説明

電子キーシステム

【課題】既存の電子キーシステムを変更することなく、携帯電話を通信対象のキーとして使用可能な電子キーシステムを提供する。
【解決手段】電子キーシステム3は、車両2と電子キー1との間で無線通信を介してID照合を行い、ID照合が成立することを条件に車両2に設置されたドアロックやエンジンの操作が可能となる。電子キーシステム3は、ID照合に必要なキー情報IDsm1,Ksm1が登録された携帯電話5から近距離無線通信によりキー情報IDsm1,Ksm1を取得するキー情報取得部41bと、車両2に設けられた照合ECU21に対してキー情報取得部41bが取得したキー情報IDsm1,Ksm1を用いて電子キー1と同様に振舞うことにより携帯電話5に代わって車両2とID照合を実行する照合実行部41cとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子キーと車両とが相互通信することにより車両の車載装置の動作を許可する電子キーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多くの車両には、IDコードを無線により送信可能な電子キーを車両キーとして使用し、この電子キーによって車両と無線によりID照合を実行する電子キーシステムが搭載されている(例えば、特許文献1参照)。この種の電子キーシステムには、車両から送信されたリクエストを電子キーが受信すると、これに応答する形で電子キーがIDコードを車両に自動返信して、ID照合を実行させる。電子キーシステムは、車室外でID照合が成立するとドアロック施解錠が許可され、例えばドアロック施錠時に車室外ドアハンドルが握られるとドアロックが解錠され、ドアロック解錠時に車室外ドアハンドルのロックセンサに触れるとドアロックが施錠される。また、車室内でID照合が実行するとエンジン始動操作が許可される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−92071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の電子キーシステムでは、専用の電子キーを使用しているが、ほとんどのユーザが常に携帯している携帯電話等の携帯端末を車両キーとして使用することが望まれている。ところで、携帯電話には例えば近距離無線通信の機能が設けられていることが多いので、携帯電話を車両キーとして使用可能とする場合、この近距離無線通信機能を使用して車両とID照合する可能性が高い。近距離無線通信には、例えばFeliCa(登録商標)などがある。
【0005】
ところで、車両を携帯電話とID照合可能とする場合、例えば車両に搭載済みの既存の電子キーシステムに近距離無線通信機能を追加して、携帯電話との無線によるID照合を行うことが想定される。しかし、この場合は、既存の電子キーシステムに変更を加える必要があるので、その変更作業が技術的に複雑である問題があった。よって、既存の電子キーシステムを変更せずに、携帯電話との無線通信が可能な技術が要望されていた。
【0006】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、既存の電子キーシステムを変更することなく、携帯端末を通信対象のキーとして使用可能な電子キーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、通信対象と電子キーとの間で無線通信を介してID照合を行い、前記ID照合が成立することを条件に前記通信対象に設置された機器の操作が可能となる電子キーシステムにおいて、前記ID照合に必要なキー情報が登録された携帯端末から、前記ID照合とは別の無線通信により前記キー情報を取得するキー情報取得手段と、前記通信対象に設置された既存のキー照合装置に対し、前記キー情報取得手段で取得した前記キー情報を用いて前記電子キーと同様に振舞うことにより、前記携帯端末に代わり前記通信対象と前記ID照合を実行する照合手段とを備えたことをその要旨としている。
【0008】
同構成によれば、キー情報取得手段が携帯端末と無線通信を行って携帯端末からID照合に必要な情報を取得し、照合手段が携帯端末に代わって電子キーと同様に振舞うことで通信対象と無線通信を行ってID照合が成立する。このため、電子キーシステムは何も変更することなく、携帯端末をキーとして使用可能である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子キーシステムにおいて、前記キー情報取得手段は、前記ID照合に必要な情報としてIDコードと、前記通信対象と通信する際に使用する暗号鍵とを前記携帯端末から取得し、前記照合手段は、前記通信対象から送信されたリクエストの受信を契機として、前記電子キーと同様に、前記IDコード及び前記暗号鍵を使用した前記ID照合を実行することをその要旨としている。
【0010】
同構成によれば、キー情報取得手段は携帯端末からIDコードと暗号鍵とを取得することで、電子キーと同様に、照合手段が通信対象から送信されたリクエストに応答してIDコードを暗号鍵で暗号化して送信する。このため、電子キーシステムは何も変更することなく、携帯端末をキーとして使用可能である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電子キーシステムにおいて、前記キー情報取得手段は、前記携帯端末から取得した前記キー情報を、使用後に消去することをその要旨としている。
【0012】
同構成によれば、キー情報取得手段が携帯端末から取得したID照合に必要な情報を使用後に消去する。このため、取得した後に同じ携帯端末のみが継続的に通信対象の機器の操作が可能とならず、複数の携帯端末がキーとして使用される場合には、それぞれの携帯端末がキー情報取得手段と無線通信を毎回行うことで、通信対象の機器が操作可能となる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子キーシステムにおいて、前記携帯端末と前記キー情報取得手段との間の通信には、近距離無線通信が使用され、前記通信対象と前記照合手段との間の通信には、狭域無線通信が使用されていることをその要旨としている。
【0014】
同構成によれば、携帯端末とキー情報取得手段との間は近距離無線通信を使用することで、携帯端末をキー情報取得手段に近づけると無線通信が可能となり、携帯端末とキー情報取得手段との無線通信が無用に行われることを抑制可能である。また、通信対象と照合手段との間は狭域無線通信を使用することで、通信対象が自身の周囲に適度な通信エリアを形成することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子キーシステムにおいて、既存の電子キーシステムを変更することなく、携帯端末を通信対象のキーとして使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電子キーシステムの概略構成を示すブロック図。
【図2】電子キーシステムの通信を示すタイムチャート。
【図3】リーダライタと携帯電話との通信動作を示すシーケンスチャート。
【図4】電子キーシステムの通信動作を示すシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を車両に具体化した電子キーシステムの一実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
図1に示されるように、車両2には、例えば運転者が実際に車両キーを操作しなくてもドアロックの施解錠やエンジンの始動及び停止等の車両動作を行うことが可能な電子キーシステム3が搭載されている。電子キーシステム3は、キー固有のIDコードを無線通信で発信可能な電子キー1が車両キーとして使用され、車両2と狭域無線通信(通信範囲:数m)によりID照合(スマート照合)を実行する。なお、車両2が通信対象に相当する。また、ドアロックやエンジンが機器に相当する。
【0018】
電子キーシステム3には、車両2のドアを操作した際に自動でID照合が行われてドアロックの施解錠が許可されるキー操作フリーシステムがある。これを以下に説明すると、車両2には、電子キー1との間で狭域無線通信(以降、スマート通信という)を行う際にID照合を行う照合ECU(Electronic Control Unit)21と、ドアロックの施解錠等を管理するメインボディECU31とが設けられている。照合ECU21には、車両2のドアに埋設されてLF(Low Frequency)帯の無線信号を車室外に発信可能な車室外LF発信機22と、車室内の車体等に埋設されてLF帯の無線信号を車室内に発信可能な車室内LF発信機23と、車室内の車体等に埋設されてUHF(Ultra High Frequency)帯の無線信号を受信可能なUHF受信機24とが接続されている。照合ECU21のメモリ21aには、スマート照合用のIDコードが、車両2と組をなすキーの数だけ登録されている。なお、照合ECU21がキー照合装置として機能する。
【0019】
一方、電子キー1には、車両2との間で電子キーシステム3に準じた無線通信を行う際のコントロールユニットとして通信制御部11が設けられている。通信制御部11は、固有のキーコードとしてIDコードが記憶されたメモリ11aを備えている。通信制御部11には、外部で発信されたLF帯の無線信号を受信可能なLF受信部12と、通信制御部11の指令に従いUHF帯の無線信号を発信可能なUHF発信部13とが接続されている。
【0020】
照合ECU21は、車室外LF発信機22からリクエスト信号Srqを間欠的に発信させ、スマート通信の成立を試みる。電子キー1は、リクエスト信号SrqをLF受信部12で受信してスマート通信が確立すると、リクエスト信号Srqに応答する形で、自身のメモリ11aに登録されたIDコードを含ませたIDコード信号SidをUHF発信部13から返信する。照合ECU21は、電子キー1が返信するIDコード信号SidのIDコードと自身のメモリ21aに登録されたIDコードとを照らし合わせてID照合を行い、このID照合が成立することを確認すると、電子キー1が車室外に位置するとして、車室外照合成立として処理する。
【0021】
照合ECU21は、車室外照合が成立することを確認すると、ドアロックの施解錠を許可する。そして、この許可状態において、照合ECU21は、ロックセンサ25がタッチ操作された際には、メインボディECU31にドアロック装置34を駆動させてドアロックを施錠させる。一方、照合ECU21は、アンロックセンサ26がタッチ操作された際には、メインボディECU31にドアロック装置34を駆動させてドアロックを解錠させる。つまり、電子キー1を所持して車両2に近づいてアンロックセンサ26をタッチ操作するだけで、ドアロックが解錠される。
【0022】
ここで、ユーザが車両2から降りた際には、ロックセンサ25又はアンロックセンサ26がタッチ操作されたことをトリガとして、照合ECU21は、車室外LF発信機22からリクエスト信号Srqを間欠的に発信させ、スマート通信の成立を試みる。
【0023】
また、電子キーシステム3には、エンジン始動停止操作の際に実際の車両キー操作を必要とせずに単なるスイッチ操作のみでエンジン始動停止操作を行うことが可能な機能としてスマートスタートシステムがある。このスマートスタートシステムを以下に説明すると、車両2には、照合ECU21のID照合成立結果を基に、エンジンの点火制御及び燃料噴射制御を行うエンジンECU32が設けられている。エンジンECU32は、車内LAN30を通じて照合ECU21等の各種ECUに接続されている。車両2の運転席には、車両2の電源状態(電源ポジション)を切り換える際に操作されるエンジンスイッチ33が設けられている。エンジンスイッチ33は、照合ECU21に接続されている。
【0024】
照合ECU21は、エンジンスイッチ33が押し操作されると、車室内LF発信機23からリクエスト信号Srqを発信させて、車室内におけるID照合を実行する。照合ECU21は、ID照合が成立することを確認すると、電子キー1が車室内に位置するとして、車室内照合を成立として処理する。
【0025】
照合ECU21は、車室内照合が成立することを確認すると、エンジンスイッチ33の操作を許可する。照合ECU21は、電子キー1が車室内に存在する場合に、エンジンスイッチ33が押し操作される度に電源状態をACCオン→IGオン→電源オフの順に繰り返し遷移させる。また、照合ECU21は、電子キー1が車室内に存在する場合に、エンジン停止時にブレーキペダルが踏み込み操作された状態でエンジンスイッチ33が操作されると、エンジンECU32にエンジンを始動させる。
【0026】
また、ID照合は、チャレンジレスポンス認証により暗号化された暗号通信となっている。チャレンジレスポンス認証とは、ID照合時に車両2が電子キー1にチャレンジ信号Sccを送信して、電子キー1にチャレンジ信号Sccのレスポンスを演算させ、このレスポンス信号Sreが正しい演算結果であるか否かを車両2が確認する認証の一種である。照合ECU21は、チャレンジ信号Sccに対する演算結果として電子キー1からレスポンス信号Sreを受信すると、電子キー1のレスポンスと、自ら演算したレスポンスとを照らし合わせてレスポンス照合を行い、同レスポンス照合の成立をID照合成立の一条件とする。
【0027】
本実施例では、電子キー1に加えて、携帯端末としての携帯電話5も車両キーとして使用する。携帯電話5には、携帯電話5を制御する携帯電話制御部51が設けられている。携帯電話制御部51は、各種プログラムが記憶されたメモリ51aを備えている。携帯電話制御部51には、携帯電話回線において通信を行う通信部52と、携帯電話5を動作させる際に操作する各種ボタン群53と、ユーザの音声を集音するマイク54と、通話者の音声を出力するスピーカ55と、各種動作に応じた画像や文字を表示する画面56とが接続されている。また、携帯電話5には、近距離無線通信としてのNFC(Near Feild Communication)に準拠したNFC通信部57、例えばFeliCa(登録商標)が搭載されている。
【0028】
また、本例の場合は、電子キーシステム3の通信制御は変更せず、携帯電話5に搭載されたNFCを利用することで、携帯電話5を車両キーとして使用する。この場合、車両2には、携帯電話5のNFC通信部57と近距離無線通信を行うリーダライタ(R/W:Reader/Writer)4が設けられている。このリーダライタ4は、車両2との間でスマート通信が可能であるとともに、携帯電話5との間でNFC通信が可能である。リーダライタ4には、リーダライタ4を制御するR/W制御部41が設けられている。
【0029】
携帯電話制御部51のメモリ51aには、車両2とNFC(近距離無線通信)によるID照合(近距離無線認証)を行うときに使用するIDコードIDnfc1と、暗号鍵Knfc1とが登録されている。IDコードIDnfc1は、キーIDとなるコードである。また、暗号鍵Knfc1は、NFCの暗号通信に使用する鍵である。
【0030】
一方、R/W制御部41のメモリ41aには、携帯電話制御部51と近距離無線認証を行うときに使用するIDコードIDnfc1と、暗号鍵Knfc1とが登録されている。IDコードIDnfc1と、暗号鍵Knfc1は、対応するリーダライタ4と携帯電話制御部51との間で一義的に設定された近距離無線認証用のIDコード及び暗号鍵である。
【0031】
また、携帯電話制御部51のメモリ51aには、リーダライタ4が電子キーシステム3の通信インフラにてID照合(スマート照合)を行う際に使用するIDコードIDsm1及び暗号鍵Ksm1が登録されている。IDコードIDsm1及び暗号鍵Ksm1は、ディーラ等で本人確認等を行った上でメモリ51aに登録される。また、IDコードIDsm1及び暗号鍵Ksm1の携帯電話5への登録は、例えば携帯電話5をサーバに繋いで本人認証を行い、ネットワーク上でIDコードを取得するものでもよい。
【0032】
一方、照合ECU21のメモリ21aには、IDコードIDsm1及び暗号鍵Ksm1が登録されている。車両2側のIDコードIDsm1及び暗号鍵Ksm1は、予め車両2に登録されていてもよいし、又はディーラ等で管理する専用ツールを使用して車両2に登録されるものでもよい。
【0033】
R/W制御部41には、電子キー1と同様にスマート通信を行う、LF帯の無線信号を受信可能なLF受信部42と、UHF帯の無線信号を発信可能なUHF発信部43とが接続されている。また、R/W制御部41には、携帯電話5のNFC通信部57と車室外及び車室内のそれぞれにおいてNFC通信を行う車室外NFC通信部44と車室内NFC通信部45とが接続されている。車室外NFC通信部44は、通信面が車室外に向いた状態で運転席ドアの窓枠の車室内側に設置されている。また、車室内NFC通信部45は、車室内の運転席近傍に設置されている。なお、車室外NFC通信部44が車室外用の通信手段として機能し、車室内NFC通信部45が車室内用の通信手段として機能する。
【0034】
携帯電話5は、リーダライタ4のNFC通信部44,45から送信された駆動電波を受信すると、NFC通信部57が起動して応答信号を送信する。リーダライタ4は、携帯電話5から送信された応答信号を受信すると、携帯電話5との間で、採用したNFC通信に準じた相互認証を行う。
【0035】
R/W制御部41には、NFCによって携帯電話制御部51からIDコードIDsm1及び暗号鍵Ksm1を取得するキー情報取得部41bが設けられている。キー情報取得部41bは、携帯電話5との相互認証が成立すると、ID照合に必要な情報として、車両2のIDコードIDsm1と、スマート通信時に使用する暗号鍵Ksm1とを携帯電話5に対して要求する。このとき、R/W制御部41は、IDコードIDsm1と暗号鍵Ksm1との要求に乱数を加えたものをNFC通信の暗号鍵Knfc1によって暗号化してNFC通信部44,45から携帯電話5に送信する。なお、キー情報取得部41bがキー情報取得手段として機能する。
【0036】
携帯電話制御部51には、リーダライタ4から送信されたIDコードIDsm1及び暗号鍵Ksm1の送信要求に応答して、これら情報を送信するキー情報送信部51bが設けられている。キー情報送信部51bは、IDコードIDsm1と暗号鍵Ksm1とに乱数を加えたものをNFC通信の暗号鍵Knfc1によって暗号化して、NFC通信部57からリーダライタ4に送信する。なお、キー情報送信部51bがキー情報取得手段として機能する。
【0037】
R/W制御部41には、キー情報取得部41bが取得した情報を用いて、電子キー1と同様に振舞いながら車両2とID照合(スマート照合)を実行する照合実行部41cが設けられている。照合実行部41cは、車室外LF発信機22又は車室内LF発信機23から送信されたリクエスト信号SrqをLF受信部42で受信すると、リクエスト信号Srqに応答して、IDコード信号SidをUHF発信部43から送信する。照合実行部41cは、IDコードIDsm1と暗号鍵Ksm1とを使用すると、IDコードIDsm1と暗号鍵Ksm1とをメモリ41aから消去する。なお、照合実行部41cが照合手段として機能する。
【0038】
次に、本例の電子キーシステム3による基本的な通信動作について図2を参照して説明する。なお、リーダライタ4は電子キー1と同様に振舞う。
図2に示されるように、照合ECU21は、電子キー1とスマート通信を実行する際、まず停止状態(スリープ状態)になっている電子キー1を起動させるべく、ウェイク信号SwkをLF発信機22,23から発信させる。ウェイク信号Swkは、LF発信機22,23から一定間隔をおいて繰り返し発信され、車室外及び車室内における電子キー1の有無が監視される。
【0039】
電子キー1がLF発信機22,23のウェイク信号Swkの通信エリアに存在すると、LF受信部12がウェイク照合を実行する。LF受信部12は、ウェイク照合の成立を確認すると、通信制御部11をそれまでのスリープ状態(待機状態)から起動状態に切り換える。そして、通信制御部11は、自身が起動状態に切り換わると、アック信号SacをUHF発信部13から発信する。
【0040】
車両2は、ウェイク信号Swkを発信した後の所定時間内にアック信号Sacを受信すると、電子キー1が通信エリアに存在すると認識し、チャレンジ信号SccをLF発信機22,23から発信する。このチャレンジ信号Sccには、車両2を識別するための車両固有のIDとしてビークルIDと、発信の度に毎回値が変わるチャレンジコードとが含まれている。
【0041】
電子キー1は、チャレンジ信号Sccを受信すると、ビークルIDをメモリ11aに登録されたビークルIDと照らし合わせるビークルID照合を行い、自身がこのときの通信相手であるか否かを判断する。そして、通信制御部11は、ビークルID照合が成立すると、チャレンジコードを自身の暗号鍵によって演算することにより、レスポンスコードを生成する。通信制御部11は、レスポンスコードの生成が終了すると、自身のメモリ11aに登録されたIDコードと、このレスポンスコードとを含むレスポンス信号SreをUHF発信部13から発信させる。なお、レスポンス信号Sre内におけるIDコードとレスポンスコードとの並び順は、適宜変更可能である。
【0042】
照合ECU21は、チャレンジ信号Sccを発信する際、自身が持つ暗号鍵によってチャレンジコードを演算するとともに、自らもレスポンスコードを生成する。そして、照合ECU21は、電子キー1からレスポンス信号SreをUHF受信機24で受信すると、電子キー1のレスポンスコードと、自身が演算したレスポンスコードとを照らし合わせて、レスポンス照合を実行する。照合ECU21は、このレスポンス照合が成立することを確認すると、レスポンス信号Sreに含まれるIDコードをメモリ11aに登録されたIDコードと照らし合わせるID照合を行う。
【0043】
一方、リーダライタ4は、電子キー1と略同様に照合ECU21と無線通信を行う。しかしながら、リーダライタ4は、定期発信した駆動電波に携帯電話5が応答して、携帯電話5からの応答信号を受信した場合のみ、ウェイク信号SwkをLF受信部42で受信すると、LF受信部42がウェイク照合を実行する。そして、R/W制御部41は、ウェイク照合の成立を確認すると、自身が起動状態に切り換わると、アック信号SacをUHF発信部43から発信する。
【0044】
車両2は、ウェイク信号Swkを発信した後の所定時間内にアック信号Sacを受信すると、電子キー1が通信エリアに存在すると認識し、チャレンジ信号SccをLF発信機22,23から発信する。このチャレンジ信号Sccには、車両2を識別するための車両固有のIDとしてビークルIDと、発信の度に毎回値が変わるチャレンジコードとが含まれている。ここで、照合ECU21は、リーダライタ4を電子キー1と認識している。また、リーダライタ4のメモリ41aには、予め設置される車両2のビークルIDが記憶されている。
【0045】
リーダライタ4は、チャレンジ信号Sccを受信すると、ビークルIDをメモリ41aに登録されたビークルIDと照らし合わせるビークルID照合を行い、自身がこのときの通信相手であるか否かを判断する。そして、R/W制御部41は、ビークルID照合が成立すると、チャレンジコードを暗号鍵Ksm1によって演算することにより、レスポンスコードを生成する。そして、R/W制御部41は、IDコードとレスポンスコードとを含むレスポンス信号SreをUHF発信部13から発信させる。
【0046】
次に、携帯電話5を電子キーシステム3の車両キーとして使用する際の通信動作について図3を参照して説明する。
図3に示されるように、まず、リーダライタ4は、駆動電波をNFC通信部44,45から定期的に送信する(ステップS1)。例えば、リーダライタ4は、LF発信機22,23から間欠的に送信されるリクエスト信号Srq(ウェイク信号Swk)を受信する度に駆動電波を送信する。
【0047】
携帯電話5を所持したユーザが車両2の運転席に近づき、携帯電話5を車室外NFC通信部44にかざすと、携帯電話5が駆動電波を受信する。携帯電話5は、駆動電波を受信すると、NFC通信部57が起動する(ステップS2)。そして、携帯電話5は、NFC通信部57を介して応答信号を送信する(ステップS3)。
【0048】
リーダライタ4は、採用したNFC通信に準じた携帯電話5との相互認証を行う。
リーダライタ4は、携帯電話5との相互認証が成立すると、続いて携帯電話5からスマート通信に必要なIDコードと暗号鍵とを取得する。すなわち、キー情報取得部41bは、IDコードと暗号鍵とを携帯電話5に要求するID・暗号鍵要求信号を携帯電話5に送信する(ステップS4)。リーダライタ4は、IDコードIDsm1と暗号鍵Ksm1との要求に乱数を加えたものを暗号鍵Knfc1により暗号化し、車室外NFC通信部44から携帯電話5に送信する。
【0049】
携帯電話5は、NFC通信部57でID・暗号鍵要求信号を受信すると、暗号データを暗号鍵Knfc1で復号し(ステップS5)、要求信号を取り出す。そして、携帯電話5は、ID・暗号鍵信号をリーダライタ4に送信する(ステップS6)。このとき、キー情報送信部51bは、IDコードIDsm1と暗号鍵Ksm1とに乱数を加えたものを暗号鍵Knfc1により暗号化し、NFC通信部57からリーダライタ4に送信する。
【0050】
リーダライタ4は、車室外NFC通信部44でID・暗号鍵信号を受信すると、暗号データを暗号鍵Knfc1で復号し(ステップS7)、IDコードIDsm1と暗号鍵Ksm1とを取得する(ステップS8)。すなわち、R/W制御部41は、メモリ41aにIDコードIDsm1と暗号鍵Ksm1とを記憶する。
【0051】
続いて、図4に示されるように、照合ECU21は、ウェイク信号Swk(リクエスト信号Srq)を車室外LF発信機22から送信させる(ステップS10)。リーダライタ4は、通信エリア内に位置するので、LF受信部42で受信したウェイク信号Swkに応答してアック信号SacをUHF発信部43から送信する(ステップS11)。照合ECU21は、アック信号Sacに応答してチャレンジ信号Sccを車室外LF発信機22から送信させる(ステップS12)。照合実行部41cは、チャレンジ信号Sccに応答してレスポンス信号Sre(IDコード信号Sid)をUHF発信部43から送信する(ステップS13)。なお、このレスポンス信号Sreには、チャレンジコードを暗号鍵Ksm1で演算して生成したレスポンスコードと、IDコードIDsm1とが含まれている。照合実行部41cは、IDコードIDsm1と暗号鍵Ksm1とを使用すると、メモリ41aから消去する(ステップS14)。
【0052】
照合ECU21は、受信したレスポンス信号Sreに含まれるレスポンスコード及びIDコードIDsm1によってID照合を行う(ステップS15)。照合ECU21は、ID照合が成立する(ステップS16)と、電子キー1が車室外に存在する(車室外照合が成立)と判定する。正確には、携帯電話5が車室外に存在する。そして、照合ECU21は、メインボディECU31にドアロックの施解錠を許可する(ステップS17)。そして、照合ECU21は、アンロックセンサ26がタッチ操作されると、メインボディECU31を介してドアロック装置34によってドアロックを解錠動作させる。
【0053】
また、ユーザが車室内に進入した際には、上記の車室外NFC通信部44に代わって車室内NFC通信部45に携帯電話5をかざすことで携帯電話5からID照合に必要な情報としてIDコードIDsm1と暗号鍵Ksm1とをリーダライタ4に記憶させる(ステップS8)。そして、リーダライタ4は、車室内LF発信機23から送信されたリクエスト信号Srqに応答してIDコード信号Sidを送信する(ステップS13)。照合ECU21は、ID照合を行い(ステップS15)、ID照合が成立する(ステップS16)と、電子キー1が車室内に存在する(車室内照合が成立)と判定する。正確には、携帯電話5が車室内に存在する。そして、照合ECU21は、エンジンECU32にエンジンの始動を許可する(ステップS17)。そして、照合ECU21は、エンジンスイッチ33が操作されると、エンジンECU32にエンジンを始動させる。
【0054】
さて、本実施例では、既存の電子キーシステム3に携帯電話5を使用するために、携帯電話5と近距離無線通信を行うとともに、車両2と狭域無線通信を行うリーダライタ4が車両2に設けられる。そして、このリーダライタ4は、近距離無線通信によって携帯電話5からIDコードIDsm1と暗号鍵Ksm1とを取得し、車両2から狭域無線通信によって電子キー1に送信されるリクエスト信号Srqを受信することで、IDコード信号Sidを返信する。よって、リーダライタ4が携帯電話5に代わって、電子キー1と同様に振舞うことで既存の電子キーシステム3の照合ECU21の制御を変更することなく、携帯電話5を車両キーとして使用することができる。
【0055】
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)携帯電話5を電子キーシステム3に用いるにあたって、携帯電話5と無線通信が可能なリーダライタ4が車両2に設けられる。そして、このリーダライタ4のキー情報取得部41bが携帯電話5と無線通信を行って携帯電話5からID照合に必要な情報を取得し、リーダライタ4の照合実行部41cが携帯電話5に代わって電子キー1と同様に振舞うことで車両2と無線通信を行ってID照合が成立する。このため、電子キーシステム3は何も変更することなく、携帯電話5を車両キーとして使用することができる。
【0056】
(2)リーダライタ4は携帯電話5からIDコードIDsm1と暗号鍵Ksm1とを取得することで、電子キー1と同様に、リーダライタ4が車両2から送信されたリクエスト信号Srqに応答してIDコード信号Sidを送信する。このため、電子キーシステム3は何も変更することなく、携帯電話5を車両キーとして使用することができる。
【0057】
(3)リーダライタ4が携帯電話5から取得したID照合に必要な情報を使用後にメモリ41aから消去する。このため、取得した後に同じ携帯電話5のみが継続的に車両2のドアロックやエンジンの操作をできず、複数の携帯電話5が車両キーとして使用される場合には、それぞれの携帯電話5がリーダライタ4と無線通信を毎回行うことで、車両2のドアロックやエンジンを操作することができる。
【0058】
(4)車両2とリーダライタ4との間は狭域無線通信を行うことで、車両2が自身の周囲に適度な通信エリアを形成することができる。また、携帯電話5とリーダライタ4との間は近距離無線通信としてNFCを行うことで、携帯電話5をリーダライタ4に近づけると無線通信ができ、携帯電話5とリーダライタ4の無線通信が無用に行われることを抑制できる。
【0059】
(5)車室外NFC通信部44と車室内NFC通信部45とがリーダライタ4に設けられるので、ユーザが車室外と車室内とにおいて携帯電話5をリーダライタ4と容易に無線通信させることができる。
【0060】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態では、チャレンジ信号SccにビークルIDとチャレンジコードとを含めたが、ビークルIDを含むビークル信号を別途発信して、ビークル信号に対するアック信号Sacの返信があった場合に、チャレンジコードを含むチャレンジ信号Sccを発信してもよい。
【0061】
・上記実施形態では、スマート通信時にチャレンジレスポンスを行ったが、チャレンジレスポンスを省略してもよい。
・上記実施形態において、スマート通信のやり取りは電子キー1及びリーダライタ4からIDコードIDsm1を取得できれば、どのようなやりとりでもよい。例えば、車両2からIDコードを要求するリクエスト信号Srqを送信し、電子キー1及びリーダライタ4がリクエスト信号Srqに応答してIDコードIDsm1を含むIDコード信号Sidを送信する。
【0062】
・上記実施形態では、NFCにおいて相互認証を採用したが、単方向認証を採用してもよい。
・上記実施形態では、ID・暗号鍵要求信号及びID・暗号鍵信号を送信する際に、乱数を加えて暗号化したが、乱数を加えずに暗号化してもよい。また、暗号化せずに送信してもよい。
【0063】
・上記実施形態では、リーダライタ4に車室外NFC通信部44と車室内NFC通信部45とを設けたが、車室外用のリーダライタと車室内用のリーダライタをそれぞれ設けてもよい。
【0064】
・上記実施形態では、リーダライタ4に車室外NFC通信部44と車室内NFC通信部45とを設けたが、利便性を向上させるために、車室外用と車室内用とにそれぞれ複数のNFC通信部を設けてもよい。また、1つのNFC通信部で車室外と車室内とで携帯電話5と通信できるならば、1個のNFC通信部のみ設けてもよい。
【0065】
・上記実施形態において、電子キーシステム3で使用する無線信号の周波数は、必ずしもLFやUHFに限定されず、これら以外の周波数が使用可能である。また、車両2から電子キー1に無線信号を発信するときの周波数と、電子キー1から車両2に無線信号を返信するときの周波数とは、必ずしも異なるものに限定されず、これらを同じ周波数としてもよい。
【0066】
・上記実施形態において、リーダライタ4と携帯電話5との近距離無線通信にNFCを採用したが、NFCに限らず、Bluetooth(登録商標)等を採用してもよい。なお、通信距離が短いものが望ましい。
【0067】
・上記実施形態では、車両2と電子キー1又はリーダライタ4との間では狭域無線通信を行い、リーダライタ4と携帯電話5との間では近距離無線通信を行ったが、それぞれの通信はこれらに限定されず、適宜変更可能である。
【0068】
・上記実施形態では、リーダライタ4は携帯電話5から取得したID照合に必要な情報を使用後に消去したが、情報を消去せずに複数の情報を保持し、該当する携帯電話5と通信が成立した際にメモリ41aから再度読み出して使用してもよい。
【0069】
・上記実施形態では、リーダライタ4に予めビークルIDを記憶しておいたが、ビークルIDを記憶せず、携帯電話5から取得するようにしてもよい。
・上記実施形態では、IDコードと暗号鍵とを使用する電子キーシステム3としたので、ID照合を行うためにはIDコードIDsm1と暗号鍵Ksm1とが必要であったが、ID照合に必要な情報をIDコードのみとしてもよい。
【0070】
・上記実施形態において、電子キーシステムは、車両2からの通信を契機としてID照合を行うものに限定されず、電子キー1側からの通信を契機とするものでもよい。この場合、携帯電話5を車両キーとする際には、リーダライタ4側からの通信を契機とする。
【0071】
・上記実施形態では、携帯端末として携帯電話5を用いたが、近距離無線通信を行うNFC等を備えたカードを用いてもよい。この場合、このカードにIDコードや暗号鍵が予め登録されている。カードタイプを採用すれば、財布等に収容しておくことが可能である。
【0072】
・上記実施形態において、IDコードと暗号鍵は、1対1対応に限定されず、1つの暗号鍵が複数のIDコードで共用されるものでもよい。
・上記構成において、LF発信機22,23の位置は任意に変更可能である。
【0073】
・上記構成において、LF発信機22,23の数量は任意に変更可能である。
・上記実施形態では、ドアロックの施錠と解錠とに対応したロックセンサ25及びアンロックセンサ26を設けたが、1つのセンサのみ設けて、操作される度に施錠と解錠とを行ってもよい。
【0074】
・上記実施形態では、電子キーシステム3によって、ドアロックの施解錠とエンジンの始動との両方を行ったが、いずれか一方のみでもよい。
・上記実施形態では、本発明を車両2の電子キーシステムに適用したが、車両2に限らず、建物の電子キーシステムに適用してもよい。
【0075】
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想をその効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子キーシステムにおいて、前記通信対象は、車両であって、前記キー情報取得手段は、車室外において前記携帯端末と無線通信を行う車室外用の通信手段と、車室内において前記携帯端末と無線通信を行う車室内用の通信手段とを備えることを特徴とする電子キーシステム。
【0076】
同構成によれば、車室外用の通信手段と車室内用の通信手段とがキー情報取得手段に設けられるので、ユーザが車室外と車室内とにおいて携帯端末をキー情報取得手段と容易に無線通信させることが可能である。
【符号の説明】
【0077】
1…電子キー、2…車両、3…電子キーシステム、4…リーダライタ、5…携帯電話、11…通信制御部、12…LF受信部、13…UHF発信部、21…照合ECU、22…車室外LF発信機、23…車室内LF発信機、24…UHF受信機、30…車内LAN、31…メインボディECU、32…エンジンECU、33…エンジンスイッチ、34…ドアロック装置、41…R/W制御部、41b…キー情報取得手段としてのキー情報取得部、41c…照合手段としての照合実行部、42…LF受信部、43…UHF発信部、44…車室外NFC通信部、45…車室内NFC通信部、51…携帯電話制御部、51b…キー情報取得手段としてのキー情報送信部、52…通信部、57…NFC通信部、IDnfc1,IDsm1…IDコード、Knfc1,Ksm1…暗号鍵、Sid…IDコード信号、Srq…リクエスト信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信対象と電子キーとの間で無線通信を介してID照合を行い、前記ID照合が成立することを条件に前記通信対象に設置された機器の操作が可能となる電子キーシステムにおいて、
前記ID照合に必要なキー情報が登録された携帯端末から、前記ID照合とは別の無線通信により前記キー情報を取得するキー情報取得手段と、
前記通信対象に設置された既存のキー照合装置に対し、前記キー情報取得手段で取得した前記キー情報を用いて前記電子キーと同様に振舞うことにより、前記携帯端末に代わり前記通信対象と前記ID照合を実行する照合手段とを備えた
ことを特徴とする電子キーシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子キーシステムにおいて、
前記キー情報取得手段は、前記ID照合に必要な情報としてIDコードと、前記通信対象と通信する際に使用する暗号鍵とを前記携帯端末から取得し、
前記照合手段は、前記通信対象から送信されたリクエストの受信を契機として、前記電子キーと同様に、前記IDコード及び前記暗号鍵を使用した前記ID照合を実行する
ことを特徴とする電子キーシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子キーシステムにおいて、
前記キー情報取得手段は、前記携帯端末から取得した前記キー情報を、使用後に消去する
ことを特徴とする電子キーシステム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子キーシステムにおいて、
前記携帯端末と前記キー情報取得手段との間の通信には、近距離無線通信が使用され、前記通信対象と前記照合手段との間の通信には、狭域無線通信が使用されている
ことを特徴とする電子キーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−215047(P2012−215047A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82246(P2011−82246)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】