れ、作業効率と耐荷力を効果的に向上することができる雪崩・落石等防護柵の支柱構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、地盤に立設する雪崩・落石等防護柵の支柱構造において、大径管と、前記大径管内に挿入される中径管と、前記中径管内に挿入される小径管とで三重管を構成し、前記三重管が、設置面より上方にあたる前記大径管の上部から、設置面より下方にあたる前記大径管の下部にかけて形成されることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、前記小径管の下端に設けられる係止部で前記中径管の下端を係止して二重管を形成し、該二重管を前記大径管内に挿入することで前記三重管を形成することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、前記大径管の上部に穿設した連結孔と、前記小径管の上部に穿設した連結孔とを、連結手段で連結することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、地盤に立設する雪崩・落石等防護柵の支柱構造において、大径管内にH型鋼を配設したことを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に係る発明は、前記大径管の上部に穿設した連結孔と、前記H型鋼の上部に穿設した連結孔とを、連結手段で連結することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の構成によれば、径が異なる三つの管材により容易に三重管を形成することができるので、現場での作業性を向上することができる。また、落石や雪崩等の荷重に抗する応力が最も求められる部分に補強材となる中径管と小径管を配設して三重管を形成するので、荷重に対する応力を効果的に向上することができる。
【0015】
また、請求項2の構成によれば、小径管の下端に設けた係止部で中径管の下端を係止できるため、二重管を容易に形成することができ、この二重管を大径管内に挿入するだけで三重管を形成できるので、補強構造が簡易となり、現場での作業性と共に、荷重に対する応力を向上することができる。
【0016】
また、請求項3の構成によれば、上部に穿設した連結孔で、補強材の位置決めや部材間の連結作業が容易となり、現場での作業性と共に、荷重に対する応力を向上することができる。
【0017】
また、請求項4の構成によれば、落石や雪崩等の荷重に抗する応力が最も求められる部分をH型鋼で補強でき、荷重に対する応力を向上することができる。
【0018】
また、請求項5の構成によれば、上部に穿設した連結孔で、補強材の位置決めや部材間の連結作業が容易となり、現場での作業性と共に、荷重に対する応力を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1を示す防護柵の正面図である。
【図2】同上、三重管の側面図である。
【図3】同上、大径管の平面図である。
【図4】同上、緩衝金具の正面図である。
【図5】同上、緩衝金具の側面図である。
【図6】同上、中径管の側面図である。
【図7】同上、小径管の側面図である。
【図8】同上、小径管の断面図である。
【図9】同上、小径管の部分拡大図である。
【図10】同上、棒状部材の取付状態を示す断面図である。
【図11】同上、棒状部材の取付状態を示す部分拡大図である。
【図12】同上、三重管の取付状態を示す上部断面図である。
【図13】同上、三重管の取付状態を示す下部断面図である。
【図14】同上、支柱キャップの断面図である。
【図15】同上、支柱キャップと可動ブラケットの取付状態を示す部分拡大図である。
【図16】本発明の実施例2を示す、支柱の断面図である。
【図17】同上、補強鋼材の側面図である。
【図18】本発明の実施例3を示す、支柱の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。
【実施例1】
【0021】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。
【0022】
図1に示すように、防護柵1は、山側Yと谷側Tとで傾斜する傾斜面Sの交差方向に、所定間隔をおいて端末支柱2,2を立設すると共に、この端末支柱2,2間に中間支柱3を立設し、これら端末支柱2,2と中間支柱3との山側Yに上下方向で複数段となるようにケーブル4を渡し、ここに金網5などを張設することで防護面6を形成している。
【0023】
こうした防護柵1に用いられる支柱として、本実施例では、地盤に立設される大径管7と、この大径管7よりも径小な中径管8と、この中径管8よりも径小な小径管9とを、一体化した三重管10が用いられる。
【0024】
三重管10を構成する大径管7は、設置場所である山側Yの設置面たる斜面101に取付孔Bをボーリングを用いて穿孔し、この取付孔Bに挿入することで地盤に建て込まれる下部11と、防護面6を形成する上部13とから成る。図2に示すように、大径管7の下部11は、山側Yからの落石や雪崩等による荷重に抗するために、傾斜面に深く建て込む必要があり、設置面から下端12までの挿入深さSは、全長H1の略半分となる。また、大径管7の上部13は、支柱キャップ14を取付けるために取付孔15が穿設された取付片16が二箇所設けられ、この取付片16の交差方向である大径管7の正面側には、小径管9と連結する連結孔17が穿設され、支柱間にケーブル4をわたすための緩衝金具18が上下方向に所定間隔をあけて設けられている。
【0025】
ここで、緩衝金具18について簡単に説明すると、緩衝金具18は、略半円状の溝部19を備えた前方把持体20と、同じく略半円状の溝部を備えた後方把持体21とで、前後一対の把持体22として成る。また、前後一対の把持体22には前方から後方にかけて挿通する二箇所の挿通孔23,23が穿設され、ケーブル4を前後一対の把持体22で挟む場合は、これら二箇所の挿通孔23,23に、連結手段たるボルト24を挿通し、このボルト24の先端にナット25を螺合することで締め付け、固定部材26に固定される。こうした構成の緩衝金具18によれば、防護面6に落石等の衝撃力が加わりケーブル4に張力が発生した場合に、ケーブル4が摩擦摺動されるため衝撃力の一部を吸収することができる。
【0026】
次に、三重管10を構成する中径管8は、全長H2が大径管7よりも短く形成される。中径管8の下端27は、大径管7の根入れ深さにあたる下部11の略半分となる位置に設けられる。また、中径管8の上端28は、大径管7の上端29位置よりも低い位置に設けられる。
【0027】
また、三重管10を構成する小径管9は、全長が大径管7よりも短く(H3<H1)、中径管8よりも長く(H3>H2)形成される。小径管9の下端30には、四つの係止部たる係止片31が管の外周面32に等間隔で形成されており、下端30位置は、中径管8の下端27と略同位置に設けられる。また、小径管9の上端31は、大径管7の上端29位置よりも僅かに低い位置に設けられ、上部33には、後述する棒状部材を挿通する挿通孔34が穿設され、この挿通孔34の交差方向に大径管7と連結する連結孔35が穿設される。尚、小径管9や中径管8は、落石や雪崩等の荷重に抗する応力(耐荷力)が最も求められる部分である斜面101を上下に挟む範囲に連続して設けられるので、本実施例では材料費の軽減などの理由から全長がそれぞれ異なる構成としているが、小径管9と中径管8の全長を同寸にする等してもよい。
【0028】
そして、これら大径管7、中径管8、および小径管9を一体にして三重管10を形成する。
【0029】
通常、三重管10を形成する場合は、大径管7内に中径管8と小径管9とを順に配設すればよいが、本実施例では、大径管7、中径管8、および小径管9の全長Hがそれぞれ異なることから、補強部分に対して確実に位置決めして配設する必要がある。そこで、本実施例では、小径管9と中径管8とを位置決めして二重管36として組合わせた後に、この二重管36を大径管7内の所定位置まで挿入することで三重とした三重管10とする。
【0030】
先ず、小径管9が中径管8内に挿入されると、小径管9の下端30に形成された係止片31に、中径管8の下端27が当接し、これにより中径管8と小径管9の下端27,30が略同位置になって組み合わされ、二重管36を形成する。そして、小径管9の上部33に形成される挿通孔34に丸鋼棒や鉄筋等から成る棒状部材37を挿入し、この棒状部材37に吊具(図示しない)を引掛けることで二重管36を吊り上げることができる。
【0031】
そして、建て込まれた大径管7内に二重管36を吊り降ろして挿入する。この時、二重管36の挿入深さS’は、応力(耐荷力)を最も必要とする部分である下部11(根入れ深さ)の略2/3までとし、防護面が形成される大径管7の上部13から、大径管7の下部11の略半分までの範囲を補強している。そして、大径管7の上端28付近に穿設される連結孔17と、小径管9の上端31付近に穿設される連結孔33との位置を合わせ、これら連結孔17,33に連結手段たるボルト38を挿通し、このボルト38の両端に複数のナット39,39を螺合することで、大径管7と二重管36とを一体とし、三重管10を形成する。
【0032】
こうして形成された三重管10は、三重管10内にセメントミルク等の不定形硬化材40を充填することで支柱として一体化され、三重管10の上端28には支柱キャップ14が取付けられる。
【0033】
支柱キャップ14は、支柱(大径管7)の上端28に嵌合する円筒状のキャップ本体41と、キャップ本体41の下端42に二箇所設けられる板状の取付片43とから成り、この取付片43には支柱の大径管7に形成される取付片16と対応して、支柱の取付片16と連結するための取付孔44が穿設される。また、二箇所の取付片43,43に形成される取付孔44,44は、同一方向に片開きとしたフック状を成している。
【0034】
また、支柱キャップ14の取付片43と支柱の取付片16との間には、可動ブラケット45が設けられる。可動ブラケット45は、防護柵1の支柱上部46,46間に設けられる連結杆47を連結する板状の連結片48と、連結片48から直角に折り曲げられた取付片49とから成り、この取付片49には取付孔50が穿設される。
【0035】
そして、これら支柱キャップ14と、可動ブラケット45を支柱に取付固定する。先ず、可動ブラケット49に穿設される取付孔50と、支柱(大径管7)の取付片16に穿設される取付孔15とに、ボルト51を挿通し、このボルト51の先端にナット52を仮止めし、支柱に可動ブラケット49を取付ける。次に、支柱の上端28に支柱キャップ14のキャップ本体41を嵌合し、支柱キャップ14の取付片43,43に穿設されたフック状の取付孔44,44を仮止めしたボルト51位置に向けて回転することで、支柱キャップ14の取付孔44,44を、支柱(大径管7)、及び可動ブラケット49の取付孔15,50と同位置に配置し、仮止め状態のナット52を締めることで、支柱に支柱キャップ1と可動ブラケット49とが取付けられる。こうして、本実施例は、支柱キャップ14の取付孔44,44を同一方向に片開きのフック状としたことにより、支柱キャップ14の取付工程を最後にできるので、作業効率を向上することができる。また、可動ブラケット45は、ボルト51が挿通された取付孔50を中心軸として連結杆47を前後方向に回動自在とすることができる。
【0036】
以上のように、本実施例の支柱構造によれば、端末支柱2,2と中間支柱3間を支柱上部46に設けられた連結杆47で連結し、ケーブル4を緩衝金具18に通して固定し、このケーブル4の前面に金網5等を張設して防護柵1を構築するとした一連の現場作業が円滑になり、更には、荷重に抗する応力を必要とする部分が確実に補強されるので、荷重に対する応力を効果的に向上することができる。
【0037】
このように本実施例では、地盤に立設する雪崩・落石等防護柵1の支柱構造において、大径管7と、大径管7内に挿入される中径管8と、中径管8内に挿入される小径管9とで三重管10を構成し、三重管10が、設置面たる斜面101より上方にあたる大径管7の上部13から、設置面たる斜面101より下方にあたる大径管7の下部11にかけて形成されるから、径が異なる三つの管材7,8,9により容易に三重管10を形成することができると共に、現場での作業性を向上することができる。また、落石や雪崩等の荷重に抗する応力が最も求められる部分に補強材となる中径管8と小径管9を配設して三重管10を形成するので、荷重に対する応力を効果的に向上することができる。
【0038】
また、このように本実施例では、小径管9の下端30に設けられる係止部たる係止片31で中径管8の下端27を係止して二重管36を形成し、二重管36を大径管7内に挿入することで三重管10を形成したから、小径管9の下端30に設けた係止片31で中径管8の下端27を係止できるため、二重管36を容易に形成することができ、この二重管36を大径管7内に挿入するだけで三重管10を形成できるので、補強構造が簡易となり、現場での作業性と共に、荷重に対する応力を向上することができる。
【0039】
また、このように本実施例では、大径管7の上部13に穿設した連結孔17と、小径管9の上部33に穿設した連結孔33とを、連結手段たるボルト38で連結したから、上部13,32に穿設した連結孔17,33で、補強材たる二重管36の位置決めや部材間の連結作業が容易となり、現場での作業性と共に、荷重に対する応力を向上することができる。
【実施例2】
【0040】
図16乃至17は、本発明の実施例2を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
【0041】
本実施例は、大径管7内にH型鋼53を配設し、H型鋼53の上部54に穿節された連結孔55と、大径管の上部13に穿設された連結孔17とを、連結手段たるボルト56を挿通し、このボルト56の両端に複数のナット57,57を螺合することで一体とする支柱構造である。
【0042】
通常、防護柵1に用いられる支柱は、防護面6に山側Yからの落石,雪崩や崩壊土砂などを受けると、上端13側が反山側である谷側Tに移動するように曲げが発生するから、これら山側Yと谷側Tを補強する必要がある。そこで、本実施例のH型鋼53は、山側Yと谷側Tに配置する板状補強リブ58,58と、これら板状補強リブ58,58の中央を連結する板状の連結材59により構成される。
【0043】
尚、この例に用いられるH型鋼53の大径管7内への挿入深さS’は、実施例1と同様に応力(耐荷力)を最も必要とする部分である下部11(根入れ深さ)の略2/3までとしている。
【0044】
このように本実施例では、地盤に立設する雪崩・落石等防護柵1の支柱構造において、大径管7内にH型鋼53を配設したから、落石や雪崩等の荷重に抗する応力が最も求められる部分をH型鋼53で補強でき、荷重に対する応力を向上することができる。
【0045】
また、このように本実施例では、大径管7の上部13に穿設した連結孔17と、H型鋼53の上部に穿設した連結孔とを、連結手段で連結したから、上部13,に穿設した連結孔で、H型鋼53の位置決めや部材間の連結作業が容易となり、現場での作業性と共に、荷重に対する応力を向上することができる。
【実施例3】
【0046】
図18は、本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
【0047】
本実施例は、上記実施例2と同様に、大径管7内にH型鋼53を配設し、H型鋼53の上部54に穿節された連結孔55と、大径管の上部13に穿設された17とを、連結手段たるボルト56を挿通し、このボルト56の両端に複数のナット57,57を螺合することで一体とする支柱構造である。また、上記実施例2と異なる構成としては、H型鋼53を構成する山側Yと谷側Tの板状補強リブ58,58に板状補強材60,60が設けられる点にある。
【0048】
このように本実施例では、大径管7内にH型鋼53を配設し、このH型鋼53を構成する山側Yと谷側Tの板状補強リブ58,58に板状補強材60,60を設けたから、山側Yと谷側Tの荷重に対する応力を一層向上することができる。
【0049】
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本実施例に用いた中径管8の下端内周面に係止片を設け、小径管9の下端を係止してもよく、この場合は、小径管9の長さが中径管8よりも短くなり、大径管7と中径管8とを連結して構成すればよい。また、設置面は斜面101以外の平坦面でもよい。また、落石や雪崩等による荷重が小さい場合には、必ずしも三重管とする必要はないので、構成部材から中径管8を除いた大径管7と小径管9との二重管で支柱を成す等すればよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0050】
1 防護柵
7 大径管
8 中径管
9 小径管
10 三重管
12 大径管の下端
27 中径管の下端
30 小径管の下端
31 係止片
36 二重管
38 ボルト(連結手段)
40 不定形硬化材
S 挿入深さ
53 H型鋼
54 H型鋼の上部
55 H型鋼の連結孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、落石や雪崩等による土砂災害を防止する防護柵の支柱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、落石や雪崩等による土砂災害を防止する目的で構築される保護構造物としては、防護柵が知られている。
【0003】
防護柵は、山腹の斜面に複数のパイプ支柱を並設し、これら複数のパイプ支柱間に複数段のケーブルや金網を張設して構築されるもの(例えば特許文献1)等が提案されており、こうした防護柵に用いられる支柱は、山側からの落石や雪崩等の荷重に抗するため、鋼管内に補強材を配設するなどして応力を高めている。
【0004】
鋼管内に補強材を配設する支柱としては、外側鋼管と内側鋼管とが同一軸線に沿って互いに同心円状に配置され、外側鋼管と内側鋼管との間の環状間隙内にはコンクリートが充填されているとしたもの(例えば特許文献2)が提案されている。また、鋼製内管と該鋼製内管を囲繞する耐食性金属外管間にコンクリート充填層を有するとしたもの(例えば特許文献3)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−168833号公報
【特許文献2】特開平08−184037号公報
【特許文献3】特開平05−132966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献2、及び特許文献3に提案される支柱では、地層の地滑り抑止または土留めのために設けられる防護柵の支柱として、効率よく削孔し得る掘削機を使用することができ、管内に充填されるコンクリートを強度部材とすることができると共に、耐荷力を向上することができる。
【0007】
しかし、上記特許文献2、及び特許文献3に提案される支柱では、外側鋼管の管端と、補強のために設けられる内側鋼管の管端とが、略同寸に形成されるため、長尺な支柱を運搬、搬入しなければならず、施工現場での作業性や材料費が嵩むといった面に課題がある。また、落石や雪崩等の荷重に抗する応力が最も求められる部分に対する補強については、全く考慮されていない。
【0008】
そこで、本発明は上記した問題点に鑑み、経済性に優れ、作業効率と耐荷力を効果的に向上することができる雪崩・落石等防護柵の支柱構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、地盤に立設する雪崩・落石等防護柵の支柱構造において、大径管と、前記大径管内に挿入される中径管と、前記中径管内に挿入される小径管とで三重管を構成し、前記三重管が、設置面より上方にあたる前記大径管の上部から、設置面より下方にあたる前記大径管の下部にかけて形成されることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、前記小径管の下端に設けられる係止部で前記中径管の下端を係止して二重管を形成し、該二重管を前記大径管内に挿入することで前記三重管を形成することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、前記大径管の上部に穿設した連結孔と、前記小径管の上部に穿設した連結孔とを、連結手段で連結することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、地盤に立設する雪崩・落石等防護柵の支柱構造において、大径管内にH型鋼を配設したことを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に係る発明は、前記大径管の上部に穿設した連結孔と、前記H型鋼の上部に穿設した連結孔とを、連結手段で連結することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の構成によれば、径が異なる三つの管材により容易に三重管を形成することができるので、現場での作業性を向上することができる。また、落石や雪崩等の荷重に抗する応力が最も求められる部分に補強材となる中径管と小径管を配設して三重管を形成するので、荷重に対する応力を効果的に向上することができる。
【0015】
また、請求項2の構成によれば、小径管の下端に設けた係止部で中径管の下端を係止できるため、二重管を容易に形成することができ、この二重管を大径管内に挿入するだけで三重管を形成できるので、補強構造が簡易となり、現場での作業性と共に、荷重に対する応力を向上することができる。
【0016】
また、請求項3の構成によれば、上部に穿設した連結孔で、補強材の位置決めや部材間の連結作業が容易となり、現場での作業性と共に、荷重に対する応力を向上することができる。
【0017】
また、請求項4の構成によれば、落石や雪崩等の荷重に抗する応力が最も求められる部分をH型鋼で補強でき、荷重に対する応力を向上することができる。
【0018】
また、請求項5の構成によれば、上部に穿設した連結孔で、補強材の位置決めや部材間の連結作業が容易となり、現場での作業性と共に、荷重に対する応力を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1を示す防護柵の正面図である。
【図2】同上、三重管の側面図である。
【図3】同上、大径管の平面図である。
【図4】同上、緩衝金具の正面図である。
【図5】同上、緩衝金具の側面図である。
【図6】同上、中径管の側面図である。
【図7】同上、小径管の側面図である。
【図8】同上、小径管の断面図である。
【図9】同上、小径管の部分拡大図である。
【図10】同上、棒状部材の取付状態を示す断面図である。
【図11】同上、棒状部材の取付状態を示す部分拡大図である。
【図12】同上、三重管の取付状態を示す上部断面図である。
【図13】同上、三重管の取付状態を示す下部断面図である。
【図14】同上、支柱キャップの断面図である。
【図15】同上、支柱キャップと可動ブラケットの取付状態を示す部分拡大図である。
【図16】本発明の実施例2を示す、支柱の断面図である。
【図17】同上、補強鋼材の側面図である。
【図18】本発明の実施例3を示す、支柱の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。
【実施例1】
【0021】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。
【0022】
図1に示すように、防護柵1は、山側Yと谷側Tとで傾斜する傾斜面Sの交差方向に、所定間隔をおいて端末支柱2,2を立設すると共に、この端末支柱2,2間に中間支柱3を立設し、これら端末支柱2,2と中間支柱3との山側Yに上下方向で複数段となるようにケーブル4を渡し、ここに金網5などを張設することで防護面6を形成している。
【0023】
こうした防護柵1に用いられる支柱として、本実施例では、地盤に立設される大径管7と、この大径管7よりも径小な中径管8と、この中径管8よりも径小な小径管9とを、一体化した三重管10が用いられる。
【0024】
三重管10を構成する大径管7は、設置場所である山側Yの設置面たる斜面101に取付孔Bをボーリングを用いて穿孔し、この取付孔Bに挿入することで地盤に建て込まれる下部11と、防護面6を形成する上部13とから成る。図2に示すように、大径管7の下部11は、山側Yからの落石や雪崩等による荷重に抗するために、傾斜面に深く建て込む必要があり、設置面から下端12までの挿入深さSは、全長H1の略半分となる。また、大径管7の上部13は、支柱キャップ14を取付けるために取付孔15が穿設された取付片16が二箇所設けられ、この取付片16の交差方向である大径管7の正面側には、小径管9と連結する連結孔17が穿設され、支柱間にケーブル4をわたすための緩衝金具18が上下方向に所定間隔をあけて設けられている。
【0025】
ここで、緩衝金具18について簡単に説明すると、緩衝金具18は、略半円状の溝部19を備えた前方把持体20と、同じく略半円状の溝部を備えた後方把持体21とで、前後一対の把持体22として成る。また、前後一対の把持体22には前方から後方にかけて挿通する二箇所の挿通孔23,23が穿設され、ケーブル4を前後一対の把持体22で挟む場合は、これら二箇所の挿通孔23,23に、連結手段たるボルト24を挿通し、このボルト24の先端にナット25を螺合することで締め付け、固定部材26に固定される。こうした構成の緩衝金具18によれば、防護面6に落石等の衝撃力が加わりケーブル4に張力が発生した場合に、ケーブル4が摩擦摺動されるため衝撃力の一部を吸収することができる。
【0026】
次に、三重管10を構成する中径管8は、全長H2が大径管7よりも短く形成される。中径管8の下端27は、大径管7の根入れ深さにあたる下部11の略半分となる位置に設けられる。また、中径管8の上端28は、大径管7の上端29位置よりも低い位置に設けられる。
【0027】
また、三重管10を構成する小径管9は、全長が大径管7よりも短く(H3<H1)、中径管8よりも長く(H3>H2)形成される。小径管9の下端30には、四つの係止部たる係止片31が管の外周面32に等間隔で形成されており、下端30位置は、中径管8の下端27と略同位置に設けられる。また、小径管9の上端31は、大径管7の上端29位置よりも僅かに低い位置に設けられ、上部33には、後述する棒状部材を挿通する挿通孔34が穿設され、この挿通孔34の交差方向に大径管7と連結する連結孔35が穿設される。尚、小径管9や中径管8は、落石や雪崩等の荷重に抗する応力(耐荷力)が最も求められる部分である斜面101を上下に挟む範囲に連続して設けられるので、本実施例では材料費の軽減などの理由から全長がそれぞれ異なる構成としているが、小径管9と中径管8の全長を同寸にする等してもよい。
【0028】
そして、これら大径管7、中径管8、および小径管9を一体にして三重管10を形成する。
【0029】
通常、三重管10を形成する場合は、大径管7内に中径管8と小径管9とを順に配設すればよいが、本実施例では、大径管7、中径管8、および小径管9の全長Hがそれぞれ異なることから、補強部分に対して確実に位置決めして配設する必要がある。そこで、本実施例では、小径管9と中径管8とを位置決めして二重管36として組合わせた後に、この二重管36を大径管7内の所定位置まで挿入することで三重とした三重管10とする。
【0030】
先ず、小径管9が中径管8内に挿入されると、小径管9の下端30に形成された係止片31に、中径管8の下端27が当接し、これにより中径管8と小径管9の下端27,30が略同位置になって組み合わされ、二重管36を形成する。そして、小径管9の上部33に形成される挿通孔34に丸鋼棒や鉄筋等から成る棒状部材37を挿入し、この棒状部材37に吊具(図示しない)を引掛けることで二重管36を吊り上げることができる。
【0031】
そして、建て込まれた大径管7内に二重管36を吊り降ろして挿入する。この時、二重管36の挿入深さS’は、応力(耐荷力)を最も必要とする部分である下部11(根入れ深さ)の略2/3までとし、防護面が形成される大径管7の上部13から、大径管7の下部11の略半分までの範囲を補強している。そして、大径管7の上端28付近に穿設される連結孔17と、小径管9の上端31付近に穿設される連結孔33との位置を合わせ、これら連結孔17,33に連結手段たるボルト38を挿通し、このボルト38の両端に複数のナット39,39を螺合することで、大径管7と二重管36とを一体とし、三重管10を形成する。
【0032】
こうして形成された三重管10は、三重管10内にセメントミルク等の不定形硬化材40を充填することで支柱として一体化され、三重管10の上端28には支柱キャップ14が取付けられる。
【0033】
支柱キャップ14は、支柱(大径管7)の上端28に嵌合する円筒状のキャップ本体41と、キャップ本体41の下端42に二箇所設けられる板状の取付片43とから成り、この取付片43には支柱の大径管7に形成される取付片16と対応して、支柱の取付片16と連結するための取付孔44が穿設される。また、二箇所の取付片43,43に形成される取付孔44,44は、同一方向に片開きとしたフック状を成している。
【0034】
また、支柱キャップ14の取付片43と支柱の取付片16との間には、可動ブラケット45が設けられる。可動ブラケット45は、防護柵1の支柱上部46,46間に設けられる連結杆47を連結する板状の連結片48と、連結片48から直角に折り曲げられた取付片49とから成り、この取付片49には取付孔50が穿設される。
【0035】
そして、これら支柱キャップ14と、可動ブラケット45を支柱に取付固定する。先ず、可動ブラケット49に穿設される取付孔50と、支柱(大径管7)の取付片16に穿設される取付孔15とに、ボルト51を挿通し、このボルト51の先端にナット52を仮止めし、支柱に可動ブラケット49を取付ける。次に、支柱の上端28に支柱キャップ14のキャップ本体41を嵌合し、支柱キャップ14の取付片43,43に穿設されたフック状の取付孔44,44を仮止めしたボルト51位置に向けて回転することで、支柱キャップ14の取付孔44,44を、支柱(大径管7)、及び可動ブラケット49の取付孔15,50と同位置に配置し、仮止め状態のナット52を締めることで、支柱に支柱キャップ1と可動ブラケット49とが取付けられる。こうして、本実施例は、支柱キャップ14の取付孔44,44を同一方向に片開きのフック状としたことにより、支柱キャップ14の取付工程を最後にできるので、作業効率を向上することができる。また、可動ブラケット45は、ボルト51が挿通された取付孔50を中心軸として連結杆47を前後方向に回動自在とすることができる。
【0036】
以上のように、本実施例の支柱構造によれば、端末支柱2,2と中間支柱3間を支柱上部46に設けられた連結杆47で連結し、ケーブル4を緩衝金具18に通して固定し、このケーブル4の前面に金網5等を張設して防護柵1を構築するとした一連の現場作業が円滑になり、更には、荷重に抗する応力を必要とする部分が確実に補強されるので、荷重に対する応力を効果的に向上することができる。
【0037】
このように本実施例では、地盤に立設する雪崩・落石等防護柵1の支柱構造において、大径管7と、大径管7内に挿入される中径管8と、中径管8内に挿入される小径管9とで三重管10を構成し、三重管10が、設置面たる斜面101より上方にあたる大径管7の上部13から、設置面たる斜面101より下方にあたる大径管7の下部11にかけて形成されるから、径が異なる三つの管材7,8,9により容易に三重管10を形成することができると共に、現場での作業性を向上することができる。また、落石や雪崩等の荷重に抗する応力が最も求められる部分に補強材となる中径管8と小径管9を配設して三重管10を形成するので、荷重に対する応力を効果的に向上することができる。
【0038】
また、このように本実施例では、小径管9の下端30に設けられる係止部たる係止片31で中径管8の下端27を係止して二重管36を形成し、二重管36を大径管7内に挿入することで三重管10を形成したから、小径管9の下端30に設けた係止片31で中径管8の下端27を係止できるため、二重管36を容易に形成することができ、この二重管36を大径管7内に挿入するだけで三重管10を形成できるので、補強構造が簡易となり、現場での作業性と共に、荷重に対する応力を向上することができる。
【0039】
また、このように本実施例では、大径管7の上部13に穿設した連結孔17と、小径管9の上部33に穿設した連結孔33とを、連結手段たるボルト38で連結したから、上部13,32に穿設した連結孔17,33で、補強材たる二重管36の位置決めや部材間の連結作業が容易となり、現場での作業性と共に、荷重に対する応力を向上することができる。
【実施例2】
【0040】
図16乃至17は、本発明の実施例2を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
【0041】
本実施例は、大径管7内にH型鋼53を配設し、H型鋼53の上部54に穿節された連結孔55と、大径管の上部13に穿設された連結孔17とを、連結手段たるボルト56を挿通し、このボルト56の両端に複数のナット57,57を螺合することで一体とする支柱構造である。
【0042】
通常、防護柵1に用いられる支柱は、防護面6に山側Yからの落石,雪崩や崩壊土砂などを受けると、上端13側が反山側である谷側Tに移動するように曲げが発生するから、これら山側Yと谷側Tを補強する必要がある。そこで、本実施例のH型鋼53は、山側Yと谷側Tに配置する板状補強リブ58,58と、これら板状補強リブ58,58の中央を連結する板状の連結材59により構成される。
【0043】
尚、この例に用いられるH型鋼53の大径管7内への挿入深さS’は、実施例1と同様に応力(耐荷力)を最も必要とする部分である下部11(根入れ深さ)の略2/3までとしている。
【0044】
このように本実施例では、地盤に立設する雪崩・落石等防護柵1の支柱構造において、大径管7内にH型鋼53を配設したから、落石や雪崩等の荷重に抗する応力が最も求められる部分をH型鋼53で補強でき、荷重に対する応力を向上することができる。
【0045】
また、このように本実施例では、大径管7の上部13に穿設した連結孔17と、H型鋼53の上部に穿設した連結孔とを、連結手段で連結したから、上部13,に穿設した連結孔で、H型鋼53の位置決めや部材間の連結作業が容易となり、現場での作業性と共に、荷重に対する応力を向上することができる。
【実施例3】
【0046】
図18は、本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
【0047】
本実施例は、上記実施例2と同様に、大径管7内にH型鋼53を配設し、H型鋼53の上部54に穿節された連結孔55と、大径管の上部13に穿設された17とを、連結手段たるボルト56を挿通し、このボルト56の両端に複数のナット57,57を螺合することで一体とする支柱構造である。また、上記実施例2と異なる構成としては、H型鋼53を構成する山側Yと谷側Tの板状補強リブ58,58に板状補強材60,60が設けられる点にある。
【0048】
このように本実施例では、大径管7内にH型鋼53を配設し、このH型鋼53を構成する山側Yと谷側Tの板状補強リブ58,58に板状補強材60,60を設けたから、山側Yと谷側Tの荷重に対する応力を一層向上することができる。
【0049】
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本実施例に用いた中径管8の下端内周面に係止片を設け、小径管9の下端を係止してもよく、この場合は、小径管9の長さが中径管8よりも短くなり、大径管7と中径管8とを連結して構成すればよい。また、設置面は斜面101以外の平坦面でもよい。また、落石や雪崩等による荷重が小さい場合には、必ずしも三重管とする必要はないので、構成部材から中径管8を除いた大径管7と小径管9との二重管で支柱を成す等すればよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0050】
1 防護柵
7 大径管
8 中径管
9 小径管
10 三重管
12 大径管の下端
27 中径管の下端
30 小径管の下端
31 係止片
36 二重管
38 ボルト(連結手段)
40 不定形硬化材
S 挿入深さ
53 H型鋼
54 H型鋼の上部
55 H型鋼の連結孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に立設する雪崩・落石等防護柵の支柱構造において、大径管と、前記大径管内に挿入される中径管と、前記中径管内に挿入される小径管とで三重管を構成し、前記三重管が、設置面より上方にあたる前記大径管の上部から、設置面より下方にあたる前記大径管の下部にかけて形成されることを特徴とする雪崩・落石等防護柵の支柱構造。
【請求項2】
前記小径管の下端に設けられる係止部で前記中径管の下端を係止して二重管を形成し、該二重管を前記大径管内に挿入することで前記三重管を形成することを特徴とする請求項1記載の雪崩・落石等防護柵の支柱構造。
【請求項3】
前記大径管の上部に穿設した連結孔と、前記小径管の上部に穿設した連結孔とを、連結手段で連結することを特徴とする請求項1又は2記載の雪崩・落石等防護柵の支柱構造。
【請求項4】
地盤に立設する雪崩・落石等防護柵の支柱構造において、大径管内にH型鋼を配設したことを特徴とする雪崩・落石等防護柵の支持構造。
【請求項5】
前記大径管の上部に穿設した連結孔と、前記H型鋼の上部に穿設した連結孔とを、連結手段で連結することを特徴とする請求項4記載の雪崩・落石等防護柵の支柱構造。
【請求項1】
地盤に立設する雪崩・落石等防護柵の支柱構造において、大径管と、前記大径管内に挿入される中径管と、前記中径管内に挿入される小径管とで三重管を構成し、前記三重管が、設置面より上方にあたる前記大径管の上部から、設置面より下方にあたる前記大径管の下部にかけて形成されることを特徴とする雪崩・落石等防護柵の支柱構造。
【請求項2】
前記小径管の下端に設けられる係止部で前記中径管の下端を係止して二重管を形成し、該二重管を前記大径管内に挿入することで前記三重管を形成することを特徴とする請求項1記載の雪崩・落石等防護柵の支柱構造。
【請求項3】
前記大径管の上部に穿設した連結孔と、前記小径管の上部に穿設した連結孔とを、連結手段で連結することを特徴とする請求項1又は2記載の雪崩・落石等防護柵の支柱構造。
【請求項4】
地盤に立設する雪崩・落石等防護柵の支柱構造において、大径管内にH型鋼を配設したことを特徴とする雪崩・落石等防護柵の支持構造。
【請求項5】
前記大径管の上部に穿設した連結孔と、前記H型鋼の上部に穿設した連結孔とを、連結手段で連結することを特徴とする請求項4記載の雪崩・落石等防護柵の支柱構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−193589(P2012−193589A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60104(P2011−60104)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(594065456)トライアン株式会社 (2)
【出願人】(511071164)GFPJAPAN株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(594065456)トライアン株式会社 (2)
【出願人】(511071164)GFPJAPAN株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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