説明

電力変換装置

【課題】千鳥結線変圧器を用いてMMCC−DSCCの変圧器とリアクトルを一体化した従来技術では、変圧器2次巻線に既定の電圧を得るためには、Y結線やΔ結線に比較して、巻数を約15%増加させる必要があるという課題があった。
【解決手段】本発明は、少なくとも第1、第2、および第3の3つの巻線と、エネルギー貯蔵素子を備えた少なくとも2端子の回路要素1つまたは複数個の直列体からなる第1および第2のアームとを備え、前記第2の巻線と前記第1のアームが第1の直列体を構成しており、前記第3の巻線と前記第2のアームが第2の直列体を構成しており、前記第1と第2の直列体が直列接続されており、前記第2と前記第3の巻線の起磁力が逆極性となるように、前記第1、第2、および第3の巻線が磁気結合している回路を少なくとも1つ以上有することを特徴とする電力変換装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力変換装置に関し、特に双方向チョッパ回路や単相フルブリッジ回路などで構成された単位変換器を複数カスケード接続したアームを用いて構成される電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1は、Modular Multilevel Cascade Converter(MMCC)と称する4種の電力変換装置の回路構成とその応用可能性について開示している。
【0003】
4種のMMCCのうち、MMCC−DSCC(Double-STAR Chopper Cells)はモータドライブや直流送電システム(HVDC)に応用可能な回路方式である。
【0004】
MMCC−DSCCでは、双方向チョッパ回路の直列体であるアームと直列に、バッファリアクトルを接続する必要があった。例えば、三相のMMCC−DSCCではアームが6つ存在するため、6つのバッファリアクトルが必要である。
【0005】
MMCC−DSCCを特別高圧送電系統に対して連系する場合、変圧器を用いて電圧のマッチングや絶縁を確保することが一般的である。
【0006】
特許文献1はこの変圧器と前記のバッファリアクトルとを一体化可能とする回路方式を開示している。
【0007】
特許文献1によれば、変圧器の2次巻線を千鳥結線とすることによって、ある相のアームに流れる直流電流に起因する直流起磁力を、他の相のアームに流れる直流電流に起因する直流起磁力で相殺することが可能となった。直流起磁力を相殺しているため、変圧器鉄心を通る磁束を交流成分のみとしながら、変圧器巻線には直流電流を流すことができ、変圧器とバッファリアクトルを一体化可能である。
【0008】
本明細書では、特許文献1で開示されている電力変換装置をZC(Zero-Sequence Canceling)−MMCCと呼称することにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−233411号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】H. Akagi,“Classification, terminology, and applications of the modular multilevel converter(MMCC)”、IPEC 2010, pp. 508-515.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ZC−MMCCでは、変圧器2次巻線が千鳥結線であるため、ある相の2次巻線は電気的に直列接続された2つの部分巻線に分割されており、それぞれが鉄心の別の脚に巻回されている。
【0012】
2つの脚に巻回された2つの部分巻線に生じる電圧には60度の位相差があるが、変圧器2次巻線の端子に現れる電圧はこの2つの部分巻線に生じる電圧のベクトル和である。そのため、その振幅は、それぞれの部分巻線に生じる電圧振幅のスカラー和に比較して、例えば約15%、小さくなる。
【0013】
すなわち、千鳥結線変圧器では、2次巻線に既定の電圧を得るためには、Y結線やΔ結線に比較して、例えば巻数を約15%、増加させる必要があるという問題があった。
【0014】
また、ZC−MMCCでは、各アームの出力電圧指令値に零相成分を重畳させると、その零相成分が直流端子に現れる。
【0015】
このため、各アームの出力電圧指令値に、例えば3次高調波電圧を重畳させることによる電圧利用率を向上させる制御を行うことができないという問題があった。本発明の目的は、上記の問題点の少なくとも1つを解決することが可能な電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上記目的を達成するために、第1、第2、および第3の巻線と、エネルギー貯蔵素子を備えた少なくとも2端子の回路要素を1つまたは複数個直列接続してなるアームを第1および第2のアームとを備え、前記第2の巻線と前記第1のアームが直列接続されており、前記第3の巻線と前記第2のアームが直列接続されており、前記第2と第3の巻線が電気的に直列接続されており、前記第1、第2、および第3の巻線が、前記第2と前記第3の巻線の起磁力が逆極性となるように磁気結合する構成とするものである。
【0017】
また、本発明は、第1の三相巻線と、Y結線された第2の三相巻線と、Y結線された第3の三相巻線とを、前記第1と前記第2の三相巻線が相毎に互いに同極性となるように、また、前記第2と第3の三相巻線が相毎に互いに逆極性となるように磁気結合し、前記第2の三相巻線の中性点と、前記第3の三相巻線の中性点とを電気的に接続し、前記第2の三相巻線の3つの端子それぞれに、エネルギー貯蔵素子を備えた少なくとも2端子の回路要素1つまたは複数個の直列体からなるアームを接続し、前記第2の三相巻線に接続された3つのアームをY結線してその中性点を第1の直流端子とし、前記第3の三相巻線の3つの端子それぞれに、エネルギー貯蔵素子を備えた少なくとも2端子の回路要素である単位変換器の1つまたは複数個の直列体からなるアームを接続し、前記第3の三相巻線に接続された3つのアームをY結線してその中性点を第2の直流端子とし、前記第1の三相巻線の3つの端子を第1〜第3の交流端子としたものである。
【0018】
また、本発明は、前記第1〜第3の巻線を、鉄心を介して磁気結合させたものである。
【0019】
また、本発明は、前記第2の三相巻線と前記第3の三相巻線の巻数を概ね同数とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、変圧器のアーム側の巻線の巻数を、例えば約15%、低減できるという効果が得られる。
【0021】
また、前記第1の直流端子に接続した3つのアームと、前記第2の直流端子に接続した3つのアームとでは、出力電圧指令値の交流成分が概ね逆極性となるため、アームの出力電圧指令値に零相成分を重畳させても、その零相成分は直流端子に現れない。したがって、直流端子の電圧に影響を与えることなく、各アームの出力電圧指令値に例えば3次高調波電圧を重畳させることによる電圧利用率向上制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に基づく電力変換装置。
【図2】双方向チョッパ回路方式の単位変換器。
【図3】概略波形。
【図4】電圧利用率向上制御を適用した場合の概略波形。
【図5】フルブリッジ回路方式の単位変換器。
【図6】本発明の他の実施例を示す図。
【図7】本発明のように他の実施例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を実施するための形態を実施例として以下に図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0024】
本発明を実施する第1の形態について説明する。
【0025】
実施例1では、従来技術によるZC−MMCCに比較して変圧器のアーム側の巻線の巻数を約15%低減できることに特徴がある。
【0026】
また、実施例1では、直流端子の電圧に影響を与えることなく、各アームの出力電圧指令値に例えば3次高調波電圧を重畳させることによる電圧利用率向上制御(以下、電圧利用率向上制御と称する)が可能となる。
【0027】
以下、図1を用いて実施例1の全体構成を説明する。
【0028】
電力変換装置102は、変圧器103を介して電力系統101に連系している。
【0029】
また、電力変換装置102のP点とN点の間には直流装置109が接続されている。直流装置109は、抵抗器などの直流負荷、直流電源、もう1台の電力変換装置102などを代表して描いたものである。
【0030】
電力変換装置102は、変圧器103、6つのアーム107RP、SP、TP、RN、SN、TNから構成されている。以下、変圧器103の構成を説明した後に、アーム107RP、SP、TP、RN、SN、TNの構成、単位変換器108の構成を説明する。電力変換装置102の動作原理と変圧器103の鉄心に直流磁束が発生しない原理については後述する。
【0031】
変圧器103は鉄心104R、S、T、1次巻線105R、S、T、正側2次巻線106RP、SP、TP、負側2次巻線106RN、SN、TNから構成されている。
【0032】
正側2次巻線106RP、SP、TPはY結線されており、それぞれが鉄心104R、S、Tに巻回されている。
【0033】
負側2次巻線106RN、SN、TNはY結線されており、それぞれが鉄心104R、S、Tに巻回されている。
【0034】
Y結線された正側2次巻線106RP、SP、TPの中性点と、Y結線された負側2次巻線106RN、SN、TNの中性点は、電気的に接続されており、図1では接続点をM点で図示している。
【0035】
また、正側2次巻線106RP、SP、TPと負側2次巻線106RN、SN、TNとは、相毎に互いに逆極性となるように磁気結合している。
【0036】
さらに、鉄心104R、S、Tには1次巻線105RS、ST、TRが巻回されている。1次巻線105RS、ST、TRはΔ結線され、電力系統101に接続している。
【0037】
このように、変圧器103の各鉄心104R、S、Tのそれぞれには、1次巻線105RS、ST、TR、正側2次巻線106RP、SP、TP、負側2次巻線106RN、SN、TNの少なくとも3つの巻線が巻回されている。
【0038】
図1においては、1次巻線105RS、ST、TRは正側2次巻線106RP、SP、TPと同極性となるように磁気結合しているが、1次巻線105RS、ST、TRが負側2次巻線106RN、SN、TNと同極性となるように磁気結合させた場合も、同様の効果を得ることができる。
【0039】
以下、アーム107RP、SP、TP、RN、SN、TNの接続を説明する。
【0040】
アーム107RP、SP、TPの一端は、それぞれ正側2次巻線106RP、SP、TPのM点とは逆側のRP点、SP点、TP点に接続されている。また、アーム107RP、SP、TPの他端はY結線されており、電力変換装置102のP点に接続されている。P点は電力変換装置102の直流端子の1つである。
【0041】
アーム107RN、SN、TNの一端は、それぞれ負側2次巻線106RN、SN、TNのM点とは逆側のRN点、SN点、TN点に接続されている。また、アーム107RN、SN、TNの他端はY結線されており、電力変換装置102のN点に接続されている。N点は電力変換装置102の直流端子の1つである。
【0042】
以下、図2を用いて単位変換器108の構成を説明する。なお、j=RP、RN、SP、SN、TP、TNであり、アーム107内の単位変換器の個数をnとすれば、k=1、2、…、nである。
【0043】
単位変換器108は、スイッチング素子(ハイサイドスイッチング素子)201Hと環流ダイオード(ハイサイド環流ダイオード)202Hの並列体と、スイッチング素子(ローサイドスイッチング)素子201Lと環流ダイオード(ローサイド環流ダイオード)202Lの並列体との直列体と、コンデンサ203との並列体である。
【0044】
スイッチング素子(ハイサイドスイッチング素子)201Hと環流ダイオード(ハイサイド環流ダイオード)202Hの並列体と、スイッチング素子(ローサイドスイッチング素子)201Lと環流ダイオード(ローサイド環流ダイオード)202Lの並列体との接続点を、図2ではX点で示した。
【0045】
単位変換器108の出力電圧Vjkは、X点とコンデンサのL点との間の電圧であり、Vjkはスイッチング素子(ハイサイドスイッチング素子)201Hとスイッチング素子(ローサイドスイッチング素子)201Lのスイッチング状態によって制御できる。
【0046】
スイッチング素子(ハイサイドスイッチング素子)201がオン、スイッチング素子(ローサイドスイッチング素子)201Lがオフの場合、Vjkはコンデンサ203の電圧VCjkと概ね等しくできる。本明細書ではこの状態を、単位変換器がオンしている、と称する。
【0047】
スイッチング素子(ハイサイドスイッチング素子)201がオフ、スイッチング素子(ローサイドスイッチング素子)201Lがオンの場合、Vjkは概ね零と等しくできる。本明細書ではこの状態を、単位変換器がオフしている、と称する。
【0048】
スイッチング素子(ハイサイドスイッチング素子)201と、スイッチング素子(ローサイドスイッチング素子)201Lが共にオンの場合、コンデンサ203が短絡されてしまうため、このような動作は禁止する。
【0049】
スイッチング素子(ハイサイドスイッチング素子)201と、スイッチング素子(ローサイドスイッチング素子)201Lが共にオフの場合、Vjkは電流Ijの極性に依存する。Ij>0の場合、Vjkは概ね零に等しい。また。Ij<0の場合、Vjkはコンデンサ電圧VCjkに概ね等しい。
【0050】
1つのアーム107j(j=RP、RN、SP、SN、TP、TN)にn個の単位変換器108が含まれている場合、すべての単位変換器108のコンデンサ203の電圧VCjk(k=1、2、…、n)がすべて等しくVCであると近似すれば、アームの出力電圧Vjは零からnVCまでのnレベルの任意の波形に制御できる。
【0051】
以下、図3を用いて電力変換装置102の動作原理を説明する。図3は電力変換装置102が整流器運転(電力系統101から直流装置109に電力伝送)を行っている場合の概略動作波形である。
【0052】
図3では、1次巻線105、正側2次巻線106、負側2次巻線106の巻数比を、例として、a:1:1とした。
【0053】
VGRS、VGST、VGTRは電力系統101の線間電圧、IRS、IST、ITRは1次巻線105RS、ST、TRに流れる電流、VDC、IDCはそれぞれ直流端子(P点とN点)の電圧、電流である。
【0054】
まず、各アーム107の出力電圧波形を以下で説明し、その後、これによって交流−直流変換が可能となることを説明する。
【0055】
アーム107RP、SP、TPの電圧VRP、VSP、VTPの指令値VRP*、VSP、VTP*として、交流成分が電力系統101の線間電圧VGRS、VGST、VGTRの1/a倍の振幅を有し、かつ、π+φ[RPd]だけ位相の遅れた電圧であり、かつ、直流成分が、それぞれVDCR*/2、VDCS*/2、VDCT*/2であるような電圧指令値を与える。ただし、aは変圧器の巻数比である。
【0056】
アーム107RN、SN、TNの電圧VRN、VSN、VTNの指令値VRN*、VSN*、VTN*として、交流成分が電力系統101の線間電圧VGRS、VGST、VGTRの1/a倍の振幅を有し、かつ、φ[RPd]だけ位相の遅れた電圧であり、かつ、直流成分が、それぞれVDCR*/2、VDCS*/2、VDCT*/2であるような電圧指令値を与える。ただし、aは変圧器の巻数比である。
【0057】
本明細書では、VRP、VSP、VTP、VRN、VSN、VTNをアーム電圧、VRP*、VSP*、VTP*、VRN*、VSN*、VTN*をアーム電圧指令値と称する。
【0058】
なお、VDCR*、VDCS*、VDCT*は、電力変換装置102が直流装置109に直流電力を供給するために必要な直流電圧成分であるが、詳細については後述する。
【0059】
各アーム107RP、SP、TPは、n個の単位変換器108の直列体であるため、オンしている単位変換器108の数を制御することによって、コンデンサ203の電圧VCをステップとするVRP*、VSP*、VTP*に最も近いアーム電圧VRP、VSP、VTPを出力可能である。
【0060】
同様に、各アーム107RN、SN、TNは、n個の単位変換器108の直列体であるため、オンしている単位変換器108の数を制御することによって、コンデンサ203の電圧VCをステップとするアーム電圧指令値VRN*、VSN*、VTN*に最も近いアーム電圧VRN、VSN、VTNを出力可能である。
【0061】
以下、各アーム107が上記の電圧を出力した場合に交流−直流電力変換が可能であることを説明する。
【0062】
まず、電力変換装置102が電力系統101から有効電力を受電できる原理を説明する。
【0063】
各アーム107RP、SP、TP、RN、SN、TNの出力電圧VRP、VSP、VTP、VRN、VSN、VTNに含まれる直流成分は、VDCと概ね相殺されるため、変圧器の正側2次巻線106RP、SP、TP、変圧器の負側2次巻線106RN、SN、TNには、VRP、VSP、VTP、VRN、VSN、VTNの交流成分のみが印加される。
【0064】
電力系統101が正側2次巻線106RP、SP、TPに誘起する電圧、すなわちVGRSP、VGSTP、VGTRPと、VRP、VSP、VTPの交流成分の和が変圧器103の1次巻線105RS、ST、TRと正側2次巻線106RP、SP、TPの漏れインダクタンスに印加される。
【0065】
VGRSP、VGSTP、VGTRPと、VRP、VSP、VTPの交流成分とは、概ね同振幅でπ+φの位相差がある。この場合、前記漏れインダクタンスに印加される電圧は、電力系統101の電圧VGRS、VGST、VGTRよりも位相が概ね90度進んだ電圧となる。したがって、前記漏れインダクタンスに流れる電流、すなわちアーム107RP、SP、TPに流れる電流IRP、ISP、ITPの交流成分は、電力系統101の電圧VGRS、VGST、VGTRと概ね同位相になる。
【0066】
同様に、電力系統101が負側2次巻線106RN、SN、TNに誘起する電圧、すなわちVGRSP、VGSTP、VGTRPと、VRN、VSN、VTNの交流成分の差が変圧器103の1次巻線105RS、ST、TRと負側2次巻線106RN、SN、TNの漏れインダクタンスに印加される。
【0067】
VGRSP、VGSTP、VGTRPと、VRN、VSN、VTPの交流成分とは、概ね同振幅でφの位相差がある。この場合、前記漏れインダクタンスに印加される電圧は、電力系統101の電圧VGRS、VGST、VGTRよりも位相が概ね90度遅れた電圧となる。したがって、前記漏れインダクタンスに流れる電流、すなわちアーム107RN、SN、TNに流れる電流IRN、ISN、ITNの交流成分は、電力系統101の電圧VGRS、VGST、VGTRと概ね逆位相になる。
【0068】
変圧器103の励磁インダクタンスを無限大と近似すれば、1次巻線105RS、ST、TRの流れる電流IRS、IST、ITRは、(1)〜(3)式を満足するため、IRS、IST、ITRは電力系統101の電圧VGRS、VGST、VGTRと概ね同位相になる。
〔数1〕
IRS=a(IRP−IRN) …(1)
〔数2〕
IST=a(ISP−ISN) …(2)
〔数3〕
ITR=a(ITP−ITN) …(3)
【0069】
したがって、電力変換装置102は、電力系統101から有効電力を受電できる。
【0070】
有効電力を増加させる場合、例えば位相差φを増加させるように各アーム107の電圧を制御すればよい。また、電力変換装置102が電力系統101に有効電力を回生するように制御する場合、φを負の値となるように各アーム107の電圧を制御すればよい。
【0071】
なお、アーム107RP、RNを流れる電流IRP、IRNは直流成分IZRを含有しており、アーム107SP、SNを流れる電流ISP、ISNは直流成分IZSを含有しており、アーム107TP、TNを流れる電流ITP、ITNは直流成分IZTを含有しているが、(1)〜(3)式によって各直流成分は相殺され、1次巻線105RS、ST、TRには流れない。
【0072】
以下、電力変換装置102が直流装置109に直流電力を供給できる原理を説明する。
変圧器の漏れインダクタンスが各相で等しいと近似すれば、P点とN点の間の電圧VDCは(4)〜(7)式を満足する。
〔数4〕
VDC=(VDCR+VDCS+VDCT)/3 …(4)
〔数5〕
VDCR=(VRP+VRN)/2 …(5)
〔数6〕
VDCS=(VSP+VSN)/2 …(6)
〔数7〕
VDCT=(VTP+VTN)/2 …(7)
【0073】
直流装置109には電圧VDCが印加される。直流装置109に電流IDCが流れた場合、直流装置109はPDC=VDC・IDCの電力を電力変換装置102から受電する。すなわち、電力変換装置102は直流装置109に直流電力を供給できる。
【0074】
なお、IDCは、各アーム107RP、RN、SP、SN、TP、TNに流れる電流からIRP、IRN、ISP、ISN、ITP、ITNから、(8)〜(11)式で表わされる。
〔数8〕
IDC=IZR+IZS+IZT …(8)
〔数9〕
IZR=(IRP+IRN)/2 …(9)
〔数10〕
IZS=(ISP+ISN)/2 …(10)
〔数11〕
IZT=(ITP+ITN)/2 …(11)
【0075】
IDCが負となるようにVDCを制御すれば、電力変換装置102は、直流装置109から直流電力を受電できる。
【0076】
本明細書では、IZR、IZS、IZTを貫通電流と称する。なお、貫通電流IZR、IZS、IZTは必ずしも等しい値でなくてもよい。
【0077】
以上より、電力変換装置102は、電力系統101より交流の有効電力を受電し、同時に、直流装置109に直流電力を供給できることが分かる。
【0078】
また、例えば位相差φを制御することによって電力系統101と授受する交流の有効電力を制御でき、また、VDCを介してIDCを制御することにより、直流装置109と授受する直流電力を制御できる。
【0079】
電力変換装置102が電力系統101から受電する有効電力と、電力変換装置102が直流装置109に供給する直流電力が等しい場合、電力変換装置102自身が受電する平均電力は概ね零となるため、各単位変換器108のコンデンサ203の電圧を概ね一定値に維持できる。
【0080】
以下、変圧器103の鉄心104R、S、Tに直流磁束が発生しない原理について説明する。
【0081】
前述のように、正側2次巻線106RP、SP、TPと、負側2次巻線106RN、SN、TNには、直流電流IZR、IZS、IZTが流れる。
【0082】
しかし、正側2次巻線106RP、SP、TPと負側2次巻線106RN、SN、TNは相毎に逆極性で磁気結合しているため、鉄心104R、S、Tに対して、正側2次巻線106RP、SP、TPが発生する直流起磁力と、負側2次巻線106RN、SN、TNが発生する直流起磁力は相殺する。
【0083】
したがって、鉄心104R、S、Tには直流磁束が発生しない。
【0084】
鉄心104R、S、Tに発生する磁束は交流成分のみであるため、鉄心104R、S、Tに使用される鉄心材料のB−Hカーブの原点を中心とするように磁束の動作点を設計できる。
【0085】
なお、図1では鉄心104R、S、Tを個別の鉄心として描いているが、鉄心104R、S、Tを3つの脚とする三相3脚鉄心にしても、本実施例と同様の効果が得られる。また、鉄心104R、S、Tにさらに1つまたは複数の鉄心を加えた4脚鉄心以上の鉄心を用いた三相他脚鉄心としても同様の効果を得られる。
【0086】
このため、正側2次巻線106RP、SP、TPと負側2次巻線106RN、SN、TNに直流電流が流れるとしても、鉄心104R、S、Tの断面積は、前記直流電流が流れない場合と概ね同様に設計できる。
【0087】
以下、図4を用いて、アーム電圧指令VRP*、VRN*、VSP*、VSN*、VTP*、VTN*に、例えば3次高調波成分を重畳させることにより、電圧利用率向上制御を行った場合の波形を示す。
【0088】
VRP*、VRN*、VSP*、VSN*、VTP*、VTN*に、例えば3次高調波成分を重畳させた場合、VRP*、VRN*、VSP*、VSN*、VTP*、VTN*の交流成分の最大値を低減することが可能である。
【0089】
VRP*とVRN*の交流基本波成分は概ね逆位相であり、3次高調波成分も逆位相となる。したがって、VDCR=VRP+VRNには3次高調波成分は現れない。
【0090】
また、VSP*とVSN*の交流基本波成分は概ね逆位相であり、3次高調波成分も逆位相となる。したがって、VDCS=VSP+VSNには3次高調波成分は現れない。
【0091】
同様に、VTP*とVTN*の交流基本波成分は概ね逆位相であり、3次高調波成分も逆位相となる。したがって、VDCT=VTP+VTNには3次高調波成分は現れない。
【0092】
以上より、VDCR、VDCS、VDCTのいずれにも3次高調波成分が現れないため、(4)式に示したVDCにも3次高調波電圧は現れない。
【0093】
したがって、本発明によれば、VDCに影響を与えることなく、電圧利用率向上制御が可能となるという効果を得られる。
【0094】
なお、本実施例では単位変換器108を双方向チョッパ回路としたが、コンデンサやバッテリ等のエネルギー貯蔵素子を備え、少なくとも2端子の回路で、かつ、前記2端子間に正または零の電圧を出力できる回路であれば、本実施例と同様の効果を得られる。
【0095】
また、本実施例では1次巻線105RS、ST、TRをΔ結線しているが、これをY結線した場合にも、本実施例と同様の効果を得られる。
【0096】
さらに、本実施例では1次巻線105RS、ST、TRに電力系統101を接続しているが、電力系統101に代えて、風力発電装置、太陽光発電装置など発電装置を接続しても同様の効果を得られる。また、電力系統101に代えて電動機などの負荷装置を接続しても同様の効果を得られる。
【実施例2】
【0097】
本発明を実施する第2の形態について説明する。
【0098】
実施例2は、実施例1における双方向チョッパ回路方式の単位変換器108に代えて、図5に示すフルブリッジ回路方式の単位変換器501を用いる構成である。
【0099】
実施例2では、実施例1で得られる効果に加えて、直流装置109に印加する電圧VDCの極性を逆転できるという効果を得られる。
【0100】
以下、VDCの極性を反転できる原理について、図3を用いて説明する。
【0101】
アーム電圧指令値VRP*、VRN*、VSP*、VSN*、VTP*、VTN*の交流成分を変化させることなく、直流成分を減少させると、VRP*、VRN*、VSP*、VSN*、VTP*、VTN*が零を下回り、各アームが負の電圧を出力しなければならない状態が発生する。
【0102】
実施例1のように、単位変換器108が双方向チョッパ回路方式(図2)である場合、アーム電圧VRP、VRN、VSP、VSN、VTP、VTNの極性として、正または零のみが可能である。したがって、アーム電圧指令値VRP*、VRN*、VSP*、VSN*、VTP*、VTN*が負になった場合、電力変換装置102を適切に制御できない。
【0103】
一方で、本実施例のように単位変換器108に代えてフルブリッジ回路方式の単位変換器501を用いることによって、アーム電圧VRP、VRN、VSP、VSN、VTP、VTNの極性として、正、負、または零が可能である。
【0104】
この場合、アーム電圧指令値VRP*、VRN*、VSP*、VSN*、VTP*、VTN*の交流成分を変化させることなく、直流成分を減少させて零にすることも、負にすることも可能となるという効果を得られる。
【0105】
以下、フルブリッジ回路方式の単位変換器501の構成と、スイッチング素子201XH、XL、YH、YLのスイッチング状態によって出力電圧Vjkを制御可能となる原理を説明する。
【0106】
フルブリッジ回路方式の単位変換器501は、スイッチング素子(X相ハイサイドスイッチング素子)201XHと環流ダイオード(X相ハイサイド環流ダイオード)202XHの並列体とスイッチング素子(X相ローサイドスイッチング素子)201XLと環流ダイオード(X相ローサイド環流ダイオード)202XLの並列体との直列体と、スイッチング素子(Y相ハイサイドスイッチング素子)201YHと環流ダイオード(Y相ハイサイド環流ダイオード)202YHの並列体とスイッチング素子(Y相ローサイドスイッチング素子)201YLと環流ダイオード(Y相ローサイド環流ダイオード)202XLの並列体との直列体と、コンデンサ203との並列体である。
【0107】
スイッチング素子(X相ハイサイドスイッチング素子)201XHと環流ダイオード(X相ハイサイド環流ダイオード)202XHの並列体とスイッチング素子(X相ローサイドスイッチング素子)201XLと環流ダイオード(X相ローサイド環流ダイオード)202XLの並列体との直列接続点をX点と称する。
【0108】
スイッチング素子(Y相ハイサイドスイッチング素子)201YHと環流ダイオード(Y相ハイサイド環流ダイオード)202YHの並列体とスイッチング素子(Y相ローサイドスイッチング素子)201YLと環流ダイオード(Y相ローサイド環流ダイオード)202XLの並列体との直列接続点をY点と称する。
【0109】
X点とY点の間の電圧Vjk(j=RP、RN、SP、SN、TP、TN、k=1、2、…、n)を単位変換器501の出力電圧とする。
【0110】
以下、スイッチング素子201XH、XL、YH、YLのスイッチング状態とVjkの関係を説明する。
【0111】
スイッチング素子(X相ハイサイドスイッチング素子)201XHがオン、スイッチング素子(X相ローサイドスイッチング素子)201XLがオフ、スイッチング素子(Y相ハイサイドスイッチング素子)201YHがオン、スイッチング素子(Y相ローサイドスイッチング素子)201YLがオフの場合、Vjkは概ね零となる。
【0112】
スイッチング素子(X相ハイサイドスイッチング素子)201XHがオン、スイッチング素子(X相ローサイドスイッチング素子)201XLがオフ、スイッチング素子(Y相ハイサイドスイッチング素子)201YHがオフ、スイッチング素子(Y相ローサイドスイッチング素子)201YLがオンの場合、Vjkはコンデンサ203の電圧VCjkと概ね等しくなる。
【0113】
スイッチング素子(X相ハイサイドスイッチング素子)201XHがオフ、スイッチング素子(X相ローサイドスイッチング素子)201XLがオン、スイッチング素子(Y相ハイサイドスイッチング素子)201YHがオン、スイッチング素子(Y相ローサイドスイッチング素子)201YLがオフの場合、Vjkはコンデンサ203の電圧VCjkと逆極性の電圧、すなわち−VCjkと概ね等しくなる。
【0114】
スイッチング素子(X相ハイサイドスイッチング素子)201XHがオフ、スイッチング素子(X相ローサイドスイッチング素子)201XLがオン、スイッチング素子(Y相ハイサイドスイッチング素子)201YHがオフ、スイッチング素子(Y相ローサイドスイッチング素子)201YLがオンの場合、Vjkは概ね零となる。
【0115】
スイッチング素子(X相ハイサイドスイッチング素子)201XHとスイッチング素子(X相ローサイドスイッチング素子)201XLがともにオンになると、コンデンサ203を短絡してしまうため、このような動作を禁止する。
【0116】
同様に、スイッチング素子(Y相ハイサイドスイッチング素子)201YHとスイッチング素子(Y相ローサイドスイッチング素子)201YLがともにオンになると、コンデンサ203を短絡してしまうため、このような動作を禁止する。
【0117】
以上より、スイッチング素子201XH、XL、YH、YLのスイッチング状態を制御することで、Vjkを正、零、または負に制御できる。
【0118】
アーム107RP、RN、SP、SN、TP、TNは1つまたは複数の単位変換器501の直列体である。したがって、アーム電圧VRP、VRN、VSP、VSN、VTP、VTNも正、零、または負に制御できる。
【0119】
なお、本実施例では単位変換器108をフルブリッジ回路としたが、コンデンサやバッテリ等のエネルギー貯蔵素子を備え、少なくとも2端子の回路で、かつ、前記2端子間に正、零、または零の電圧を出力できる回路であれば、本実施例と同様の効果を得られる。
【0120】
また、本実施例では1次巻線105RS、ST、TRをΔ結線しているが、これをY結線した場合にも、本実施例と同様の効果を得られる。
【実施例3】
【0121】
本発明を実施する第3の形態について説明する。
【0122】
実施例1においては、電力変換装置102は三相の電力系統101に接続していたが、実施例3では、単相の電力系統に接続できる電力変換装置の構成を示す。
【0123】
以下、図6を用いて実施例3の構成を説明する。
【0124】
電力変換装置602は単相電力系統601に接続している。
【0125】
実施例1の電力変換装置102に対する実施例3の電力変換装置602の構成の相違点は、S相、T相に属する鉄心104S、104T、1次巻線105ST、TR、正側2次巻線106SP、SN、TP、TN、アーム107SP、SN、TP、TNを取り去り、P点とM点の間にコンデンサ603P、M点とN点の間にコンデンサ603Nを接続した点である。
【0126】
コンデンサ603P、Nは、P点とN点の間の電圧VDCを1/2ずつ分圧する働きをする。
【0127】
以下、電力変換装置602の動作原理を説明する。
【0128】
実施例1の電力変換装置102に対する実施例3の電力変換装置602の動作原理の相違点は、電流IRP、IRNに含まれる貫通電流IZRが、直流装置109に流れる電流IDCと等しいという点であるが、それ以外の点で、電力変換装置602は、実施例1の電力変換装置102と概ね同様の原理で動作できる。
【0129】
なお、実施例3においても、双方向チョッパ回路方式の単位変換器108に代えて、フルブリッジ回路方式の単位変換器501を用いることができ、この場合、実施例2と同様に、VDCを正、零または負に制御できるという効果が得られる。
【0130】
さらに、単相電力系統601に代えて、風力発電装置、太陽光発電装置など発電装置を接続しても同様の効果を得られる。また、電力系統601に代えて電動機などの負荷装置を接続しても同様の効果を得られる。
【実施例4】
【0131】
本発明を実施する第4の形態について説明する。
【0132】
実施例1においては、電力変換装置102は三相の電力系統101に接続していたが、実施例4では、単相の電力系統に接続できる電力変換装置の構成を示す。また、実施例4では、実施例3で必要であったコンデンサ603P、Nを不要にできる。
【0133】
また、単相電力系統601に代えて、単相電源、単相負荷、風力発電システム、太陽光発電システムなどを接続することができる。
【0134】
以下、図7を用いて実施例4の構成を説明する。
【0135】
電力変換装置701は電力系統(単相電力系統)601に接続している。
【0136】
実施例1の電力変換装置102に対する実施例3の電力変換装置602の構成の相違点は、T相に属する鉄心104T、1次巻線105TR、正側2次巻線TP、TN、アーム107TP、TNを取り去り、1次巻線105RSと105STを単相電力系統601に、逆極性となるように並列接続したものである。このため、図7においては、VGST=−VGRSとなる。
【0137】
以下、電力変換装置701の動作原理を説明する。
【0138】
実施例1の電力変換装置102に対する実施例4の電力変換装置701の動作原理の相違点は、電流IRP、IRNに含まれる貫通電流IZRと、電流ISP、ISNに含まれる貫通電流IZSの和が、直流装置109に流れる電流IDCと等しいという点であるが、それ以外の点で、電力変換装置701は、実施例1の電力変換装置102と概ね同様の原理で動作できる。
【0139】
なお、実施例4においても、双方向チョッパ回路方式の単位変換器108に代えて、フルブリッジ回路方式の単位変換器501を用いることができ、この場合、実施例2と同様に、VDCを正、零または負に制御できるという効果が得られる。
【0140】
さらに、実施例4においても、単相電力系統601に代えて、風力発電装置、太陽光発電装置など発電装置を接続しても同様の効果を得られる。また、電力系統601に代えて電動機などの負荷装置を接続しても同様の効果を得られる。
【符号の説明】
【0141】
101 電力系統
102 電力変換装置(本発明に基づく電力変換装置の第1の実施形態)
103 変圧器
104R、104S、104T 鉄心
105RS、105ST、105TR 1次巻線
106RP、106SP、106TP 正側2次巻線
106RN、106SN、106TN 負側2次巻線
107RP、107SP、107TP、107RN、107SN、107TN アーム
108 単位変換器(双方向チョッパ回路方式の単位変換器)
109 直流装置
201H、201L、201XH、201XL、201YH、201YL スイッチング素子
202H、202L、202XH、202XL、202YH、202YL 環流ダイオード
203、603P、N コンデンサ
501 単位変換器(フルブリッジ回路方式の単位変換器)
601 電力系統(単相電力系統)
602、701 電力変換装置(本発明に基づく電力変換装置の第3の実施形態)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1、第2、および第3の巻線と、エネルギー貯蔵素子を備えた少なくとも2端子の回路要素を1つまたは複数個直列接続してなるアームを第1および第2のアームとして備え、前記第2の巻線と前記第1のアームが第1の直列体を構成しており、前記第3の巻線と前記第2のアームが第2の直列体を構成しており、前記第1と第2の直列体が直列接続されており、前記第2と第3の巻線の起磁力が逆極性となるように、前記第1、第2、および第3の巻線が磁気結合していることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置において、前記第1、第2、第3の巻線が鉄心に巻回されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
Δ結線またはY結線された第1の三相巻線と、Y結線された第2の三相巻線と、Y結線された第3の三相巻線とを、前記第1と前記第2の三相巻線が相毎に互いに同極性となるように、また、前記第2と第3の三相巻線が相毎に互いに逆極性となるように磁気結合し、前記第2の三相巻線の中性点と、前記第3の三相巻線の中性点とを電気的に接続し、前記第2の三相巻線の3つの端子それぞれに、エネルギー貯蔵素子を備えた少なくとも2端子の回路要素の1つまたは複数個の直列体からなるアームの一端を接続し、前記第2の三相巻線に接続された3つのアームをY結線してその中性点を第1の直流端子とし、前記第3の三相巻線の3つの端子それぞれに、エネルギー貯蔵素子を備えた少なくとも2端子の回路要素の1つまたは複数個の直列体からなるアームの一端を接続し、前記第3の三相巻線に接続された3つのアームをY結線してその中性点を第2の直流端子とし、前記第1の三相巻線の3つの端子を第1〜第3の交流端子としたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電力変換装置において、前記第1の三相巻線と、前記第2の三相巻線と、前記第3の三相巻線が相毎に三相3脚鉄心に巻回されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
請求項3に記載の電力変換装置において、前記第1の三相巻線と、前記第2の三相巻線と、前記第3の三相巻線が相毎に三相多脚鉄心に巻回されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の電力変換装置において、エネルギー貯蔵素子を備えた少なくとも2端子の回路要素を双方向チョッパ回路としたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかに記載の電力変換装置において、エネルギー貯蔵素子を備えた少なくとも2端子の回路要素をフルブリッジ回路としたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項8】
請求項3乃至7のいずれかに記載の電力変換装置において、前記第1および第2の直流端子に、直流負荷、直流電源、交流−直流電力変換装置等を接続したことを特徴とする電力変換システム。
【請求項9】
請求項3乃至7のいずれかに記載の電力変換装置において、前記第1〜第3の交流端子に、電力系統を接続したことを特徴とする電力変換システム。
【請求項10】
請求項3乃至7のいずれかに記載の電力変換装置において、前記第1〜第3の交流端子に、発電装置を接続したことを特徴とする電力変換システム。
【請求項11】
請求項3乃至7のいずれかに記載の電力変換装置において、前記第1〜第3の交流端子に、負荷装置を接続したことを特徴とする電力変換システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−99054(P2013−99054A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238160(P2011−238160)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】