説明

電動補助駆動装置、特にワイパ駆動装置

電動補助駆動装置、特にワイパ駆動装置であって、電気モータおよび下り方向歯車が電動補助駆動装置の出力軸を形成し、電気モータと出力軸との間の駆動列の中に直列に配置された少なくとも2つの歯車段を呈しており、そのうちの1つの第1の歯車段が、ウォームと、このウォームと相互作用する大歯車またはウォームホイールとで構成されているウォームギヤの形とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義では、請求項1に記載の電動補助駆動装置に関し、詳細には、ワイパ駆動装置、すなわちフロントガラスワイパモータに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用の電動補助駆動装置には色々あるが、とりわけ、ワイパ駆動装置、すなわちワイパモータのアクチュエータが周知である。これは、基本的に、電動補助駆動装置の出力軸を有するフランジ付き歯車を備える電気モータからなっている。電気モータと、電気モータと出力軸との間の駆動列の中に、ウォームギヤの形とされた増倍手段、すなわち歯車列が設けられている電動補助駆動装置は公知である。
【0003】
さらに、駆動装置が起動されている場合に、ピニオン軸、すなわち歯車の出力軸が、逆転運動、すなわち、周期的に異なる回転方向に、具体的には、電動補助駆動装置の電気または電子モータ制御ユニットにより電気モータを制御するか、または、歯車、または連結歯車としての歯車段を、適切に設計するかのいずれかによって駆動しうるように、ワイパ駆動装置すなわちワイパモータを設計することも公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ国特許公開第10149218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、コンパクトな構造とエネルギー効率の改善とによって、ピニオン軸すなわち出力軸上で利用しうるトルクが大きくなるようにした電動補助駆動装置を提供することである。この問題を解決するために、請求項1に記載の電動補助駆動装置を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による電動補助駆動装置は、例えば、ワイパ駆動装置、すなわちワイパモータを備えており、この場合、逆転型ワイパ駆動装置すなわちワイパモータであることが望ましい。駆動列の中に追加的に設けられ、かつ、ギヤハウジングの中に収容されている、第2の増倍手段すなわち歯車段は、電動補助駆動装置の出力軸上で利用可能なトルクを高め、および/または、特に、ウォームギヤに似た歯車段としての第1の歯車段の設計の場合にも、歯車の自動ロックを大幅に改善させる可能性をもたらす。
【0007】
電動補助駆動装置を、ワイパ駆動装置またはワイパモータとして設計する際には、定位置に設けたワイパアームが、例えば、高速走行や洗車の際の洗車部材に押されて、強制的に定位置から移動させられて損傷を受けるのを防ぐため、適切なレベルに歯車を自動ロックすることが必要であるか、または少なくとも望ましい。
【0008】
追加の第2の歯車段は、電動補助駆動装置が電気的に制御される逆転型設計である場合、具体的には、電気モータの加速または減速時期を延ばすことによって、さらにエネルギー効率の改善をもたらす。
【0009】
追加の第2の歯車段は、歯車列に似た歯車段として設計されており、第1の歯車段の歯車要素と組み合わせてコンパクトな構造としうるため、歯車の構造は全体として小型でコンパクトであり、歯車の全体寸法は、ウォームギヤからなる歯車段だけである従来の電動補助駆動装置の歯車とほとんど違わない。
【0010】
出力軸上のトルクは、歯車を修正しなくても、また電気モータの基本構造を変更しなくても、それぞれの要件に適応できる。この適応は、必要な範囲で、多様なモータコンポ―ネント(例えば電機子、固定子磁石、ポールポット等)を用いて行われる。適応の結果として、フロントガラスのワイパモジュールのワイパ駆動装置、すなわちワイパモータを用いて、ワイパレバーすなわちワイパアームを直接駆動するか、または追加の歯車装置(例えばレバーギヤ)を介して、2つのワイパレバー、すなわちワイパアームを駆動することができる。
【0011】
追加の第2の歯車段の歯車要素だけでなく、各歯車も、すべて、単純なコンポーネントとして経済的に製造することができる。
【0012】
また、本発明のさらなる展開、利点、および適用の可能性は、下記の実施例に関する説明および図面から明らかになると思う。この場合、記述および/または図示したすべての特徴は、それ自体で、またはいかなる所望の組み合わせにおいても、請求項におけるそれらの要約、またはそれらの逆方向の関係に関わらず、基本的に本発明の対象内である。また、請求項の内容を、本明細書の不可分の一部とする。
【0013】
本発明を、添付図面に記載の実施形態を例として、詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ワイパ駆動装置、すなわちワイパモータとして設計された、本発明による電動補助駆動装置の後面部の平面図である。
【図2】ワイパ駆動装置の必須要素を示す分解斜視図である。
【図3】ギヤハウジングを取り外した状態の図1と同様の図である。
【図4】図3の線Eにおける断面図である。
【図5】本発明の別の実施形態におけるワイパ駆動装置、すなわちワイパモータの必須要素の略図である。
【図6】図5の線A−Aにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
複数の図の中で1で示してあるワイパ駆動装置は、基本的に公知の要領で、電気モータ2と歯車3とを備えている。この実施形態では、歯車3のピニオン軸すなわち出力軸4は、ワイパ軸となっており、これに、例えば車両の後部フロントガラスのための、フロントガラスワイパモジュールの図示しないワイパブレードのための、図1で示すワイパアーム5が、適切な要領で固定されている。
【0016】
ワイパ駆動装置1は、電気制御の逆転型駆動装置として、すなわち、操作中は、出力軸4およびワイパアーム5が、電気モータ2の回転方向の周期的変化を制御することによって、フロントガラスワイパモジュールのワイパ角に対応する角度範囲αを、周期的に前後に旋回させるような駆動装置として設計されている。
【0017】
電気モータ2は、電機子軸7を有し、その一端は、キャップ状のモータハウジング6に回転自在に取り付けられており、かつブラシプレート9上のブラシと相互作用する電機子8と整流器10とが設けられている。電機子軸7の他端5は、歯車3のギヤハウジング11内へ伸び、このギヤハウジング11に、具体的には、モータハウジング6とギヤハウジング11との間の移行部、すなわち、モータハウジング6がギヤハウジング11に支持されている場所に、回転自在に取り付けられている。
【0018】
ギヤハウジング11は、モータハウジング6と同じ要領で金属で製造されており、桶状をなしている。具体的には、ギヤハウジングの底壁11.1と、モータハウジング6のフランジ取り付けのためのフランジ11.2.1とを備え、ギヤハウジング11を取り巻く環状壁11.2とで構成されている。
【0019】
ギヤハウジング11の中に部分的に支えられた長い電機子軸7には、ウォーム7.1が形成され、ウォーム7.1は、ウォームホイールすなわち大歯車12の歯12.1と係合し、大歯車12は、ウォーム7.1と共に第1の増倍手段すなわち歯車段13を、ギヤハウジング11の中に形成している。大歯車12は、軸14上に設けられており、ギヤハウジング11の底壁11.1上の軸受部11.1.1の中に、摩擦軸受14.1と共に、具体的には、電機子軸7と直交する軸の周りに、かつ、出力軸4と平行に、自由に回転できるように取り付けられている。
【0020】
歯付きホイール15が、ハウジングの底壁11.1の反対側において、大歯車12の軸と同じ軸に、大歯車12の上側に設けられている。歯付きホイール15は、大歯車12よりも小径であり、大歯車12と一体とされている。大歯車12および歯付きホイール15は、適切な材料、例えば金属材料またはプラスチックで製造されている。
【0021】
出力軸4は、摩擦軸受4.1によって、ハウジング底壁11.1および軸受部11.1.2に、この位置で、回転可能にかつ旋回可能に取り付けられている。出力軸4には、歯付きホイール、または円弧状歯車16が、ハウジング11の内側で歯車付きホイール15と相互作用しており、その歯16.1は、歯車付きホイール15の歯15.1と係合している。歯車付きホイール15および円弧状歯車16により、第2の増倍手段および歯車段17が形成されている。
【0022】
円弧状歯車16は、出力軸4に対してほぼ半径方向を向く2つのほぼ直交する側面18を有しており、その角距離は、ワイパ角αと同じであるか、またはそれより若干大きい。万一、図2に示す電気モータ2または点線で示す制御ユニット2.1の不具合によって、ワイパ角αを定める角終端位置の1つに達した時点で、電気モータ2の回転方向の切り替えが行われない場合、側面18がそれぞれ、ギヤハウジング11の中の対向面に当接するように、すなわち、実施形態では、ハウジングの環状壁11.2の内側表面に設けたゴム緩衝体19に当接するように、ギヤハウジング11の中の円弧状歯車16の寸法は定められる。
【0023】
歯車段17の減速化は、1より小さいように、すなわち、歯車付きホイール15が或る回転角で回転すると、円弧状歯車16の回転または旋回動作の回転角が、それより小さくなるように、歯車付きホイール15および円弧状歯車16の有効半径は選択される。この実施形態における追加の歯車段17のギヤ比は、およそ0.6および0.7である。
【0024】
大歯車12と歯車付きホイール15の両方の共通軸と、出力軸4とは、共通平面上Eにある。電機子軸7と、ウォーム7.1の軸とは、この平面Eに対して直角方向にある。
【0025】
ワイパ駆動装置1の最終の組み立て状態において、ギヤハウジング11の開放側は、ハウジングカバー20によって密接に閉じられる。電気モータ2を制御するための、特に、電気モータ2に印加されるDC電圧の極性を逆転させることによって、電気モータ2および電機子軸7の逆回転を制御するための制御電子回路、すなわちモータの制御ユニット2.1が、ハウジングカバー20の内側に設けられている。
【0026】
モータの制御ユニット2.1の少なくとも1つのセンサを使って、歯車付きホイール15の回転位置が、従って、出力軸4の回転位置すなわち旋回位置が監視され、ワイパ角αの終端位置にそれぞれ達した時点で、少なくとも、電気モータ2の回転方向の切り替えが行われる。実施形態では、永久磁石である位置磁石21が、歯車付きホイール15に設けられており、この磁石の磁界の影響を受けるセンサ、例えばモータ制御ユニット2.1のホールセンサと、相互作用するようになっている。ハウジングカバー20の外側に、具体的には、ワイパ駆動装置1を電力供給および車両側の制御線に接続するための、マルチポートまたはマルチコンタクトプラグ22が設けられている。
【0027】
図5および図6は、別の実施形態であるワイパ駆動装置1aにおける必須の機能要素だけを、すなわち、電機子8と整流器9とウォーム7.1とを、電機子軸7上に設けた状態の電機子軸7を示しており、これが、ウォームホイールすなわち大歯車12aと共に、第1の歯車段13aを形成している。ワイパ駆動装置1aの歯車3aは、第1の歯車段13aの大歯車12aが、その切片12a.1において、そして、この位置における歯で、ウォーム7.1と相互作用し、同時に、第2の歯車段17aの構成部品であるという点で、すなわち、大歯車12aがこの位置の第2の歯を使って、出力軸4上の円弧状歯車16の歯16.1と相互作用する大歯車円弧として設計されているという点で、歯車3とは基本的に異なっている。従って歯車付きホイール15は省略してある。
【0028】
円弧状の切片12a.1および12a.2は、大歯車12aの軸に対して、相互に対向している。さらに、大歯車12aの軸に対して直交する切片12a.1および12a.2の前面は、この実施形態では、共通面上にある。切片12a.1、および、この位置での歯の半径は、切片12a.2、および、この位置での歯の半径よりも大きい。大歯車12aを使用しているため、出力軸4の軸方向においても、設置スペース、すなわち歯車3aの体積はさらに削減される。
【0029】
・追加の増倍手段、すなわち歯車段17および17aを備えるワイパ駆動装置1および1aの利点は、歯車3および3aについてのコンパクトな構造、および設置スペースの削減に加えて、次のようである。
【0030】
・追加の増倍手段、すなわち歯車段17および17aにより、電気モータ2の同じトルクに対して、追加の増倍手段すなわち歯車段17を有しないワイパ駆動装置と比べて、出力軸4上のトルクが増大する。
【0031】
・電機子軸7と、大歯車12および12aと、出力軸4およびギヤハウジングの底壁11.1上に形成された軸受部11.1.2との間のウォーム7.1を形成することにより、かつ、同様に、出力軸4上に円弧状歯車16を設けたことにより、追加の歯車段17および17aがあるにもかかわらず、歯車3および3aに対して、設置スペースが少ない、非常にコンパクトな構造が得られる。
【0032】
・大歯車12aの独特な設計と、歯車3aにおける歯車付きホイール15の省略とに加えて、より大きい大歯車12(図3および図4)と部分的に重なり合うような円弧状歯車16が、歯車3および3aの全体的な寸法の削減に大いに貢献している。
【0033】
・追加の歯車段17および17aによって、出力軸14の自動ロックが、さらに改良されている。
【0034】
・大歯車12、12a、歯車付きホイール15、および円弧状歯車16は、比較的簡単な構成部品であるので、低価格で製造することができる。
【0035】
以上、本発明を、上記では実施例に基づいて説明してきたが、本発明はその基となる概念から逸脱することなく、修正および変形が可能であることは理解しうると思う。
【0036】
従って、上記説明では、ワイパ駆動装置の出力軸4は、フロントガラスワイパモジュールのワイパアーム5が直接固定されているワイパ軸として機能していると仮定した。もちろん、出力軸4が、例えばレバー歯車によって、フロントガラスワイパモジュールの1つまたは複数のワイパアームに駆動接続されるようになっているフロントガラスワイパモジュールにおいて、ワイパ駆動装置1を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0037】
1、1a ワイパ駆動装置
2 電気モータ
2.1 制御ユニット
3、3a 歯車
4 出力軸
4.1 摩擦軸受
5 ワイパアーム
6 モータハウジング
7 電機子軸
7.1 ウォーム
8 電機子
9 コンミュテータ
10 整流器
11 ギヤハウジング
11.1 底壁
11.1.1 軸受部
11.2 環状壁
11.1.2 軸受部
11.2.1 フランジ
12、12a 大歯車
12.1 歯
12a.1、12a.2 切片
13、13a 歯車段
14 軸
14.1 摩擦軸受
15 歯付きホイール
15.1 歯
16 円弧状歯車
16.1 歯
17、17a 歯車段
18 側面
19 ゴム緩衝体
20 ハウジングカバー
21 位置磁石
22 マルチコンタクトプラグ
α 旋回角
E 平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動補助駆動装置、特にワイパ駆動装置であって、電気モータ(2)および末端の歯車(3、3a)が、前記電動補助駆動装置の出力軸を形成し、前記電気モータ(2)と出力軸(4)との間の駆動列の中に直列に配置された少なくとも2つの歯車段(13、13a、17、17a)を有しており、そのうちの1つの第1の歯車段(13、13a)が、ウォーム(7.1)と、このウォームと相互作用するウォームホイール状の歯車の要素(12、12a)とで構成されているウォームギヤの形で設計されている電動補助装置において、
前記駆動列の中に設けられた少なくとも1つの第2の歯車段(17、17a)が、歯車列の形で設計されていることを特徴とする電動補助駆動装置。
【請求項2】
前記第2の歯車段が、前記第1の歯車段(13、13a)と前記出力軸(4)との間の駆動列の中に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の電動補助駆動装置。
【請求項3】
前記第2の歯車段(17)が、2つの歯車要素(12a、15、16)で構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の電動補助駆動装置。
【請求項4】
前記第2の歯車段(17、17a)の1つの歯車要素(16)が、前記出力軸(4)上に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の電動補助駆動装置。
【請求項5】
前記第1の歯車段(13)のウォームホイール状の歯車要素(12)、および前記第2の歯車段(17)の歯状ホイール状の歯車要素(15)が、少なくとも相互に駆動接続されており、かつ、ギヤハウジング(11)の中の共通軸(14)の周りに回転自在に取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動補助駆動装置。
【請求項6】
前記第1の歯車段(13、13a)のウォームホイール状の歯車要素(12、12a)が、同時に、前記第2の歯車段(17、17a)の歯車要素であり、かつ、この目的のために、前記ウォーム(7.1)との相互作用のために、第1の切片(12.1、12a.1)上に、および、前記第2の歯車段(17、17a)の歯車要素(16)との交互作用のために、少なくとも第2の切片(15、12a.2)上に設計されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動補助駆動装置。
【請求項7】
前記第1の歯車段(13)のウォームホイール状の歯車要素(12)、および、前記の歯車要素と同じ軸に配置された第2の歯車段(17)の歯状ホイール状の歯車要素(15)が、1つのユニットを形成するように接続されるか、または単一のものとして製造されていることを特徴とする、請求項6に記載の電動補助駆動装置。
【請求項8】
前記第1の歯車段(13)のウォームホイール状の歯車要素(12)と、前記歯車要素に駆動しうるように接続された前記第2の歯車段(17)の歯車要素(15)とが、または、前記ウォームホイール状の歯車要素(12)の前記第1の切片(12.1、12a.1)と前記第2の切片(15、12a.2)とが、異なる直径または半径を有しており、例えば、前記ウォームホイール状の歯車要素(12)が、この歯車要素(12)と同じ軸に配置されている前記第2の歯車段の歯車要素(15)よりも大きい直径または半径を有するか、または、前記ウォームホイール状の歯車要素(12a)の第1の切片(12a.1)が、前記第2の切片(12a.2)より大きい直径、または半径を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電動補助駆動装置。
【請求項9】
前記第2の歯車段(17)のギヤ比が1より小さく、好ましくは0.6と0.7の間の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電動補助駆動装置。
【請求項10】
前記第1および/または第2の歯車段(13a、17、17a)の少なくとも1つの歯車要素(12a、16)が、円弧状をなしていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電動補助駆動装置。
【請求項11】
前記ウォーム(7.1)と相互作用する前記第1の歯車段(13a)の歯車要素(12a)、および/または、前記第2の歯車段(17)の出力に設けられている歯車要素(16)、および/または、前記第2の歯車段(17a)の歯車要素(12a)であって、この歯車段(17a)の出力で前記歯車要素(16)と相互作用する歯車要素(12a)が、円弧状をなしていることを特徴とする、請求項10に記載の電動補助駆動装置。
【請求項12】
前記電動補助駆動装置が、前記電気モータ(2)および電気モータ(2)の軸(7)の回転方向が周期的に変化するように、前記出力軸(4)の旋回または回転を逆転させるように設計されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電動補助駆動装置。
【請求項13】
前記ウォームホイール状の歯車要素(12、12a)の軸が、前記出力軸(4)に平行に、かつ間隔を置いて配置され、かつ、前記第1の歯車段(13、13a)のウォーム(7.1)、または、前記電気モータ(2)の電機子軸(7)のうちのこのウォーム(7.1)を呈する部分が、出力軸(4)と、前記第1の歯車段(13、13a)のウォームホイール状の歯車要素(12、12a)とのためにギヤハウジング(11)上に形成された軸受部(11.1.1)との間に配置されていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の電動補助駆動装置。
【請求項14】
前記第1の歯車段(13、13a)のウォーム(7.1)または、前記電機子軸(7)のうちのこのウォーム(7.1)を呈する部分の長さが、その縦の面では、前記第1の歯車段(13、13a)のウォームホイール状の歯車要素(12、12a)の軸に加えて、出力軸(4)の軸も含む平面(E)と垂直または基本的に垂直な方向であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の電動補助駆動装置。
【請求項15】
前記第2の歯車段(17、17a)の1つの歯車要素上に、前記出力軸(4)上に配置された前記第2の歯車段(17、17a)の歯車要素(16)上に、前記逆転する電動補助駆動装置のモータ制御ユニット(2.1)の故障または不具合の場合に、前記ギヤハウジング(10)上に設けられた少なくとも1つの弾性のある対向面(19)に衝突させることによって、前記出力軸(4)の前記旋回動作を、強制的に終了させる少なくとも1つのストップ(18)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の電動補助駆動装置。
【請求項16】
前記第2の歯車段(17)の1つの歯車要素(16)が、前記第1の歯車段(13)のウォームホイール状の歯車要素(12)に部分的に重なり合っていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の電動補助駆動装置。
【請求項17】
前記第1の歯車段(13、13a)のウォームホイール状の歯車要素(12、12a)、および前記第2の歯車段(17、17a)の歯車要素(12a、15、16)に加えて、出力軸(4)も、桶状または貝殻の形状に設計されたギヤハウジング(11)の下面(11.1)に取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の電動補助駆動装置。
【請求項18】
1つの歯車要素(15)上に、例えば、前記ウォームホイール状の歯車要素(12)と同じ軸に配置された前記第2の歯車段(17)の歯車要素(15)上に、前記電気または電子モータ制御ユニット(2.1)と相互作用する少なくとも1つの制御要素が、前記歯車要素(15)の回転位置または旋回位置に応じて、電気モータ(2)を制御するために、例えば、永久磁石(21)形式で、および/または、永久磁石装置の形式で、および/または制御カムおよび/またはカーブの形式で設けられていることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の電動補助駆動装置。
【請求項19】
前記モータハウジング(11)が、ハウジングカバー(20)によって、前記ハウジング下面(11.1)の反対側のそのハウジング側で閉じられ、かつ、前記電気または電子モータ制御ユニット(2.1)が、前記ハウジングカバー(20)上に設けられていることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の電動補助駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−521322(P2012−521322A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501177(P2012−501177)
【出願日】平成22年3月22日(2010.3.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001783
【国際公開番号】WO2010/108645
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(590003744)ヴァレオ システム デシュヤージュ (74)
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
【Fターム(参考)】