説明

電力モジュールパッケージ及びその製造方法

【課題】本発明は、電力モジュールパッケージ及びその製造方法に関する。
【解決手段】本発明は、互いに離隔して配置された第1放熱プレート及び第2放熱プレートを含む放熱プレートと、放熱プレート上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成されたメタル層と、メタル層上に実装された半導体素子と、第1放熱プレート側のメタル層または第2放熱プレート側のメタル層と前記半導体素子とを連結するために形成されたリードスペーサと、を含み、第1放熱プレート側のメタル層上に形成された半導体素子及び第2放熱プレート側のメタル層上に形成された半導体素子は、積層型に配置されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力モジュールパッケージ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
全世界のエネルギー使用量の増加に伴って、制限されたエネルギーの効率的な使用方法が注目されている。これにより、既存の家電用、産業用の製品において、エネルギーの効率的なコンバージョン(Conversion)のためのIPM(Intelligent Power Module)を適用したインバータの使用が増加している。
【0003】
このような電力モジュールの拡大適用に伴って、市場はさらなる高集積化、高容量化、小型化を要求しており、これによる電子部品の発熱問題に対する解決が重要な事項として注目されている。
【0004】
特に、高容量の電力素子(例えば、高容量のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)など)の適用は、高発熱の電力素子から発生した熱が相対的に熱に脆弱な制御素子にまで影響を与え、モジュール全体の性能及び長期信頼性を落とす結果をもたらしている。
【0005】
そのため、電力モジュールの効率増加と高信頼性確保のために、発熱問題を解決するための案として電力モジュールと冷却水システムを別途に製作して結合する構造を反映している。
【0006】
しかし、上記の結合構造は、それぞれに対する製造コストが高く、デザイン変更が容易でなく、小型化できないという問題点を有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために導き出されたものであり、本発明は、冷却物質が流れる冷却チャンネルを上下部に具現して半導体素子から熱をより効率的に放出させるための電力モジュールパッケージ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、半導体素子を積層型に配置して三次元高集積を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施例による電力モジュールパッケージは、互いに離隔して配置された第1放熱プレート及び第2放熱プレートを含む放熱プレートと、前記放熱プレート上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成されたメタル層と、前記メタル層上に実装された半導体素子と、前記第1放熱プレート側のメタル層または前記第2放熱プレート側のメタル層と前記半導体素子とを連結するために形成されたリードスペーサと、を含み、前記第1放熱プレート側のメタル層上に形成された半導体素子及び前記第2放熱プレート側のメタル層上に形成された半導体素子は、積層型に配置されることができる。
【0010】
ここで、前記リードスペーサの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第1放熱プレート側のメタル層または第2放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成されることができる。
【0011】
また、前記積層された半導体素子が二対で、前記リードスペーサが第1リードスペーサと第2リードスペーサとを含む場合、前記第1及び第2リードスペーサそれぞれの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第1放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成されることができる。
【0012】
また、前記積層された半導体素子が二対で、前記リードスペーサが第1リードスペーサと第2リードスペーサとを含む場合、前記第1リードスペーサの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第1放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成され、前記第2リードスペーサの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第2放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成されることができる。
【0013】
また、前記リードスペーサは、一側が第1放熱プレート側のメタル層に連結され、中心領域が積層された半導体素子の間に挿入されるように連結され、他側が第2放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成されることができる。
【0014】
また、前記積層された半導体素子が二対で、前記リードスペーサが第1リードスペーサと第2リードスペーサとを含む場合、前記第1リードスペーサの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第1放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成され、前記第2リードスペーサの一側は第1放熱プレート側のメタル層に連結され、中心領域は積層された半導体素子の間に挿入されるように連結され、他側は第2放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成されることができる。
【0015】
また、前記放熱プレートの内部に冷却物質が流れるように形成された冷却チャンネルをさらに含むことができる。
【0016】
また、前記冷却チャンネルは、前記放熱プレートの厚さ方向を基準に中央に形成されることができる。
【0017】
また、前記半導体素子は電力素子と制御素子とを含み、前記第1放熱プレート側のメタル層上に電力素子が実装され、前記第2放熱プレート側のメタル層上に制御素子が実装されることができる。
【0018】
また、前記半導体素子は電力素子と制御素子とを含み、前記積層された半導体素子が二対である場合、前記電力素子はそれぞれ第1放熱プレート側のメタル層または第2放熱プレート側のメタル層に実装され、前記制御素子はそれぞれ第1放熱プレート側のメタル層または第2放熱プレート側のメタル層に実装されることができる。
【0019】
また、前記半導体素子は制御素子を含み、前記制御素子は前記第1放熱プレート側のメタル層または第2放熱プレート側のメタル層に実装されることができる。
【0020】
本発明の他の実施例による電力モジュールパッケージの製造方法は、第1放熱プレートと第2放熱プレートとを含む放熱プレートを準備する段階と、前記放熱プレート上に絶縁層を形成する段階と、前記絶縁層上にメタル層を形成する段階と、前記メタル層上に半導体素子を実装する段階と、前記第1放熱プレートまたは前記第2放熱プレートと前記半導体素子とを連結するためにリードスペーサを形成して前記第1放熱プレートと第2放熱プレートとを結合し、前記第1放熱プレート上に前記第2放熱プレートを離隔して配置する段階と、を含み、前記第1放熱プレート側のメタル層上に形成された半導体素子と前記第2放熱プレート側のメタル層上に形成された半導体素子は積層型に配置されることができる。
【0021】
また、前記第1放熱プレート上に前記第2放熱プレートを離隔して配置する段階において、前記リードスペーサの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第1放熱プレート側のメタル層または第2放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成することができる。
【0022】
また、前記積層された半導体素子が二対で、前記リードスペーサが第1リードスペーサと第2リードスペーサとを含む場合、前記第1及び第2リードスペーサそれぞれの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第1放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成することができる。
【0023】
また、前記積層された半導体素子が二対で、前記リードスペーサが第1リードスペーサと第2リードスペーサとを含む場合、前記第1リードスペーサの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第1放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成し、前記第2リードスペーサの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第2放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成することができる。
【0024】
また、前記第1放熱プレート上に前記第2放熱プレートを離隔して配置する段階において、前記リードスペーサは、一側が第1放熱プレート側のメタル層に連結され、中心領域が積層された半導体素子の間に挿入されるように連結され、他側が第2放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成することができる。
【0025】
また、前記積層された半導体素子が二対で、前記リードスペーサが第1リードスペーサと第2リードスペーサとを含む場合、前記第1放熱プレート上に前記第2放熱プレートを離隔して配置する段階において、前記第1リードスペーサの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第1放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成し、前記第2リードスペーサの一側は第1放熱プレート側のメタル層に連結され、中心領域は積層された半導体素子の間に挿入されるように連結され、他側は第2放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成することができる。
【0026】
また、前記放熱プレートを準備する段階において、前記放熱プレートの内部に冷却物質が流れる冷却チャンネルを形成する段階をさらに含むことができる。
【0027】
また、前記半導体素子が電力素子と制御素子とを含む場合、前記半導体素子を実装する段階において、前記第1放熱プレート側のメタル層上に電力素子を実装し、前記第2放熱プレート側のメタル層上に制御素子を実装することができる。
【0028】
また、前記半導体素子は電力素子と制御素子とを含み、前記積層された半導体素子が二対である場合、半導体素子を実装する段階において、前記電力素子はそれぞれ第1放熱プレート側のメタル層または第2放熱プレート側のメタル層に実装し、前記制御素子はそれぞれ第1放熱プレート側のメタル層または第2放熱プレート側のメタル層に実装することができる。
【0029】
本発明の特徴及び利点は添付図面に基づいた以下の詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。
【0030】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に用いられた用語や単語は通常的かつ辞書的な意味に解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されるべきである。
【発明の効果】
【0031】
本発明の電力モジュールパッケージ及びその製造方法は、冷却物質が流れる冷却チャンネルを上下部に具現するため、半導体素子から発生する熱をより効率的に放出することができるという効果が期待できる。
【0032】
また、本発明は、上下部に配置された放熱プレートが基板の機能を遂行するため、上下部の放熱プレート上にそれぞれ実装された半導体素子を積層型に配置することができ、これにより三次元高集積が可能な電力モジュールパッケージ構造を提供することができるという長所がある。
【0033】
また、本発明は、上下部の放熱プレートの間にリードスペーサを形成して放熱プレートと半導体素子との間を連結するため、ワイヤなどを形成するための空間を確保することができ、リードスペーサを介して電気伝達の機能も遂行することができるという長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにあたり、係わる公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。本明細書において、第1、第2などの用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。
【0035】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0036】
電力モジュールパッケージ−第1実施例
図1は、本発明の第1実施例による電力モジュールパッケージの構成を示す断面図であり、半導体素子の配置例を説明するために図4を参照して説明する。
【0037】
図1に図示したように、電力モジュールパッケージ100は互いに離隔して配置された第1放熱プレート120及び第2放熱プレート110を含む放熱プレートと、放熱プレート上に形成された絶縁層111、121と、絶縁層111、121上に形成されたメタル層112、122と、メタル層112、122上に実装された半導体素子131、132、133、134と、第1放熱プレート側のメタル層122または第2放熱プレート側のメタル層112と半導体素子131、132、133、134とを連結するために形成されたリードスペーサ141、143と、を含む。
【0038】
ここで、第1放熱プレート側のメタル層122上に形成された半導体素子132、134及び第2放熱プレート側のメタル層112上に形成された半導体素子131、133は、積層型に配置されることができる。
【0039】
また、図1に図示したように、リードスペーサ141、143の一側は積層された半導体素子131、132、133、134の間に連結され、他側は第1放熱プレート側のメタル層122または第2放熱プレート側のメタル層112に連結されるように形成されることができる。
【0040】
また、図1に図示したように、積層された半導体素子が二対(131と132、及び133と134)で、リードスペーサ141、143が第1リードスペーサ141と第2リードスペーサ143とを含む場合、第1及び第2リードスペーサ141、143それぞれの一側は積層された半導体素子(131と132、及び133と134)間に連結され、他側は第1放熱プレート側のメタル層122に連結されるように形成されることができる。
【0041】
一方、放熱プレート110、120は、放熱プレートの内部に冷却物質が流れるように形成された冷却チャンネル113、123をさらに含むことができる。
【0042】
例えば、冷却物質は水または冷媒を使用することができるが、これに限定されない。
【0043】
また、前記冷却チャンネル113、123は、放熱プレート110、120の厚さ方向を基準に中央に形成されることができる。
【0044】
一方、半導体素子131、132、133、134は、電力素子132、134と制御素子131、133とを含み、第1放熱プレート側のメタル層122上に電力素子132、134が実装され、第2放熱プレート側のメタル層112上に制御素子131、133が実装されることができる。
【0045】
半導体素子131、132、133、134は、電力素子132、134と制御素子131、133とを含み、積層された半導体素子が二対である場合、電力素子132、134はそれぞれ第1放熱プレート側のメタル層122または第2放熱プレート側のメタル層112に実装されることができる。
【0046】
また、制御素子131、133はそれぞれ第1放熱プレート側のメタル層122または第2放熱プレート側のメタル層112に実装されることができる。
【0047】
例えば、図1に図示したように、第1放熱プレート側のメタル層122上に電力素子が実装され、第2放熱プレート側のメタル層112上に制御素子がそれぞれ実装されることも可能であるが、図4に図示したように、第1放熱プレート側のメタル層122と第2放熱プレート側のメタル層112それぞれに電力素子と制御素子とが混合されて実装されることも可能である。
【0048】
これは、本発明による電力モジュールパッケージ100の構造が上下部に放熱プレートを配置した構造であり、半導体素子131、132、133、134から発生する熱をより効率的に放出することができるため、半導体素子131、132、133、134の配置自由度が向上するという効果が期待できるとのことである。
【0049】
また、半導体素子は、制御素子151、153を含み、図1に図示したように、制御素子151、153は、第1放熱プレート側のメタル層122または第2放熱プレート側のメタル層112に実装されることができる。
【0050】
一方、図1に図示された第1及び第2リードスペーサ141、143は、電気的連結の機能を遂行することが可能であり、電気的連結の経路は、半導体素子134、132下部のメタル層122、半導体素子134、132、半導体素子134、132に連結された第1及び第2リードスペーサ141、143、第1及び第2リードスペーサ141、143に連結されたメタル層122の順であることができる。
【0051】
このような第1及び第2リードスペーサの電気的連結の機能は、以下で開示する第2実施例及び第3実施例にも同様に適用することができ、電気的連結の経路もまた前記に対応することができる。
【0052】
電力モジュールパッケージ−第2実施例
図2は、本発明の第2実施例による電力モジュールパッケージの構成を示す断面図である。
【0053】
但し、第2実施例に対する構成のうち第1実施例の構成と同一の構成に対する説明は省略し、相異する部分のみに対して説明する。
【0054】
図2に図示したように、電力モジュールパッケージ100は、互いに離隔して配置された第1放熱プレート120及び第2放熱プレート110を含む放熱プレートと、放熱プレート上に形成された絶縁層111、121と、絶縁層111、121上に形成されたメタル層112、122と、メタル層112、122上に実装された半導体素子131、132、133、134と、第1放熱プレート側のメタル層122または第2放熱プレート側のメタル層112と半導体素子131、132、133、134とを連結するために形成されたリードスペーサ141、145と、を含む。
【0055】
ここで、第1放熱プレート側のメタル層122上に形成された半導体素子132、134及び第2放熱プレート側のメタル層112上に形成された半導体素子131、133は、積層型に配置されることができる。
【0056】
また、図2に図示したように、積層された半導体素子が二対(131と132、及び133と134)で、リードスペーサが第1リードスペーサ141と第2リードスペーサ145とを含む場合、第1リードスペーサ141の一側は積層された半導体素子133、134の間に連結され、他側は第1放熱プレート側のメタル層122に連結されるように形成され、第2リードスペーサ145の一側は積層された半導体素子131、132の間に連結され、他側は第2放熱プレート側のメタル層112に連結されるように形成されることができる。
【0057】
電力モジュールパッケージ−第3実施例
図3は、本発明の第3実施例による電力モジュールパッケージの構成を示す断面図である。
【0058】
但し、第3実施例に対する構成のうち第1実施例の構成と同一の構成に対する説明は省略し、相異した部分のみに対して説明する。
【0059】
図3に図示したように、電力モジュールパッケージ100は、互いに離隔して配置された第1放熱プレート120及び第2放熱プレート110を含む放熱プレートと、放熱プレート上に形成された絶縁層111、121と、絶縁層111、121上に形成されたメタル層112、122と、メタル層112、122上に実装された半導体素子131、132、133、134と、第1放熱プレート側のメタル層122または第2放熱プレート側のメタル層112と半導体素子131、132、133、134とを連結するために形成されたリードスペーサ147、149と、を含む。
【0060】
ここで、リードスペーサ149は、一側が第1放熱プレート側のメタル層122に連結され、中心領域が積層された半導体素子131、132の間に挿入されるように連結され、他側が第2放熱プレート側のメタル層112に連結されるように形成されることができる。
【0061】
また、図3に図示したように、積層された半導体素子131、132、133、134が二対で、リードスペーサが第1リードスペーサ147と第2リードスペーサ149とを含む場合、第1リードスペーサ147の一側は積層された半導体素子133、134の間に連結され、他側は第1放熱プレート側のメタル層122に連結されるように形成されることができる。
【0062】
また、第2リードスペーサ149の一側は第1放熱プレート側のメタル層122に連結され、中心領域は積層された半導体素子131、132の間に挿入されるように連結され、他側は第2放熱プレート側のメタル層112に連結されるように形成されることができる。
【0063】
電力モジュールパッケージの製造方法
図5は、本発明の実施例による電力モジュールパッケージの製造方法を説明するためのフローチャートであり、上述した図1〜図4を参照して説明する。
【0064】
先ず、図5に図示したように、第1放熱プレート(図1の120)及び第2放熱プレート(図1の110)を含む放熱プレートを準備する(S101)。
【0065】
また、図示してはいないが、段階S101で、放熱プレート110、120の内部に冷却物質が流れる冷却チャンネル113、123を形成する段階をさらに含むことができる。
【0066】
次に、放熱プレート120、110上に絶縁層121、111を形成する(S103)。
【0067】
ここで、絶縁層121、111は、酸化アルミニウム(Aluminum oxide;Al)、窒化アルミニウム(Aluminum Nitride;AlN)、シリコン窒化膜(SiN)、窒化ホウ素(Boron nitride;BN)などのセラミック絶縁層を使用することができるが、これに限定されない。
【0068】
また、絶縁層121、111は、スプレーコーティング(Spray Coating)法、スクリーン印刷法、ディッピング(Dipping)法、スピンコーティング(Spin Coating)法などを適用することができるが、これに限定されない。
【0069】
次に、絶縁層121、111上にメタル層122、112を形成する(S105)。
【0070】
ここで、メタル層122、112は、絶縁層121、111上に乾式スパッタ(Sputter)または湿式無電解メッキを利用して薄膜のシード層を形成し、湿式メッキを利用して所望の厚さのメタル層を積層した後、化学的エッチングにより回路パターンを形成する方法を用いて形成することができるが、これに限定されない。
【0071】
この場合、シード層は、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケルクロム(NiCr)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)またはこれらの組み合わせの一つであることができるが、これに限定されない。
【0072】
次に、メタル層122、112上に半導体素子131、132、133、134を実装する(S107)。
【0073】
半導体素子が電力素子132、134と制御素子131、133とを含む場合、半導体素子を実装する段階において、第1放熱プレート側のメタル層122上に電力素子132、134を実装し、第2放熱プレート側のメタル層112上に制御素子131、133を実装することができる。
【0074】
また、半導体素子が電力素子132、134と制御素子131、133とを含み、積層された半導体素子が二対である場合、半導体素子を実装する段階において、電力素子132、134はそれぞれ第1放熱プレート側のメタル層122または第2放熱プレート側のメタル層112に実装することができる。
【0075】
また、制御素子131、133は、それぞれ第1放熱プレート側のメタル層122または第2放熱プレート側のメタル層112に実装することができる。
【0076】
次に、第1放熱プレート120または第2放熱プレート110と半導体素子131、132、133、134とを連結するためにリードスペーサ141、143を形成して第1放熱プレート120と第2放熱プレート110とを結合し、第1放熱プレート120上に第2放熱プレート110を離隔して配置する(S109)。
【0077】
ここで、第1放熱プレート側のメタル層122上に形成された半導体素子132、134及び第2放熱プレート側のメタル層112上に形成された半導体素子131、133は、積層型に配置されることができる。
【0078】
また、リードスペーサ141、143は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)または鉄(Fe)からなることができるが、これに限定されず、メタル材質は全て使用することができる。
【0079】
一方、本発明の実施例によるリードスペーサ141、143は、ソルダ、メタル材質の接着剤、銀(Ag)ペースト、銅ペーストなどを用いて半導体素子またはメタル層と接合されることができる。
【0080】
段階S109において、図1に図示したように、リードスペーサ141、143の一側は積層された半導体素子131、132、133、134の間に連結され、他側は第1放熱プレート側のメタル層122または第2放熱プレート側のメタル層112に連結されるように形成することができる。
【0081】
また、図1に図示したように、積層された半導体素子が二対(131と132、及び133と134)で、リードスペーサが第1リードスペーサ141と第2リードスペーサ143とを含む場合、第1及び第2リードスペーサ141、143それぞれの一側は積層された半導体素子の間(131と132との間、133と134との間)に連結され、他側は第1放熱プレート側のメタル層122に連結されるように形成することができる。
【0082】
また、図2に図示したように、積層された半導体素子が二対(131と132、及び133と134)で、リードスペーサが第1リードスペーサ141と第2リードスペーサ145とを含む場合、第1リードスペーサ141の一側は積層された半導体素子の間(133と134との間)に連結され、他側は第1放熱プレート側のメタル層122に連結されるように形成することができる。
【0083】
また、第2リードスペーサ145の一側は積層された半導体素子の間(131と132との間)に連結され、他側は第2放熱プレート側のメタル層112に連結されるように形成することができる。
【0084】
段階S109において、図3に図示したように、リードスペーサは、一側が第1放熱プレート側のメタル層122に連結され、中心領域が積層された半導体素子の間(131と132との間)に挿入されるように連結され、他側が第2放熱プレート側のメタル層112に連結されるように形成することができる。
【0085】
また、段階S109において、図3に図示したように、積層された半導体素子が二対で、リードスペーサが第1リードスペーサ147と第2リードスペーサ149とを含む場合、第1リードスペーサ147の一側は積層された半導体素子の間(133と134との間)に連結され、他側は第1放熱プレート側のメタル層122に連結されるように形成されることができる。
【0086】
また、第2リードスペーサ149の一側は第1放熱プレート側のメタル層122に連結され、中心領域は積層された半導体素子の間(131と132との間)に挿入されるように連結され、他側は第2放熱プレート側のメタル層112に連結されるように形成することができる。
【0087】
本発明の実施例による電力モジュールパッケージは、上下部に形成された放熱プレート構造により、冷却効率を極大化することができ、これにより電力素子(例えば、Insulated Gate Bipolar Transistor;IGBT)と制御素子(例えば、ダイオード)の三次元積層構造を具現することができ、電力モジュールの高集積化、小型化、軽量化の効果が期待できる。
【0088】
また、本発明に実施例による電力モジュールパッケージは、電気回路配線であるメタル層が放熱プレートと一体型に製作されるため、放熱プレートとメタル層が分離型である従来技術に比べて熱抵抗界面が減少し、放熱特性が向上するという効果が期待できる。
【0089】
以上、本発明を好ましい実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明による電力モジュールパッケージ及びその製造方法はこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0090】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の第1実施例による電力モジュールパッケージの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例による電力モジュールパッケージの構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第3実施例による電力モジュールパッケージの構成を示す断面図である。
【図4】本発明による半導体素子の配置例を説明するための図面である。
【図5】本発明の実施例による電力モジュールパッケージの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
100 電力モジュールパッケージ
110、120 放熱プレート
111、121 絶縁層
112、122 メタル層
113、123 冷却チャンネル
131、132、133、134 半導体素子
141、143、145、147、149 リードスペーサ
151、153 制御素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離隔して配置された第1放熱プレート及び第2放熱プレートを含む放熱プレートと、
前記放熱プレート上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層上に形成されたメタル層と、
前記メタル層上に実装された半導体素子と、
前記第1放熱プレート側のメタル層または前記第2放熱プレート側のメタル層と前記半導体素子とを連結するために形成されたリードスペーサと、を含み、
前記第1放熱プレート側のメタル層上に形成された半導体素子及び前記第2放熱プレート側のメタル層上に形成された半導体素子は積層型に配置された電力モジュールパッケージ。
【請求項2】
前記リードスペーサの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第1放熱プレート側のメタル層または第2放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成された請求項1に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項3】
前記積層された半導体素子が二対で、前記リードスペーサが第1リードスペーサと第2リードスペーサとを含む場合、
前記第1及び第2リードスペーサそれぞれの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第1放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成された請求項2に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項4】
前記積層された半導体素子が二対で、前記リードスペーサが第1リードスペーサと第2リードスペーサとを含む場合、
前記第1リードスペーサの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第1放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成され、
前記第2リードスペーサの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第2放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成された請求項2に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項5】
前記リードスペーサは、
一側が第1放熱プレート側のメタル層に連結され、中心領域が積層された半導体素子の間に挿入されるように連結され、他側が第2放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成された請求項1に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項6】
前記積層された半導体素子が二対で、前記リードスペーサが第1リードスペーサと第2リードスペーサとを含む場合、
前記第1リードスペーサの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第1放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成され、
前記第2リードスペーサの一側は第1放熱プレート側のメタル層に連結され、中心領域は積層された半導体素子の間に挿入されるように連結され、他側は第2放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成された請求項1に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項7】
前記放熱プレートの内部に冷却物質が流れるように形成された冷却チャンネルをさらに含む請求項1に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項8】
前記冷却チャンネルは、前記放熱プレートの厚さ方向を基準に中央に形成される請求項7に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項9】
前記半導体素子は電力素子と制御素子とを含み、
前記第1放熱プレート側のメタル層上に電力素子が実装され、前記第2放熱プレート側のメタル層上に制御素子が実装される請求項1に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項10】
前記半導体素子は電力素子と制御素子とを含み、前記積層された半導体素子が二対である場合、
前記電力素子はそれぞれ第1放熱プレート側のメタル層または第2放熱プレート側のメタル層に実装され、
前記制御素子はそれぞれ第1放熱プレート側のメタル層または第2放熱プレート側のメタル層に実装される請求項1に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項11】
前記半導体素子は制御素子を含み、
前記制御素子は前記第1放熱プレート側のメタル層または第2放熱プレート側のメタル層に実装される請求項1に記載の電力モジュールパッケージ。
【請求項12】
第1放熱プレートと第2放熱プレートとを含む放熱プレートを準備する段階と、
前記放熱プレート上に絶縁層を形成する段階と、
前記絶縁層上にメタル層を形成する段階と、
前記メタル層上に半導体素子を実装する段階と、
前記第1放熱プレートまたは前記第2放熱プレートと前記半導体素子とを連結するためにリードスペーサを形成して前記第1放熱プレートと第2放熱プレートとを結合し、前記第1放熱プレート上に前記第2放熱プレートを離隔して配置する段階と、を含み、
前記第1放熱プレート側のメタル層上に形成された半導体素子及び前記第2放熱プレート側のメタル層上に形成された半導体素子は積層型に配置された電力モジュールパッケージの製造方法。
【請求項13】
前記第1放熱プレート上に前記第2放熱プレートを離隔して配置する段階において、
前記リードスペーサの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第1放熱プレート側のメタル層または第2放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成する請求項12に記載の電力モジュールパッケージの製造方法。
【請求項14】
前記積層された半導体素子が二対で、前記リードスペーサが第1リードスペーサと第2リードスペーサとを含む場合、
前記第1及び第2リードスペーサそれぞれの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第1放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成する請求項13に記載の電力モジュールパッケージの製造方法。
【請求項15】
前記積層された半導体素子が二対で、前記リードスペーサが第1リードスペーサと第2リードスペーサとを含む場合、
前記第1リードスペーサの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第1放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成し、
前記第2リードスペーサの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第2放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成する請求項13に記載の電力モジュールパッケージの製造方法。
【請求項16】
前記第1放熱プレート上に前記第2放熱プレートを離隔して配置する段階において、
前記リードスペーサは、一側が第1放熱プレート側のメタル層に連結され、中心領域が積層された半導体素子の間に挿入されるように連結され、他側が第2放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成する請求項12に記載の電力モジュールパッケージの製造方法。
【請求項17】
前記積層された半導体素子が二対で、前記リードスペーサが第1リードスペーサと第2リードスペーサとを含む場合、
前記第1放熱プレート上に前記第2放熱プレートを離隔して配置する段階において、
前記第1リードスペーサの一側は積層された半導体素子の間に連結され、他側は前記第1放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成し、
前記第2リードスペーサの一側は第1放熱プレート側のメタル層に連結され、中心領域は積層された半導体素子の間に挿入されるように連結され、他側は第2放熱プレート側のメタル層に連結されるように形成する請求項12に記載の電力モジュールパッケージの製造方法。
【請求項18】
前記放熱プレートを準備する段階において、
前記放熱プレートの内部に冷却物質が流れる冷却チャンネルを形成する段階をさらに含む請求項12に記載の電力モジュールパッケージの製造方法。
【請求項19】
前記半導体素子が電力素子と制御素子とを含む場合、
前記半導体素子を実装する段階において、
前記第1放熱プレート側のメタル層上に電力素子を実装し、前記第2放熱プレート側のメタル層上に制御素子を実装する請求項12に記載の電力モジュールパッケージの製造方法。
【請求項20】
前記半導体素子は電力素子と制御素子とを含み、前記積層された半導体素子が二対である場合、
半導体素子を実装する段階において、
前記電力素子はそれぞれ第1放熱プレート側のメタル層または第2放熱プレート側のメタル層に実装し、
前記制御素子はそれぞれ第1放熱プレート側のメタル層または第2放熱プレート側のメタル層に実装する請求項12に記載の電力モジュールパッケージの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−62479(P2013−62479A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260130(P2011−260130)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】