説明

電動工具用集塵装置及び電動工具

【課題】吸込口が傾いたりすることがあっても、吸込力を低下させることなく空気の流れを維持して好適な集塵効率を得る。
【解決手段】電動工具用集塵装置30において、被加工面に当接させる吸込口45の前面に、被加工面と当接して弾性変形し、吸込口45と被加工面との間を閉塞する閉塞リング50を設けると共に、閉塞リング50に、弾性変形の前後にかかわらず吸込口45への空気の流れを確保する通気部(V字状のスリット53)を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ドリルやハンマードリル等の電動工具に装着される電動工具用集塵装置と、その集塵装置を装着した電動工具とに関する。
【背景技術】
【0002】
電動ドリルやハンマードリル等の電動工具には、穿孔作業等の際に被加工材から発生する粉塵を集塵して回収する集塵装置が装着される。この集塵装置は、特許文献1に開示の如く、集塵経路を形成するアームの先端に、電動工具に装着した先端工具が貫通し、被加工面との当接側をゴム等の可撓性材料で形成した筒状の吸込口を備えている。この吸込口を被加工材に押し当てて穿孔作業等を行うことで、被加工材から発生する粉塵を外気と共に吸込口から吸い込んで内部に設けたフィルタで捕捉可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102006039969号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の集塵装置においては、電動工具を傾ける等して被加工面に対して吸込口が傾斜すると、被加工面と吸込口との間の隙間が大きくなって吸込力が低下してしまう。かといって吸込口の可撓性を高くすると、被加工面との間が密閉されて外気の吸込量が小さくなって空気の流れが悪くなり、結局集塵効率が低下してしまう。
【0005】
そこで、本発明は、吸込口が傾いたりすることがあっても、吸込力を低下させることなく空気の流れを維持でき、好適な集塵効率が得られる電動工具用集塵装置及び電動工具を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、電動工具に装着可能なケーシングに、被加工面に当接させて電動工具の先端工具が貫通可能な筒状の吸込口を、軸線を前後方向へ向けて且つ周面をケーシング側と接続させて突設する一方、ケーシング内に、吸込口から空気を吸い込んでケーシング内に導く集塵経路を形成して、集塵経路上に設けたフィルタによって空気と共に吸い込んだ塵埃を捕捉可能とした電動工具用集塵装置であって、吸込口の前面に、被加工面と当接して弾性変形し、吸込口と被加工面との間を閉塞する閉塞リングを設けると共に、閉塞リングに、弾性変形の前後にかかわらず吸込口への空気の流れを確保する通気部を形成したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、通気部を、閉塞リングの内周縁を始端として閉塞リングの放射方向へ形成され、内周縁から離れるに従って幅が狭くなるV字状のスリットとしたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、吸込口の後面を、ケーシング側との接続部分から離れるに従って軸方向の長さが短くなる傾斜面としたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、通気部を、吸込口の中心の真下位置を避けて設けたことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、閉塞リングを着脱可能に設けたことを特徴とするものである。。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、電動工具であって、請求項1乃至5の何れかに記載の電動工具用集塵装置を装着してなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1及び6に記載の発明によれば、通気部を備えた閉塞リングの採用により、吸込口が傾いたりすることがあっても、吸込力を低下させることなく空気の流れを維持でき、好適な集塵効率が得られる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、通気部をV字状のスリットとしたことで、閉塞リングの弾性変形を確保しつつ空気の流れを維持する好適な通気部が得られる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、傾斜面の形成により、吸込口内での空気の滞留を防止してスムーズな空気の流れが確保できる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、通気部を介して粉塵が外部へこぼれおちるおそれが低減される。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、閉塞リングを着脱可能に設けたことで、劣化や損傷した際の交換が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】電動工具用集塵装置を装着したハンマードリルの側面図である。
【図2】電動工具用集塵装置を装着したハンマードリルの縦断面図である。
【図3】電動工具用集塵装置の斜視図である。
【図4】吸込口の正面図で、(A)が弾性変形前、(B)が弾性変形時をそれぞれ示す。
【図5】変更例の吸込口の正面図である。
【図6】変更例の吸込口の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、電動工具の一例であるハンマードリルに電動工具用集塵装置(以下単に「集塵装置」という。)を装着した側面図で、図2はその縦断面を示している。
まずハンマードリル1は、左右一対の半割ハウジングを組み付けてなるハウジング2の前側(図1,2の左側を前方とする。)下部にモータ3を、出力軸4を上向きにして収容しており、その上方でベベルギヤ5,5を介してトルク伝達される中間軸6に、前方から第1ギヤ7、クラッチ8、ボススリーブ9を備えている。中間軸6の上方には、先端工具としてのビット10を先端に挿着可能なツールホルダ11が中間軸6と平行に軸支されて、その後方に遊挿されたピストンシリンダ12の後端に、ボススリーブ9にスワッシュベアリングを介して外装されたアーム13が連結されている。ピストンシリンダ12の内部には、空気室14を介してストライカ15が前後移動可能に外装されて、その前方に設けたインパクトボルト16を打撃可能としている。第1ギヤ7は、ツールホルダ11に装着された第2ギヤ17と噛合している。
【0010】
一方、ハウジング2の後側上部には、スイッチ19及びスイッチレバー20を備えたハンドル18が形成されており、ハンドル18の下方には、電源となるバッテリーパック21が装着されている。また、ハウジング2の前側下部は、前面が前下がり傾斜してバッテリーパック21の前方に突出し、集塵装置30が装着される装着部22となっている。この装着部22の内部に、モータ3のコイル、スイッチ19、バッテリーパック21と電気的接続されるコントローラ23が収容されている。
また、コントローラ23の前方上側には、電源用と通信用との3つのメス端子を左右方向に並設したコネクタ24が設けられ、装着部22の前面におけるコネクタ24の前方には、四角形状の差込口25が開口形成されている。
【0011】
集塵装置30は、左右の半割ケーシングを組み付けてなる側面視L字状のケーシング31を有し、右上部に、ハンマードリル1の装着部22に嵌合する嵌合凹部32を形成している。ケーシング31の後方には、出力軸34を前方へ向けたモータ33が横向きに収容されると共に、その後方にコントローラ35が設けられている。また、出力軸34には集塵ファン36が固着されて、ケーシング31内に区画形成されて側面に図示しない排気口を備えた吸気室37内に収容されている。38は、吸気室37の前方でケーシング31に形成されたダストボックスの結合部で、図3に示すように前方のみ開口した凹状を呈し、結合部38の底となる後側の仕切壁39には、集塵ファン36の同軸上で結合部38を吸気室37と連通させる連通孔40が形成されている。
【0012】
また、ケーシング31の上部後面には、電源用と通信用との3つの板状のオス端子41,41・・が左右方向に所定間隔をおいて並設されて、後方へ突出している。
さらに、ケーシング31の後部で左右両側には、装着部22の下部が嵌合可能な間隔で一対のガイドレール42,42が前後方向に立設されている。
【0013】
結合部38の上方には、前端が開口し後端がU字状にターンして結合部38の後方へ回り込む案内通路43が前後方向に形成されている。案内通路43の前端には、先端が上向きとなるL字状のノズル44が、前後方向へ伸縮可能且つ前方へ突出付勢された状態で連結されている。このノズル44の先端に吸込口45が形成されている。
吸込口45は、軸線を前後方向へ向けてビット10が同軸で貫通可能で、且つ周面下部をノズル44と連通させた筒状となっている。吸込口45の後面には、ノズル44との接続部分から離れる上方へ行くほど軸方向の長さが短くなる傾斜面46が形成されて、後側を後方斜め上に開口させている。この後側の開口に、ビット10の軸線上に透孔48を有し、その透孔48から放射状に連通する複数の切込み49,49・・を形成したゴムキャップ47が嵌着されて、後側の開口を略閉塞した状態でのビット10の貫通を可能としている。
【0014】
そして、吸込口45の前側の開口には、ゴム製の閉塞リング50が着脱可能に嵌着されている。この閉塞リング50の内周には、前方に向かって先細りとなり、前端が吸込口45の前側の開口よりも小さい開口52となる絞り部51が形成されている。この絞り部51には、図3及び図4(A)に示すように、周方向に等間隔をおいて4箇所に、開口52から放射方向に連通する通気部としてのスリット53,53・・が形成されて、絞り部51を4つの弾性片54,54・・に分割している。各スリット53は、正面視において、開口52の中心から真下位置を避ける格好で、互いに直交する傾斜直線上に一対ずつ形成されている。
【0015】
また、各スリット53は、開口52との連通部分の幅が最も広く、そこから外側へ行くに従って徐々に狭くなるV字状に形成されて、各スリット53の最外部分(先端部分)は、尖端形状ではなく半円形状に形成されている。これにより、各弾性片54が吸込口45の前側開口まで弾性変形しても、図4(B)に二点鎖線で示すように、スリット53を挟んで隣接する弾性片54,54同士が互いに当接してスリット53が塞がれることがなく、幅が狭まった状態でスリット53が残るようになっている。
【0016】
一方、ノズル44及び案内通路43には、両者に跨ってフレキシブルホース55が収容されており、フレキシブルホース55の後端には、案内通路43の後端形状に沿ってU字状に折り返した筒状のダクト56が連結されている。このダクト56の先端部は仕切壁39を貫通して結合部38内に突出している。
57は、結合部38へ着脱可能に装着されたダストボックスで、直方体状のボックス本体58と、そのボックス本体58の開口にヒンジ結合される蓋体59とを備えてなり、蓋体59には、上側に入口60が、下側に出口61がそれぞれ形成されると共に、出口61を覆う位置に、折り畳まれた紙製のフィルタを有するフィルタユニット62が設けられている。
【0017】
以上の如く構成されたハンマードリル1及び集塵装置30において、ハンマードリル1に集塵装置30を装着する際には、ハンマードリル1の装着部22の下部にケーシング31のガイドレールを合わせて装着部22がケーシング31の後部上に位置する状態で、装着部22に対して嵌合凹部32を前方から嵌合させるように集塵装置30を後方へスライドさせる。すると、装着部22の下部両側がガイドレール42,42に結合されると共に、集塵装置30のオス端子41が差込口25からハウジング2内へ進入し、コネクタ24に電気的接続される(図1)。
こうして集塵装置30を装着した後、ハンマードリル1を把持して吸込口45を被加工面に押し当ててセットすると、被加工面に当接した閉塞リング50の開口52が閉塞され、弾性片54がそれぞれ後方へ弾性変形する。但し、図4(B)に示すように、各スリット53は閉塞されないため、絞り部51とその外部との通気は確保される。
【0018】
そして、ハンマードリル1のスイッチレバー20を押し込み操作してスイッチ19をONさせると、モータ3が駆動して中間軸6を回転させる。このとき、ハウジング2の側面に設けた切替ツマミ26を操作することでクラッチ8をスライドさせて、第1ギヤ7のみと係合する前進位置、ボススリーブ9のみと係合する後退位置、第1ギヤ7及びボススリーブ9と同時に係合する中間位置の何れかを選択することで、第2ギヤ17を介してツールホルダ11が回転してビット10を回転させるドリルモード、アーム13の揺動によってピストンシリンダ12を往復動させ、連動するストライカ15によってインパクトボルト16を介してビット10を打撃するハンマーモード、ツールホルダ11の回転とインパクトボルト16の打撃とを同時に行うハンマードリルモードの選択が可能となる。吸込口45をセットした状態でハンマードリル1を前進させると、ノズル44が収縮することでハンマードリル1が前進し、ビット10が吸込口45に貫通して被加工材の加工が可能となる。
【0019】
また、スイッチ19のONによってコントローラ23は、集塵装置30のコントローラ35へ電源を供給する。よって、コントローラ35は、モータ33を駆動させて集塵ファン36を回転させる。これにより、吸込口45では、閉塞リング50の各スリット53を介して外気が吸引され、フレキシブルホース55及びダクト56を通ってダストボックス57内に排出される。その後、フィルタユニット62を通過して、出口61から連通孔40を介して吸気室37に至り、吸気室37に設けた排気口から外部へ排出される。従って、被加工材から生じた粉塵は、吸込口45に吸い込まれてノズル44及びフレキシブルホース55、ダクト56を介してダストボックス57内に進入し、フィルタユニット62に捕捉されてボックス本体58内に貯留することになる。
【0020】
このとき、吸込口45では、後部の傾斜面46によって上方が前後に狭く形成されているため、吸い込まれた空気が吸込口45の内部で滞留することがなく、ノズル44側へスムーズに流れる。
また、作業中にハンマードリル1及び集塵装置30が傾くことがあっても、吸込口45では閉塞リング50の各弾性片54がこれに追従して弾性変形するため、開口52の閉塞状態は維持されると共に、スリット53を介した外気の流れは確保される。
【0021】
一方、スイッチレバー20の押し込みを解除してスイッチ19をOFFさせると、モータ3が停止してビット10の回転等が停止する。しかし、コントローラ23は、集塵装置30への通電をスイッチ19のOFFから数秒間遅らせて停止させる遅延機能を備えているため、集塵装置30ではビット停止後数秒間は集塵ファン36が回転を続ける。よって、ノズル44やフレキシブルホース55等に残留した粉塵もダストボックス57へ確実に回収することができる。
そして、集塵装置30の取り外しは、装着時と逆に集塵装置30をハンマードリル1から前方へスライドさせると、嵌合凹部32が装着部22から外れると共に、オス端子41がコネクタ24から離間して差込口25から抜き取られる。
【0022】
このように、上記形態の集塵装置30及びハンマードリル1によれば、吸込口45の前面に、被加工面と当接して弾性変形し、吸込口45と被加工面との間を閉塞する閉塞リング50を設けると共に、閉塞リング50に、弾性変形の前後にかかわらず吸込口45への空気の流れを確保する通気部(スリット53)を形成したことで、吸込口45が傾いたりすることがあっても、吸込力を低下させることなく空気の流れを維持でき、好適な集塵効率が得られる。
【0023】
特にここでは、通気部を、閉塞リング50の内周縁を始端として閉塞リング50の放射方向へ形成され、内周縁から離れるに従って幅が狭くなるV字状のスリット53としたことで、閉塞リング50の弾性変形を確保しつつ空気の流れを維持する好適な通気部が得られる。
また、吸込口45の後面を、ケーシング31側との接続部分から離れるに従って軸方向の長さが短くなる傾斜面46としたことで、吸込口45内での空気の滞留を防止してスムーズな空気の流れが確保できる。
さらに、スリット53を、吸込口45の中心の真下位置を避けて設けているので、スリット53を介して粉塵が外部へこぼれおちるおそれが低減される。
加えて、閉塞リング50を着脱可能に設けているので、劣化や損傷した際の交換が容易に行える。
【0024】
なお、上記形態では、通気部としてV字状のスリットを採用しているが、スリットの基端は半円状でなく平坦部としても、弾性片が後退した際のスリットによる通気は確保される。また、基端が尖端形状であっても、両サイドの弾性片の端縁を凹曲線状に形成することで、弾性片が後退した際の通気は確保できる。
さらに、スリットに限らず、例えば図5に示す閉塞リング50Aのように、周方向に分断されない絞り部51に、通気部として複数の透孔63,63・・を周方向へ所定間隔をおいて穿設してもよい。この場合も、絞り部51が弾性変形しても透孔63は閉塞されないので、透孔63を介した外気の流れは確保される。また、図6に示す閉塞リング50Bのように、同じく周方向に分断されない絞り部51の開口52の内縁に、通気部として複数の切欠き64,64・・を周方向へ所定間隔をおいて形成することも考えられる。この場合も、絞り部51が弾性変形しても切欠き64は閉塞されないので、切欠き64を介した外気の流れは確保される。
【0025】
その他、ハンマードリルの形態も、モータやバッテリーパックの配置の変更の他、コネクタを回転でなく上下又は左右方向で接続位置と非接続位置との間をスライド可能に設けて、コイルバネや板バネ等の付勢手段で非接続位置へ付勢したりできる。集塵装置への電源供給も、オス端子とメス端子との関係を逆にしたり、端子の差し込みに代えて、装着部と嵌合凹部との結合部分に互いに当接する端子部を設けたり等、適宜変更可能である。勿論モータや集塵ファンを備えた集塵装置に限らず、フィルタのみを備えて吸引力を電動工具に設けたファンから得るような形態であっても、本発明の閉塞リングは採用可能である。
そして、電動工具もハンマードリルに限らず、このような集塵装置を装着可能であれば、電動ドリル等の他の機種であっても本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0026】
1・・ハンマードリル、2・・ハウジング、3,33・・モータ、4,34・・出力軸、6・・中間軸、10・・ビット、11・・ツールホルダ、21・・バッテリーパック、22・・装着部、23,35・・コントローラ、30・・電動工具用集塵装置、31・・ケーシング、32・・嵌合凹部、36・・集塵ファン、37・・吸気室、38・・結合部、40・・連通孔、44・・ノズル、45・・吸込口、46・・傾斜面、50,50A,50B・・閉塞リング、51・・絞り部、52・・開口、53・・スリット、54・・弾性片、55・・フレキシブルホース、57・・ダストボックス、62・・フィルタユニット、63・・透孔、64・・切欠き。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具に装着可能なケーシングに、被加工面に当接させて前記電動工具の先端工具が貫通可能な筒状の吸込口を、軸線を前後方向へ向けて且つ周面を前記ケーシング側と接続させて突設する一方、前記ケーシング内に、前記吸込口から空気を吸い込んで前記ケーシング内に導く集塵経路を形成して、前記集塵経路上に設けたフィルタによって前記空気と共に吸い込んだ塵埃を捕捉可能とした電動工具用集塵装置であって、
前記吸込口の前面に、前記被加工面と当接して弾性変形し、前記吸込口と前記被加工面との間を閉塞する閉塞リングを設けると共に、前記閉塞リングに、前記弾性変形の前後にかかわらず前記吸込口への空気の流れを確保する通気部を形成したことを特徴とする電動工具用集塵装置。
【請求項2】
前記通気部を、前記閉塞リングの内周縁を始端として前記閉塞リングの放射方向へ形成され、前記内周縁から離れるに従って幅が狭くなるV字状のスリットとしたことを特徴とする請求項1に記載の電動工具用集塵装置。
【請求項3】
前記吸込口の後面を、前記ケーシング側との接続部分から離れるに従って軸方向の長さが短くなる傾斜面としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動工具用集塵装置。
【請求項4】
前記通気部を、前記吸込口の中心の真下位置を避けて設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電動工具用集塵装置。
【請求項5】
前記閉塞リングを着脱可能に設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電動工具用集塵装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の電動工具用集塵装置を装着してなる電動工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−56385(P2013−56385A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195275(P2011−195275)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】