説明

電子冊子表示システム、電子冊子表示処理プログラム、及び電子冊子表示方法

【課題】 各々の利用者毎にオリジナルの目次見出し情報を提供することが可能な電子冊子表示システム、電子冊子表示処理プログラム、及び電子冊子表示方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、複数頁を有する電子冊子と、当該電子冊子に掲載される内容に応じて作成された複数の目次見出し情報とを表示する電子冊子表示システムであって、前記目次見出し情報と、前記電子冊子を閲覧する複数の利用者毎に固有の利用者情報と、を記憶する記憶手段と、前記電子冊子を閲覧する利用者を認識し、当該認識した利用者に対応する利用者情報を前記記憶手段から取得する利用者情報取得手段と、前記取得された利用者情報に基づいて、表示するべき前記目次見出し情報を複数選定し、当該選定した複数の目次見出し情報の表示順序を決定する表示順序決定手段と、前記決定された目次見出し情報の表示順序にしたがって前記目次見出し情報を表示する目次見出し情報表示手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数頁を有する電子冊子と、当該電子冊子により紹介される複数の商品の商品分類毎に対応する目次見出し情報とを表示する電子冊子表示システム等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から商品を紹介するカタログ等の印刷冊子が知られているが、近年では、このような印刷冊子がDTP(Desk Top Publishing)データやスキャンニング等によりデジタルデータ化され、そのデジタルデータをHTML(Hyper Text Markup Language),XML(eXtensible Markup Language)やFlashなどを利用した表現手法で変換したデジタルカタログ等の電子冊子が普及されはじめている。
【0003】
このような電子冊子は、例えばインターネット上におけるWebサーバから、パーソナルコンピュータ等の端末装置に対して提供され、当該端末装置において頁捲り可能に表示画面上に表示されるようになっている。更に、当該電子冊子に掲載される内容に応じて(沿って)作成された目次見出し情報が、電子冊子と共に表示されるようになっており、当該目次見出し情報により、利用者は、複数頁にわたる電子冊子の中から所望の内容が掲載された頁を迅速に探し出す(当該頁にジャンプする)ことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、通販カタログなどの大量頁数を有する電子冊子では、多くの利用者を対象にする特性上、個々の利用者にとって興味がない不要な頁や利用しない頁があり、目次見出し情報が表示されたとしても、その数が多くなるため、利用者は所望の内容が掲載された頁を迅速に探し出すことは困難であり、煩雑である。
【0005】
また、同じ通販会社から複数冊の電子冊子が提供されている場合、利用者は、複数冊の電子冊子の夫々の目次見出し情報を見て所望の内容が掲載された頁を探し出すことになるので、より一層煩雑であり、また、他の電子冊子の表示切替も面倒である。
【0006】
更にまた、個々の利用者にとって興味がない不要な頁や利用しない頁をも含んだ電子冊子が上記サーバから端末装置に送信されることになるので、利用者の端末装置のCPUの処理速度やサーバまでの有効帯域(データ転送速度)によっては、電子冊子のデータを端末装置にてダウンロードする速度が遅くなり、利用者に不快感を与えることになる。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、各々の利用者毎にオリジナルの目次見出し情報を提供することが可能な電子冊子表示システム、電子冊子表示処理プログラム、及び電子冊子表示方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数頁を有する電子冊子と、当該電子冊子に掲載される内容に応じて作成された複数の目次見出し情報とを表示する電子冊子表示システムであって、前記目次見出し情報と、前記電子冊子を閲覧する複数の利用者毎に固有の利用者情報と、を記憶する記憶手段と、前記電子冊子を閲覧する利用者を認識し、当該認識した利用者に対応する利用者情報を前記記憶手段から取得する利用者情報取得手段と、前記取得された利用者情報に基づいて、表示するべき前記目次見出し情報を複数選定し、当該選定した複数の目次見出し情報の表示順序を決定する表示順序決定手段と、前記決定された目次見出し情報の表示順序にしたがって前記目次見出し情報を表示する目次見出し情報表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子冊子表示システムにおいて、前記利用者情報は、前記利用者の商品購買履歴情報であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電子冊子表示システムにおいて、前記目次見出し情報は、前記電子冊子により紹介される複数の商品の商品分類毎に対応し、前記商品購買履歴情報には、前記商品分類毎に購入数量を示す購入数量情報が含まれており、前記表示順序決定手段は、前記購入数量情報に基づいて、前記購入数量が多い商品分類順に前記目次見出し情報の表示順序を決定することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の電子冊子表示システムにおいて、前記利用者情報は、前記利用者の嗜好情報又は前記利用者の取捨選択情報であることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の電子冊子表示システムにおいて、前記目次見出し情報は、前記電子冊子により紹介される複数の商品の商品分類毎に対応し、前記嗜好情報には、前記利用者が嗜好する商品分類を示す商品分類情報が含まれ、前記取捨選択情報には、前記利用者により取捨選択された商品分類を示す商品分類情報が含まれており、前記表示順序決定手段は、前記商品分類情報に基づいて、前記商品分類に対応する目次見出し情報を優先して選定することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の電子冊子表示システムにおいて、前記記憶手段は、複数の電子冊子毎に、前記目次見出し情報を記憶し、前記表示順序決定手段は、前記取得された利用者情報に基づいて、前記表示するべき目次見出し情報を、前記複数の電子冊子のうち少なくとも2以上の電子冊子毎に選定し、当該選定した複数の目次見出し情報の表示順序を決定し、前記目次見出し情報表示手段は、前記決定された目次見出し情報の表示順序にしたがって前記複数の電子冊子の目次見出し情報を一つの電子冊子の目次見出し情報として表示することを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の電子冊子表示処理プログラムは、請求項1乃至6の何れか一項に記載の電子冊子表示システムに含まれるコンピュータを、前記記憶手段、前記利用者情報取得手段、前記表示順序決定手段、及び前記目次見出し情報表示手段として機能させることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、複数頁を有する電子冊子と、当該電子冊子に掲載される内容に応じて作成された複数の目次見出し情報とを表示する電子冊子表示方法であって、前記目次見出し情報と、前記電子冊子を閲覧する複数の利用者毎に固有の利用者情報と、を記憶する工程と、前記電子冊子を閲覧する利用者を認識し、当該認識した利用者に対応する利用者情報を取得する工程と、前記取得された利用者情報に基づいて、表示するべき前記目次見出し情報を複数選定し、当該選定した複数の目次見出し情報の表示順序を決定する工程と、前記決定された目次見出し情報の表示順序にしたがって前記目次見出し情報を表示する工程と、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の電子冊子表示システムは、利用者により使用される端末装置と、当該端末装置がネットワークを介して接続可能なサーバと、を備え、前記サーバは、前記記憶手段、前記利用者情報取得手段、前記表示順序決定手段、及び、前記端末装置からの要求に応じて前記電子冊子、前記目次見出し情報、及び前記決定された目次見出し情報の表示順序に関する情報を前記ネットワークを介して前記端末装置に送信する送信手段と、を備え、前記端末装置は、前記サーバから送信されてきた前記情報を受信する受信手段、及び、前記目次見出し情報表示手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電子冊子を閲覧する利用者毎に固有の利用者情報に基づいて、表示するべき目次見出し情報を複数選定し、当該選定した複数の目次見出し情報の表示順序を決定し、決定された目次見出し情報の表示順序にしたがって目次見出し情報を表示するようにしたので、各々の利用者毎にオリジナルの目次見出し情報を提供することができ、利用者にとって興味がない不要な頁や利用しない頁に対応する目次見出し情報はないので、利用者は所望の内容が掲載された頁を迅速に探し出すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0019】
先ず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る電子冊子表示システムの構成及び機能について説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係る電子冊子表示システムの全体構成例を示す図である。
【0021】
図1に示すように、電子冊子表示システムSは、端末装置1と、情報提供サーバ2と、を備えて構成されている。なお、図1の例では、説明の便宜上、1つの端末装置1を示したが、実際にはこれより多くの端末装置が存在することになる。
【0022】
端末装置1は、インターネット等により構築されたネットワークNTを介してWEBサーバである情報提供サーバ2に接続して通信可能(例えば、通信プロトコルにTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いて、相互にデータの送受信が可能)になっている。
【0023】
図2は、情報提供サーバ2の概要構成例を示す図である。
【0024】
図2に示すように、情報提供サーバ2は、CPU、作業用のRAM(Random Access Memory)、データ及びプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)等を備える制御部21、各種情報を記憶する記憶手段としての記憶部(例えば、ハードディスクドライブ等からなる)22、ネットワークNTを介して他の装置との間で通信を行うための通信部(例えば、通信機器、通信ポート等)23等を備え、接続してきた端末装置1に対してネットワークNTを介して情報等を提供するWEBサーバである。
【0025】
制御部21は、例えば、CPUが、ROMや記憶部22に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、本発明の利用者情報取得手段、表示順序決定手段、及び送信手段等として機能し、後述する処理を実行するようになっている。
【0026】
また、記憶手段としての記憶部22には、電子冊子データベース22aと、利用者情報データベース22bとが構築されている。
【0027】
電子冊子データベース22aには、複数頁を有する電子冊子のデータ(例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)やXML(eXtensible Markup Language)で構成されたデータ、及びそこに貼り付けられる画像データ等)、当該電子冊子に掲載される内容に応じて作成された複数の目次見出し情報、及び、当該複数の目次見出し情報の表示順序を電子冊子の頁順に沿って設定された表示順序初期設定(デフォルト)情報等が記憶されている。
【0028】
なお、本実施形態においては、電子冊子として、商品カタログを例にとって説明するものとし、当該商品カタログには、これにより紹介される複数の商品についての商品情報が商品分類毎に掲載されている。また、本実施形態において、目次見出し情報は、上記商品分類毎に対応して設けられる。
【0029】
図3は、表示画面上に表示された商品カタログと、目次見出しの一例を示す図である。
【0030】
図3に示すように目次見出し51には、目次見出し情報として、「文具」、「家具」、「収納用品」、「お菓子」、「掃除用品」、「お中元」、及び「お歳暮」が表示順序初期設定(デフォルト)情報にしたがって上から順に表示(頁順に沿って表示)されている。そして、例えば、端末装置1の利用者が入力部を操作して所望の目次見出し情報を選択(指定)すると、その選択された目次見出し情報に対応する商品分類に属する商品の商品情報が掲載された頁が表示されることになる。
【0031】
利用者情報データベース22bには、商品カタログを閲覧する複数の利用者毎に固有の利用者情報が記憶されている。各利用者には、夫々固有の利用者IDが割り当てられており、各利用者情報には、夫々の利用者の利用者IDが対応付けられて管理されるようになっている。
【0032】
図4は、利用者情報データベース22bに記憶された利用者情報の一例を示す図である。
【0033】
図4に示すように、利用者情報には、利用者の商品購買履歴情報と、利用者の嗜好情報との少なくとも何れか一方が含まれている。
【0034】
商品購買履歴情報には、商品分類毎に購入数量を示す購入数量情報が含まれており、各利用者が端末装置1から商品カタログを閲覧して所望の商品を購入することにより、その商品の商品分類に対応する購入数量情報が登録(購入数量が積算)される。
【0035】
また、嗜好情報には、利用者が嗜好する商品分類を示す商品分類情報が含まれており、例えば、各利用者が端末装置1から嗜好する商品分類を設定することにより、その商品分類情報が登録されるか、或いは、システム運営者が各利用者に事前にアンケート等で嗜好する商品分類又は当該商品分類に紐付けられるべき情報を採取することにより、その商品分類情報が登録される。
【0036】
なお、各利用者が嗜好するか否かは別として、端末装置1から商品分類を取捨選択して設定してもよい。この場合、利用者が取捨選択した商品分類を取捨選択情報として、利用者情報データベース22bに記憶された利用者情報に含ませることになる(なお、取捨選択情報は、嗜好情報中に含ませても良いし、嗜好情報とは区別するようにしてもよい)。
【0037】
図5(A)は、各利用者が端末装置1から商品分類を設定する場合の表示例を示す図であり、図5(B)は、システム運営者により行われるアンケートの記入例を示す図である。図5(A)の例では、利用者が例えば嗜好する商品分類に対してチェックマークが付与されており、チェックマークが付与された商品分類が上記商品分類情報として登録されることになる。また、図5(B)の例では、商品分類に紐付けられるべき情報である「インテリア」及び「ファッション」にチェックマークが付与されており、チェックマークが付与された「インテリア」に紐付けられた商品分類「家具」及び「ファッション」に紐付けられた商品分類「水着特集」が上記商品分類情報として登録されることになる。
【0038】
利用者情報取得手段としての制御部21は、例えば接続してきた端末装置1の利用者(商品カタログを閲覧する利用者)を認識(例えば、例えばログイン時にネットワークNTを介して端末装置1から利用者ID及びパスワードを取得して認証することによる)、当該認識した利用者に対応する利用者情報を利用者情報データベース22bから取得するようになっている。
【0039】
また、表示順序決定手段としての制御部21は、取得された利用者情報に基づいて、表示するべき目次見出し情報を複数選定し、当該選定した複数の目次見出し情報の表示順序を決定するようになっている。つまり、表示順序初期設定情報により規定された目次見出し情報の表示順序に代えて、各々の利用者毎にオリジナルの目次見出し情報の表示順序が決定されることになる。言い換えれば、表示順序初期設定情報により設定された目次見出し情報の表示順序が、利用者毎に応じた表示順序に並び替えられることになる。
【0040】
また、送信手段としての制御部21は、端末装置1からの要求に応じて上記電子冊子の一例としての商品カタログのデータ及び上記目次見出し情報と共に、上記表示順序初期設定情報又は上記決定された利用者固有の目次見出し情報の表示順序に関する情報(以下、「表示順序利用者固有設定情報」という)をネットワークNTを介して端末装置1に送信するようになっている。
【0041】
図6は、端末装置1の概要構成例を示す図である。
【0042】
図6に示すように、端末装置1は、CPU、作業用のRAM、データ及びプログラムを記憶するROM等を備える制御部11、各種情報を記憶する記憶部(例えば、ハードディスクドライブ等からなる)12、ネットワークNTを介して他の装置との間で通信を行うための通信部(例えば、通信機器、通信ポート等)13、利用者が操作入力を行うための入力部(例えば、キーボード、マウス等)14、及び、商品カタログ及び目次見出し情報等を表示する表示部(例えば、液晶パネル等)15等を備えている。なお、端末装置1としては、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)等を適用することができる。
【0043】
制御部11は、例えば、CPUが、ROMや記憶部12に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、本発明の受信手段、及び目次見出し情報表示手段等として機能し、後述する処理を実行するようになっている。
【0044】
受信手段としての制御部11は、情報提供サーバ2から送信されてきた上記商品カタログのデータ及び上記目次見出し情報と、上記表示順序初期設定情報又は上記表示順序利用者固有設定情報を受信するようになっている。
【0045】
また、目次見出し情報表示手段としての制御部11は、上記決定された目次見出し情報の表示順序にしたがって目次見出し情報を表示部15に表示するようになっている。
【0046】
次に、図7を参照して、本実施形態に係る電子冊子表示システムSの動作について説明する。
【0047】
図7(A)は、端末装置1における制御部11の処理を示すフローチャートであり、図7(B)は、情報提供サーバ2における制御部21の処理を示すフローチャートである。
【0048】
利用者が端末装置1の入力部14を操作してブラウザを起動させ例えば情報提供サーバ2のURL(Uniform Resource Locator)を指定すると、端末装置1がネットワークNTを介して情報提供サーバ2に接続され、これに応じて情報提供サーバ2からログイン画面データが送信され、端末装置1の表示部15にログイン画面(図示せず)が表示される。
【0049】
このようにログイン画面が表示された状態において、利用者は入力部14を操作して自己の利用者ID及びパスワードを入力して実行ボタンを押下すると、端末装置1は、ネットワークNTを介して利用者ID及びパスワードを情報提供サーバ2に送信する(ステップS1)。
【0050】
これに対して、情報提供サーバ2の制御部21は、端末装置1から送信されてきた利用者ID及びパスワードを受信すると(ステップS11)、認証処理を実行、つまり、利用者ID及びパスワードが利用者情報データベース22bに登録されているか否かを判断し(ステップS12)、登録されている場合には(ステップS12:Y)、端末装置1の利用者(利用者ID)を認識し、ステップS13に移行する。一方、登録されていない場合には(ステップS12:N)、当該処理を終了する(なお、この場合、エラーメッセージを端末装置1に送信して表示させるようにしてもよい)。
【0051】
ステップS14では、制御部21は、認識した利用者IDに対応する利用者情報が利用者情報データベース22bに登録されているか否かを判別し、登録されている場合には(ステップS13:Y)、商品購買履歴情報又は嗜好情報を利用者情報データベース22bから取得(RAMに記憶)する(ステップS14)。一方、利用者情報が利用者情報データベース22bに登録されていない場合には(ステップS13:N)、ステップS17に移行される。
【0052】
なお、商品購買履歴情報と嗜好情報とのどちらを取得するかは、情報提供サーバ2側、或いは、端末装置1側で任意に設定可能である。また、商品購買履歴情報と嗜好情報との双方が取得されるようにしても良い。
【0053】
次いで、制御部21は、取得した商品購買履歴情報又は嗜好情報(或いは、商品購買履歴情報及び嗜好情報の組合せ)に基づいて、表示するべき目次見出し情報を複数選定し、当該選定した複数の目次見出し情報の表示順序を決定し(ステップS15)、表示順序利用者固有設定情報を生成する。
【0054】
ここで、商品購買履歴情報が取得された場合、制御部21は、購入数量情報に基づいて、表示するべき目次見出し情報を複数選定し、購入数量が多い商品分類順に目次見出し情報の表示順序を決定する。例えば、表示順序初期設定情報により設定された目次見出し情報と同一又はこれより少ない数(例えば、購入数量が10以上の商品分類の数)の商品分類に対応する目次見出し情報が選定され、購入数量が多い商品分類順(例えば、図4の例では、「お菓子」、「収納用品」、「掃除用品」の順)に目次見出し情報の表示順序が決定される。
【0055】
また、嗜好情報が選定された場合、制御部21は、商品分類情報に基づいて、利用者が嗜好する商品分類に対応する目次見出し情報を優先して選定する。例えば、商品分類情報として登録された商品分類に対応する目次見出し情報のみが選定され、当該選定された複数の目次見出し情報の表示順序が決定される。この場合の目次見出し情報の表示順序は、表示順序初期設定情報にて設定された表示順序と同一であっても良いし、或いは、購入数量が多い商品分類順(商品購買履歴情報をも取得された場合)であっても良い。
【0056】
なお、上述したように、制御部21は、利用者により取捨選択された商品分類を示す商品分類情報に基づいて、当該商品分類に対応する目次見出し情報を優先して選定するように構成してもよい。
【0057】
なお、選定される目次見出し情報の数が予め決まっている場合(例えば、20と決まっている場合)に、商品分類情報として登録された商品分類に対応する目次見出し情報がその数に満たないとき(例えば、15しかないとき)、商品分類情報として登録された商品分類に対応する目次見出し情報に加えて、登録されていない商品分類に対応する目次見出し情報をも選定される。
【0058】
また、別の例として、購入数量情報に基づいて、購入数量が多い上位所定数分の商品分類に対応する目次見出し情報を選定した後、その選定された目次見出し情報中から、商品分類情報に基づいて、利用者が嗜好する商品分類に対応する目次見出し情報のみを選定して、当該選定された複数の目次見出し情報の表示順序を決定する(例えば、購入数量が多い商品分類順)ように構成しても良い。
【0059】
次いで、制御部21は、上記商品カタログのデータ及び上記目次見出し情報を電子冊子データベース22aから取得し、当該商品カタログのデータ及び目次見出し情報と、上記生成した表示順序利用者固有設定情報をネットワークNTを介して端末装置1に送信し(ステップS16)、当該処理を終了する。
【0060】
一方、ステップS17では、制御部21は、上記商品カタログのデータ、上記目次見出し情報、及び上記表示順序初期設定情報を電子冊子データベース22aから取得し、これらの情報をネットワークNTを介して端末装置1に送信し、当該処理を終了する。
【0061】
これに対し、端末装置1の制御部11は、情報提供サーバ2から送信されてきた上記商品カタログのデータ及び上記目次見出し情報と、上記表示順序初期設定情報又は上記表示順序利用者固有設定情報を受信すると(ステップS2:Y)、受信された商品カタログを表示部15における表示画面上に表示すると共に、受信された上記表示順序初期設定情報又は上記表示順序利用者固有設定情報にて規定された目次見出し情報の表示順序にしたがって目次見出し情報を表示部15の表示画面上に表示する(ステップS3)。
【0062】
図8は、表示画面上に表示された商品カタログと、上記表示順序利用者固有設定情報にしたがって表示された目次見出しの一例を示す図である。
【0063】
図8に示すように目次見出し61には、目次見出し情報として、「お菓子」、「収納用品」、「掃除用品」が表示順序利用者固有設定情報にしたがって上から順に表示されている。図3に示す表示順序初期設定情報にしたがって表示された目次見出しの表示例と比較すると分かるように、目次見出し情報の数及びその表示順序が変わっており、利用者オリジナルの目次見出しになっている。
【0064】
そして、ステップS4における商品カタログの頁捲り処理では、例えば、端末装置1の利用者が入力部14を操作して所望の目次見出し情報を指定することにより、指定された目次見出し情報に対応する商品分類に属する商品の商品情報が掲載された頁が表示される。また、端末装置1の利用者が入力部14を操作して例えば次頁へボタンを指定することにより、表示されている頁が進んで次の頁が表示される。
【0065】
以上説明したように、上記実施形態によれば、商品カタログを閲覧する利用者毎に固有の利用者情報に基づいて、表示するべき目次見出し情報を複数選定し、当該選定した複数の目次見出し情報の表示順序を決定し、決定された目次見出し情報の表示順序にしたがって目次見出し情報を表示するようにしたので、各々の利用者毎にオリジナルの目次見出し情報を提供することができ、利用者にとって興味がない不要な頁や利用しない頁に対応する目次見出し情報はないので、利用者は所望の内容が掲載された頁を迅速に探し出すことが可能となる。
【0066】
また、利用者情報として、利用者の商品購買履歴情報や利用者の嗜好情報を用いるようにしたので、より一層、各々の利用者に合ったオリジナルの目次見出し情報を提供することができる。
【0067】
なお、上記実施形態におけるステップS16おいて、全ての商品カタログのデータ及び上記目次見出し情報が端末装置1に送信されるのではなく、上記生成した表示順序利用者固有設定情報にて規定された目次見出し情報に対応する頁に係る商品カタログのデータ及び目次見出し情報(つまり、データ容量を低減させ)のみが端末装置1に送信されるように構成しても良い。このように構成すれば、個々の利用者にとって興味がない不要な頁や利用しない頁をも含んだ電子冊子が情報提供サーバ2から端末装置1に送信されないので、利用者の端末装置1のCPUの処理速度や情報提供サーバ2での有効帯域(データ転送速度)が小さくても、商品カタログのデータを端末装置1にてダウンロードする速度が速くなり、利用者に不快感を与えることを防止することができる。
【0068】
また、上記実施形態におけるステップS16おいて、商品カタログのデータ及び目次見出し情報と、上記生成された表示順序利用者固有設定情報と共に、表示順序初期設定情報も端末装置1に送信されるように構成し、端末装置1においては、タブやボタン(カタログ閲覧ボタンとマイカタログ閲覧ボタン)を表示画面上に表示させ、端末装置1の利用者が入力部14によりタブやボタンを操作することにより、目次見出し情報の表示が、表示順序初期設定情報により規定された目次見出し情報の表示順序と、表示順序利用者固有設定情報により規定された目次見出し情報の表示順序とで切替えられるように構成しても良い。このように構成すれば、利用者共通の目次見出しと、利用者毎にオリジナルの目次見出しとの両方を適宜切り替えて見ることができる。
【0069】
また、上記実施形態においては、1つの商品カタログを端末装置1上で表示する場合を例にとって説明したが、複数の商品カタログの目次見出し情報を統合させて表示するように構成しても良い。この場合、夫々の商品カタログに対応する上記商品カタログのデータ、上記目次見出し情報、及び上記表示順序初期設定情報等が、商品カタログ毎に固有のIDが付与されて記憶されている。そして、利用者が、ログイン後に端末装置1上に表示された例えばメニュー画面を通じて、所望する少なくとも2以上の商品カタログを選択すると、その情報がネットワークNTを介して情報提供サーバ2に送信され、情報提供サーバ2における制御部21は、当該利用者の利用者情報(商品カタログ毎に登録)に基づいて、表示するべき目次見出し情報を、選択された複数の電子カタログのうち少なくとも2以上の電子カタログ毎に選定し、当該選定した複数の目次見出し情報の表示順序を決定する。
【0070】
図9は、複数の商品カタログの目次見出し情報を統合させて表示順序を決定する場合の一例を示した概念図である。
【0071】
図9の例では、商品カタログAの目次見出し情報である「商品分類R1」と、商品カタログBの目次見出し情報である「商品分類X2」と、商品カタログCの目次見出し情報である「商品分類Y3」と、商品カタログDの目次見出し情報である「商品分類Z4」とが選定(この場合も、上記実施形態と同様、商品購買履歴情報と嗜好情報との少なくとも何れか一方に基づき選定)されており、例えば購入数量が多い商品分類順に目次見出し情報の表示順序が決定されている。
【0072】
そして、こうして決定された目次見出し情報の表示順序が規定される表示順序利用者固有設定情報が、上記商品カタログA〜Dのデータ及び上記目次見出し情報と共に端末装置1に送信され、端末装置1の制御部11は、表示順序利用者固有設定情報にて規定された目次見出し情報の表示順序にしたがって複数の商品カタログの目次見出し情報を一つの商品カタログの目次見出し情報として表示する。
【0073】
図10は、複数の商品カタログの目次見出し情報を統合させて表示順序を決定する場合における、表示画面上に表示された商品カタログと、上記表示順序利用者固有設定情報にしたがって表示された目次見出しの一例を示す図である。図10に示すように目次見出し71では、複数のカタログの目次見出し情報が統合化されており、例えば、端末装置1の利用者が入力部14を操作して所望の目次見出し情報を指定することにより、指定された目次見出し情報に対応する商品カタログの商品分類に属する商品の商品情報が掲載された頁が表示されると共に、当該商品カタログを示す表示欄(例えば、図10に示す符号72部)がハイライト(強調)表示されることになる。
【0074】
このように複数の商品カタログの目次見出し情報を統合させて表示するように構成すれば、複数の商品カタログがあっても、夫々の商品カタログ自体の表示切替を行うことなく、利用者は、複数の商品カタログから所望の内容が掲載された頁を迅速に探し出すことが可能となる。
【0075】
また、上記実施形態においては、電子冊子として、商品カタログを例にとって説明したが、これに限定されるものではなく、目次見出しがある辞書や書籍等の冊子であれば、如何なるものに対しても適用可能である。
【0076】
また、上記実施形態においては、利用者情報として、商品購買履歴情報及び嗜好情報を例にとって説明したが、これに限定されるものではなく、利用者の操作履歴等、利用者毎に変化するような情報であれば如何なるものに対しても適用可能である。
【0077】
また、上記実施形態においては、端末装置1と情報提供サーバ2により構成された電子冊子表示システムSに対して本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、スタンドアローン型のコンピュータに対しても適用可能(この場合、当該コンピュータは、本発明の電子冊子表示処理プログラムを実行することにより、本発明における記憶手段、利用者情報取得手段、表示順序決定手段、及び目次見出し情報表示手段として機能する。
【0078】
また、上記実施形態においては、情報提供サーバ2が、取得された利用者情報に基づいて、表示するべき目次見出し情報を複数選定し、当該選定した複数の目次見出し情報の表示順序を決定するように構成したが、別の例として、端末装置1が情報提供サーバから利用者情報及び表示順序初期設定情報を取得し、表示するべき目次見出し情報を複数選定し、当該選定した複数の目次見出し情報の表示順序を決定するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本実施形態に係る電子冊子表示システムの全体構成例を示す図である。
【図2】情報提供サーバ2の概要構成例を示す図である。
【図3】表示画面上に表示された商品カタログと、目次見出しの一例を示す図である。
【図4】利用者情報データベース22bに記憶された利用者情報の一例を示す図である。
【図5】(A)は、各利用者が端末装置1から嗜好する商品分類を設定する場合の表示例を示す図であり、(B)は、システム運営者により行われるアンケートの記入例を示す図である。
【図6】端末装置1の概要構成例を示す図である。
【図7】(A)は、端末装置1における制御部11の処理を示すフローチャートであり、(B)は、情報提供サーバ2における制御部21の処理を示すフローチャートである。
【図8】表示画面上に表示された商品カタログと、上記表示順序利用者固有設定情報にしたがって表示された目次見出しの一例を示す図である。
【図9】複数の商品カタログの目次見出し情報を統合させて表示順序を決定する場合の一例を示した概念図である。
【図10】複数の商品カタログの目次見出し情報を統合させて表示順序を決定する場合における、表示画面上に表示された商品カタログと、上記表示順序利用者固有設定情報にしたがって表示された目次見出しの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
1 端末装置
2 情報提供サーバ
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 入力部
15 表示部
21 制御部21
22 記憶部22
22a 電子冊子データベース
22b 利用者情報データベース
NT ネットワーク
S 電子冊子表示システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数頁を有する電子冊子と、当該電子冊子に掲載される内容に応じて作成された複数の目次見出し情報とを表示する電子冊子表示システムであって、
前記目次見出し情報と、前記電子冊子を閲覧する複数の利用者毎に固有の利用者情報と、を記憶する記憶手段と、
前記電子冊子を閲覧する利用者を認識し、当該認識した利用者に対応する利用者情報を前記記憶手段から取得する利用者情報取得手段と、
前記取得された利用者情報に基づいて、表示するべき前記目次見出し情報を複数選定し、当該選定した複数の目次見出し情報の表示順序を決定する表示順序決定手段と、
前記決定された目次見出し情報の表示順序にしたがって前記目次見出し情報を表示する目次見出し情報表示手段と、
を備えることを特徴とする電子冊子表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子冊子表示システムにおいて、
前記利用者情報は、前記利用者の商品購買履歴情報であることを特徴とする電子冊子表示システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電子冊子表示システムにおいて、
前記目次見出し情報は、前記電子冊子により紹介される複数の商品の商品分類毎に対応し、
前記商品購買履歴情報には、前記商品分類毎に購入数量を示す購入数量情報が含まれており、
前記表示順序決定手段は、前記購入数量情報に基づいて、前記購入数量が多い商品分類順に前記目次見出し情報の表示順序を決定することを特徴とする電子冊子表示システム。
【請求項4】
請求項1に記載の電子冊子表示システムにおいて、
前記利用者情報は、前記利用者の嗜好情報又は前記利用者の取捨選択情報であることを特徴とする電子冊子表示システム。
【請求項5】
請求項4に記載の電子冊子表示システムにおいて、
前記目次見出し情報は、前記電子冊子により紹介される複数の商品の商品分類毎に対応し、
前記嗜好情報には、前記利用者が嗜好する商品分類を示す商品分類情報が含まれ、前記取捨選択情報には、前記利用者により取捨選択された商品分類を示す商品分類情報が含まれており、
前記表示順序決定手段は、前記商品分類情報に基づいて、前記商品分類に対応する目次見出し情報を優先して選定することを特徴とする電子冊子表示システム。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の電子冊子表示システムにおいて、
前記記憶手段は、複数の電子冊子毎に、前記目次見出し情報を記憶し、
前記表示順序決定手段は、前記取得された利用者情報に基づいて、前記表示するべき目次見出し情報を、前記複数の電子冊子のうち少なくとも2以上の電子冊子毎に選定し、当該選定した複数の目次見出し情報の表示順序を決定し、
前記目次見出し情報表示手段は、前記決定された目次見出し情報の表示順序にしたがって前記複数の電子冊子の目次見出し情報を一つの電子冊子の目次見出し情報として表示することを特徴とする電子冊子表示システム。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の電子冊子表示システムに含まれるコンピュータを、
前記記憶手段、前記利用者情報取得手段、前記表示順序決定手段、及び前記目次見出し情報表示手段として機能させることを特徴とする電子冊子表示処理プログラム。
【請求項8】
複数頁を有する電子冊子と、当該電子冊子に掲載される内容に応じて作成された複数の目次見出し情報とを表示する電子冊子表示方法であって、
前記目次見出し情報と、前記電子冊子を閲覧する複数の利用者毎に固有の利用者情報と、を記憶する工程と、
前記電子冊子を閲覧する利用者を認識し、当該認識した利用者に対応する利用者情報を取得する工程と、
前記取得された利用者情報に基づいて、表示するべき前記目次見出し情報を複数選定し、当該選定した複数の目次見出し情報の表示順序を決定する工程と、
前記決定された目次見出し情報の表示順序にしたがって前記目次見出し情報を表示する工程と、
を備えることを特徴とする電子冊子表示方法。
【請求項9】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の電子冊子表示システムは、利用者により使用される端末装置と、当該端末装置がネットワークを介して接続可能なサーバと、を備え、
前記サーバは、前記記憶手段、前記利用者情報取得手段、前記表示順序決定手段、及び、前記端末装置からの要求に応じて前記電子冊子、前記目次見出し情報、及び前記決定された目次見出し情報の表示順序に関する情報を前記ネットワークを介して前記端末装置に送信する送信手段と、を備え、
前記端末装置は、前記サーバから送信されてきた前記情報を受信する受信手段、及び、前記目次見出し情報表示手段を備えることを特徴とする電子冊子表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−72763(P2007−72763A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−259168(P2005−259168)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】