説明

電力供給装置及び電力供給方法

【課題】負荷の入力電圧を測定するための測定用配線を敷設しなくても、電力供給装置から負荷に対して適切な電力を供給することができる電力供給装置及び電力供給方法を提供する。
【解決手段】負荷に接続する配線の直径と材質と長さとを入力する入力部11と、単位抵抗値と負荷入力電圧最大設定値とを予め記憶する記憶部14と、配線を介して負荷に出力する電流の電流値を計測する電流検出部17と、負荷に出力する電圧の電圧値を計測する電圧検出部16と、入力部11に入力された直径と材質とに対応する単位抵抗値を記憶部14から読み出し、その単位抵抗値を入力部11に入力された長さと乗算することにより配線抵抗を算出し、配線抵抗を電圧検出部16が計測した電圧値から減算した負荷の入力電圧値を算出する計算部15と、入力電圧値が負荷入力電圧最大設定値となるように負荷に出力する電圧を制御する電圧変換部12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給装置及び電力供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、大きな電力を消費する負荷の入力電圧を制御する電力供給装置が知られている(特許文献1)。この電力供給装置では、負荷に対する電力供給用の配線の他に、負荷の入力電圧を測定するための測定用配線を敷設している。この測定用配線としては、細い配線が用いられる。
この電力供給装置は、測定用配線により測定した電圧値と、予め設定した電圧値とを比較し、測定用配線により測定した電圧値が、予め設定した電圧値となるように、電力供給装置の出力電圧を調整している。
【特許文献1】特開平9−305245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の電力供給装置では、測定用配線を用いて負荷の入力電圧を測定しているため、測定用配線が断線等する可能性があるという問題がある。測定用配線が断線すると、電力供給装置から負荷に対して適切な電力を供給することができなくなるという問題がある。
また、従来の電力供給装置では、電力供給装置から負荷に対して電力を供給する前提として負荷の入力端に測定用配線を敷設する必要があり、管理者等の負担が大きいという問題がある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、負荷の入力電圧を測定するための測定用配線を敷設しなくても、電力供給装置から負荷に対して適切な電力を供給することができる電力供給装置及び電力供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、負荷に電力を供給する電力供給装置であって、前記負荷に接続する配線の直径と材質と長さとを入力する入力手段と、配線の直径と材質とに応じた単位長さあたりの抵抗値である単位抵抗値を予め記憶する単位抵抗値記憶手段と、前記負荷が入力可能な最大の電圧値である負荷入力電圧最大設定値を予め記憶する負荷入力電圧最大設定値記憶手段と、前記配線を介して前記負荷に出力する電流の電流値を計測する電流値計側手段と、前記配線を介して前記負荷に出力する電圧の電圧値を計測する電圧値計測手段と、前記入力手段に入力された直径と材質とに対応する単位抵抗値を前記単位抵抗値記憶手段から読み出し、その単位抵抗値を前記入力手段に入力された長さと乗算することにより前記配線の抵抗である配線抵抗を算出する配線抵抗値算出手段と、前記配線抵抗と前記電流値を乗算した値を前記電圧計測手段が計測した電圧値から減算した値である前記負荷の入力電圧値を算出する負荷入力電圧値算出手段と、前記負荷入力電圧値算出手段が算出する入力電圧値が、負荷入力電圧最大設定値記憶手段が記憶する負荷入力電圧最大設定値となるように前記負荷に出力する電圧を制御する電圧制御手段とを備えることを特徴とする電力供給装置である。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記負荷入力電圧値算出手段は、前記配線抵抗と前記電流値を乗算した値を前記電圧計測手段が計測した電圧値から減算した値である負荷入力電圧値を自電力供給装置に接続される複数の負荷ごとに算出し、前記電圧制御手段は、前記電圧値計測手段が計測する電圧値が、前記負荷入力電圧値算出手段が算出した複数の負荷ごとの負荷入力電圧値のうち最小の負荷入力電圧値となるように前記複数の負荷に出力する電圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置である。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、前記負荷入力電圧最大設定値記憶手段は前記負荷入力電圧最大設定値として、前記負荷の定格電圧の最大値を記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の電力供給装置である。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、負荷に電力を供給する電力供給方法であって、前記負荷に接続する配線の直径と材質と長さとを入力手段により入力する第1のステップと、配線の直径と材質とに応じた単位長さあたりの抵抗値である単位抵抗値を予め単位抵抗値記憶手段に記憶する第2のステップと、前記負荷が入力可能な最大の電圧値である負荷入力電圧最大設定値を予め負荷入力電圧最大設定値記憶手段に記憶する第3のステップと、前記配線を介して前記負荷に出力する電流の電流値を電流値計側手段により計測する第4のステップと、前記配線を介して前記負荷に出力する電圧の電圧値を電圧値計測手段により計測する第5のステップと、前記入力手段により入力された直径と材質とに対応する単位抵抗値を前記単位抵抗値記憶手段から読み出し、その単位抵抗値を前記入力手段に入力された長さと乗算することにより前記配線の抵抗である配線抵抗を配線抵抗値算出手段により算出する第6のステップと、前記配線抵抗と前記電流値を乗算した値を前記電圧計測手段が計測した電圧値から減算した値である負荷入力電圧値を負荷入力電圧値算出手段により算出する第7のステップと、前記負荷入力電圧値算出手段が算出する入力電圧値が、負荷入力電圧最大設定値記憶手段が記憶する負荷入力電圧最大設定値となるように前記負荷に出力する電圧を制御する第8のステップとを実行することを特徴とする電力供給方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、負荷に接続する配線の直径と材質と長さとを入力手段により入力し、単位抵抗値を予め単位抵抗値記憶手段に記憶し、負荷入力電圧最大設定値を予め負荷入力電圧最大設定値記憶手段に記憶し、配線を介して負荷に出力する電流の電流値を電流値計側手段により計測し、配線を介して負荷に出力する電圧の電圧値を電圧値計測手段により計測し、入力手段により入力された直径と材質とに対応する単位抵抗値を単位抵抗値記憶手段から読み出し、その単位抵抗値を入力手段に入力された長さと乗算することにより配線の抵抗である配線抵抗を配線抵抗値算出手段により算出し、配線抵抗と電流値を乗算した値を電圧計測手段が計測した電圧値から減算した値である負荷入力電圧値を負荷入力電圧値算出手段により算出し、負荷入力電圧値算出手段が算出する電圧値が、負荷入力電圧最大設定値記憶手段が記憶する負荷入力電圧最大設定値となるように電圧制御手段により制御するようにした。
これにより、負荷の入力電圧を測定するための測定用配線を敷設しなくても、負荷が入力可能な最大の電圧値である負荷入力電圧最大設定値の電力を、電力供給装置から負荷に対して供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態による電力供給装置10の構成を示すブロック図である。電力供給装置10は、入力部11(入力手段)、電力変換部12(電圧制御手段)、制御部13、記憶部14(単位抵抗値記憶手段、負荷入力電圧最大設定値記憶手段、負荷入力電圧値算出手段)、計算部15(配線抵抗値算出手段)、電圧検出部16(電圧値計測手段)、電流検出部17、電流値計測部18a、18b(電流値計側手段)を備えている。
電力供給装置10の入力端子p41及びp42には電源30が接続されている。また、電力供給装置10の出力端子p43及びp44には負荷21が接続されており、出力端子p45及びp46には負荷22が接続されている。
【0011】
入力部11は、キーボードなどの入力機器であり、制御部13に接続されている。入力部11には、電力供給装置10の管理者等の操作に基づいて、配線h11と配線h21の直径と材質と長さの情報である配線情報が入力される。配線h11と配線h12は1セットになっており、配線h12の直径と材質と長さは配線h11と同じである。また、
配線h21と配線h22は1セットになっており、配線h22の直径と材質と長さは配線h21と同じである。
配線h11は、電力変換部12の出力端子p11と、負荷21の入力端子p21とを接続している。配線h12は、電力変換部12の出力端子p12と、負荷21の入力端子p22とを接続している。配線h11の長さと配線h12の長さは同じであり、Lである。
配線h21は、電力変換部12の出力端子p11と、負荷22の入力端子p31とを接続している。配線h22は、電力変換部12の出力端子p12と、負荷22の入力端子p32とを接続している。配線h21の長さと配線h22の長さとは同じであり、Lである。
【0012】
電力変換部12は、電力供給装置10の入力端子p41及びp42と出力端子p43及びp44、出力端子p45及びp46に接続されている。また、電力変換部12は、制御部13に接続されている。電力変換部12は、商用電源などである電源30から電力の供給を受け、制御部13の制御に基づいて電圧を変化させて、負荷21や負荷22に出力する。
制御部13は、入力部11と電力変換部12と記憶部14と計算部15とに接続されている。制御部13は、計算部15で計算される負荷入力端電圧VLIが、負荷入力電圧最大設定値VHIとなるように、電力変換部12の出力端子p11と出力端子p12間の電圧Vを制御する。
負荷入力電圧最大設定値VHIは、負荷が入力可能な最大の電圧値をいう。ここでは、負荷21の負荷入力端電圧VLIをVLI1とし、負荷22の負荷入力端電圧VLIをVLI2とする。また、負荷21の負荷入力電圧最大設定値VHIをVHI1とし、負荷22の負荷入力電圧最大設定値VHIをVHI2とする。
【0013】
記憶部14は、制御部13と計算部15とに接続されている。記憶部14は、各種の配線の直径と材質とに応じた単位長さあたりの抵抗値である単位抵抗値を、単位抵抗値記憶テーブル(後述する図2参照)として記憶する。また、記憶部14は、電力供給装置10が電力を供給する負荷21及び負荷22の負荷入力電圧最大設定値を、負荷入力電圧最大設定値記憶テーブルt2(後述する図3参照)として記憶する。なお、負荷入力電圧最大設定値とは、負荷に入力可能な最大の電圧値をいう。
【0014】
図2は、本発明の実施形態による記憶部14が記憶する単位抵抗値記憶テーブルt1の一例を示す図である。単位抵抗値記憶テーブルt1には、配線識別番号(0001など)、配線の材質(Mなど)、配線の直径(Φ(mm)など)、配線の単位長さあたりの抵抗値である単位抵抗値(rL1(Ω/km)など)が対応付けて記録されている。この単位抵抗値記憶テーブルt1を用いることにより、配線の材質と直径とが分かれば、その配線の単位抵抗値を求めることができる。
【0015】
図3は、本発明の実施形態による記憶部14が記憶する負荷入力電圧最大設定値記憶テーブルt2の一例を示す図である。負荷入力電圧最大設定値記憶テーブルt2には、各負荷における負荷入力電圧最大設定値が記録される。ここでは、負荷21における負荷入力電圧最大設定値としてV21が記録されており、負荷22における負荷入力電圧最大設定値としてV22が記録されている。
【0016】
計算部15は、制御部13と記憶部14と電圧検出部16とに接続されている。計算部15は、入力部11に入力され制御部13から出力される配線h11及びh12の材質Mと直径Φに対応する単位抵抗値rL1を、記憶部14の単位抵抗値記憶テーブルt1から読み出す。
また、計算部15は、入力部11に入力され制御部13から出力される配線h21及び配線h22の材質Mと直径Φに対応した単位抵抗値rL2を、記憶部14の単位抵抗値記憶テーブルt1から読み出す。
【0017】
また、計算部15は、入力部11に入力され制御部13から出力される配線h11及びh12の長さLと、単位抵抗値rL1とに基づいて、配線h11及び配線h12の抵抗値RL1(=rL1×L)を算出する。
また、計算部15は、入力部11に入力され制御部13から出力される配線h21及びh22の長さLと、単位抵抗値rL2とに基づいて、配線h21及び配線h22の抵抗値RL2(=rL2×L)を算出する。
【0018】
また、計算部15は、電圧検出部16から出力される電圧Vと、電流検出部17から出力される電流IL1と、抵抗値RL1とに基づいて、負荷入力端電圧VLI1(=V−RL1×IL1)を計算する。
また、計算部15は、電圧検出部16から出力される電圧Vと、電流検出部17から出力される電流IL2と、抵抗値RL2とに基づいて、負荷入力端電圧VLI2(=V−RL2×IL2)を計算する。
【0019】
電圧検出部16は、計算部15に接続されている。電圧検出部16は、電力変換部12の端子p11と端子p12との間の電圧Vを計測し、計算部15に出力する。
電流検出部17は、計算部15に接続されている。電流検出部17は、電流値計測部18aが計測する配線h11を流れる電流の電流値IL1を計測し、計算部15に出力する。また、電流検出部17は、電流値計測部18bが計測する配線h21を流れる電流の電流値IL2を計測し、計算部15に出力する。
電流値計測部18a、18bは、それぞれ配線h11、h21に流れる電流を計測する素子であり、例えば、シャント抵抗やホールCT(Current. Transformer)素子などである。なお、ここでは、配線h11に電流値計測部18aを接続し、配線h21に電流値計測部18bを接続しているが、これに限定されるものではない。例えば、電流値計測部18bを設置せずに、電力変換部12が出力する電流の電流値から、電流計測部18aが計測する電流値を減算することにより、配線h21に流れる電流の電流値を求めてもよい。
【0020】
図4は、本発明の実施形態による電力供給装置10の処理を示すフローチャートである。なお、負荷22についての処理は、負荷21についての処理と同じであるので、図4では負荷22についての説明を省略する。
始めに、記憶部14に負荷入力電圧最大設定値記憶テーブルt2(図3)を予め記録する(ステップS01)。また、記憶部14に、負荷21に入力可能な最大の電圧値である負荷入力電圧最大設定値VHI1を記録する(ステップS01)。負荷入力電圧最大設定値記憶テーブルt2は、入力部11から入力され、制御部13によって記憶部14に記録される。
【0021】
なお、図3では、負荷入力電圧最大設定値記憶テーブルt2に各負荷における負荷入力電圧最大設定値を記録する場合について説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、負荷入力電圧最大設定値記憶テーブルt2に各負荷における負荷入力電圧最大設定値とともに、各負荷における負荷入力電圧範囲(下限電圧、定格電圧、上限電圧)の情報を記録してもよい。
【0022】
また、記憶部14に単位抵抗値記憶テーブルt1(図2)を予め記録する(ステップS02)。単位抵抗値記憶テーブルt1は、入力部11から入力され、制御部13によって記憶部14に記録される。
【0023】
入力部11には、管理者等によって、配線h11の材質M、直径Φ、長さLが配線情報として入力される(ステップS03)。計算部15は、ステップS03で入力された材質M及び直径Φに対応する単位抵抗値rL1を、単位抵抗値記憶テーブルt1から読み出す。
計算部15は、単位抵抗値rL1と、ステップS03で入力された長さLとを乗算することにより、配線h11及びh12の抵抗値RL1(=rL1×L)を計算する(ステップS04)。
【0024】
そして、電流検出部17は、配線h11を流れる電流の電流値IL1を計測し(ステップS05)、計算部15に出力する。
計算部15は、ステップS04で計算した抵抗値RL1と、ステップS05で計測した電流値IL1とを乗算することにより、配線h11における電圧降下値RL1×IL1を計算する(ステップS06)。
電圧検出部16は、電力変換部12の出力端子p11と出力端子p12間の電圧である出力電圧Vを計測し(ステップS07)、計算部15に出力する。
【0025】
そして、計算部14は、ステップS06で計測した出力電圧Vから、ステップS06で計算した電圧降下値RL1×IL1を減算することにより、負荷入力端電圧VLI1(=V−RL1×IL1)を計算する(ステップS08)。
制御部13は、ステップS08で計算した負荷入力端電圧VLI1が、ステップS01で記録部14に記録した負荷入力電圧最大設定値VHI1と等しいか否かについて判定する(ステップS09)。負荷入力端電圧VLI1が負荷入力電圧最大設定値VHI1と等しい場合には、ステップS09で「YES」と判定し、図4のフローチャートの処理を終了する。一方、負荷入力端電圧VLI1が負荷入力電圧最大設定値VHI1と等しくない場合には、ステップS09で「NO」と判定し、制御部13は電力変換部12を制御することにより、負荷入力端電圧VLI1(=V−RL1×IL1)が負荷入力電圧最大設定値VHI1と等しくなるように出力電圧Vを調整する(ステップS10)。
【0026】
なお、電力供給装置10に負荷が複数接続されている場合には、図7のステップS10において制御部13は、複数の負荷における負荷入力電圧最大設定値(VHI1、VHI1、・・・)のうち、最も小さい負荷入力電圧最大設定値が負荷入力端電圧と等しくなるように出力電圧Vを調整する。このように調整を行うことにより、複数の負荷の一部に対して、負荷入力電圧最大設定値を超える負荷入力端電圧が供給されることを防ぐことができる。
【0027】
上述した本発明の実施形態による電力供給装置10を用いれば、負荷の入力電圧を測定するための測定用配線を敷設しなくても、負荷が入力可能な最大の電圧値である負荷入力電圧最大設定値の電力を、電力供給装置10から負荷に対して供給することができる。
また、電力供給装置10と負荷との間に測定用配線を敷設する必要がないため、測定用配線が切断することによって電力供給装置10から負荷に対して適切な電力を供給できなくなることを防ぐことができる。
また、負荷入力電圧最大設定値以上の高い電圧を用いて、電力供給装置10から負荷に対して電力を供給するため、電力供給装置10と負荷との間の配線における電力損失を低減することができる。
【0028】
なお、上述した本発明の実施形態の説明(図1参照)では、電力供給装置10に負荷を2つ(負荷21及び負荷22)接続する場合について説明したが、このような構成に限定されるものではなく、電力供給装置10に負荷を3つ以上接続するようにしてもよい。
【0029】
なお、以上説明した実施形態において、制御部13の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより電力供給装置10の制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0030】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態による電力供給装置10の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態による記憶部14が記憶する単位抵抗値記憶テーブルt1の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態による記憶部14が記憶する負荷入力電圧最大設定値記憶テーブルt2の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態による電力供給装置10の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0032】
10・・・電力供給装置、11・・・入力部、12・・・電力変換部、13・・・制御部、14・・・記憶部、15・・・計算部、16・・・電圧検出部、17・・・電流検出部、18a、18b・・・電流値計測部、21、22・・・負荷、30・・・電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷に電力を供給する電力供給装置であって、
前記負荷に接続する配線の直径と材質と長さとを入力する入力手段と、
配線の直径と材質とに応じた単位長さあたりの抵抗値である単位抵抗値を予め記憶する単位抵抗値記憶手段と、
前記負荷が入力可能な最大の電圧値である負荷入力電圧最大設定値を予め記憶する負荷入力電圧最大設定値記憶手段と、
前記配線を介して前記負荷に出力する電流の電流値を計測する電流値計側手段と、
前記配線を介して前記負荷に出力する電圧の電圧値を計測する電圧値計測手段と、
前記入力手段に入力された直径と材質とに対応する単位抵抗値を前記単位抵抗値記憶手段から読み出し、その単位抵抗値を前記入力手段に入力された長さと乗算することにより前記配線の抵抗である配線抵抗を算出する配線抵抗値算出手段と、
前記配線抵抗と前記電流値を乗算した値を前記電圧計測手段が計測した電圧値から減算した値である前記負荷の入力電圧値を算出する負荷入力電圧値算出手段と、
前記負荷入力電圧値算出手段が算出する入力電圧値が、負荷入力電圧最大設定値記憶手段が記憶する負荷入力電圧最大設定値となるように前記負荷に出力する電圧を制御する電圧制御手段と、
を備えることを特徴とする電力供給装置。
【請求項2】
前記負荷入力電圧値算出手段は、前記配線抵抗と前記電流値を乗算した値を前記電圧計測手段が計測した電圧値から減算した値である負荷入力電圧値を自電力供給装置に接続される複数の負荷ごとに算出し、
前記電圧制御手段は、前記電圧値計測手段が計測する電圧値が、前記負荷入力電圧値算出手段が算出した複数の負荷ごとの負荷入力電圧値のうち最小の負荷入力電圧値となるように前記複数の負荷に出力する電圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項3】
前記負荷入力電圧最大設定値記憶手段は前記負荷入力電圧最大設定値として、前記負荷の定格電圧の最大値を記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の電力供給装置。
【請求項4】
負荷に電力を供給する電力供給方法であって、
前記負荷に接続する配線の直径と材質と長さとを入力手段により入力する第1のステップと、
配線の直径と材質とに応じた単位長さあたりの抵抗値である単位抵抗値を予め単位抵抗値記憶手段に記憶する第2のステップと、
前記負荷が入力可能な最大の電圧値である負荷入力電圧最大設定値を予め負荷入力電圧最大設定値記憶手段に記憶する第3のステップと、
前記配線を介して前記負荷に出力する電流の電流値を電流値計側手段により計測する第4のステップと、
前記配線を介して前記負荷に出力する電圧の電圧値を電圧値計測手段により計測する第5のステップと、
前記入力手段により入力された直径と材質とに対応する単位抵抗値を前記単位抵抗値記憶手段から読み出し、その単位抵抗値を前記入力手段に入力された長さと乗算することにより前記配線の抵抗である配線抵抗を配線抵抗値算出手段により算出する第6のステップと、
前記配線抵抗と前記電流値を乗算した値を前記電圧計測手段が計測した電圧値から減算した値である負荷入力電圧値を負荷入力電圧値算出手段により算出する第7のステップと、
前記負荷入力電圧値算出手段が算出する入力電圧値が、負荷入力電圧最大設定値記憶手段が記憶する負荷入力電圧最大設定値となるように前記負荷に出力する電圧を制御する第8のステップと、
を実行することを特徴とする電力供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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