説明

電力管理装置および電力管理方法

【課題】精度の高い電力需要予測を得ることができる電力管理装置および電力管理方法を提供する。
【解決手段】電力需要者の電力消費量を測定する電力測定部と、電力測定部により測定された電力消費量と、電力需要者の電力需要の予測量を示す電力需要予測量とを比較する電力比較部とを備える電力管理装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電力管理装置および電力管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多くの国において、電力需要者に対する電力供給は電力会社により独占的に行われていた。しかし近年、電気事業において競争原理を導入することにより電気事業の一層の効率化を図るとともに、より低価格で電力を供給することを目的として、電力会社以外の事業者の電力小売事業への参入することおよび電力の先物取引が実現または推進されている。
【0003】
電力先物取引は例えば、必要となる電力量を予め予想し、電力市場を通して、翌日もしくは24時間先までの電力を売買する。よって、電力小売および電力先物取引を業として行う事業者が電力取引を優位に行って大きな利益を生むためには、電力需要の予測を正確に行う必要がある。
【0004】
電力需要の予測を行う技術としては、過去の気温および湿度を含む気象変数と、電力総需要量のデータとを取り込み、さらにニューラルネットによって学習を行うことで電力総需要量の予測を行う電力総需要量予測装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−18995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された電力総需要量予測装置は、過去の気象データと、電力総需要量のデータとに基づいて電力需要の予測を行うものである。電力需要は平均気温、湿度などの気象データと関連性が高いため、気象データを用いることによりある程度の電力需要の予測を行うことは可能である。
【0007】
しかし、電力需要は気象データ以外の要因とも密接に関連しているため、より正確に電力需要の予測を行うためには他の要因も考慮する必要がある。特に一般家庭における電力需要は規則性が乏しいため、正確に予測するのは困難である。
【0008】
したがって、本技術の目的は、精度の高い電力需要予測を得ることができる電力管理装置および電力管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、第1の技術は、電力需要者の電力消費量を測定する電力測定部と、電力測定部により測定された電力消費量と、電力需要者の電力需要の予測量を示す電力需要予測量とを比較する電力比較部とを備える電力管理装置である。
【0010】
また、第2の技術は、電力需要者の電力消費量を測定し、測定された電力消費量と電力需要予測量とを比較する電力管理方法である。
【発明の効果】
【0011】
本技術によれば、精度の高い電力需要予測を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、電力取引の方式について説明するための図である。
【図2】図2は、電力管理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、電力需要予測量の入力方法の例を示す図である。
【図4】図4は、電力比較の詳細について説明するための図である。
【図5】図5は、HEMSシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、電力制御装置を備えるHEMSシステムの構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、電力管理処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本技術の実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本技術は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、説明は以下の順序で行う。
<1.実施の形態>
[1−1.電力取引の概要]
[1−2.電力管理装置の構成]
[1−3.電力管理装置を備えるHEMSシステムの構成]
[1−4.電力管理装置による処理]
<2.変形例>
【0014】
<1.実施の形態>
[1−1.電力取引の概要]
まず、本技術の説明の前提として、電力取引の概要について説明する。電力取引には、翌日、翌々日など使用する電力を取引するスポット取引(スポット市場)、当日の数時間後に使用する電力を取引する時間前取引(時間前市場)とがある。
【0015】
スポット取引は例えば、以下のような方式により行われる。取引の対象となるのは翌日に受渡しする24時間分の電力である。よって、取引対象日は翌日となる。一日を30分単位で区切ることにより48の区分に分け、その48商品について取引が行われる。毎朝午前8時から9時半の間に翌日分の電力の入札が行われ、9時半に取引が成立する。なお、金曜日には翌日(土曜日)、翌々日(日曜日)および3日後(月曜日)に受け渡す電力の取引が行われる。
【0016】
入札は、価格および量を示すことにより行われる。取引および受け渡しは、例えば、1000kwhを1単位とする。1kwhあたりの価格は、1銭単位とする。例えば、1000kwhが7円48銭/kwhで成約した場合、売買代金は「1000kwh×7円48銭/kwh=7480円」となる。
【0017】
次に、図1を参照して時間前取引について説明する。時間前取引は、例えば以下のような方式で行われる。取引対象となるのは、取引当日に使用する電力である。9時、13時、17時が取引の締め切りとして設定されている。9時が締め切りの取引は、取引対象時間帯が13:00〜17:00(第1場)である。13時が締め切りの取引は、取引対象時間帯が17:00〜21:00(第2場)である。17時が締め切りの取引は、取引対象時間帯が21:00〜翌13:00(第3場)となっている。よって、9時締め切りの取引では4時間後である13時から4時間である13:00〜17:00の間に使用する電力の取引がなされる。したがって、このような方式は「4時間前取引(4時間前市場)」と称される。ただし、スポット取引と同様に、30分を1単位として取引が行われる。
【0018】
ただし、上述した電力取引の方式はあくまで電力取引の方式の一例であり、電力取引はこのような方式に限られるものではない。取引対象日を翌々日としたスポット取引であってもよい。取引の締め切り時刻は、9時、13時、17時に限られるものではない。また、30分を1単位にするのではなくそれ以外の時間、例えば1時間を1単位にするようにしてもよい。将来において使用する電力を事前に取引対象とするものであればどのような方式であってもよい。また、買電の取引に加え、売電の取引も可能な方式であってもよい。
【0019】
[1−2.電力管理装置の構成]
図2は本技術に係る電力管理装置100の構成を示すブロック図である。電力管理装置100は、電力測定部110、需要予測入力部120、環境情報入力部130、予測用データベース140、電力需要予測部150、電力比較部160および還元処理部170とから構成されている。
【0020】
電力測定部110は、需要者の住宅などに設けられ、その住宅などにおける需要者の電力消費量を測定するものである。電力測定部110は、例えば、電流計としての機能と電圧計としての機能を備えることにより設置された住宅における電力を測定する。電力測定部110は随時建物における電力消費量を測定し、電力需要予測部150と電力比較部160に供給する。なお、需要者とは、電力を使用する者であり、本技術に係る電力管理装置100によって電力管理を受ける個人、家族、団体、会社、組織などのことをいう。
【0021】
需要予測入力部120は、需要者が自らの電力需要量を予測してそれを入力するための入力手段である。需要予測入力部120は例えば、ディスプレイなどの表示装置と、その表示装置と一体に構成されたタッチスクリーン、またはボタンなどにより構成される。ただし、需要者が電力需要予測量を入力することができるものであればどのようなものでもよい。
【0022】
需要予測入力部120に対して入力がなされると、その入力された電力需要予測量を示すデータが電力比較部160に供給される。なお、以下の説明において、需要者により入力された電力需要予測量を第1電力需要予測量と称する。
【0023】
図3Aおよび図3Bは、電力需要予測量の入力において需要者に提示される入力画面の例を示すものである。図3Aはタッチスクリーンに表示される入力形式であり、縦軸を消費電力(kw)、横軸を時刻として、棒グラフ形式で電力消費量を示すものである。太枠は需要者が電力需要予測量を入力する期間(以下、入力対象期間と称する。)を示している。需要者は入力対象期間における電力需要量を示す枠を指などでタッチすることにより入力を行う。図3Aの例では、需要者は14時から20時までにおける1時間ごとの自らの電力需要量を予測して入力を行う。
【0024】
入力形式は図3Aに示したものに限られず、図3Bに示されるように直接電力需要予測量を示す数値を入力するようにしてもよい。図3Bに示す例は、表示装置に図3Bに示すが映像が表示され、電力需要予測量はボタンなどの入力装置を介して入力される。図3Bにおいては、入力対象期間を構成する時間帯と入力桁数が対応している。
【0025】
なお、電力需要予測量を示す数値を入力することができる形式であればどのような入力形式でもよい。また、1.2kwhなど小数点以下の値を入力できるようにしてもよい。また、時間帯の分け方は1時間単位に限られるものではない。入力対象期間が14時から20時であり、入力単位が1時間である場合、需要者は6つの数値を入力する。また、入力対象期間が14時から20時であり、入力単位が30分である場合、需要者は12個の数値を入力する。この時間帯の分け方は、電力取引の方式などに沿って設定するとよい。
【0026】
入力対象期間は、上述の14時から20時の6時間に限られるものではない。別の時間帯でもよいし、12時間分、24時間分などより長い期間としてもよい。ただし、入力対象期間が長くなると電力需要予測量の入力作業が煩雑になり、需要者が入力やめてしまうおそれがあるため、需要者が長期的に入力を継続することができる長さにするとよい。
【0027】
環境情報入力部130は、環境情報を得て、電力管理装置100にその環境情報を入力するためのものである。環境情報としては例えば、晴れ、曇、雨、雪などの天気の種類、気温、湿度、降水量、風力、日照量などの気象情報が挙げられる。環境情報入力部130は例えば、インターネットなどのネットワークを介して気象庁などが提供する気象情報を環境情報として取得するようにしてもよい。また、温度計、湿度計、雨量計、風力計など各種測定機に接続され、それらの測定機から気象情報を取得するようにしてもよい。さらに、一般企業などが提供する気象情報データベースなどから取得するようにしてもよい。環境情報は電力需要予測部150に供給される。
【0028】
予測用データベース140は、大容量記憶媒体およびその制御部などから構成されている。
【0029】
予測用データベース140には、過去の需要者の電力消費量、環境情報、日にちなどが対応付けられて格納されている。よって、通常時需要データベースを参照することにより、過去の電力消費量はどのくらいであり、そのときに天気などの環境はどのようなものだったかを把握することが可能となる。
【0030】
電力需要予測部150は需要者の電力需要を予測するものである。電力需要予測部150は例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などから構成されている。ROMには、CPUにより読み込まれるプログラムが格納されている。RAMは、CPUのワークメモリとして用いられる。CPUは、ROMに格納されているプログラムを実行することによって電力需要予測処理を行う。
【0031】
電力需要予測部150は、スポット取引の取引対象日前に、需要者により第1電力需要予測量の入力がなされた入力対象期間以外の時間帯における電力需要予測量を求める。例えば、需要者により14時から20時までの第1電力需要予測量が入力された場合、電力需要予測部150は、0時から14時まで、および、20時から24時までの電力需要予測量を求める。需要者によって入力された第1電力需要予測量と電力需要予測部150により求められた電力需要予測量とが外部の電力関連事業者などに送信されて、その電力需要予測量に基づいて電力取引が行われる。この電力需要予測量を第2電力需要予測量と称する。
【0032】
第2電力需要予測量の算出は、例えば、特許文献1にも記載されているような、公知のニューラルネットワーク処理を用いた学習、または、既存の学習アルゴリズム、帰納学習などを行うことによって行われる。その際には、電力需要予測部150は、予測用データベース140に格納された過去の環境情報、電力需要量などを参照する。ニューラルネットワーク処理とは、人間の脳の仕組みを模倣して構築された、パターン認識や予測が可能な情報処理機構である。
【0033】
なお、日にちの経過によって電力消費量、環境情報が予測用データベース140に溜め込まれていくに従い、参照することができる情報が増えていくため、この学習による予測は、精度が高まっていく。
【0034】
さらに、電力需要予測部150は、取引対象日当日において、電力測定部110から供給された取引対象日当日における電力消費量に基づいて、入力対象期間における電力需要量の予測を行う。例えば、電力需要予測部150は、取引対象日当日の入力対象期間までの電力消費量の変化率(電力消費量の微分値)から入力対象期間における電力需要予測量を求める。この電力需要予測量を第3電力需要予測量と称する。
【0035】
なお、図示は省略するが電力管理装置100は、時計機能、カレンダー情報を有しており、現在、過去、未来の日時、時間を把握可能なものとする。
【0036】
電力比較部160は、例えば、CPU、RAMおよびROMなどから構成されている。CPUは、ROMに格納されているプログラムに基づき様々な処理を実行することによって電力比較部160としての処理を行う。
【0037】
電力比較部160は、第1電力需要予測量と第3電力需要予測量とを比較する。第1電力需要予測量とは、需要者に入力された電力需要予測量である。また、第3電力需要予測量とは、電力測定部110から供給された取引対象日当日における電力消費量に基づいて求められる、入力対象期間における電力需要を予測した量である。
【0038】
この比較について、図4を参照して説明する。図4Aおよび図4Bは縦軸を電力消費量とし、また、横軸を時刻として、電力消費量、電力需要予測部150による第3電力需要予測量、需要者が入力した第1電力需要予測量を示すものである。なお、図4における時刻、電力量は例示である。
【0039】
図4において実線で示された折れ線は電力消費量を示すものである。また、破線で示された折れ線は電力需要予測部150によって算出された第3電力需要予測量である。さらに、棒グラフで示されたのは需要者が入力した第1電力需要予測量である。
【0040】
電力需要予測部150は、入力対象期間の直前に至ると、それまでの電力消費量の変化率(電力消費量の微分値)から入力対象期間における第3電力需要予測量を求める。図4中の破線はそのようにして求めた第3電力需要予測量である。この第3電力需要予測量は電力比較部160に供給される。
【0041】
そして、電力比較部160は、第1電力需要予測量と第3電力需要予測量とを比較する。比較の結果、第1電力需要予測量と第3電力需要予測量との間に差分がある場合にはその旨を需要者に通知する。
【0042】
通知としては、例えば、「14時から15時にかけて、電力消費量が入力した電力予測よりも2kw多くなります。」、「14時から15時にかけて、電力消費量が入力した電力予測よりも1kw少なくなります。」などメッセージを画像などで知らせる手法が考えられる。この通知を行うための画像は例えば、需要予測入力部120を構成する表示装置などにおいて表示される。また、スピーカなどの音声出力手段からの音声出力により通知を行なってもよい。この表示装置、スピーカなどが特許請求の範囲における通知部に相当する。
【0043】
詳しくは後述するが、本技術は電力消費量と第1電力需要予測量とが一致すると、需要者に対して利益の還元処理を行う。よって、上述のような通知を行うことにより、需要者は電力消費量を自らが入力した第1電力需要予測量に近づけようと、電気機器の電源をオフにするなどして電力消費を調整すると考えられる。このように、通知を行うことにより需要者に電力消費量を調整しようとするインセンティブを与えることができる。
【0044】
なお、第1電力需要予測量と第3電力需要予測量とが一致している場合にもその旨を需要者に通知するようにしてもよい。これにより、その通知を受けた需要者はその時点における電力の使用状態を継続すればよいことがわかる。
【0045】
この電力需要予測量の予測、比較、通知の一連の処理は入力対象期間の区分ごとに行うようにするとよい。よって、図4Aに示されるように、14時から15時の電力需要予測を例えば14時直前までの電力消費量に基づいて行い、次に図4Bに示されるように15時から16時までの電力需要予測を15時直前までの電力消費量に基づいて行うようにする。これを入力対象期間の間継続する。これにより、精度の高い電力需要予測を行うことができる。
【0046】
また、電力比較部160は、需要者により入力された第1電力需要予測量と、電力測定部110により取得された電力消費量との比較を行い、それらが一致するか否かを判定する。詳しくは後述するが、第1電力需要予測量と電力消費量とが一致した場合には需要者に対して所定の利益の還元処理が行われる。
【0047】
第1電力需要予測量と電力消費量との比較は、入力対象期間を構成する各時間帯のそれぞれについて行われる。例えば、入力対象期間を14時から20時の6時間とし、1時間を1つの数字として6つの数字を需要者が入力した場合、一致したか否かの判定は、個々の数字ごと(時間帯ごと)に行われる。
【0048】
第1電力需要予測量を構成する個々の数値と電力消費量とが一致していると判定する場合とは、値が正確に一致した場合はもちろんのこと、それに限られず、値が所定の近傍の範囲内にある場合には一致したと判定するようにしてもよい。例えば、±0.5kwを近傍の範囲とし、入力対象期間の14時から15時の1時間における電力需要予測量を2kwと予想した場合、電力消費量が2.5kwから1.5kwの間にある場合には一致と判定してもよい。
【0049】
入力対象期間全体における第1電力需要予測量と電力消費量とが一致したと判定する場合には種々の態様が考えられる。例えば、入力対象期間を14時から20時の6時間とし、1時間を1つの数字として6つの数字を需要者が入力する場合、6つの数字全てが当たっている場合に一致したとする。また、すべての数字に限られず、6つの数字中、5つが当たった場合に一致したとする、4つあった場合に一致したとすることにしてもよい。
【0050】
また、入力対象期間に含まれる各時間帯に優先度を設けて、優先度が高い時間帯の電力需要予測量が当たった場合に一致したと判定するようにしてもよい。電力比較部160による比較結果は還元処理部170に供給される。
【0051】
さらに電力比較部160は、第2電力需要予測量と、電力測定部110から供給された電力消費量との比較を行う。上述したように、第2電力需要予測量とは、需要者により第1電力需要予測量が入力された入力対象期間以外の時間帯における電力需要予測量であり、電力需要予測部150が算出したものである。
【0052】
電力比較部160による比較結果は電力需要予測部150にフィードバックされ、電力需要予測部150における学習に用いられるとともに予測用データベース140に格納される。フィードバックされた比較結果をそれ以降の電力需要予測部150における学習による電力需要予測に用いることにより、電力需要予測部150における電力需要予測の精度を高めることができる。
【0053】
還元処理部170は、電力比較部160による比較結果に基づいて所定の還元処理を行う。還元処理部170に供給される比較結果とは、需要者により入力された第1電力需要予測量と電力消費量との比較結果である。還元処理とは、第1電力需要予測量を実際の電力消費量に一致させた需要者に対して所定の利益を提供する処理のことである。
【0054】
還元処理部170により行われる還元方法としては種々のものが考えられる。例えば、ポイントの付与がある。例えば、ポイントの付与は、ポイントを示すデータを保持するポイントデータベース(図示せず。)上において還元処理部170がポイントデータの増減処理を行うことにより実現される。
【0055】
このポイントは所定量貯まった場合に、様々な財・サービスと交換可能とするとよい。財・サービスとは、物質的・精神的に何らかの効用や満足などを提供するものであり、その中で有形のものが財であり、売買した後にモノが残らない無形のものがサービスである。財・サービスと交換は、例えば、本技術に係る電力管理装置を用いる事業者などによって行わわれる。
【0056】
財としては、例えば物品、金券などが挙げられる。さらに詳しくは、物品としては、例えば、日用雑貨、家電、電子機器、食品などが挙げられる。金券としては、商品券、ビール券、旅行券、図書券、航空券、イベント鑑賞券などが挙げられる。サービスとしては、レジャーサービス、医療サービス、宿泊サービス、教育サービス、運輸サービス、外食サービス、コンサルティングサービスなどが挙げられる。また、ポイントをマイレージなど他のポイントサービスのポイントに交換することができてもよい。財・サービスは上述したものに限られず、経済的な取引の対象となるものであればどのようなものでもよい。
【0057】
また、還元方法としては電気料金のユーザへのキャッシュバックも考えられる。電気料金のキャッシュバックは、需要者の電気の使用により発生した電気料金の全部または一部を需要者の口座情報に基づいて需要者の銀行口座に振り込む、振り込み処理を行うことにより実現される。振り込み処理は例えば、既存の振り込み処理用ソフトウェアを実行することにより行うことができる。
【0058】
また、電気料金のキャッシュバックに限られず、賞金としてお金を支払うようにしてもよい。これも既存の振り込み処理用ソフトウェアを実行することにより行うことができる。ただし、ユーザへの還元は必ずしもポイント、お金に限られるものではない。ポイント、お金以外にも上述した財・サービスを直接提供することにより需要者への還元を行ってもよい。
【0059】
このように、本実施の形態では需要者が自らの電力需要量を予測して第1電力需要予測量を入力し、その第1電力需要予測量と実際の電力消費量とを比較する。そしてそれらが一致する場合には需要者に利益が還元される。
【0060】
以上のようにして電力管理装置100が構成されている。このように、本技術は、スポット取引を行うための情報として需要者が自らの電力需要予測量を入力する。そして、その電力需要予測量が実際の電力消費量と一致した場合には需要者に所定の利益の還元が行われる。よって、あたかも数字当てゲームや数字選択式宝くじのような感覚で需要者は電力需要予測量を入力することができる。これにより、需要者は長期的に継続してゲーム感覚で電力需要予測量の入力を行うことができる。
【0061】
なお、電力需要予測部150、電力比較部160などはプログラムの実行によって実現されるのみでなく、それぞれの機能を有するハードウェアを組み合わせた専用の装置として実現されてもよい。
【0062】
[1−3.電力管理装置を備えるHEMSシステムの構成]
次に図5および図6を参照して上述した電力管理装置100としての機能を備えるHEMS(home energy management system)システムの構成について説明する。HEMSとは、IT技術などを用いることにより一般家庭などにおけるエネルギーの使用を効率良く行い、省エネルギー化を実現するシステムのことである。
【0063】
図5は、電力需要予測を行う管理サーバ200と複数の管理対象300、電力関連事業者400との関係を示すものである。図5に示されるように、電力需要予測を行う管理サーバ200は複数の管理対象300をその管理下に置き、管理対象300それぞれについて電力管理処理を行う。管理サーバ200と管理対象300とは例えばインターネットなどのネットワーク500を介して接続されている。管理対象300とは需要者が居住、使用などする住宅、マンション、ビルディング、商業施設などの建物である。管理対象300が住宅の場合には需要者はその居住者である。なお、以下、管理対象300は住宅であり、需要者がその住宅の居住者である場合を例にして説明を行う。
【0064】
電力関連事業者400は、電力を需要者に供給するための、発電・変電・送電・配電、売買などを担う電力会社、発電業者、送電業者、分電業者、電力小売事業者などを含むものであるとする。電力関連事業者400はネットワーク500を介して管理サーバ200に接続されている。管理サーバ200によって求められた電力需要予測結果は、ネットワーク500を介して電力関連事業者400に送信される。
【0065】
そして、例えば、電力関連事業者400に含まれる電力小売事業者によって電力需要予測結果に基づいた電力取引が行われる。管理サーバ200により求められた電力需要予測結果は、電力小売業者に用いられる場合もあれば、電力会社によって用いられる場合もある。また、電力関連事業者400から各管理対象に対して電力が供給される。
【0066】
図6は、電力需要予測を行う管理サーバ200と、電力管理300の対象である住宅(管理対象の一例)からなるHEMSシステム1000の構成を示す図である。
【0067】
管理サーバ200には電力管理装置100を構成する電力比較部160および還元処理部170が設けられている。これらの構成は図2を参照して上述したものと同様である。さらに、管理サーバ200には通信部201が接続されている。
【0068】
通信部201は、例えば、所定のプロトコルに基づいてインターネット、専用回線などのネットワークを介して管理対象300との通信を行うための通信モジュール、ネットワークインターフェースである。通信方式は有線通信、無線LAN(Local Area Network)、Wi−Fi(Wireless Fidelity)、3G回線を用いた通信など、どのようなものでもよい。
【0069】
次に管理対象300の一例としての住宅について説明する。管理対象は、制御部301、通信部302、蓄電設備303、発電設備304、パワーコンディショナ305、分電盤306、端子308、電気機器309を備える。さらに、電力管理装置100を構成する電力測定部110、需要予測入力部120も備える。
【0070】
制御部301は例えば、CPU、RAMおよびROMなどから構成されている。ROMには、CPUにより読み込まれるプログラムが格納されている。RAMは、CPUのワークメモリとして用いられる。CPUは、ROMに格納されているプログラムに基づき様々な処理を実行することによってHEMSシステム1000の住宅側の各部および全体の制御を行う。
【0071】
通信部302は、例えば、所定のプロトコルに基づいてインターネット、専用回線などのネットワークを介して管理サーバ200との通信を行うための通信モジュール、ネットワークインターフェースである。通信方式は有線通信、無線LAN、Wi−Fi、3G回線を用いた通信など、どのようなものでもよい。上述した在不在検出部110からの在不在フラグ、電力測定部110により測定された電力消費量は通信部302によって管理サーバ200に送信される。
【0072】
蓄電設備303は、電気を蓄える蓄電池モジュール、蓄電制御および管理などを行う蓄電制御部などから構成されている。蓄電池モジュールは例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ニッケル水素電池など充放電を行うことができるものであればいかなるものを採用してもよい。
【0073】
発電設備304は、電力以外のエネルギーを電力に変換することにより電力を生み出す設備である。発電設備304としては、環境負荷が低いいわゆる自然エネルギー、再生可能エネルギーなどと称されるエネルギーを用いた発電設備であることが好ましい。例えば、太陽光、太陽熱、風力、水力、マイクロ水力、潮汐力、波力、水の温度差、海流、バイオマス、地熱、音や振動などのエネルギー、などを利用した発電設備である。また、発電機能を備えるエアロバイク、人が上を歩くことにより発電する仕組みを有する床(発電床などと称される。)などの発電設備304であってもよい。なお、蓄電設備303および発電設備304はHEMSにおいては必須の構成要素ではない。
【0074】
パワーコンディショナ305は、蓄電設備303および発電設備304に接続されている。また、パワーコンディショナ305は分電盤306に接続されている。
【0075】
パワーコンディショナ305は、双方向インバータを備え、直流電力と交流電力の変換を行い、電力を所定の出力先へ出力する。また、パワーコンディショナ305は、発電設備304により得られた発電電力を蓄電設備303に出力することが可能である。これにより蓄電設備303における充電が行われる。また、パワーコンディショナ305は、発電設備304により得られた発電電力を需要者による自家消費のため、分電盤306に出力することが可能である。さらに、パワーコンディショナ305は、蓄電設備303から電力を取り出して需要者による自家消費のため、分電盤306に供給することが可能である。さらに、パワーコンディショナ305は、分電盤306からの電力を蓄電設備303に出力することも可能である。
【0076】
分電盤306は電気系統の切換えを行うためのものである。電力関連事業者400からの電力は分電盤306に供給される。分電盤306には端子307が接続されている。そして、端子307には複数の電気機器308が接続されている。電力関連事業者400からの電力、蓄電設備303に蓄えられた電力、発電設備304により得られた電力がパワーコンディショナ305および分電盤306を介して電気機器308に送られる。これにより、需要者は電気機器308を使用することができる。
【0077】
電気機器308は、一般家庭においては、テレビジョン受像機、オーディオ機器、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、空調機器、アイロン、ドライヤ、電気ストーブ、電気コンロ、オーブン、電気カーペット、パーソナルコンピュータ、コピー機、ファクシミリ、プリンタ、空調機器などがある。さらに、店舗、商業施設などにおいては照明機器、空調機器、エレベーターなどの輸送機器などがある。なお、電気機器308はこれらに限られず電力により動作する機器であればどのようなものでもよい。
【0078】
電力測定部110は、管理対象300における電力消費量を測定するものである。電力測定部110は、例えば、電流計としての機能と電圧計としての機能を備え、分電盤306に接続されることにより設置された住宅などにおける電力を測定する。測定された電力消費量は制御部301の制御のもと通信部302およびネットワーク500を介して管理サーバ200に送信される。
【0079】
需要予測入力部120は、上述したように、需要者が第1電力需要予測量を入力するための入力手段である。需要予測入力部120は例えば、ディスプレイなどの表示装置と、その表示装置と一体に構成されたタッチスクリーン、またはボタンなどの入力装置とから構成される。
【0080】
また、需要予測入力部120を構成する入力装置は、ユーザがHEMSシステム1000に対して種々の指示を入力するために用いる入力手段として用いてもよい。入力がなされると、その入力に対応した制御信号が生成されて制御部301に出力される。そして、制御部301によりその制御信号に対応した演算処理や各種制御が行われる。
【0081】
また、需要予測入力部120を構成する表示装置には、制御部301の制御のもと現在の電力使用状況、過去の電力使用状況、稼働中の電気機器308の種類、天気、カレンダーなどが表示される。
【0082】
以上のようにして電力管理装置100としての機能を備えるHEMSシステム1000が構成されている。電力需要予測、電力比較、還元処理などは管理サーバ200側で行われる。よって、本技術に係る処理はいわゆるクラウドサービスとして需要者に提供される。
【0083】
クラウドサービスとは、ネットワーク上に存在するサーバによって提供するサービスであり、インターネットをベースとしたコンピュータの利用形態の一つである。必要な処理は基本的に全てサーバ側で行われる。ユーザはデータを自分のパソコン、スマートフォン、携帯電話機などではなく、インターネット上のサーバに保存する。よって、自宅、会社、ネットカフェ、学校、外出先など、さまざまな環境においてもサービスの利用、データを閲覧、編集、アップロードなどを行うことができる。
【0084】
[1−4.電力管理装置における処理]
次に、電力管理装置100を備えるHEMSシステム1000において行われる処理について説明する。図7は処理の流れを示すフローチャートである。
【0085】
まず、ステップS1で需要予測入力部120は、入力対象期間における電力需要予測量である第1電力需要予測量の入力を受け付ける。第1電力需要予測量は需要者が需要予測入力部120を介して入力するものである。入力された第1電力需要予測量は電力比較部160に送信される。
【0086】
また、入力された第1電力需要予測量は通信部302を介して電力関連事業者などにも送信されて、電力関連事業者などによってスポット取引が行われる。これにより取引対象日において需要者に使用する電力が確保される。なお、第1電力需要予測量はスポット取引に用いられるものであるため、スポット取引が開始される前までに入力しておく必要がある。例えば、スポット取引において、取引対象日が翌日、すなわち、取引の対象となるのが翌日に受渡しする24時間分の電力である場合、遅くとも取引対象日の24時間前を入力の期限とする、ことなどが考えられる。そのような入力期限を設ける場合には、需要予測入力部120を構成する表示装置などにおいてその旨を需要者に通知するようにするとよい。
【0087】
次にステップS2で、電力需要予測部150は、入力対象期間以外の時間帯についての電力需要予測量である第2電力需要予測量を算出する。なお、ステップS1とステップS2は順不同である。入力対象期間が決まっていれば、先に電力需要予測部150が第2電力需要予測量を算出し、その後に需要者による第1電力需要予測量の入力を受け付けてもよい。
【0088】
次にステップS3で、スポット取引の取引対象日当日の入力対象期間の直前に至ると、電力需要予測部150は、それまでの電力消費量から入力対象期間の各時間帯における第3電力需要予測量を算出する。第3電力需要予測量は電力比較部160に供給される。
【0089】
次にステップS4で、電力比較部160は、需要者により入力された第1電力需要予測量と第3電力需要予測量とを比較する。そしてステップS5で、電力比較部160による比較結果が需要者に通知される。通知は例えば、需要予測入力部120を構成する表示装置などにその旨の画像を表示することなどにより行われる。これにより、需要者は自分が入力した第1電力需要予測量と実際の電力消費とに差分が生じるおそれがあることを知ることができる。
【0090】
次にステップS6で、電力比較部160は需要者が入力した第1電力需要予測量と、電力測定部110により取得した実際の電力消費量とを比較する。そしてステップS7で、電力比較部160による比較の結果、第1電力需要予測量と電力消費量とが一致したと判定された場合には処理はステップS8に進む(ステップS7のYes)。一方、ステップS7で比較の結果、電力需要予測量と電力消費量とが一致していないと判定された場合処理はステップS9に進む(ステップS7のNo)。
【0091】
次にステップS8で、還元処理部170は第1電力需要予測量と電力消費量とが一致した需要者に対して所定の還元処理を行う。なお、還元処理を行う前に、第1電力需要予測量と電力消費量とが一致した旨を需要者に通知するようにするとよい。
【0092】
なお、上述したステップS7で、第1電力需要予測量と電力消費量とが一致していないと判定された場合にはステップS18には進まないため、還元処理は行われない。
【0093】
次にステップS9で、電力比較部160は、入力対象期間以外の時間帯における電力需要予測量である第2電力需要予測量と、電力測定部110により取得した電力消費量とを比較する。そして、次にステップS20で、その比較結果が電力比較部160から電力需要予測部150にフィードバックされる。
【0094】
このようにして本技術においては、需要者が自らの電力需要予測量を入力し、それが実際の電力消費量と一致した場合にはその需要者に所定の利益を還元する。これにより、需要者に電力需要予測量と電力消費量とを一致させようとするインセンティブを与えることができる。電力取引による電力の確保は電力需要予測量に基づいて行われるため、電力需要予測量と電力消費量とが一致すれば、取引対象日当日に電力取引を行って電力を確保する必要がなくなるため、電力確保に要するコストを低く抑えることができる。
【0095】
<2.変形例>
以上、本技術の一実施の形態について具体的に説明したが、本技術は上述の実施形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0096】
上述の説明では、電力需要予測部150は、入力対象期間以外の時間帯における電力需要を予測すると説明を行った。しかし、電力需要予測部150は、需要者により第1電力需要予測量の入力が行われなかった場合には、取引対象日全体の電力需要予測を行うようにするとよい。需要者により電力需要予測量の入力が期限までに行われなかった場合、電力需要予測部150が取引対象日全体の電力需要予測量を求め、それを外部の電力関連事業者などに送信する。そして、その電力需要予測量に基づいて電力取引が行われる。これにより、電力取引に支障をきたすおそれがなくなる。
【0097】
また、実施の形態では需要者は具体的な数値で第1電力需要予測量の入力を行った。しかし、電力需要予測量の入力方式はそれだけに限られるものではない。例えば、需要者は自らの行動計画を入力し、それにより電力需要予測量が入力されるようにしてもよい。これを実現するためには、例えば、電力需要予測部150がデータベースとして需要者の各行動に対応した電力消費量を保持しておく。需要者は、時間帯とその時間帯に行う行動を入力する。例えば、「12時〜17時:外出」、「17時〜18時:夕食用意」、「21時〜23時:テレビを見る」などである。
【0098】
そして、需要者によって入力された行動計画と電力消費量とを対応付けることにより需要者の行動に沿った電力需要予測量を算出することができる。このようにすることにより、需要者に具体的な数値である電力を意識させずに電力需要予測量を入力させることが可能となる。
【0099】
また、上述の説明では、管理サーバ500側が電力需要予測部150、電力比較部160を備え、管理サーバ500側で電力需要予測、電力比較を行うように説明を行った。しかし、住宅などの予測対象側が電力需要予測部150、電力比較部160を備え、予測対象側において予測処理、比較処理を行い、その結果を管理サーバに送信するようにしてもよい。また、電力関連事業者400に含まれる電力会社、電力小売事業者などが電力管理装置100を有し、電力関連事業者400側で電力需要予測を行うようにしてもよい。
【0100】
本技術は以下のような構成も取ることができる。
【0101】
(1)電力需要者の電力消費量を測定する電力測定部と、
該電力測定部により測定された電力消費量と、前記電力需要者の電力需要の予測量を示す電力需要予測量とを比較する電力比較部と
を備える
電力管理装置。
【0102】
(2)前記電力需要者による入力を受け付ける入力部をさらに備え、
前記電力需要予測量は前記入力部を介して前記電力需要者により入力される
前記(1)に記載の電力管理装置。
【0103】
(3)前記電力比較部による比較結果に基づいて前記電力需要者に利益を還元する還元処理部をさらに備える
前記(1)または(2)に記載の電力管理装置。
【0104】
(4)前記電力需要予測量を算出する電力需要予測部をさらに備える
前記(1)から(3)のいずれかに記載の電力管理装置。
【0105】
(5)前記電力需要予測部は、所定の学習アルゴリズムを用いて前記電力需要予測量を算出し、
前記電力比較部による比較結果は、前記所定の学習アルゴリズムに用いられるように前記電力需要予測部に供給される
前記(1)から(4)のいずれかに記載の電力管理装置。
【0106】
(6)前記電力需要者による所定の期間における前記電力需要予測量の入力を受け付ける入力部と、
前記所定の期間における電力需要予測量を算出する電力需要予測部と
を備え、
前記電力比較部はさらに、前記電力需要者により入力された前記電力需要予測量と、前記電力需要予測部により求められた前記電力需要予測量とを比較する
前記(1)から(5)のいずれかに記載の電力管理装置。
【0107】
(7)前記入力部は、前記所定の期間を構成する所定の区分ごとにおける前記電力需要予測量を示す数値の入力を受け付け、
前記電力需要予測部は、前記所定の区分ごとにおける前記電力需要予測量を算出し、
前記電力比較部は、前記所定の区分ごとに、前記電力需要者により入力された前記電力需要予測量と、前記電力需要予測部により求められた前記電力需要予測量とを比較する
前記(6)に記載の電力管理装置。
【0108】
(8)前記電力比較部による比較結果を前記需要者に通知する通知部を備える
前記(1)から(7)のいずれかに記載の電力管理装置。
【0109】
(9)前記電力需要者による入力を受け付ける入力部をさらに備え、
前記電力需要予測量は前記入力部を介して前記電力需要者により入力される該電力需要者の行動計画に基づいて求められる
前記(1)から(8)のいずれかに記載の電力管理装置。
【0110】
(10)電力需要者の電力消費量を測定し、
測定された電力消費量と電力需要予測量とを比較する
電力管理方法。
【符号の説明】
【0111】
100・・・・・電力管理装置
110・・・・・電力測定部
120・・・・・需要予測入力部
150・・・・・電力需要予測部
160・・・・・電力比較部
170・・・・・還元処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力需要者の電力消費量を測定する電力測定部と、
該電力測定部により測定された電力消費量と、前記電力需要者の電力需要の予測量を示す電力需要予測量とを比較する電力比較部と
を備える
電力管理装置。
【請求項2】
前記電力需要者による入力を受け付ける入力部をさらに備え、
前記電力需要予測量は前記入力部を介して前記電力需要者により入力される
請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項3】
前記電力比較部による比較結果に基づいて前記電力需要者に利益を還元する還元処理部をさらに備える
請求項2に記載の電力管理装置。
【請求項4】
前記電力需要予測量を算出する電力需要予測部をさらに備える
請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項5】
前記電力需要予測部は、所定の学習アルゴリズムを用いて前記電力需要予測量を算出し、
前記電力比較部による比較結果は、前記所定の学習アルゴリズムに用いられるように前記電力需要予測部に供給される
請求項4に記載の電力管理装置。
【請求項6】
前記電力需要者による所定の期間における前記電力需要予測量の入力を受け付ける入力部と、
前記所定の期間における電力需要予測量を算出する電力需要予測部と
を備え、
前記電力比較部はさらに、前記電力需要者により入力された前記電力需要予測量と、前記電力需要予測部により求められた前記電力需要予測量とを比較する
請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項7】
前記入力部は、前記所定の期間を構成する所定の区分ごとにおける前記電力需要予測量を示す数値の入力を受け付け、
前記電力需要予測部は、前記所定の区分ごとにおける前記電力需要予測量を算出し、
前記電力比較部は、前記所定の区分ごとに、前記電力需要者により入力された前記電力需要予測量と、前記電力需要予測部により求められた前記電力需要予測量とを比較する
請求項6に記載の電力管理装置。
【請求項8】
前記電力比較部による比較結果を前記需要者に通知する通知部を備える
請求項7に記載の電力管理装置。
【請求項9】
前記電力需要者による入力を受け付ける入力部をさらに備え、
前記電力需要予測量は前記入力部を介して前記電力需要者により入力される該電力需要者の行動計画に基づいて求められる
請求項1に記載の電力管理装置。
【請求項10】
電力需要者の電力消費量を測定し、
測定された電力消費量と電力需要予測量とを比較する
電力管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−106507(P2013−106507A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251243(P2011−251243)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】