説明

電子レンジ用ふたつきプリンカップ

【課題】家庭で簡単に、易しく、「す」のないプリンの製造が、電子レンジ加熱1分程度で、できるようにする。
【解決手段】耐熱ガラスのプリンカップと中央を丸く開けたアルミ箔を周辺に組み込んだポリプロピレンのふたのセットによって、プリンの周辺部分の過熱を押さえ、かつプリンの中央の内部まで均一に加熱される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジを使って短時間でプリンを製造するふたつきプリンカップの発明である。
この特許願においてマイクロ波とは、実用化されている電子レンジに使用されている2,450,000,000ヘルツ程度の電磁波をいう。
電子レンジ用調理容器の素材は、誘電損失係数の低い耐熱ガラス、ポリプロピレン等が使用される。
【0002】
【表1】

【背景技術】
【0003】
伝統的なプリンの製造方法は、卵、砂糖、バニラエッセンスを入れて泡立て器でほぐし、牛乳を加えてよく混ぜ、よく卵がほぐれたら、茶こしでこして材料を調合する。
これを耐熱プリンカップに流す。
(耐熱プリンカップは金属製、内側表面にテフロン加工をしているものが多い。)
天板に耐熱プリンカップを並べ、熱湯を1cm深さ注ぎ、160℃のオーブンで30〜35分、卵と牛乳の混合液または卵液が固まるまで焼く。
皿にとり出して、メイプルシロップをかける。
概要以上のプロセスによっていた。
オーブンで蒸し焼きにすると30分以上かかっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術、製造方法では、加熱し始めてから30分以上の時間がかかり、その間製造中のプリンの状況を注意深くチェックして熱量の増減等適切な処置をとる必要があった。
家庭では、手早く、簡単につくる方法の開発が期待されていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
プリンの主成分である卵の卵白は75〜80℃でほぼ完全に凝固し、卵黄は70℃でほぼ完全に凝固する。
これより加熱が進むと卵成分が凝固した後で水が沸騰(気化)しはじめる。既に固まってしまった組織の中で水分が気化するために細かい気泡の跡「す」が残る。
従って、プリンの製造方法の技術的条件は、内部まで均一に加熱され、卵のたんぱく質が固化して、水分が沸騰蒸発しない温度(83℃程度)で仕上げることにある。
従来の技術による製造方法はオーブンによる外部加熱である。外部加熱であるために、湯煎にして、低温で、時間をかけた加熱が必要である。この方法によって内部まで目標の温度で均一に仕上げることが可能であった。
【0006】
電子レンジによる加熱はマイクロ波が調理材料に浸透して内部から加熱される。
その点では、外部からの伝導加熱に比べ、均一により高速に加熱できることは有利であるが、電子レンジ加熱は容器の外側周辺部分が強く加熱され、中央部分の加熱が少ないという加熱むらの問題があった。
プリンの製造については、周辺部に「す」が発生しやすくこの防止策が課題であった。
この「す」の発生防止のために中央を丸く開けたアルミ箔をプリンカップの上にかぶせて、電子レンジ加熱実験を繰り返し、耐熱ガラスのプリンカップと周辺にアルミを組み込んだポリプロピレンのふたのセットを発明した。
【0007】
一例をあげれば、ふたの直径は7.8cm、同心円になっているアルミ部分の外径は7.2cmで内径は5.2cm(アルミの幅は1cmになる)である。
プリンカップの直径は7.2cmでちょうどアルミ部分がプリンカップの外周から内側へ1cmの部分をカバーすることになる。
図1参照。
これによって、アルミ部分がマイクロ波の透過を遮断するためにプリンカップの中のプリン材料の周辺部分の過熱を押さえ、かつ中央部分にアルミ部分のカバーがないためにプリンの中央の内部の加熱不足を防ぎ、内部まで均一に加熱されて、「す」のないプリンの製造が、短時間に、簡便にできるようになった。
【発明の効果】
【0008】
家庭で、簡単に、易しく、電子レンジ加熱1分でプリンが作れるようになった。
【従来の製造方法例】
【0009】
<材料> プリンカップ 2個分
牛乳 120cc
卵 1個(60g)
砂糖 大さじ1
バニラエッセンス 2〜3滴
メイプルシロップ 小さじ2
<作り方>
▲1▼ ボウルに卵、砂糖、バニラエッセンスを入れて泡立て器でほぐし、牛乳を加えてよく混ぜる。
卵がほぐれたら、茶こしでこす。
▲2▼ 耐熱プリンカップに、▲1▼の液を半分ずつ流す。
(耐熱プリンカップは金属製、内側表面にテフロン加工をしているものが多い。)
▲3▼ 天板に耐熱プリンカップを並べ、熱湯を1cm深さ注ぎ、160℃のオーブンで30〜35分、▲2▼の液が固まるまで焼く。
▲4▼ 皿にとり出して、メイプルシロップをかける。
【発明された電子レンジ用プリンカップによる製造方法例】
【0010】
<材料>および<作り方>の▲1▼までは、従来の製造方法に同じ。
▲2▼ 電子レンジ用プリンカップに▲1▼の液を半分ずつ流し、ふたをする。
▲3▼ 電子レンジのターンテーブルの中央に1個のせ、電子レンジ600Wで▲2▼の液が固まるまで(1分程度)加熱。
2個目も同様にする。
▲4▼ とり出してメイプルシロップをかける。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レンジでプリンを製造するときに、プリンの周辺部分に加熱むらによる「す」がたつことを防止するために、耐熱ガラス等で作られたプリンカップとセットになった、周辺部にアルミ等の金属箔を円形帯状に封入あるいは貼付したふた。
金属箔の外周の直径はプリンカップの直径の100分の90以上、金属箔の内周の直径はプリンカップの直径の100分の50以上であるもの。

【公開番号】特開2008−13251(P2008−13251A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−212593(P2006−212593)
【出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(592024136)株式会社ムラカミアソシェーツ (3)
【Fターム(参考)】