電力変換装置
【課題】 容易に持ち運ぶことができる高効率の電力変換装置を提供する。
【解決手段】 電力変換装置100は、電力変換装置100全体の電力変換容量のうちの一部の電力変換容量が割り当てられた電力変換ユニット102を複数有し、各電力変換ユニット102が、他の電力変換ユニットが接続された電力線と着脱可能とし、複数の電力変換ユニット102が電力線に装着されている状態において、当該複数の電力変換ユニット102の合計した電力変換容量の範囲内で電力変換が実施可能であり、各電力変換ユニット102が電力線から離脱している状態において、当該各電力変換ユニットは、自己の電力変換容量の範囲内で電力変換が実施可能である。
【解決手段】 電力変換装置100は、電力変換装置100全体の電力変換容量のうちの一部の電力変換容量が割り当てられた電力変換ユニット102を複数有し、各電力変換ユニット102が、他の電力変換ユニットが接続された電力線と着脱可能とし、複数の電力変換ユニット102が電力線に装着されている状態において、当該複数の電力変換ユニット102の合計した電力変換容量の範囲内で電力変換が実施可能であり、各電力変換ユニット102が電力線から離脱している状態において、当該各電力変換ユニットは、自己の電力変換容量の範囲内で電力変換が実施可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を変換する電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力を変換して充放電を行う技術としては、特許文献1に記載された電気自動車給電システムが知られている。この特許文献1に記載された電気自動車給電システムは、住宅の電力を変換して電気自動車のバッテリを充電する動作や、電気自動車のバッテリを放電させて電力を変換して宅内に給電する動作を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−130647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された電気自動車給電システムは、住宅と電気自動車給電との間で電力を授受するために電力変換装置が変換できる容量(電力変換容量)が固定されている。また、この電気自動車給電システムにおける電力変換装置は、急速に充放電を行う場合には大きな電力変換容量が必要である。しかし、大きな電力変換容量の電力変換装置は重量が重く、容易に持ち運びすることが困難であった。したがって、電力変換装置の電力変換容量を大きくしても、その他の用途に利用することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、容易に持ち運ぶことができる電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る電力変換装置は、筐体と、前記筐体に収容され、電力変換装置全体の電力変換容量のうちの一部の電力変換容量が割り当てられた電力変換ユニットを複数有し、各電力変換ユニットが、他の電力変換ユニットが接続された電力線と着脱可能とし、前記複数の電力変換ユニットが前記電力線に装着されている状態において、当該複数の電力変換ユニットの合計した電力変換容量の範囲内で電力変換が実施可能であり、各電力変換ユニットが前記電力線から離脱している状態において、当該各電力変換ユニットは、自己の電力変換容量の範囲内で電力変換が実施可能であることを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の態様に係る電力変換装置は、上記第1の態様の電力変換装置において、前記各電力変換ユニットは、電力変換を実施する電力変換部と、前記電力変換部に接続される接続機器の情報を記憶する記憶部と、前記接続機器と通信する通信部と、前記通信部によって前記接続機器から取得した情報と前記記憶部に記憶された情報とを照合して、前記接続機器の仕様に合わせた電力変換を前記電力変換部にて制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明の第3の態様に係る電力変換装置は、上記第1又は第2の態様の電力変換装置において、前記電力変換部に接続される接続機器の情報と前記電力線に装着された各電力変換ユニットの情報を記憶する記憶部と、前記接続機器又は前記各電力変換ユニットと通信する通信部と、前記通信部によって前記接続機器から取得した情報と前記記憶部に記憶された情報とを参照をして、前記接続機器から取得した機器仕様に合わせた電力変換を実施するために、前記各電力変換ユニットから取得した情報に基づいて、前記各電力変換ユニットの組み合わせを選択して、前記各電力変換ユニットの電力変換制御を実施する制御部を備える統括制御部と、前記各電力変換ユニットは、前記統括制御部と通信する通信部を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の第4の態様に係る電力変換装置は、上記第3の態様の電力変換装置において、前記統括制御部は、前記接続機器の情報を入力する情報入力部を有し、前記情報入力装置により入力した前記接続機器の情報を前記記憶部に格納し、前記接続機器の情報である前記接続機器の仕様に合わせた前記電力変換を実施する電力変換ユニットを選択することを特徴とする。
【0010】
本発明の第5の態様に係る電力変換装置は、上記第4の態様の電力変換装置において、前記各電力変換ユニットは電圧/電流検出回路を有し、前記統括制御部は、前記情報入力部により入力した前記接続機器の仕様の情報と、前記各電力変換ユニットの電圧/電流検出回路が動作時に検出した電圧、電流値が前記接続機器の定格外の場合に、異常状態と判定し、当該各電力変換ユニットの動作を停止し、当該電力変換ユニットの動作の停止を提示することを特徴とする。
【0011】
本発明の第6の態様に係る電力変換装置は、上記第4の態様の電力変換装置において、各電力変換ユニットが異常を検知した場合には当該異常を前記統括制御部に通知し、前記統括制御部は、前記各電力変換ユニットから異常が通知された場合に、当該各電力変換ユニットの動作を停止し、当該電力変換ユニットの異常を提示することを特徴とする。
【0012】
本発明の第7の態様に係る電力変換装置は、上記第1乃至第6の何れかの態様の電力変換装置において、前記統括制御部は電源スイッチを有し、前記電源スイッチがオフとされた場合には前記電力線に接続された各電力変換ユニットを停止させることを特徴とする。
【0013】
本発明の第8の態様に係る電力変換装置は、上記第1乃至第7の何れかの態様の電力変換装置において、前記各電力変換ユニット及び前記統括制御部は、前記各電力変換ユニットの筐体と前記統括制御部の筐体との間を、当該各筐体の外面同士で結合する着脱機構と、当該着脱機構による装着状態をロックするロック機構とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電力変換ユニットを着脱可能としたことによって、各電力変換ユニットの重量が軽くなり、容易に持ち運ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態として示す電力変換装置を含む多用途ポータブルパワーコンディショナの構成を示すブロック図であり、(a)は全体構成を示し、(b)は一部を離脱させた構成を示し、(c)は一部を離脱させた他の構成を示す。
【図2】本発明の実施形態として示す電力変換装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態として示す電力変換装置の構成の変化を示し、(a)は4台の電力変換ユニットが含まれた状態、(b)は一台の電力変換ユニットが離脱した状態(c)は一台の電力変換ユニットで構成された状態、を示す。
【図4】比較例としてのパワーコンディショナを示すブロック図である。
【図5】比較例としての電力変換装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態として示す電力変換装置の効果を説明する図であり、一般的な電力変換装置の出力電力の効率特性を示す。(a)は0.5kWの電力変換ユニットの電力変換効率を示し、(b)は1kWの電力変換ユニットの電力変換効率を示し、(c)は2kWの電力変換ユニットの電力変換効率を示す。
【図7】比較例としての一般的な定格4kwの電力変換装置の出力電力の効率特性を示す図である。
【図8】本発明の実施形態として示す電力変換装置におけるエネルギー制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施形態として示す電力変換装置における電力変換ユニットの構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施形態として示す電力変換装置において単一の電力変換ユニットで構成された状態を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施形態として示す電力変換装置においてエネルギー制御装置と単一の電力変換ユニットとで構成された状態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
本発明の実施形態として示す電力変換装置は、例えば図1(a)に示すように構成された多用途ポータブルパワーコンディショナに搭載される。この多用途ポータブルパワーコンディショナは、多様な端子やコンセント、機器、電動車両が接続される。多用途ポータブルパワーコンディショナは、接続された機器に対して適切な電圧の直流電力、適切な電圧や周波数の交流電力を供給するよう構成される。
【0018】
この多用途ポータブルパワーコンディショナは、太陽電池、住宅で使用されるAC100V/200V端子、据置型蓄電池、AC機器、電動車両EVが接続可能である。なお、多用途ポータブルパワーコンディショナは、図1に示した以外のDC機器やDC端子等も接続可能である。
【0019】
この多用途ポータブルパワーコンディショナは、複数のDC/DCコンバータ1,2,5やDC/ACコンバータ3,4が搭載されている。この多用途ポータブルパワーコンディショナは、内部に電力バス1Aを有している。DC/DCコンバータ1,2,5及びDC/ACコンバータ3,4は、電力バス1Aを介して相互に電力の授受が可能となっている。
【0020】
DC/DCコンバータ1は太陽電池に接続されている。DC/DCコンバータ1は、太陽電池の発電容量に応じた電力変換容量を有している。DC/DCコンバータ1は、太陽電池により発電した電力を所定電圧の直流電力に変換して電力バス1Aに供給可能である。
【0021】
DC/DCコンバータ2は据置型蓄電池に接続されている。DC/DCコンバータ2は、据置型蓄電池の所望の充放電レートに応じた電力変換容量を有している。DC/DCコンバータ2は、電力バス1Aを介して直流電力が供給され、当該直流電力を、充電用の所定電圧に変換して据置型蓄電池に充電する。また、DC/DCコンバータ2は、据置型蓄電池に充電された電力を、電力バス1Aに適した所定電圧に変換して供給可能である。
【0022】
DC/DCコンバータ5は電動車両EVに接続されている。DC/DCコンバータ5は、後述するように電力変換容量が可変となっている。DC/DCコンバータ5は、電動車両EVの充電時において、電力バス1Aから直流電力を取り出して、電動車両EVの充電用電圧に変換して電動車両EVに供給する。また、DC/DCコンバータ5は、電動車両EVの蓄電池の電力を他の機器に供給する場合に、電動車両EVの放電電力を所定電圧に変換して、電力バス1Aに供給する。
【0023】
DC/ACコンバータ3は、住宅のAC100V/200V端子に接続されている。DC/ACコンバータ3は、住宅における定格電力に応じた電力変換容量を有している。DC/ACコンバータ3は、電力系統の電力を据置型蓄電池や電動車両EVに充電させる場合に、交流電力が供給される。DC/ACコンバータ3は、供給された交流電力を所定電圧の直流電力に変換して、電力バス1Aに供給する。また、DC/ACコンバータ3は、住宅の家電機器等に電力を供給する場合に、太陽電池や据置型蓄電池や電動車両EVの蓄電池から供給された直流電力を交流電力に変換する。
【0024】
DC/ACコンバータ4はAC機器に接続されている。DC/ACコンバータ4は、後述するように電力変換容量が可変となっている。DC/ACコンバータ4は、住宅の家電機器等に電力を供給する場合に、太陽電池や据置型蓄電池や電動車両EVの蓄電池から供給された直流電力を交流電力に変換する。
【0025】
この多用途ポータブルパワーコンディショナにおいて、DC/DCコンバータ5、及び、DC/ACコンバータ4は、複数の電力変換ユニットを有する。
【0026】
DC/DCコンバータ5は、筐体の内部に、統括制御部としてのエネルギー制御装置51と電力変換ユニット5a〜5dとを有している。エネルギー制御装置51は、電力変換ユニット5a〜5dの動作を制御するものである。電力変換ユニット5a〜5dは、それぞれDC/DC変換を行う。電力変換ユニット5a〜5dのうち電力変換ユニット5a、5bは同じ電力変換容量であり、当該電力変換ユニット5a、5bとその他とはそれぞれ電力変換容量が異なっている。
【0027】
具体的には、DC/DCコンバータ5の全体の電力変換容量は単位時間当たり4kWである。DC/DCコンバータ5は、複数の電力変換ユニット5a〜5dによって、全体の電力変換容量を、複数の電力変換容量に分割している。各電力変換ユニット5a〜5dは、DC/DCコンバータ5全体の電力変換容量のうちの一部の電力変換容量が割り当てられている。この1ユニットあたりの電力変換容量の割り当て方は任意である。全てを同じ電力変換容量に分割してもよく、全てを異なる電力変換容量に分割してもよく、電力変換容量の同じ複数のものと電力変換容量が異なるものが混在していてもよい。
【0028】
図1の例では、電力変換ユニット5a、5bには0.5kWの電力変換容量が割り当てられている。電力変換ユニット5cには1.0kWの電力変換容量が割り当てられている。電力変換ユニット5dには2.0kWの電力変換容量が割り当てられている。
【0029】
DC/ACコンバータ4は、筐体の内部に、統括制御部としてのエネルギー制御装置41と電力変換ユニット4a〜4dとを有している。エネルギー制御装置41は、電力変換ユニット4a〜4dの動作を制御するものである。電力変換ユニット4a〜4dは、それぞれDC/AC変換を行う。電力変換ユニット4a〜4dのうち電力変換ユニット4a、4bは同じ電力変換容量であり、当該電力変換ユニット4a、4bとその他とはそれぞれ電力変換容量が異なっている。
【0030】
具体的には、DC/ACコンバータ4の全体の電力変換容量は4kWである。DC/ACコンバータ4は、複数の電力変換ユニット4a〜4dによって、全体の電力変換容量を、複数の電力変換容量に分割している。各電力変換ユニット4a〜4dは、DC/ACコンバータ4全体の電力変換容量のうちの一部の電力変換容量が割り当てられている。この1ユニットあたりの電力変換容量の割り当て方は任意である。全てを同じ電力変換容量に分割してもよく、全てを異なる電力変換容量に分割してもよく、電力変換容量の同じ複数のものと電力変換容量が異なるものが混在していてもよい。
【0031】
図1の例では、電力変換ユニット4a、4bには0.5kWの電力変換容量が割り当てられている。電力変換ユニット4cには1.0kWの電力変換容量が割り当てられている。電力変換ユニット4dには2.0kWの電力変換容量が割り当てられている。
【0032】
この多用途ポータブルパワーコンディショナにおいて、各電力変換ユニット5a〜5dはDC/DCコンバータ5に対して着脱可能である。したがって、DC/DCコンバータ5における電力変換ユニット5a〜5dのうち、ユーザが所望する電力変換ユニット5a〜5dを離脱させて持ち運び、電力変換装置として使用可能である。例えば図1(b)に示すように、電力変換ユニット5a〜5dのうち電力変換ユニット5aを離脱させて、DC機器としての電動車両同士を接続して電力変換できる。
【0033】
また、この多用途ポータブルパワーコンディショナにおいて、各電力変換ユニット4a〜4dはDC/ACコンバータ4に対して着脱可能である。したがって、DC/ACコンバータ4における電力変換ユニット4a〜4dのうち、ユーザが所望する電力変換ユニット4a〜4dを離脱させて持ち運び、使用可能である。例えば図1(c)に示すように、電力変換ユニット4a〜4dのうち電力変換ユニット4aを離脱させて、DC機器としての電動車両とAC機器とを接続して電力変換できる。
【0034】
このように多用途ポータブルパワーコンディショナのDC/ACコンバータ4及びDC/DCコンバータ5は、例えば図2に示すように構成されている。なお、以下の説明において、上述したDC/DCコンバータ5、DC/ACコンバータ4のように複数の電力変換ユニットを有したものを包括して「電力変換装置100」と呼ぶ。
【0035】
図2の電力変換装置100は、エネルギー制御装置101と、複数の電力変換ユニット102a〜102d(以下、総称する場合には単に「電力変換ユニット102」と呼ぶ。)とを有する。エネルギー制御装置101は、上述したエネルギー制御装置41、エネルギー制御装置51に相当する。電力変換ユニット102は、上述の電力変換ユニット4a〜4d、電力変換ユニット5a〜5dに相当する。
【0036】
この電力変換装置100には、図1(a)に示した各種の接続機器110が接続される。エネルギー制御装置101は、接続機器110及び電力変換ユニット102との間が通信線により接続されている。エネルギー制御装置101は、接続機器110及び電力変換ユニット102との間で通信信号の授受が可能となっている。電力変換ユニット102は、接続機器110との間が電力線により接続されている。電力変換ユニット102は、接続機器110との間で電力の授受が可能となっている。
【0037】
この電力変換装置100は、図3(a)のように、4個の電力変換ユニット102a〜102dを有し、全ての電力変換ユニット102が筐体に収容され、全ての電力変換ユニット102が電力線に接続されている。この状態において、電力変換装置100は、電力変換ユニット102bが取り外されると、図3(b)に示すような電力変換装置100Aと、図3(c)に示すような電力変換装置100Bとなる。
【0038】
電力変換装置100Aは、残りの電力変換ユニット102a、102c、102dによって電力変換を行う。このとき、エネルギー制御装置101は、電力変換ユニット102と通信し、電力変換ユニット102の情報(ユニット情報)を取得する。このユニット情報は、電力変換ユニット102自身のIDや電力変換容量を含む。また、エネルギー制御装置101は、接続機器110と通信し、接続機器110の接続機器情報を取得する。この接続機器情報は、接続機器110の機器仕様や現在のステータス情報、ID等を含む。接続機器110の機器仕様は、例えば定格の電力、電圧、電流といった電気仕様や機器特有の情報を含む。機器特有の情報は例えば電池であれば、電池容量、電池劣化度等の情報を含む。現在のステータス状態は供給可能電力、正常状態、異常状態等の情報を含む。
【0039】
エネルギー制御装置101は、電力変換ユニット102の構成及び接続機器110に合わせた最適な電力制御を行う。エネルギー制御装置101は、取得したユニット情報と接続機器情報とに基づいて、接続機器110同士の電力の入出力に最適な電力変換容量を決定し、当該電力変換容量に必要な電力変換ユニット102を起動する。これにより、エネルギー制御装置101は、接続機器110の機器仕様、現在のステータス情報に合わせて電力変換容量を容易に変更できる。
【0040】
例えば、接続機器110が住宅と電動車両EVの場合、エネルギー制御装置101は、電動車両EVの蓄電池から、充放電の最大電圧、電流、蓄電池の状態(電池容量、電池劣化度、異常状態)等の情報を取得する。また、エネルギー制御装置101は、住宅側の充放電指令等の情報を取得する。更に、エネルギー制御装置101は、現在における電力変換ユニット102の電力変換容量として、DC/DCコンバータの最大の電力変換容量が3.5kWといった状態等の情報を取得する。エネルギー制御装置101は、各情報から充放電の判定をし、出力可能な電力変換容量に応じてDC/DCコンバータに指令を出力して高効率な充放電制御を行う。
【0041】
この高効率な充放電制御は、接続機器110への供給可能電力に応じて、エネルギー制御装置101によって電力変換ユニット102の電力変換容量を切り換える。電力変換ユニット102は、出力電力に応じて電力変換効率が変化する。この電力変換効率は、一般的に図6、図7の電力変換効率特性のように出力電力と定格電力の差分が小さいほど高くなり、大きいほど低くなる。したがって、エネルギー制御装置101は、接続機器110の供給可能電力を取得すると、当該供給可能電力の最大電力を高効率に出力できるよう電力変換容量を調整する。すなわち、電力変換容量が供給可能電力の最大電力に近くなるよう電力線に接続する電力変換ユニット102a〜102dを選択して電力変換装置100内の電力変換容量を切り換える。例えば、接続機器110間の充放電電力が1.4kW程度である場合、エネルギー制御装置101は、電力変換ユニット102a、102cを選択することとなる。
【0042】
一方、電力変換装置100から取り外された電力変換ユニット102bを含む電力変換装置100Bは、図3(c)に示すように、他の接続機器110’に接続される。電力変換ユニット102bは、他の接続機器110’との間で通信線及び電力線を介して接続する。この状態において、電力変換ユニット102bは、接続機器110’と通信を行って、接続機器110’間で授受される電力に対してDC/DC変換又はDC/AC変換を行う。
【0043】
以上のように、電力変換装置100は、電力変換ユニット102を着脱可能とし、複数の電力変換ユニット102が装着されている状態において、当該複数の電力変換ユニット102の合計した電力変換容量の範囲内で電力変換が実施可能である。一方、離脱した電力変換ユニット102は、自己の電力変換容量の範囲内で電力変換が実施可能である。すなわち、電力変換ユニット102は、分離元、分離先でそれぞれ並列で動作可能である。
【0044】
このような電力変換装置100によれば、電力変換ユニット102を着脱可能としたことによって、各電力変換ユニット102の重量が軽くなり、容易に持ち運ぶことができる。また、この電力変換装置100によれば、DC/DCコンバータとDC/ACインバータの定格電力(電力変換容量)の変更を容易にすることができ、高効率な充放電制御を実現できる。したがって、この電力変換装置100は、持ち運びが容易且つ高効率なパワーコンディショナを実現できる。
【0045】
また、この電力変換装置100によれば、接続機器110間の供給可能電力に応じて電力変換ユニット102の電力変換効率が最大となるようエネルギー制御装置101が電力変換ユニット102の構成を切り換えることができる。したがって、この電力変換装置100によれば、電力損失を抑えた高効率な電力変換を実現でき、電力の無駄を抑制できる。また、電力変換装置100によれば、電力変換効率を高くすることによって電力変換ユニット102の放熱量を減少できる。したがって、放熱用ファンの小型化又は不要にすることが可能となり、小型化が図れる。
【0046】
更に、複数の電力変換ユニット102の組み合わせをエネルギー制御装置101が切り換えることによって電力変換容量を変更できるので、取り外した電力変換ユニット102と残った電力変換ユニット102とのそれぞれで、並列動作させることができる。具体的には、1つの電力変換ユニット102を取り外して電動車両EV同士の充放電を行い、残った電力変換ユニット102により住宅と電動車両EVとの間の充放電を行うことができる。
【0047】
更にまた、この電力変換装置100によれば、接続機器110の機器仕様に合わせて、任意の電力変換容量の電力変換ユニット102に入れ替えて電力変換装置100の各電力変換ユニット102を合計した電力変換容量を容易に変更できる。これにより、小電力から大電力までの接続機器に対応でき、多用途化を実現できる。例えば、住宅と電動車両EVの充放電だけでなく、電動車両EV同士の充放電や、電動車両EVから家電等のAC機器への給電を可能とする。
【0048】
比較例としては、図4に示すようにDC/DCコンバータやDC/ACコンバータが4kWの電力変換容量で構成されている。この比較例における電力変換装置は、図5のように単一の電力変換ユニットにより構成されている。すると、単一のDC/DCコンバータ、DC/ACコンバータの電力変換容量が大きいため、サイズが大きく重い。また、DC/DCコンバータやDC/ACコンバータを取り外すと、取り外した箇所では電力変換ができず、並列動作ができない。更に、この比較例では、供給可能電力に応じて電力変換容量の変更ができず、高効率で電力変換ができない問題がある。これに対し、本実施形態の電力変換装置100によれば、電力変換容量が少ない小型且つ軽量の電力変換ユニット102を持ち運びでき、且つ、並列動作も実現でき、高効率な充放電制御も実現できる。
具体的な効果を図6及び図7を参照して説明する。
【0049】
図2に示すように、複数の電力変換ユニット102によって全体で4kWの電力変換容量を構成し、エネルギー制御装置101の制御によって供給可能電力に応じた電力変換容量の最適化を実現できる。図6、図7に一般的な電力変換装置の各電力変換容量の効率特性を示す。図6(a)は、0.5kWの電力変換ユニット102の電力変換効率は、0.5kWの出力電力で95%となることを示している。図6(b)は、1kWの電力変換ユニット102の電力変換効率は、1kWの出力電力で95%となることを示している。図6(c)は、2kWの電力変換ユニット102の電力変換効率は、2kWの出力電力で95%となることを示している。したがって、この電力変換装置100は、接続機器110で授受される供給可能電力に合わせて電力変換ユニット102の組み合わせをエネルギー制御装置101の制御で切り換えることによって、電力変換効率を高くできる。
【0050】
例えば接続機器110の供給電力が0.5kWの場合、0.5kWの電力変換ユニット102のみを動作させれば、95%の電力変換効率を実現できる。1kWの充放電電力の場合には0.5kWの電力変換ユニット102を2台起動、又は1kWの電力変換ユニット102のみを起動すれば、電力変換効率は95%にできる。2kWの出力電力の場合には0.5kWの電力変換ユニット102を2台、1kWの電力変換ユニット102を起動すれば電力変換効率は95%にできる。4kWの出力電力の場合には0.5kWの電力変換ユニット102を2台、1kWの電力変換ユニット102、2kWの電力変換ユニット102を起動すれば電力変換効率は95%にできる。
【0051】
これに対し、単一の4kWの電力変換ユニット102の場合には、図7に示すように、4kW付近の出力電力でない場合には、電力変換効率が低下してしまう。具体的には、4kWの充放電電力の場合には電力変換効率は95%にできる。しかし、0.5kWの充放電電力の場合には電力変換効率は70%となり、1kWの充放電電力の場合には電力変換効率は80%であり、2kWの充放電電力の場合には電力変換効率は90%となってしまう。
【0052】
したがって、本実施形態の電力変換装置100によれば、接続機器110の供給可能電力に応じて電力変換ユニット102の組み合わせをエネルギー制御装置101によって制御して、電力変換効率を向上できる。
【0053】
つぎに、上述した電力変換装置100において、エネルギー制御装置101及び電力変換ユニット102の構成について説明する。
【0054】
エネルギー制御装置101は、図8に示すように、着脱機構111、結合ロック機構112を有する。一方で、電力変換ユニット102は、図9に示すように、着脱機構121、結合ロック機構122を有する。
【0055】
エネルギー制御装置101の着脱機構111と電力変換ユニット102の着脱機構121は、互いに装着及び離脱するような機構を有している。互いの着脱機構111、121は、各電力変換ユニット102の筐体とエネルギー制御装置101の筐体との間を、当該各筐体の外面同士で結合する。ユーザによってエネルギー制御装置101の筐体と電力変換ユニット102の筐体とを密着させることによって、エネルギー制御装置101と電力変換ユニット102とが相互の着脱機構111、121によって機械的に装着可能である。また、着脱機構111、121によって装着された状態で、エネルギー制御装置101の結合ロック機構112と電力変換ユニット102の結合ロック機構122とは、当該装着状態をロックする。この結合ロック機構112、122によって、着脱機構111、121による装着状態は、ロックが解除されない限り固定されたものとなる。
【0056】
また、電力変換ユニット102は、他の電力変換ユニット102との間でも、互いの着脱機構111によって、相互の電力変換ユニット102の筐体同士を密着させて機械的に装着可能である。また、相互の結合ロック機構112は、電力変換ユニット102同士の着脱機構111による装着状態を、ロックが解除されない限り固定できる。
【0057】
このような着脱機構111、121、結合ロック機構112、122によれば、エネルギー制御装置101と電力変換ユニット102又はエネルギー制御装置101同士の筐体同士を密着させて装着及びロックをすることができる。したがって、このエネルギー制御装置101及び電力変換ユニット102によれば、ユーザによって簡単に持ち運びができるサイズ、重さにしても、安全性を向上できる。例えば、筐体同士を結合した状態でロックすることにより、地震等による意図しない分離を防止できる。
エネルギー制御装置101は、内部に、制御部113、電源スイッチ114、通信I/F115、表示装置116、記憶部117、及び、情報入力装置118を有する。
【0058】
制御部113は、エネルギー制御装置101の動作を制御するマイコン等で構成される。
【0059】
電源スイッチ114は、電力変換ユニット102における電力変換動作を許可又は禁止で切り換える。電源スイッチ114は、ユーザにより操作可能な物理的なスイッチであってもよく、制御部113の表示画面上で設定するものであってもよい。電源スイッチ114は、安全性を向上させるため、オフとされた場合には電力線に接続された各電力変換ユニット102を停止させることができる。
【0060】
エネルギー制御装置101に電源スイッチ114を備えることにより、各電力変換ユニット102に備える電源スイッチを削減できる。
【0061】
また、電力変換ユニット102の電力変換容量をユニット数の増減により変更する場合、電力変換動作中の変更は危険となる。このため、エネルギー制御装置101の電源スイッチ114をオフとすることにより、全電力変換ユニット102の動作を停止させる。その後、各電力変換ユニット102の動作停止を後述の表示装置131により確認後に、後述の電力変換ユニット102の電源端子124,128から電源ケーブルと通信ケーブルを外してユニット数の変更を行うことができる。
【0062】
通信I/F115は、通信線を介して接続機器110及び電力変換ユニット102と接続される。通信I/F115は、接続機器110から接続機器の情報を受信し、電力変換ユニット102からユニット情報を受信する。
【0063】
表示装置116は、LEDやディスプレイ等からなり、制御部113の制御に従って、各種の情報を表示する。この表示装置116は、特に、電力変換ユニット102が停止している情報や、電力変換ユニット102の異常を表示して、ユーザに提示する。これにより電力変換装置100は、安全性を向上できる。
【0064】
記憶部117は、電力変換ユニット102を動作させている最中において、当該電力変換ユニット102から供給された電圧、電流情報を記憶しておく。また、記憶部117は、電源スイッチ114によるスイッチ状態を記憶しておく。更に、記憶部117は、通信I/F115により受信した接続機器110の情報や電力変換ユニット102のユニット情報を記憶する。また、記憶部117は、予め接続機器110や電力変換ユニット102の機器仕様やID等の情報を記憶する。
【0065】
情報入力装置118は、接続機器の情報を入力する。情報入力装置118は、ユーザが接続機器110を確認した上で操作される。この情報入力装置118は、表示装置116に内蔵されたタッチパネルであってもよく、テンキー等であってもよい。
【0066】
制御部113は、通信I/F115によって接続機器110から取得した情報と記憶部117に記憶された情報と機器仕様やID等を参照する。この参照により、制御部113は、電力線に装着された電力変換ユニット102の組み合わせと、接続機器110に供給する電力に応じて、当該電力線に接続された電力変換ユニット102のうち電力変換を実施する電力変換ユニット102を選択する。具体的には、制御部113は、接続機器110の情報によって取得した供給可能電力に応じて、最適な電力変換効率となるよう電力変換ユニット102の組み合わせを選択する。
【0067】
また、制御部113は、情報入力装置118により入力した接続機器110の機器仕様の情報と、各電力変換ユニット102から受信した実際の電圧、電流値の情報とが異なり、定格外の値だった場合に、当該各電力変換ユニット102の動作を停止する。例えば、エネルギー制御装置101に登録した接続機器110の情報である定格の電圧・電流値等と、実際の電力変換ユニット102の電圧/電流検出回路125、129で検出した電力変換装置100の入出力電圧、電流値等が異なり、定格外の場合ある。このとき、制御部113は、通信I/F115を介して当該電力変換ユニット102に対して停止信号を送信する。電力変換ユニット102の動作を停止させると、制御部113は、当該電力変換ユニットの動作の停止を表示装置116に提示する。
【0068】
これにより電力変換装置100は、現在の入出力電圧、電流等と接続機器110の機器仕様とが適合しない場合であっても、当該状態を検出して提示できる。これにより、電力変換装置100は、安全性を向上できる。
【0069】
制御部113は、記憶部117又は電力変換ユニット102に接続機器情報が登録されていない場合、情報入力装置118から接続機器情報を記憶部117に登録できる。これにより、エネルギー制御装置101に登録した接続機器情報に基づいて、制御部113は、各電力変換ユニット102に起動/停止や供給電力量の情報を送信して、全体の電力変換容量を調整できる。このような情報入力装置118をエネルギー制御装置101に備えることによって、電力変換ユニット102を組み合わせて並列動作が可能となる。
【0070】
更に、制御部113は、各電力変換ユニット102から入出力の電圧、電流値等の異常を検知した場合には当該異常が通信I/F115を介して通知される。なお、制御部113は、各電力変換ユニット102の入出力値に限らず、その他の各電力変換ユニット102の異常も検知してもよい。これに応じ、制御部113は、各電力変換ユニット102から異常が通知された場合に、当該各電力変換ユニット102の動作を停止するよう制御信号を送信する。そして、制御部113は、動作を停止する制御をして当該電力変換ユニットの異常を表示装置116によって表示することによってユーザに提示する。
【0071】
また、電力変換ユニット102は、内部に、制御部123、電源端子124、電圧/電流検出回路125、通信I/F126、パワー部127、電源端子128、電圧/電流検出回路129、記憶部130、及び、表示装置131を有する。
【0072】
パワー部127は、電力変換を実施する電力変換部である。このパワー部127は、DC/DCコンバータ回路又はDC/ACコンバータ回路を含んでいる。このパワー部127により入出力される電力は、電源端子124、電源端子128を介して接続機器110との間で授受される。また、電源端子124を介して接続機器110との間で授受される電力は、電圧/電流検出回路125により検出される。電源端子128を介して接続機器110との間で授受される電力は、電圧/電流検出回路129により検出される。この検出された電圧又は電流は、制御部123の制御によって、通信I/F126からエネルギー制御装置101に送信される。
【0073】
記憶部130は、パワー部127に接続される接続機器110の機器仕様やID等の情報を記憶する。また、記憶部130は、自己のユニット情報としての機器仕様やID等の情報を記憶している。
【0074】
通信I/F126は、接続機器110又はエネルギー制御装置101と通信する通信部として機能する。
【0075】
表示装置131は、LEDやディスプレイ等からなり、制御部113の制御に従って、各種の情報を表示する。この表示装置131は、特に、電力変換ユニット102が停止している情報や、電力変換ユニット102の異常を表示して、ユーザに提示する。これにより電力変換装置100は、安全性を向上できる。
【0076】
制御部123は、通信I/F126によって接続機器110から取得した情報と記憶部130に記憶されたユニット情報と機器仕様やID等を照合する。接続機器110の情報が記憶部130に登録済みであれば、当該登録済みの接続機器110に対応した電力変換制御プログラムを読み出す。これにより、エネルギー制御装置101を使用することなく、電力変換ユニット102単体でパワー部127により電力変換を制御する。
【0077】
また、制御部123は、ユニット情報をエネルギー制御装置101に送信する。これにより、エネルギー制御装置101は、各電力変換ユニット102の電力変換容量の合計から電力変換装置100内の電力変換容量を算出し、上述したように接続機器の仕様を満たせるか判定できる。更に制御部123は、電力変換を行っているときに、パワー部127で入出力する電力の電圧値、電流値をエネルギー制御装置101に出力する。これにより、エネルギー制御装置101は、電力変換ユニット102により異常な入出力値を検知した場合に、当該電力変換ユニット102に対して動作を停止するよう制御できる。
【0078】
このような電力変換ユニット102aは、図10に示すように、単一でも電力変換可能である。この場合、電力変換ユニット102aは、接続機器110’の情報が記憶部130に登録済みである場合には、接続機器110’と通信して認証処理を行う。このとき、電力変換ユニット102aは、接続機器110’が接続されたことを電源端子124、電源端子128の装着により検出する。これに応じ、制御部123は、接続された接続機器110’に対して接続機器情報を送信するよう要求して、接続機器110’から接続機器情報としてのIDを取得する。制御部123は、取得した接続機器情報と記憶部130に記憶している接続機器情報とを照合して、電力変換を行うか否かを判定する。制御部123は、IDを照合して、記憶部130に記憶しているIDで接続機器110’が電力供給可能な状態である場合には、電力変換を開始する。これにより、電力変換ユニット102aは、予め設定した接続機器110’を示すID又は予め設定した接続機器110’の種類を示すIDを有する場合には、エネルギー制御装置101を使用することなく電力変換を行うことができる。
【0079】
また、電力変換ユニット102aは、記憶部130に接続された接続機器110’の情報が記憶されていない場合には、図11のように構成し、エネルギー制御装置101aの制御に従って電力変換ユニット102によって電力変換を行う。このとき、エネルギー制御装置101aは、接続機器110’と通信を行って、当該接続機器110’の接続機器情報としての機器仕様やID等を取得する。電力変換ユニット102aは、エネルギー制御装置101aにより取得した出力電力、電圧、電流値等の指令情報に従って電力変換を行う。
【0080】
以上のように、電力変換装置100における電力変換ユニット102は、1つの電力変換ユニット102のみであっても記憶部130に接続機器110’の情報が予め格納されていれば電力変換が可能である。また、電力変換ユニット102は、エネルギー制御装置101を有していれば、予め登録されていない接続機器110’であっても接続して電力変換が可能である。
【0081】
したがって、接続機器110に拘わらず、1つの電力変換ユニット102のみ、又はエネルギー制御装置101と電力変換ユニット102の組み合わせで動作可能であり、電力変換ユニット102のユニット数と各容量は任意である。これにより、電力変換ユニット102の多用途化、並列動作が可能となる。更に、予め登録された接続機器110’であればエネルギー制御装置101を不要とすることができる。
【0082】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0083】
100 電力変換装置
101 エネルギー制御装置(統括制御部)
102 電力変換ユニット
127 パワー部(電力変換部)
130 記憶部(電力変換ユニット)
117 記憶部(エネルギー制御装置)
110 接続機器
126 通信I/F(通信部)
113 制御部(電力変換ユニット)
123 制御部(エネルギー制御装置)
114 電源スイッチ
111、121 着脱機構
112、122 結合ロック機構(ロック機構)
118 情報入力装置(情報入力部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を変換する電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力を変換して充放電を行う技術としては、特許文献1に記載された電気自動車給電システムが知られている。この特許文献1に記載された電気自動車給電システムは、住宅の電力を変換して電気自動車のバッテリを充電する動作や、電気自動車のバッテリを放電させて電力を変換して宅内に給電する動作を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−130647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された電気自動車給電システムは、住宅と電気自動車給電との間で電力を授受するために電力変換装置が変換できる容量(電力変換容量)が固定されている。また、この電気自動車給電システムにおける電力変換装置は、急速に充放電を行う場合には大きな電力変換容量が必要である。しかし、大きな電力変換容量の電力変換装置は重量が重く、容易に持ち運びすることが困難であった。したがって、電力変換装置の電力変換容量を大きくしても、その他の用途に利用することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、容易に持ち運ぶことができる電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る電力変換装置は、筐体と、前記筐体に収容され、電力変換装置全体の電力変換容量のうちの一部の電力変換容量が割り当てられた電力変換ユニットを複数有し、各電力変換ユニットが、他の電力変換ユニットが接続された電力線と着脱可能とし、前記複数の電力変換ユニットが前記電力線に装着されている状態において、当該複数の電力変換ユニットの合計した電力変換容量の範囲内で電力変換が実施可能であり、各電力変換ユニットが前記電力線から離脱している状態において、当該各電力変換ユニットは、自己の電力変換容量の範囲内で電力変換が実施可能であることを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の態様に係る電力変換装置は、上記第1の態様の電力変換装置において、前記各電力変換ユニットは、電力変換を実施する電力変換部と、前記電力変換部に接続される接続機器の情報を記憶する記憶部と、前記接続機器と通信する通信部と、前記通信部によって前記接続機器から取得した情報と前記記憶部に記憶された情報とを照合して、前記接続機器の仕様に合わせた電力変換を前記電力変換部にて制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明の第3の態様に係る電力変換装置は、上記第1又は第2の態様の電力変換装置において、前記電力変換部に接続される接続機器の情報と前記電力線に装着された各電力変換ユニットの情報を記憶する記憶部と、前記接続機器又は前記各電力変換ユニットと通信する通信部と、前記通信部によって前記接続機器から取得した情報と前記記憶部に記憶された情報とを参照をして、前記接続機器から取得した機器仕様に合わせた電力変換を実施するために、前記各電力変換ユニットから取得した情報に基づいて、前記各電力変換ユニットの組み合わせを選択して、前記各電力変換ユニットの電力変換制御を実施する制御部を備える統括制御部と、前記各電力変換ユニットは、前記統括制御部と通信する通信部を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の第4の態様に係る電力変換装置は、上記第3の態様の電力変換装置において、前記統括制御部は、前記接続機器の情報を入力する情報入力部を有し、前記情報入力装置により入力した前記接続機器の情報を前記記憶部に格納し、前記接続機器の情報である前記接続機器の仕様に合わせた前記電力変換を実施する電力変換ユニットを選択することを特徴とする。
【0010】
本発明の第5の態様に係る電力変換装置は、上記第4の態様の電力変換装置において、前記各電力変換ユニットは電圧/電流検出回路を有し、前記統括制御部は、前記情報入力部により入力した前記接続機器の仕様の情報と、前記各電力変換ユニットの電圧/電流検出回路が動作時に検出した電圧、電流値が前記接続機器の定格外の場合に、異常状態と判定し、当該各電力変換ユニットの動作を停止し、当該電力変換ユニットの動作の停止を提示することを特徴とする。
【0011】
本発明の第6の態様に係る電力変換装置は、上記第4の態様の電力変換装置において、各電力変換ユニットが異常を検知した場合には当該異常を前記統括制御部に通知し、前記統括制御部は、前記各電力変換ユニットから異常が通知された場合に、当該各電力変換ユニットの動作を停止し、当該電力変換ユニットの異常を提示することを特徴とする。
【0012】
本発明の第7の態様に係る電力変換装置は、上記第1乃至第6の何れかの態様の電力変換装置において、前記統括制御部は電源スイッチを有し、前記電源スイッチがオフとされた場合には前記電力線に接続された各電力変換ユニットを停止させることを特徴とする。
【0013】
本発明の第8の態様に係る電力変換装置は、上記第1乃至第7の何れかの態様の電力変換装置において、前記各電力変換ユニット及び前記統括制御部は、前記各電力変換ユニットの筐体と前記統括制御部の筐体との間を、当該各筐体の外面同士で結合する着脱機構と、当該着脱機構による装着状態をロックするロック機構とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電力変換ユニットを着脱可能としたことによって、各電力変換ユニットの重量が軽くなり、容易に持ち運ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態として示す電力変換装置を含む多用途ポータブルパワーコンディショナの構成を示すブロック図であり、(a)は全体構成を示し、(b)は一部を離脱させた構成を示し、(c)は一部を離脱させた他の構成を示す。
【図2】本発明の実施形態として示す電力変換装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態として示す電力変換装置の構成の変化を示し、(a)は4台の電力変換ユニットが含まれた状態、(b)は一台の電力変換ユニットが離脱した状態(c)は一台の電力変換ユニットで構成された状態、を示す。
【図4】比較例としてのパワーコンディショナを示すブロック図である。
【図5】比較例としての電力変換装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態として示す電力変換装置の効果を説明する図であり、一般的な電力変換装置の出力電力の効率特性を示す。(a)は0.5kWの電力変換ユニットの電力変換効率を示し、(b)は1kWの電力変換ユニットの電力変換効率を示し、(c)は2kWの電力変換ユニットの電力変換効率を示す。
【図7】比較例としての一般的な定格4kwの電力変換装置の出力電力の効率特性を示す図である。
【図8】本発明の実施形態として示す電力変換装置におけるエネルギー制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施形態として示す電力変換装置における電力変換ユニットの構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施形態として示す電力変換装置において単一の電力変換ユニットで構成された状態を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施形態として示す電力変換装置においてエネルギー制御装置と単一の電力変換ユニットとで構成された状態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
本発明の実施形態として示す電力変換装置は、例えば図1(a)に示すように構成された多用途ポータブルパワーコンディショナに搭載される。この多用途ポータブルパワーコンディショナは、多様な端子やコンセント、機器、電動車両が接続される。多用途ポータブルパワーコンディショナは、接続された機器に対して適切な電圧の直流電力、適切な電圧や周波数の交流電力を供給するよう構成される。
【0018】
この多用途ポータブルパワーコンディショナは、太陽電池、住宅で使用されるAC100V/200V端子、据置型蓄電池、AC機器、電動車両EVが接続可能である。なお、多用途ポータブルパワーコンディショナは、図1に示した以外のDC機器やDC端子等も接続可能である。
【0019】
この多用途ポータブルパワーコンディショナは、複数のDC/DCコンバータ1,2,5やDC/ACコンバータ3,4が搭載されている。この多用途ポータブルパワーコンディショナは、内部に電力バス1Aを有している。DC/DCコンバータ1,2,5及びDC/ACコンバータ3,4は、電力バス1Aを介して相互に電力の授受が可能となっている。
【0020】
DC/DCコンバータ1は太陽電池に接続されている。DC/DCコンバータ1は、太陽電池の発電容量に応じた電力変換容量を有している。DC/DCコンバータ1は、太陽電池により発電した電力を所定電圧の直流電力に変換して電力バス1Aに供給可能である。
【0021】
DC/DCコンバータ2は据置型蓄電池に接続されている。DC/DCコンバータ2は、据置型蓄電池の所望の充放電レートに応じた電力変換容量を有している。DC/DCコンバータ2は、電力バス1Aを介して直流電力が供給され、当該直流電力を、充電用の所定電圧に変換して据置型蓄電池に充電する。また、DC/DCコンバータ2は、据置型蓄電池に充電された電力を、電力バス1Aに適した所定電圧に変換して供給可能である。
【0022】
DC/DCコンバータ5は電動車両EVに接続されている。DC/DCコンバータ5は、後述するように電力変換容量が可変となっている。DC/DCコンバータ5は、電動車両EVの充電時において、電力バス1Aから直流電力を取り出して、電動車両EVの充電用電圧に変換して電動車両EVに供給する。また、DC/DCコンバータ5は、電動車両EVの蓄電池の電力を他の機器に供給する場合に、電動車両EVの放電電力を所定電圧に変換して、電力バス1Aに供給する。
【0023】
DC/ACコンバータ3は、住宅のAC100V/200V端子に接続されている。DC/ACコンバータ3は、住宅における定格電力に応じた電力変換容量を有している。DC/ACコンバータ3は、電力系統の電力を据置型蓄電池や電動車両EVに充電させる場合に、交流電力が供給される。DC/ACコンバータ3は、供給された交流電力を所定電圧の直流電力に変換して、電力バス1Aに供給する。また、DC/ACコンバータ3は、住宅の家電機器等に電力を供給する場合に、太陽電池や据置型蓄電池や電動車両EVの蓄電池から供給された直流電力を交流電力に変換する。
【0024】
DC/ACコンバータ4はAC機器に接続されている。DC/ACコンバータ4は、後述するように電力変換容量が可変となっている。DC/ACコンバータ4は、住宅の家電機器等に電力を供給する場合に、太陽電池や据置型蓄電池や電動車両EVの蓄電池から供給された直流電力を交流電力に変換する。
【0025】
この多用途ポータブルパワーコンディショナにおいて、DC/DCコンバータ5、及び、DC/ACコンバータ4は、複数の電力変換ユニットを有する。
【0026】
DC/DCコンバータ5は、筐体の内部に、統括制御部としてのエネルギー制御装置51と電力変換ユニット5a〜5dとを有している。エネルギー制御装置51は、電力変換ユニット5a〜5dの動作を制御するものである。電力変換ユニット5a〜5dは、それぞれDC/DC変換を行う。電力変換ユニット5a〜5dのうち電力変換ユニット5a、5bは同じ電力変換容量であり、当該電力変換ユニット5a、5bとその他とはそれぞれ電力変換容量が異なっている。
【0027】
具体的には、DC/DCコンバータ5の全体の電力変換容量は単位時間当たり4kWである。DC/DCコンバータ5は、複数の電力変換ユニット5a〜5dによって、全体の電力変換容量を、複数の電力変換容量に分割している。各電力変換ユニット5a〜5dは、DC/DCコンバータ5全体の電力変換容量のうちの一部の電力変換容量が割り当てられている。この1ユニットあたりの電力変換容量の割り当て方は任意である。全てを同じ電力変換容量に分割してもよく、全てを異なる電力変換容量に分割してもよく、電力変換容量の同じ複数のものと電力変換容量が異なるものが混在していてもよい。
【0028】
図1の例では、電力変換ユニット5a、5bには0.5kWの電力変換容量が割り当てられている。電力変換ユニット5cには1.0kWの電力変換容量が割り当てられている。電力変換ユニット5dには2.0kWの電力変換容量が割り当てられている。
【0029】
DC/ACコンバータ4は、筐体の内部に、統括制御部としてのエネルギー制御装置41と電力変換ユニット4a〜4dとを有している。エネルギー制御装置41は、電力変換ユニット4a〜4dの動作を制御するものである。電力変換ユニット4a〜4dは、それぞれDC/AC変換を行う。電力変換ユニット4a〜4dのうち電力変換ユニット4a、4bは同じ電力変換容量であり、当該電力変換ユニット4a、4bとその他とはそれぞれ電力変換容量が異なっている。
【0030】
具体的には、DC/ACコンバータ4の全体の電力変換容量は4kWである。DC/ACコンバータ4は、複数の電力変換ユニット4a〜4dによって、全体の電力変換容量を、複数の電力変換容量に分割している。各電力変換ユニット4a〜4dは、DC/ACコンバータ4全体の電力変換容量のうちの一部の電力変換容量が割り当てられている。この1ユニットあたりの電力変換容量の割り当て方は任意である。全てを同じ電力変換容量に分割してもよく、全てを異なる電力変換容量に分割してもよく、電力変換容量の同じ複数のものと電力変換容量が異なるものが混在していてもよい。
【0031】
図1の例では、電力変換ユニット4a、4bには0.5kWの電力変換容量が割り当てられている。電力変換ユニット4cには1.0kWの電力変換容量が割り当てられている。電力変換ユニット4dには2.0kWの電力変換容量が割り当てられている。
【0032】
この多用途ポータブルパワーコンディショナにおいて、各電力変換ユニット5a〜5dはDC/DCコンバータ5に対して着脱可能である。したがって、DC/DCコンバータ5における電力変換ユニット5a〜5dのうち、ユーザが所望する電力変換ユニット5a〜5dを離脱させて持ち運び、電力変換装置として使用可能である。例えば図1(b)に示すように、電力変換ユニット5a〜5dのうち電力変換ユニット5aを離脱させて、DC機器としての電動車両同士を接続して電力変換できる。
【0033】
また、この多用途ポータブルパワーコンディショナにおいて、各電力変換ユニット4a〜4dはDC/ACコンバータ4に対して着脱可能である。したがって、DC/ACコンバータ4における電力変換ユニット4a〜4dのうち、ユーザが所望する電力変換ユニット4a〜4dを離脱させて持ち運び、使用可能である。例えば図1(c)に示すように、電力変換ユニット4a〜4dのうち電力変換ユニット4aを離脱させて、DC機器としての電動車両とAC機器とを接続して電力変換できる。
【0034】
このように多用途ポータブルパワーコンディショナのDC/ACコンバータ4及びDC/DCコンバータ5は、例えば図2に示すように構成されている。なお、以下の説明において、上述したDC/DCコンバータ5、DC/ACコンバータ4のように複数の電力変換ユニットを有したものを包括して「電力変換装置100」と呼ぶ。
【0035】
図2の電力変換装置100は、エネルギー制御装置101と、複数の電力変換ユニット102a〜102d(以下、総称する場合には単に「電力変換ユニット102」と呼ぶ。)とを有する。エネルギー制御装置101は、上述したエネルギー制御装置41、エネルギー制御装置51に相当する。電力変換ユニット102は、上述の電力変換ユニット4a〜4d、電力変換ユニット5a〜5dに相当する。
【0036】
この電力変換装置100には、図1(a)に示した各種の接続機器110が接続される。エネルギー制御装置101は、接続機器110及び電力変換ユニット102との間が通信線により接続されている。エネルギー制御装置101は、接続機器110及び電力変換ユニット102との間で通信信号の授受が可能となっている。電力変換ユニット102は、接続機器110との間が電力線により接続されている。電力変換ユニット102は、接続機器110との間で電力の授受が可能となっている。
【0037】
この電力変換装置100は、図3(a)のように、4個の電力変換ユニット102a〜102dを有し、全ての電力変換ユニット102が筐体に収容され、全ての電力変換ユニット102が電力線に接続されている。この状態において、電力変換装置100は、電力変換ユニット102bが取り外されると、図3(b)に示すような電力変換装置100Aと、図3(c)に示すような電力変換装置100Bとなる。
【0038】
電力変換装置100Aは、残りの電力変換ユニット102a、102c、102dによって電力変換を行う。このとき、エネルギー制御装置101は、電力変換ユニット102と通信し、電力変換ユニット102の情報(ユニット情報)を取得する。このユニット情報は、電力変換ユニット102自身のIDや電力変換容量を含む。また、エネルギー制御装置101は、接続機器110と通信し、接続機器110の接続機器情報を取得する。この接続機器情報は、接続機器110の機器仕様や現在のステータス情報、ID等を含む。接続機器110の機器仕様は、例えば定格の電力、電圧、電流といった電気仕様や機器特有の情報を含む。機器特有の情報は例えば電池であれば、電池容量、電池劣化度等の情報を含む。現在のステータス状態は供給可能電力、正常状態、異常状態等の情報を含む。
【0039】
エネルギー制御装置101は、電力変換ユニット102の構成及び接続機器110に合わせた最適な電力制御を行う。エネルギー制御装置101は、取得したユニット情報と接続機器情報とに基づいて、接続機器110同士の電力の入出力に最適な電力変換容量を決定し、当該電力変換容量に必要な電力変換ユニット102を起動する。これにより、エネルギー制御装置101は、接続機器110の機器仕様、現在のステータス情報に合わせて電力変換容量を容易に変更できる。
【0040】
例えば、接続機器110が住宅と電動車両EVの場合、エネルギー制御装置101は、電動車両EVの蓄電池から、充放電の最大電圧、電流、蓄電池の状態(電池容量、電池劣化度、異常状態)等の情報を取得する。また、エネルギー制御装置101は、住宅側の充放電指令等の情報を取得する。更に、エネルギー制御装置101は、現在における電力変換ユニット102の電力変換容量として、DC/DCコンバータの最大の電力変換容量が3.5kWといった状態等の情報を取得する。エネルギー制御装置101は、各情報から充放電の判定をし、出力可能な電力変換容量に応じてDC/DCコンバータに指令を出力して高効率な充放電制御を行う。
【0041】
この高効率な充放電制御は、接続機器110への供給可能電力に応じて、エネルギー制御装置101によって電力変換ユニット102の電力変換容量を切り換える。電力変換ユニット102は、出力電力に応じて電力変換効率が変化する。この電力変換効率は、一般的に図6、図7の電力変換効率特性のように出力電力と定格電力の差分が小さいほど高くなり、大きいほど低くなる。したがって、エネルギー制御装置101は、接続機器110の供給可能電力を取得すると、当該供給可能電力の最大電力を高効率に出力できるよう電力変換容量を調整する。すなわち、電力変換容量が供給可能電力の最大電力に近くなるよう電力線に接続する電力変換ユニット102a〜102dを選択して電力変換装置100内の電力変換容量を切り換える。例えば、接続機器110間の充放電電力が1.4kW程度である場合、エネルギー制御装置101は、電力変換ユニット102a、102cを選択することとなる。
【0042】
一方、電力変換装置100から取り外された電力変換ユニット102bを含む電力変換装置100Bは、図3(c)に示すように、他の接続機器110’に接続される。電力変換ユニット102bは、他の接続機器110’との間で通信線及び電力線を介して接続する。この状態において、電力変換ユニット102bは、接続機器110’と通信を行って、接続機器110’間で授受される電力に対してDC/DC変換又はDC/AC変換を行う。
【0043】
以上のように、電力変換装置100は、電力変換ユニット102を着脱可能とし、複数の電力変換ユニット102が装着されている状態において、当該複数の電力変換ユニット102の合計した電力変換容量の範囲内で電力変換が実施可能である。一方、離脱した電力変換ユニット102は、自己の電力変換容量の範囲内で電力変換が実施可能である。すなわち、電力変換ユニット102は、分離元、分離先でそれぞれ並列で動作可能である。
【0044】
このような電力変換装置100によれば、電力変換ユニット102を着脱可能としたことによって、各電力変換ユニット102の重量が軽くなり、容易に持ち運ぶことができる。また、この電力変換装置100によれば、DC/DCコンバータとDC/ACインバータの定格電力(電力変換容量)の変更を容易にすることができ、高効率な充放電制御を実現できる。したがって、この電力変換装置100は、持ち運びが容易且つ高効率なパワーコンディショナを実現できる。
【0045】
また、この電力変換装置100によれば、接続機器110間の供給可能電力に応じて電力変換ユニット102の電力変換効率が最大となるようエネルギー制御装置101が電力変換ユニット102の構成を切り換えることができる。したがって、この電力変換装置100によれば、電力損失を抑えた高効率な電力変換を実現でき、電力の無駄を抑制できる。また、電力変換装置100によれば、電力変換効率を高くすることによって電力変換ユニット102の放熱量を減少できる。したがって、放熱用ファンの小型化又は不要にすることが可能となり、小型化が図れる。
【0046】
更に、複数の電力変換ユニット102の組み合わせをエネルギー制御装置101が切り換えることによって電力変換容量を変更できるので、取り外した電力変換ユニット102と残った電力変換ユニット102とのそれぞれで、並列動作させることができる。具体的には、1つの電力変換ユニット102を取り外して電動車両EV同士の充放電を行い、残った電力変換ユニット102により住宅と電動車両EVとの間の充放電を行うことができる。
【0047】
更にまた、この電力変換装置100によれば、接続機器110の機器仕様に合わせて、任意の電力変換容量の電力変換ユニット102に入れ替えて電力変換装置100の各電力変換ユニット102を合計した電力変換容量を容易に変更できる。これにより、小電力から大電力までの接続機器に対応でき、多用途化を実現できる。例えば、住宅と電動車両EVの充放電だけでなく、電動車両EV同士の充放電や、電動車両EVから家電等のAC機器への給電を可能とする。
【0048】
比較例としては、図4に示すようにDC/DCコンバータやDC/ACコンバータが4kWの電力変換容量で構成されている。この比較例における電力変換装置は、図5のように単一の電力変換ユニットにより構成されている。すると、単一のDC/DCコンバータ、DC/ACコンバータの電力変換容量が大きいため、サイズが大きく重い。また、DC/DCコンバータやDC/ACコンバータを取り外すと、取り外した箇所では電力変換ができず、並列動作ができない。更に、この比較例では、供給可能電力に応じて電力変換容量の変更ができず、高効率で電力変換ができない問題がある。これに対し、本実施形態の電力変換装置100によれば、電力変換容量が少ない小型且つ軽量の電力変換ユニット102を持ち運びでき、且つ、並列動作も実現でき、高効率な充放電制御も実現できる。
具体的な効果を図6及び図7を参照して説明する。
【0049】
図2に示すように、複数の電力変換ユニット102によって全体で4kWの電力変換容量を構成し、エネルギー制御装置101の制御によって供給可能電力に応じた電力変換容量の最適化を実現できる。図6、図7に一般的な電力変換装置の各電力変換容量の効率特性を示す。図6(a)は、0.5kWの電力変換ユニット102の電力変換効率は、0.5kWの出力電力で95%となることを示している。図6(b)は、1kWの電力変換ユニット102の電力変換効率は、1kWの出力電力で95%となることを示している。図6(c)は、2kWの電力変換ユニット102の電力変換効率は、2kWの出力電力で95%となることを示している。したがって、この電力変換装置100は、接続機器110で授受される供給可能電力に合わせて電力変換ユニット102の組み合わせをエネルギー制御装置101の制御で切り換えることによって、電力変換効率を高くできる。
【0050】
例えば接続機器110の供給電力が0.5kWの場合、0.5kWの電力変換ユニット102のみを動作させれば、95%の電力変換効率を実現できる。1kWの充放電電力の場合には0.5kWの電力変換ユニット102を2台起動、又は1kWの電力変換ユニット102のみを起動すれば、電力変換効率は95%にできる。2kWの出力電力の場合には0.5kWの電力変換ユニット102を2台、1kWの電力変換ユニット102を起動すれば電力変換効率は95%にできる。4kWの出力電力の場合には0.5kWの電力変換ユニット102を2台、1kWの電力変換ユニット102、2kWの電力変換ユニット102を起動すれば電力変換効率は95%にできる。
【0051】
これに対し、単一の4kWの電力変換ユニット102の場合には、図7に示すように、4kW付近の出力電力でない場合には、電力変換効率が低下してしまう。具体的には、4kWの充放電電力の場合には電力変換効率は95%にできる。しかし、0.5kWの充放電電力の場合には電力変換効率は70%となり、1kWの充放電電力の場合には電力変換効率は80%であり、2kWの充放電電力の場合には電力変換効率は90%となってしまう。
【0052】
したがって、本実施形態の電力変換装置100によれば、接続機器110の供給可能電力に応じて電力変換ユニット102の組み合わせをエネルギー制御装置101によって制御して、電力変換効率を向上できる。
【0053】
つぎに、上述した電力変換装置100において、エネルギー制御装置101及び電力変換ユニット102の構成について説明する。
【0054】
エネルギー制御装置101は、図8に示すように、着脱機構111、結合ロック機構112を有する。一方で、電力変換ユニット102は、図9に示すように、着脱機構121、結合ロック機構122を有する。
【0055】
エネルギー制御装置101の着脱機構111と電力変換ユニット102の着脱機構121は、互いに装着及び離脱するような機構を有している。互いの着脱機構111、121は、各電力変換ユニット102の筐体とエネルギー制御装置101の筐体との間を、当該各筐体の外面同士で結合する。ユーザによってエネルギー制御装置101の筐体と電力変換ユニット102の筐体とを密着させることによって、エネルギー制御装置101と電力変換ユニット102とが相互の着脱機構111、121によって機械的に装着可能である。また、着脱機構111、121によって装着された状態で、エネルギー制御装置101の結合ロック機構112と電力変換ユニット102の結合ロック機構122とは、当該装着状態をロックする。この結合ロック機構112、122によって、着脱機構111、121による装着状態は、ロックが解除されない限り固定されたものとなる。
【0056】
また、電力変換ユニット102は、他の電力変換ユニット102との間でも、互いの着脱機構111によって、相互の電力変換ユニット102の筐体同士を密着させて機械的に装着可能である。また、相互の結合ロック機構112は、電力変換ユニット102同士の着脱機構111による装着状態を、ロックが解除されない限り固定できる。
【0057】
このような着脱機構111、121、結合ロック機構112、122によれば、エネルギー制御装置101と電力変換ユニット102又はエネルギー制御装置101同士の筐体同士を密着させて装着及びロックをすることができる。したがって、このエネルギー制御装置101及び電力変換ユニット102によれば、ユーザによって簡単に持ち運びができるサイズ、重さにしても、安全性を向上できる。例えば、筐体同士を結合した状態でロックすることにより、地震等による意図しない分離を防止できる。
エネルギー制御装置101は、内部に、制御部113、電源スイッチ114、通信I/F115、表示装置116、記憶部117、及び、情報入力装置118を有する。
【0058】
制御部113は、エネルギー制御装置101の動作を制御するマイコン等で構成される。
【0059】
電源スイッチ114は、電力変換ユニット102における電力変換動作を許可又は禁止で切り換える。電源スイッチ114は、ユーザにより操作可能な物理的なスイッチであってもよく、制御部113の表示画面上で設定するものであってもよい。電源スイッチ114は、安全性を向上させるため、オフとされた場合には電力線に接続された各電力変換ユニット102を停止させることができる。
【0060】
エネルギー制御装置101に電源スイッチ114を備えることにより、各電力変換ユニット102に備える電源スイッチを削減できる。
【0061】
また、電力変換ユニット102の電力変換容量をユニット数の増減により変更する場合、電力変換動作中の変更は危険となる。このため、エネルギー制御装置101の電源スイッチ114をオフとすることにより、全電力変換ユニット102の動作を停止させる。その後、各電力変換ユニット102の動作停止を後述の表示装置131により確認後に、後述の電力変換ユニット102の電源端子124,128から電源ケーブルと通信ケーブルを外してユニット数の変更を行うことができる。
【0062】
通信I/F115は、通信線を介して接続機器110及び電力変換ユニット102と接続される。通信I/F115は、接続機器110から接続機器の情報を受信し、電力変換ユニット102からユニット情報を受信する。
【0063】
表示装置116は、LEDやディスプレイ等からなり、制御部113の制御に従って、各種の情報を表示する。この表示装置116は、特に、電力変換ユニット102が停止している情報や、電力変換ユニット102の異常を表示して、ユーザに提示する。これにより電力変換装置100は、安全性を向上できる。
【0064】
記憶部117は、電力変換ユニット102を動作させている最中において、当該電力変換ユニット102から供給された電圧、電流情報を記憶しておく。また、記憶部117は、電源スイッチ114によるスイッチ状態を記憶しておく。更に、記憶部117は、通信I/F115により受信した接続機器110の情報や電力変換ユニット102のユニット情報を記憶する。また、記憶部117は、予め接続機器110や電力変換ユニット102の機器仕様やID等の情報を記憶する。
【0065】
情報入力装置118は、接続機器の情報を入力する。情報入力装置118は、ユーザが接続機器110を確認した上で操作される。この情報入力装置118は、表示装置116に内蔵されたタッチパネルであってもよく、テンキー等であってもよい。
【0066】
制御部113は、通信I/F115によって接続機器110から取得した情報と記憶部117に記憶された情報と機器仕様やID等を参照する。この参照により、制御部113は、電力線に装着された電力変換ユニット102の組み合わせと、接続機器110に供給する電力に応じて、当該電力線に接続された電力変換ユニット102のうち電力変換を実施する電力変換ユニット102を選択する。具体的には、制御部113は、接続機器110の情報によって取得した供給可能電力に応じて、最適な電力変換効率となるよう電力変換ユニット102の組み合わせを選択する。
【0067】
また、制御部113は、情報入力装置118により入力した接続機器110の機器仕様の情報と、各電力変換ユニット102から受信した実際の電圧、電流値の情報とが異なり、定格外の値だった場合に、当該各電力変換ユニット102の動作を停止する。例えば、エネルギー制御装置101に登録した接続機器110の情報である定格の電圧・電流値等と、実際の電力変換ユニット102の電圧/電流検出回路125、129で検出した電力変換装置100の入出力電圧、電流値等が異なり、定格外の場合ある。このとき、制御部113は、通信I/F115を介して当該電力変換ユニット102に対して停止信号を送信する。電力変換ユニット102の動作を停止させると、制御部113は、当該電力変換ユニットの動作の停止を表示装置116に提示する。
【0068】
これにより電力変換装置100は、現在の入出力電圧、電流等と接続機器110の機器仕様とが適合しない場合であっても、当該状態を検出して提示できる。これにより、電力変換装置100は、安全性を向上できる。
【0069】
制御部113は、記憶部117又は電力変換ユニット102に接続機器情報が登録されていない場合、情報入力装置118から接続機器情報を記憶部117に登録できる。これにより、エネルギー制御装置101に登録した接続機器情報に基づいて、制御部113は、各電力変換ユニット102に起動/停止や供給電力量の情報を送信して、全体の電力変換容量を調整できる。このような情報入力装置118をエネルギー制御装置101に備えることによって、電力変換ユニット102を組み合わせて並列動作が可能となる。
【0070】
更に、制御部113は、各電力変換ユニット102から入出力の電圧、電流値等の異常を検知した場合には当該異常が通信I/F115を介して通知される。なお、制御部113は、各電力変換ユニット102の入出力値に限らず、その他の各電力変換ユニット102の異常も検知してもよい。これに応じ、制御部113は、各電力変換ユニット102から異常が通知された場合に、当該各電力変換ユニット102の動作を停止するよう制御信号を送信する。そして、制御部113は、動作を停止する制御をして当該電力変換ユニットの異常を表示装置116によって表示することによってユーザに提示する。
【0071】
また、電力変換ユニット102は、内部に、制御部123、電源端子124、電圧/電流検出回路125、通信I/F126、パワー部127、電源端子128、電圧/電流検出回路129、記憶部130、及び、表示装置131を有する。
【0072】
パワー部127は、電力変換を実施する電力変換部である。このパワー部127は、DC/DCコンバータ回路又はDC/ACコンバータ回路を含んでいる。このパワー部127により入出力される電力は、電源端子124、電源端子128を介して接続機器110との間で授受される。また、電源端子124を介して接続機器110との間で授受される電力は、電圧/電流検出回路125により検出される。電源端子128を介して接続機器110との間で授受される電力は、電圧/電流検出回路129により検出される。この検出された電圧又は電流は、制御部123の制御によって、通信I/F126からエネルギー制御装置101に送信される。
【0073】
記憶部130は、パワー部127に接続される接続機器110の機器仕様やID等の情報を記憶する。また、記憶部130は、自己のユニット情報としての機器仕様やID等の情報を記憶している。
【0074】
通信I/F126は、接続機器110又はエネルギー制御装置101と通信する通信部として機能する。
【0075】
表示装置131は、LEDやディスプレイ等からなり、制御部113の制御に従って、各種の情報を表示する。この表示装置131は、特に、電力変換ユニット102が停止している情報や、電力変換ユニット102の異常を表示して、ユーザに提示する。これにより電力変換装置100は、安全性を向上できる。
【0076】
制御部123は、通信I/F126によって接続機器110から取得した情報と記憶部130に記憶されたユニット情報と機器仕様やID等を照合する。接続機器110の情報が記憶部130に登録済みであれば、当該登録済みの接続機器110に対応した電力変換制御プログラムを読み出す。これにより、エネルギー制御装置101を使用することなく、電力変換ユニット102単体でパワー部127により電力変換を制御する。
【0077】
また、制御部123は、ユニット情報をエネルギー制御装置101に送信する。これにより、エネルギー制御装置101は、各電力変換ユニット102の電力変換容量の合計から電力変換装置100内の電力変換容量を算出し、上述したように接続機器の仕様を満たせるか判定できる。更に制御部123は、電力変換を行っているときに、パワー部127で入出力する電力の電圧値、電流値をエネルギー制御装置101に出力する。これにより、エネルギー制御装置101は、電力変換ユニット102により異常な入出力値を検知した場合に、当該電力変換ユニット102に対して動作を停止するよう制御できる。
【0078】
このような電力変換ユニット102aは、図10に示すように、単一でも電力変換可能である。この場合、電力変換ユニット102aは、接続機器110’の情報が記憶部130に登録済みである場合には、接続機器110’と通信して認証処理を行う。このとき、電力変換ユニット102aは、接続機器110’が接続されたことを電源端子124、電源端子128の装着により検出する。これに応じ、制御部123は、接続された接続機器110’に対して接続機器情報を送信するよう要求して、接続機器110’から接続機器情報としてのIDを取得する。制御部123は、取得した接続機器情報と記憶部130に記憶している接続機器情報とを照合して、電力変換を行うか否かを判定する。制御部123は、IDを照合して、記憶部130に記憶しているIDで接続機器110’が電力供給可能な状態である場合には、電力変換を開始する。これにより、電力変換ユニット102aは、予め設定した接続機器110’を示すID又は予め設定した接続機器110’の種類を示すIDを有する場合には、エネルギー制御装置101を使用することなく電力変換を行うことができる。
【0079】
また、電力変換ユニット102aは、記憶部130に接続された接続機器110’の情報が記憶されていない場合には、図11のように構成し、エネルギー制御装置101aの制御に従って電力変換ユニット102によって電力変換を行う。このとき、エネルギー制御装置101aは、接続機器110’と通信を行って、当該接続機器110’の接続機器情報としての機器仕様やID等を取得する。電力変換ユニット102aは、エネルギー制御装置101aにより取得した出力電力、電圧、電流値等の指令情報に従って電力変換を行う。
【0080】
以上のように、電力変換装置100における電力変換ユニット102は、1つの電力変換ユニット102のみであっても記憶部130に接続機器110’の情報が予め格納されていれば電力変換が可能である。また、電力変換ユニット102は、エネルギー制御装置101を有していれば、予め登録されていない接続機器110’であっても接続して電力変換が可能である。
【0081】
したがって、接続機器110に拘わらず、1つの電力変換ユニット102のみ、又はエネルギー制御装置101と電力変換ユニット102の組み合わせで動作可能であり、電力変換ユニット102のユニット数と各容量は任意である。これにより、電力変換ユニット102の多用途化、並列動作が可能となる。更に、予め登録された接続機器110’であればエネルギー制御装置101を不要とすることができる。
【0082】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0083】
100 電力変換装置
101 エネルギー制御装置(統括制御部)
102 電力変換ユニット
127 パワー部(電力変換部)
130 記憶部(電力変換ユニット)
117 記憶部(エネルギー制御装置)
110 接続機器
126 通信I/F(通信部)
113 制御部(電力変換ユニット)
123 制御部(エネルギー制御装置)
114 電源スイッチ
111、121 着脱機構
112、122 結合ロック機構(ロック機構)
118 情報入力装置(情報入力部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容され、電力変換装置全体の電力変換容量のうちの一部の電力変換容量が割り当てられた電力変換ユニットを複数有し、
各電力変換ユニットが、他の電力変換ユニットが接続された電力線と着脱可能とし、
前記複数の電力変換ユニットが前記電力線に装着されている状態において、当該複数の電力変換ユニットの合計した電力変換容量の範囲内で電力変換が実施可能であり、
各電力変換ユニットが前記電力線から離脱している状態において、当該各電力変換ユニットは、自己の電力変換容量の範囲内で電力変換が実施可能であること
を特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記各電力変換ユニットは、
電力変換を実施する電力変換部と、
前記電力変換部に接続される接続機器の情報を記憶する記憶部と、
前記接続機器と通信する通信部と、
前記通信部によって前記接続機器から取得した情報と前記記憶部に記憶された情報とを照合して、前記接続機器の仕様に合わせた電力変換を前記電力変換部にて制御する制御部と
を有することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記電力変換部に接続される接続機器の情報と前記電力線に装着された各電力変換ユニットの情報を記憶する記憶部と、
前記接続機器又は前記各電力変換ユニットと通信する通信部と、
前記通信部によって前記接続機器から取得した情報と前記記憶部に記憶された情報とを参照をして、前記接続機器から取得した機器仕様に合わせた電力変換を実施するために、前記各電力変換ユニットから取得した情報に基づいて、前記各電力変換ユニットの組み合わせを選択して、前記各電力変換ユニットの電力変換制御を実施する制御部を備える統括制御部と、
前記各電力変換ユニットは、前記統括制御部と通信する通信部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記統括制御部は、
前記接続機器の情報を入力する情報入力部を有し、
前記情報入力装置により入力した前記接続機器の情報を前記記憶部に格納し、前記接続機器の情報である前記接続機器の仕様に合わせた前記電力変換を実施する電力変換ユニットを選択することを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記各電力変換ユニットは電圧/電流検出回路を有し、
前記統括制御部は、前記情報入力部により入力した前記接続機器の仕様の情報と、前記各電力変換ユニットの電圧/電流検出回路が動作時に検出した電圧、電流値が前記接続機器の定格外の場合に、異常状態と判定し、当該各電力変換ユニットの動作を停止し、当該電力変換ユニットの動作の停止を提示することを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項6】
各電力変換ユニットが異常を検知した場合には当該異常を前記統括制御部に通知し、
前記統括制御部は、前記各電力変換ユニットから異常が通知された場合に、当該各電力変換ユニットの動作を停止し、当該電力変換ユニットの異常を提示することを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記統括制御部は電源スイッチを有し、前記電源スイッチがオフとされた場合には前記電力線に接続された各電力変換ユニットを停止させることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記各電力変換ユニット及び前記統括制御部は、前記各電力変換ユニットの筐体と前記統括制御部の筐体との間を、当該各筐体の外面同士で結合する着脱機構と、当該着脱機構による装着状態をロックするロック機構とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の電力変換装置。
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容され、電力変換装置全体の電力変換容量のうちの一部の電力変換容量が割り当てられた電力変換ユニットを複数有し、
各電力変換ユニットが、他の電力変換ユニットが接続された電力線と着脱可能とし、
前記複数の電力変換ユニットが前記電力線に装着されている状態において、当該複数の電力変換ユニットの合計した電力変換容量の範囲内で電力変換が実施可能であり、
各電力変換ユニットが前記電力線から離脱している状態において、当該各電力変換ユニットは、自己の電力変換容量の範囲内で電力変換が実施可能であること
を特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記各電力変換ユニットは、
電力変換を実施する電力変換部と、
前記電力変換部に接続される接続機器の情報を記憶する記憶部と、
前記接続機器と通信する通信部と、
前記通信部によって前記接続機器から取得した情報と前記記憶部に記憶された情報とを照合して、前記接続機器の仕様に合わせた電力変換を前記電力変換部にて制御する制御部と
を有することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記電力変換部に接続される接続機器の情報と前記電力線に装着された各電力変換ユニットの情報を記憶する記憶部と、
前記接続機器又は前記各電力変換ユニットと通信する通信部と、
前記通信部によって前記接続機器から取得した情報と前記記憶部に記憶された情報とを参照をして、前記接続機器から取得した機器仕様に合わせた電力変換を実施するために、前記各電力変換ユニットから取得した情報に基づいて、前記各電力変換ユニットの組み合わせを選択して、前記各電力変換ユニットの電力変換制御を実施する制御部を備える統括制御部と、
前記各電力変換ユニットは、前記統括制御部と通信する通信部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記統括制御部は、
前記接続機器の情報を入力する情報入力部を有し、
前記情報入力装置により入力した前記接続機器の情報を前記記憶部に格納し、前記接続機器の情報である前記接続機器の仕様に合わせた前記電力変換を実施する電力変換ユニットを選択することを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記各電力変換ユニットは電圧/電流検出回路を有し、
前記統括制御部は、前記情報入力部により入力した前記接続機器の仕様の情報と、前記各電力変換ユニットの電圧/電流検出回路が動作時に検出した電圧、電流値が前記接続機器の定格外の場合に、異常状態と判定し、当該各電力変換ユニットの動作を停止し、当該電力変換ユニットの動作の停止を提示することを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項6】
各電力変換ユニットが異常を検知した場合には当該異常を前記統括制御部に通知し、
前記統括制御部は、前記各電力変換ユニットから異常が通知された場合に、当該各電力変換ユニットの動作を停止し、当該電力変換ユニットの異常を提示することを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記統括制御部は電源スイッチを有し、前記電源スイッチがオフとされた場合には前記電力線に接続された各電力変換ユニットを停止させることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記各電力変換ユニット及び前記統括制御部は、前記各電力変換ユニットの筐体と前記統括制御部の筐体との間を、当該各筐体の外面同士で結合する着脱機構と、当該着脱機構による装着状態をロックするロック機構とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の電力変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−110879(P2013−110879A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254729(P2011−254729)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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