説明

電力ケーブルの終端接続部の接続工具、その接続方法および電力ケーブルの終端接続部

【課題】筒状体の座屈を抑制し、ひだを潰したり折り曲げたりを防止して、筒状体内に電力ケーブルを安定して引き入れて挿入することができる電力ケーブルの終端接続部の接続工具、その接続方法および電力ケーブルの終端接続部を提供する。
【解決手段】電力ケーブルの終端接続部の接続工具40は、胴体部4と、ひだ6,7を有するひだ付部5とを有する弾性変形可能な電気絶縁性の筒状体2を備える電力ケーブルの終端接続部1に対して、電力ケーブル10を挿入して接続し、この接続工具40は、ひだ付部5と胴体部4の間に配置される治具41と、治具41と電力ケーブル10の間を連結して、電力ケーブル10を挿入するための牽引力を治具41に与えるための牽引部材50を取付けるリング部材30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力ケーブルの終端接続部とその接続方法およびその接続工具に関し、特に電力ケーブルを挿入して接続するための電力ケーブルの終端接続部の接続工具、その接続方法および電力ケーブルの終端接続部に関する。
【背景技術】
【0002】
電力ケーブルの終端接続部は、例えば高電圧の電力ケーブルの接続に用いられ、例えば、大気中やガス気中において、裸電線との接続や電気機器との接続などの際に使用される。
電力ケーブルが接続される電力ケーブルの終端接続部では、ゴムストレスコーンなどが電力ケーブル絶縁体の外周へ装着されるが、ゴムストレスコーンの内径と電力ケーブル絶縁体の外径との径の差は1〜3mm程度であり、軸(長手)方向の長さが短いので、作業者が人力によりゴムストレスコーンの中空部内に電力ケーブル絶縁体の外周部を装着することが可能である。
【0003】
一方、電力ケーブルの終端接続部の全体が弾性変形可能な電気絶縁性を有する筒状体である場合に、電力ケーブルの終端接続部の筒状体に電力ケーブルが挿入して接続された状態の内径は、電力ケーブルが挿入されていない筒状体の素管状態の内径に比べては、1.2〜1.5倍に拡径した状態で使用されるために、素管状態の筒状体の内径に比べて電力ケーブル絶縁体の外径が大きい。また、軸(長手)方向の長さが長いので、弾性変形により作業者が人力により筒状体内に電力ケーブル絶縁体を挿入することが困難である。
【0004】
関連技術としては、電力ケーブルの終端接続部の筒状体の内径の1.2〜1.5倍に拡径した状態で、ゴムストレスコーンが、チェーンとフランジと取り付け板を用いて、機械的に牽引されて電力ケーブル絶縁体の外周囲に対して挿入される例がある。このゴムストレスコーンは、挿入しようとする方向に関する長さが短いので、ゴムストレスコーンの端部を牽引の固定点として把持して挿入しても、ゴムストレスコーンに座屈を抑制して、または座屈が生じることなく、ゴムストレスコーンは電力ケーブル絶縁体の外周囲に挿入できる(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2003−92814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術を筒状体内に電力ケーブル絶縁体を挿入する場合に適用しようとすると、筒状体の全長が1.3〜1.6mほどあって長いために、筒状体の端部を単純に一点把持する方式では、筒状体自体には座屈が生じてしまい、筒状体内に電力ケーブル絶縁体の外周面を挿入して接続することが不可能である。
【0006】
また、筒状体自体が座屈するのを抑制する観点からは、筒状体の複数箇所を把持して固定すれば良いと考えられ、例えば線状部材などでたすき掛けして複数箇所を縛り上げてこの線状部材を用いて筒状体を牽引することも可能である。しかし、筒状体は外側に複数のひだを有する構造である。このようにして筒状体が固定されてしまうと、ひだが潰れたり折り曲げられてしまうので、筒状体の取り扱いは好ましくない。
【0007】
そこで、本発明は上記課題を解消するために、筒状体の座屈を抑制し、ひだを潰したり折り曲げたりを防止して、筒状体内に電力ケーブルを安定して引き入れて挿入することができる電力ケーブルの終端接続部の接続工具、その接続方法および電力ケーブルの終端接続部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解消するために、本発明の電力ケーブルの終端接続部の接続工具は、少なくとも弾性体からなるひだを有するひだ付部と円筒状の胴体部とを有する筒状体の内部に電力ケーブルを備える電力ケーブルの終端接続部であって、
電力ケーブルを挿入して接続するため、前記ひだ付部と前記胴体部の間に配置される治具と、
前記治具と前記電力ケーブルの間を連結して、前記電力ケーブルを挿入するための牽引力を前記治具に与えるための牽引部材を取付けるリング部材と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の電力ケーブルの終端接続部の接続工具は、好ましくは前記治具は、前記筒状体の所定位置に配置させるために、
前記第1連結部材と、
前記第1連結部材に対して着脱可能な第2連結部材と、
を有し、
前記第1連結部材と前記第2連結部材は、前記筒状体を所定位置に配置させるための開口を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の電力ケーブルの終端接続部の接続工具は、好ましくは前記第1連結部材と前記第2連結部材の前記開口の内径は、前記胴体部の外径寸法よりも小さく、かつ前記ひだ付部の最細径部の外径寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の電力ケーブルの終端接続部の接続工具は、好ましくは前記治具を第1治具として、前記第1治具と、前記電力ケーブルに固定された別の第2治具とが、前記牽引部材により連結されることを特徴とする。
【0012】
本発明の電力ケーブルの終端接続部の接続工具は、好ましくは前記牽引部材を第1牽引部材として、前記筒状体の端部にはさらに別の第3治具が配置され、前記第1治具と前記第3治具とが、別の第2牽引部材により連結されることを特徴とする。
【0013】
本発明の電力ケーブルの終端接続部の接続工具は、好ましくは前記筒状体の前記第1治具と前記第3治具との間には、少なくとの1つのさらに別の第4治具が配置され、前記第4治具は、前記筒状体に形成された取り付け部材により位置決めされ、
前記第1治具と前記第4治具の間と、前記第3治具と前記第4治具の間は、別の牽引部材により連結されることを特徴とする。
【0014】
本発明の電力ケーブルの終端接続部の接続工具は、好ましくは前記牽引部材は、牽引されても伸びの少ないまたは前記電力ケーブルを挿入するための牽引力の領域では伸びの無い線状部材であることを特徴とする。
【0015】
本発明の電力ケーブルの終端接続部の接続方法は、少なくとも弾性体からなるひだを有するひだ付部と円筒状の胴体部とを有する筒状体の内部に電力ケーブルを備える電力ケーブルの終端接続部であって、
電力ケーブルを挿入して接続するため、前記ひだ付部と前記胴体部の間に治具を配置して、
前記治具と前記電力ケーブルの間に連結された牽引部材を用いて前記電力ケーブルを挿入するための牽引力を前記治具に与えることを特徴とする。
【0016】
本発明の電力ケーブルの終端接続部の接続方法は、好ましくは前記治具は、前記筒状体の所定位置に配置させるために、第1連結部材と第2連結部材を連結することで形成することを特徴とする。
【0017】
本発明の電力ケーブルの終端接続部は、少なくとも弾性体からなるひだを有するひだ付部と円筒状の胴体部とを有する筒状体の内部に電力ケーブルを備える電力ケーブルの終端接続部であって、
前記ひだ付部と前記胴体部の間には治具を配置するための治具配置部分を有し、
前記治具と前記電力ケーブルの間を牽引部材により連結して、前記電力ケーブルを挿入するための牽引力を前記治具に与えるために、前記胴体部の外径寸法は、前記ひだ付部の最細径部の外径寸法に比べて、大きく設定されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の電力ケーブルの終端接続部は、少なくとも弾性体からなるひだを有するひだ付部と円筒状の胴体部とを有する筒状体の内部に電力ケーブルを備える電力ケーブルの終端接続部であって、
前記ひだ付部の長手方向の任意の位置に、前記筒状体を牽引するための治具を取付ける突部を1以上設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、筒状体の座屈を抑制し、ひだを潰したり折り曲げたりを防止して、筒状体内に電力ケーブルを安定して引き入れて挿入することができる電力ケーブルの終端接続部の接続工具、その接続方法および電力ケーブルの終端接続部が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の電力ケーブルの終端接続部の好ましい実施形態を示す一部断面を有する正面図である。
【0021】
図1に示す電力ケーブルの終端接続部1は、構造を分かりやすくするために、中心軸から下半分は断面で示し、上半分は外周部の形状を示している。電力ケーブルの終端接続部1は、筒状体2と、半導電層3を有している。筒状体2は、軸方向Lに沿って形成されており、筒状体2は電気絶縁性を有するゴム、例えばシリコンゴムにより形成されている。
筒状体2は、胴体部4とひだ付部5を有している。筒状体2の胴体部4の内部には、半導電層3を内蔵しており、半導電層3はストレスリリーフコーンであり、半導電性ゴム、例えば半導電性シリコンゴムにより形成されている。好ましくは、筒状体2と半導電層3とを一体となるように形成する。
【0022】
図1に示すように、ひだ付部5は軸方向Lに沿ってほぼ同じ直径を有しており、ひだ付部5には、複数の大小のリング状のひだ6,7が、軸方向Lに沿って相互に間隔をおいて形成されている。胴体部4とひだ付部5内には、貫通穴8が軸方向Lに沿って形成されている。図1に示す電力ケーブル10がこの貫通穴8に圧入されることで、電力ケーブルの終端接続部1が電力ケーブル10に対して接続して固定されるようになっている。
【0023】
図1に示すように、電力ケーブル10は、導体11と、導体11の外周部に形成された電気絶縁部12と、電気絶縁部12の外周に配置された外部半導電層13と被覆16と、導電性を有する導体引き出し棒14を有している。導体引き出し棒14は、導体11の端部に固定されており、導体引き出し棒14は、電力ケーブル10を貫通穴8に圧入し易いようにするために、テーパー面15を有している。
【0024】
電力ケーブル気中終端接続部1は、この電力ケーブル10を収納する長さを有しており、電力ケーブル10は、所定の長さを段剥ぎすることで上述した導体11と電気絶縁部12と外部半導電層13をそれぞれ露出させている。
胴体部4の貫通穴8の内径dは、電力ケーブル10の外部半導電層13の外径寸法Dに比べて小さく設定されており、電力ケーブル10がこの貫通穴8に圧入されることで、電力ケーブルの終端接続部1の筒状体2の胴体部4とひだ付部5が半径方向外側に弾性変形して膨らみ、胴体部4の外径寸法とひだ付部5の外径寸法が大きくなる。
【0025】
図1に示すように、胴体部4は、大径部20と中径部21と小径部22を有しており、図1に示すように胴体部4の大径部20の外径寸法S1は、ひだ付部5の最も大きい外径寸法S2に比べて大きい。これにより、大径部20とひだ付部5の接続部分には段差部23が形成されている。この段差部23は、ひだ付部のひだ6,7の未形成部分あるいは治具配置部分である。中径部21と小径部22は、段差部23とは反対側に形成されている。
【0026】
図2は、図1に示す電力ケーブルの終端接続部1の外観形状を簡略化して示している。
図3は、図1と図2に示す電力ケーブルの終端接続部1の貫通穴8に対して図1に示す電力ケーブル10を圧入して接続するための電力ケーブルの終端接続部の接続工具40を示している。
【0027】
図3に示す電力ケーブルの終端接続部の接続工具40は、1つの治具(第1治具)41と、複数本の牽引部材(第1牽引部材)50を備えている。電力ケーブルの終端接続部1には、別の治具(第2治具)44が固定されている。治具41の2つのリング部材30には牽引部材50の一端部51に連結されており、治具44のリング部材31には、牽引部材50の他端部52が連結されている。牽引部材50は、伸びの少ないまたは前記電力ケーブルを挿入するための牽引力の領域では伸びの無い線状部材(含む、帯状部材)であり、例えば、ナイロン製ロープやナイロン製ベルト、金属ワイヤ、金属チェーンや金属ベルトである。
【0028】
図4と図5は、接続工具40の治具41の形状例を示している。図4(A)は、治具41の正面図であり、図4(B)は、図(A)の治具41のF−F線における断面図であり、図4(C)は、図(A)の治具41のG−G線における断面図である。図5は、治具41の分解した状態を示す正面図である。
図4と図5に示すように、治具41は、金属製の板状部材であり、第1連結部材61と第2連結部材62と、2つのリング部材30と、2つの蝶ナット63により構成されている。
【0029】
第1連結部材61は、図4(A)と図5に示すように半円形状の第1開口部71と、半リング形状の第1傾斜支持面72と、第1嵌め合い部73,73と、取り付け部74,74を有している。
【0030】
第1傾斜支持面72は、第1開口部71の周囲に形成されており、図4(B)と図4(C)に示すように、第1傾斜支持面72は、第1連結部材61の一方の面61Bから他方の面61Cに向けて傾斜角度θにより傾斜して形成されている。傾斜角度θは、軸方向Lと直交するL1方向に対して形成されており、好ましくは図1と図2に示す段差部(ひだ付部のひだ6,7の未形成部分)23の形成角度θ1と同じである。図5に示すように、第1傾斜支持面72の端面は、第1連結部材61と第2連結部材62を突き当てて組み立てる際の第1突き当て面76である。
【0031】
図4と図5に示すように、第1嵌め合い部73,73は、第1開口部71と第1傾斜支持面72を挟んだ両側においてL1方向に平行に形成されている。これらの第1嵌め合い部73,73は図4(C)に示すように、断面が矩形のガイド用の突起である。取り付け部74,74は、第1嵌め合い部73,73にそれぞれ対応して配置されており、取り付け部74,74はL1方向と軸方向Lに対して直交するL2方向において、互いに反対向きに突出するように形成されている。取り付け部74,74には、蝶ネジ63が挿入される穴75がそれぞれ形成されている。
【0032】
一方、図4(A)と図5に示すように第2連結部材62は、第1連結部材61に対して着脱可能に連結される部材である。第2連結部材62は、半円形状の第2開口部81と、半リング形状の第2傾斜支持面82と、第2嵌め合い部83,83と、取り付け部84,84を有している。
【0033】
第2傾斜支持面82は、第2開口部81の周囲に形成されており、図4(B)と図4(C)に示すように、第2傾斜支持面82は、第2連結部材62の一方の面62Bから他方の面62Cに向けて傾斜角度θにより傾斜して形成されている。傾斜角度θは、軸方向Lと直交するL1方向に対して形成されており、好ましくは図1と図2に示す段差部23の形成角度θ1と同じである。
【0034】
2つのリング部材30は、それぞれ第2連結部材62の第2嵌め合い部83,83の付近において着脱可能に固定されている。すなわち、2つのリング部材30の雄ネジが、第2連結部材62の面62B側の雌ネジに対してねじ込むことで着脱自在に取り付けられている。2つのリング部材30の取り付け位置は、第2傾斜支持面82の端面である第2突き当て面86の延長線状にある。図5に示すように、第2突き当て面86は、第1連結部材61と第2連結部材62を突き当てて組み立てる際に第1突き当て面76に対して突き当てられ、第1連結部材61と第2連結部材62は互いに位置決めされる。
【0035】
図4と図5に示すように、第2嵌め合い部83,83は、第2開口部81と第2傾斜支持面82を挟んだ両側においてL1方向に平行に形成されている。これらの第2嵌め合い部83,83は図4(C)に示すように、断面が矩形のガイド用の溝部であり、それぞれ第1嵌め合い部73がはめ込まれる。
取り付け部84,84は、第2嵌め合い部83,83にそれぞれ対応して配置されており、取り付け部84,84はL1方向と軸方向Lに対して直交するL2方向において、互いに反対向きに突出するように形成されている。取り付け部84,84には、蝶ネジ63がねじ込まれる雌ネジ85がそれぞれ形成されている。
【0036】
図4と図5に示すように、第1開口部71の半径Rと第2開口部81の半径Rを合わせた直径2Rは、図3に示すようにひだ付部5の外径寸法S2よりも大きく設定されている。このように、第1開口部71の半径Rと第2開口部81の直径2Rが、図3に示すようにひだ付部5の外径寸法S2よりも大きく設定されているのは、次の理由からである。
【0037】
既に説明したように、図1と図3に示す電力ケーブル10が、貫通穴8に圧入されることで、電力ケーブルの終端接続部1の筒状体2の胴体部4とひだ付部5が半径方向外側に弾性変形して膨らみ、胴体部4の外径寸法とひだ付部5の外径寸法が大きくなっても、このひだ付部5の外周部が第1開口部71の半径Rと第2開口部81の内周面に対して当たるのを防止している。これにより、ひだ付部5が治具41から圧力を受けて、ひだ付部5が変形してしまうのを防ぐことができる。
【0038】
図4と図5に示すように、治具41の第1連結部材61と第2連結部材62を組み立てる際には、図5に示すように、第1嵌め合い部73,73が第2嵌め合い部83,83に対してそれぞれL1方向に沿って挿入される。これにより、第1突き当て面76が第2突き当て面86に突き当てられるとともに、取り付け部74,74が取り付け部84,84に対してそれぞれ位置決めされる。そして、蝶ネジ63が穴75にはめ込まれて雌ネジ85にねじ込まれることで、第1連結部材61と第2連結部材62は、軸方向LとL1方向とL2方向にずれないようにして確実に連結して固定することができる。
【0039】
次に、図3と図4を参照しながら、電力ケーブルの終端接続部1と電力ケーブル10とを、電力ケーブルの終端接続部の接続工具40を用いて接続して固定する電力ケーブルの終端接続部の接続方法を説明する。
【0040】
図3に示すように、作業者は、接続工具40の治具41を、電力ケーブルの終端接続部1のひだ付部5の段差部23の付近に取り付ける。治具41の第1連結部材61と第2連結部材62を組み立てる際には、図5に示すように、第1嵌め合い部73,73が第2嵌め合い部83,83に対してそれぞれL1方向に沿って挿入される。これにより、第1突き当て面76が第2突き当て面86に突き当てられるとともに、取り付け部74,74が取り付け部84,84に対してそれぞれ位置決めされる。
【0041】
そして、蝶ネジ63が穴75にはめ込まれて雌ネジ85にねじ込まれることで、第1連結部材61と第2連結部材62は、軸方向LとL1方向とL2方向にずれないようにして確実に連結して固定することができる。図3に示すように、この取り付けた状態では、治具41の第1開口部71と第1傾斜支持面72と第2開口部81と第2傾斜支持面82は、段差部23とひだ付部5の外周面に対して予め定められた隙間29が形成されている。図3に示すように、このようにして組み立てられた治具41は、段差部23とこの段差部23に最も近い位置にあるひだ7との間のひだ付部5の外周面の設定領域(ひだ付部のひだ6,7の未形成部分)に位置決めされている。
【0042】
図3に示すように、電力ケーブル10側にも別の治具44が固定されている。治具41の2つのリング部材30には、牽引部材50の一端部51が連結され、治具44のリング部材31には、牽引部材50の他端部52が連結される。そして、図示しない牽引力発生装置が牽引部材50を牽引方向Tに牽引することで、電力ケーブル10は電力ケーブルの終端接続部1の貫通穴8内に圧入して接続する。
【0043】
この接続の際には、電力ケーブル10がこの貫通穴8に圧入されることで、電力ケーブルの終端接続部1の筒状体2の胴体部4とひだ付部5が半径方向外側に弾性変形して膨らみ、胴体部4の外径寸法とひだ付部5の外径寸法が大きくなる。しかし、既に説明したように、第1開口部71の半径Rと第2開口部81の半径Rを合わせた直径2Rは、図3に示すようにひだ付部5の外径寸法S2よりも大きく設定されている。このため、ひだ付部5の外周部が第1開口部71の半径Rと第2開口部81の内周面に対して当たるのを防止している。これにより、ひだ付部5が治具41により変形してしまうのを防ぐことができる。すなわち、筒状体2の胴体部4とひだ付部5が素管の状態から、電力ケーブルが挿入された後は太りが生じるが、治具41の内径はこの太りを考慮しているのである。
【0044】
また、図3に示すように、電気絶縁部12と治具44の間に保護部材17、例えば、シリコンゴムシートなどを入れて、電気絶縁部12を保護するようにしてよい。また、治具41と筒状体2の間に保護部材を入れるなど、保護部材を任意の箇所に用いてよい。
【0045】
電力ケーブルの終端接続部1と電力ケーブル10を、電力ケーブルの終端接続部の接続工具40を用いて接続して固定できると、牽引部材50を牽引方向Tに牽引する作業が停止され、蝶ネジ63が取りはずれることにより、第1連結部材61と第2連結部材62の連結が解除され、第1連結部材61と第2連結部材62は傾斜した段差部23から簡単に確実に取り外すことができる。以上のようにして、電力ケーブルの終端接続部1と電力ケーブル10が、電力ケーブルの終端接続部の接続工具40を用いて簡単に確実に接続して固定することができる。
【0046】
ここで、図9は、本発明の第1実施形態と、後で説明する本発明の第2実施形態と、そして比較のために、比較例(1)〜(3)を示している。
図9(A)に示す本発明の第1実施形態では、接続工具40の1つの治具41が、電力ケーブルの終端接続部1のひだ付部5の段差部23の付近であって、ひだ6,7の形成されていない部分に取り付けられている。すなわち、筒状体2は1つの治具41を用いていわゆる一点で把持されている。
【0047】
これにより、1つの治具41が段差部23を利用して筒状体2の胴体部4をT方向に牽引するので、牽引されても、電力ケーブル10がこの貫通穴8に圧入される際に筒状体2自体の半径方向に関する収縮現象は生じ難いまたは生じない。このため、電力ケーブル10がこの貫通穴8に圧入され筒状体2自体が半径方向に収縮する場合には筒状体2の変形や摩擦力の増加があるが、第1実施形態ではこの収縮現象は生じ難いまたは生じない。
また、筒状体2の胴体部4が、1つの治具41により、図9(A)に示すようにT方向に牽引されるので、胴体部4はP方向に弾性収縮が生じるとともに、ひだ付部5は電力ケーブルから受ける力により相対的にM方向に伸びが生じる。
【0048】
<第2実施形態>
次に、本発明の電力ケーブルの終端接続部の好ましい第2実施形態を、図6〜図8を参照して説明する。
【0049】
図6は、本発明の第2実施形態の電力ケーブルの終端接続部の接続工具40Bを示している。図7は、図6に示す治具41ともう1つの治具91の断面形状と装着状態を示している。図8は、図1と図2に示す電力ケーブルの終端接続部1の貫通穴8に対して図1に示す電力ケーブル10を圧入して接続するための電力ケーブルの終端接続部の接続工具40Bを示している。
【0050】
図6〜図8に示す第2実施形態における電力ケーブルの終端接続部1と電力ケーブル10は、第1の実施形態における電力ケーブルの終端接続部1と電力ケーブル10と同じものであるので、その説明を用いる。また、第2実施形態における電力ケーブルの終端接続部の接続工具40Bは、第1実施形態のおける電力ケーブルの終端接続部の接続工具40と比べると、さらにもう1つの治具(第3治具)91と2本の牽引部材50Bが追加されていることなるが、その他の要素は実質的に同じであるので、同じ符号を記してその説明を用いる。
【0051】
図7に示すもう1つの治具91の領域K2で示す構造は、治具41の領域K1で示す構造とは異なり、複数の部材を連結して構成されているのではなく一枚の金属板である。治具91はひだ付部5の端部5Wに配置される。図7に示すように、治具91は、その中央部分にひだ付部5の端部5Wを受けるための受容部分92を有している。
【0052】
図7に示すように、この受容部分92の内径d3は、ひだ付部5の端部5Wの外径寸法S3に比べて大きく設定されている。このように外径寸法d3が大きく設定されているのは、次の理由からである。すなわち、電力ケーブル10が電力ケーブルの終端接続部1に圧入される場合に、筒状体2のひだ付部5の自体の外径寸法d3が素管状態から太るのを考慮した結果である。
【0053】
また、図7に示すように、受容部92には、開口98が形成されている。この開口98は図8に示す導体引き出し棒14が突き出るようにするために設けられている。
治具91には、2つのリング部材93が着脱可能に固定されている。治具41には、さらに別の2つのリング部材95が着脱可能に固定されている。
2つのリング部材93と2つのリング部材95は、それぞれ牽引部材50Bにより接続されている。
【0054】
ここで、図9(B)は、図8に示す本発明の第2実施形態を示している。第2実施形態では、接続工具40Bの1つの治具41が、電力ケーブルの終端接続部1のひだ付部5の段差部23の付近であって、ひだ6,7の形成されていない部分(ひだ付部のひだ6,7の未形成部分)に取り付けられている。しかも、もう1つの治具91が、ひだ付部5の端部5Wを受けて保持している。すなわち、筒状体2は1つの治具41ともう1つの治具91を用いて、いわゆる2点で把持されている。
【0055】
これにより、1つの治具41が段差部23を利用すると同時に、もう1つの治具91がひだ付部5の端部5Wを利用して、筒状体2の胴体部4とひだ付部5をT方向に牽引するので、牽引しても電力ケーブル10がこの貫通穴8に圧入される際に筒状体2自体の半径方向に関する収縮現象は生じ難いまたは生じない。このため、電力ケーブル10がこの貫通穴8に圧入され筒状体2自体が半径方向に収縮する場合には筒状体2の変形や摩擦力の増加があるが、第2実施形態ではこの収縮現象は生じ難いまたは生じない。
また、筒状体2の胴体部4が、1つの治具41により、図9(B)に示すようにT方向に牽引されるので、胴体部4にはP方向に弾性収縮が生じるが、ひだ付部5には上述した第1実施形態とは異なり、伸びは生じ難いまたは生じない。これは、治具91がひだ付部5の端部5Wを支えているからである。
【0056】
図9(A)に示す本発明の第1実施形態と図9(B)に示す本発明の第2実施形態に対する比較として、図9(C)〜図9(E)は、本発明の範囲外である比較例1〜比較例3の牽引方式を示している。
【0057】
図9(C)の比較例1では、筒状体2の胴体部4が線状部材100により把持されており、線状部材100はひだ6,7が形成されていない部分に巻き付けて把持されている。このような比較例1の牽引方式では、牽引力が増加すると線状部材100が筒状体2の胴体部4の把持部分を締め付けてしまうので胴体部4の把持部分は絞られて収縮してしまうとともに、ひだ付部5が伸びてしまう。この収縮によりゴム製の筒状体2の胴体部4が変形し、筒状体2の貫通穴の内径を細くさせてしまう現象が生じる。このため、電力ケーブルが筒状体2の貫通穴に圧入されるときの引き入れ張力が増加して摩擦力が増す。従って、電力ケーブルと筒状体2の接続作業が難しくなる。
【0058】
図9(D)の比較例2では、筒状体2の胴体部4の胴部が線状部材100により巻き付けて把持されている。このような比較例2の牽引方式では、牽引力が増加すると線状部材100が筒状体2の胴体部4の把持部分を締め付けてしまうので胴体部4の把持部分は収縮されてしまうとともに、ひだ付部5が伸びてしまう。この収縮によりゴム製の筒状体2の胴体部4が変形し、筒状体2の貫通穴の内径を細くさせてしまう現象が生じる。このため、電力ケーブルが筒状体2の貫通穴に圧入されるときの引き入れ張力が増加して摩擦力が増す。従って、電力ケーブルと筒状体2の接続作業が難しくなる。
【0059】
図9(E)の比較例3では、筒状体2の胴体部4とひだ付部5の端部のひだ6,7が線状部材100により同時に把持されている。このような比較例3の牽引方式では、牽引力が増加すると線状部材100が筒状体2の胴体部4の把持部分を締め付けてしまうので胴体部4の把持部分は収縮されてしまう。この収縮によりゴム製の筒状体2の胴体部4が変形し、筒状体2の貫通穴の内径を細くさせてしまう現象が生じる。また、ひだ6,7が圧力により潰れてしまう。このため、電力ケーブルが筒状体2の貫通穴に圧入されるときの引き入れ張力が増加して摩擦力が増す。従って、電力ケーブルと筒状体2の接続作業が難しくなる。
【0060】
次に、本発明の電力ケーブルの終端接続部の好ましい第3実施形態を、図10を参照して説明する。
<第3実施形態>
図10は、図1と図2に示す電力ケーブルの終端接続部1の貫通穴8に対して図1に示す電力ケーブル10を圧入して接続するための電力ケーブルの終端接続部の接続工具40Cを示している。
【0061】
図10に示す第3実施形態における電力ケーブルの終端接続部1と電力ケーブル10は、第1の実施形態における電力ケーブルの終端接続部1と電力ケーブル10と同じものであるので、その説明を用いる。また、第3実施形態における電力ケーブルの終端接続部の接続工具40Cは、第2実施形態のおける電力ケーブルの終端接続部の接続工具40Bと比べると、さらにもう1つの治具(第4治具)111と2本の牽引部材50Cと2本の牽引部材50Dが追加されているが、その他の要素は実質的に同じであるので、同じ符号を記してその説明を用いる。
【0062】
図10に示す第3実施形態では、取り付け部材5Gがひだ付部5の中間位置に突出して形成されている。この取り付け部材5Gには、別の1つの治具111が追加して配置されている。この治具111は、治具41と同様に2つの連結部材により組み立てることで形成されており、治具111の構造は、治具41の構造とほぼ同じである。治具111は開口112を有しており、開口112内にはひだ付部5の中間部分5Vが通っている。開口112の内径は、中間部分5Vの外径寸法よりも大きい。これは、電力ケーブル10が電力ケーブルの終端接続部1に圧入される場合に、筒状体2のひだ付部5自体の外径寸法d3が素管状態から太るのを考慮した結果である。
【0063】
治具91の2つのリング状部材93と治具111のリング状部材113は、2本の牽引部材50Cにより着脱可能に連結されている。同様にして、治具41の2つのリング状部材95と治具111のリング状部材114は、2本の牽引部材50Cにより着脱可能に連結されている。
【0064】
本発明の実施形態の電力ケーブルの終端接続部の接続工具は、胴体部とひだを有するひだ付部とを有する弾性変形可能な電気絶縁性の筒状体を備える電力ケーブルの終端接続部に対して、電力ケーブルを挿入して接続する。この接続工具は、ひだ付部と胴体部の間に配置される治具と、治具と電力ケーブルの間を連結して、電力ケーブルを挿入するための牽引力を治具に与えるための牽引部材とを備える。これにより、筒状体の座屈を抑制し、ひだを潰したり折り曲げたりを防止して、筒状体内に電力ケーブルを安定して引き入れて挿入することができる。
【0065】
治具は、ひだ付部のひだの未形成部分に配置させるために、第1連結部材と、第1連結部材に対して着脱可能な第2連結部材と、を有し、第1連結部材と第2連結部材は、ひだ付部のひだの未形成部分を通すための開口を有する。これにより、治具は、ひだ付部のひだの未形成部分に対して簡単に配置して、あるいは取り外すことができる。
【0066】
治具の第1連結部材と第2連結部材の開口の内径は、胴体部の外径寸法よりも小さく、かつひだ付部の外径寸法よりも大きく設定されている。これにより、電力ケーブルが挿入されてひだ付部と胴体部が素管状態から太っても治具から圧力を受けないので変形することがない。
また、この治具を第1治具として、第1治具と、電力ケーブルに固定された別の第2治具とが、牽引部材により連結される。これにより、筒状体と電力ケーブルが牽引部材により確実にかつ簡単に相互に牽引して筒状体内に電力ケーブルを挿入して固定できる。
【0067】
牽引部材を第1牽引部材として、ひだ付部の端部にはさらに別の第3治具が配置され、第1治具と第3治具とが、別の第2牽引部材により連結される。これにより、ひだ付部が電力ケーブルを挿入する際にひだ付部が軸方向に圧力を受けるが、ひだ付部が伸長するのを各治具により押さえ込んで抑止することができる。
【0068】
ひだ付部の第1治具と第3治具との間には、少なくとも1つのさらに別の第4治具が配置され、第4治具は、ひだ付部に形成された取り付け部材により位置決めされ、第1治具と第4治具の間と、第3治具と第4治具の間は、別の牽引部材により連結される。これにより、ひだ付部の軸方向の長さが長い場合に、ひだ付部が電力ケーブルを挿入する際にひだ付部が軸方向に圧力を受けるが、ひだ付部が伸長するのを各治具により押さえ込んで抑止することができる。
【0069】
牽引部材は、牽引されても伸びの少ないまたは前記電力ケーブルを挿入するための牽引力の領域では伸びの無いロープ、ワイヤ、ベルトまたはチェーンである。これにより、牽引力は確実に与えることができる。
【0070】
本発明の実施形態の電力ケーブルの終端接続部は、電力ケーブルを挿入して接続するために、胴体部とひだを有するひだ付部とを有する弾性変形可能な電気絶縁性の筒状体を備え、ひだ付部と胴体部の間には治具を配置するための治具配置部分を有し、
治具と電力ケーブルの間を牽引部材して連結して、電力ケーブルを挿入するための牽引力を治具に与えるために、胴体部の外径寸法は、ひだ付部の外径寸法に比べて、大きく設定されている。これにより、筒状体の座屈を抑制し、ひだを潰したり折り曲げたりを防止して、筒状体内に電力ケーブルを安定して引き入れて挿入することができる。
【0071】
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されず種々の変形例を採用できる。
例えば、図10の実施形態では、1つの治具111がひだ付部5の中間位置に配置されているが、これに限らず例えばひだ付部5の軸方向Lの長さが大きい場合に、2つ以上の治具111が追加されても良い。
【0072】
図11のように、ひだ付部5の長手方向の任意の位置に、筒状体2を牽引するための治具41を取付ける突部98を2箇所に設けることによって、例えば、電圧階級や汚損特性などの電気的設計により長尺となっても、筒状体2が筒状体の座屈を抑制し、ひだを潰したり折り曲げたりを防止して、筒状体内に電力ケーブルを安定して引き入れて挿入することができる。
【0073】
また、本発明の電力ケーブルの接続方法は、筒状体2の内面や電力ケーブル10の所定の部分に潤滑材(粉体、グリス、油など)を施して、摩擦を低減して電力ケーブル10を挿入しやすいようにしてよい。
【0074】
また、本発明の電力ケーブルの終端接続部の接続工具、その接続方法は、運搬が容易であることから、工場または工事現場などの場所を問わず適用できる。さらに、電力ケーブルの終端接続部や電力ケーブルが地面に対し、水平、斜め、垂直(物品の上下)などの角度を問わず適用できる。特に、垂直方向に配置すると、水平や斜めに配置した際の筒状体や電力ケーブルの自重によるたわみを防止して、筒状体内に電力ケーブルを挿入することができる。
【0075】
また、電力ケーブルは、電気的および/または機械的設計から種々の構造がある。したがって、電力ケーブルの段剥ぎ構造、胴体部、ひだ付部、半導電層等の構造、つまり、電力ケーブルの構造に応じて、電力ケーブル気中終端接続部が設計される。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の電力ケーブルの終端接続部の好ましい実施形態を示す一部断面を有する正面図である。
【図2】図1に示す電力ケーブルの終端接続部の外観形状を簡略化して示す図である。
【図3】治具を牽引して、図1と図2に示す電力ケーブルの終端接続部の貫通穴に対して図1に示す電力ケーブルを圧入して接続するための電力ケーブルの終端接続部の接続工具を示す図である。
【図4】分割可能な治具の構造例を示す図である。
【図5】図4に示す治具を分解した状態を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態Wを示す図である。
【図7】図6に示す実施形態の構造を更に詳しく示す図である。
【図8】図6と図7に示す本発明の実施形態において治具を牽引して、電力ケーブルの終端接続部の貫通穴に対して電力ケーブルを圧入して接続するための電力ケーブルの終端接続部の接続工具を示す図である。
【図9】本発明の実施形態と、比較例を示す図である。
【図10】本発明の更に第3実施形態を示す図である。
【図11】本発明の更に第4実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
1 終端接続部
2 筒状体
4 胴体部
5 ひだ付部
6 ひだ
7 ひだ
23 段差部(ひだ付部のひだの未形成部分あるいは治具配置部分)
41 治具(第1治具)
44 治具(第2治具)
61 第1連結部材
62 第2連結部材
91 治具(第3治具)
111 治具(第4治具)
L 軸方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも弾性体からなるひだを有するひだ付部と円筒状の胴体部とを有する筒状体の内部に電力ケーブルを備える電力ケーブルの終端接続部であって、
電力ケーブルを挿入して接続するため、前記ひだ付部と前記胴体部の間に配置される治具と、
前記治具と前記電力ケーブルの間を連結して、前記電力ケーブルを挿入するための牽引力を前記治具に与えるための牽引部材を取付けるリング部材と、
を備えることを特徴とする電力ケーブルの終端接続部の接続工具。
【請求項2】
前記治具は、前記筒状体の所定位置に配置させるために、
前記第1連結部材と、
前記第1連結部材に対して着脱可能な第2連結部材と、
を有し、
前記第1連結部材と前記第2連結部材は、前記筒状体の所定位置に配置させるための開口を有することを特徴とする請求項1に記載の電力ケーブルの終端接続部の接続工具。
【請求項3】
前記第1連結部材と前記第2連結部材の前記開口の内径は、前記胴体部の外径寸法よりも小さく、かつ前記ひだ付部の最細径部の外径寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項2に記載の電力ケーブルの終端接続部の接続工具。
【請求項4】
前記治具を第1治具として、前記第1治具と、前記電力ケーブルに固定された別の第2治具とが、前記牽引部材により連結されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電力ケーブルの終端接続部の接続工具。
【請求項5】
前記牽引部材を第1牽引部材として、前記筒状体の端部にはさらに別の第3治具が配置され、前記第1治具と前記第3治具とが、別の第2牽引部材により連結されることを特徴とする請求項4に記載の電力ケーブルの終端接続部の接続工具。
【請求項6】
前記筒状体の前記第1治具と前記第3治具との間には、少なくとの1つのさらに別の第4治具が配置され、前記第4治具は、前記筒状体に形成された取り付け部材により位置決めされ、
前記第1治具と前記第4治具の間と、前記第3治具と前記第4治具の間は、別の牽引部材により連結されることを特徴とする請求項5に記載の電力ケーブルの終端接続部の接続工具。
【請求項7】
前記牽引部材は、牽引されても伸びの少ないまたは前記電力ケーブルを挿入するための牽引力の領域では伸びの無い線状部材であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つの項に記載の電力ケーブルの終端接続部の接続工具。
【請求項8】
少なくとも弾性体からなるひだを有するひだ付部と円筒状の胴体部とを有する筒状体の内部に電力ケーブルを備える電力ケーブルの終端接続部であって、
電力ケーブルを挿入して接続するため、前記ひだ付部と前記胴体部の間に治具を配置して、
前記治具と前記電力ケーブルの間に連結された牽引部材を用いて前記電力ケーブルを挿入するための牽引力を前記治具に与えることを特徴とする電力ケーブルの終端接続部の接続方法。
【請求項9】
前記治具は、前記筒状体の所定位置に配置させるために、第1連結部材と第2連結部材を連結することで形成することを特徴とする請求項8に記載の電力ケーブルの終端接続部の接続方法。
【請求項10】
少なくとも弾性体からなるひだを有するひだ付部と円筒状の胴体部とを有する筒状体の内部に電力ケーブルを備える電力ケーブルの終端接続部であって、
前記ひだ付部と前記胴体部の間には治具を配置するための治具配置部分を有し、
前記治具と前記電力ケーブルの間を牽引部材により連結して、前記電力ケーブルを挿入するための牽引力を前記治具に与えるために、前記胴体部の外径寸法は、前記ひだ付部の最細径部の外径寸法に比べて、大きく設定されていることを特徴とする電力ケーブルの終端接続部。
【請求項11】
少なくとも弾性体からなるひだを有するひだ付部と円筒状の胴体部とを有する筒状体の内部に電力ケーブルを備える電力ケーブルの終端接続部であって、
前記ひだ付部の長手方向の任意の位置に、前記筒状体を牽引するための治具を取付ける突部を1以上設けたことを特徴とする電力ケーブル気中終端接続部電力ケーブルの終端接続部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−171721(P2009−171721A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−6472(P2008−6472)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(502308387)株式会社ビスキャス (205)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】