説明

電子タグシステム

【課題】医療装置用の電子タグシステムを提供する。
【解決手段】電子タグシステム10は、ベース部分14と、取り外し可能部分と、取り外し可能部分16に作動的に接続された電子タグ18と、を有している医療装置12を含んでいる。電子タグは、少なくとも、薬剤注入処置に関するデータを含んでいる。システムは、更に、ベース部分に作動的に接続された制御要素を含んでいる。制御要素20は、電子タグからデータを読み取るための読み取り能力と、電子タグへ新しいデータを書き込むための書き込み能力を含んでいる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概括的には電子タグシステムに関し、より厳密には、医療装置用の電子タグシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療用注入装置は、薬剤を、例えば、ヒト又は他の動物の様な被験者に注入するためにしばしば使用される。これらの装置は、通常、例えば、注入ポンプの様な再使用可能なユニット又は部分を含んでおり、それに、取り外し可能な使い捨てのユニットが作動的に接続されている。使い捨てユニットには可撓性のチューブが接続され、注入処置の間に、チューブを通して薬剤が流れ、被験者に送出されるようになっている。注入処置が完了すると、使い捨てユニットは、通常、廃棄される。
【0003】
幾つかの事例では、使い捨てユニットは、単一の特定の被験者に対する何回かの注入処置に使用されている。少なくともこの様な事例では、使用時間、注入された薬剤の量、注入処置パラメータ、製造日付、使い捨てユニットの保存期限、及び/又は同等の情報が、有用である。この様な情報は、電子タグ(ここでは「eタグ」と呼ぶ)に記憶され、このタグは、医療装置の再使用可能なユニットに関係付けられた制御装置から読み取ることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
電子タグシステムは、ベース部分と、取り外し可能部分と、取り外し可能部分に作動的に接続されている電子タグとを有する医療装置を含んでいる。電子タグは、医療注入処置に関係するデータを含んでいる。このシステムは、更に、ベース部分に作動的に接続されている制御要素を含んでいる。制御要素は、電子タグからデータを読み取るための読み取り能力と、電子タグに新しいデータを書き込むための書き込み能力を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】注入装置と電子タグを含んでいる電子タグシステムのある実施形態のやや概略的な斜視側面図である。
【図2】注入ポンプ用の取り外し可能な注入セットを追跡する方法の或る実施形態を描いている線図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び図面を参照すれば明白となるであろう。図中、類似の参照番号は、完全に同一ではないが同様の部品に対応している。簡潔にするために、参照番号、又は先に説明した機能を有している特徴は、それらが出てくる他の図面と関連付けて説明される場合もあり、そうでない場合もある。
【0007】
ここに開示するeタグシステムの実施形態は、内部にデータを記憶し、医療装置の使い捨てユニットに作動的に接続されているeタグを含んでいる。eタグは、好都合に、医療装置の再使用可能な部分に関連付けられている制御要素が、eタグからデータを読み取り、且つデータをeタグに書き込むことができるように構成されている。更に、eタグシステムは、好都合に、制御要素が、eタグと通信し、例えば、eタグが特定のデータを送信することや、eタグが特定の機能を実行することなど、を要求できるようにする通信手段を含んでいる。例として、使い捨てユニットが、異なる再使用可能なユニットと共に複数の注入処置に使用されている場合には、データは、それぞれの注入処置毎にeタグに記憶される。このデータは、好都合なことに、作動可能な期間を通して使い捨てユニットを追跡するのに使用される。更に、eタグに記憶されたデータの幾つかは、例えば、使い捨てユニットは、本物か、滅菌されているか、使用期限、注入パラメータ、及びプロトコルを過ぎて使用されていないか、などを判定するために使用される。
【0008】
次に、図1に示すように、電子タグ(eタグ)システム10は、ベース部分14と取り外し可能部分16を有する医療装置12を含んでいる。或る例では、図1に示すように、医療装置12は、薬剤を被験者に注入するように構成されている注入装置である。ベース部分14は注入ポンプであり、取り外し可能部分16は注入セットである。図1に示している医療装置の詳細は、共同所有の米国特許出願第11/862,302号(Attorney Docket No.DP-315954)に見ることができ、同出願を参考文献としてここに援用する。しかしながら、図1に示されている注入装置12は、本開示の精神と範囲の中に入る注入装置の多くの可能な変形例の1つであるものと理解頂きたい。更に、例えば、注射器装置、透析器具セット、注入フィルター、呼吸器官熱及び/又は水分交換装置、呼吸器官熱及び/又は水分交換フィルター、麻酔用の様々なガスセンサー(例えば、マイクロ燃料電池酸素センサーなど)の様な、医療装置の他の変形例もここで使用できるものと理解されたい。
【0009】
eタグ18(図1に概略的に示している)は、注入セット16に作動的に接続されている。或る例では、これに限るものではないが、eタグ18は、注入セット16が廃棄されるときに注入セット16から取り外されるように、注入セット16に取り外し可能に取り付けられている。この例では、eタグ18は、被験者の医療記録に設置される。別の例では、これに限るものではないが、eタグ18は、取り外せないように注入セット16に実際に貼り付けられている。この例では、eタグ18は、注入セット16が廃棄されるときに廃棄される。
【0010】
eタグ18は、記憶された、又は他の方法でプログラムされたデータを有するように構成されている。データは、アクセス可能なデータ、又はアクセスが制限されるデータの何れかにクラス分けされる。例えば、アクセス可能なデータは、即時注入処置を実行するための注入パラメータ及び/又はプロトコルを含んでいる。この様なパラメータは、限定するわけではないが、投薬量、ボーラス、注入間隔、投与すべき注入剤の量など、及び/又はそれらの組み合わせを含んでいる。これらのパラメータは、しばしば、被験者の医者によって作られる処方箋に基づいて選択される。
【0011】
幾つかの事例では、アクセス可能なデータは、更に、被験者の身元に関する情報を含んでいる。例えば、被験者の名前、住所、年齢、体重、及び/又は他の同様な情報が含まれていて、注入処置を始める前に、情報にアクセスして、処方箋が現下の被験者に正しく適合しているか否かを判定することができるようになっている。適合している場合は、次いで注入処置が行われる。
【0012】
アクセスが制限されるデータは、認可された人がアクセスすることのできる、特別なデータである。アクセスが制限されるデータは、内部医療処置のためにのみ使用される医療装置によってアクセスすることのできる、特別なデータでもある。この様なデータは、一般に、変更、削除、コピーなどが行われるように意図されていないデータであると考えられる。アクセスが制限されるデータの例には、限定するわけではないが、部品番号、製造番号、ロットコード、データコード、製造情報、暗号化キーなど、及び/又はそれらの組み合わせが含まれる。アクセスが制限されるデータのもう1つの例には、限定するわけではないが、HIPAAによって保護されている情報(例えば、被験者に関する個人情報)が含まれる。この情報は、一般的に保護されているので、例えば、認可されていない第三者によって、既に廃棄された取り外し可能な装置から修復することはできないようになっている。
【0013】
注入ポンプ(即ちベース部分)14は、作動的に接続されている(これも図1に概略的に示されている)制御要素20を含んでいる。制御要素20は、注入セット16が、注入ポンプ14に連結されると、注入ポンプ14が(制御要素20を通して)eタグ18と通信又は対話できる様にする通信手段を含んでいる。制御要素20は、更に、eタグ18からデータを読みとるための読み取り能力と、eタグ18に新しいデータを書き込むための書き込み能力とを含んでいる。
【0014】
或る実施形態では、通信手段は、制御要素20とeタグ18の間に構築された有線の電気的接続である。有線接続を完成させるために、eタグ18は、例えば、電気コネクタなどを含むフォブとして、1つ又はそれ以上の電気的接続ピン又はパッドを含んでいるICカードとして構成されていてもよい。eタグ18は、この他にも、限定するわけではないが、チップ規模パッケージ、ダイオンボード、フリップチップ、及び/又は他の同様なカスタムパッケージングされた又はベアボードのモジュールとして構成されていてもよい。
【0015】
別の実施形態では、通信手段は、制御要素20とeタグ18の間に構築された無線接続である。この接続を完成させるために、eタグ18は、例えば、変調された電磁場を介して通信が遂行されるトランスポンダとして構成されていてもよい。トランスポンダは、例えばバッテリの様な内部電源によって電力を供給されていてもいし、受信した信号の場の整流によって誘導されてもよい。トランスポンダに電源を供給する代替的な方法には、限定するわけではないが、電磁誘導、光学的な電力供給手段、コンデンサを介したもの、又は無線接続手段とは別の電力送電の整流作用が含まれる。別の例では、eタグ18と制御要素20の間の無線通信は、光学的及び/又は磁気的信号を使用して完成されていてもよい。この実施形態では、無線通信用に構成されたeタグ18は、キー、フォブ、カプセル、カード、クリップ、モジュールなどの形態で提供されていてもよい。
【0016】
或る実施形態では、注入ポンプ14は、注入セット16とポンプ16が接続されるか又は対にされる場合、注入セット16(eタグ18を含んでいる)とポンプ14の間の接続を感知するために、センサー又は他の手段を含んでいてもよい。このセンサーは、一般に、特定の注入セット16が注入ポンプ14に実際に装着されているか否かを注入ポンプ14が判定できるように、比較的短い範囲に亘る接続を検知するように構成されている。別の実施形態では、ポンプ14は、適切な注入セット16がポンプ14と対になっているか否かを判定するために、注入セット16がポンプ14に近接していることを判定する、磁気的な、機械的な、又は光学的なセンサーを含んでいてもよい。更に別の実施形態では、適切な注入セット16をポンプ14と対にするのは、注入セット16がポンプ14に接続される時に、例えば、バーコードを走査すること、コードをキーパッドに入力することなどによって、手動で遂行されてもよい。
【0017】
eタグ18は、少なくとも、制御要素20がeタグ18に記憶されているデータを読み取ることができるようにする読み取り専用の回路を含んでいるように構成されていてもよい。或る実施形態では、eタグ18は、制御要素20がeタグ18に記憶されているデータを読み取り、新しいデータをeタグ18に書き込むことができるようにする読み取り−書き込み回路を含んでいる。幾つかの事例では、eタグ18は、更に、特定の被験者に適切な注入セットの存在を検知するために電磁場を用いて探索又は活性化される共鳴回路を含んでいる。
【0018】
上記eタグシステム10の実施形態では、注入セット14が、即時注入処置を実行するために、eタグ18に記憶されているデータを使用して、注入ポンプ16をプログラムできるようになっている。上に示した用に、このデータは、被験者の処方箋によって定義されている注入プロトコル及びパラメータ、並びに(以前に注入が行われていれば)前回の注入処置の注入結果を含んでいることもある。即時注入処置の間に、制御要素20は、実際に実行された注入プロトコルとパラメータ、及び/又は即時注入処置の他の結果を含む新しいデータを作り出す。例えば、即時注入処置の結果は、注入状態、鎮痛用に送出されるボーラスの時期、鎮痛用に送出されるボーラスの量、部分的な注入、ピギーバック注入、注入処置の間に送出される物質、送出される物質の量、例えば、開始及び停止時間などの様な実行される注入の時間的な経過、不具合、注記されている機能不全(例えば、閉塞検知、配管内の空気/圧力不具合など)など、及び/又はそれらの組み合わせ、を含んでいてもよい。新しいデータは、(その後、注入処置が行われるのであれば)その後の注入処置のために(承認された人員によって処方箋が変更された場合には)、更に、被験者の処方箋によって、又は即時注入処置によって、定義される注入プロトコルとパラメータを含んでいてもよい。
【0019】
注入セット14が注入ポンプ16に連結されると、eタグ18は(有線接続又は無線接続の何れかで)制御要素20に接続されるので、制御要素20は、eタグ18と通信することができるようになる。この様な通信は、制御要素20が、1)即時注入処置の前にeタグ18から要求させること、又は2)即時注入処置から作り出された新しいデータをeタグ18に送信すること、を行えるようにする。
【0020】
或る実施形態では、制御要素20は、eタグ18に記憶されているデータの少なくとも幾つかを要求する。別の実施形態では、制御要素20は、eタグ18が機能又は活動を実行することを要求する。例えば、制御要素20は、eタグ18が、そこに記憶されているデータの暗号化及び(データが既に暗号化されていれば)復号化を行って、データを送信し、データを示す信号を送信し、新しいデータを記憶し、プログラムなど、及び/又はそれらの組み合わせを記憶するように要求してもよい。制御要素20は、eタグ18に記憶されているデータにアクセスすることを許可されているか、又はeタグ18に機能を実行するよう要求することを許可されている、と判定されている場合、eタグ18は、その要求に応える。
【0021】
例えば、eタグ18は、認証システムを含んでいてもよい。認証システムは、例えば、ハードウェアキー、ソフトウェア又はファームウェアキー、パスワードなど、及び/又はそれらの組み合わせを含んでいてもよい。応答は、要求された機能を実行する、及び/又は要求されたデータを送信する、形態であってもよい。データは、暗号化されていない形態で、暗号化された形態で、又は、データを示す信号として送信されてもよいものと理解されたい。
【0022】
eタグ18を含んでいる注入セット14が一度の注入処置に使用される場合は、注入セット14は、注入処置が完了した後、eタグ18と共に適切に廃棄されてもよい。幾つかの事例では、eタグ18は、廃棄する前に注入セット14から取り外され、eタグ18に記憶されているデータは、被験者の医療記録に組み込まれてもよい。eタグ18は、その後、必要に応じて、同様に適切に廃棄されてもよい。
【0023】
被験者が注入セット16を2回以上使用する事例では、eタグ18に記憶されているデータは、注入セット16を追跡するために使用することもできる。追跡は、確実に、1)注入セットが意図する被験者に対して使用され、及び2)正しい注入プロトコル及びパラメータが、注入処置の間に、注入セットが連結される各注入ポンプに対して適用されるようにするための安全対策として好都合である。特に、注入セット16が使用される各注入処置毎に、データが取得され、eタグ18の中に記憶されてもよく、データを再検討すれば、各注入処置に適用された注入プロトコル及び/又はパラメータが適切であったか否かが分かる。
【0024】
或る実施形態では、或る特定の注入に対する注入プロトコル及び/又はパラメータを、注入セット16を変更する必要無しに変更することができる。この実施形態では、注入ポンプ14は、新しい注入プロトコル及び/又はパラメータが許容範囲内にあるか否かを判定するように構成されていてもよい。これは、新しい注入プロトコル及び/又はパラメータを、例えば、内蔵された薬剤ライブラリを用いて確認することで遂行してもよい。
【0025】
複数の注入処置に亘って注入セット16を追跡する方法の或る実施形態の線図を、図2に示している。注入セット16を追跡する方法は、この方法の実施形態では、(eタグ18を含んでいる)注入セット16を作動的に注入ポンプ14に連結する段階を含んでいる(参照番号22で図示)。注入セット16が注入ポンプ14に連結されると、eタグ18は、作動する。eタグ18の作動は、例えば、1)電気的接続(有線接続がある場合)、2)磁場、RF、又は、光伝送(無線接続がある場合)、及び/又は、3)バーコード走査、スイッチ、キープレス/データ入力、物理的感知手段などの手動的な手段、によって達成されてもよい。
【0026】
注入セット16を注入ポンプ14に連結する前に、注入セット16は、注入ポンプ14と共に使用するために較正してもよいものと理解されたい。注入ポンプの回転は、回転が結晶時間ベースにロックされているので、比較的正確になる傾向にあるものと理解されたい。しかしながら、注入セットのポンピング性能は、より変動的な傾向にある。この変動性は、部分的には、チューブ壁の厚さ、チューブ内径、チューブ材料の硬度、チューブの長さ、注入セット16の様々な構成部品の寸法偏差などの様な、様々な要因に起因している。現在市販されている注入ポンプは、ポンプと使い捨て注入セットの測定された母集団に基づくポンピング性能の値をとる傾向にあるが、注入セット16に埋め込まれた較正ユニットを追加すると、ポンピング性能をより正確に特徴付けることができるようになる。例えば、この特徴付けは、各個別の注入セット毎に、一群の注入セット毎に、又は注入セットの製造ロット毎に、行ってもよい。設計の柔軟性が増すことに加えて、薬剤を送出する精度が改良されるのは、プログラムし直すか、又は現在の注入ポンプ14を、使用される注入セット16に適合させる必要無しに、較正ユニットを使用するという点から見て明らかである。
【0027】
以前の注入処置に関するデータを、制御要素20が、eタグ18に要求してもよい(参照番号24で図示)。要求されるデータには、例えば、以前の注入処置の際に使用された注入パラメータ、以前の注入処置の際の経過時間、以前の注入処置の際に使用された注入剤の量、及び/又はそれらの組み合わせが含まれる。或いは、又は以前の注入処置に関するデータに加えて、制御要素20は、更に、処方された注入プロトコル及びパラメータを要求してもよい。データ、及び/又は、処方された注入プロトコル及びパラメータは、即時注入処置を実行するために使用される(参照番号26で図示)。
【0028】
即時注入処置が終了した後、即時注入処置に関する新しいデータは、制御要素20からeタグ18に送信される(参照番号28で図示)。この新しいデータは、例えば、即時注入処置の注入パラメータ、即時注入処置の際の経過時間、即時注入処置の際に使用された注入剤の量、及び/又はそれらの組み合わせを含んでいる。或る例では、新しいデータをeタグ18に記憶させるという制御要素20からの要求と共に、新しいデータが送信される。次いで、新しいデータがeタグ18に書き込まれる(参照番号30で図示)。少なくとも、新しいデータは、次の注入処置で使用することができる(参照番号32で図示)。
【0029】
「接続する/接続される」、「連結する/連結される」などの用語は、ここでは、様々な異なる接続、又は連結の配置及び組み立て技法を包含するよう広義に定義されている。これらの配置及び技法は、限定するわけではないが、他方の部品に「接続」又は「連結」されている一方の部品が、(両者の間に1つ又はそれ以上の追加部品があるにもかかわらず)他方の部品に幾らかでも作動的に連結されているという条件で、(1)1つの部品ともう1つの部品の間の、両者の間に介在する部品の無い、直接的な接続又は連結、(2)1つの部品ともう1つの部品の間の、両者の間に1つ又はそれ以上の部品の在る、接続又は連結、を含んでいる。
【0030】
以上、幾つかの実施形態を詳細に説明してきたが、当業者には自明のように、開示された実施形態を修正することもできる。従って、これまで述べた説明は、制限的ではなく例示的なものとみなされるべきである。
【符号の説明】
【0031】
10 電子タグ(eタグ)システム
12 医療装置、注入装置
14 ベース部分、注入ポンプ
16 取り外し可能部分、注入セット
18 eタグ
20 制御要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子タグシステムにおいて、
ベース部分と取り外し可能部分とを有している医療装置と、
前記取り外し可能部分に作動的に接続されている電子タグであって、少なくとも薬剤注入処置に関するデータを含んでいる、電子タグと、
前記ベース部分に作動的に接続されている制御要素であって、
前記データを前記電子タグから読み取るための読み取り能力と、
新しいデータを前記電子タグに書き込むための書き込み能力と、を含んでいる、前記制御要素と、を備えている電子タグシステム。
【請求項2】
前記制御要素は、更に、通信手段を含んでおり、前記通信手段は、前記ベース部分が、前記電子タグと通信できるように構成されている、請求項1に記載の電子タグシステム。
【請求項3】
前記制御要素は、前記通信手段を介して、前記電子タグに対する少なくとも前記データに関する要求を行い、少なくとも前記新しいデータを前記電子タグに送信し、又はそれらの組み合わせを行うように構成されている、請求項2に記載の電子タグシステム。
【請求項4】
前記要求は、前記データの暗号化を行うこと、前記データの復号化を行うこと、前記新しいデータを記憶すること、プログラムを記憶すること、前記データを送信すること、前記データを示す信号を送信すること、又はそれらの組み合わせ、の内の少なくとも1つである、請求項3に記載の電子タグシステム。
【請求項5】
前記電子タグは、前記要求に応えるように構成されている、請求項2に記載の電子タグシステム。
【請求項6】
前記要求は、アクセスの制限されたデータを送信することである、請求項3に記載の電子タグシステム。
【請求項7】
前記アクセスの制限されたデータは、部品番号、製造番号、ロットコード、日付コード、製造情報、暗号化キー、及びそれらの組み合わせ、から選定される、請求項6に記載の電子タグシステム。
【請求項8】
前記通信手段は、有線接続、又は無線接続の少なくとも1つである、請求項2に記載の電子タグシステム。
【請求項9】
前記データは、即時注入処置を実行するための注入パラメータ、以前の注入処置の注入結果、又はそれらの組み合わせ、を含んでいる、請求項1に記載の電子タグシステム。
【請求項10】
前記新しいデータは、即時注入処置の注入結果、次の注入処置のための注入パラメータ、又はそれらの組み合わせ、を含んでいる、請求項1に記載の電子タグシステム。
【請求項11】
前記電子タグは、更に、前記取り外し可能部分に取り外し可能に接続されている、請求項1に記載の電子タグシステム。
【請求項12】
ポンプステーションと取り外し可能な注入セットの間の通信方法において、
前記取り外し可能な注入セットを前記ポンプステーションに作動的に連結する段階であって、前記取り外し可能な注入セットは、作動的に接続された電子タグを含んでいる、前記取り外し可能な注入セットを作動的に連結する段階と、
前記ポンプステーションに作動的に接続された制御要素によって確立された通信手段を介して、前記電子タグと通信する段階であって、前記制御要素は、
前記電子タグからデータを読み取るための読み取り能力と、
前記電子タグに少なくとも新しいデータを書き込むための書き込み能力と、を含んでいる、前記電子タグと通信する段階と、
前記通信に応答する段階と、から成る方法。
【請求項13】
前記電子タグと通信する前記段階は、有線接続、又は無線接続を介して遂行される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記電子タグと前記通信する段階は、前記電子タグからの要求を生じさせる段階を含んでいる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記要求は、前記電子タグに記憶されているデータの暗号化を行うこと、前記電子タグに記憶されている前記データの復号化を行うこと、新しいデータを記憶すること、プログラムを記憶すること、記憶されているデータを送信すること、前記記憶されているデータを示す信号を送信すること、又はそれらの組み合わせ、の内の少なくとも1つである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記要求は、アクセスの制限されたデータを送信することであり、前記アクセスの制限されたデータは、部品番号、製造番号、ロットコード、日付コード、製造情報、暗号化キー、及びそれらの組み合わせから選定される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
複数の注入処置に亘って、取り外し可能な注入セットを追跡する方法において、
前記取り外し可能な注入セットを注入ポンプに作動的に連結する段階であって、前記取り外し可能な注入セットは、作動的に接続された電子タグを含んでいる、前記取り外し可能な注入セットを作動的に連結する段階と、
前記電子タグに対して、以前の注入処置、処方された注入処置、又はそれらの組み合わせに関するデータを要求する段階であって、前記要求する段階は、前記注入ポンプに作動的に接続された制御要素によって遂行される、データを要求する段階と、
即時注入処置を実行するために前記データの少なくとも幾つかを使用する段階と、
前記制御要素から前記電子タグに、前記即時注入処置に関する新しいデータを送信する段階と、
前記新しいデータを前記電子タグに書き込む段階と、
少なくとも前記新しいデータを次の注入処置に使用する段階と、から成る方法。
【請求項18】
前記要求する段階及び前記送信する段階は、有線通信、又は無線通信を介して遂行される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記以前の注入処置に関する前記データは、前記以前の注入処置の際に使用された注入パラメータ、前記以前の注入処置の際の経過時間、前記以前の注入処置の際に使用された注入剤の量、又はそれらの組合せ、を含んでいる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記即時注入処置に関する前記新しいデータは、前記即時注入処置の注入パラメータ、前記即時注入処置の際の経過時間、前記即時注入処置の際に使用された注入剤の量、又はそれらの組み合わせ、を含んでいる、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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