説明

電動ブラインド制御装置および電動ブラインド制御プログラム

【課題】電動ブラインドを通した眩しさの軽減と室内の省エネルギの確保とを、室内に存在する人の配置に応じて適切に行う。
【解決手段】電動ブラインド1A〜1Dにそれぞれ対応付けられた人物在席位置における、制御量を記憶するブラインド制御量情報記憶部21と、人物在席位置における人物の在席状態を登録する在席状態登録部23と、在席状態登録部23に登録された在席状態に基づきブラインド制御量情報記憶部21から制御量を読み込み、この読み込んだ制御量に基づいて電動ブラインド1A〜1Dを動作させるブラインド制御コマンドを生成するブラインド制御コマンド生成部24と、ブラインド制御コマンド生成部24が生成したブラインド制御コマンドを電動ブラインド1A〜1Dに供給して制御するブラインド制御部25とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ブラインドの動作を制御する電動ブラインド制御装置および電動ブラインド制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電動ブラインドを、予め設定したスケジュールにしたがって昇降させたりスラットを開閉させたりする制御技術が知られている。このような従来の電動ブラインド制御技術においては、天気に応じて電動ブラインドの動作を変更することも実現されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−299768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、窓に隣接するようにして電動ブラインドが設置されるオフィスフロアには、複数のデスクが配置されることが多い。このような室内環境において、電動ブラインドに近い方に着席する人の位置と電動ブラインドから遠い方に着席する人の位置とでは、太陽に対する仰角が異なるためにスラットの隙間を通して入射される太陽光の量が異なる。つまり、電動ブラインドの最適なスラット角度は、場所により異なる。また、一般的に、電動ブラインドに近い方に着席する人と電動ブラインドから遠い方に着席する人とでは、電動ブラインドに近い方に着席する人の方が、眩しさを感じる度合いは大きい。よって、上記のような電動ブラインド制御技術を適用した電動ブラインドを使用した場合であっても、電動ブラインドに近い方に着席している人が、その人自身の眩しさを軽減するために電動ブラインドを操作することが多い。
また、電動ブラインドから遠い方にのみ人が着席している場合、その人は電動ブラインドに近い方の席を考慮することなく電動ブラインドを操作してより多くの太陽光を取り入れ、室内を明るくしたり室温を上げたりして省エネルギに貢献したいと望むこともある。
【0005】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、電動ブラインドを通した眩しさの軽減と室内の省エネルギの確保とを、室内に存在する人の配置に応じて適切に行うことのできる、電動ブラインド制御装置および電動ブラインド制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様である電動ブラインド制御装置は、電動ブラインドに対応付けられた人物在席位置における、前記電動ブラインドの遮光または減光のための制御量を記憶するブラインド制御量情報記憶部と、前記人物在席位置における人物の在席状態を登録する在席状態登録部と、前記在席状態登録部に登録された前記在席状態に基づき前記ブラインド制御量情報記憶部から前記制御量を読み込み、この読み込んだ制御量に基づいて前記電動ブラインドを動作させるブラインド制御コマンドを生成するブラインド制御コマンド生成部と、前記ブラインド制御コマンド生成部が生成した前記ブラインド制御コマンドを前記電動ブラインドに供給して制御するブラインド制御部と、を備えることを特徴とする。
[2]上記[1]記載の電動ブラインド制御装置において、前記ブラインド制御コマンド生成部は、前記在席状態登録部に登録された前記在席状態に人物の着席状態が含まれる場合に、前記着席状態に対応する人物在席位置のうち前記電動ブラインドに最も近い位置における前記電動ブラインドの制御量を前記ブラインド制御量情報記憶部から読み込むことを特徴とする。
[3]上記[1]記載の電動ブラインド制御装置において、前記人物在席位置に人物が着席していないときにおける前記電動ブラインドの制御量である不在時制御量を記憶する不在時制御量情報記憶部をさらに備え、前記ブラインド制御コマンド生成部は、前記在席状態登録部に登録された前記在席状態に人物の着席状態が含まれない場合に、前記不在時制御量情報記憶部から前記不在時制御量を読み込み、この読み込んだ不在時制御量に基づいて前記電動ブラインドを動作させるブラインド制御コマンドを生成する
ことを特徴とする。
[4]上記の課題を解決するため、本発明の一態様である電動ブラインド制御プログラムは、電動ブラインドに対応付けられた人物在席位置における、前記電動ブラインドの遮光または減光のための制御量を記憶するブラインド制御量情報記憶部を備えるコンピュータを、前記人物在席位置における人物の在席状態を登録する在席状態登録手段と、前記在席状態登録手段に登録された前記在席状態に基づき前記ブラインド制御量情報記憶部から前記制御量を読み込み、この読み込んだ制御量に基づいて前記電動ブラインドを動作させるブラインド制御コマンドを生成するブラインド制御コマンド生成手段と、前記ブラインド制御コマンド生成手段が生成した前記ブラインド制御コマンドを前記電動ブラインドに供給して制御するブラインド制御手段と、して機能させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電動ブラインドを通した眩しさの軽減と室内の省エネルギの確保とを、室内に存在する人の配置に応じて適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態である電動ブラインド制御装置が適用された電動ブラインド制御システムが設置されるオフィスフロアの概略の平面図である。
【図2】同実施形態において、電動ブラインド制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【図3】ブラインド制御量情報のデータ構成を示す図である。
【図4】不在時制御量情報のデータ構成を示す図である。
【図5】同実施形態において、在席フラグデータがオンである場合のブラインド制御コマンド生成部が生成する制御テーブルのデータ構成を示す図である。
【図6】同実施形態および本発明の第2実施形態において、電動ブラインド制御装置が電動ブラインドを制御する処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態において、電動ブラインド制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【図8】好み制御量情報のデータ構成を示す図である。
【図9】同実施形態において、在席フラグデータがオンである場合のブラインド制御コマンド生成部が生成する制御テーブルのデータ構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1実施形態である電動ブラインド制御装置が適用された電動ブラインド制御システムが設置されるオフィスフロアの概略の平面図である。同図に示すように、オフィスフロアには、外光を取り入れる窓W1〜W4が設けられている。そして、オフィスフロア内には、窓W1〜W4それぞれに対応して、電動ブラインド1A〜1D(以下、電動ブラインド1A〜1Dを総称して、またはいずれかを指して電動ブラインド1と呼ぶこともある。)がそれぞれ設置されている。電動ブラインド1A〜1Dそれぞれは、ここでは図示せず後述する電動ブラインド制御装置から供給されるブラインド制御コマンドを取り込み、そのブラインド制御コマンドに基づいてブラインドを動作させることにより、外光を遮光したり入射量を調節したりする電動式ブラインドである。
【0010】
電動ブラインド1Aを挟んで窓W1の反対側(オフィスフロア内側)には、電動ブラインド1Aに近い順にデスクA1からデスクA4までが配置されている。また、電動ブラインド1Bを挟んで窓W2の反対側には、電動ブラインド1Bに近い順にデスクB1からデスクB4までが配置されている。また、電動ブラインド1Cを挟んで窓W3の反対側には、電動ブラインド1Cに近い順にデスクC1からデスクC4までが配置されている。さらに、電動ブラインド1Dを挟んで窓W4の反対側には、電動ブラインド1Dに近い順にデスクD1からデスクD4までが配置されている。以下、デスクA1〜A4と、デスクB1〜B4と、デスクC1〜C4と、デスクD1〜D4とを総称して、またはいずれかを指して単に「デスク」と呼ぶこともある。
【0011】
なお、本実施形態は、デスク以外にも、椅子、ソファ、ベッド等が配置された場合にも適用可能である。これらデスク等が存在する位置は、当該デスク等が設けられた位置に人物が任意時間留まることのできる人物在席位置である。
【0012】
次に、第1実施形態における電動ブラインド制御システムの機能構成について説明する。図2は、電動ブラインド制御システムの機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、電動ブラインド制御システム100は、在席検出装置10と、電動ブラインド制御装置20と、電動ブラインド1A〜1Dとを含んで構成される。
【0013】
在席検出装置10は、オフィスフロアに配置されたデスクA1〜A4とデスクB1〜B4とデスクC1〜C4とデスクD1〜D4とにおいて、人の在席状態を検出してその検出結果である在席検出情報を生成し電動ブラインド制御装置20に供給する。在席状態は、人がデスクに着席している着席状態か離席している離席状態かいずれかである。在席検出装置10は、人がデスクに着席したり離席したりするたびに、その在席状態を検出して在席検出情報を生成し、この在席検出情報を電動ブラインド制御装置20に供給する。
具体的には、在席検出装置10は、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)技術を適用して、人がデスクに着席するとその着席状態を検出し、その人の識別情報(人物ID)とその人が着席したデスクの識別情報(デスクID)とを在席検出情報として電動ブラインド制御装置20に送信する。また、在席検出装置10は、人が離席するとその離席状態を検出し、その人が離席したデスクのデスクIDを在席検出情報として電動ブラインド制御装置20に送信する。
【0014】
より具体的には、デスクを利用する各人は、自身の人物ID(例えば、社員番号等)が記憶されたICチップと電池とアンテナとを封入したICタグを身に付けまたは所持する。このICタグは、アクティブタグであり、電池駆動によってICチップが当該ICチップに記憶された人物IDを読み出してアンテナから送信する機能を有するものである。また、各デスクには、ICタグのアンテナから送信された人物IDを受信して取り込むリーダ装置が設置される。デスクに設置されたリーダ装置のアンテナと、そのデスクに着席した人が身に付けまたは所持したICタグのアンテナとの間でのみ電波を送受信可能なように、当該リーダ装置と当該ICタグとの電波の送信電力は制限されている。リーダ装置は、ICタグから送信された人物IDを受信して取り込むと、この人物IDと当該リーダ装置に予め記憶してあるデスクIDとを、在席検出情報として電動ブラインド制御装置20に送信する。また、リーダ装置は、ICタグから送信された人物IDを受信できなくなると、当該リーダ装置のデスクIDを在席検出情報として電動ブラインド制御装置20に送信する。
【0015】
なお、ICタグをパッシブタグで構成してもよい。この場合は、ICタグを所持した人は、デスクに着席したときにそのICタグをリーダ装置のICタグ読取部に載置または装着してICタグとリーダ装置とを通信可能にし、離席するときは、そのICタグを所持して離席する。つまり、離席するときには、ICタグをリーダ装置のICタグ読取部から離れさせて通信不能にする。
【0016】
電動ブラインド制御装置20は、デスクA1〜A4の在席状態に応じて電動ブラインド1Aの動作を制御し、デスクB1〜B4の在席状態に応じて電動ブラインド1Bの動作を制御し、デスクC1〜C4の在席状態に応じて電動ブラインド1Cの動作を制御し、デスクD1〜D4の在席状態に応じて電動ブラインド1Dの動作を制御する。
【0017】
具体的には、電動ブラインド制御装置20は、電動ブラインド1A〜1Dそれぞれに対応して、対象である4つのデスクそれぞれについてのブラインド制御の優先度と、電動ブラインド1の制御量とを含むブラインド制御量情報を記憶する。また、電動ブラインド制御装置20は、電動ブラインド1A〜1Dそれぞれに対応して、対象である4つのデスクのデスクIDと、これら4つのデスクにだれも着席していない状態であるときに制御すべき電動ブラインド1の制御量である不在時制御量とを含む不在時制御量情報を記憶する。
【0018】
そして、電動ブラインド制御装置20は、在席検出装置10から供給される在席検出情報を取り込むと、その在席検出情報により、オフィスフロア全体の在席状態を表す情報を更新する。そして、電動ブラインド制御装置20は、更新された在席状態を表す情報と不在時制御量情報とブラインド制御量情報とに基づいて電動ブラインド1を制御可能であるか否かについて判定する。そして、電動ブラインド制御装置20は、制御可能であると判定した場合にブラインド制御コマンドを生成し、そのブラインド制御コマンドを制御すべき電動ブラインド1に供給する。
【0019】
より詳細に、電動ブラインド制御装置20の機能構成を説明する。電動ブラインド制御装置20は、ブラインド制御量情報記憶部21と、不在時制御量情報記憶部22と、在席状態登録部23と、ブラインド制御コマンド生成部24と、ブラインド制御部25とを備える。
ブラインド制御量情報記憶部21は、上記のブラインド制御量情報を記憶する。不在時制御量情報記憶部22は、上記の不在時制御量情報を記憶する。ブラインド制御量情報記憶部21および不在時制御量情報記憶部22は、例えば、磁気ハードディスク装置またはメモリで構成される。ブラインド制御量情報および不在時制御量情報の具体例については後述する。
【0020】
在席状態登録部23は、例えばメモリで構成され、在席検出装置10から供給される在席検出情報を取り込んで記憶する。
具体的には、図1に示すオフィスフロアを例とした場合、在席状態登録部23は、16個のデスクIDそれぞれと各デスクIDに対応する人物IDとをペアデータとし、16個のペアデータをマッピングするメモリマップをメモリ空間上に作成する。つまり、このメモリマップに展開される16個のペアデータが、在席状態を表す情報である。このメモリマップにおいて、デスクA1〜A4の各デスクIDと各デスクIDに対応する人物IDとの組のデータグループはグループ1であり、デスクB1〜B4の各デスクIDと各デスクIDに対応する人物IDとの組のデータグループはグループ2であり、デスクC1〜C4の各デスクIDと各デスクIDに対応する人物IDとの組のデータグループはグループ3であり、デスクD1〜D4の各デスクIDと各デスクIDに対応する人物IDとの組のデータグループはグループ4である。在席状態登録部23は、在席検出装置10から供給された在席検出情報を取り込むと、その在席検出情報がデスクIDと人物IDとである場合は、これらデスクIDと人物IDとのペアデータを、デスクIDをキーとしてメモリマップに新規に登録または更新する。また、在席状態登録部23は、在席検出情報がデスクIDである場合は、人物IDをヌルデータとし、在席検出情報であるデスクIDとヌルデータとのペアデータを、デスクIDをキーとしてメモリマップに新規に登録または更新する。
【0021】
ブラインド制御コマンド生成部24は、在席検出情報に含まれるデスクIDが属するデータグループのうち、人が着席した状態であるデスクのデスクIDとそのデスクに着席している人の人物IDとのペアデータをメモリマップから読み込む。具体的には、ブラインド制御コマンド生成部24は、在席検出装置10から供給された在席検出情報が在席状態登録部23に記憶されると、その在席検出情報に含まれるデスクIDが属するデータグループ(グループ1〜4のいずれか)におけるデスクIDとヌルデータでない人物IDとのペアデータをメモリマップから読み込む。
そして、ブラインド制御コマンド生成部24は、ペアデータをメモリマップから読み込んだ場合は、在席フラグデータをオン(例えば“1”)にする。
【0022】
在席検出情報に含まれるデスクIDが属するデータグループにおける全てのペアデータが、デスクIDとヌルデータとのペアデータである場合、つまり、対象であるグループのデスクに誰も着席していない状態である場合、ブラインド制御コマンド生成部24は、デスクIDとヌルデータでない人物IDとのペアデータをメモリマップから読み込むことができない。この場合、ブラインド制御コマンド生成部24は、在席フラグデータをオフ(例えば“0”)にする。
【0023】
在席フラグデータがオンである場合、ブラインド制御コマンド生成部24は、メモリマップから読み込んだデスクIDを検索キーとして、ブラインド制御量情報記憶部21からその検索キーに対応付けられた優先度と制御量とブラインドIDとを読み込む。ブラインドIDは、電動ブラインド1に予め対応付けられた識別情報である。そして、ブラインド制御コマンド生成部24は、デスクIDをキーとして、このキーに対応付けられた優先度と制御量との制御テーブルを生成してブラインドIDに対応付ける。そして、ブラインド制御コマンド生成部24は、その制御テーブルから優先度が最も高いレコードを抽出し、さらにそのレコードから制御量を抽出する。そして、ブラインド制御コマンド生成部24は、抽出した制御量と、ブラインドIDに対応する電動ブラインド1に現在供給している制御量とが同じであるか否かについて判定する。そして、ブラインド制御コマンド生成部24は、抽出した制御量と、電動ブラインド1に現在供給している制御量とが異なると判定した場合、抽出した制御量を含めたブラインド制御コマンドを生成する。
【0024】
また、在席フラグデータがオフである場合、ブラインド制御コマンド生成部24は、在席検出情報であるデスクIDを検索キーとして、不在時制御量情報記憶部22からその検索キーに対応付けられた不在時制御量とブラインドIDとを読み込む。そして、ブラインド制御コマンド生成部24は、読み込んだ不在時制御量を含めたブラインド制御コマンドを生成する。
【0025】
ブラインド制御コマンド生成部24は、生成したブラインド制御コマンドとブラインドIDとをブラインド制御部25に供給する。そして、ブラインド制御コマンド生成部24は、ブラインド制御コマンドに含めた制御量をブラインドIDに対応付けて記憶する。
【0026】
ブラインド制御部25は、ブラインド制御コマンド生成部24から供給されたブラインド制御コマンドとブラインドIDとを取り込み、ブラインドIDに対応する電動ブラインド1に対してブラインド制御コマンドを送信する。
【0027】
電動ブラインド1A〜1Dそれぞれは、多層に構成されたスラットを昇降させる昇降用モータと、スラットを回転させて角度を変える回転用モータと、これら昇降用モータおよび回転用モータを制御するモータ制御部とを備えた電動式ブラインドである。モータ制御部は、電動ブラインド制御装置20のブラインド制御部25から供給されるブラインド制御コマンドを取り込み、そのブラインド制御コマンドに含まれる制御量に基づいて、昇降用モータを駆動させてスラットを昇降させたり、回転用モータを駆動させてスラットの角度を変更したりする。
【0028】
図3(a)〜(c)それぞれは、ブラインド制御量情報のデータ構成を示す図である。同図(a)は、電動ブラインド1A(ブラインドID=“ID01A”)に対応するブラインド制御量情報の例であり、同図(b)は、電動ブラインド1B(ブラインドID=“ID01B”)に対応するブラインド制御量情報の例であり、同図(c)は、電動ブラインド1C(ブラインドID=“ID01C”)に対応するブラインド制御量情報の例である。なお、電動ブラインド1Dに対応するブラインド制御量情報の例は省略する。
【0029】
図3(a)〜(c)にそれぞれ示すように、ブラインド制御量情報は、電動ブラインド1ごとに、「デスクID」と「優先度」と「制御量」とを対応付けたデータテーブルである。そして、ブラインド制御量情報は、「ブラインドID」に対応付けられてブラインド制御量情報記憶部21に記憶される。「デスクID」は、ブラインドIDに対応する電動ブラインド1に関連付けられたデスクの識別情報である。「優先度」は、電動ブラインド制御装置20が電動ブラインド1の制御量を決定する順位を示す情報である。同図(a)〜(c)の例において、優先度は、“1”が最も高く、数字が大きくなるほど低くなる。この優先度は、デスクが電動ブラインド1に近いほど高くなるように設けられる。つまり、電動ブラインド制御装置20は、電動ブラインド1に最も近いデスクに合わせて電動ブラインド1を制御する。なお、同図(c)において、優先度=“−”は、優先度を指定しないことを意味する。「制御量」は、電動ブラインド1が遮光または減光するための制御量を表すデータであり、対応するデスクにおいて眩しさを抑えるのに適切な、電動ブラインド1のスラットの設定角度またはスラットの上昇率もしくは下降率を表すデータである。具体的には、同図(a)の制御量=“65度”は、例えば、スラットを水平にしたときの角度を0度とし、スラットの凸面が外光を直接受ける向きに65度回転させることを意味する。また、同図(b)の制御量=“40%”は、例えば、ブラインドを降ろした状態からスラットを40%上昇させることを意味する。
なお、ブラインド制御量情報は、季節、月、日、時間等の期間に応じて設けられるようにしてもよい。
【0030】
図4は、不在時制御量情報のデータ構成を示す図である。同図に示すように、不在時制御量情報は、「ブラインドID」と「デスクID」と「不在時制御量」とを対応付けたデータテーブルである。「ブラインドID」は、電動ブラインド1A〜1Dそれぞれに対応付けられた識別情報である。「デスクID」は、ブラインドIDに対応付けられた電動ブラインド1に関連付けられたデスクのデスクIDである。「不在時制御量」は、4つのデスクに誰も着席していない状態のときに電動ブラインド1を制御する制御量である。具体的には、同図の不在時制御量=“100%”は、例えば、ブラインドを全て上げることを意味する。また、不在時制御量=“−60度”は、例えば、スラットを水平にしたときの角度を0度とし、スラットの凸面がオフィスフロア内に向く方向に60度回転させることを意味する。つまり、「不在時制御量」は、例えば、省エネルギ効果を適切に発揮することのできる制御量である。
なお、不在時制御量情報は、季節、月、日、時間等の期間に応じて設けられるようにしてもよい。
【0031】
図5は、在席フラグデータがオンである場合のブラインド制御コマンド生成部24が生成する制御テーブルのデータ構成を示す図である。同図は、電動ブラインド1A(ブラインドID=“ID01A”)に対応する制御テーブルである。同図に示すように、制御テーブルは、「デスクID」と「優先度」と「制御量」とを対応付けたデータテーブルである。「デスクID」は、ブラインド制御コマンド生成部24が在席状態登録部23のメモリマップから読み込んだデスクIDである。つまり、デスクID=“ID_A2”であるデスクと、デスクID=“ID_A3”であるデスクとが、人が着席している状態であることを意味する。「優先度」と「制御量」と「ブラインドID」とは、ブラインド制御コマンド生成部24がデスクIDを検索キーとしてブラインド制御量情報記憶部21から読み込んだ優先度と制御量とブラインドIDとである。同図の制御テーブルの例では、電動ブラインド制御装置20は、この制御テーブルから優先度が最も高いレコードとして、デスクIDが“ID_A2”であるレコードを抽出し、さらにそのレコードから制御量=“55度”を抽出する。
【0032】
次に、電動ブラインド制御装置20の動作について説明する。図6は、電動ブラインド制御装置20が電動ブラインド1を制御する処理の手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、在席状態登録部23は、在席検出装置10から在席検出情報が供給されるまで入力受付状態である(S1:NO)。そして、在席検出装置10から在席検出情報が供給されると(S1:YES)、ステップS2において、在席状態登録部23は、供給された在席検出情報を取り込んで記憶、すなわち、在席状態を登録する。
具体的には、在席状態登録部23は、供給された在席検出情報を取り込むと、その在席検出情報がデスクIDと人物IDとである場合は、これらデスクIDと人物IDとのペアデータを、デスクIDをキーとしてメモリマップに新規に登録または更新する。また、在席状態登録部23は、在席検出情報がデスクIDである場合は、人物IDをヌルデータとし、在席検出情報であるデスクIDとヌルデータとのペアデータを、デスクIDをキーとしてメモリマップに新規に登録または更新する。
【0033】
次に、ステップS3において、ブラインド制御コマンド生成部24は、在席検出情報に含まれるデスクIDが属するデータグループに対応する4つのデスクの在席状態を調べる。
具体的には、ブラインド制御コマンド生成部24は、在席検出情報に含まれるデスクIDが属するデータグループ(グループ1〜4のいずれか)におけるデスクIDとヌルデータでない人物IDとのペアデータをメモリマップから読み込む。そして、ブラインド制御コマンド生成部24は、ペアデータをメモリマップから読み込んだ場合は、在席フラグデータをオン(例えば“1”)にする。また、ブラインド制御コマンド生成部24は、デスクIDとヌルデータでない人物IDとのペアデータをメモリマップから読み込むことができない場合は、在席フラグデータをオフ(例えば“0”)にする。
【0034】
ステップS4において、ブラインド制御コマンド生成部24は、4つのデスクの少なくとも1つのデスクに人が着席していると判定した場合、言い換えると在席フラグデータをオンにした場合(S4:NO)、ステップS5の処理に移る。また、ブラインド制御コマンド生成部24は、4つのデスクとも人が離席していると判定した場合、言い換えると在席フラグデータをオフにした場合(S4:YES)、ステップS8の処理に移る。
【0035】
ステップS5において、ブラインド制御コマンド生成部24は、在席状態登録部23のメモリマップのデータとブラインド制御量情報記憶部21に記憶されたブラインド制御量情報とに基づいて制御テーブルを生成する。
具体的には、ブラインド制御コマンド生成部24は、メモリマップから読み込んだデスクIDを検索キーとして、ブラインド制御量情報記憶部21からその検索キーに対応付けられた優先度と制御量とブラインドIDとを読み込む。次に、ブラインド制御コマンド生成部24は、デスクIDをキーとして、このキーに対応付けられた優先度と制御量との制御テーブルを生成してブラインドIDに対応付ける。
【0036】
次に、ステップS6において、ブラインド制御コマンド生成部24は、制御テーブルに基づいて、対応する電動ブラインド1を制御可能か否かについて判定する。
具体的には、ブラインド制御コマンド生成部24は、制御テーブルから優先度が最も高いレコードを抽出し、次にそのレコードから制御量を抽出する。次に、ブラインド制御コマンド生成部24は、抽出した制御量と、ブラインドIDに対応する電動ブラインド1に現在供給している制御量とが同じであるか否かについて判定する。
ブラインド制御コマンド生成部24は、抽出した制御量と、電動ブラインド1に現在供給している制御量とが異なると判定した場合(S6:YES)、ステップS7の処理に移る。一方、ブラインド制御コマンド生成部24は、抽出した制御量と、電動ブラインド1に現在供給している制御量とが同一であると判定した場合(S6:NO)、ステップS1の処理に戻る。
【0037】
ステップS7において、ブラインド制御コマンド生成部24は、制御テーブルから抽出した制御量を含めたブラインド制御コマンドを生成する。
【0038】
一方、ステップS4:YESに続くステップS8において、ブラインド制御コマンド生成部24は、在席検出情報であるデスクIDを検索キーとして、不在時制御量情報記憶部22からその検索キーに対応付けられた不在時制御量とブラインドIDとを読み込む。次に、ブラインド制御コマンド生成部24は、読み込んだ不在時制御量を含めたブラインド制御コマンドを生成する。
【0039】
ステップS9において、ブラインド制御コマンド生成部24は、生成したブラインド制御コマンドとブラインドIDとをブラインド制御部25に供給する。次に、ブラインド制御コマンド生成部24は、ブラインド制御コマンドに含めた制御量をブラインドIDに対応付けて記憶する。次に、ブラインド制御部25は、ブラインド制御コマンド生成部24から供給されたブラインド制御コマンドとブラインドIDとを取り込み、ブラインドIDに対応する電動ブラインド1に対してブラインド制御コマンドを送信する。次に、ステップS1の処理に戻る。
【0040】
上述したとおり、本発明の第1実施形態である電動ブラインド制御装置20が適用された電動ブラインド制御システム100によれば、在席検出装置10が検出するデスクの在席状態の変化に応じて、電動ブラインド制御装置20が電動ブラインド1A〜1Dのスラットの角度またはスラットの昇降を調節する。このとき、電動ブラインド制御装置20は、電動ブラインド1に最も近い位置に着席している人に合わせて電動ブラインド1を制御する。このように電動ブラインド制御装置20を構成したことにより、電動ブラインド1に最も近い位置に着席している人が眩しさの影響を受けることなく、デスクの在席状態に応じた電動ブラインド1の制御を行うことができる。また、電動ブラインド制御装置20は、電動ブラインド1に対応付けられたデスクに誰も着席していないことを検出した場合は、眩しさの影響を受ける人が在席していないため、予め設定された省エネ対応の制御量で電動ブラインド1を制御する。このように電動ブラインド制御装置20を構成したことにより、眩しさの軽減と室内の省エネルギの確保とを適切に行うことができる。
【0041】
[第2の実施の形態]
上述した第1実施形態における電動ブラインド制御システム100において、電動ブラインド制御装置20が電動ブラインド1を制御する制御量は、デスクごとに予め決められた制御量であった。本発明第2実施形態は、デスクとそのデスクを利用する人との組み合わせに対応して決められた制御量を用いる例である。
【0042】
本発明の第2実施形態である電動ブラインド制御装置が適用された電動ブラインド制御システムが設置されるオフィスフロアの概略の平面図として、第1実施形態において説明した図1を用いる。よって、同図についての説明は省略する。また、本実施形態における機能構成の説明において、第1実施形態の機能構成と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7は、第2実施形態における電動ブラインド制御システムの機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、電動ブラインド制御システム100aは、第1実施形態における電動ブラインド制御システム100に対して電動ブラインド制御装置20が電動ブラインド制御装置20aに変更された構成を有する。
【0043】
電動ブラインド制御装置20aは、デスクA1〜A4の在席状態に応じて電動ブラインド1Aの動作を制御し、デスクB1〜B4の在席状態に応じて電動ブラインド1Bの動作を制御し、デスクC1〜C4の在席状態に応じて電動ブラインド1Cの動作を制御し、デスクD1〜D4の在席状態に応じて電動ブラインド1Dの動作を制御する。
【0044】
具体的には、電動ブラインド制御装置20aは、電動ブラインド1A〜1Dそれぞれに対応して、対象である4つのデスクそれぞれについてのブラインド制御の優先度と、電動ブラインド1の制御量とを含むブラインド制御量情報を記憶する。また、電動ブラインド制御装置20aは、電動ブラインド1A〜1Dそれぞれに対応して、対象である4つのデスクのデスクIDと、これら4つのデスクにだれも着席していない状態であるときに制御すべき電動ブラインド1の制御量とを含む不在時制御量情報を記憶する。さらに、電動ブラインド制御装置20aは、人それぞれに対応して、使用するデスクにおける電動ブラインド1の時間帯ごとの制御量の好み値を含む好み制御量情報を格納する。
【0045】
そして、電動ブラインド制御装置20aは、在席検出装置10から供給される在席検出情報を取り込むと、その在席検出情報により、オフィスフロア全体の在席状態を表す情報を更新する。そして、電動ブラインド制御装置20aは、更新された在席状態を表す情報と不在時制御量情報とブラインド制御量情報と好み制御量情報とに基づいて電動ブラインド1を制御可能であるか否かについて判定する。そして、電動ブラインド制御装置20aは、制御可能であると判定した場合にブラインド制御コマンドを生成し、そのブラインド制御コマンドを制御すべき電動ブラインド1に供給する。
【0046】
より詳細に、電動ブラインド制御装置20aの機能構成を説明する。電動ブラインド制御装置20aは、第1実施形態における電動ブラインド制御装置20に対して、好み制御量情報記憶部26が追加されるとともに、ブラインド制御コマンド生成部24がブラインド制御コマンド生成部24aに変更された構成を備える。
好み制御量情報記憶部26は、上記の好み制御量情報を記憶する。好み制御量情報記憶部26は、例えば、磁気ハードディスク装置またはメモリで構成される。好み制御量情報の具体例については後述する。
【0047】
ブラインド制御コマンド生成部24aは、在席検出情報に含まれるデスクIDが属するデータグループのうち、人が着席した状態であるデスクのデスクIDとそのデスクに着席している人の人物IDとのペアデータをメモリマップから読み込む。具体的には、ブラインド制御コマンド生成部24aは、在席検出装置10から供給された在席検出情報が在席状態登録部23に記憶されると、その在席検出情報に含まれるデスクIDが属するデータグループ(グループ1〜4のいずれか)におけるデスクIDとヌルデータでない人物IDとのペアデータをメモリマップから読み込む。
そして、ブラインド制御コマンド生成部24aは、ペアデータをメモリマップから読み込んだ場合は、在席フラグデータをオン(例えば“1”)にする。
【0048】
在席検出情報に含まれるデスクIDが属するデータグループにおける全てのペアデータが、デスクIDとヌルデータとのペアデータである場合、つまり、対象であるグループのデスクに誰も着席していない状態である場合、ブラインド制御コマンド生成部24aは、デスクIDとヌルデータでない人物IDとのペアデータをメモリマップから読み込むことができない。この場合、ブラインド制御コマンド生成部24aは、在席フラグデータをオフ(例えば“0”)にする。
【0049】
在席フラグデータがオンである場合、ブラインド制御コマンド生成部24aは、メモリマップから読み込んだデスクIDを検索キーとして、ブラインド制御量情報記憶部21からその検索キーに対応付けられた優先度と制御量とブラインドIDとを読み込む。また、ブラインド制御コマンド生成部24aは、メモリマップから読み込んだデスクIDと人物IDとのペアデータを検索キーとして、好み制御量情報記憶部26からその検索キーに対応付けられた制御量の好み値を読み込む。そして、ブラインド制御コマンド生成部24aは、デスクIDをキーとして、このキーに対応付けられた優先度と制御量と人物IDと制御量の好み値との制御テーブルを生成してブラインドIDに対応付ける。そして、ブラインド制御コマンド生成部24aは、その制御テーブルから優先度が最も高いレコードを抽出する。そして、ブラインド制御コマンド生成部24aは、抽出したレコードに制御量の好み値が格納されている場合はその好み値を制御量として抽出し、レコードに制御量の好み値が格納されていない場合は制御量を抽出する。そして、ブラインド制御コマンド生成部24aは、抽出した制御量と、ブラインドIDに対応する電動ブラインド1に現在供給している制御量とが同じであるか否かについて判定する。そして、ブラインド制御コマンド生成部24aは、抽出した制御量と、電動ブラインド1に現在供給している制御量とが異なると判定した場合、抽出した制御量を含めたブラインド制御コマンドを生成する。
【0050】
また、在席フラグデータがオフである場合、ブラインド制御コマンド生成部24aは、在席検出情報であるデスクIDを検索キーとして、不在時制御量情報記憶部22からその検索キーに対応付けられた不在時制御量とブラインドIDとを読み込む。そして、ブラインド制御コマンド生成部24aは、読み込んだ不在時制御量を含めたブラインド制御コマンドを生成する。
【0051】
ブラインド制御コマンド生成部24aは、生成したブラインド制御コマンドとブラインドIDとをブラインド制御部25に供給する。そして、ブラインド制御コマンド生成部24aは、ブラインド制御コマンドに含めた制御量をブラインドIDに対応付けて記憶する。
【0052】
図8は、好み制御量情報のデータ構成を示す図である。同図は、人物ID=“ID003”である人物に対応する好み制御量情報の例である。同図に示すように、好み制御量情報は、人物ごとに、「デスクID」と「好み値」とを対応付け他データテーブルである。そして、好み制御量情報は、「人物ID」に対応付けられて好み制御量情報記憶部26に記憶される。「デスクID」は、人物IDに対応する人物が利用するデスクの識別情報である。つまり、同図の好み制御量情報の例では、人物ID=“ID003”である人物は、デスクID=“ID_A2”であるデスクと、デスクID=“ID_B4”であるデスクとを利用することを意味する。「好み値」は、人物IDに対応付けられる人物にとって眩しさを抑えるのに適切な電動ブラインド1の制御量の好み値であり、例えば、同図のように時間帯に対応させて設定される。この制御量の好み値は、電動ブラインド1のスラットの設定角度またはスラットの上昇率もしくは下降率を表すデータである。
【0053】
図9は、在席フラグデータがオンである場合のブラインド制御コマンド生成部24aが生成する制御テーブルのデータ構成を示す図である。同図は、電動ブラインド1A(ブラインドID=“ID01A”)に対応する制御テーブルである。同図に示すように、制御テーブルは、「デスクID」と「優先度」と「制御量」と「人物ID」と「好み値」とを対応付けたデータテーブルである。「デスクID」および「人物ID」は、ブラインド制御コマンド生成部24aが在席状態登録部23のメモリマップから読み込んだデスクIDおよび人物IDである。「優先度」と「制御量」と「ブラインドID」とは、ブラインド制御コマンド生成部24aがデスクIDを検索キーとしてブラインド制御量情報記憶部21から読み込んだ優先度と制御量とブラインドIDとである。「好み値」は、ブラインド制御コマンド生成部24aがデスクIDと人物IDとを検索キーとして好み制御量情報記憶部26から読み込んだ制御量の好み値である。同図の制御テーブルの例では、電動ブラインド制御装置20aは、この制御テーブルから優先度が最も高いレコードとして、デスクIDが“ID_A2”であるレコードを抽出し、さらにそのレコードから制御量として好み値=“60度”を抽出する。
【0054】
次に、電動ブラインド制御装置20aの動作について説明する。電動ブラインド制御装置20aが電動ブラインド1を制御する処理の手順を示すフローチャートは、図6に示したフローチャートと同一である。よって、同図のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1において、在席状態登録部23は、在席検出装置10から在席検出情報が供給されるまで入力受付状態である(S1:NO)。そして、在席検出装置10から在席検出情報が供給されると(S1:YES)、ステップS2において、在席状態登録部23は、供給された在席検出情報を取り込んで記憶、すなわち、在席状態を登録する。
具体的には、在席状態登録部23は、供給された在席検出情報を取り込むと、その在席検出情報がデスクIDと人物IDとである場合は、これらデスクIDと人物IDとのペアデータを、デスクIDをキーとしてメモリマップに新規に登録または更新する。また、在席状態登録部23は、在席検出情報がデスクIDである場合は、人物IDをヌルデータとし、在席検出情報であるデスクIDとヌルデータとのペアデータを、デスクIDをキーとしてメモリマップに新規に登録または更新する。
【0055】
次に、ステップS3において、ブラインド制御コマンド生成部24aは、在席検出情報に含まれるデスクIDが属するデータグループに対応する4つのデスクの在席状態を調べる。
具体的には、ブラインド制御コマンド生成部24aは、在席検出情報に含まれるデスクIDが属するデータグループ(グループ1〜4のいずれか)におけるデスクIDとヌルデータでない人物IDとのペアデータをメモリマップから読み込む。そして、ブラインド制御コマンド生成部24aは、ペアデータをメモリマップから読み込んだ場合は、在席フラグデータをオン(例えば“1”)にする。また、ブラインド制御コマンド生成部24aは、デスクIDとヌルデータでない人物IDとのペアデータをメモリマップから読み込むことができない場合は、在席フラグデータをオフ(例えば“0”)にする。
【0056】
ステップS4において、ブラインド制御コマンド生成部24aは、4つのデスクの少なくとも1つのデスクに人が着席していると判定した場合、言い換えると在席フラグデータをオンにした場合(S4:NO)、ステップS5の処理に移る。また、ブラインド制御コマンド生成部24aは、4つのデスクとも人が離席していると判定した場合、言い換えると在席フラグデータをオフにした場合(S4:YES)、ステップS8の処理に移る。
【0057】
ステップS5において、ブラインド制御コマンド生成部24aは、在席状態登録部23のメモリマップのデータとブラインド制御量情報記憶部21に記憶されたブラインド制御量情報と好み制御量情報記憶部26に記憶された好み制御量情報とに基づいて制御テーブルを生成する。
具体的には、ブラインド制御コマンド生成部24aは、メモリマップから読み込んだデスクIDを検索キーとして、ブラインド制御量情報記憶部21からその検索キーに対応付けられた優先度と制御量とブラインドIDとを読み込む。また、ブラインド制御コマンド生成部24aは、メモリマップから読み込んだデスクIDと人物IDとのペアデータを検索キーとして、好み制御量情報記憶部26からその検索キーに対応付けられた制御量の好み値を読み込む。次に、ブラインド制御コマンド生成部24aは、デスクIDをキーとして、このキーに対応付けられた優先度と制御量と人物IDと制御量の好み値との制御テーブルを生成してブラインドIDに対応付ける。
【0058】
次に、ステップS6において、ブラインド制御コマンド生成部24aは、制御テーブルに基づいて、対応する電動ブラインド1を制御可能か否かについて判定する。
具体的には、ブラインド制御コマンド生成部24aは、制御テーブルから優先度が最も高いレコードを抽出する。次に、ブラインド制御コマンド生成部24aは、抽出したレコードに制御量の好み値が格納されている場合はその好み値を制御量として抽出し、レコードに制御量の好み値が格納されていない場合は制御量を抽出する。次に、ブラインド制御コマンド生成部24aは、抽出した制御量と、ブラインドIDに対応する電動ブラインド1に現在供給している制御量とが同じであるか否かについて判定する。
ブラインド制御コマンド生成部24aは、抽出した制御量と、電動ブラインド1に現在供給している制御量とが異なると判定した場合(S6:YES)、ステップS7の処理に移る。一方、ブラインド制御コマンド生成部24aは、抽出した制御量と、電動ブラインド1に現在供給している制御量とが同一であると判定した場合(S6:NO)、ステップS1の処理に戻る。
【0059】
ステップS7において、ブラインド制御コマンド生成部24aは、制御テーブルから抽出した制御量を含めたブラインド制御コマンドを生成する。
【0060】
一方、ステップS4:YESに続くステップS8において、ブラインド制御コマンド生成部24aは、在席検出情報であるデスクIDを検索キーとして、不在時制御量情報記憶部22からその検索キーに対応付けられた不在時制御量とブラインドIDとを読み込む。次に、ブラインド制御コマンド生成部24aは、読み込んだ不在時制御量を含めたブラインド制御コマンドを生成する。
【0061】
ステップS9において、ブラインド制御コマンド生成部24aは、生成したブラインド制御コマンドとブラインドIDとをブラインド制御部25に供給する。次に、ブラインド制御コマンド生成部24aは、ブラインド制御コマンドに含めた制御量をブラインドIDに対応付けて記憶する。次に、ブラインド制御部25は、ブラインド制御コマンド生成部24aから供給されたブラインド制御コマンドとブラインドIDとを取り込み、ブラインドIDに対応する電動ブラインド1に対してブラインド制御コマンドを送信する。次に、ステップS1の処理に戻る。
【0062】
上述したとおり、本発明の第2実施形態である電動ブラインド制御装置20aが適用された電動ブラインド制御システム100aによれば、在席検出装置10が検出するデスクの在席状態の変化に応じて、電動ブラインド制御装置20aが電動ブラインド1A〜1Dのスラットの角度またはスラットの昇降を調節する。このとき、電動ブラインド制御装置20aは、電動ブラインド1に最も近い位置に着席している人に合わせて電動ブラインド1を制御する。このように電動ブラインド制御装置20aを構成したことにより、電動ブラインド1に最も近い位置に着席している人が眩しさの影響を受けることなく、デスクの在席状態に応じた電動ブラインド1の制御を行うことができる。また、電動ブラインド制御装置20aは、電動ブラインド1に対応付けられたデスクに誰も着席していないことを検出した場合は、眩しさの影響を受ける人が在席していないため、予め設定された省エネ対応の制御量で電動ブラインド1を制御する。このように電動ブラインド制御装置20aを構成したことにより、眩しさの軽減と室内の省エネルギの確保とを適切に行うことができる。
【0063】
なお、上述した第1実施形態および第2実施形態における在席検出装置10を、例えば、オフィスフロア内を撮像する撮像装置と、この撮像装置が撮像した画像データを画像認識処理して人物の在席状態を検出する画像認識処理装置とにより構成してもよい。
また、在席検出装置10を、例えば、各デスクに設けた人感センサにより構成し、人がデスクに着席するとそのデスクに設けられた人感センサが人物を検出して電動ブラインド制御装置20に報知するようにしてもよい。
【0064】
また、電動ブラインド1A〜1Dは、多層のスラットを有するベネシャンブラインドだけでなく、電動式のロールカーテンであってもよい。
【0065】
また、上述した第1実施形態および第2実施形態における電動ブラインド制御装置の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。この場合、その機能を実現するための電動ブラインド制御プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録された電動ブラインド制御プログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺装置のハードウェアを含むものである。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、メモリカード等の可搬型記録媒体、コンピュータシステムに内蔵される磁気ハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバ装置やクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持するものを含んでもよい。また上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせにより実現するものであってもよい。
【0066】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はその実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0067】
1A〜1D 電動ブラインド
10 在席検出装置
20,20a 電動ブラインド制御装置
21 ブラインド制御量情報記憶部
22 不在時制御量情報記憶部
23 在席状態登録部
24,24a ブラインド制御コマンド生成部
25 ブラインド制御部
26 好み制御量情報記憶部
100,100a 電動ブラインド制御システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動ブラインドに対応付けられた人物在席位置における、前記電動ブラインドの遮光または減光のための制御量を記憶するブラインド制御量情報記憶部と、
前記人物在席位置における人物の在席状態を登録する在席状態登録部と、
前記在席状態登録部に登録された前記在席状態に基づき前記ブラインド制御量情報記憶部から前記制御量を読み込み、この読み込んだ制御量に基づいて前記電動ブラインドを動作させるブラインド制御コマンドを生成するブラインド制御コマンド生成部と、
前記ブラインド制御コマンド生成部が生成した前記ブラインド制御コマンドを前記電動ブラインドに供給して制御するブラインド制御部と、
を備えることを特徴とする電動ブラインド制御装置。
【請求項2】
前記ブラインド制御コマンド生成部は、前記在席状態登録部に登録された前記在席状態に人物の着席状態が含まれる場合に、前記着席状態に対応する人物在席位置のうち前記電動ブラインドに最も近い位置における前記電動ブラインドの制御量を前記ブラインド制御量情報記憶部から読み込む
ことを特徴とする請求項1記載の電動ブラインド制御装置。
【請求項3】
前記人物在席位置に人物が着席していないときにおける前記電動ブラインドの制御量である不在時制御量を記憶する不在時制御量情報記憶部をさらに備え、
前記ブラインド制御コマンド生成部は、前記在席状態登録部に登録された前記在席状態に人物の着席状態が含まれない場合に、前記不在時制御量情報記憶部から前記不在時制御量を読み込み、この読み込んだ不在時制御量に基づいて前記電動ブラインドを動作させるブラインド制御コマンドを生成する
ことを特徴とする請求項1記載の電動ブラインド制御装置。
【請求項4】
電動ブラインドに対応付けられた人物在席位置における、前記電動ブラインドの遮光または減光のための制御量を記憶するブラインド制御量情報記憶部を備えるコンピュータを、
前記人物在席位置における人物の在席状態を登録する在席状態登録手段と、
前記在席状態登録手段に登録された前記在席状態に基づき前記ブラインド制御量情報記憶部から前記制御量を読み込み、この読み込んだ制御量に基づいて前記電動ブラインドを動作させるブラインド制御コマンドを生成するブラインド制御コマンド生成手段と、
前記ブラインド制御コマンド生成手段が生成した前記ブラインド制御コマンドを前記電動ブラインドに供給して制御するブラインド制御手段と、
して機能させるための電動ブラインド制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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