説明

電子レンジ用耐熱食器

【課題】 電磁波によって食品とともに迅速に加熱され、両方が相俟って調理の迅速化を図ることができるとともに直火使用も可能な電子レンジ用耐熱食器を提供する。
【解決手段】 珪石、カリ長石及びカリオンからなる陶磁器はい土に、スポジュメン、リチウム長石、マイカ及び鉄粉を混合し水を添加して食器形状に成形し、焼成してなる電子レンジ用耐熱食器、好ましくは、珪石7重量%、カリ長石6重量%、カリオン7重量%、スポジュメン35重量%、リチウム長石15重量%、マイカ10重量%、鉄粉20重量%からなる電子レンジ用耐熱食器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジ用耐熱食器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、炭化珪素を主材とし、焼結材、低膨張焼結材及び成形保持材、水を添加混合して皿上に成形し、焼成してなる電子レンジ用耐熱皿が提案されている(特許文献1)。
【0003】
前記電子レンジ用耐熱皿は、電子レンジによる電磁波を受けると皿上の食材が電磁波によって直接加温されると同時に上記皿の炭化珪素の振動による皿の急熱高温化が瞬間的に行われ、食材の焼成時間を短縮し、かつ食材の食味を低下せず、迅速に調理し得る効果がある、としている。
【特許文献1】特許第3650373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電磁波によって迅速に加熱されて調理の効率化を図ることができるとともに直火使用も可能な電子レンジ用耐熱食器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明の電子レンジ用耐熱食器は、珪石、カリ長石及びカリオンからなる陶磁器はい土に、スポジュメン(リチウム輝石)、リチウム長石、マイカ(雲母)に鉄粉を混合し水を添加して食器形状に成形し、焼成してなることを特徴とする(請求項1)。
【0006】
前記本発明の電子レンジ用食器では、珪石は耐火材として、カリ長石は焼成温度を下げる媒溶材として、また、カリオンは成形材として混合される。
【0007】
また、スポジュメン(リチウム輝石)及びリチウム長石は低膨張材料として混合され、マイカ(雲母)は焼成温度を下げる媒溶材として混合され、鉄粉は発熱材として混合される。
【0008】
前記請求項1に記載の電子レンジ用耐熱食器は、鉄粉を混合したことにより電磁波によって食品とともに迅速に加熱され、したがって調理の効率化を図ることができるとともに加熱によりひび割れを生じることがなく直火使用も可能である。
【0009】
本発明の好ましい実施の一形態は、珪石7重量%、カリ長石6重量%、カリオン7重量%、スポジュメン35重量%、リチウム長石15重量%、マイカ10重量%、鉄粉20重量%よりなる請求項1に記載の電子レンジ用耐熱食器である(請求項2)。
【0010】
この実施の一形態によれば、前記本発明が目的とする調理の迅速化と直火使用可能な高品質の電子レンジ用耐熱食器を提供することができる。
【発明の効果】
【0011】
前記本発明の電子レンジ用耐熱食器によれば、鉄粉の混合により電磁波によって食品とともに迅速に加熱され、両方が相俟って調理の効率化を図ることができるとともに直火使用の場合もひび割れが生じることがない効果をえることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の一形態を説明する。
【0013】
本発明の電子レンジ用耐熱食器は、珪石、カリ長石及びカリオンの陶磁器はい土に、スポジュメン、リチウム長石、マイカ及び鉄粉を混合し水を添加して食器形状に成形し、焼成して構成される。すなわち、本発明では、発熱材として鉄粉が混合される。
【0014】
具体的には、陶磁器はい土として、珪石7重量%、カリ長石6重量%、カリオン7重量%が準備され、該陶磁器はい土にスポジュメン35重量%、リチウム長石15重量%、マイカ10重量%及び鉄粉20重量%を均一に混合し、さらに水を添加して食器形状に成形し、焼成を行ことにより本発明の電子レンジ用耐熱食器が完成する。なお、焼成温度は1250℃である。
【0015】
上記により完成した本発明の電子レンジ用耐熱食器は、電子レンジはもとより直火使用も可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
珪石、カリ長石及びカリオンの陶磁器はい土に、スポジュメン、リチウム長石、マイカ及び鉄粉を混合し水を添加して食器形状に成形し、焼成してなることを特徴とする電子レンジ用耐熱食器。
【請求項2】
珪石7重量%、カリ長石6重量%、カリオン7重量%、スポジュメン35重量%、リチウム長石15重量%、マイカ10重量%、鉄粉20重量%からなることを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ用耐熱食器。