説明

電動ブラインド

【課題】本発明は、ブラインドの停止した位置と、各段の位置との間にズレが生じないように、ブラインドを昇降することができる電動ブラインドを提供する。
【解決手段】本発明に係る電動ブラインド100は、昇降位置検知部と、昇降速度決定部と、記憶部7とを備え、ブラインドの昇降速度を上限昇降速度以下にしてブラインドを昇降する。昇降位置検知部は、電動モータ31によって昇降させたブラインドの位置を検知する。昇降速度決定部は、ブラインドの上限位置から下限位置までの間を段階的に停止する場合に、ブラインドの昇降速度を増減させて、昇降位置検知部で検知したブラインドの停止した位置と、各段の位置との間にズレが生じない昇降速度を上限昇降速度として決定する。記憶部7は、昇降速度決定部で決定した上限昇降速度を記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機によって、ブラインドの昇降を行なうことが可能な電動ブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、市販されている電動ブラインドは、ブラインドの上昇、下降、停止、およびスラット(羽根)の開閉を、スイッチ操作によって行なわれていた。しかし、当該電動ブラインドでは、利用者が所望の位置または開閉角度までスイッチ操作を押下し続けなければならなかった。
【0003】
そこで、特許文献1に開示してある電動ブラインドでは、入力キーにより希望するブラインドの降下高さおよび希望する羽根の角度を表わす数値を入力することができ、その数値によって電動機を制御することができる。そのため、特許文献1に開示してある電動ブラインドは、きめ細かなかつ精度よい制御ができるとともに、スイッチ操作を押下し続け停止操作までの待ち時間が不要となり操作の便利性が向上した。さらに、特許文献1に開示してある電動ブラインドは、だれが操作しても同じ位置にブラインドを昇降させ、また、同じ角度に羽根を開閉することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−93484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電動ブラインドは、電動機によってブラインドを昇降する場合、ブラインドを所望の位置で停止させようとしても慣性力により、所望の位置で停止することができず、所望の位置と停止した位置との間にズレが生じるという問題があった。
【0006】
特に、電動ブラインドは、昇降速度が一定の場合、所望の位置までの距離が短いほど、ブラインドの停止した位置と所望の位置との間にズレが生じやすくなる。たとえば、ブラインドの上限位置から下限位置までの間を段階的に停止することが可能な電動ブラインドでは、停止することができる段数が多いほど、各段の間の距離が短くなり、ブラインドの停止した位置と各段の位置(所望の位置)との間にズレが生じやすくなる。
【0007】
それゆえに、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ブラインドの停止した位置と、各段の位置との間にズレが生じないように、ブラインドを昇降することができる電動ブラインドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電動機によって、ブラインドの昇降を行なうことが可能な電動ブラインドである。上記課題を解決するために、本発明は、昇降位置検知部と、昇降速度決定部と、記憶部とを備え、ブラインドの昇降速度を上限昇降速度以下にしてブラインドを昇降する電動ブラインドである。昇降位置検知部は、電動機により昇降させたブラインドの位置を検知する。昇降速度決定部は、ブラインドの上限位置から下限位置までの間を段階的に停止する場合に、ブラインドの昇降速度を増減させて、昇降位置検知部で検知したブラインドの停止した位置と、各段の位置との間にズレが生じない昇降速度を上限昇降速度として決定する。記憶部は、昇降速度決定部で決定した上限昇降速度を記憶する。
【0009】
好ましくは、ブラインドの上限位置から下限位置までの間を段階的に停止する場合に、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を増減させて、昇降位置検知部で検知したブラインドの停止した位置と、各段の位置との間にズレが生じない最大設定段数を決定する段数決定部をさらに備える。そして、段数決定部で決定した最大設定段数を記憶部に記憶し、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を最大設定段数以下にしてブラインドを昇降する。
【0010】
好ましくは、ブラインドの昇降速度を優先して設定するのか、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を優先して設定するのかを選択する選択部をさらに備える。そして、選択部でブラインドの昇降速度を優先して設定することを選択した場合、段数決定部で最大設定段数を決定し、選択部で上限位置から下限位置までの間で停止する段数を優先して設定することを選択した場合、昇降速度決定部で上限昇降速度を決定する。
【0011】
上記課題を解決するための別の構成の本発明では、昇降位置検知部と、段数決定部と、記憶部とを備え、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を最大設定段数以下にしてブラインドを昇降する電動ブラインドである。昇降位置検知部は、電動機により昇降させたブラインドの位置を検知する。段数決定部は、ブラインドを昇降させる昇降速度を利用者が設定し、ブラインドの上限位置から下限位置までの間を段階的に停止する場合に、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を増減させて、昇降位置検知部で検知したブラインドの停止した位置と、各段の位置との間にズレが生じない最大設定段数を決定する。記憶部は、段数決定部で決定した最大設定段数を記憶する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る電動ブラインドは、ブラインドの昇降速度およびブラインドの停止する段数を適切に決定することで、ブラインドの停止した位置と、各段の位置との間にズレが生じないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る電動ブラインドの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電動ブラインドの昇降の位置および段数を説明するための模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る電動ブラインドの段数とパルス数との関係を説明するための模式図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る電動ブラインドのマイコンが段数および昇降速度を決定する機能を説明するための機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る電動ブラインドのマイコンが段数および昇降速度を決定する方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る電動ブラインドの構成を示すブロック図である。図1に示す電動ブラインド100は、マイコン1、指令部2、電源部6、記憶部7、電動モータ31、駆動部32、リフティングテープ44、ラダーコード51、羽根52を含んでいる。さらに、電動ブラインド100は、ブラインドの下端部53に一方端を接続したリフティングテープ44を巻取り/巻戻すことで、ブラインドを昇降させることができる。具体的に、リフティングテープ44を巻取り/巻戻す構成は、シャフト40、回転板41、フォトインタラプタ42、巻取りドラム43を含んでいる。
【0015】
リフティングテープ44は、均一厚みの樹脂材料からなり、一方端をブラインドの下端部53に、他方端を巻取りドラム43に固定してある。シャフト40には、柱状の巻取りドラム43、およびスリットが形成された回転板41が設けられている。そのため、電動モータ31でシャフト40を回転させることで、巻取りドラム43および回転板41も回転する。巻取りドラム43が回転することで、巻取りドラム43にリフティングテープ44が巻取り/巻戻され、ブラインドが昇降する。
【0016】
駆動部32は、マイコン1からの制御信号に基づいて電動モータ31の駆動信号を生成し、生成した駆動信号を電動モータ31に出力する。電動モータ31は、駆動部32が出力した駆動信号により回転する。フォトインタラプタ42は、図示していないが投光部および受光部を有しており、投光部と受光部との間を回転板41のスリットが通過する構成である。そのため、フォトインタラプタ42は、回転板41の回転に応じて、回転板41のスリットが投光部からの光を遮るので、受光部からパルス信号を出力する。出力するパルス信号は、回転板41の回転量を示し、マイコン1に入力される。
【0017】
マイコン1は、後述する昇降位置検知部において、入力したパルス信号のパルス数を計数し、その計数値によって回転板41の回転量、シャフト40に繋がれた巻取りドラム43の回転量を求める。マイコン1は、巻取りドラム43の回転量を求めることで、リフティングテープ44の巻取り/巻戻し量を算出して、昇降させたブラインド(下端部53)の位置を検知することができる。
【0018】
指令部2は、利用者が電動ブラインドをコントロールするために入力した指令に基づき指令信号を生成し、生成した指令信号をマイコン1に出力する。マイコン1は、指令部2からの指令信号に基づいて、ブラインドの昇降や、羽根52の開閉を制御する。なお、指令部2は、ブラインドを停止させる位置や、羽根52の角度の数字を指定して指令を入力することもできる。また、指令部2は、後述するブラインドを上限位置から下限位置までの間で停止する段数や、ブラインドの昇降速度を設定するための値を入力してもよい。
【0019】
なお、シャフト40には、図示していないがラダードラムも設けてあり、当該ラダードラムにラダーコード51の一方端が固定してある。ラダードラムは、電動モータ31でシャフト40を回転させることで、ともに回転し、ラダーコード51を左回転に引上げたり、右回転に引上げたりすることで羽根52の角度を変更する。
【0020】
次に、ブラインドを上限位置から下限位置までの間で停止する段数、ブラインドの昇降速度について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る電動ブラインド100の昇降の位置および段数を説明するための模式図である。図2(a)に示す電動ブラインド100は、上限位置(高さ“0”)から下限位置(高さ“10”)までの間で停止する段数が11段である。つまり、電動ブラインド100の下端部53は、11段の停止する位置を有している。なお、電動ブラインド100の羽根52の数と、段数とは同じ数である必要はなく、たとえば、羽根52の数が100枚であれば、各段の間に10枚の羽根52が配置された電動ブラインド100となる。
【0021】
図2(a)に示す電動ブラインド100において、利用者が、指令部2から高さ“5”の指令を入力した場合、図2(b)に示すように電動ブラインド100の下端部53が、高さ“5”の位置まで移動して停止する。具体的に、マイコン1は、フォトインタラプタ42が出力するパルス信号のパルス数をカウントすることで、電動ブラインド100の昇降の位置を制御している。
【0022】
たとえば、上限位置に相当するパルス信号の計数値を“0”、下限位置に相当するパルス信号の計数値を“100”とした場合、パルス数を11段階について均等分割すれば、各段にパルス数“10”が割当てられている。そのため、マイコン1は、利用者が、指令部2で高さ“5”の指令を入力したとき、パルス数“10”ד5”=“50”のパルス数が入力された位置でブラインドを停止すれば、高さ“5”の位置に停止することができる。
【0023】
図2では、ブラインドの上限位置から下限位置までを11段階で分割した状態を示したが、本発明の実施の形態に係る電動ブラインド100は、分割数を11段階に限定されるものではない。
【0024】
図3は、本発明の実施の形態に係る電動ブラインド100の段数とパルス数との関係を説明するための模式図である。図3(a)に示す電動ブラインド100は、上限位置(高さ“0”)から下限位置(高さ“10”)までの間で停止する段数が11段であり、各段にパルス数“10”が割当てられている。
【0025】
図3(b)に示す電動ブラインド100は、上限位置(高さ“0”)から下限位置(高さ“10”)までの間で停止する段数が21段であり、各段にパルス数“5”が割当てられている。
【0026】
図3(b)に示す電動ブラインド100は、図3(a)に示す電動ブラインド100に比べて、各段の間の距離が短い。そのため、ブラインド(下端部53)を各段の間を移動させた場合、図3(a)に示す電動ブラインド100の昇降速度と、図3(b)に示す電動ブラインド100の昇降速度とが同じであれば、図3(b)に示す電動ブラインド100の方が、慣性力の影響を強く受け、ブラインドの停止した位置と各段の位置との間にズレが生じる。
【0027】
つまり、図3(a)に示す電動ブラインド100では、各段にパルス数“10”が割当てられているので、たとえばパルス数“6”の段階でブレーキ制御を行ない、ブラインドの停止した位置と各段の位置との間にズレが生じないように制御することが可能である。しかし、図3(b)に示す電動ブラインド100では、各段にパルス数“5”が割当てられているので、たとえばパルス数“6”の段階でブレーキ制御を行なうことができず、ブラインドの停止した位置と各段の位置との間にズレが生じないように制御することができない。
【0028】
本発明の実施の形態に係る電動ブラインド100では、ブラインドの停止した位置と各段の位置との間にズレが生じないように、ブラインドを停止することが可能な段数を少なく決定、またはブラインドの昇降速度が遅く決定する。
【0029】
なお、図3(a)には、矢印で示すように、上限位置から下限位置、下限位置から上限位置と11段ある電動ブラインド100の各段を順に移動して、ズレが生じるか否かをチェックする例を模式的に示してある。ブラインドの移動距離が長いほど、前倒しでブレーキ制御を行なうことができるため、ズレが生じるか否かをチェックを行なうためには、図3(a)に示すように、移動距離の短い1段ずつブラインドを移動させて行なう。
【0030】
次に、本発明の実施の形態に係る電動ブラインド100が、段数および昇降速度を決定する構成について説明する。図4は、本発明の実施の形態に係る電動ブラインド100のマイコン1が段数および昇降速度を決定する機能を説明するための機能ブロック図である。図4に示すマイコン1には、昇降位置検知部11、選択部12、昇降速度決定部13、段数決定部14を含んでいる。
【0031】
昇降位置検知部11は、フォトインタラプタ42からのパルス信号に基づき、電動モータ31によって昇降させたブラインドの位置を検知する。選択部12は、利用者が指令部2を用いて入力した指令に基づき、ブラインドの昇降速度を優先して設定するのか、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を優先して設定するのかを選択する。
【0032】
昇降速度決定部13は、ブラインドの上限位置から下限位置までの間を段階的に停止する場合に、ブラインドの昇降速度を最大昇降速度から順に減らして、昇降位置検知部11で検知したブラインドの停止した位置と、各段の位置との間にズレが生じない昇降速度を上限昇降速度として決定する。
【0033】
段数決定部14は、ブラインドの上限位置から下限位置までの間を段階的に停止する場合に、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を最小段数から増加させて、昇降位置検知部11で検知したブラインドの停止した位置と、各段の位置との間にズレが生じない最大設定段数を決定する。
【0034】
次に、本発明の実施の形態に係る電動ブラインド100のマイコン1が段数および昇降速度を決定する方法について説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る電動ブラインド100のマイコン1が段数および昇降速度を決定する方法を説明するためのフローチャートである。
【0035】
まず、マイコン1は、ブラインドの下限位置を設定する(ステップS1)つまり、マイコン1は、図2に示すようにブラインドの下端部53を降下させたときの下限位置を高さ“10”に設定する。
【0036】
次に、選択部12は、指令部2からの入力に基づき、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を優先して設定するか否かを選択する(ステップS2)。選択部12が、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を優先することを選択した場合(ステップS2:YES)、マイコン1は、指令部2を用いて利用者が入力した段数を設定する(ステップS3)。つまり、マイコン1は、利用者が入力した段数を優先し、昇降速度決定部13でブラインドの昇降速度を決定する。
【0037】
次に、昇降速度決定部13は、最大の昇降速度でブラインドの昇降を開始する(ステップS4)。
【0038】
次に、昇降速度決定部13は、図3に示すように各段において、ブラインドの停止した位置と各段の位置との間にズレが生じていないかを判断する(ステップS5)。昇降速度決定部13は、ブラインドの停止した位置と各段の位置との間にズレが生じていると判断した場合(ステップS5:YES)、ブラインドの昇降速度を遅く設定する(ステップS6)。なお、ブラインドの昇降速度を遅く変更する変更幅は、利用者が任意に決めても、電動モータ31で設定を変更できる最小単位であってもよい。
【0039】
次に、昇降速度決定部13は、ステップS6で遅くした昇降速度でブラインドの昇降を開始する(ステップS7)。その後、昇降速度決定部13は、処理をステップS5に戻す。
【0040】
次に、昇降速度決定部13は、ブラインドの停止した位置と各段の位置との間にズレが生じていないと判断した場合(ステップS5:NO)、マイコン1は、指令部2を用いて利用者が「決定」を入力したか否かを判断する(ステップS8)。
【0041】
マイコン1は、指令部2を用いて利用者が「決定」を入力したと判断した場合(ステップS8:YES)、昇降速度決定部13は、ブラインドの停止した位置と各段の位置との間にズレが生じていないと判断したときの昇降速度を上限昇降速度として決定する(ステップS9)。ステップS9で決定した上限昇降速度は、記憶部7に記憶される。
【0042】
マイコン1は、指令部2を用いて利用者が「決定」を入力していないと判断した場合(ステップS8:NO)、昇降速度決定部13は、処理をステップS6に戻す。
【0043】
なお、昇降速度決定部13は、ステップS8の処理を設けずに、ブラインドの停止した位置と各段の位置との間にズレが生じていないと判断したときの昇降速度を上限昇降速度として決定してもよい。この場合、利用者は、上限昇降速度を決定後、ブラインドを昇降させたい昇降速度を上限昇降速度以下の速度範囲で調整してもよい。
【0044】
次に、選択部12が、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を優先することを選択しない場合(ステップS2:NO)、マイコン1は、ブラインドの昇降速度を設定するために最大の昇降速度でブラインドの昇降を上限位置から下限位置までの間で開始する(ステップS10)。
【0045】
次に、マイコン1は、指令部2を用いて利用者が「決定」を入力したか否かを判断する(ステップS11)。マイコン1は、指令部2を用いて利用者が「決定」を入力したと判断しない場合(ステップS11:NO)、ブラインドの昇降速度を遅く設定する(ステップS12)。マイコン1は、ステップS12で遅くした昇降速度でブラインドの昇降を開始する(ステップS13)。その後、マイコン1は、処理をステップS11に戻す。
【0046】
次に、マイコン1は、指令部2を用いて利用者が「決定」を入力したと判断した場合(ステップS11:YES)、利用者が「決定」を入力したときの昇降速度をブラインドの昇降速度と設定する。つまり、マイコン1は、利用者が決定したブラインドの昇降速度を優先し、段数決定部14で上限位置から下限位置までの間で停止する段数を決定する。なお、ブラインドの昇降速度は、ステップS10からステップS13までの処理で決定する場合に限定されるものではなく、利用者が指令部2を用いて昇降速度の値を入力して決定してもよい。
【0047】
次に、段数決定部14は、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を最小段数(たとえば2段)でブラインドの昇降を開始する(ステップS14)。
【0048】
次に、段数決定部14は、図3に示すように各段において、ブラインドの停止した位置と各段の位置との間にズレが生じていないかを判断する(ステップS15)。段数決定部14は、ブラインドの停止した位置と各段の位置との間にズレが生じていないと判断した場合(ステップS15:NO)、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を増やす(ステップS16)。なお、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を増やす単位は、1段ずつでも、利用者が任意に決めた段数でもよい。
【0049】
次に、段数決定部14は、ステップS16で増やした段数でブラインドの昇降を開始する(ステップS17)。その後、段数決定部14は、処理をステップS15に戻す。
【0050】
次に、段数決定部14は、ブラインドの停止した位置と各段の位置との間にズレが生じていると判断した場合(ステップS15:YES)、段数を増やす前の段数を最大設定段数として決定する(ステップS18)。ステップS18で決定した最大設定段数は、記憶部7に記憶される。
【0051】
なお、最小段数で、ブラインドの停止した位置と各段の位置との間にズレが生じた場合、マイコン1は、設定したブラインドの昇降速度を遅くする処理を行なうものとする。また、利用者は、段数決定部14で決定した後、最大設定段数以下の段数に調整してもよい。
【0052】
マイコン1が段数および昇降速度を決定するフローチャートは、ステップS9で上限昇降速度を決定、またはステップS18で最大設定段数を決定することで終了する。
【0053】
以上のように、本発明の実施の形態に係る電動ブラインド100は、前述のように、ブラインドの昇降速度(上限昇降速度)およびブラインドの停止する段数(最大設定段数)を決定するので、ブラインドの停止した位置と、各段の位置との間にズレが生じないようにすることができる。
【0054】
(変形例)
前述した本発明の実施の形態に係る電動ブラインド100では、ブラインドの停止する段数を決定するための段数決定部14と、ブラインドの昇降速度を決定するための昇降速度決定部13との両方を含む構成である。しかし、本発明に係る電動ブラインドは、これに限定されるものではなく、ブラインドの昇降速度が既に決められており、ブラインドの停止する段数のみを決定するために段数決定部14の一方を含む構成であってもよい。また、本発明に係る電動ブラインドは、ブラインドの停止する段数が既に決められており、ブラインドの昇降速度のみを決定するために昇降速度決定部13の一方を含む構成であってもよい。
【0055】
さらに、前述した本発明の実施の形態に係る電動ブラインド100では、選択部12で、ブラインドの昇降速度を優先して設定するのか、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を優先して設定するのかを選択する。しかし、本発明に係る電動ブラインドは、これに限定されるものではなく、ブラインドの停止した位置と各段の位置との間にズレが生じない上限昇降速度と最大設定段数との組合わせを網羅的に求め、求めた範囲内で利用者がブラインドの昇降速度および段数を決定する構成でもよい。つまり、本発明に係る電動ブラインドは、窓などに設置した時に、ブラインドの停止した位置と各段の位置との間にズレが生じない上限昇降速度と最大設定段数との組合わせを網羅的に求め、その結果を記憶部7に記憶させておく。これにより、本発明に係る電動ブラインドは、その後、前述の処理を行なうことなく、上限昇降速度以下および最大設定段数以下の範囲内で、利用者がブラインドの昇降速度および段数を決定することができる。
【0056】
また、昇降速度決定部13は、ブラインドの昇降速度を最大昇降速度から順に減らして、昇降位置検知部11で検知したブラインドの停止した位置と、各段の位置との間にズレが生じない昇降速度を上限昇降速度として決定する場合に限定されない。たとえば、昇降速度決定部13は、ブラインドの昇降速度を最小昇降速度から順に増やして、昇降位置検知部11で検知したブラインドの停止した位置と、各段の位置との間にズレが生じる昇降速度を見つけ、見つけた昇降速度の前に設定した昇降速度を上限昇降速度として決定してもよい。また、昇降速度決定部13は、ブラインドの昇降速度を最大昇降速度または最小昇降速度から順に始める必要はなく、最小昇降速度から最大昇降速度までの間のある昇降速度から始めてもよい。
【0057】
さらに、段数決定部14は、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を最小段数から増加させて、昇降位置検知部11で検知したブラインドの停止した位置と、各段の位置との間にズレが生じない最大設定段数を決定する場合に限定されない。たとえば、段数決定部14は、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を最大段数から減少させて、昇降位置検知部11で検知したブラインドの停止した位置と、各段の位置との間にズレが生じる段数をを見つけ、見つけた段数の前に設定した段数を最大設定段数として決定してもよい。また、昇降位置検知部11は、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を最小段数または最大段数から順に始める必要はなく、最小段数から最大段数までの間のある段数から始めてもよい。
【0058】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0059】
1 マイコン、2 指令部、6 電源部、7 記憶部、11 昇降位置検知部、12 選択部、13 昇降速度決定部、14 段数決定部、31 電動モータ、32 駆動部、40 シャフト、41 回転板、42 フォトインタラプタ、43 巻取りドラム、44 リフティングテープ、51 ラダーコード、52 羽根、53 下端部、100 電動ブラインド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機によって、ブラインドの昇降を行なうことが可能な電動ブラインドであって、
前記電動機により昇降させた前記ブラインドの位置を検知する昇降位置検知部と、
前記ブラインドの上限位置から下限位置までの間を段階的に停止する場合に、前記ブラインドの昇降速度を増減させて、前記昇降位置検知部で検知した前記ブラインドの停止した位置と、前記各段の位置との間にズレが生じない昇降速度を上限昇降速度として決定する昇降速度決定部と、
前記昇降速度決定部で決定した前記上限昇降速度を記憶する記憶部と
を備え、前記ブラインドの昇降速度を前記上限昇降速度以下にして前記ブラインドを昇降する電動ブラインド。
【請求項2】
前記ブラインドの上限位置から下限位置までの間を段階的に停止する場合に、前記上限位置から前記下限位置までの間で停止する段数を増減させて、前記昇降位置検知部で検知した前記ブラインドの停止した位置と、前記各段の位置との間にズレが生じない最大設定段数を決定する段数決定部をさらに備え、
前記段数決定部で決定した前記最大設定段数を前記記憶部に記憶し、前記上限位置から前記下限位置までの間で停止する段数を前記最大設定段数以下にして前記ブラインドを昇降する、請求項1に記載の電動ブラインド。
【請求項3】
前記ブラインドの昇降速度を優先して設定するのか、前記上限位置から前記下限位置までの間で停止する段数を優先して設定するのかを選択する選択部をさらに備え、
前記選択部で前記ブラインドの昇降速度を優先して設定することを選択した場合、前記段数決定部で前記最大設定段数を決定し、前記選択部で前記上限位置から前記下限位置までの間で停止する段数を優先して設定することを選択した場合、前記昇降速度決定部で前記上限昇降速度を決定する、請求項2に記載の電動ブラインド。
【請求項4】
電動機によって、ブラインドの昇降を行なうことが可能な電動ブラインドであって、
前記電動機により昇降させた前記ブラインドの位置を検知する昇降位置検知部と、
前記ブラインドを昇降させる昇降速度を利用者が設定し、前記ブラインドの上限位置から下限位置までの間を段階的に停止する場合に、上限位置から下限位置までの間で停止する段数を増減させて、前記昇降位置検知部で検知した前記ブラインドの停止した位置と、前記各段の位置との間にズレが生じない最大設定段数を決定する段数決定部と、
前記段数決定部で決定した前記最大設定段数を記憶する記憶部と
を備え、前記上限位置から前記下限位置までの間で停止する段数を前記最大設定段数以下にして前記ブラインドを昇降する電動ブラインド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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