説明

電動機および電動送風機

【課題】巻線の巻き付けの際の各スロット絶縁の各凹部からのずれを防止しつつ、この巻き付けの作業性が低下しない電動機を提供する。
【解決手段】アーマチュア組立は、円柱状に形成した積層鉄心56を備える。積層鉄心56は、巻線を巻き付ける各凹部の一部をそれぞれ構成する複数の切欠部63を周囲に有する。アーマチュア組立は、円形状の絶縁端板57を積層鉄心56の軸方向の両端にそれぞれ取り付ける。各絶縁端板57は、各切欠部63のそれぞれに連通し各凹部の残りの他部をそれぞれ構成する複数の切欠凹部71を周囲に有する。アーマチュア組立は、各凹部のそれぞれを覆ってシート状のスロット絶縁59を備える。各スロット絶縁59は、積層鉄心56の軸方向の一端と一方の絶縁端板57との間に挟持する突出片部79,79を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、固定子の開口部に回転可能に配置される電機子を有する電動機およびこれを備えた電動送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電気掃除機などに用いられる電動送風機の電動機は、固定子(ステータ)としてのフィールド組立と、このフィールド組立の内部に配置された電機子としての回転子(ロータ)であるアーマチュア組立とを有している。
【0003】
フィールド組立は、アーマチュア組立が配置される開口部を中央部に有する固定子鉄心である固定子本体としてのフィールドコア組立と、開口部の内部を覆って取り付けられるシート状のスロット絶縁と、フィールドコア組立にそれぞれ巻回されて開口部の周囲に複数の固定磁極を形成するコイルと、これらコイルをフィールドコア組立の両端にそれぞれ固定するコイル保持部材とを備えている。
【0004】
一方、アーマチュア組立は、略円柱状のコア部であるアーマチュアコアと、このアーマチュアコアの軸方向の両端部に取り付けられる略円形板状の絶縁端板とを備えている。アーマチュアコアの周縁部には、複数の切欠部が周方向に順次形成されている。また、絶縁端板の周縁部には、アーマチュアコアの切欠部と連通する切欠凹部がそれぞれ形成されている。そして、各切欠部および各切欠凹部により構成される凹部のそれぞれの内面には、シート状の絶縁部材であるスロット絶縁が取り付けられており、凹部間に亘って巻線が巻き付けられてアーマチュアコイルが形成されることにより、回転磁極が形成される。
【0005】
このアーマチュア組立の巻線の巻き付けの際、スロット絶縁が凹部からずれて巻線不良や耐圧不良などの不具合が生じないようにすることが望まれる。例えばフィールド組立のスロット絶縁は、開口部側へと突出する突出部をコイル保持部材に形成してスロット絶縁のずれを防止することが可能であるものの、アーマチュア組立の場合には、このような突出部を凹部に形成すると、巻線のスペースが減少したり、巻線を巻き付ける作業の作業性が低下したりするおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−57340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、巻線の巻き付けの際の各絶縁部材の各凹部からのずれを防止しつつ、この巻き付けの作業性が低下しない電動機およびこれを備えた電動送風機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の電動機は、開口部を備え、この開口部の周囲に複数の固定磁極が形成される固定子を有する。また、この電動機は、複数の凹部およびこれら凹部に巻き付けられて回転により極性が切り換わる複数の回転磁極を形成する巻線を備え、開口部に回転可能に配置される電機子を有する。この電機子は、円柱状に形成されたコア部を備える。このコア部は、各凹部の一部をそれぞれ構成する複数の切欠部を周囲に有する。また、この電機子は、円形状に形成されコア部の軸方向の両端にそれぞれ取り付けられる絶縁端板を有する。各絶縁端板は、各切欠部のそれぞれに連通し各凹部の残りの他部をそれぞれ構成する複数の切欠凹部を周囲に有する。さらに、この電機子は、各凹部のそれぞれを覆って取り付けられる複数のシート状の絶縁部材を備える。各絶縁部材は、コア部の軸方向の一端といずれか一方の絶縁端板との間に挟持されて固定される被挟持部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態の電動機の一部を拡大して示す分解斜視図である。
【図2】同上電動機の一部を示す分解斜視図である。
【図3】同上電動機の電機子を示す側面図である。
【図4】同上電動機を備えた電動送風機を一部を切り欠いて示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態の構成を図1ないし図4を参照して説明する。
【0011】
図4において、11は電動送風機を示し、この電動送風機11は、例えば電気掃除機の掃除機本体に収容されて吸塵用の送風動作を行うものである。そして、この電動送風機11は、電動機13と、この電動機13により回転されるファンである遠心ファン14と、これら電動機13と遠心ファン14との間に位置する整流板であるディフューザ15と、遠心ファン14を覆って電動機13に取り付けられるファンカバー16とを備えている。
【0012】
電動機13は、金属製のフレーム21と、このフレーム21に収容された電動機本体22と、ブラシ装置23,23とを有している。
【0013】
フレーム21は、有底円筒状のフレーム本体25と、このフレーム本体25の開口側に一体的に取り付けられるフレーム端面板26とを備えている。
【0014】
フレーム本体25の外周面には、複数の排気口30と、これら排気口30間に位置しブラシ装置23が取り付けられる取付開口31とが開口形成されている。また、このフレーム本体25の底部には、電動機本体22を支持するためのモータヘッド部32が凹設されており、このモータヘッド部32の内部には、ベアリング33と、このベアリング33とともに電動機本体22を軸方向(スラスト方向)に付勢するためのスラストばね34とが収容されている。
【0015】
また、フレーム端面板26は、フレーム本体25の径方向に沿って形成され、フレーム本体25の開口を横断して配置され、このフレーム本体25に対してねじ止め固定されている。さらに、このフレーム端面板26の中央部には、ディフューザ15を保持する円筒状の保持部36が一体に形成されており、この保持部36の内部には、ベアリング37が取り付けられている。
【0016】
また、電動機本体22は、図1ないし図4に示すように、固定子(ステータ)としてのフィールド組立41と、電機子としての回転子(ロータ)であるアーマチュア組立42とを備えている。
【0017】
フィールド組立41は、固定子鉄心としての固定子本体であるフィールドコア組立44と、このフィールドコア組立44の上側および下側のそれぞれに巻回された固定子コイルであるフィールドコイル45と、各フィールドコイル45を保持する保持部としてのリテーナ47および端子台48とを有している。
【0018】
フィールドコア組立44は、例えば磁性体である電磁鋼板をプレス機で打ち抜いた同一形状の鉄心板を複数積層し結合して構成された積層鉄心からなり、平面視で外形形状が略四角形状の環状(枠状)に形成されており、中央部に開口部51が形成されている。
【0019】
また、各フィールドコイル45は、図示しない銅線などの巻線により形成されており、この巻線が、フィールドコア組立44に対して絶縁された状態でフィールドコア組立44の開口部51の一部にそれぞれ巻回されているとともに、リテーナ47および端子台48の一部に沿って巻回され、これらリテーナ47および端子台48により押さえられていることにより、所定の巻き付け形状が保持されている。そして、各フィールドコイル45によって、開口部51の周囲に固定磁極であるN極およびS極が交互に並んで形成される。
【0020】
また、端子台48には、複数の端子53が取り付けられており、これら端子53には、フィールドコイル45の巻線の端末部が電気的に接続されている。さらに、これら端子53の一部は、ブラシ装置23と電気的に接続されている。
【0021】
一方、アーマチュア組立42は、回転子軸すなわちモータシャフトである回転軸55と、この回転軸55に固定されたコア部としての電機子コアをなす円柱状の積層鉄心56と、この積層鉄心56の軸方向の両端にそれぞれ取り付けられる絶縁端板57と、積層鉄心56に巻き付けられた回転子コイルであるアーマチュアコイル58と、このアーマチュアコイル58を積層鉄心56に対して絶縁する複数の絶縁部材としてのスロット絶縁59と、アーマチュアコイル58の端末部と電気的に接続される整流子(コンミュテータ)60とを備えている。
【0022】
積層鉄心56は、例えば磁性体である電磁鋼板を複数積層し結合して構成され、周縁部および軸方向両端に亘ってそれぞれ開放されるとともに軸方向から見て略U字状に形成された複数の切欠部63を周方向に略等間隔に有している。換言すれば、この積層鉄心56は、略円形状(円柱状)のコア部本体である積層鉄心本体64の周縁部から、複数の磁極歯部65が径方向に沿って放射状にそれぞれ突設され、これら磁極歯部65,65間に切欠部63が形成されている。
【0023】
積層鉄心本体64の中央部には、回転軸55が圧入される円形状の挿通孔64aが軸方向に穿設されている。また、この積層鉄心本体64の挿通孔64aの外方には、絶縁端板57を固定するための固定孔64bが形成されている。
【0024】
また、各磁極歯部65は、積層鉄心56の外周面に対応する位置の両側に、周方向に沿って突出部65a,65aが突設され、これら突出部65a,65aによって、各切欠部63,63の積層鉄心56の外周面の開放端が狭められている。
【0025】
また、各絶縁端板57は、アーマチュアコイル58などと回転軸55とを絶縁するものであり、例えば硬質合成樹脂などの絶縁材料により形成されている。さらに、各絶縁端板57は、円形平板状の積層板部67と、この積層板部67の中央部に突設され回転軸55が圧入される円筒状の軸部68とを一体に備えている。そして、積層板部67は、周縁部に開放されるとともに軸方向から見て略U字状に形成された複数の切欠凹部71を周方向に略等間隔に有している。換言すれば、積層板部67は、略円板状の端板本体72の周縁部から、複数の端板突出部である歯部73が径方向に沿って放射状にそれぞれ突設され、これら歯部73,73間に切欠凹部71が形成されている。また、積層板部67の積層鉄心56側には、図示しないが、積層鉄心56の固定孔64b,64bにそれぞれ挿入固定(圧入)される凸部が突設されている。
【0026】
各切欠凹部71は、積層鉄心56の各切欠部63に対応する数形成され、軸方向から見て略U字形状をなし、各切欠部63と略等しい深さを有している。すなわち、歯部73は、積層鉄心56の磁極歯部65に対応して形成されている。そして、各切欠凹部71は、絶縁端板57を積層鉄心56の両端に取り付けた状態で各切欠部63と略面一に連続することにより、積層鉄心56および絶縁端板57,57間に亘って、周縁部および軸方向両端に開放される凹部75をそれぞれ形成する。したがって、これら凹部75は、軸方向から見て略U字状に形成されている。
【0027】
また、一方の絶縁端板57、本実施形態では例えば上側の絶縁端板57の外周に位置する各歯部73の先端部には、積層鉄心56に対して反対側へと突出する絶縁突出部73aが形成されている。さらに、この絶縁突出部73aの両側には、挟持凹部としての溝部73bが上下方向に沿って直線状に形成されている。これら溝部73bは、積層鉄心56側である下側が開放されて、絶縁端板57の積層鉄心56側である下側に連通している。
【0028】
また、アーマチュアコイル58は、積層鉄心56に回転によって磁極が切り換わる回転磁極を形成するものであり、銅線などの巻線58aにより構成されており、この巻線58aは、両端が整流子60に電気的に接続され、これら両端間が対応する位置の凹部75(切欠部63および切欠凹部71)の内側を通って積層鉄心56および各絶縁端板57の積層板部67に亘って巻き付けられている。また、このアーマチュアコイル58は、巻線58aが凹部75全体を埋めて巻き付けられておらず、凹部75内に位置する巻線層の表面と、磁極歯部65の突出部65aの基端部との間に所定の絶縁距離が確保されている。
【0029】
そして、スロット絶縁59は、絶縁性を有する合成樹脂などによりシート状に形成されており、積層鉄心56とアーマチュアコイル58との間に介在され、凹部75のそれぞれの内面全体を覆ってこれら凹部75の内面に沿って取り付けられている。すなわち、各スロット絶縁59は、軸方向から見て略U字状に屈曲されており、両側縁部77,77がそれぞれ凹部75の外周側である外方に向けられ、互いに隣接する形状となっている。すなわち、これら両側縁部77,77は、各磁極歯部65の突出部65aの基端部に位置するように構成されている。また、これらスロット絶縁59は、各凹部75の上下方向(軸方向)全体に亘って連続する長尺状に形成されている。したがって、これらスロット絶縁59は、長手方向(上下方向)の両端部78,78が、それぞれ積層鉄心56の切欠部63から突出して、絶縁端板57,57の切欠凹部71内に位置し、これら両端部78,78の一方、本実施形態では上側の端部78には、被挟持部としての突出片部79,79が側縁部77,77から外方すなわち両側方向へと突設されている。これら突出片部79,79は、側縁部77,77に沿って板状(シート状)に形成されており、積層鉄心56の一端に一方の絶縁端板57を取り付けた状態で、この絶縁端板57の溝部に沿って嵌合することで、積層鉄心56の一端と一方の絶縁端板57との間に挟持される部分である。そして、これら突出片部79,79が積層鉄心56の一端と一方の絶縁端板57との間に挟持されることにより、スロット絶縁59が凹部75内に、軸方向などに固定される。なお、スロット絶縁59は、図1および図2において、一の凹部75に配置するもののみを図示し、他の凹部75に配置するものは記載を明確にするために省略している。
【0030】
また、整流子60は、磁極歯部65に形成される回転磁極を切り換えるものであり、回転軸55の端部近傍に固定されている。さらに、この整流子60は、凹部75(切欠部63および切欠凹部71)と同数の複数の整流子片60aを有している。
【0031】
そして、アーマチュア組立42は、回転軸55をベアリング33,37に回転自在に軸支することにより、フィールド組立41の開口部51を貫通してフレーム21に取り付けられ、この取り付け状態で、整流子60が、積層鉄心56とベアリング33との間に位置し、回転軸55がベアリング37および保持部36に挿通されてフレーム21の外部へと突出している。
【0032】
また、各ブラシ装置23は、フレーム本体25に対して電気的に絶縁されて、このフレーム本体25の径方向に沿って例えばねじ止めなどにより取り付けられている。これらブラシ装置23は、内部にカーボンブラシ81と、このカーボンブラシ81の基端側を先端側へと付勢するコイルばね82とを有しており、このコイルばね82により付勢された状態でカーボンブラシ81の先端側が電動機13の整流子60の整流子片60aの外周面に圧接されている。さらに、各ブラシ装置23には、カーボンブラシ81と電気的に接続されているとともに各端子53が挿入されて電気的に接続される導電部材83がそれぞれ配置されている。
【0033】
また、遠心ファン14は、電動機13のフレーム21から突出するアーマチュア組立42の回転軸55の端部に連結されている。さらに、この遠心ファン14は、ファンカバー16に対向して、円形状の吸込口85が中央部に形成されている。
【0034】
また、ディフューザ15は、遠心ファン14から外周方向へと吹き出された気流を静圧化して電動機13のフレーム21の内部へと案内するものであり、中央部にフレーム端面板26の保持部36が挿通され、この保持部36の近傍でフレーム端面板26に対してねじ止め固定されることで、電動機13と一体的となっている。
【0035】
また、ファンカバー16は、有蓋円筒状に形成されており、外周縁部がフレーム本体25の開口縁に圧入されて固定されている。さらに、このファンカバー16の中央部には、円形状の吸気口87が形成されている。この吸気口87は、円環状のシール部材88を介して遠心ファン14の吸込口85と気密に接続される。
【0036】
次に、上記一実施形態のアーマチュア組立42の製造手順を説明する。
【0037】
まず、予め成形した積層鉄心56の切欠部63のそれぞれに、予め成形したスロット絶縁59をそれぞれ一端側から他端側へとスライドさせて取り付ける。この状態で、各スロット絶縁59は、両端部78,78が積層鉄心56の軸方向の両端からそれぞれ突出し、上側の端部78に位置する突出片部79,79が積層鉄心56の軸方向の一端側である上側に当接した状態で支持される(図1および図2の想像線)。
【0038】
次いで、積層鉄心56の両端に、予め成形した絶縁端板57,57を、固定孔64bと凸部とを位置合わせしつつ取り付ける。このとき、各スロット絶縁59の突出片部79,79が一方の絶縁端板57の磁極歯部65,65の溝部73b,73bに挿入され、これら溝部73b,73bの上端部と当接することにより、各スロット絶縁59の一方の端部78が積層鉄心56と一方の絶縁端板57とによって挟持される。この結果、各スロット絶縁59が凹部75にて軸方向に固定される。
【0039】
そして、巻線58aを、適宜の凹部75,75間に亘って巻き付けることによりアーマチュアコイル58を構成する。このとき、各スロット絶縁59は、各突出片部79,79が積層鉄心56と一方の絶縁端板57とにより挟持されていることにより、軸方向などへのずれ、すなわち凹部75からのずれが防止される。さらに、アーマチュアコイル58の巻線58aの端部は、積層鉄心56および絶縁端板57,57間に圧入された回転軸55に固定された整流子60の整流子片60aとそれぞれ電気的に接続される。
【0040】
以上説明した一実施形態によれば、各凹部75にて巻線58aと積層鉄心56との間に介在される各スロット絶縁59に設けた突出片部79,79が、積層鉄心56の軸方向の一端と一方の絶縁端板57との間に挟持されることで各スロット絶縁59が固定されることにより、各凹部75に巻線58aを巻き付ける際の各スロット絶縁59の各凹部75からのずれを防止できる。
【0041】
また、各スロット絶縁59の突出片部79,79は、絶縁端板57の溝部73b,73bに嵌合するため、各凹部75内に突出することがなく、これら凹部75が狭められることがない。したがって、これら凹部75のスペースを充分に確保でき、巻線58aを巻き付ける際に引っ掛かる部分が生じることもなく、巻線58aの巻き付け作業の作業性が低下することがない。
【0042】
さらに、各スロット絶縁59が凹部75から軸方向などにずれないため、巻線58aをバランスよく巻き付けることができる。したがって、例えば巻線を偏って巻き付けた場合のような銅損(電気的な損失)の増加や電動機13の回転バランスの悪化などをも防止できる。
【0043】
そして、このような電動機13を用いて電動送風機11を構成することで、効率および回転バランスが良好な電動送風機11を提供できる。
【0044】
なお、上記一実施形態において、電動機13は、電動送風機11以外の任意の機器にも用いることができる。
【0045】
また、本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
11 電動送風機
13 電動機
14 ファンである遠心ファン
41 固定子としてのフィールド組立
42 電機子としてのアーマチュア組立
51 開口部
56 コア部としての積層鉄心
57 絶縁端板
58a 巻線
59 絶縁部材としてのスロット絶縁
63 切欠部
71 切欠凹部
75 凹部
79 被挟持部としての突出片部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を備え、この開口部の周囲に複数の固定磁極が形成される固定子と、
複数の凹部およびこれら凹部に巻き付けられて回転により極性が切り換わる複数の回転磁極を形成する巻線を備え、前記開口部に回転可能に配置される電機子とを具備し、
前記電機子は、
円柱状に形成され、前記各凹部の一部をそれぞれ構成する複数の切欠部を周囲に有するコア部と、
円形状に形成され、前記各切欠部のそれぞれに連通し前記各凹部の残りの他部をそれぞれ構成する複数の切欠凹部を周囲に有し、前記コア部の軸方向の両端にそれぞれ取り付けられる絶縁端板と、
前記各凹部のそれぞれを覆って取り付けられる複数のシート状の絶縁部材とを備え、
前記各絶縁部材は、前記コア部の軸方向の一端といずれか一方の前記絶縁端板との間に挟持されて固定される被挟持部を有している
ことを特徴とした電動機。
【請求項2】
請求項1記載の電動機と、
この電動機の電機子に接続されて回転されるファンと
を具備したことを特徴とした電動送風機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−110868(P2013−110868A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254302(P2011−254302)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】