説明

電子写真機器用ロール収容容器

【課題】強度に優れ、且つより多くの電子写真機器用ロールが効率的に収容可能な電子写真機器用ロール収容容器を提供する。
【解決手段】断面台形状の凹溝24と凸条26とが交互に位置せしめられた波形部22を備えた複数のシート部材10が互いに積み重ねられて、互いに隣り合うシート部材10の間に凹溝24と凸条26とからなる六角セルが複数並列せしめられたハニカム構造をもって構成すると共に、かかる六角セルにて、電子写真機器用ロール12の積層体16を収容する積層体収容部62を形成して、構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真機器用ロール収容容器に係り、特に、軸体の外周面上に単層又は複層の積層体が形成されてなる電子写真機器用ロールを収容する容器の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子写真方式を利用した複写機やプリンタ等の電子写真機器には、帯電ロールや現像ロール、転写ロール、定着ロール、トナー供給ロール、給紙ロール等の、所謂電子写真機器用ロールが、使用されている。それらの電子写真機器用ロールは、一般に、軸体(芯金)の外周面上に、例えば、低硬度のゴム層からなる単層の積層体や、かかるゴム層と、その外周面上に積層された抵抗調整層や保護層等とからなる複層の積層体が形成された構造、或いは軸体の外周面上に、マグネットピースからなる単層の積層体や、かかるマグネット層と、その外周面上に積層(外挿)された保護スリーブ等とからなる複層の積層体が形成された構造を有している。
【0003】
ところで、かかる電子写真機器用ロールにおいては、軸体の外周面上に形成される積層体の表面に傷や汚れ等があると、電子写真機器の形成画像に対して悪影響を及ぼす。そこで、従来から、そのような電子写真機器用ロールの保管や搬送に際しては、専用の収容容器が用いられている。この電子写真機器用ロール収容容器には、各種の構造のものがあり、その中の一種として、軸体の外周面上に形成される積層体を非接触で収容可能な容器が、下記特許文献1等において明らかにされている。
【0004】
この収容容器は、全体として略長手矩形状を呈する合成樹脂製の複数のシート部材からなっている。かかるシート部材の一方の面上には、長手方向に延びる板状の仕切部が、長手方向とは直角な方向において互いに所定距離を隔てて対向配置された状態で複数立設されており、それら複数の仕切部の互いに隣り合うもの同士の間に形成される、各仕切部を側壁とした凹所が、電子写真機器用ロールの積層体よりも一周り大きな容積を有する積層体収容部とされている。また、各仕切部を間に挟んで長手方向両側に位置する、シート部材の外周部位には、仕切部の相互の対向方向(長手方向と直角な方向)に延出して、互いに隣り合う仕切部の端面同士を連結する板状の連結部が、それぞれ設けられている。更に、それら各連結部のうち、隣り合う仕切部間の略中央に位置する部分には、略半割円筒状の内周面を備えた凹部からなる軸体保持部が、それぞれ設けられている。
【0005】
かくして、かくの如き構造とされたシート部材の積層体収容部内に、電子写真機器用ロールの積層体が収容されると共に、かかる積層体の軸方向両側の端面からそれぞれ突出する第一の軸体端部と第二の軸体端部とが、各連結部の軸体保持部に載置されて、保持されるようになっている。そして、そのような電子写真機器用ロールを収容保持したシート部材の複数が、仕切部の頂部と、凹所からなる積層体収容部の底部とを互いに突き合わせるように積み重ねられることによって、収容容器が、その内部に多数の電子写真機器用ロールを内部に収容した状態で形成されるようになっているのである。
【0006】
ところが、そのような従来の電子写真機器用ロール収容容器の構造について、本発明者等が様々な角度から検討を行ったところ、かかる従来容器には、それを構成する複数のシート部材のそれぞれにおける積層体収容部内や、隣り合う積層体収容部同士の間に位置する仕切部の内側等に余分なスペースが存在しており、そのために、電子写真機器用ロールの収容効率が低く、しかも、複数のシート部材を多段積みした状態での強度が不十分であるといった問題が内在していることが判明したのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−269345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、強度に優れ、しかも、より多くの電子写真機器用ロールが効率的に収容可能な電子写真機器用ロール収容容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記した課題、又は本明細書全体の記載や図面から把握される課題を解決するために、以下に列挙する各種の態様において、好適に実施され得るものである。また、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいても、採用可能である。そして、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載並びに図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
【0010】
(1) 軸体の外周面上に積層体が形成されてなる電子写真機器用ロールを収容する収容容器であって、かかる電子写真機器用ロールの積層体の軸方向一方側の端面から突出する第一の軸体端部を保持する第一の軸体保持部と、該積層体の軸方向他方側の端面から突出する第二の軸体端部を保持する第二の軸体保持部と、それら第一の軸体保持部と第二の軸体保持部との間に位置して、該積層体を非接触で収容する積層体収容部とを有してなるものにおいて、断面台形状の凹溝と凸条とが交互に位置せしめられてなる波形部を備えたシート部材の複数が、それぞれの波形部の凸条の頂部と凹溝の底部とを互いに突き合わせるように積み重ねられることにより、それら積み重ねられたシート部材の互いに隣り合うもの同士の間に、該シート部材の積重ね方向において互いに対応位置する該凹溝と該凸条とにて形成された六角セルが複数並列せしめられてなるハニカム構造を有していると共に、前記積層体収容部が、該複数の六角セルのそれぞれにて構成されていることを特徴とする電子写真機器用ロール収容容器。なお、本発明において、六角セルは、正六角形形状を呈するセルと、正六角形に近似した六角形形状を呈するセルの両方を含んだものを言う。
【0011】
(2) 前記複数のシート部材が、互いに同一の形状を有している上記態様(1)に記載の電子写真機器用ロール収容容器。
【0012】
(3) 前記第一の軸体端部の外周面に接触する第一の外周面接触部と、前記第二の軸体端部の外周面に接触する第二の外周面接触部と、該第一の軸体端部の端面に接触する第一の端面接触部と、該第二の軸体端部の端面に接触する第二の端面接触部とが設けられて、該第一及び第二の軸体端部の外周面に対する該第一及び第二の外周面接触部の接触により、前記電子写真機器用ロールの軸直角方向への移動が規制されるようになっていると共に、該第一及び第二の軸体端部の端面に対する該第一及び第二の端面接触部の接触により、該電子写真機器用ロールの軸方向への移動が規制されるようになっている上記態様(1)又は(2)に記載の電子写真機器用ロール収容容器。
【0013】
(4) 前記シート部材の前記凹溝の開口側の面における、該凹溝を間に挟んでその延出方向の両側に位置する部位と、該シート部材の該凹溝の開口側とは反対側の面における、前記凸条を間に挟んでその延出方向の両側に位置する部位とに対して、挟持部がそれぞれ設けられ、そして、該シート部材の複数のものの前記積重ね状態下で、前記電子写真機器用ロールの前記第一の軸体端部と前記第二の軸体端部とが、該凹溝の両側に設けられた該挟持部と該凸条の両側に設けられた該挟持部との間で挟持されるようになっていることにより、前記第一の軸体保持部と前記第二の軸体保持部とが、該第一の軸体端部と該第二の軸体端部とをそれぞれ挟持する挟持部にて構成されている上記態様(1)乃至(3)のうちの何れか一つに記載の電子写真機器用ロール収容容器。
【0014】
(5) 前記シート部材の前記波形部を間に挟んだ両側の部位のうちの何れか一方に、係合凹部が設けられる一方、それらのうちの少なくとも何れか他方に、該係合凹部内に突入して、該係合凹部の内周面に係合可能な係合凸部が設けられて、該シート部材の複数のものの前記積重ね状態下で、互いに隣り合う該シート部材のうちの一方の前記係合凹部に対して、それらのうちの他方の前記係合凸部が係合せしめられることにより、互いに積み重ねられた該シート部材の積重ね方向に対する直角方向での相対移動が阻止されるようになっている上記態様(1)乃至(4)のうちの何れか一つに記載の電子写真機器用ロール収容容器。
【0015】
(6) 前記複数のシート部材が前記ハニカム構造を有するように積み重ねられたときのみにおいて、予め設定された位置に位置せしめられるマーカー部が、該シート部材に設けられている上記態様(1)乃至(5)のうちの何れか一つに記載の電子写真機器用ロール収容容器。
【発明の効果】
【0016】
すなわち、本発明に従う電子写真機器用ロール収容容器にあっては、互いに積み重ねられるシート部材の対応する断面六角形状の凹溝と凸条とにて、六角セルからなる積層体収容部が形成され、また、この六角セルが複数並列せしめられてなるハニカム構造を有して構成されている。それ故、収容容器内に、より多くの積層体収容部が、効率的に設けられ得る。また、例えば、断面矩形状を呈する凹溝と凸条とにて、断面矩形状の積層体収容部が形成されてなる従来容器や、凹溝と凸条とが断面台形状を呈するものの、それらにて形成される積層体収容部が、何等六角形状を呈するものでない従来容器等とは異なって、本発明容器では、六角セルからなる積層体収容部の各側壁部に掛かる電子写真機器用ロールの荷重が有利に分解され、以て、それら積層体収容部の各側壁部に作用するせん断応力が効果的に小さく為され得る。そして、その結果、本発明容器では、積層体収容部が六角形状のセル構造とは異なる構造を有する従来容器に比して、耐荷重性や耐衝撃性等において優れた特性が発揮され得ることとなる。
【0017】
従って、かくの如き本発明に従う電子写真機器用ロール収容容器にあっては、シート部材が多段積みされた状態下において、従来容器では到底得られない高い強度が確保され得るのであり、しかも、より多くの電子写真機器用ロールを極めて効率的に収容することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に従う電子写真機器用ロール収容容器の一実施形態を示す説明図であって、かかる容器内に収容される電子写真機器用ロールの軸直角方向に対応した方向での断面で、且つ図3におけるA−A断面に相当する断面形態を示している。
【図2】図1におけるB−B断面説明図である。
【図3】図1に示された電子写真機器用ロール収容容器を構成するシート部材の上面説明図である。
【図4】図3におけるC−C断面説明図である。
【図5】図3におけるD−D断面説明図である。
【図6】図1に示された電子写真機器用ロール収容容器を形成する際に実施される一工程例を示す説明図であって、図3に示されたシート部材の2個のものを互いに積み重ねて、収容ユニットを形成した状態を示している。
【図7】図6に示される収容ユニットの軸方向断面を部分的に拡大して示す説明図である。
【図8】図6に示される工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、(a)は、図6に示される収容ユニットの上部に電子写真機器用ロール(図中、二点鎖線で示す)を配置したときの状態を示し、(b)は、かかる収容ユニットに対して、別の収容ユニットを積み重ねた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0020】
先ず、図1及び図2には、本発明に従う構造を有する電子写真機器用ロール収容容器の一実施形態としての複写機の帯電ロール収容容器が、それに収容される帯電ロールの軸直角方向と軸方向とに対応した方向での縦断面形態において、それぞれ示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態の収容容器は、複数(ここでは6個)のシート部材10を有し、それら複数のシート部材10が、図1及び図2での上下方向において複数段に積み重ねられて、構成されている。そして、それら互いに積み重ねられたシート部材10のうちの上下方向に互いに隣り合うシート部材10同士の間に、帯電ロール12(図1及び図2に二点鎖線で示す)が収容可能とされている。本実施形態の収容容器内に収容される帯電ロール12は、軸体14の外周面上に、ゴム層と抵抗調整層と保護層とからなる積層体16が積層されると共に、かかる積層体16の軸方向両側の端面から、第一の軸体端部18と第二の軸体端部20とが突出せしめられてなる、従来と同様な構造を有している。なお、以下からは、本実施形態の収容容器及びそれを構成するシート部材10において、図1及び図2の上下方向に対応する方向を、便宜上、上下方向と言うこととする。
【0021】
より具体的には、本実施形態の収容容器を構成するシート部材10は、例えば、ポリ塩化ビニルや、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等の樹脂材料を用いて形成された透明な樹脂成形体からなっている。そして、かかるシート部材10は、図3に示されるように、全体として、略長手矩形状を呈し、その外周部から内側に入り込んだ部分に、波形部22が形成されている。
【0022】
この波形部22は、図3及び図4から明らかなように、シート部材10の上面において開口する断面台形状を有して、シート部材10の長手方向(図3の左右方向で、図4の紙面に垂直な方向)に延びる凹溝24と、この凹溝24と同じ台形の断面形状をもって上方に突出して、シート部材10の長手方向に延びる凸条26とが、シート部材10の幅方向(図3の上下方向で、図4の左右方向)において交互に位置するように複数個ずつ(ここでは、6個ずつ)設けられてなる構造とされている。
【0023】
また、凹溝24は、帯電ロール12の積層体16の軸方向長さよりも長く且つその軸体14よりも短い長さと、積層体16の直径よりも大きな最大幅と、積層体16の半径よりも大きな深さとを有している。一方、凸条26も、帯電ロール12の積層体16の軸方向長さよりも長く且つその軸体14よりも短い長さと、積層体16の直径よりも大きな最大幅と、積層体16の半径よりも大きな高さとを有している。
【0024】
これにより、凹溝24の底部28と二つの側壁部30,30とにて囲まれた内側空間が、帯電ロール12の積層体16の軸方向に二分割した半割部分と、積層体16の両側端面から突出する第一の軸体端部18と第二の軸体端部20のそれぞれの積層体16側の一部とを収容可能な大きさとされている。また、シート部材10の下面側において、凸条26の頂部32と二つの側壁部30,30とに囲まれてなる、凸条26の内側空間も、帯電ロール12の積層体16の軸方向に二分割した半割部分と、積層体16の両側端面から突出する第一の軸体端部18と第二の軸体端部20のそれぞれの積層体16側の一部とを収容可能な大きさとされている。なお、ここでは、凹溝24の底部28の幅:W1 や凸条26の頂部32の幅:W2 が、それらの側壁部30のそれぞれの長さ:Lよりも所定寸法小さくされている。
【0025】
かくして、本実施形態では、シート部材10の上面側に、凹溝24からなる第一積層体収容部形成凹所34が、凹溝24と同数だけ形成されていると共に、その下面側にも、凸条26におけるシート部材10の下面側の内面部分からなる第二積層体収容部形成凹所36が、凸条26と同数だけ形成されている。そして、それら第一積層体収容部形成凹所34と第二積層体収容部形成凹所36は、シート部材10の幅方向において交互に位置せしめられている。
【0026】
図3乃至図5に示されるように、第一積層体収容部形成凹所34を形成する凹溝24の底部28の下面には、下方に向かって開口し、且つ半割円筒体の外周面形状に対応した形状の底面を有する凹部38が、積層体収容部形成凹所34の長さ方向において互いに等間隔を隔てて、複数個(ここでは6個)設けられている。一方、第二積層体収容部形成凹所36を形成する凸条26の頂部32の上面には、その長さ方向の複数箇所(ここでは6箇所)に、他の部分よりも一段高くされた凸部40が、それぞれ1個ずつ形成されている。なお、頂部32の上面からの凸部40の突出高さが、凹部38の最小深さと略同一の寸法とされている。
【0027】
また、シート部材10の上面における波形部22を間に挟んだ長さ方向両側の端部には、挟持部としての第一挟持突起42が、各第一積層体収容部形成凹所34の長さ方向に延びる中心線の延長上に、それぞれ1個ずつ、上方に向かって突設されている。一方、シート部材10の下面における波形部22を間に挟んだ長さ方向両側の端部にも、挟持部としての第二挟持突起44が、各第二積層体収容部形成凹所36の長さ方向に延びる中心線の延長上に、それぞれ1個ずつ、下方に向かって突設されている。つまり、シート部材10の上面と下面のそれぞれの長さ方向両側端部に、複数の第一挟持突起42と第二挟持突起44とが、シート部材10の幅方向に等間隔を隔てて位置するように設けられている。そして、シート部材10の長さ方向において対応位置する第一挟持突起42同士の間に、第一積層体収容部形成凹所34がそれぞれ配置されている一方、シート部材10の長さ方向において対応位置する第二挟持突起44同士の間に、第二積層体収容部形成凹所36がそれぞれ配置されている。
【0028】
各第一積層体収容部形成凹所34の長さ方向両側に突設された第一挟持突起42は、第一積層体収容部形成凹所34の最大幅よりも小さな幅を有する平板形状を呈し、その突出先端面が、凸条26の頂部32の上面と同一の高さ位置に位置せしめられている。各第二積層体収容部形成凹所36の長さ方向両側に突設された第二挟持突起44は、第二積層体収容部形成凹所36の最大幅よりも小さな幅を有する平板形状を呈し、その突出先端面が、凹溝24の底部28の下面と同一の高さ位置に位置せしめられている。
【0029】
また、それら第一の挟持突起42と第二の挟持突起44のそれぞれの突出先端面の幅方向中央部には、帯電ロール12の軸体14の外径よりも極僅かに大きな内径を有する半割円筒状の内周面を備えた凹所がそれぞれ設けられている。そして、そのような第一及び第二の挟持突起42,44にそれぞれ設けられた凹所が、後述するようにして収容容器内に収容された複数の帯電ロール12のそれぞれの第一の軸体端部18の外周面や第二の軸体端部20の外周面の略半周部分に接触する外周面接触部46とされている。
【0030】
さらに、シート部材10の上面における波形部22を間に挟んだ長さ方向両側の端部には、端面接触部48が、第一挟持突起42を間に挟んで、第一積層体収容部形成凹所34(凹溝24)側とは反対側に、それぞれ1個ずつ位置するように、一体形成されている。つまり、シート部材10の上面の長さ方向両側の端部に、それぞれ、複数個(ここでは6個)の端面接触部48が、シート部材10の幅方向に等間隔を隔てて位置するように設けられており、かかる長さ方向において対応位置する端面接触部48同士の間に、2個の第一挟持突起42,42と1個の第一積層体収容部形成凹所34とが、それぞれ配設されている。
【0031】
この端面接触部48は、略四角錐台形状を呈する突起部からなり、中心軸に向かって上傾する4個の側面を有している。そして、それら4個の側面のうち、第一挟持突起42の第一積層体収容部形成凹所34側とは反対側の側面と対向する側面が、後述するようにして収容容器内に収容された複数の帯電ロール12のそれぞれの第一の軸体端部18の端面や第二の軸体端部20の端面と接触する接触面50とされている。
【0032】
一方、シート部材10の上面における波形部22を間に挟んだ幅方向一方側の端部の幅方向中央部には、段付け部52が、波形部22と略同一長さをもって、シート部材10の長さ方向に延びるように設けられている。この段付け部52は、それよりも波形部22側に位置する幅方向端部の内側部位を、段付け部52よりも波形部22側とは反対側に位置する幅方向端部の外側部位に比して一段低く為し得るように構成されている。これにより、シート部材10の幅方向一方側の端部のうち、段付け部52にて一段低くされた波形部22側の内側部位が、凹状端部53とされている。
【0033】
そして、そのような凹状端部53の下面には、下方に向かって開口する、矩形状の係合凹部54が、シート部材10の長さ方向に所定間隔を隔てて、複数個(ここでは7個)形成されている。また、シート部材10の幅方向一方側の端部のうち、段付け部52を間に挟んで凹状端部53側とは反対側に位置する外側部位には、その長さ方向の一端側に、矩形の切欠部56が形成されている。
【0034】
さらに、シート部材10の上面における波形部22を間に挟んだ幅方向他方側の端部の幅方向中央部にも、段付け部58が、波形部22と略同一長さをもって、シート部材10の長さ方向に延びるように形成されている。この段付け部58は、それよりも波形部22側に位置する幅方向端部の内側部位を、段付け部58よりも波形部22側とは反対側に位置する幅方向端部の外側部位に比して一段高く為し得るように構成されている。これにより、シート部材10の幅方向他方側の端部のうち、段付け部52にて一段高くされた波形部22側の内側部位が、凸状端部59とされている。
【0035】
また、そのような凸状端部59の上面には、上方に向かって突出する係合凸部60が、シート部材10の長さ方向に所定間隔を隔てて、前記係合凹部54と同じ数(ここでは7箇所)だけ設けられている。この係合凸部60は、係合凹部54内に突入し、外周面において係合凹部54の内周面の全面に係合可能な大きさの矩形形状を有している。
【0036】
そして、かくの如き構造とされたシート部材10の複数が、互いに積み重ねられて、本実施形態の帯電ロール収容容器が形成されるのであるが、かかる帯電ロール収容容器内に多数の帯電ロール12を収容する際には、例えば、以下のようにして、その作業が進められることとなる。
【0037】
すなわち、先ず、図3に示される如き配置状態とされた1個のシート部材10上に、複数(ここでは6個)の帯電ロール12を配置する。その際には、図3乃至図5に二点鎖線で示されるように、複数(ここでは6個)の帯電ロール12のそれぞれを横に寝かせた状態で、それらの各積層体16を、1個のシート部材10の各第一積層体収容部形成凹所34内に非接触で収容させると共に、第一の軸体端部18と第二の軸体端部20の各外周面の下側略半周部分が、各第一積層体収容部形成凹所34の両側に位置する第一挟持突起42,42の外周面接触部46,46にそれぞれ接触するようにして、第一及び第二軸体端部18,20を第一挟持突起42,42に各々支持させる。
【0038】
次に、図6に示される如く、複数の帯電ロール12が上記のように配置されたシート部材10とは別のシート部材10を、図3に示される如き配置状態から水平面内において180°回転させた上で、複数の帯電ロール12が配置されたシート部材10の上側に積み重ねる。
【0039】
このとき、下側に配置されたシート部材10の凸状端部59の頂部と、上側に積み重ねられるシート部材10の凹状端部53の底部とを互いに重ね合わせると共に、下側に位置するシート部材10の凸状端部59に設けられた複数の係合凸部60を、上側に位置するシート部材10の凹状端部53に設けられた複数の係合凹部54内に突入させて、それらの内外周面同士を係合させる。
【0040】
また、下側に位置するシート部材10の各凸条26の頂部32の上面と、上側に位置するシート部材10の各凹溝24の底部28の下面とを重ね合わせると共に、下側のシート部材10の各凹溝24と、上側のシート部材10の各凸条26とを上下方向に対応位置させる。これにより、各凹溝24からなる第一積層体収容部形成凹所34と、各凸条26にて構成される第二積層体収容部形成凹所36との互いに対応するもの同士にて、断面六角形形状を呈する積層体収容部62が、凹溝24や凸条26と同じ数だけ、互いに積み重ねられた2個のシート部材10,10同士の間に形成される。なお、前記せるように、凹溝24の底部28の幅:W1 や凸条26の頂部32のそれぞれの幅:W2 が、それらの側壁部の幅:Lよりも小さくされているため、積層体収容部62は正六角形ではなく、それに近似した形状となっている。
【0041】
また、それら各積層体収容部62の長さ方向両側において、下側のシート部材10の第一挟持突起42に対して、上側のシート部材10の第二挟持突起44が突き合わされる。
【0042】
なお、上記の如き積層体収容部62が形成されるように、2個のシート部材10,10を互いに積み重ねときには、下側に配置されたシート部材10の外周部に設けられた切欠部56と、上側に配置されるシート部材10の外周部に設けられた切欠部56とが、互いに対角線上に位置せしめられる。このため、本実施形態では、2個のシート部材10,10を互いに積み重ねるときに、各シート部材10に設けられる凹溝24や凸条26のそれぞれの位置や向き等を一々確かめることなしに、単に、各シート部材10の切欠部56が互いに対角線上に位置せしめられているかを、外観から確認して、2個のシート部材10,10を積み重ねれば、互いに積み重ねられたシート部材10同士の間に、上記の如き構造を有する積層体収容部62を 簡単に形成し得るようになっている。このことから明らかなように、本実施形態では、切欠部56にて、マーカー部が構成されている。
【0043】
また、下側のシート部材10における各凸条26の頂部32の上面と、上側のシート部材10における各凹溝24の底部28の下面とを重ね合わせる際には、各凸条26の頂部32に設けられた凸部40が、各凹溝24の底部28の下面に設けられた凹部38内に突入せしめられて、嵌合される。これらの凸部40と凹部38との凹凸嵌合と、前記せる凸状端部59と凹状端部53との凹凸嵌合と、係合凸部60と係合凹部54との凹凸嵌合とによって、互いに積み重ねられた2個のシート部材10の水平方向への相対移動が阻止されるようになっている。それ故、互いに積み重ねられたシート部材10の水平方向への無用な位置ズレにより、帯電ロール12の積層体16の表面にシート部材10が接触する等して、かかる積層体16表面に傷や汚れ等が生ずることが、効果的に防止され得るようになっている。
【0044】
かくして、下側のシート部材10上に配置された各帯電ロール12の積層体16を、各積層体収容部62内に非接触で収容させる。また、図7に示されるように、各帯電ロール12の第一の軸体端部18を、下側のシート部材10の第一挟持突起42と、上側のシート部材10の第二挟持突起44との間で挟持させて、保持させると共に、かかる第一の軸体端部18の被挟持部位の外周面を、その全周において、第一挟持突起42と第二挟持突起44のそれぞれの外周面接触部46,46に接触させる。このとき、第一の軸体端部18は、その端面が、第一挟持突起42の凹溝24側とは反対側に位置する端面接触部48の接触面50に接触せしめられる。このことから明らかなように、本実施形態では、下側のシート部材10の長さ方向一方側に位置する第一挟持突起42と、それに対応位置する上側のシート部材10の第二挟持突起44とにて、第一の軸体保持部が、また、それら各挟持突起42,44の外周面接触部46,46にて、第一の外周面接触部が、それぞれ構成されており、更に、かかる第一挟持突起42の凹溝24側とは反対側に位置する端面接触部48にて、第一の端面接触部が構成されている。
【0045】
一方、図示されてはいないものの、各帯電ロール12の第二の軸体端部20も、下側のシート部材10の第一挟持突起42と、上側のシート部材10の第二挟持突起44との間で挟持させて、保持させると共に、かかる第二の軸体端部20の被挟持部位の外周面を、その全周において、第一挟持突起42と第二挟持突起44のそれぞれの外周面接触部46,46に接触させる。このとき、第二の軸体端部20は、その端面が、第一挟持突起42の凹溝24側とは反対側に位置する端面接触部48の接触面50に接触せしめられる。このことから明らかなように、本実施形態では、下側のシート部材10の長さ方向他方側に位置する第一挟持突起42と、それに対応位置する上側のシート部材10の第二挟持突起44とにて、第二の軸体保持部が、また、それら各挟持突起42,44の外周面接触部46,46にて、第二の外周面接触部が、それぞれ構成されており、更に、かかる第一挟持突起42の凹溝24側とは反対側に位置する端面接触部48にて、第二の端面接触部が構成されている。
【0046】
これにより、互いに積み重ねられた2個のシート部材10,10にて、それらの間に複数の帯電ロール12が収容された第一収容ユニット64aを形成する。そして、この第一収容ユニット64a内に収容された帯電ロール12は、第一及び第二の軸体端部18,20の各外周面接触部46や端面接触部48への接触により、軸直角方向及び軸方向への移動が阻止されるようになっている。そうして、積層体収容部62内に収容された積層体16のシート部材10に対する接触が未然に防止され得るようになっている。
【0047】
次に、図8の(a)に示されるように、第一収容ユニット64aを構成する2個のシート部材10,10のうちの上側に位置するシート部材10上に、第一収容ユニット64a内に収容される帯電ロール12とは別の複数の帯電ロール12を配置する。かかるシート部材10上への帯電ロール12の配置は、第一収容ユニット64aの下側のシート部材10上に帯電ロール12を配置する際と同様な手順に従って実施される。
【0048】
その後、図8の(b)に示されるように、上記と同様な作業手順にて、第一収容ユニット64aとは別個に作製された第二収容ユニット64bを、第一収容ユニット64a上に積み重ねる。このとき、第一収容ユニット64aの上側に位置するシート部材10の各第一積層体収容部形成凹所34と、第二収容ユニット64bの下側に位置するシート部材10の各第二積層体収容部形成凹所36とにて、新たに複数の積層体収容部62が形成されると共に、それら新たに形成された複数の積層体収容部62内に、帯電ロール12が、それぞれ収容される。
【0049】
また、第一収容ユニット64aにおける上側のシート部材10の各凸条26の凸部40が、第二収容ユニット64bにおける下側のシート部材10の各凹溝24の凹部38に対して凹凸嵌合されると共に、第一収容ユニット64aにおける上側のシート部材10の凸状端部59の係合凸部60が、第二収容ユニット64bにおける下側のシート部材10の凹状端部53の係合凹部54に対して凹凸嵌合される。これにより、第一収容ユニット64aと第二収容ユニット64bとの水平方向での相対移動が阻止されるようになる。なお、このような2個の収容ユニット64a,64bを積み重ねるときにも、直接に積み重ねられるシート部材10の各切欠部56が対角線上に位置せしめられる。
【0050】
そして、上記の如き作業を順次繰り返しつつ、複数のシート部材10を多段に積み重ねることにより、図1に示されるように、多段に積み重ねられたシート部材10の互いに隣り合うもの同士の間に、積層体収容部62を構成する六角セルが複数並列せしめられたハニカム構造をもって、帯電ロール収容容器を形成すると共に、かかる収容容器の各積層体収容部62内に、帯電ロール12がそれぞれ収容するのである。
【0051】
このように、本実施形態の帯電ロール収容容器においては、断面六角形状を呈するセルからなる積層体収容部62を多数有するハニカム構造をもって構成されているところから、積層体収容部62を形成する凹溝24や凸条26の各側壁部30に掛かる帯電ロール12の荷重が有利に分解されて、それら各側壁部30に作用するせん断応力が効果的に小さく為され得る。それにより、断面矩形又は台形状の積層体収容部形成凹所を有するシート部材を、単に積み重ねただけの構造を有する従来容器に比して、耐荷重性や耐衝撃性等において優れた特性が発揮され得る。その上、高さや長さ、幅等が同一とされた同じ大きさの従来容器よりも、収容容器内に設けられる積層体収容部62の数が、効果的に増大せしめられ得る。
【0052】
従って、かくの如き本実施形態の帯電ロール収容容器にあっては、複数のシート部材10が多段積みされた形態において、従来容器では到底得られない高い強度が安定的に確保され得るのであり、それに加えて、より多くの電子写真機器用ロールが極めて効率的に収容され得ることとなるのである。
【0053】
また、本実施形態の帯電ロール収容容器は、同一形状を呈する複数のシート部材10を用いて形成されている。それ故、互いに異なる形状を有する複数種類のシート部材10を用いる場合に比して、収容容器全体の製作性が有利に高められ得、更には、その製作コストの低減も、効果的に実現可能となる。
【0054】
さらに、本実施形態では、複数のシート部材10を多段に積み重ねるときに、各シート部材10の凹溝24や凸条26の位置等を一々確かめることなく、単に、積み重ねられるシート部材10にそれぞれ設けられた切欠部56を対角線上に位置させるだけで、それら複数のシート部材10にて、ハニカム構造を有する収容容器を正確に形成することが出来る。従って、収容容器の形成作業と、収容容器内への複数の帯電ロールの収容作業とが、より円滑且つ容易に行われ得るのである。
【0055】
ここで、本実施形態に係る帯電ロール収容容器が、上記せる如く、優れた強度を有するものであることを確かめるために、本発明者等によって実施された試験について詳述する。
【0056】
すなわち、先ず、図3乃至図5に示される如く、断面台形状の凹溝と凸条とが交互に位置せしめられてなる波形部を備えた、樹脂製のシート部材を11個作製して、準備した。そして、それら11個のシート部材を、図1に示されるように多段積みして、ハニカム構造を有する帯電ロール収容容器を形成した。これを試験品1とした。また、かかる試験品1の帯電ロール収容容器内には、60個の帯電ロールを収容した。次いで、この60個の帯電ロールを収容した試験品1の帯電ロール収容容器を、段ボール(WF、K6×K6)内に収納した後、収納口をガムテープで封止した。
【0057】
また、比較のために、断面矩形状の凹溝と凸条とが交互に位置せしめられてなる波形部を備えた、樹脂製のシート部材を11個作製して、準備した。このシート部材の材質は、上記のハニカム構造を有する帯電ロール収容容器を構成するシート部材の材質と同一とした。そして、それら11個のシート部材を、凸条の頂部と凹溝の底部とが互いに突き合わされるように多段積みして、ハニカム構造を何等有しない従来と同様な構造の帯電ロール収容容器を形成した。これを試験品2とした。また、かかる試験品2の帯電ロール収容容器内には、60個の帯電ロールを収容した。次いで、この60個の帯電ロールを収容した試験品2の帯電ロール収容容器を、段ボール(WF、K6×K6)内に収納した後、収納口をガムテープで封止した。
【0058】
次に、それら試験品1と試験品2のそれぞれの強度を確かめるために、試験品1を収納した段ボールと、試験品2を収納した段ボールとを用いて、それらに対する落下試験をJIS Z0202に準拠して、実施した。なお、落下試験条件は、落下高さ60cmの底面落下試験とした。
【0059】
かかる落下試験の結果、試験品1の帯電ロール収容容器を収納した段ボールと、試験品2の帯電ロール収容容器を収納した段ボールの何れのものにおいても荷崩れは発生しなかったものの、試験品2の帯電ロール収容容器は、段ボール内で、最下段のシート部材の角部に割れが発生していた。これに対して、試験品1の帯電ロール収容容器においては、全てのシート部材において、割れが発生していなかった。このことから、本発明に従う構造を有する帯電ロール収容容器が、従来容器に比して優れた強度を有することが、明確に認識され得る。
【0060】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0061】
例えば、前記実施形態では、積層体収容部62の断面形状が正六角形に近似した形状となっていたが、この積層体収容部62の断面形状は、正六角形状であることが、より望ましい。それによって、ハニカム構造を有する収容容器の強度と収容効率とが、更に有利に高められ得ることとなる。
【0062】
また、積層体収容部62を形成する凹溝24と凸条26のシート部材10に対する形成個数やそれらの大きさは、収容されるべき帯電ロール12等の電子写真機器用ロールの大きさ等に応じて適宜に変更され得るものであることは、言うまでもないところである。
【0063】
さらに、前記実施形態では、シート部材10の外周部に設けられた切欠部56にて、マーカー部が構成されていたが、このマーカー部は、シート部材10同士が互いに積み重ねられて、それらの間に、凹溝24と凸条26とからなる六角セルが適性に形成されたときに、予め定められた位置に配置されていることが外部から視認可能なようになっておれば、その具体的な構造は、特に限定されるものではない。従って、切欠部に代えて、シート部材10の所定位置に、凹凸部を形成したり、或いは各種の印刷層等を形成したりして、それら凹凸部や印刷層等により、マーカー部を構成することも出来る。
【0064】
更にまた、積み重ねられるシート部材10は、その全体形状が必ずしも同一のものでなくとも良い。
【0065】
加えて、前記実施形態では、本発明を、複写機の帯電ロール収容容器に適用したものの具体例を示したが、本発明は、電子写真機器用ロール収容容器の何れに対しても、有利に適用されるものであることは、勿論である。
【0066】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【符号の説明】
【0067】
10 シート部材 12 帯電ロール
14 軸体 16 積層体
18 第一の軸体端部 20 第2の軸体端部
22 波形部 24 凹溝
26 凸条 28 底部
32 頂部 42 第一挟持突起
44 第二挟持突起 46 外周面接触部
48 端面接触部 56 切欠部
62 積層体収容部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸体の外周面上に積層体が形成されてなる電子写真機器用ロールを収容する収容容器であって、かかる電子写真機器用ロールの積層体の軸方向一方側の端面から突出する第一の軸体端部を保持する第一の軸体保持部と、該積層体の軸方向他方側の端面から突出する第二の軸体端部を保持する第二の軸体保持部と、それら第一の軸体保持部と第二の軸体保持部との間に位置して、該積層体を非接触で収容する積層体収容部とを有してなるものにおいて、
断面台形状の凹溝と凸条とが交互に位置せしめられてなる波形部を備えたシート部材の複数が、それぞれの波形部の凸条の頂部と凹溝の底部とを互いに突き合わせるように積み重ねられることにより、それら積み重ねられたシート部材の互いに隣り合うもの同士の間に、該シート部材の積重ね方向において互いに対応位置する該凹溝と該凸条とにて形成された六角セルが複数並列せしめられてなるハニカム構造を有していると共に、前記積層体収容部が、該複数の六角セルのそれぞれにて構成されていることを特徴とする電子写真機器用ロール収容容器。
【請求項2】
前記複数のシート部材が、互いに同一の形状を有している請求項1に記載の電子写真機器用ロール収容容器。
【請求項3】
前記第一の軸体端部の外周面に接触する第一の外周面接触部と、前記第二の軸体端部の外周面に接触する第二の外周面接触部と、該第一の軸体端部の端面に接触する第一の端面接触部と、該第二の軸体端部の端面に接触する第二の端面接触部とが設けられて、該第一及び第二の軸体端部の外周面に対する該第一及び第二の外周面接触部の接触により、前記電子写真機器用ロールの軸直角方向への移動が規制されるようになっていると共に、該第一及び第二の軸体端部の端面に対する該第一及び第二の端面接触部の接触により、該電子写真機器用ロールの軸方向への移動が規制されるようになっている請求項1又は請求項2に記載の電子写真機器用ロール収容容器。
【請求項4】
前記シート部材の前記凹溝の開口側の面における、該凹溝を間に挟んでその延出方向の両側に位置する部位と、該シート部材の該凹溝の開口側とは反対側の面における、前記凸条を間に挟んでその延出方向の両側に位置する部位とに対して、挟持部がそれぞれ設けられ、そして、該シート部材の複数のものの前記積重ね状態下で、前記電子写真機器用ロールの前記第一の軸体端部と前記第二の軸体端部とが、該凹溝の両側に設けられた該挟持部と該凸条の両側に設けられた該挟持部との間で挟持されるようになっていることにより、前記第一の軸体保持部と前記第二の軸体保持部とが、該第一の軸体端部と該第二の軸体端部とをそれぞれ挟持する挟持部にて構成されている請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載の電子写真機器用ロール収容容器。
【請求項5】
前記シート部材の前記波形部を間に挟んだ両側の部位のうちの何れか一方に、係合凹部が設けられる一方、それらのうちの少なくとも何れか他方に、該係合凹部内に突入して、該係合凹部の内周面に係合可能な係合凸部が設けられて、該シート部材の複数のものの前記積重ね状態下で、互いに隣り合う該シート部材のうちの一方の前記係合凹部に対して、それらのうちの他方の前記係合凸部が係合せしめられることにより、互いに積み重ねられた該シート部材の積重ね方向に対する直角方向での相対移動が阻止されるようになっている請求項1乃至請求項4のうちの何れか1項に記載の電子写真機器用ロール収容容器。
【請求項6】
前記複数のシート部材が前記ハニカム構造を有するように積み重ねられたときのみにおいて、予め設定された位置に位置せしめられるマーカー部が、該シート部材に設けられている請求項1乃至請求項5のうちの何れか1項に記載の電子写真機器用ロール収容容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−231042(P2010−231042A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−79307(P2009−79307)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】