説明

電動リール

【課題】電動リールにおいて、リールを大型化することなく、スイッチ操作部の操作性を向上させる。
【解決手段】第3スイッチ操作部7及び第4スイッチ操作部8を同時押しすることによって、リール本体1右側部に配置された第1スイッチ操作部4及びリール本体1左側部に配置された第2スイッチ操作部5に割り振られた寸動スイッチモード及び連続スイッチモードを逆に切り換える。ここでは、第3スイッチ操作部7および第4スイッチ操作部8を同時押しすることによって、第1スイッチ操作部4に寸動スイッチモードが割り振られ第2スイッチ操作部5に連続スイッチモードが割り振られた状態と、第1スイッチ操作部4に連続スイッチモードが割り振られ第2スイッチ操作部5に寸動スイッチモードが割り振られた状態とを切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動リール、特に、釣り糸を巻き取る電動リールに関する。
【背景技術】
【0002】
電動リールは、たとえば、氷結した湖上やドーム船上からワカサギ等の小魚を釣るときに使用される小型のものが知られている。この種の電動リールは、ティップと呼ばれる比較的短く弾力性のある釣竿が装着されるリール本体と、リール本体に配置され釣り糸を巻き取るスプールと、スプールを回転させるモータと、リール本体の側部に配置されモータの駆動をオン、オフするスイッチ操作部とを備えている。このような電動リールでは、スイッチ操作部をオン操作することによりモータを駆動してスプールを回転させることによって釣り糸を巻き取る。
【0003】
また、このような電動リールにおいて釣り糸を巻き上げるスイッチ操作部には、スイッチ操作部が1回オン操作されたときにモータを回転させスイッチ操作部が再度1回オン操作されたときにモータを停止させることにより連続的に釣り糸の巻き上げをする連続スイッチと、スイッチ操作部がオン操作されているときのみモータを回転させスイッチ操作部がオン操作されていないときモータを停止させることにより操作スイッチを所定の時間オン操作している間釣り糸の巻き上げをする寸動スイッチとがある。たとえば、連続スイッチを有する電動リールとして、リール本体の右側部に1つのスイッチ(右スイッチ、オート右スイッチ)が配置されたものや、リール本体の左側部に1つのスイッチ(左スイッチ、オート左スイッチ)が配置されたものが知られている(たとえば、特許文献1、非特許文献1参照)。また、寸動スイッチを有する電動リールとして、リール本体の右側部に1つのスイッチ(スタンダード右スイッチ)が配置されたものや、リール本体の左側部に1つのスイッチ(スタンダード左スイッチ)が配置されたものが知られている(たとえば、非特許文献1参照)。また、連続スイッチと寸動スイッチとを有する電動リールとして、リール本体の上部に1つの連続スイッチと2つの寸動スイッチとが配置されたものが知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4392627号公報
【特許文献2】特開2009−240273号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】インターネット<URL:http://www.yety.jp/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の連続スイッチ又は寸動スイッチを有する電動リールは、リール本体の右側部又は左側部に1つの連続スイッチ又は寸動スイッチしか配置されていないので、連続スイッチ又は寸動スイッチの一方のみしか使用することができないため、釣人はリール本体の右側部又は左側部に連続スイッチを有する電動リールと、リール本体の右側部又は左側部に寸動スイッチを有する電動リールとをそれぞれ別途用意する必要があり、複数の電動リールを用意するのは釣人にとって負担が増加するおそれがある。また、リール本体の上部に1つの連続スイッチと2つの寸動スイッチとが配置された電動リールは、複数の電動リールを用意する必要がなく連続スイッチ又は寸動スイッチを使用することができるが、リール本体の上部の所定の位置に連続スイッチと寸動スイッチとが配置されているため、リール本体の側部を把持する指と異なる指で操作する必要があり、このため、スイッチ操作部の操作性が低下するおそれが生じる。また、この電動リールでは、同じ機能の寸動スイッチが2つ配置されているため、スイッチやスイッチを配置するスペースが別途必要になり、このためリールが大型化したり、リール製造コストが増大するそれが生じる。
【0007】
本発明の課題は、電動リールにおいて、リールを大型化することなく、スイッチ操作部の操作性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明1に係る電動リールは、釣り糸を巻き取る電動リールであって、リール本体と、スプールと、モータと、リール制御部と、第1スイッチ操作部と、第2スイッチ操作部、スイッチモード切換手段とを備えている。スプールは、リール本体に回転自在に支持された糸巻き用のものである。モータは、スプールを回転させる。リール制御部は、モータの駆動を制御するモータ制御部を有する。第1スイッチ操作部は、リール本体の右側部に配置される。第2スイッチ操作部は、リール本体の左側部に配置される。スイッチモード切換手段は、第1スイッチ操作部及び第2スイッチ操作部に割り振られた寸動スイッチモード及び連続スイッチモードを逆に切り換える。寸動スイッチモードは、第1スイッチ操作部又は第2スイッチ操作部がオン操作されているときのみモータを回転させ、第1スイッチ操作部又は第2スイッチ操作部がオン操作されていないときモータを停止させるスイッチモードである。連続スイッチモードは、第1スイッチ操作部又は第2スイッチ操作部が1回オン操作されたときにモータを回転させ、第1スイッチ操作部又は第2スイッチ操作部が再度1回オン操作されたときにモータを停止させるスイッチモードである。
【0009】
この電動リールでは、スイッチモード切換手段は、リール本体の右側部に配置された第1スイッチ操作部及びリール本体の左側部に配置された第2スイッチ操作部に割り振られた寸動スイッチモード及び連続スイッチモードを逆に切り換える。ここでは、スイッチモード切換手段によって、第1スイッチ操作部に寸動スイッチモードが割り振られ第2スイッチ操作部に連続スイッチモードが割り振られた状態と、第1スイッチ操作部に連続スイッチモードが割り振られ第2スイッチ操作部に寸動スイッチモードが割り振られた状態とを切り換える。ここでは、第1スイッチ操作部と第2スイッチ操作部との2つのスイッチ操作部だけで、寸動スイッチモード及び連続スイッチモードと連続スイッチモード及び寸動スイッチモードとを切り換えることができるので、従来のように同じ機能のスイッチを別途配置する必要がなくなり、このため、リールを大型化することがなくなる。また、第1スイッチ操作部はリール本体の右側部に配置され、第2スイッチ操作部はリール本体の左側部に配置されているので、リール本体の側部を把持する指と同じ指で第1スイッチ操作部及び第2スイッチ操作部を操作することができるので、スイッチ操作部の操作性を向上させることができる。
【0010】
発明2に係る電動リールは、発明1の電動リールにおいて、リール本体に配置された切換スイッチ操作部をさらに備えている。スイッチモード切換手段は、切換スイッチ操作部の操作に応じて、リール制御部が第1スイッチ操作部及び第2スイッチ操作部に割り振られた寸動スイッチモード及び連続スイッチモードを逆に切り換える制御を行う手段である。この場合、釣人による切換スイッチ操作部の操作によって第1スイッチ操作部及び第2スイッチ操作部に割り振られた寸動スイッチモード及び連続スイッチモードを逆に容易に切り換えることができる。
【0011】
発明3に係る電動リールは、発明1又は2の電動リールにおいて、第1スイッチ操作部及び第2スイッチ操作部は、それぞれリール本体の左右側部の対称となる位置に配置されている。この場合、第1スイッチ操作部及び第2スイッチ操作部はリール本体の左右側部の対称となる位置に配置されているので、釣人の右手又は左手の同じ指で操作することができる。
【0012】
発明4に係る電動リールは、発明1から3のいずれかの電動リールにおいて、リール本体は、全体を片手で把持可能な大きさとなるように形成されている。第1スイッチ操作部及び第2スイッチ操作部は、それぞれ親指または人差し指で操作可能なリール本体の左右側部に配置されている。この場合、リール本体の全体を片手で把持可能な大きさとなる小型の電動リールであるので、たとえばリール本体を釣り用の台座や船縁等に載置した状態で釣人の右手又は左手の親指または人差し指で操作することができる。
【0013】
発明5に係る電動リールは、発明1から4のいずれかの電動リールにおいて、リール本体に設けられた表示部をさらに備えている。リール制御部は、少なくとも第1スイッチ操作部及び第2スイッチ操作部に寸動スイッチモード及び連続スイッチモードのいずれが割り振られているかを示す図形を表示部に表示する表示制御部をさらに有している。この場合、表示部に少なくとも第1スイッチ操作部及び第2スイッチ操作部に寸動スイッチモード及び連続スイッチモードのいずれが割り振られているかを示す図形が表示されているので、釣人は現在のスイッチモードを容易に認識できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電動リールにおいて、スイッチモード切換手段によって、リール本体の右側部に配置された第1スイッチ操作部及びリール本体の左側部に配置された第2スイッチ操作部に割り振られた寸動スイッチモード及び連続スイッチモードを逆に切り換えできるので、リールを大型化することなく、スイッチ操作部の操作性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態を採用した電動リールの平面図。
【図2】前記電動リールの右側面図。
【図3】前記電動リールを前方から見たときの斜視図。
【図4】リール本体にストッパガイドを装着したときの拡大斜視図。
【図5】前記ストッパガイドの拡大斜視図。
【図6】前記リール本体の前記ストッパガイド装着部の拡大斜視図。
【図7】前記リール本体のスプールを取り外したときの拡大斜視図。
【図8】第1スイッチ操作部が寸動スイッチモードであるときの表示部の拡大平面図。
【図9】第2スイッチ操作部が寸動スイッチモードであるときの前記表示部の拡大平面図。
【図10】前記電動リールの制御ブロック図。
【図11】前記スプールの分解斜視図。
【図12】前記スプールの釣糸係止部装着部の拡大断面図。
【図13】前記スプールのつまみ部材の拡大断面図。
【図14】モータ及びモータケースの拡大斜視図。
【図15】前記モータ及び前記モータケース取付部分の拡大斜視図。
【図16】仕掛けを降ろしているときの前記電動リールに釣竿を装着したときの右側面図。
【図17】前記仕掛けを巻き上げたときの前記電動リールに前記釣竿を装着したときの右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態が採用された電動リールは、図1から図3に示すように、たとえば、氷結した湖上やドーム船上からワカサギ等の小魚を釣るときに使用される小型の電動リールである。この電動リールは、ティップと呼ばれる比較的短く弾力性のある釣竿Rが前部に装着されるリール本体1と、リール本体1の右上前部に配置され釣り糸Lを巻き取るスプール2と、リール本体1の内部に配置されスプール2を回転させるモータ3(図10及び図14参照)と、リール本体1の右側部及び左側部に配置されモータ3の駆動をオン、オフする第1スイッチ操作部4及び第2スイッチ操作部5と、リール本体1の上面に配置され各種の情報を表示する表示部6と、リール本体1の上面の表示部6の後部に配置されスイッチモード等の切り換え設定を行う第3スイッチ操作部7及び第4スイッチ操作部8と、リール本体1の上面の表示部6の前部に配置されモータ3のスプール2への回転伝達をオン、オフするクラッチ操作部9とを備えている。また、リール本体1の前部には、釣竿Rが装着される筒状に突出した釣竿装着部1aが形成されており、釣竿装着部1a及び釣竿Rの基端部外周には、釣り糸Lに設けられたストッパS(図17参照)が接触して釣り糸Lの巻き取りを停止させるストッパガイド10が着脱自在に装着されている。このような電動リールでは、第1スイッチ操作部4及び第2スイッチ操作部5をオン操作することによりモータ3を駆動してスプール2を回転させることによって釣り糸Lを巻き取る。なお、この電動リールでは、釣り糸Lの巻き取りはモータ3の駆動のみによってスプール2を回転させることによって行われ、スプール2を手動で回転させるハンドル等を備えていない。
【0017】
リール本体1は、図1から図3に示すように、全体を片手で把持可能な大きさとなるように形成され、合成樹脂製の複数のケース部材を組み立てることによって形成された内部に収納空間を有する前後に長い筐状部材である。リール本体1は、図1から図3に示すように、右下前部から前方に突出し釣竿Rが装着される円筒状の釣竿装着部1aと、右上前部が他の部分より凹んで形成されスプール2が配置されるスプール収納凹部1bとを有している。釣竿装着部1aは、図4及び図6に拡大して示すように、リール本体1のスプール収納凹部1bの下部から前方に突出する円筒状の部分であって、内周部に釣竿Rが装着固定され、外周部に釣り糸Lを巻き取っているときに釣り糸Lに設けられたストッパS(図17参照)が接触して釣り糸Lの巻き取りを停止させるストッパガイド10が着脱自在に装着されている。
【0018】
ストッパガイド10は、図4及び図5に示すように、金属製の線材部材を折り曲げて形成された部材である。ストッパガイド10は、図5に示すように、釣り糸Lが横方向に移動しながら通過可能かつストッパSが接触して通過不能に横長に形成された接触孔部10aと、接触孔部10aの下部中央から下方に延びる第1連結部10bと、接触孔部10aの下部中央から斜め前下方に延びる第2連結部10cと、第1連結部10bの下部に円環状に形成され釣竿装着部1aの外周部に着脱自在に装着される第1装着部10dと、第2連結部10cの下部に円環状に形成され釣竿Rの基端側外周部に着脱自在に装着される第2装着部10eとを有している。接触孔部10a、第1連結部10b、第2連結部10c、第1装着部10d及び第2装着部10eは、1本の金属製の線材部材を折り曲げて一体成形されている。接触孔部10aは、図4に示すように、スプール2の糸巻き部分と同程度の横幅となるように横長に形成された楕円形の孔部であって、釣り糸Lが横方向に移動しながら通過可能である。また、接触孔部10aは、図17に示すように、上下幅がストッパSの直径より小さくなるように形成されており、このため、ストッパSが接触孔部10aに接触して接触孔部10aを通過することがない。また、第1装着部10dは、図2から図4に示すように、大径の釣竿装着部1aの外周部に装着され、第2装着部10eは、小径の釣竿Rの基端部外周に装着されており、第1装着部10dの直径は、第2装着部10eの直径より大きくなるように形成されている。また、釣竿装着部1aの下部には、図6に示すように、下方に膨出し膨出部1cが形成されており、膨出部1cの外周部には、釣竿装着部1aの外周部に沿った円弧状の第1溝部1dが形成されている。この第1溝部1dには、ストッパガイド10の第1装着部10dの下部が装着されており、これにより、ストッパガイド10が前後方向に移動するのが規制され、ストッパガイド10が抜け止めされる。さらに、釣竿装着部1aの上方には、図6に示すように、リール本体1の前部から前方に突出した第1突出部1e及び第2突出部1fが形成されており、第1突出部1eと第2突出部1fとの間には、ストッパガイド10の第1連結部10bの下部が挿通可能な第2溝部1gが形成されている。ここでは、図4に示すように、第2溝部1gにストッパガイド10の第1連結部10bが挿通されているので、ストッパガイド10が左右方向に移動するのが規制され、ストッパガイド10が所定の位置に回り止めされる。
【0019】
このようなストッパガイド10を電動リール及び釣竿Rを取り付けるには、まず、図6に示すように、釣竿装着部1aから釣竿Rを取り外した状態で、釣竿装着部1aの外周部にストッパガイド10の第1装着部10dを装着する。このとき、図4に示すように、ストッパガイド10の第1連結部10bが第1突出部1eと第2突出部1fとの間の第2溝部1gに挿通されるように位置決めして、ストッパガイド10の第1装着部10dを膨出部1cの第1溝部1dに押し込んで装着する。そして、第1溝部1dに第1装着部10dが装着された状態で、釣竿Rの基端部をストッパガイド10の第2装着部10eを挿通させてから釣竿装着部1aに釣竿Rを挿入固定する。ストッパガイド10を電動リール及び釣竿Rから取り外すには、取付作業と逆の手順を行えばよい。
【0020】
次に、図16に示すように、電動リール及び釣竿Rにストッパガイド10を取り付けた状態で、スプール2に巻き付けられた釣り糸Lをストッパガイド10の接触孔部10aを後ろから前方に挿通した後、釣り糸Lの先端側からストッパSを挿通する。ストッパSは、中央部に釣り糸Lの直径よりやや大径の釣糸挿通孔が形成された略球状のビーズであって、ストッパガイド10の接触孔部10aの孔部より大径の部材である。このため、ストッパSが接触孔部10aに接触して接触孔部10aを通過することがない。また、ストッパSは、釣竿Rの外周部に取り付けられた最も後側のガイドリングGの孔部より大径の部材である。このためストッパSが最も後側のガイドリングGに接触して最も後側のガイドリングGを通過することがない。したがって、ストッパSは、ストッパガイド10と最も後側のガイドリングGとの間を前後に移動可能である。そして、釣り糸Lの先端を釣竿Rの外周部に取り付けられた複数のガイドリングGを挿通し、釣り糸Lの先端に仕掛けHが取り付けられた道糸Mを取り付ける。釣り糸Lと道糸Mとの間には、結び目Kが形成されており、結び目KはストッパSの釣糸挿通孔を挿通不能であるが、結び目Kは複数のガイドリングGを挿通可能である。
【0021】
この状態で釣り糸を巻き上げていくと、結び目Kが最も後側のガイドリングGを挿通し、結び目KがストッパSに接触する。さらに、釣り糸を巻き上げていくと、結び目KがストッパSをストッパガイド10の接触孔部10aに向かって押して、図17に示すように、ストッパSがストッパガイド10の接触孔部10aに接触することによって釣り糸Lの巻き取りが停止される。このとき、仕掛けHは釣竿Rの先端の手前で停止するので、仕掛けHが最も前側のガイドリングGに巻き込まれることがなくなる。したがって、このようなストッパガイド10を設けることによって、仕掛けHをスプール2に巻き込んでしまうことを防止できる。
【0022】
スプール2は、図1から図3に示すように、リール本体1の右上前部が他の部分より凹んで形成されたスプール収納凹部1bの側部に装着されたスプール軸11(図7参照)に回転可能に支持され、全体がスプール収納凹部1b内に配置されている。また、スプール収納凹部1bのスプール2の下部には、図3、図4及び図7に示すように、スプール2からスプール収納凹部1bの側部側に釣り糸Lが糸落ちし釣り糸Lがスプール軸11に絡みつくのを防止するために、スプール2の外形と対向するように立設された複数の柱状のリブからなる壁部1hが形成されている。壁部1hは、スプール収納凹部1bの側部側底部に立設された複数の柱状のリブを連続的に配置して階段状に形成したものであって、スプール2の下部外周全体を覆うように配置されているので、スプール2に巻かれた釣り糸Lが壁部1hによってスプール収納凹部1bの側部側に糸落ちするのを防止できる。さらに、ここでは、複数の柱状のリブで壁部1hを構成しているので、壁部1hの肉厚が厚肉化し樹脂成型時のヒケ等による壁部1hの変形によって、壁部1hとスプール2との位置寸法が不安定になるのを防止できる。
【0023】
スプール2は、図11及び図12に示すように、外周に釣り糸Lが巻き付けられる筒状の糸巻胴部2aと、糸巻胴部2aの一端に径方向外方に突出して設けられた第1フランジ部2bと、糸巻胴部2aの他端に径方向外方に突出して設けられた第2フランジ部2cと、糸巻胴部2aの内周部を貫通しスプール軸11が挿通される貫通孔2eと、第1フランジ部2bの径方向に沿って外周部と貫通孔2eとを連通するように形成され釣糸係止部20が装着される装着溝2dとを有している。糸巻胴部2aは、スプール軸11よりやや大径の筒状部材である。第1フランジ部2bのスプール収納凹部1bの側部対向面には、図11に示すように、2つのマグネット26が接着固定されている。2つのマグネット26は、リール本体1の内部に装着された図示しないリードスイッチと対向する位置に配置され、スプール2の回転数を検出するためのものである。貫通孔2eには、図11及び図12に示すように、釣糸係止部20の基端部20bを貫通孔2eに係止した後に、第1フランジ部2b側の開口から第1軸受部材21が圧入固定され、第2フランジ部2c側の開口からカラー部材23が装着された後に、第2フランジ部2c側の開口から第2軸受部材22が圧入固定されている。第1軸受部材21及び第2軸受部材22は、玉軸受であって、外周部が貫通孔2eに圧入固定され、内周部がスプール軸11に固定されている。カラー部材23は、第1軸受部材21と第2軸受部材22との間に配置されるスペーサであって、内周部にスプール軸11が挿通される筒状部材である。スプール軸11の先端部には、ナット部材24がねじ込まれ、Oリング25によって緩み止めされている。ナット部材24は、図13に拡大して示すように、スプール軸11の先端部外周に形成されたねじ部11aが螺合するねじ孔24aと、ねじ孔24aの開口側にねじ孔24aより大径に形成され内周部にOリング25が圧縮された状態で装着される貫通孔24bと、貫通孔24bの開口側内周部が内側にやや突出した内フランジ部24cとを有している。内フランジ部24cとスプール軸11との間の隙間は、Oリング25の直径よりやや小さくなるように形成されており、このため、Oリング25を貫通孔24bの内周部に係止した状態でスプール軸11が挿通される。
【0024】
釣糸係止部20は、図1から図3、図11及び図12に示すように、基端部20bがスプール2の貫通孔2eに係止され、先端部20cがスプール2の第1フランジ部2bの外周部に露出して配置され、先端部20cとスプール2の第1フランジ部2bの外周部との間で釣り糸Lを挟持可能な金属製の線材部材である。釣糸係止部20は、図2、図3及び図11に示すように、1本の線材部材を折り曲げて2本の線材形状となるように形成されており、同一形状のものを3つ備えており、3つの釣糸係止部20が等間隔に配置された3箇所の装着溝2dに装着されている。釣糸係止部20は、図12に示すように、装着溝2dに装着される本体部20aと、本体部20aの基端側に一体成形された基端部20bと、本体部20aの先端側に一体成形された先端部20cとを有している。本体部20aは、装着溝2dに装着される直線状の部分であって、装着溝2dに接着固定される。基端部20bは、第1フランジ部2bの装着溝2dから貫通孔2eの一部が釣糸係止部20の厚み程度凹んで形成された凹み部2fに沿って折り曲げられており、これによって、釣糸係止部20の基端部20bは、貫通孔2eに係止される。先端部20cは、第1フランジ部2bの装着溝2dから第1フランジ部2bの外縁部に沿って折れ曲がるように形成されている。先端部20cと第1フランジ部2bの外周部との間には僅かな隙間が生成されており、この隙間に釣り糸Lを挟持可能である。
【0025】
このようなスプール2及び釣糸係止部20を組み立てるには、まず、1本の線材部材を折り曲げて2本の線材形状となるように形成し、先端部20cを第1フランジ部2bの装着溝2dから第1フランジ部2bの外縁部に沿う形状になるように折り曲げ、基端部20bを第1フランジ部2bの装着溝2dから貫通孔2eの凹み部2fに沿う形状になるように予め折り曲げた釣糸係止部20を用意する。この状態で、図12に示すように、釣糸係止部20の基端部20b及び本体部20aを第1フランジ部2bの装着溝2dに装着し、釣糸係止部20の基端部20bを貫通孔2eに係止する。次に、第1フランジ部2bの装着溝2dに装着された釣糸係止部20の本体部20aを接着剤により固定する。そして、第1フランジ部2b側の開口から第1軸受部材21を貫通孔2eに圧入固定し、第2フランジ部2c側の開口からカラー部材23を装着した後に、第2フランジ部2c側の開口から第2軸受部材22を貫通孔2eに圧入固定する。次に、スプール軸11を第2軸受部材22、カラー部材23、第1軸受部材21の順に挿通させ、スプール軸11の先端部のねじ部11aにOリング25を貫通孔24bの内周部に係止した状態のナット部材24のねじ孔24aを螺合することによって、スプール2はスプール軸11に回転可能に支持される。
【0026】
モータ3は、リール本体1の内部に配置され、モータ3の回転をスプール軸11に伝達することによって、スプール2を回転させる。この回転伝達機構内には、図示しないクラッチ機構を有しており、クラッチ操作部9(図1参照)のオン、オフ操作によって、回転伝達がオン、オフされる。モータ3は、図14に示すように、鋼板により形成されたモータホルダ40に装着されており、モータホルダ40に装着されたモータ3をモータホルダ40ごとスプール軸11に接触、離反させることによって、クラッチのオン、オフを行っている。このようなモータホルダ40にモータ3を取り付けるには、図15に拡大して示すように、モータ3に予め形成されている係合溝3aにモータホルダ40の係合突起40aを折り曲げて係合させることによって固定している。ここでは、モータ3に予め形成されている係合溝3aを用いることにより、モータホルダ40にモータ3を取り付けるためにモータ3を加工する必要がなくなる。また、モータ3に予め形成されている凹部や溝部は、モータホルダ40にモータ3を取り付ける前に、シリコンボンドが塗布したり、あるいは、テープを貼付することによって塞がれており、これにより、モータ3を防水することができる。
【0027】
第1スイッチ操作部4は、図1から図3に示すように、リール本体1の右側部に配置され、モータ3の駆動をオン、オフするスイッチである。第2スイッチ操作部5は、図1に示すように、リール本体1の左側部に配置されモータ3の駆動をオン、オフするスイッチである。第1スイッチ操作部4及び第2スイッチ操作部5は、図1に示すように、それぞれリール本体1の左右側部の対称となる位置に配置されている。リール本体1は、全体を片手で把持可能な大きさとなるように形成されている。第1スイッチ操作部4及び第2スイッチ操作部5は、それぞれ親指または人差し指で操作可能なリール本体の左右側部に配置されている。具体的には、左手で操作する場合には、第1スイッチ操作部4を親指で操作可能であり、第2スイッチ操作部5を人差し指で操作可能である。また、右手で操作する場合には、第1スイッチ操作部4を人差し指で操作可能であり、第2スイッチ操作部5を親指で操作可能である。このような第1スイッチ操作部4及び第2スイッチ操作部5には、モータ3の駆動をさせるスイッチモードとして、寸動スイッチモードと連続スイッチモードとの2つのスイッチモードが割り当てられている。具体的には、寸動スイッチモードは、第1スイッチ操作部4又は第2スイッチ操作部5がオン操作されているときのみモータ3を回転させ、第1スイッチ操作部4又は第2スイッチ操作部5がオン操作されていないときモータ3を停止させるスイッチモードである。また、連続スイッチモードは、第1スイッチ操作部4又は第2スイッチ操作部5が1回オン操作されたときにモータ3を回転させ、第1スイッチ操作部4又は第2スイッチ操作部5が再度1回オン操作されたときにモータ3を停止させるスイッチモードである。そして、第3スイッチ操作部7及び第4スイッチ操作部8を同時押しすることによって、リール本体1右側部に配置された第1スイッチ操作部4及びリール本体1左側部に配置された第2スイッチ操作部5に割り振られた寸動スイッチモード及び連続スイッチモードを逆に切り換えるようになっている。このようなスイッチモードの切り換えは、後述するリール制御部30(図10参照)が第3スイッチ操作部7及び第4スイッチ操作部8を同時押しを検出すると、リール制御部30が第1スイッチ操作部4及び第2スイッチ操作部5に寸動スイッチモード又は連続スイッチモードの機能を割り当てる制御を行うことによって、スイッチモードを切り換えている。
【0028】
表示部6は、図1に示すように、リール本体1の上面に配置され、各種の情報を表示するセグメント方式の液晶ディスプレイであって、クラッチ操作部9と第3スイッチ操作部7及び第4スイッチ操作部8との間に配置されている。表示部6は、図8及び図9に拡大して示すように、上部に配置され仕掛けの水深を表示する水深表示部6aと、水深表示部6aの下部左側に配置されバッテリの残量を表示するバッテリ残量表示部6bと、水深表示部6aの下部中央に配置され第1スイッチ操作部4が寸動スイッチモードであるときRの図形(図8参照)を表示し、第2スイッチ操作部5が寸動スイッチモードであるときLの図形(図9参照)を表示して第1スイッチ操作部4及び第2スイッチ操作部5の状態を表示するスイッチ操作部状態表示部6cと、水深表示部6aの下部右側に配置されスプール2の回転速度を表示する速度表示部6dとを有している。ここでは、図8に示すように、スイッチ操作部状態表示部6cにRの図形が表示されているときは、第1スイッチ操作部4が寸動スイッチモードであり、第2スイッチ操作部5が連続スイッチモードであることを示している。また、図9に示すように、スイッチ操作部状態表示部6cにLの図形が表示されているときは、第2スイッチ操作部5が寸動スイッチモードであり、第1スイッチ操作部4が連続スイッチモードであることを示している。
【0029】
第3スイッチ操作部7及び第4スイッチ操作部8は、図1に示すように、リール本体1の上面に配置されスイッチモード等の切り換え設定を行うスイッチである。第3スイッチ操作部7及び第4スイッチ操作部8は、表示部の後部に配置され、右側に第3スイッチ操作部7が位置し、左側に第4スイッチ操作部8が位置するように並べて配置されている。ここでは、第3スイッチ操作部7及び第4スイッチ操作部8を同時押しすることによって、リール本体1右側部に配置された第1スイッチ操作部4及びリール本体1左側部に配置された第2スイッチ操作部5に割り振られた寸動スイッチモード及び連続スイッチモードを逆に切り換える。
【0030】
リール本体1の内部には、CPU、RAM、ROM、I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータを含むリール制御部30(図10参照)が配置されている。リール制御部30は、図10に示すように、第1スイッチ操作部4、第2スイッチ操作部5、第3スイッチ操作部7及び第4スイッチ操作部8の各種のスイッチ操作部と、スプール2の回転方向及び回転数(回転位置データ)を検出するためのスプールセンサ41及びスプールカウンタ42と、モータ3に流れる電流値を検出する電流値検出部44と、制御プログラムに従ってモータ3の駆動制御を行うモータ制御部31と、表示部6の表示制御を行う表示制御部32と、各種のデータを記憶する記憶部43と、他の入出力部とが接続されている。スプールセンサ41は、前後に並べて配置された2つのリードスイッチから構成されている。リードスイッチは、スプール2に装着された2個のマグネット26を検出する。この検出パルスをスプールカウンタ42で計数することでスプール2の回転数を検出できる。また、いずれのリードスイッチが先に検出パルスを発したかによりスプール2の回転方向を検出できる。スプールカウンタ42は、スプールセンサ41のオンオフ回数を計数するカウンタであり、この計数値によりスプール回転数に関する回転位置データが得られる。スプールカウンタ42は、スプール2が正転(糸繰り出し方向の回転)すると計数値が減少し、逆転すると増加する。記憶部43はたとえばEEPROM等の不揮発メモリからなり、学習結果のデータや糸長算出時に使用する各種のデータ等が記憶されている。電流値検出部44は、モータ3に流れる電流値を検出する電流計測センサである。モータ制御部31は、スプール2の回転数に応じた所定の位置(たとえば仕掛けHが釣竿Rの先端部位置、すなわち船縁位置)自動的にモータ3の駆動を停止して釣り糸Lの巻き取りを停止させる船縁停止機能を実現させている。具体的には、モータ制御部31は、スプールカウンタ42により検出されたスプール2の回転数が予め設定されたモータ3の駆動を停止させるスプール2の回転数から所定の範囲(たとえば船縁停止位置から所定の距離)内にあるとき、電流値検出部44により検出されたモータ3に流れる電流に応じて、モータ3の駆動を停止する制御を行う。ここでは、予め設定された船縁停止位置の所定の範囲内にあるとき、たとえばモータ3に大きな電流が流れたとき、すなわち、モータ3に大きな負荷が生じたときにモータ3の駆動を停止させることができるので、ストッパSがストッパガイド10に強く引き込まれてストッパS及びストッパガイド10が破損するのを防止できる。
【0031】
この電動リールでは、第3スイッチ操作部7及び第4スイッチ操作部8を同時押しすることによって、リール本体1右側部に配置された第1スイッチ操作部4及びリール本体1左側部に配置された第2スイッチ操作部5に割り振られた寸動スイッチモード及び連続スイッチモードを逆に切り換える。ここでは、第3スイッチ操作部7および第4スイッチ操作部8を同時押しすることによって、第1スイッチ操作部4に寸動スイッチモードが割り振られ第2スイッチ操作部5に連続スイッチモードが割り振られた状態と、第1スイッチ操作部4に連続スイッチモードが割り振られ第2スイッチ操作部5に寸動スイッチモードが割り振られた状態とを切り換える。ここでは、第1スイッチ操作部4と第2スイッチ操作部5との2つのスイッチ操作部だけで、寸動スイッチモード及び連続スイッチモードと連続スイッチモード及び寸動スイッチモードとを切り換えることができるので、従来のように同じ機能のスイッチを別途配置する必要がなくなり、このため、リールを大型化することがなくなる。また、第1スイッチ操作部4はリール本体1の右側部に配置され、第2スイッチ操作部5はリール本体1の左側部に配置されているので、リール本体1の側部を把持する指と同じ指(親指及び人差し指)で第1スイッチ操作部4及び第2スイッチ操作部5を操作することができるので、スイッチ操作部の操作性を向上できる。
【0032】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、第3スイッチ操作部7および第4スイッチ操作部8を同時押しすることによって、第1スイッチ操作部4及び第2スイッチ操作部5に割り振られた寸動スイッチモード及び連続スイッチモードを逆に切り換えていたが、たとえば1つの切換スイッチのみを設け、この切換スイッチを押圧操作して切り換える構成にしてもよい。
【0033】
(b) 前記実施形態では、第3スイッチ操作部7および第4スイッチ操作部8を同時押しすることによって、リール制御部30がスイッチモードを切り換える制御を行っていたが、たとえば第1スイッチ操作部4及び第2スイッチ操作部5や、リール制御部30から第1スイッチ操作部4及び第2スイッチ操作部5への配線部をそれぞれ1つのユニットとしてリール本体1から取り外し、これらのユニットを左右逆にして取り付けられるようにする等、ハード的に寸動スイッチモード及び連続スイッチモードを逆に切り換えるスイッチモード切換手段を構成してもよい。
【0034】
(c) 前記実施形態では、表示部6のスイッチ操作部状態表示部6cには、第1スイッチ操作部4が寸動スイッチモードであるときRの図形を表示し、第2スイッチ操作部5が寸動スイッチモードであるときLの図形を表示していたが、これらに限定されるものではなく、第1スイッチ操作部4が連続スイッチモードであるときLの図形を表示し、第2スイッチ操作部5が連続スイッチモードであるときRの図形を表示してもよい。また、第1スイッチ操作部4及び第2スイッチ操作部5の両方のスイッチモードを寸動スイッチモード又は連続スイッチモードの文字により表示部6のスイッチ操作部状態表示部6c表示する構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 リール本体
1a 釣竿装着部
1b スプール収納凹部
1c 膨出部
1d 第1溝部
1e 第1突出部
1f 第2突出部
1g 第2溝部
1h 壁部
2 スプール
2a 糸巻胴部
2b 第1フランジ部
2c 第2フランジ部
2d 装着溝
2e 貫通孔
2f 凹み部
3 モータ
3a 係合溝
4 第1スイッチ操作部
5 第2スイッチ操作部
6 表示部
6a 水深表示部
6b バッテリ残量表示部
6c スイッチ操作部状態表示部
6d 速度表示部
7 第3スイッチ操作部
8 第4スイッチ操作部
9 クラッチ操作部
10 ストッパガイド
10a 接触孔部
10b 第1連結部
10c 第2連結部
10d 第1装着部
10e 第2装着部
11 スプール軸
11a ねじ部
20 釣糸係止部
20a 本体部
20b 基端部
20c 先端部
21 第1軸受部材
22 第2軸受部材
23 カラー部材
24 ナット部材
24a ねじ孔
24b 貫通孔
24c 内フランジ部
25 Oリング
26 マグネット
30 リール制御部
31 モータ制御部
32 表示制御部
40 モータホルダ
40a 係合突起
41 スプールセンサ
42 スプールカウンタ
43 記憶部
44 電流値検出部
G ガイドリング
H 仕掛け
K 結び目
L 釣り糸
M 道糸
R 釣竿
S ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り糸を巻き取る電動リールであって、
リール本体と、
前記リール本体に回転自在に支持された糸巻き用のスプールと、
前記スプールを回転させるモータと、
前記モータの駆動を制御するモータ制御部を有するリール制御部と、
前記リール本体の右側部に配置された第1スイッチ操作部と、
前記リール本体の左側部に配置された第2スイッチ操作部と、
前記第1スイッチ操作部及び前記第2スイッチ操作部に割り振られた寸動スイッチモード及び連続スイッチモードを逆に切り換えるスイッチモード切換手段とを備え、
前記寸動スイッチモードは、前記第1スイッチ操作部又は前記第2スイッチ操作部がオン操作されているときのみ前記モータを回転させ、前記第1スイッチ操作部又は前記第2スイッチ操作部がオン操作されていないとき前記モータを停止させるスイッチモードであり、
前記連続スイッチモードは、前記第1スイッチ操作部又は前記第2スイッチ操作部が1回オン操作されたときに前記モータを回転させ、前記第1スイッチ操作部又は前記第2スイッチ操作部が再度1回オン操作されたときに前記モータを停止させるスイッチモードである、電動リール。
【請求項2】
前記リール本体に配置された切換スイッチ操作部をさらに備え、
前記スイッチモード切換手段は、前記切換スイッチ操作部の操作に応じて、前記リール制御部が前記第1スイッチ操作部及び前記第2スイッチ操作部に割り振られた前記寸動スイッチモード及び前記連続スイッチモードを逆に切り換える制御を行う手段である、請求項1に記載の電動リール。
【請求項3】
前記第1スイッチ操作部及び前記第2スイッチ操作部は、それぞれ前記リール本体の左右側部の対称となる位置に配置されている、請求項1又は2に記載の電動リール。
【請求項4】
前記リール本体は、全体を片手で把持可能な大きさとなるように形成され、
前記第1スイッチ操作部及び前記第2スイッチ操作部は、それぞれ親指または人差し指で操作可能な前記リール本体の左右側部に配置されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の電動リール。
【請求項5】
前記リール本体に設けられた表示部をさらに備え、
前記リール制御部は、少なくとも前記第1スイッチ操作部及び前記第2スイッチ操作部に前記寸動スイッチモード及び前記連続スイッチモードのいずれが割り振られているかを示す図形を前記表示部に表示する表示制御部をさらに有している、請求項1から4のいずれか1項に記載の電動リール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−60961(P2012−60961A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209842(P2010−209842)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】