説明

電動圧縮機

【課題】回路基板を小型化することができるとともに、ハウジングの電気的絶縁性を確保することができる電動圧縮機を提供する。
【解決手段】電動圧縮機10において、インバータユニット22は、外部電源に電気的に接続される接続端子41を有する樹脂材料製の接続コネクタ40、接続端子41と電気的に接続される回路基板25、及び回路基板25と電気的に接続されるフィルタ用コイル27とコンデンサ28を有する。インバータユニット22は、金属材料製のハウジングH内に収容されている。フィルタ用コイル27は、型成形により接続コネクタ40と一体化され、ハウジングHに対し非接触となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機構と、圧縮機構を駆動させる電動モータと、電動モータを制御する駆動回路と、を備える電動圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電動圧縮機において、駆動回路は金属材料製のハウジング内に収納されるとともに、この駆動回路には、外部電源としての車両バッテリと電気的に接続される接続コネクタが設けられている。そして、接続コネクタを介して回路基板上の電気部品に電力が供給されるようになっている。また、回路基板には、電動モータ駆動用のインバータ回路、インバータ回路をスイッチング制御するためのスイッチング素子、スイッチング素子の瞬間的な過度電流からの保護や、ノイズ除去のためのフィルタ素子(コイルとコンデンサ)が設けられている。
【0003】
しかし、駆動回路の回路基板には、上述のように多数の回路、電気部品が実装されている。また、フィルタ素子のコイル及びコンデンサの体格が大きいことから、振動対策として接着剤やボルト固定等の補助機能を持たせた部品も回路基板に搭載されており、回路基板が大型化してしまっていた。
【0004】
そこで、回路基板の小型化を可能にしたものとして、例えば、特許文献1の車載用電気回路ユニットがある。この車載用電気回路ユニットは、電動コンプレッサ(電動圧縮機)に搭載されるとともに、その回路基板及び電気素子が、アッパーケースとロアケースとからなるハウジングに収納されている。アッパーケースには、外部電源に電気的に接続される電源入力端子(接続コネクタ)が固定されるとともに、この電源入力端子には、コイル及びコンデンサ(フィルタ素子)と、インバータ制御基板(回路基板)とが、バスバーを介して接続されている。
【0005】
この車載用電気回路ユニットにおいて、コイルは固定部材を用いてアッパーケースの上面に固定され、コンデンサは固定部材を用いてアッパーケースの側面に固定されている。このため、コイル及びコンデンサをインバータ制御基板の同一実装面上に実装する場合と比べると、インバータ制御基板における実装面を小さくすることができ、インバータ制御基板が小型化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−309125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1の車載用電気回路ユニットが搭載された電動コンプレッサでは、コイル及びコンデンサが、アッパーケースの内壁面に押し付けられるようにしてアッパーケース(ハウジング)に固定されている。このため、外部から与えられる振動によって、コンデンサ及びコイル(フィルタ素子)の被膜が摩耗する等してしまった場合、それらコンデンサ及びコイルが接触しているハウジングの電気的絶縁性が確保できない虞がある。
【0008】
本発明は、回路基板を小型化することができるとともに、ハウジングの電気的絶縁性を確保することができる電動圧縮機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、圧縮機構と、該圧縮機構を駆動させる電動モータと、該電動モータを制御する駆動回路と、を備える電動圧縮機であって、前記駆動回路は、外部電源に電気的に接続される接続端子を有する絶縁材料製の接続コネクタ、前記接続端子と電気的に接続される回路基板、及び該回路基板と電気的に接続されるフィルタ素子を有するとともに、金属材料製のハウジング内に収納され、前記フィルタ素子が前記ハウジングに対し非接触となるように、前記フィルタ素子を前記接続コネクタと一体に型成形したことを要旨とする。
【0010】
これによれば、接続コネクタにより、フィルタ素子を金属材料製のハウジングに対し非接触にすることができ、ハウジングの電気的絶縁性を確保することができる。また、フィルタ素子は、接続コネクタと一体に型成形されているため、回路基板の同一実装面上にフィルタ素子を実装する場合と比べると、回路基板を小型化することができる。
【0011】
また、前記フィルタ素子は、コイル及びコンデンサのうちの少なくとも1つよりなるものである。
これによれば、コイル及びコンデンサのうちの少なくとも1つが、接続コネクタと一体に型成形されることにより、フィルタ素子は接続コネクタ内に埋設され、フィルタ素子とハウジングの間には接続コネクタが介在する。このため、外部から与えられる振動によって、フィルタ素子が損傷を受けることを防止することができる。
【0012】
また、前記電動モータには導通部材が電気的に接続されるとともに、前記導通部材は前記ハウジングを貫通し、前記回路基板には基板側コネクタが電気的に接続されるとともに、該基板側コネクタは前記ハウジング内に配置され、前記電動モータと前記回路基板とは、前記導通部材と前記基板側コネクタとを接続することで電気的に接続されており、前記基板側コネクタが前記接続コネクタに一体化されていてもよい。
【0013】
これによれば、ハウジングに収納される部材のほとんどを一体化することができ、駆動回路のハウジングへの組付け性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、回路基板を小型化することができるとともに、ハウジングの電気的絶縁性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(a)は第1の実施形態の電動圧縮機を示す部分破断断面図、(b)はインバータユニットを示す拡大断面図。
【図2】第2の実施形態のインバータユニットを示す拡大断面図。
【図3】第3の実施形態のインバータユニットを示す拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1にしたがって説明する。
図1(a)に示すように、電動圧縮機10のアルミニウム製のハウジングHは、有蓋筒状をなす第1ハウジング11(図1の左側)の開口端に、有底筒状をなす第2ハウジング12(図1の右側)の開口端を接合するとともに、第2ハウジング12の底壁12a側(図1に左側)に有底箱状のインバータカバー20を接合して形成されている。また、ハウジングH内において、第2ハウジング12の底壁12a側には電動モータ16が収容されるとともに、第1ハウジング11側(図1では左側)には圧縮機構15が収容されている。
【0017】
なお、電動モータ16のステータ18は、第2ハウジング12の内周面に固定されるとともに、このステータ18はステータコア18aにモータ用コイル18bが巻装されて形成されている。また、ハウジングH内には、回転軸17が軸受(図示せず)により回転可能に支持されるとともに、この回転軸17には電動モータ16のロータ19が、回転軸17と一体回転可能に固定されている。そして、電動モータ16の駆動に伴う回転軸17の回転により、圧縮機構15が駆動されるようになっている。
【0018】
第2ハウジング12の底壁12a外面の周縁からは、環状の周壁12cが立設されるとともに、この周壁12cの開口端に、インバータカバー20の開口端が接合されている。そして、ハウジングHにおいて、底壁12aと、周壁12cと、インバータカバー20によって区画される空間によって、収納空間21が区画されている。この収納空間21には、駆動回路としてのインバータユニット22が収納されている。なお、インバータカバー20には、収納空間21を外部に開放する電源入力ポート20aが形成されている。
【0019】
図1(b)に示すように、底壁12aには板状の奪熱部材23が接合されるとともに、この奪熱部材23にはインバータユニット22が取り付けられている。奪熱部材23は、熱伝導率の高いアルミニウムにより板状に形成されるとともに、底壁12aと熱的に結合されている。インバータユニット22の回路基板25は、奪熱部材23に固定された基板支持部材24によって奪熱部材23から離間した状態で奪熱部材23に支持されている。なお、インバータユニット22は、回転軸17の中心軸Lの延びる方向(軸方向)に回路基板25の実装面が直交するように電動圧縮機10に配設されている。よって、本実施形態では、回転軸17の軸方向に沿って、圧縮機構15、電動モータ16、及びインバータユニット22がこの順序で並設されている。
【0020】
回路基板25には、電動モータ16の駆動制御回路(所謂、インバータ回路、図示せず)が設けられるとともに、スイッチング素子(図示せず)、フィルタ素子としてのフィルタ用コイル27、及びコンデンサ28が電気的に接続されている。コンデンサ28は、回路基板25に実装されるととともに、奪熱部材23に接触するように配置されている。コンデンサ28はハウジングHである底壁12a、周壁12c、及びインバータカバー20それぞれに対して非接触で回路基板25に実装されている。
【0021】
また、回路基板25には、樹脂材料(絶縁材料)製の接続コネクタ40が一体に取り付けられるとともに、この接続コネクタ40には、外部電源(車両バッテリ)と電気的に接続される接続端子41が設けられている。接続コネクタ40は、接続部材43を介して回路基板25の電源入力部(図示せず)に電気的に接続されている。
【0022】
インバータユニット22において、フィルタ用コイル27は、接続コネクタ40における接続端子41より内部側に形成されたコイル保持部42内に保持されている。フィルタ用コイル27は、接続コネクタ40製造用の型枠(図示せず)内にフィルタ用コイル27を収納した状態で、その型枠内に溶融樹脂を流し込み、硬化させることで、コイル保持部42に埋設されている。よって、本実施形態において、接続コネクタ40は、型成形によりフィルタ用コイル27と一体化された樹脂モールドである。
【0023】
フィルタ用コイル27は、接続コネクタ40の端子保持部44に内蔵されたバスバーを介して回路基板25及び接続端子41に電気的に接続されている。上記接続コネクタ40は、接続端子41が電源入力ポート20aから収納空間21外へ臨むように配置されるとともに、端子保持部44がインバータカバー20内面に当接するように配置されている。
【0024】
底壁12aの側部(上部)には、密封端子30が固定されるとともに、この密封端子30により電動モータ16のモータ用コイル18bと、回路基板25とが電気的に接続されている。密封端子30は、モータ用コイル18bに接続されたモータ側コネクタ31と、回路基板25に接続された基板側コネクタ32とを導通させる導通部材33と、この導通部材33を底壁12aから絶縁しつつ底壁12aに固定する絶縁部材34とを一体化して形成されている。なお、基板側コネクタ32は、接続部材35により回路基板25と電気的に接続されている。また、導通部材33は、ハウジングHとしての底壁12aを貫通している。
【0025】
次に、インバータユニット22の作用について説明する。
さて、車両バッテリから接続端子41を介してインバータユニット22に電力が供給されるとともに、駆動制御回路により電動モータ16の駆動が制御されると、圧縮機構15が駆動される。この電力供給時、フィルタ用コイル27及びコンデンサ28により、スイッチング素子が、瞬間的な過度電流から保護されるとともに、外部ノイズが除去される。
【0026】
また、フィルタ用コイル27は、樹脂製の接続コネクタ40に埋設されるとともに、コンデンサ28は奪熱部材23に接触した状態で回路基板25に実装されている。このため、フィルタ用コイル27及びコンデンサ28は、電動圧縮機10のハウジングHから絶縁される。
【0027】
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)電動圧縮機10において、フィルタ素子としてのコンデンサ28は、ハウジングH(底壁12a、周壁12c、及びインバータカバー20)に対し非接触となるように回路基板25に実装されている。また、フィルタ素子としてのフィルタ用コイル27は、型成形により接続コネクタ40と一体化され、接続コネクタ40はフィルタ用コイル27を一体化した樹脂モールドである。よって、フィルタ用コイル27は、接続コネクタ40に埋設され、ハウジングH(底壁12a、周壁12c、及びインバータカバー20)に対し非接触とされている。このため、電動圧縮機10においては、ハウジングHの電気的絶縁性を、フィルタ用コイル27及びコンデンサ28から確保することができる。また、回路基板25の実装面上には、コンデンサ28のみが実装されているため、回路基板25の同一実装面上にコンデンサ28とフィルタ用コイル27の両方を実装する場合と比べると、回路基板25を小型化することができる。
【0028】
(2)フィルタ用コイル27を、型成形により接続コネクタ40と一体化し、このフィルタ用コイル27を、接続コネクタ40が備える接続部材43を介して回路基板25と電気的に接続した。すなわち、フィルタ用コイル27及びコンデンサ28のうちコンデンサ28を回路基板25に対し半田付けした。よって、回路基板25に対し、フィルタ用コイル27及びコンデンサ28の両方を半田付けする場合と比べると、半田付け箇所の数を減らすことができる。
【0029】
(3)フィルタ素子としてのフィルタ用コイル27及びコンデンサ28のうち、フィルタ用コイル27を型成形により接続コネクタ40と一体化し、接続コネクタ40に保持させたため、接続コネクタ40によりフィルタ用コイル27の振動を抑制することができる。よって、フィルタ用コイル27に対しては、振動対策として接着剤やボルト等を回路基板25に設ける必要がなくなり、回路基板25の小型化に寄与することができる。
【0030】
(4)フィルタ素子としてのフィルタ用コイル27及びコンデンサ28のうち、コンデンサ28は回路基板25に実装されるとともに、奪熱部材23に接触支持され、フィルタ用コイル27は接続コネクタ40に埋設されている。このため、フィルタ用コイル27及びコンデンサ28それぞれは固定部材を用いることなく位置決めされている。よって、背景技術のようにフィルタ用コイル27及びコンデンサ28の両方を、別体の固定部材を用いて位置決めする場合と比べると、電動圧縮機10におけるインバータユニット22の部品点数を減らすことができる。
【0031】
(5)インバータユニット22は、電動圧縮機10における電動モータ16の駆動制御に用いられる。そして、フィルタ用コイル27は、重量が比較的大きい電気部品であり、圧縮機構15及び電動モータ16の駆動により振動しやすい電気部品であるが、型成形により接続コネクタ40に一体化されているため、フィルタ用コイル27の振動を抑制することができる。
【0032】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図2にしたがって説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0033】
図2に示すように、第2の実施形態の電動圧縮機10において、接続コネクタ50は、第1の実施形態と同様に、接続端子51、コイル保持部52、及び端子保持部54が一体形成されている。そして、接続コネクタ50には、型成形によってコンデンサ28が一体化され、コンデンサ28は接続コネクタ50のコンデンサ保持部55に保持されている。また、端子保持部54には接続部材53が一体化され、回路基板25と電気的に接続されている。そして、第2の実施形態の電動圧縮機10において、フィルタ用コイル27及びコンデンサ28が、型成形により接続コネクタ50に一体化されている。フィルタ用コイル27及びコンデンサ28は、接続コネクタ50の端子保持部54に内蔵されたバスバーを介して回路基板25及び接続端子41に電気的に接続されている。
【0034】
したがって、第2の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(6)電動圧縮機10において、フィルタ素子としてのフィルタ用コイル27及びコンデンサ28は、型成形により樹脂製の接続コネクタ50に一体化され、ハウジングH(底壁12a、周壁12c、及びインバータカバー20)に対し非接触とされている。このため、電動圧縮機10においては、ハウジングHの電気的絶縁性を、フィルタ用コイル27及びコンデンサ28から確保することができる。また、回路基板25の実装面上には、フィルタ用コイル27及びコンデンサ28は実装されていないため、回路基板25の同一実装面上にコンデンサ28とフィルタ用コイル27の両方を実装する場合と比べると、回路基板25を小型化することができる。
【0035】
(7)フィルタ用コイル27及びコンデンサ28を、型成形により接続コネクタ50と一体化し、このフィルタ用コイル27及びコンデンサ28を、接続コネクタ50が備える接続部材53を介して回路基板25と電気的に接続した。よって、回路基板25に対し、フィルタ用コイル27及びコンデンサ28の両方を半田付けする場合と比べると、半田付け箇所の数を減らすことができる。
【0036】
(8)フィルタ素子としてのフィルタ用コイル27及びコンデンサ28を、型成形により接続コネクタ50と一体化した。よって、フィルタ用コイル27及びコンデンサ28に対しては、振動対策として接着剤やボルト等を回路基板25に設ける必要がなくなり、回路基板25の小型化に寄与することができる。
【0037】
(9)フィルタ素子としてのフィルタ用コイル27及びコンデンサ28を、型成形により接続コネクタ50と一体化した。このため、フィルタ用コイル27及びコンデンサ28それぞれは固定部材を用いることなく位置決めされている。よって、背景技術のようにフィルタ用コイル27及びコンデンサ28の両方を、別体の固定部材を用いて位置決めする場合と比べると、電動圧縮機10におけるインバータユニット22の部品点数を減らすことができる。
【0038】
(10)インバータユニット22は、電動圧縮機10における電動モータ16の駆動制御に用いられる。そして、フィルタ用コイル27及びコンデンサ28は、重量が比較的大きい電気部品であり、圧縮機構15及び電動モータ16の駆動により振動しやすい電気部品であるが、接続コネクタ50に内蔵されているため、フィルタ用コイル27及びコンデンサ28の振動を抑制することができる。
【0039】
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施形態を図3にしたがって説明する。なお、第3の実施形態は、第1の実施形態と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0040】
図3に示すように、第3の実施形態の電動圧縮機10において、接続コネクタ60は、第1の実施形態と同様に、接続端子61、コイル保持部62、及び端子保持部64が一体形成されている。また、フィルタ用コイル27及びコンデンサ28が、型成形により接続コネクタ60に一体化されるとともに、コンデンサ28はコンデンサ保持部65に保持されている。端子保持部64には接続部材63が一体化され、回路基板25と電気的に接続されている。そして、第3の実施形態の電動圧縮機10において、インバータユニット22には、基板側コネクタ32が一体化されている。
【0041】
従って、第3の実施形態によれば、第2の実施形態に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(11)接続コネクタ60には基板側コネクタ32が一体化されている。よって、収納空間21に収納される部材のほとんどを一体化することができ、電動圧縮機10におけるインバータユニット22の組付け性を向上させることができる。
【0042】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 第1の実施形態において、接続コネクタ40に基板側コネクタ32が一体化されていてもよい。
【0043】
○ フィルタ用コイル27を、電動圧縮機10のハウジングH(底壁12a、周壁12c、及びインバータカバー20)に対し、非接触で回路基板25に実装するとともに、コンデンサ28のみを、型成形により接続コネクタ40,50,60と一体化してもよい。
【0044】
○ 接続コネクタ40,50,60の材質は、絶縁を確保できるのであればセラミックス等に適宜変更してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
【0045】
(イ)前記接続コネクタには、前記コンデンサ及びコイルの両方が一体化されている請求項2又は請求項3に記載の電動圧縮機。
(ロ)前記接続コネクタの外郭は樹脂材料により形成されている請求項1〜請求項3、及び技術的思想(イ)のうちいずれか一項に記載の電動圧縮機。
【符号の説明】
【0046】
H…ハウジング、10…電動圧縮機、15…圧縮機構、16…電動モータ、22…駆動回路としてのインバータユニット、25…回路基板、27…フィルタ素子としてのフィルタ用コイル、28…フィルタ素子としてのコンデンサ、32…基板側コネクタ、33…導通部材、40、50,60…接続コネクタ、41,51,61…接続端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機構と、
該圧縮機構を駆動させる電動モータと、
該電動モータを制御する駆動回路と、を備える電動圧縮機であって、
前記駆動回路は、外部電源に電気的に接続される接続端子を有する絶縁材料製の接続コネクタ、
前記接続端子と電気的に接続される回路基板、
及び該回路基板と電気的に接続されるフィルタ素子を有するとともに、金属材料製のハウジング内に収納され、
前記フィルタ素子が前記ハウジングに対し非接触となるように、前記フィルタ素子を前記接続コネクタと一体に型成形したことを特徴とする電動圧縮機。
【請求項2】
前記フィルタ素子は、コイル及びコンデンサのうちの少なくとも1つよりなる請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項3】
前記電動モータには導通部材が電気的に接続されるとともに、前記導通部材は前記ハウジングを貫通し、前記回路基板には基板側コネクタが電気的に接続されるとともに、該基板側コネクタは前記ハウジング内に配置され、前記電動モータと前記回路基板とは、前記導通部材と前記基板側コネクタとを接続することで電気的に接続されており、前記基板側コネクタが前記接続コネクタに一体化されている請求項1又は請求項2に記載の電動圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−117479(P2012−117479A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269514(P2010−269514)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】