説明

電子ペーパー表示素子の製造方法及びこれから製造された電子ペーパー表示素子

【課題】本発明は、電子ペーパー表示素子の製造方法及びこれから製造された電子ペーパー表示素子を提供する。
【解決手段】電子ペーパー表示素子の製造方法は、第1基板上に第1予備第1誘電層を形成するする段階と、前記第1予備第1誘電層上に電子ボールを配置させる段階と、前記第1予備第1誘電層を硬化して前記電子ボールを固定する第2予備第1誘電層を形成する段階と、前記電子ボールを含んだ前記第2予備第1誘電層上に予備第2誘電層を形成する段階と、前記第2予備第1誘電層と予備第2誘電層を硬化させて、第1及び第2誘電層を形成する段階と、及び前記第2誘電層を含んだ前記第1基板と第2基板を合着する段階と、を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパー表示素子及びその製造方法に関するものであり、具体的に予備誘電層上に電子ボールを固定させた後、電子ボールを含んだ予備誘電層上に他の予備誘電層を形成する電子ペーパー表示素子の製造方法及びこれから製造された電子ペーパー表示素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
次世代表示装置として、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)、プラズマ表示パネル(PDP;Plasma Display Panel)、有機電界発光装置(Elector Luminescence)及び電子ペーパー表示素子などが広く普及されている。
【0003】
これらのうちで電子ペーパー表示素子は、柔軟に曲げることができるし、他の表示装置に比べて生産単価がずっと低廉である。
【0004】
また、電子ペーパー表示装置は、背景照明や持続的な再充電が必要ではないのでとても少ないエネルギーで駆動されることができて、エネルギー効率が遥かに優秀な特徴を有する。
【0005】
また、電子ペーパー表示素子は、鮮明で視野角が広くて、電源が瞬間的に遮られても表示された文字や映像が完全に消えないメモリー機能も具備することができるために、本や新聞または雑誌などの印刷媒体を含めた折ることができるスクリーン及び電子壁紙などの広範囲な分野で幅広く使われることができるものとして期待されている。
【0006】
一方、電子ペーパー表示素子を具現することができる技術的方式には、大きく液晶を利用した方式、有機EL方式、反射フィルム反射型表示方式、電気泳動方式、ツイストボール方式、エレクトロクロミック方式、メカニカル反射型表示方式などに区分されて開発されている。
【0007】
このうちでもツイストボールを利用した電子ペーパー表示素子は、二つの電極及び二つの電極との間に介されて、光学的及び電気的異方性を有するツイストボールを付着したエラストマシートを含む。この時、ツイストボールの外周面に誘電液がコーティングされている。ここで、ツイストボールはお互いに異なる電荷に帯電された黒色の半球体と白色の半球体でなされることができる。このようなツイストボールを利用した電子ペーパー表示素子は、二つの電極に電圧を印加する場合、印加された電圧方向に沿って粒子の各半球体が誘電液の内部でお互いに反対になる極性の電極面を向けるように回転して黒白を表示するようになる。
【0008】
この時、ツイストボールを均一に配置させることが難しいだけでなく、ツイストボール間のピッチを一定に調節し難いために、コントラスト比が低下される問題点があった。
【0009】
これを解決するために、ツイストボールをお互いに重畳されるように配置させることで、コントラスト比を向上させようとした。しかし、ツイストボールが重畳されるように形成される場合、電子ペーパー表示素子の厚さが増加するようになるだけでなく、ツイストボールの駆動のための駆動電圧が上昇する問題点があった。
【0010】
したがって、従来の電子ペーパー表示素子は、ツイストボール配列の均一性低下によってコントラスト比が低下されるか、または駆動電圧が上昇される問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は、従来の電子ペーパー表示素子で発生されることができる問題点を解決するために創案されたものであり、予備誘電層上に電子ボールを固定させた後、電子ボールを含んだ予備誘電層上に予備誘電層をさらに形成する電子ペーパー表示素子の製造方法及びこれから製造された電子ペーパー表示素子を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の前記目的は、電子ペーパー表示素子の製造方法を提供するものである。前記製造方法は、第1基板上に第1予備第1誘電層を形成するする段階と、前記第1予備第1誘電層上に電子ボールを配置させる段階と、前記第1予備第1誘電層を硬化して前記電子ボールを固定する第2予備第1誘電層を形成する段階と、前記電子ボールを含んだ前記第2予備第1誘電層上に予備第2誘電層を形成する段階と、前記第2予備第1誘電層と予備第2誘電層を硬化させて、第1及び第2誘電層を形成する段階と、及び前記第2誘電層を含んだ前記第1基板と第2基板を合着する段階と、を含むことができる。
【0013】
ここで、前記第2予備第1誘電層を形成する段階は、前記第1予備第1誘電層を半硬化または完全硬化させることができる。
【0014】
また、前記電子ボールは、ツイストボールであることができる。
【0015】
また、前記第2誘電層上に第2基板を付着する段階以後に合着された前記第1及び第2基板を誘電液にディッピングする段階をさらに含むことができる。
【0016】
また、前記電子ボールは、マイクロカプセルであることができる。
【0017】
また、前記第1及び第2誘電層は、お互いに同一な材質で形成することができる。
【0018】
また、前記第1及び第2誘電層は、お互いに異なる材質で形成することができる。
【0019】
また、前記第1誘電層は、光反射層で形成して、前記第2誘電層は光透過層で形成することができる。
【0020】
また、前記電子ボールは黒色、白色、RGB(red、green、blue)及びCYM(cyan、yellow、magent)のうち少なくともいずれか一つを表示することができる。
【0021】
本発明の他の目的は、前記製造方法から製造された電子ペーパー表示素子を提供するものである。前記電子ペーパー表示素子は、第1基板上に配置された第1誘電層と、該第1誘電層上に固定された電子ボールと、前記第1誘電層と境界をなして前記電子ボールを含んだ前記第1誘電層上に配置された第2誘電層と、及び前記第2誘電層上に配置された第2基板と、を含むことができる。
【0022】
ここで、前記第1及び第2誘電層は、お互いに異なる材質でなされることができる。
【0023】
また、前記第1誘電層は光反射層でなされて、前記第2誘電層は光透過層でなされることができる。
【0024】
また、前記第1及び第2誘電層は、お互いに同一な材質でなされることができる。
【0025】
また、前記電子ボールは、一定な行と列で配置されることができる。
【0026】
また、前記電子ボールは、マイクロカプセルであることができる。
【0027】
また、前記電子ボールは、ツイストボールであることができる。
【0028】
また、前記電子ボールは、黒色、白色、RGB(red、green、blue)及びCYM(cyan、yellow、magent)のうちで少なくともいずれか一つを表示することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の電子ペーパー表示素子は、一定なピッチを有して一定な行列で電子ボールを配置させることができて、画質特性及びコントラスト比を向上させることと同時に厚さを減らすことができて駆動電圧を低めることができる。
【0030】
また、電子ボールを多様な形態で配列させることができて、電子ペーパー表示素子の設計自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を説明するために示した断面図らである。
【図2】同じく、本発明の第1実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を説明するために示した断面図らである。
【図3】同じく、本発明の第1実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を説明するために示した断面図らである。
【図4】同じく、本発明の第1実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を説明するために示した断面図らである。
【図5】同じく、本発明の第1実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を説明するために示した断面図らである。
【図6】同じく、本発明の第1実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を説明するために示した断面図らである。
【図7】本発明の第2実施例による電子ペーパー表示素子の一部の平面図である。
【図8】図7に示されたI-I'線に沿って切断した断面図である。
【図9】本発明の第3実施例による電子ペーパー表示素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施例らは、電子ペーパー表示素子の図面を参考して詳細に説明する。次に紹介される実施例らは当業者に本発明の思想が充分に伝達できるようにするために例として提供されるものである。よって、本発明は、以下で説明される実施例らに限定されないで他の形態で具体化されることもできる。そして、図面らにおいて、装置の大きさ及び厚さなどは便宜のために誇張されて表現されることもできる。明細書全体にかけて同一な参照番号らは同一な構成要素らを示す。
【0033】
図1から図6は、本発明の第1実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を説明するために示した断面図らである。
【0034】
図1を参照すれば、本発明の実施例による電子ペーパー表示素子を製造するために、先ず第1基板110上に第1予備第1誘電層120aを形成する。
【0035】
第1基板110は、導電性基板でなされることができる。ここで、第1基板110は第1電極の役割と同時に電子ペーパー表示素子を支持する支持層の役割をすることができる。
【0036】
または、第1基板110は、導電性膜でなされた第1電極と第1電極下部に配置された第1機材層を含むことができる。ここで、第1機材層は、基板の形態でプラスチック基板及び硝子基板等であるか、またはフィルムの形態であることができる。第1機材層を形成する材質の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリレート、ポリメチルメタアクリレート、ポリウレタン及びセルロースアセテートブチレート(CAB)などであることができる。
【0037】
導電性基板または導電性膜を形成する材質の例としては、Cu及びAgのような金属であることができるし、本発明の実施例でこれを限定するものではない。
【0038】
第1予備第1誘電層120aは、第1誘電物質を塗布して形成することができる。ここで、第1予備第1誘電層120aは、電子ペーパー表示素子の特性を考慮して多様な材質で選択して形成することができる。例えば、第1予備第1誘電層120aは光透過層や光反射層であることができる。
【0039】
この時、第1予備第1誘電層120aが光透過層である場合、第1誘電物質の例としては、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタンアクリレート(PUA)系樹脂及びポリジメチルシロキサン(PDMS)系樹脂などであることができる。
【0040】
または、第1予備第1誘電層120aが光反射層である場合、第1誘電物質は樹脂及び樹脂上に混合した光反射性物質を含むことができる。この時、樹脂の例としては、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタンアクリレート(PUA)系樹脂、ポリジメチルシロキサン(PDMS)系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂及びフェノール系樹脂などであることができる。また、光反射性物質の例としては、Agパウダーであることができる。
【0041】
第1誘電物質の塗布方法の例としては、スピンコーティング法、ドクターブレード法、ダイコーティング法、スクリーンプリント法及びスプレーコーティング法等であることができる。
【0042】
図2を参照すれば、第1予備第1誘電層120aを形成した後、第1予備第1誘電層120a上に電子ボール130を配置させる。
【0043】
ここで、電子ボール130を配置させるために、第1予備第1誘電層120a上に開口部を有するマスクMをアラインする。以後、マスクM上に電子ボール130を提供した後、マスクM上をスキージー(S)が水平移動することで、マスクM上の電子ボール130は開口部を通じて第1予備第1誘電層120a上に選択的に配置されることができる。この時、電子ボール130は第1予備第1誘電層120a上に装入された状態で配置されることができる。これによって、第1予備第1誘電層120a上に電子ボール130を均一に配置させることができる。
【0044】
また、電子ボール130の間のピッチは、マスクMの形態によって調節されることができる。これによって、従来のように、電子ボール130のコントラスト比が低下されることを防止するために、電子ボール130を重畳されるように配置させる必要なしに、電子ボール130のピッチを調節することで、電子ボール130を一列で配置させてもコントラスト比が低下されることを充分に防止することができる。すなわち、電子ボール130の間のピッチをほとんど0で調節して電子ボール130の充填率を高めて、コントラスト比を向上させることができる。
【0045】
よって、従来に比べて電子ペーパー表示素子は、向上したコントラスト比を有して電子ペーパー表示素子の厚さを減らすことができるし、これと同時に駆動電圧を減らすことができる。
【0046】
また、マスクMの形態によって電子ボールは多様な形態で配置させることができる。例えば、平面上で見る時、電子ボールの配置形態は、四角形、多角形及び円形の形態を有することができる。また、電子ボール130は一定な行と列を有するように配置させることもできる。これによって、電子ペーパー表示素子の設計自由度を向上させることと同時に画質特性を向上させることができる。
【0047】
また、電子ボール130は、第1及び第2電極に印加された電界によって映像を表示することができる。例えば、電子ボール130は、光を反射する第1半球体と光を吸収する第2半球体でなされたツイストボールであることができる。すなわち、電子ボール130は、白色を表示する第1半球体と黒色を表示する第2半球体を含んで、電子ペーパー表示素子は黒白を表示することができる。ここで、第1半球体と第2半球体は、お互いに相異な電荷に帯電されてあり得る。ここで、電子ボール130は、第1及び第2電極に印加された電界によって形成された電場によって回転がなされることによって、映像を表示することができる。
【0048】
本発明の実施例で、電子ペーパー表示素子は黒白を表示するものとして説明したが、これに限定されるものではなくて、カラーを表示することができる。この時、電子ボール130はカラー、すなわちRGB(red、green、blue)またはCYM(cyan、yellow、magenta)などを表示することができる。例えば、電子ボール120の第1半球体は白色または黒色を表示して、第2半球体はRGB(red、green、blue)及びCYM(cyan、yellow、magent)のうち少なくともいずれか一つを表示することができる。
【0049】
しかし、本発明の実施例で電子ボール130の種類を限定するものではなくて、例えば、電子ボール130はカプセル内部にお互いに異なる電荷に帯電された粒子を具備したマイクロカプセルであることができる。
【0050】
また、電子ボール130の中間部分まで第1予備第1誘電層120aに潜入されるように示したが、これに限定されるものではなくて、電子ボール130は第1予備第1誘電層120aに接触さえすればよい。
【0051】
図3を参照すれば、第1予備第1誘電層120a上に電子ボール130を配置させた後、第1予備第1誘電層120aを半硬化させて、第2予備第1誘電層120bを形成する。これで、電子ボール130は半硬化状態の第2予備第1誘電層120bによって固定されることができる。
【0052】
これによって、マスク(図2のM)によって第1予備第1誘電層120a上に配置された電子ボール130を固定させることで、後続工程まで電子ボールの配列状態を維持することができる。
【0053】
本発明の実施例で、電子ボール130を固定させるために、半硬化状態の第2予備第1誘電層120bを形成することで説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1予備第1誘電層120aを完全硬化させて第1誘電層120を形成することで、第1誘電層120に電子ボール130が固定された状態で後続工程を進行することもできる。
【0054】
図4を参照すれば、第2予備第1誘電層120bに電子ボール130を固定させた後、電子ボール130を含んだ第2予備第1誘電層120b上に予備第2誘電層140aを形成する。予備第2誘電層140aは、第2予備第1誘電層120bから露出した電子ボール130を完全に覆うように形成されることができる。
【0055】
ここで、予備第2誘電層140aは、第2誘電物質を塗布して形成することができる。この時、予備第2誘電層140aは光を透過することができる光透過層で形成することができる。第2誘電物質の例としては、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタンアクリレート(PUA)系樹脂及びポリジメチルシロキサン(PDMS)系樹脂などであることができる。この時、予備第2誘電層140aは第1予備第1誘電層120aと同一な材質で形成されることもできる。
【0056】
第1誘電物質の塗布方法の例としては、スピンコーティング法、ドクターブレード法、ダイコーティング法、スクリーンプリント法及びスプレーコーティング法等であることができる。
【0057】
図5を参照すれば、予備第2誘電層140aを形成した後、第2予備第1誘電層120b及び予備第2誘電層140aを完全硬化させて、第1及び第2誘電層120、140を形成する。
【0058】
この時、第1及び第2誘電層120、140は、お互いに一定な境界面を有することができる。これは第1誘電層120及び第2誘電層140は、半硬化された第2予備第1誘電層120bと未硬化された予備第2誘電層140aを同時に完全硬化させることで形成されるためである。すなわち、第1及び第2誘電層120、140は、お互いに異なる出発硬化状態を有することによって第1及び第2誘電層120、140はお互いに一定な境界面を有して、お互いに異なる硬化度を有することができる。
【0059】
図6を参照すれば、第1及び第2誘電層120、140を形成した後、第2誘電層140上に第2基板150を合着する。
【0060】
第2基板150は、第2電極の役割をして、光を透過することができる透明な導電性基板であることができる。または、第2基板150は透明な導電膜でなされた第2電極と第2電極上に配置された第2機材層を含むことができる。
【0061】
第2機材層は、基板の形態でプラスチック基板及び硝子基板等であるか、またはフィルムの形態であることができる。第2機材層を使用する材質の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリレート、ポリメチルメタアクリレート、ポリウレタン及びセルロースアセテートブチレート(CAB)などであることができる。
【0062】
また、透明な導電性基板または導電性膜を形成する材質の例としてはITO、IZO及びITZOなどであることができる。
【0063】
図面には示されなかったが、第1及び第2基板110、150は第2誘電層140上に塗布された透明な接着部材、例えば、シリコン系樹脂によってお互いに合着されることができる。
【0064】
これに加えて、電子ボール130がツイストボールである場合、合着された第1及び第2基板110、150を誘電液にディッピングさせる。これで、第1及び第2誘電層120、140に具備された気孔(porous)を通じて誘電液は電子ボールの周辺に配置されることができる。すなわち、電子ボール130は誘電液に浮遊した状態で第1及び第2誘電層120、140の内部に配置されることができる。
【0065】
したがって、本発明の実施例で、未硬化された予備誘電層上にマスクを利用して一定な配列を有する電子ボールを配置させた後、未硬化された予備誘電層を半硬化または硬化させて電子ボールを固定させることで、電子ボールの配置程度を制御することができる。
【0066】
これによって、電子ボールは、規則的に一定なピッチを有するように配列させることができて、従来のように電子ボールを重畳されるように形成する必要がなく、電子ボールを一列で配列させることができる。これによって、電子ペーパー表示素子は、コントラスト比を向上させることと同時に従来より厚さを減らすことができて、電子ペーパー表示素子の駆動電圧を低めることができる。
【0067】
また、マスクの配列形態によって、電子ボールは多様な形態で配列させることができて、電子ペーパー表示素子の設計自由度を高めることができる。
【0068】
また、第1及び第2誘電層はお互いに異なる工程を通じて形成されることによって、電子ペーパー表示素子の特性向上のために第1誘電層の材質を自由に選定することができる。
【0069】
以下、図7及び図8を参照して、本発明の第1実施例によって製造された電子ペーパー表示素子に対して具体的に説明する。
【0070】
図7は、本発明の第2実施例による電子ペーパー表示素子の一部の平面図である。
【0071】
図8は、図7に示されたI-I'線に沿って切断した断面図である。
【0072】
図7及び図8を参照すれば、本発明の実施例による電子ペーパー表示素子は、お互いに向い合う第1及び第2基板110、150、第1基板110上に配置された第1誘電層120、第1誘電層120に一部が潜入された電子ボール130、及び第1誘電層120と境界をなして電子ボール130を含んだ第1誘電層120上に配置された第2誘電層140を含むことができる。
【0073】
第1基板110は、導電性基板または導電性膜と導電性膜上に配置された第1機材層を含むことができる。ここで、導電性基板及び導電性膜は、第1電極の役割をすることができる。この時、導電性基板は、第1電極の役割と同時に電子ペーパー表示素子を支持する支持層の役割をすることができる。
【0074】
また、導電性基板及び導電性膜は反射電極として、導電性基板及び導電性膜を形成する材質の例としては、Cu及びAgのような金属であることができる。
【0075】
第1誘電層120は、後述される第2誘電層140と別途の工程を通じて形成されることによって、電子ペーパー表示素子の特性を向上させるために第2誘電層140と別に自由に材質を選択することができる。例えば、第1誘電層120は、第2誘電層140と同一な材質で形成することができる。第1誘電層120は、光透過層であることができる。この時、第1誘電層を形成する材質の例としては、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタンアクリレート(PUA)系樹脂及びポリジメチルシロキサン(PDMS)系樹脂などであることができる。または、第1誘電層120は、第2誘電層140と異なる材質で形成することができる。第1誘電層120は、光反射層であることができる。この時、第1誘電層120は、樹脂及び樹脂上に混合した光反射性物質を含むことができる。ここで、樹脂の例としては、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタンアクリレート(PUA)系樹脂、ポリジメチルシロキサン(PDMS)系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂及びフェノール系樹脂などであることができる。また、光反射性物質の例としては、Agパウダーであることができる。これで、第1誘電層120が光反射層でなされる場合、第1誘電層120は下部で漏洩する光を上部に反射させて、電子ペーパー表示素子の光効率を向上させる役割をすることができる。
【0076】
電子ボール130の一部は、第1誘電層120に潜入された状態で配置されることができる。この時、電子ボール130は一定な行と列で配置されて、電子ペーパー表示素子の画質特性を向上させることができる。また、電子ボール130は断面上で見る時、一列で一定なピッチを有するように配置されてあり得て、電子ペーパー表示素子は、コントラスト比を向上させることと同時に従来に比べて厚さを減らすことができて駆動電圧を低めることができる。これは、電子ボール130の配置のために、未硬化された予備誘電層上にマスクを利用して一定な配列を有する電子ボール130を配置させた後、未硬化された予備誘電層を半硬化または硬化させて電子ボールを固定させることで、電子ボール130の配置が制御可能であるためである。
【0077】
また、電子ボール130は、多様な空間、例えば四角形、多角形及び円形のような空間に均一に配置させることができる。これは、電子ペーパー表示素子を形成するために使われるマスクの形態によって、電子ボールの配列形態を多様に変更することができるためである。
【0078】
本発明の実施例で、電子ボール130の中央部分まで第1誘電層120に潜入されたものとして示したが、これに限定されるものではなくて、電子ボール130は第1誘電層120に固定される程度に一部さえ接触するか、または電子ボール130の中央部分以上まで潜入されてあり得る。
【0079】
電子ボール130は、第1及び第2電極にそれぞれ印加された電圧によって流動して、映像を表示するツイストボールまたはマイクロカプセルであることができる。この時、電子ボール130がツイストボールである場合、ツイストボールの周辺には誘電液が配置されてあり得る。すなわち、電子ボール130は誘電液に浮遊した状態で配置されることができる。
【0080】
第2誘電層140は、光透過層であることができる。ここで、第2誘電層140は第1誘電層120と同一な材質でなされることができる。この時、第2誘電層140を形成する材質の例としては、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタンアクリレート(PUA)系樹脂及びポリジメチルシロキサン(PDMS)系樹脂などであることができる。
【0081】
第2誘電層140は、第1誘電層120に潜入された電子ボールをカバーすることができる。この時、第1及び第2誘電層120、140は、お互いに異なる出発の硬化状態、例えば、第1誘電層120は半硬化されるか、または完全頃化された状態の予備誘電層であり、第2誘電層140は未硬化された状態の予備誘電層を同時に硬化させて形成されることによって、第1及び第2誘電層120、140はお互いに異なる硬化度を有することができる。また、第1及び第2誘電層120、140はお互いに一定な境界を有してお互いに積層されてあり得る。
【0082】
第2基板150は、光を透過することができる透明な導電性基板または透明な導電性膜と導電性膜上に配置された第2機材層を含むことができる。ここで、透明な導電性基板及び導電性膜は、第2電極の役割をすることができる。また、第2機材層は基板の形態でプラスチック基板及び硝子基板等であるか、またはフィルムの形態であることができる。第2機材層を使用する材質の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリレート、ポリメチルメタアクリレート、ポリウレタン及びセルロースアセテートブチレート(CAB)などであることができる。
【0083】
また、透明な導電性基板または導電性膜を形成する材質の例としては、ITO、IZO及びITZOなどであることができる。
【0084】
これに加えて、第2誘電層140と第2基板150との間に透明な接着部材、例えば、シリコン系樹脂が介されて、第2誘電層140上に第2基板150が合着されてあり得る。
【0085】
したがって、本発明の実施例による電子ペーパー表示素子は、予備誘電層上にマスクを利用して選択的に電子ボールを配置及び固定させた後、電子ボールを含んだ予備誘電層上に他の予備誘電層を形成する工程によって製造されることによって、電子ペーパー表示素子は、コントラスト比を向上させることと同時に従来より厚さを減らすことができて、電子ペーパー表示素子の駆動電圧を低めることができる。
【0086】
また、マスクの配列形態によって、電子ボールは多様な形態で配列させることができて、電子ペーパー表示素子の設計自由度を高めることができる。
【0087】
また、第1及び第2誘電層は、お互いに異なる工程を通じて形成されることによって、電子ペーパー表示素子の特性向上のために第1誘電層の材質を自由に選定することができる。
【0088】
以下、図9を参照して、本発明の第1実施例によって製造されることができる電子ペーパー表示素子の他の形態を説明する。本発明の第3実施例で、電子ボールを2層で形成することを除いては前に説明した第2実施例による電子ペーパー表示素子と同一な構成を有することができる。よって、説明の便宜上同一な構成に対しては同一な参照番号を付与して、反復された説明は省略する。
【0089】
図9は本発明の第3実施例による電子ペーパー表示素子の断面図である。
【0090】
図9を参照すると、本発明の第3実施例による電子ペーパー表示素子はお互いに向い合う第1及び第2基板110、150、第1基板110上に配置された第1誘電層120、第1誘電層120に一部が潜入された電子ボール130、及び第1誘電層120と境界をなして電子ボール130を含んだ第1誘電層120上に配置された第2誘電層140を含むことができる。
【0091】
電子ペーパー表示素子は、第2誘電層140上に追加第1誘電層220、追加第1誘電層220に一部が潜入された追加電子ボール230及び追加電子ボール230を含んだ追加第1誘電層220上に配置された追加第2誘電層240をさらに含むことができる。この時、追加電子ボール230は隣合う電子ボール130らの間に配置されることができる。すなわち、追加電子ボール230の一部は電子ボール130と重畳されるように配置されることができる。これで、電子ペーパー表示素子は電子ボール130との間の間隔によって表示領域のうちで非表示領域が発生して輝度が低下されることを防止することができる。
【0092】
追加第1及び第2誘電層220、240は、お互いに同一であるか、または他の材質でなされることができる。ここで、追加第1及び第2誘電層220、240は第1誘電層120または第2誘電層140と同一な材質でなされることができる。この時、追加第1及び第2誘電層220、240は光透過性材質でなされることができる。
【0093】
ここで、追加第1誘電層、追加電子ボールの配置及び第2誘電層は、上述した第1誘電層と電子ボールの配置及び第2誘電層を形成する工程を利用して形成することができる。
【0094】
本発明の実施例で、電子ペーパー表示素子は追加電子ボール230及び追加第1及び第2誘電層220、240を一層で具備するものとして説明したが、これに限定されないで2層以上でさらに具備されることができる。
【0095】
したがって、本発明の実施例でのように、電子ペーパー表示素子は一層の電子ボールを具備することができるだけではなく、2層及びその以上の多層で具備されることもできる。
【0096】
以上で説明した本発明の望ましい実施例らは、例示の目的のために開示されたものであり、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者において、本発明の技術的思想を脱しない範囲内でさまざまな置き換え、変形及び変更が可能であろうが、このような置き換え、変更などは以下の特許請求範囲に属するものとして見なければならないであろう。
【符号の説明】
【0097】
110 第1基板
120a 第1予備第1誘電層
120b 第2予備第1誘電層
120 第1誘電層
130 電子ボール
140a 予備第2誘電層
140 第2誘電層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板上に第1予備第1誘電層を形成するする段階と、
前記第1予備第1誘電層上に電子ボールを配置させる段階と、
前記第1予備第1誘電層を硬化して、前記電子ボールを固定する第2予備第1誘電層を形成する段階と、
前記電子ボールを含んだ前記第2予備第1誘電層上に予備第2誘電層を形成する段階と、
前記第2予備第1誘電層と予備第2誘電層を硬化させて、第1及び第2誘電層を形成する段階と、及び
前記第2誘電層を含んだ前記第1基板と第2基板を合着する段階と、
を含む電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項2】
前記第2予備第1誘電層を形成する段階は、前記第1予備第1誘電層を半硬化または完全硬化させることを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項3】
前記電子ボールは、ツイストボールであることを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項4】
前記第2誘電層上に第2基板を付着する段階以後に合着された前記第1及び第2基板を誘電液にディッピングする段階をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項5】
前記電子ボールは、マイクロカプセルであることを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項6】
前記第1及び第2誘電層は、お互いに同一な材質で形成することを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項7】
前記第1及び第2誘電層は、お互いに異なる材質で形成することを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項8】
前記第1誘電層は、光反射層で形成して、前記第2誘電層は光透過層で形成することを特徴とする請求項7に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項9】
前記電子ボールは、黒色、白色、RGB(red、green、blue)及びCYM(cyan、yellow、magent)のうちで少なくともいずれか一つを表示する半球体を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項10】
第1基板上に配置された第1誘電層と、
前記第1誘電層上に固定された電子ボールと、
前記第1誘電層と境界をなして前記電子ボールを含んだ前記第1誘電層上に配置された第2誘電層と、及び
前記第2誘電層上に配置された第2基板と、
を含む電子ペーパー表示素子。
【請求項11】
前記第1及び第2誘電層は、お互いに異なる材質でなされることを特徴とする請求項10に記載の電子ペーパー表示素子。
【請求項12】
前記第1誘電層は、光反射層でなされて、前記第2誘電層は光透過層でなされることを特徴とする請求項11に記載の電子ペーパー表示素子。
【請求項13】
前記第1及び第2誘電層は、お互いに同一な材質でなされることを特徴とする請求項10に記載の電子ペーパー表示素子。
【請求項14】
前記電子ボールは、一定な行と列で配置されることを特徴とする請求項10に記載の電子ペーパー表示素子。
【請求項15】
前記電子ボールは、マイクロカプセルであることを特徴とする請求項10に記載の電子ペーパー表示素子。
【請求項16】
前記電子ボールは、ツイストボールであることを特徴とする請求項10に記載の電子ペーパー表示素子。
【請求項17】
前記電子ボールは、黒色、白色、RGB(red、green、blue)及びCYM(cyan、yellow、magent)のうちで少なくともいずれか一つを表示する半球体を含むことを特徴とする請求項10に記載の電子ペーパー表示素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−22551(P2011−22551A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293219(P2009−293219)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】